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1951-03-17 第10回国会 衆議院 水産委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月十七日(土曜日)     午前十一時十七分開議  出席委員    委員長 冨永格五郎君    理事 鈴木 善幸君 理事 二階堂 進君    理事 松田 鐵藏君 理事 林  好次君       石原 圓吉君    小高 熹郎君       川村善八郎君    田口長治郎君       平井 義一君    小松 勇次君       水野彦治郎君    佐竹 新市君  出席政府委員         水産庁長官   家坂 孝平君  委員外出席者         專  門  員 徳久 三種君     ――――――――――――― 三月十五日  漁業法等の一部を改正する法律案永田節君提  出、衆法第一四号) 同月十六日  小型機船底びき類似漁業より打瀬漁業分離に関  する請願(三木武夫君紹介)(第一三一八号) の審査を本委員会に付託された。 同月十五日  小型機船底びき網漁業整備に伴う転換資金交付  に関する陳情書  (第三七一号)  同  (第三七二号)  同外一件  (第三七三号)  志布志町枇柳島に蓄養場設置に関する陳情書  (第三七七号)  まんが漁業に関する陳情書  (  第三九八号)  漁業調整委員会費増額等に関する陳情書  (第四〇七号)  同  (第四一〇号)  以東機船底びき網漁業に関する陳情書  (第四一一号)  水産業に対する災害補償等に関する陳情書  (第四一七号)  漁業権補償金増額及び現金化促進に関する陳  情書  (第四一八号)  水産業協同組合に対し長期融資陳情書  (第四一九号)  内水面における漁業権証券即時資金化に関す  る陳情書  (第四二五号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  水産金融に関する件  漁業経営安定に関する件     ―――――――――――――
  2. 冨永格五郎

    冨永委員長 これより水産委員会を開きます。  水産金融に関する件を議題とし、特に漁業権証券課税の問題について審査を進めます。  その前に緊急質問の通告があります。これを許します。松田委員
  3. 松田鐵藏

    松田委員 私はこのたび北海道へ参りまして、根室歯舞諸島参つたのでありますが、時たまたま歯舞諸島に対するダレス氏の声明が発表されておつた直後でありまして、歯舞住民及び根室地方方々は非常な明るい希望を持ち、一日も早くあの声明のごとく日本返還される日を待つておるような状況でありました。     〔委員長退席鈴木委員長代理着席〕  もつともダレス氏の声明そのものは、日本の国との講和条約が締結される場合においてはということで、これはポツダム宣言を完全に履行したがゆえであるのでありまして、これは国民全体の努力が、今日連合国側に認められた結果に相なるのであります。ところが対日講和に対してもし反対する国があるなれば、それこそはポツダム宣言を蹂躪し、それに違背する国々であると私ども考えておるのであります。