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1951-02-06 第10回国会 衆議院 大蔵委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月六日(火曜日)     午後二時三十一分開議  出席委員    委員長 夏堀源三郎君    理事 奧村又十郎君 理事 小山 長規君       有田 二郎君    大上  司君       佐久間 徹君    島村 一郎君       高間 松吉君    清水 逸平君       三宅 則義君    宮幡  靖君       内藤 友明君    宮腰 喜助君       松尾トシ子君    竹村奈良一君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 田村 文吉君  出席政府委員         大蔵政務次官  西川甚五郎君         大蔵事務官         (主計局法規課         長)      佐藤 一郎君         通商産業事務官         (通商化学局         長)      長村 貞一君         郵政事務官         (郵務局長)  浦島喜久衞君         郵政事務官         (簡易保險局         長)      金丸 徳重君         郵政事務官         (経理局主計課         長)      佐方 信博君  委員外出席者         厚生事務官         (保險局庶務課         長)      堀岡 吉次君         厚生事務官         (健康保險課         長)      友納 武人君         通商産業事務官         (通商振興局経         理部長)    石井由太郎君         通商産業事務官         (通商振興局監         査第一課長)  馬郡  巖君         通商産業事務官 吉村善三郎君         專  門  員 椎木 文也君         專  門  員 黒田 久太君     ――――――――――――― 二月五日  鉱工品貿易公団損失金補てんのための交付金  に関する法律案内閣提出第二四号) の審査を本委員会に付託された。 同日  税制改正に関する陳情書  (第一五四号)  未復員者に対する諸給與引上げに関する陳情書  (第一五八  号)  絹、毛織物に対する特別物品税新設中止に関す  る陳情書外一件  (第一六〇号)  民間資本蓄積促進に関する陳情書  (第一六四号)  高級織物に対する物品税課税中止に関する陳  情書  (第一七一号)  租税リーエン制度導入反対に関する陳情書  (第一七九号)  織物に対する物品税撤廃陳情書外二件  (第一八九号)  長期清算取引の実現に関する陳情書  (第一九四号)  絹、毛織物に対する特別物品税新設中止に関す  る陳情書外二件  (第二  〇二号)  漁業権補償金に対する所得税免除陳情書  (第二〇七号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  小委員追加選任  郵政事業特別会計歳入不足を補てんするため  の一般会計からする繰入金に関する法律案(内  閣提出第七号)  厚生保險特別会計法の一部を改正する法律案(  内閣提出第八号)  アルコール專売事業特別会計から一般会計への  納付特例に関する法律の一部を改正する法律  案(内閣提出第一一号)  鉱工品貿易公団損失金補てんのための交付金  に関する法律案内閣提出第二四号)  鉱工品貿易公団損失金補てんのための交付金  に関する法律案内閣提出第二四号)を小委員  会の審査に付する件     ―――――――――――――
  2. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 これより会議を開きます。  まず昨五日本委員会に付託に相なりました鉱工品貿易公団損失金補てんのための交付金に関する法律案について、政府当局より提案趣旨の説明を求めます。西川政府委員
  3. 西川甚五郎

    西川政府委員 ただいま議題となりました鉱工品貿易公団損失金補てんのための交付金に関する法律案提出理由を御説明申し上げます。  鉱工品貿易公団は、昭和二十六年一月三十一日に解散し、昭和二十六年度中に清算結了予定でありますが、その損失は目下のところ十六億九千七万七千円と予想されるのでありまして、損失金補填財源として、同額を限り、昭和二十六年度において政府一般会計から同公団に交付いたそうとするものであります。  以上の理由によりましてこの法律案を提出いたしました次第であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。     —————————————
  4. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 郵政事業特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案厚生保險特別会計法の上部を改正する法律案、及びアルコール專売事業特別会計から一般会計への納付特例に関する法律の一部を改正する法律案議題といたしまして質疑を続行いたします。
  5. 宮腰喜助

    宮腰委員 鉱工品貿易公団の方に資料をお願いしておきます。第一には現在の手持品の品別、数量、価格、それからどこの倉庫を使つておるか、その倉庫会社名、第二には過去において売却した金額数量、これは国内に売却したものもありますし、外国に売却したものもありますが、国内に売却したときの自由契約の対象になつ金額、入札の形になつ金額、第三には吏員不正行為による損失、その後回復した金額状況、第四としては毎月の料金、たとえば倉庫料保險料、給料、家賃、吏員厚生施設があつた場合にはその毎月の経費、第五としては各銀行料金、これは現在の料金と過去のものと銀行名をあげて金額を出していただきたい。
  6. 夏堀源三郎

  7. 竹村奈良一

    竹村委員 私は一つ大臣にお伺いいたしたいのでございますが、それは現在出されておる法律案は、郵政事業特別会計歳入不足を補填するために一般会計から繰入れるということになつておるのであります。提案理由にも明示されておりますように、特別会計財政状況が健全な状態になりましたならば、繰入金に相当する金額は、予算の定めるところによつて一般会計に繰りもどすというふうに説明されておるのでありますが、この繰りもどされる状態になるのは、一体何年度くらいにそういう状況になるか大臣考えておられるか。まず今日こういう赤字が出て参りますところの原因というものは、われわれの考えておりますところにおきましては、少くとも郵政と電通とが分離いたしたところに原因があり、しかもそれ以外には簡易生命保險の金とか、あるいは郵便年金の金、こういう積立金運用の面にもあると考えておるのでありますが、これに対して大臣はどういうふうに考えておられるか。つまりいつごろになつたならば通常な、赤字がなくて一般会計に繰りもどすことができるか。これをどういうふうに考えておられるか。これが第一点。  第二点といたしましては、第五国会におきますところの衆参両院満場一致決議によりますところの、たとえば「簡易生命保險及び郵便年金積立金運用は、元来事業経営不可分一体をなし、事業主自らこれに当ることを本則とする。」こういう冒頭におけるところの決議、つまり大蔵省のその当時の預金部資金に繰入れるというのではなくて、独立してその運用郵政省所管にするという決議が、満場一致でできておるのですが、これに対して大臣はどういうふうに処理されたか。この二点をまずお伺いしたいのであります。
  8. 田村文吉

