○浦島
政府委員 郵便
事業の独立採算制を確立しますために、現実にありまする赤字をどういうふうにして克服して行くかという問題でありますが、これについて考えられますことは、まず現在の郵便料金がはたして
事業経営上合理的であるかどうか。この点から
事業経営にマツチしたような料金に改訂する。そうして独立採算制を確立するという点が
一つとして考えられるのであります。もう
一つは、料金はいじりませずに、サービスをよくいたしまして、できるだけ国民の方々に郵便を気安くお
出し願いまして、それから来る取扱数の自然増によりまして、收入をはか
つて行くということが
一つ考えられます。もう
一つは、ただいま
お話がありました経営の合理化、
機構の簡素化、こういう点でございますが、第一の料金の改訂につきましては、二十六
年度の
予算におきましては、諸般の事情から料金には手をつけませずに、現行料金のままで
予算が編成せられたのであります。ただ私ども事務当局といたしましては、現行の料金体系がはたして
事業経営上合理的であるかどうかという点につきましては、検討を怠らずにや
つておるわけでありまして、いろいろ科学的に原価計算等をいたしまして、適正な料金をきめなければならぬと思うのでありますが、少くとも二十六
年度の
予算の編成におきましては、現行料金のままで編成をせられておるわけであります。従いまして二十六
年度の
予算におきましては料金は改訂しない。郵便の利用の自然増を促しまして増收をはかることにつきましては、私ども郵政当局としましては、あらゆる機会をとらえて努力をいたしておるわけでございまして、戰争以来郵便の利用が減
つて来ておりますが、最近におきましてはだんだんと増加の傾向にありまして、御
承知のようにお年玉はがきあるいは暑中見舞の絵はがきの売
出し、その他いろいろな思索を講じまして、できるだけ戰前の状態に復しますように努力はいたしておる次第であります。この点はまだ足りない点が多々あると思うのでありますが、今後もますます努力いたしまして、できるだけ自然増によります收入をはか
つて行くことについて、努力をいたしたいと考えております。
それから
機構の簡素化の点でございますが、この点は、一事務官僚である私からお答えできにくいと思うのでありますけれども、少くとも郵便
事業におきましては現業
官庁でありまして、その現業
官庁の大半は直接公衆に接しておりますいわゆる郵便局の組織が大半でございます。従いまして、この郵便局の組織あるいはその普及状況を、あまりに経営合理化の観点において押えますと、結局公衆の方々が郵便を利用されるについて御不便を来すのでございます。この点はなかなかむずかしい問題でありまして、郵便のサービスをよりよくするために、やはりかような現業の施設はできるだけ拡充して行かなければならぬと存じておるのであります。従いまして御説のような観点から、どの
程度までに郵政
事業の
機構を簡素化し得ますかどうかということにつきましては、研究の余地があると思うのでありますが、少くとも事務当局といたしましては、現在の
機構におきまして、現在の
事業運営をいたしますにつきましては、むしろ不足がちな点があるのではないかということを考えておる次第であります。しかし私どもとしましては、できるだけ
事業経費の節約を期しますために、公衆のサービスに影響がない
程度において、
事業の合理化をはか
つて行かなければならぬという点は当然でございます。こまかい事務的な点につきましては、すでにかような観点からいたしまして、少しの金で動くようにいろいろな施設の合理化をや
つておる次第であります。
なお
お尋ねのもう
一つの点でございますが、貯金からの手数料の点につきましては、直接私所管でありませんので、主計課長からお答えすると思いますが、はがき、切手等の売りさばきの
方法を従前に返す必要がないかという
お尋ねでございます。この点は前回の
委員会でお答え申し上げたと思うのでありますが、御
承知のように昔は特定局長さんが自己の資金において切手、はがきを買い受けられまして、そうしてその手数料として割引歩合を取得せられて、公衆に切手、はがきを売りさばいておられたのでございますが、この点が再三の料金改訂によりまして、かりに従前のように切手、はがきを買い受けられるといたしますと、相当多額の資金を準備される必要があるのであります。これがはたして各局長さんの個人の力においてできますかどうか。この点が非常に問題でありましたのと、もう
一つは歩合の率が同じでありましても、料金改訂によりまして売りさばきの金額が多くなりますと、非常に取得される金額が多くなるわけでありまして、これは従来からもそういう弊害があ
つたのでありますが、とかく売りさばきの各局におきまして競争しがちである。非常に地況のいいところは、そのために多額の割引歩合を取得せられて非常に得である。かような弊害もありましたので、かような弊害を
防止するという観点が
一つ、もう
一つは公務員法が施行せられまして、特定局長さんでありましても公務員であります。従いまして公務員である局長さんが、かような
政府が売ります切手、はがきにつまして利得
——利得というと少しおかしゆうございますが、その売りさばきの手数料をとられるということはどうかということ、かようないろいろな点におきまして、従来のいわゆる請負による売りさばきを廃止いたしまして、定額常備制を実施いたしたのでございます。従いまして従来のような手数料がありませんために、各局におきましてこれを積極的に売りさばくという意欲がなく
なつた点があるかと考えられるのであります。しかしながら定額常備制におきましては、あくまでその局の区内の実況に応じまして、必要な切手、はがきは必ず準備することにいたしておりますので、決して公衆には御不便はかけないことにな
つておる次第でございます。従いましてその売りさばき
方法を根本的に昔に返すかどうかということは、まだ実施後日なお浅くございますので、いろいろな点において研究する余地がございますので、目下のところこの根本改正については、考慮いたしていない次第でございます。以上御了承を願います。