いずれ講和が成立し、その結果千島樺太返還されるようなときが参り得るとわれわれは考えており、それを希望するものでありますが、この千島樺太または歯舞諸島がもし返還されたときに、どのような状態にあつてこれを処理されるかということは、国民ひとしく考えておることだろうと考えるものであります。また往々にして中国大陸におつた、いわば中国浪人のごとき考え方を持つたり、一獲千金を夢見て、千島であるとか、歯舞であるとか、こうしたところに対して、無謀な考え方を持つて臨まんとする日本国民相当あることではなかろうかという杞憂を、われわれは持つおるものでありまして、かりに返還——どこまでもかりのことでありまするが、かりに返還され得た場合においては、資源については全島が水産関係のあるものでありまして、これらに対して、水産庁長官としても相当考慮を払つて行かなければならぬものではなかろうかと考えるものであります。ただいまの段階としても、これを論議し、研究されておかれることが、最も時宜に適し、住民に対して安心感を与えるものでなかろうかとわれわれは考えておるものであります。ゆえにこうした点に対する御腹案がありましたらば、十分に私どもにもお知らせ願いたいし、また御研究を願いたいと存ずるものであります。ただ、私がその土地へ参りましていろいろと考えたことがありますので、これを一つ参考に供していただきたいと思つて、私ども意見を述べるものでありますが、要するに先ほど申したように、無秩序のもとにあの島が、返還後に解放されるようなことがあつては、現在の日本漁業制度が混乱し、またそれがために荒廃することは火を見るよりも明らかでなかろうかと考えるものであります。いわば資金関係においても、今日漁業者が非常に困窮しておるときでもありまするので、私は千島開発会社のようなものでもつくつて半官半民として、秩序ある整備方法によつてこの計画を立てて行かなければならないものでなかろうか。また従来住んでおつた住民のあらゆる考え方をも総合して、ここに安定せる国づくり方法考えなければならぬものでなかろうかという考え方を持つたのであります。半官半民とは国の資本相当にこれに注入し、また民間としても、せつかく連合国の好意によつてつて来る島としたならば、これに報いるためには、競うてこの開発に対し、極力盡力をしなければならぬものでなかろうかという考えを持つておるのであります。民間の人としても、政府資本を導入すると同時に、相当にこれに協力すべき方法考え、将来十年なり、十五年なりある期間を経て、秩序ある方針によつてづくりの実績があがつたならば、その住民を解放するような考え方を持つていただかなければ、とうてい現在の考え方では——ただ無謀に利益を得ようとする、先ほど申した、一獲千金の夢を見るような人々にまかせられるようなことがあつたならば、たいへんであるという考え方を持つものでありまして、住民方々に対しても、私の意見としてこのことを申し上げて来たものでありますので、もしできましたならば、私の意見参考に供していただきたい、かように考えるものでありますが、将来の考え方、また水産庁でもし御腹案でもありましたならば、御開陳を願えればけつこうだと存ずるものでありまして、質問をいたした次第であります。
  4. 家坂孝平