    田村国務大臣 第一のお尋ねの問題でございますが、一般会計からの繰入金は、いつになつたら返すことができるかという御質問のようであります。これは現在は御指摘の通り赤字状態にあるのでありまして、これが赤字をなくするということにつきましては、最善努力をいたしております。收入の面においては、あるいは料金改正をするとか、支出の面におきましては、できるだけ合理化した経営方法をやるとかいうようなことになるのでありますが、料金改正につきましては、これが関係するところ非常に広汎でございまするのと、また低額所得の人に負担を多くするようなことになつてはどうかということから、先般はがき料金改正案もあつたのでありまするけれども、来年度はいたさないことにいたした次第であります。しかし大体郵便收入の大きな減收になつておりますものは、取扱量戰争前に比べまして約半分に減つておる。これが一番大きな問題でありまして、これが回復に私どもといたしましては最善努力をいたしておるのでありまして、もしこの回復ができ得まして、少くとも戰前の状態と同じように郵便物が運ばれるというようなことにもなり、また料金は諸般の情勢を考えましてもつともだということで、ある程度改正も絶対に不可能ではないと考えておりまするので、その辺のにらみ合いによりまして、繰入金の返還もするしかしはたしてそれが何年の後にはつきりと返せる見込みかと仰せられますると、今のところは何年の後にはつきり返すという予定は困難であるのであります。  第二の保險積立金再開運用につきましては、ただいまも仰せになりました通り両院におきまして、これが郵政省における再開運用決議せられたのでありまして、この以後におきまして私どもその方針のもとに大蔵当局とも話合いをいたしまして、大体事務的にもどうするというような方法まで決定しておりましたが、昨年の秋ドツジ氏が見えられまして、さような零細な資金運用方法は、きわめて安全な方法が大事であるということが第一と、またこの資金をまとめて運用するということが必要である、かような意味メモランダムが参りまして、資金部運用ということで大蔵省所管で一手にとりまとめる、こういうようなことに相なりました結果、せつかく準備をそれまでいたして参つたのでありますけれども、さようなわけで資金部運用にまかせる、こういうような状況に相なつたのであります。但しこれによりまして保險再開をしなかつたために、どのくらい郵政省としての收入減があるか、あるいはこういう御疑問が出るかもしれませんが、明年度におきましては、これを五分五厘に全部運用いたします関係上、自分たち運用いたします場合を想定いたしましても、收入の面においてはあまりかわらないのであります。
  9. 竹村奈良一

    竹村委員 ただいま聞いておりますと、衆参両院決議にのつとつて、大体事務的にもそういうような決議趣旨に沿うような運びにするように事務的には相談しておつた。ところがドツジ氏が昨年の十一月でしたか、預金部資金の点についていわゆる資金運用部に改めろという、こういうメモランダムが来た。従つてそれだからこういうようにした。こういうお答えであります。そこで私ひとつお伺いいたしたいのでありますが、大体われわれの考えでは覚書というものはすなわち覚書でありまして、これは必ずしも指令ではないのであります。もちろんわれわれは今日わが国が占領下にあるということは十分承知しておるのでありますが、しかしそれはやはりいかに占領下にあつたといたしましても、少くとも指令でない覚書参つた。しかもそれが衆参両院全会一致決議ができて、しかも事務的にもたとえば郵政省所管でこれをやろうという程度のところまで話が進んでおつた。しかるに覚書が一本参つたならば、すぐさま覚書にのつとつて、そういう国会一致決議すらも立ちどころに翻つてしまうということになりますと、われわれは国会におけるところの議決も——大臣の今までの答弁から行きますと、單なる覚書によつて立ちどころに一切がかわつてしまう、こういうことになると、われわれは今後に対して非常に考えなければならぬと思うのでありますが、これに対して覚書が来たからこれがかわつたという事情について、今までの衆参両院決議というものが、覚書が来てこれをかえなければならないほど、その決議というものは運用についてはだめなものであつたか、覚書の方が運用についてはよかつたのか、こういう点で大臣はどういうように考えておるか。また所管大臣として覚書が来たから、そういうふうにしたとおつしやつたのでありますが、しかし実際においては覚書よりも衆参両院決議によつた方がいいと考えて、そうして覚書が来たからすぐかえられたのか、こういう点についてどういうふうに考えておられるか、ひとつお聞かせ願いたい。
  10. 田村文吉

    田村国務大臣 あるいは御見解の相違になるかも存じませんが、私たちはドツジ氏のメモランダムがありまして、私自体もドツジ氏にお目にがかつていろいろお話もいたしましたが、さようなことでこの資金を統制して、統一のもとに出すということが、今日の日本の実情において最も必要なことであるという御強調もありましたので、私はそれに従うことが当然だと考えたのでありまして、今御質問のような見解にはならなかつたわけであります。
  11. 竹村奈良一

    竹村委員 そういたしますと、衆参両院決議というものよりも覚書の方がいい、こう考えられたというならば、あなたの考えでは、衆参両院決議というものはあまり運用面においてはりつぱなものではなかつた、ドツジ氏の覚書による方が実にりつぱなものであつた、こういう見解であると承知していいですか。
  12. 田村文吉

