○藤田
説明員 この三崎の
製氷冷凍
工場については、ただいまいろいろ
議論が出ておりますように、神奈川県の県漁連の方の申請と日冷との申請が競願にな
つて来ているわけであります。それで私のところには、双方からいろいろの
お話を実は聞かされるのであります。問題の点は、日冷側の言い分は、ちようど現在日冷の
製氷工場がある。その鼻先が埋立てにな
つている。
従つてそこを他の者がもしも
経営するということになると、日冷の現在の
製氷工場というものが死命を制せられるというような
意味で自分のところでやりたい、しかもそれについては従来埋立てをいたします場合に、日冷側からもそのような
趣旨の書類が出ておる、こういう言い分であります。それから一方現在漁連の方では、
先ほどお話のございましたように、やはり自分らの手で
製氷工場を持
つてそうして
漁業者に氷の供給を確保して行きたい。しかもそれについては三崎の専用
漁業権、これの
関係もあ
つて、やはり埋立てするにあた
つてはかような書類が出ておるというようないきさつであります。私は抽象的に
議論をいたしますならば、やはり今後の
製氷冷凍
事業というものは、できる限り漁連の手でやらしたい、抽象的な
意見には私は全然同感であります。ただ実際問題としてそうなかなか簡單に割切れない問題がたくさんあるようであります。
従つて私
どもこの問題については、はたして日冷が、現在鼻先にほかのものがやることに
なつた場合に、現在の日冷の
製氷冷凍
工場というものが死命を制せられて、全然やれなくなるというふうな状態にはたしてなるものかどうかというような点を研究する必要があると思う。
それからもう
一つは、漁連が
計画をいたしておりますものについて、はたして
漁業協同組合が全部のものの
ほんとうに心からそれに対して賛成をして、あくまでも今後日冷と競争する場合に、漁連のこの
製氷冷凍の
事業というものを盛り立
つて行くのだという熱意と決心がどの
程度あるかという点について、私
どもはなお
調査したい。私の聞いておるところでは、その連合会の構成分子である
協同組合——七つ八つあるわけですが、その中には必ずしもそれに納得しておらないというような側もあるように聞いておる。その点を確かめる必要があるのではないか。それからもう
一つは、漁連の
計画というものが非常に厖大な
資金を要するのでありますが、それがはたして確実にその目途がついておるかどうか。それからまたその
事業計画から
考えまして、
先ほどお話の出ておりますような日冷と将来競争します場合に、はたして日冷と競争したような値段で氷が出せるか。そういうふうな
事業計画の
内容を研究して行くという点で、私はまだ研究問題が残
つておるように思います。そういうような点を十分に研究をいたし、そして結局はどちらが
漁民の利益になるかという根本的な建前でこれを研究して行く、場合によ
つて、もちろん
協同組合がやることが非常にけつこうでありますが、一歩誤りますと、負担は
漁民にかか
つて来る。先にな
つて漁民が負担を背負うことになる。
従つてそういう点も十分考究して、結局
漁業者の利益になるにはどうしたらいいかという面を忘れずにこの問題を解決して行く。それにはなお
調査をする必要があると
考えるので、現在
調査しております。
それから
先ほどの
お話の、
協同組合が非常に
一つの地区でたくさんあるということですが、これは私
どももそのことは痛感しておりますので、方針としましては、今後あらゆる
機会をとらえて、
協同組合をできるだけ経済的に強力なものにするような單位に引上げて行くということを、ぜひともや
つて行きたいと思
つております。