    家坂政府委員 歯舞返還につきましては、私どもも非常に熱望するものであります。しかしその時期その他のことにつきましては、なかなか予測を許さぬものがあると考えておるのであります。返還後にどういう方法をもちまして、この水産面の事業を発展せしむるかということにつきましては、現在まだ腹案は持つておりません。しかしあそこは三千五百万貫か四千万貫ぐらいの、海藻が主ではありまするが、資源の豊富な水域でありまするので、将来対中貿易その他のものと結びつけますると、非常に大きな資源だと私は考えるのであります。従いまして、この有利な豊富な資源を、漁民のためにほんとうに有効に、経済安定の基礎に利用せられるように持つて行きますることにつきましては、今でも私はそう考えておりますが、さてこれをいかなる形で経営して参るかということにつきましては現在具体的な考え方を持ち合せてはおらないのであります。ただいま松田委員の御腹案を拜聽いたしたのでありますが、これも十分参考といたしまして、将来漁民の福祉のために最も有効適切なる施策をもつて、この経営の機構、規模というようなものを考えて参りたい、かように考えております。
  5. 松田鐵藏

    松田委員 参考までにもう一度申し上げたいと存じまするが、私は歯舞の占領される以前の状態住民がどれほどいるか、どういう漁業をやつてつたか、また歯舞村としての希望、さようなものに対しての意見書なるものを参考までに水産庁に送るようにということを申し上げて参つたのであります。これはどこまでも参考であります。もう一つは、私の調査で、あそこの住民意見を聞くところによりますと、ただいま長官の話されたことく、豊富な海藻資源を持つておるが、この五、六年間というものは、海藻の採取を全然しておりませんがために、秋になればこの海藻が自然に拔けて漂流するために、日本海域においてこの海藻が非常に災いいたしまして、魚族に非常なる影響があるということを聞かされるのであります。従つて返還される場合においては、その災いをなくして、しかも資源が獲得されることでありまして、非常なる利益がもたらされることと存ずるものであります。こういう点も十分御考察願いまして、一日も早く返還されることを、日本政府としても御努力あらんことを希望しておく次第であります。次に、北海道において今いろいろと論議されておりまする、あの地方太平洋沿岸におけるさんま漁業の問題も当時論議されたのであります。これに対して、これはどこまでも私の試案であるのでありますが、漁業法の制定以来、資源維持建前をモットーとしなければならない今日において、また五ポイントの勧告案として勧告されておる建前から行きましても、現在北海道及び内地において漁獲されておるさんまは、棒受網によつてごのような漁業を行つておるものであります。ゆえに産卵前の二年生の魚族相当漁獲されておるという姿でありまして、その結果が市場においてほとんどたたかれて、安値によつてこれが処分されるというようなことであつて、一方、価格が安くなるということが、さんま漁業のみならばけつこうな話でありますが、     〔鈴木委員長代理退席委員長着席〕 その他のあらゆる魚族が大量に入荷するがゆえに、その他の漁業にも非常なる影響を来しておるのが現在の姿であるのでありまして、この点に対する資源維持建前から、棒受網をもつて稚魚濫獲などということは、水産行政の面からいつても、絶対に禁止すべきことでなかろうかと考えられるのであります。こういう点に対しては、前の委員会でも私はその意見を述べてあるのでありますが、今後さんま漁業対策協議会が開かれるとかいうことを聞いておりますので、漁業法精神に基き、及び資源維持建前からいつても、稚魚濫獲などということに対して重大なる決心を持たれて、このさんま漁業に対する整理の方法を、水産庁においてとられるお考えがあるかどうか。個々の業者はこれに対して反対することだろうと考えるのでありますが、そうした反対を、どこまでも公正なる法の精神資源維持建前から行きまして、どのようにお考えになるか、この点をお聞きしたいと考えるものであります。  また御承知の通り、七月までにはあらゆる定置漁業が切り上つて、八月になりますと魚価が高くなります。昔から八月と二月が海産商ほんとうに食つて行くべき月であるということも、そこが原因になつておるのでありまして、こうしたときにおいても、今までは九月の二十日が解禁日であるが、八月にさかのぼつて解禁をし、また切上げのきまつていない漁期については、漁期を縮めるべき方法をとつて行くことが親切なる方法ではないか、かように考えるものでありまして、こうした点に対する水産庁の御意見はどのようであるか、またよくこれらを調査して善処あらんことを希望するものであります。
  6. 家坂孝平

    家坂政府委員 さんま漁業は、御承知のように、日本の現在行つております漁業の中でも重要な漁業でありまして、これに参加しております漁民相当の数に上つているのであります。従いまして、この漁業の盛衰は、多数の漁民のために大きな影響のあるものであるということをよく承知しておりますので、北海道さんま漁業につきましても十分意を盡して、繁殖保護その他の重要な案件を円滑に運営して参りたい、かように考えているわけであります。それでこの二十二日には北海道、東北の係官、また業者のお集まりを願いまして、本年度いかにしたならば五ポイントに示された、繁殖保護というような意に沿つて行くことができるかというような、具体的な案件をいろいろ研究することにしております。ただいま松田委員からお話のありました稚魚関係ども十分考慮に入れまして、本邦漁業の永遠の発展持続をはかつて参りたいと考えるのであります。
  7. 松田鐵藏