    田村国務大臣 さような形容詞的の意味で私はどうこう申すわけではありませんが、そうすることがあたりまえであり、そう行くべきだ、こう考えたので、ドツジ氏のメモランダム趣旨に従いまして、今までの計画を一時中止している、かようなわけであります。
  13. 竹村奈良一

    竹村委員 そういたしますと、国会でいろいろ議決いたしましても、一片覚書が参りますと、ただちにそれが変更される。そういうことになると、国会決議というものも大体あまり権威のあるものではない。そういうふうに大臣考えておられると考えていいですか。
  14. 田村文吉

    田村国務大臣 さように国会決議というものを軽く見たくないと思います。思いまするが、私どもはさような場合メモランダムが参りまして、これがなかなか動かしがたいような強い御主張でありましたので、これに従うことが当然だと考えたので、いたしたのであります。決して国会決議自体を軽視するという意味ではないのであります。ただしかしこれ以上の問題につきましては、国会自体が御判断なさるべきでありまして、政府としてはさよう考えております。
  15. 宮腰喜助

    宮腰委員 大臣に一点お伺いしておきたいと思います。郵政省は年々歳入不足で、一般会計から特別会計への繰入れがたびたび実行されておる。しかし現在の状態では独立採算ということを考えるなら、いま少しく独立採算の立場から、赤字をなくする方法研究して行かなければならぬのではないかと考えております。この間の状態を見ますと、二十六年度の予算では改正しないということを伺つております。従つてこの赤字克服政策としては、あるいはお年玉のはがきとか、暑中見舞、寒中見舞とか、あるいは公共団体地方団体あるいは公益団体集金をするとか、ラジオ集金を取扱うということに集中すれば、收入が幾らか増しまして、赤字をある程度食いとめることができるかもしれません。しかし私は根本的な問題としては、機構簡素化が重要な問題になつて来るのではないかと思うのです。そこで私は郵政省でこの機構簡素化ということを研究され、また今後これを実行しようという御意思があるかどうか。その点を伺いたい。
  16. 田村文吉

    田村国務大臣 ごもつともなお説でありますが、今の企業として経営いたして参ります場合において、できるだけむだを排して能率的に運営することについては、常時考えを怠らないつもりでおります。なおまた実際的に、具体的に、かような点についどうかというようなことにつきましては、大体研究もいたしておるつもりでございますが、なお先刻申し上げましたように、大体郵政收入の非常に減つておる大きなものは、郵便物戰争前の半分になつておるということであります。しかし幸いこれが年に一割五分程度くらいずつは実は回復しておるのであります。御承知のように郵政原価と申しますか、経費の大部分は人件費なのでございます。御承知のように東京都内のごときは、比較的集団的に郵便物配達ができるのでありますけれども山間地方に参りますと、わずか八十銭の新聞配達のために山の上まで行かなければならぬ、こういうような点もありますので、形式は独立採算ということになつておりますが、なお少しくこういう点についての検討の余地もあるのではないか。はたして原価計算式によつてすべての料金を徴收すべきか、あるいは国家としてかような郵便事業というようなものに対しては、いわゆる文化施設とかその他の性質のものを、国の一般会計という名のもとにある程度補給してもいいのか、そういう点についてはなおしばらく研究余地があろうかと考えておりますので、そういうこともございまして、実は料金をすぐ改正するというようなことをとりやめたような状況であります。しかしお説のようにできるだけ企業合理化をいたしますことはもちろんでありますので、せいぜいその線に向つて進みますと同時に、郵便物の数の復旧いたしますように、この点もいろいろの手を盡しておる次第であります。
  17. 宮腰喜助

    宮腰委員 もう一点お伺いいたします。過去の三等郵便局はがきだとか收入印紙切手販売方法について、現在の状態で行くとこれは官吏でありますから、自分の私費を投じて收入印紙を買わなくてもけつこうであります。しかし販売政策から言えば、過去の三等郵便局の方がかえつて收入印紙や、それからはがき販売には非常によかつたように考えます。当時は自分收支計算のもとにこれをやつておられまして、暑中見舞でもあるいは寒中見舞でも三等郵便局局長がみずから第一線に働いて、この販売方法を講ずる。そして相当成績を上げておる。今回改正以後においては月給はきちんとくれるのだし、別にそういう働きをしなくてもいいということになるわけでありますが、元の状態販売方法をかえることができないものでしようかどうか。現状の官吏の形でも法律によつて特例をこしらえると、これはできるような感じもします。そこで特別な方法考えまして、もう少し積極的にこのはがきやあるいは切手販売を強行するような方法考えれば、赤字の屈服もできると思うのですが、元の状態にかえすようなことをお考えになつておるかどうか。その一点をお伺いしてみたいと思います。
  18. 田村文吉

    田村国務大臣 今の問題は特定郵便局長の公私の会計が紊乱するために弊害が出ては困る、かような点から一応考えられて実施されておる制度のように考えております。しかしお説のような点もまた考えるべき点もあるかと考えますので、今後そういう点についてはひとつなお一段と検討してみたい、かように考えております。
  19. 三宅則義

    三宅(則)委員 私は郵政大臣に一、二お伺いいたしたいと思います。大臣も御存じの通り今日の郵便料金につきましては、はかきは別といたしましても、封書等について八円は高過ぎると私は思う。八円を六円ぐらいにし、開封の六円を四円ぐらいに下げて、また同一市内等におきましては、市内郵便というものはかつてはあつたわけでありますが、そういうものにつきましては、たとえば二円のものを半分くらいにして——集約しておりますから、市内郵便は同一市内限つて半分の一円である。かようにいたしましたならば、かえつて販売政策上能率もよくなりましてまた收入も多くなる。たとえば酒を二百円と下げたために、今日では市内に酒がないというまでに徹底して売れておるわけです。こういう点から考えますと実業関係せられた大臣であり、またわれわれもそれを了承しておりますが、値を下げた方が簡便になり、また売れ行きもよくなる。市内郵便等においては、広告宣伝その他においても活発に進行すると考えておりますが、大臣はどういうふうに考えておりますか。将来においても下げ得ないということはないと思います。もう一ぺん言いますが、封書は六円に、開封は四円に、市内郵便は一円、こういうふうに下げられた方が、かえつて私はよいと思いますが、これに対して大臣の御感想なり御見解なりを承りたいと思います。
  20. 田村文吉

    田村国務大臣 ごもつともなお考え方で、そういう考え方は確かに一方に成り立つのであります。しかし八円のものを六円にしますと、三割も下るわけでありますが、はたして三割の郵便増が確実にあるか、こういう点を考えますときに、思い切つてそれが乘り切れるか、こういう状況でありまして、ただ例におあげになりましたアルコールの場合とはがきの場合とは、多少例がさようなわけにも参らぬかもしれませんので、その辺が私ども思い切つて乘り切るという自信がありません。将来料金合理化という点から、はがき料金は安過ぎるから少し上げるとか、封書の方は高過ぎるから少し下げるとかいうような機会でもあります場合に、そういうことも考えてみたらどうかといよう考えております。但し御説のように、封書が八円になりましてからもほとんど減りません。その当座は大分減りました。そういうような状況でございますので、御説としては確かにごもつともな趣旨があるのでございますから、よく検討させていただきたいと思います。
  21. 三宅則義

    三宅(則)委員 前の封書はがき等につきましては、わかたわでけあります。市内郵便、たとえば東京なら東京市内郵便、多少私は関係があると思いますが、これはかりに二円のものを一円に下げても、そう損じやないので、かえつて宣伝広告等が氾濫いたしますから、收入は減りはしない、ふえる、こういうなふうに考えております。その市内郵便に関しまして、復活する用意を持つておられますかどうかということを承りたい。あなたは実業関係の深い大臣でありますが、もちろん国家事業でありますから、実業と同一とは考えませんが、ある程度まで敏活迅速、ちようど電気通信省がもうかつておるように、電気通信と同様の普及宣伝をしたいと思いますから、市内郵便に関してはもう一歩努力していただきたいと思いますが、近き将来においてこれらを改革してもらう用意がありますかどうか、もう一ぺん伺つておきたいと思います。
  22. 田村文吉

    田村国務大臣 ただいまの問題もさきに申し上げた問題と同じでありまして、二円のはがきを一円にするとか、あるいは八円のものを四円にいたしますと、立ちどころに減收が出て参りますので、思い切つてそれをやつて、御説のようにすぐ倍にまで数量がふえれば実はとんとんであります。しかしながらそういう点がございますので、今のところではそれをやるという考えにはなつておりません。御意見は承りますが、さよう御了承願いたいと思います。
  23. 三宅則義

    三宅(則)委員 私は意見を申し上げるのじやありません。われわれは文化ということでありますから、ラジオにつきましても普及宣伝しておるわけでありまして、電信もたくさん復旧され、電話においてもこのごろは利用価値も多くなつておるわけであります。どうか近い将来に大臣も大いに御構想を練られまして、文化の興隆並びに負担の公平を期するために、割合に軽便にして安全なる方法に改革されたいということを特に希望して質問を打切りたいと存じます。
  24. 田村文吉

    田村国務大臣 了承いたしました。
  25. 夏堀源三郎

  26. 宮幡靖

    宮幡委員 大蔵委員会郵政大臣がせつかくお見えになりましたから、一、二お伺いしたいと思います。もちろん事務的なこまかいことはお尋ねしたいと思いません。ただいま共産党の竹村委員から、われわれが第五国会において決議いたしました簡易生命保險及び郵便年金積立金に関する運用についての問題が、司令部一片メモによりまして、雲散霧消してしまつた国会決議は、はなはだ権威のないものじやないかという御趣旨ですが、そのことについての大臣お答えは、きわめて適切なものであつたと拜承しておりますが、一体こういう問題について竹村委員から御発言があろうとは、残念ながら私ども思つておりませんでした。大体が資本主義の世界というものを否定しておるような御思想を持つておられるにかかわらず、何か資本運用についての議論にわたるようなことはちよつと妙であります。と同時にお尋ねというものがまことに突兀のようにも思われます。同時にわれわれがこの決議をいたしました趣旨は、財政資金をもつて産業資金をまかなつて参りました戰後の日本の金融情勢下にありまして考えられることであります。ところがすでに財政資金をもつて産業資金をまかなうことがやめになりまして、産業資金の調達はいわゆるコマーシヤル・ベース、市中銀行を通じての調達、こういうことになりました以上、郵政省だけでその積立金等を運用いたましますと、かえつて資金のコストが高くなりまして、当時の状況よりかわりまして、かえつてこれは新らしい制度資金運用部へ合併いたしまして、運用する方がまさつておるという状況が、生れて来たわけであります。従いまして司令部メモランダムなるものは、日本国内情勢が前の決議をすでに尊重したと同じ効果が、資金運用部において上げられるということを予測して、念のためにメモランダムを出したものと私は承知しております。従いましてメモランダムが主導の力を持つたものでなくして、われわれ国内の経済安定の状況がしかも金融政策というものが、そこに変更してもよろしい。決議以外の方法で、しかも決議趣旨が全うし得るんだという状況なつたものだと、私どもは解釈いたしております。従いまして国会決議は毫も傷つけられたり、あるいはその尊嚴を失つたりしておるものでない、かように考えておるものでありますが、この点につきましての郵政大臣の御所見を、ぜひ重ねてお伺いいたしたいと思います。
  27. 田村文吉