    松田委員 私がただいま申し上げた根室地方釧路地方さんまの、北海道における一番の漁場であるのであります。これは私の選挙区でありますが、現在行われている漁業実態というものは、ほとんど棒受網で漁獲されているのであります。しかしわれわれ国会議員としての立場から行きまして、選挙区の利権というものにのみこびては、正当なる政治というものは行われないものと確信しているのでありまして、選挙民の意思というものも十分にくんでやる必要はありますが、漁業法の骨子と繁殖保護資源維持対策というものからいつて相当つつ込んだ議論が行われたものであります。そこで稚魚をとるというようなことがもし持続されるならば、せつかく大量にとれているこの魚族も、三年、五年後には、日本海における産卵のために押し寄せて来るにしんが、濫獲によつて今日あの結果を見ていると同様な結果になることであろう。幸いにして、太平洋沿岸は、産卵後の魚族といえども繁殖保護の点は十分施せることであるが、資源維持建前からいつて、二年生をとるようなことであつては、たとえば十貫目に対して六百匹の魚族と三百匹の魚族というような比例にもなるので、この点は十分に考えて行かなかつたならば、みずから自分の首になわをくくるような状態になるのだからということを、強く話をして参つたのでありまして、北海道漁民は、これらに対して非常なる感銘また協力の態勢を持つていると、私は見受けて参つたものであります。ただここに一部の業者は、内地方面との関係上、どうしてもこの棒受網をやつて行かなければならないのだという議論が出ておるようなことも承つて参つたのであります。北海道水産部といたしましても、この一部の人の輿論で、もし棒受網を禁止した場合において、あらゆる資材関係からいつても、そう簡單にこの方法をとるわけにも行かないのではないかというような意見もあつたのでありますが、かような点に対しては、わずかに百五、六十——違反船、無許可船を入れても三百くらいの漁船が出ておるということを聞くが、他の漁業への転換希望者相当数あることとわれわれは考えて参つたものでありますがゆえに、各自がまじめな漁業を行い、そして魚価の高い大型のものをとることになつたならば、ここにおいて多数の漁民の救済ということもでき得るのでないかと考えます。また今まで綿糸に対して国内需要は三万七千梱にその数を限定されておつたものが、日本政府努力によつて、五万梱以上のものが許可されたという新聞報道にも接しておるものでありまして、かような点から言つても、やみの価格綿糸より相当安い価格によつて綿網漁業者の手に入ることと、われわれは考えるものであります。かような点からいつても、あまたの漁場を荒廃さして失つておる漁民を救う道においても、わずかの船数によつて漁獲されておる棒受網を禁止すべきが適当な方法であろうと、私は考えて参つたものでありますが、この点に対し十分御考慮を煩わしていただきたい。また三陸、千葉県までさんまが南下するものでありまして、その南下の状態は、二年生が南下したがために、ただちに三年生、四年生のような大型の魚体になるものではないのでありまして、こういう点から言つても、ひとり北海道のみならず、内地方面の操業の実態に対しての方法といたしましても、ただいま私が申し上げたような漁業方法十分考慮に入れていただかなかつたならば、とうてい日本魚価維持対策及び資源維持というものに対しても、将来重大なる禍根を残すことであろうと考えるものでありまして、この点考慮に入れて行政の面を十分に発揮されんことを希望するものであります。
  8. 小高熹郎

    小高委員 私は大体二点についてお尋ねいたしたいのであります。その一点は水産研究所報告を求める件と、いま一つ漁業権証券に関する問題であります。  最初水産研究所報告を求める件でありまするが、これは先般講和条約近しと言われるわが国水産界において、やがて太平洋を中心とする漁業協定とか、あるいはまた漁業協約というものが締結されるのでなかろうか、その前提として、われわれみずからの海域の、すなわちわが国沿岸漁業魚族の習性及び繁殖状況、あるいはまたこれに対する採捕の状況、これらを合理的に答えを出して行かなければならない。科学的な立証すべき基礎資料において、国が十分な経費を捻出して、昨年来設置されました国立水産研究所がどういうような活躍状況であり、どういうような調査研究をいたしたかということにつきまして、昨年末の国会において、私は水産庁長官に対して、調査報告をしてくれということを要求してあつたのでありますが、いまだにその調査報告がございません。これはいつごろその報告をなさつてくださるか、私の希望といたしましては、都合の許す限り、全国に散在するところの調査研究所長出席を求めて、各海域における報告を聞きたいのでございますが、これに対する日時及び出席所長都合等も、一応お答え願えればたいへん好都合と思います。
  9. 家坂孝平