    田村国務大臣 ただいまお尋ねのありましたように、資金が今日のような場合におきまして、財政資金が、しかも国民の零細に集められた資金が、ただ一方に偏した投資だけに向けられているということだけでなしに、産業資金に十分まわるようにという構想も加えられた統一運用なのでありまして、その点につきまして論じますれば、いろいろ私はそういう点についてのもつともな点も考えられると思います。思いまするが、私、郵政大臣といたしまして、せつかく皆様の御決議にありましたことでございますので、できれば御決議通りに運びたい、こういう考えでありましたが、さようなメモランダムが参りましたので、端的にこれは一時中止する。しかし将来永久に放棄するという考えか、こういうことになりますと、保險再開は御承知のように保險を募集する場合の一つの手段なのであります。君たちの地方へもこの金がまわるから、ひとつ保險にせいぜい応募してくれ、かような場合に相当に手段に使われた点もございますので、今のような非常態勢と申しましようか、こういう時代が過ぎ去りましたあとには、やはり御決議趣旨等を尊重いたしまして、またこれが復活を考えてもよろしい、かように考えるのでありますが、現在の状況においては、御説のような御意見も立ち得るのでありますので、それこれを勘案いたしまして、現在のような状況にある次第であります。
  28. 宮幡靖

    宮幡委員 大体郵政大臣の御答弁によりまして、了承いたすわけでありますが、この際さらに一言お伺いいたしたいのは、各委員の本案に対しまする関連的な質問として、郵政省の一つの能率を上げるということですが、そういうことについての質問は速記をたどつてみればたくさんあると思います。しかしこれは人を減らすという直接の関連も持ちますので、容易に行えないことであろうとこれも想像いたします。ところが最近私どもが知りましたのに、日曜日に集配をやめてしまつたという事実、やめてしまつたけれども、大した問題もなかつたということを聞いておりますが、一体郵便事業の本来の使命を考えますと、日曜日に配達をしないなどということは、決してよい方法でない。これはもちろん私個人の考えでありますが、よい方法ではなかろうと思います。かようなことをいたしまして、郵政事業の上に何かよい影響をもたらす点がありましようか。もしないとするならば、私どもは端的に言つて反対であります。日曜であろうが夜中であろうが、事情が許しますものならば、ぜひ一刻も早く通信を到達せしむるということの方がまさつておるのではないか、かように考えておるのでありますが、何か日曜の集配をやめてこれこれの具体的な利益があり、しかもそれにオーバーいたしますような害はないのだ、こういうようなお考え方をお持ちになつておりましようか。方針としてひよつお示しいただきたいと思います。
  29. 田村文吉

    田村国務大臣 ごもつとものお尋ねでございます。先ほど来申し上げておりますように、企業合理化というような点から申しますると、日曜の配達をやめます場合に、約三千人の人が浮いて来る、こういう概算であります。しかしこれは実際運用いたします場合において、今試験中なんでありますが、はたして超過勤務の関係、それから翌日における吏員の増加等を考えて、どの辺までになるかわからないが、一応は約三千人ばかりの人の節約になる、こういうような点もございますので、今日一般会計に非常な御迷惑をかけておる際でもございまするから、すぐそれだけの経費が生れなくても、半年、一年、二年と自然と減員するような場合等における考え方として考えてみることも、一つの考案である。ことに諸外国におきましては、大体一流国においては日曜日は配達しない。但し速達でございますとか電報とか、これは別でございます。みな配達をいたしますが、通常の郵便物は日曜には配達をしない。諸外国、先進国においては大体そういうふうになつております。そういうような関係もございますので、ひとつこの問題を取上げて検討してみよう。実際の運用の面においてどういう結果をもたらすであろうかというので、全国で二百局ばかりの局を選びまして、目下試験をいたしております。で、翌日の郵便物の増加、郵便を受ける商社、いろいろ職業によりまして、日曜でなくてもいいのだというお説のところもあり、日曜もぜひほしいのだというお方もあり、そういうような点の声も聞き、かたがた実は今試験中なのでありまして、まだ全部廃止するとも決定いたしておりませんし、しないとも決定いたしておらぬのであります。今試験中なのでありますが、しかしもしこれが完全に行われました場合においては、おそらくは半年か一年かあるいは二年の後には、それだけの人のセーヴはできる、こういうことになるわけであります。どうぞさよう御了承願います。
  30. 宮幡靖

    宮幡委員 大臣の御説明の点は、方針として一応けつこうだと思うわけでありますが、ただその際今まで郵政事業に携わりまする従業員と申しますか、そういう方々の心構えをそのまま伸ばして参りますと、どうも大臣のお考えのようにはなかなかなりにくいのじやないか。むしろ土曜日の分までも日曜の分だといつて配達しないようなことにいたしまして、なまける機会を與える、合法的なサボタージユをやるチヤンスを與えるというきらいが現に起つております。都市におきまする日曜の配達をやめますことは、それは官庁もお休みでありましようし、大会社もお休みでありましよう。また必要があればみずから郵便局にとりに行きます私書凾制度もありますので、これは大した不便はありません。山間僻地におきます特にそういう極端なところを例に取上げるわけではありませんけれども、土曜日に参るべきものを日曜日を休み、月曜日でよかろうという例は決して乏しくありません。もしありましたならば——現在でもそうであります。特にこれは郵政の方ではありませんが、電気通信の方で電話の保守の状態というものが実に劣惡になつて参り、かつて戰時中にできました電話の施設会社と申しますか、一つの独占企業体ではありましたが、民営の形において個人の私設電話等の保守をいたして参つておりました。これは電話一つかけますればただちに参りまして、ただちに保守をいたしましたのにかかわらず、あるいは故障も直したにかかわらず、現在電通省直轄になりまして以来というものは、容易に電池の交換もできなければ、あるいは故障等も直していただけません。たまにやつて参りますと、能力はどうか知りませんが、まだ成年にも達しないというような女の子が現われて来たり、あるいはその人間のなりたちを見ますと、電話などというものがなかなか直せそうもなさそうな人間が現われて来る。直した結果はまだ直らない、こういうことが非常に多くなつております。これは御調査していただきたいと思いますが、こいうことでかえつてこの日曜日の配達をやめるというようなことは、合理的ななまけ方に便乘される、こういうきらいが多いのであります。郵政事業の收入不足等の問題、はがきの問題からいろいろなことを論ぜられまして、おおむね議論は盡きておるようでありますけれども。まずこの電話の保守なんかにつきましても、お説の通り注文せられましたならば、ただちに民営と同じ観念で電池のとりかえに行つて、そして電池代をいただき、また修理におもむいて所要の材料費等もいただいてやつたと仮定いたしましたならば、もつと收入が大きくならなければならぬ。それをほうつておるから電話も惡くてしかも收入が上らぬ。こういう両面の関係ができて参ります。私は日本があえて平和文化国家を標榜いたします以上、一般文明国の水準と違います労働強化の形をとりたくありません。しかしながら従来のこの郵政に携わります従業員の行き方から見ますると、残念ながら私の心配がここ当分の現実の問題になるのではなかろうかと思います。将来は私は日本人の優秀さに期待して、さようなことは絶滅せられるものだと考えております。従いまして、もしこれを試験的におやりになつて、おおむね所期の目的を達するという大臣のお見通しで、実施に移される場合におきましては、ぜひ従業員の素質、年齢、経験というようなことについて十分御配慮をいただきまして、しかも郵政事業の公益的生命を失わないように御運用をいただきたいことを、私は個人としてのみならず、あえて天下の自由党として要望してやまないわけであります。これは私の意見でありますので、決して御答弁をちようだいしようとは思いませんが、よく御留意願いまして、万遺漏なき御配慮を願いたいといういうことを、この際お願いいたしておきます。
  31. 松尾トシ子

    ○松尾委員 ほかの委員委員の方々からいろいろ御質問がありまして、質問が盡きているかのように思いますけれども厚生保險特別会計法の一部を改正する法律案、これについてちようつと関連質問をさせていただきたいと思います。一般会計から繰入れまして結核対策に対する経費を多く持つということは、たいへんけつこうなんですけれども、これに関連して国民保險というものもありますが、国民保險に対しましてはこの加入者は農民が多いと思うのです。それで農民も肥料の補助金なんかもなくなりましたりして、生活もたいへん苦しいし再生産もできない折柄、また結核の患者は農民にもたいへんあるので、国民保險に対してもこのような措置をとつていただけるようなことはできませんかどうか。これをお伺いしたいと思うのです。それからまた都市におきましても、国民保險というものの施設がたいへん微々たるもので、まだあまり効果を上げていないというようなところがあります。そして地方財政も微弱ですし、あらためてこの施設を設けてやるというような力もないかに思われますから、事務費を負担していただく程度ではとてもこの効果が上らない。これは民間の結核防止にも困るところではないかと思うのです。
  32. 堀岡吉次

    ○堀岡説明員 お答えいたします。国民健康保險に関しての結核関係の補助金でございますが、これは弁解みたいになると思いますが、国民健康保險を行いますのは市町村でございますので、市町村の設立いたします結核の病棟なり、療養所と申しますか、その方面については別途一般会計から、直接に補助金が出るという予定になつております。  それからお話の第二点の、都市における国民保險の不振についてはごもつともでありますが、最近ようやく名古屋市あるいは東京の一、二の区、そういうところがこれをやろうという機運が動いておりまして、特に名古屋市のごときは明年度予算に計上しようというところまで、すでに足を進めておりまして、遠からず実現することと思います。なおこれについて事務費だけの負担では不十分だとおつしやいます点は、ごもつともでございますけれども、この点は国家財政の現状から、明年度予算におきましてはある程度やむを得ぬこととは思いますけれども、今後とも給付費等に対する国の一部の負担というふうなことについては、将来努力して参りたいと存じておりますので、御了承願います。
  33. 三宅則義

    三宅(則)委員 私は通産省の通商化学局長がおいでになりましたから、アルコールにつきましてもう少しく質問いたします。過日の本委員会におきまして、私どもは液体燃料といたしまして、ガソリンのみに依存することはまことに将来といたしましてはおもしろくない。むしろ国内産でありますいも等から出ますところのアルコールの成分を利用いたしまして、ある程度まで液体燃料の合理化をするという点について、質疑をいたしたわけでございます。幸いに時間もございまして、通産省の方でも資料をお持ちのように考えますから、本委員会を通じまして国民によく知らしめるために、一応局長からこれらに対しまする施策の方途につきまして、御構想を発表されたいと存じます。
  34. 長村貞一

    ○長村政府委員 お答えいたします。ガソリンの代用燃料といたしましてのアルコールにつきまして、先般も当委員会におきまして御答弁申し上げたのでございますが、性質上前回御答弁申し上げましたように、実はアルコールはガソリンに比べて燃料としてはいささか劣る点がある。たとえば着火が劣る、あるいは燃料消費量がガソリンに比べて大きいというような欠点があるわけであります。すなわち燃料効率が遺憾ながらガソリンに比べて劣つておるわけでございますが、しかしまた他面ガソリンに比べまして、いわゆるアンチ、ノツク性が多いというような利点もあるわけでございます。かれこれ考え合せまして、このアルコールに適当な材料を加える。たとえば、エーテルを混用することによつて気化潜熱の上昇をはかる、あるいはこれを用いまする自動車自身に余熱機関のようなものをつけまして、その効率の足らざるところを補うというような方法をとりますならば、これを燃料として用いましても、かなりな効果もあると技術的にも考えられるわけであります。私たちといたしましては、かような点から今後ガソリンがはたしていかほど潤沢に入手できますか、十分にこれが入手できますれば、もとよりこれは問題ないのでありますが、必ずしも現在においても十分でない状態考えますならば、代用燃料としてのアルコールをさらに積極的に使つていただく、これに努力をいたしたいと存じておるわけであります。実は昨年来この意味から代用燃料として使つていただきますために、工業用のアルコールを売り出しておるわけであります。現実にわれわれの方でもこのガソリンを使いあるいはアルコールを使いまして、自動車を走らせまして試験をいたしました結果でも、ただいま申しましたように、今のところ性質的に若干の劣りはありますが、さほどの劣つた点もないという結果を見ておるわけであります。ただ遺憾ながら価格の点で、アルコールはガソリンに比べてなお割高になるという欠点があるわけであります。たとえて申しまするならば、ガソリンを使いますれば、道の平垣あるいはでこぼこによつて消費量も違います。ガソリンの価格は大体一キロにつきまして、税込みで三万三千七百八十円程度になるわけであります。これに比べましてアルコールは一キロ十万五千円余りという、そこにかなりの開きがあるわけであります。この値段が相当開いておるという点が、規実の問題といたしまして、ガソリンに比べて代用燃料としてのアルコールを使う点に、一つの大きな支障になるのではないか、かように存ずるわけであります。でございまするので、私どもとしては、一方におきまして前今申し上げましたように、でき得る限りいわゆる合理化を行いまして、アルコールのコストを下げ、従つてその最終消費者に渡りまする額も下げるということによつて、値段の点もできるだけ使いやすい値段に持つて参るということも考えておるわけであります。同時にまた燃料といたしまして、変性をいたします際にも、変性剤につきまして、アルコールが代用燃料として作用いたします場合の性能を増すような意味において、さらに変性剤その他を積極的に研究することによつて、その効率を高めるということも考えられると思うのであります。あるいはまた将来ガソリンが非常にきゆうくつになるという事態でもございまするならば——今日ガソリンの代用燃料として使つておりまする木炭でありますとか、まきでありますとか、天然ガス、電気、いろいろございますけれども、これはいずれも一利一害があり、燃料としてはアルコールが性質上非常にいいものと私ども考えておりまするので、将来ガソリンの需要に対しまする供給というものが、非常にきゆうくつになりました場合には、これを積極的に燃料として使用するような方法考え、さらにまた必要に応じてはいろいろな制度考えたい、かように存じておるわけであります。価格の点につきましても、ただいま申し上げたように、全般的の問題といたしまして、合理化によつて価格を極力下げるという努力もしまするが、さらにまたいろいろと用途面との関連におきまする研究ということも加えて考えてみたい、かようにも思つておるわけであります。結局ガソリンの代用といたしましての燃料アルコールの将来の需要増あるいは消費の奬励と申しますか、その方面に技術的にも、また制度的にもできるだけの考慮を加えて行きたい、かように存じておるわけであります。
  35. 三宅則義

    三宅(則)委員 ただいまの局長のお話で大体了承したわけでありまするが、私どもは国際情勢等を勘案いたしまして、必ずしも将来ガソリンが日本に潤沢に低廉に入つて来ることのみに依存するわけに行かないと思うのであります。でありまするから、今日からぜひアルコールを使うように、これが利用でき得るように、その方向に向つて研究の歩を進められると同時に、また自動車用等に使います液体燃料でありますところのガソリン代用のアルコールについては、多少特別の値段を設けて、これが利用価値を高めしめるようにガソリンに混入する、こういう制度を設けたならば、なお一層全国的に普及すると思うのですが、こういうことに対する用意を持つておられるかどうかということが一点。第二点は、木炭車等はいなかにおきましてもなかなか能率も惡いし、黒くなつたり、品物がいたんだりしまして、非常に不便を感じますからして、むしろ木炭車等はこのアルコールの液体燃料に切りかえるという制度が必要であろうと思います。はなはだ行き過ぎたような議論であると思いますが、通産省としてもひとつ考えてもらいたい、かように思うのです。またこのアルコールについては、特に普通のアルコールと別にいたしますがために色をつける、こういうようなことによつて横流しがなくなるというふうにも考えられるわけでありますから、この二点について、ひとつ局長のほんとうの、真底から出る話を承りたい、かように考えます。
  36. 長村貞一

    ○長村政府委員 ガソリンにアルコールを混用して使います制度は、御承知通り以前には制度としてあつたわけでありまするが、その後いわゆる燃料事情もかわつて参りましたので、今日はそういう制度はなくなつておるわけであります。先ほど申しましたように、これはもとより客観情勢と申しますか、全体的な燃料それ自身の需給関係から、おのずから必要な制度が生れなければならぬわけでありますから、今後のガソリン等の液体燃料の需給関係を見まして、それに応じた適当な施策を考えたいと存ずるわけであります。  木炭車等につきましても、お説のようにやはり力が弱いとか、あるいは非常によごれるというような、いろいろな欠点もあるわけであります。おそらくは木炭は、それ自身の本来の用途であります他の用途に使うことが適当と思います。むしろアルコール等を使う方がより合理的であろうと、私自身も実は考えているわけであります。お説のようにその面につきましても、さらに努力いたしたいと存じておるわけであります。     —————————————
  37. 宮幡靖

    宮幡委員 本日付託になりました鉱工品貿易公団損失金補てんのための交付金に関する法律案、これにつきましては各委員からもそれぞれ御質問の御要求もあろうと思います。これはなかなか大きな問題であろうと考えます。とにかく早船事件と申しますか、ミス東京あたりまで現われまして、天下の耳目を聳動さしたような事件でありますので、さだめし各委員からもいろいろ御質問のあることと存じております。そこで第一番にこういう巷間をにぎわせました問題につきまして、重点的なことを一つ二つ伺つてみたいと思うのでありますが、提案の付属資料といたしまして、商品売買差損というものが十四項目ばかり計上されております。これは輸出入の商品を扱いまして正常に生じた差損であるということを、私は信じたいものであります。しかしながら世の中は甘くそう簡單には信じてくれません。とかく拂下げの問題等につきまして、いろいろ疑惑の眼を持つておることと存じますので、この機会におきまして、内容に入つていろいろ論議するに先だちまして、今まで公団でとつて参りました拂下げ方法の内容、少くとも公正に行われたことを立証できますその方法につきまして、詳細にこの際御説明をいただきまして、まずもつてわれわれが売買差損の生じました原因が、何かはかに含みがあつたような誤解を持たないで、法案の審議ができるような運びにいたしたいと思います。どうかさような意味において、拂下げ方法その他これに関連いたします問題を、公団において取扱つて参りましたそのままをお話していただきたい、こう思います。
  38. 石井由太郎

    ○石井説明員 ただいま御質問のございました、公団においてどのような原因、またどのような取扱いをやつてこのような差損が起つて参つたか。ことにその扱い方が公正であると思えるかどうかという御質問だと思います。大体鉱工品貿易公団におきまして、昭和二十年発足従来、輸出のために買い上げました商品の総額は四百億円でございます。そのうち二十五年度の三月までに輸出いたされましたものが二百七十六億円、二十五年度になりましてから輸出の形にかわりましたものが九十億円、従いまして四百億円の買上げのうち、三百六十六億円というものは輸出されたことになつておるわけでございます。この輸出されましたものにつきましては、御承知のごとく二十四年三月まではレートがなかつた関係上、ドル価格におきましてはいろいろな値段で輸出されておるわけでございます。必ずしも三百六十六億を三百六十円で割つて、一億ドルの輸出というわけではなかつたのでありますが、いずれにいたしましても三百六十六億の総額は、それぞれ各仕向地に輸出されておるわけでありまして、残り三十四億円がいわゆる輸出の滯貨となりまして、国内に放出等の処分をいたされた対象でございます。またこれを国内に放出処分いたしました結果といたしまして、今回一般会計からの補填を要求いたしまする原因となりました十四億九千万円の売買差損のうち、十一億円というものが輸出品の拂下げ差損として現われて参つたわけでございます。残り三億その他は輸出品以外の差損でございます。この十一億円の差損を生じたこと、すなわち三十六億円の仕入れ価格を二十五億円で売つておるということが、今回の差損の大きな原因と相なつておるわけでございます。国内放出につきましては、二十四年の暮れ以来鋭意これを売りさばくべく努力して参つたのでございますが、その処分方法といたしましては、原則といたしまして公開入札をいたしております。またそれぞれの生産者が買い上げてもらうこととを要求して来たようなものにつきましては、それぞれの生産者に元値で引取らせるということを、原則として主張して参つたのでございます。従いまして一般入札以外の手段をもつて、あるいは相対取引の名のもとに処分をしたというものはほとんどないのでございます。ただ何分にも国内の需要と国外との需要が異なります関係上、いかに公告を出しましても、せり売り等の施策を講じましても、買手が集まらぬというものも実はあるわけでありまして、その処分にはわれわれども非常に苦心をして参つておるのでございます。全体といたしましてかくのごとき処分損を生じましたことは、まことに残念なのでございますが、その原因を一々洗つてみますると、いわゆる盲貿易時代に計画生産をいたしたもの、あるいはレートが一本になりました関係上、海外にはどうしても出られないというもの、また嗜好が国内の嗜好には全然合致いたしません関係上、国内では二束三文にいたしましても売り切れなつというようなものを含んでおるわけでございます。現在約一億ばかりのものを残す段階まで、処分は済んで参つたのでございますけれども、物品そのものを売りさばくということに非常な苦心があるのでございまして、われわれといたしましては、入札あるいは競売等のフエアーな方法によつて処分をいたしておるということを、明らかにいたしておきたいと思います。
  39. 小山長規

    ○小山委員 ただいま議題となつておりまする鉱工品貿易公団損失金補てんのための交付金に関する法律案につきましては、これはただいま宮幡委員から申されましたような意味におけるいろいろな疑惑の点もありますし、また事ここに至つた御説明を、さらに詳しく聞かなければならぬ点もありますので、先般設置されました小委員会、つまり食糧公団に関する小委員会の審議に付されんことを望むものであります。
  40. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 小山君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 異議ないようであります。それでは本案は食糧配給公団の経理調査等に関する小委員会の審議に付します。  なお小委員宮幡君と宮腰君の二名を追加いたします。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後三時三十五分散会