    家坂政府委員 資源調査につきましては、さきに当委員会小高委員から御要望がありましたが、その後研究資料をとりまとめまして、大体きよう中にまとまることに相なつておりますので、来週の御都合のいいときに御説明を申し上げたい、かように考えておつたのであります。たまたま今お話があつたのでありますが、もしできますならば、地図などを広げましていろいろお話を申し上げますので、懇談のような形で御説明申し上げた方が最も適切でないか、かように考えております。これは委員会の方のお考えによりましていずれでもけつこうだと思います。  それからいま一つ研究所所長を呼びますことは、今国会も今月中というようなお話もありますので、あるいは都合がつきまするかどうか、当つてみませんとわかりませんが、もし都合ができまするならばそうした日取りを考えまして、今の御説明を申し上げたい、かように考えております。私どもといたしましては、来週中にできるだけ早く御説明を申し上げた方がいいのじやないか。そういたしますと研究所長お話は、またその後の機会をつかみましてやつてみてもかまわぬのじやないか、かように考えております。
  10. 小高熹郎

    小高委員 漁業権証券についてお尋ねをいたしたいと思うのであります。本日は大蔵省主計局長及び主税局長出席を求めてあるにもかかわらず、出席がないのははなはだ遺憾に思われますので、水産庁当局お尋ねをいたしたいと想うのであります。漁業法を着想したのはおそらく昭和二十二年ではなかつたかと思つておるのであります。なぜならば、多分昭和二十三年の一月に漁業法最初の案の説明があつたやに了承しておりますが、爾来第四次の修正を経て、この漁業法が成立したのであります。この間に国の経済状況は一変いたしまして、当時から見ますと何倍かの財政経済に相なつておる。そういうことを考えますと、その二十三年のこの案をつくりましたころは、百七十億という金は確かにインフレを助長するおそれがあり、一時に現金として出すことは危險であつたかもしれない。しかしながら今日までの国の財政経済をもつてしますならば、昨年において漁業資材補給金五十五億を取払つてしまいましても、なおかつ大したところの動揺を来さないという実情を考えますとき、この漁業証券の百七十億が二十五年先ということは、私ども常識としてはとうてい考えられない期限であり、むしろ現金でこれを交付してやるのが妥当であるということを言いたいくらいなのであります。ましてや国際インフレの余波を受けざるを得ない今日におきましては、全国漁業権を百七十億で買い上げるということ自体が、非常に安きに失するのでありまして、十倍の千七百億であつても決してよけいではないという感じがいたすのでありますが、私は今基本数字たる百七十億の数字を動かそうとするものではございません。百七十億は百七十億で、きまつた数字でありまするからけつこうでありますが、願わくは百七十億をそつくり漁民の手に渡るようにしてもらいたいことを希望いたすのであります。政府が最近考えておりまする漁業権証券に対する利子の問題でありまするが、最初四分五厘か五分かと思いましたが、五分五厘程度まで引上げる意図があるということは、まことにけつこうに思われるのでありまするが、かりに五分五厘の金利政府が百七十億につけるといたしましても、市中銀行あるいは、金融機関においてこれを割引して現金化する場合には、市中金利は安くて九分あるいは一割とか一割一分とかいうようなことでなければ貸さない面が多々あるのでございまして、その政府がつける金利、これが五分五厘といたしますれば、かりに一割でなければそれを担保として借りられないという際には、事実上数字はもらいましても、四分五厘の欠損をするという答えが出るのでございまして、かりにこれを二十五箇年と計算いたしますとすれば、おそらく結果は百七十億にあらずして、三分の一程度しかもらわないという勘定に相なりはしないか。かようなことを考えますとき、第一の問題は、この百七十億をすみやかに償還する意味において、五箇年間くらいの国債においてこれを漁民に手渡しする考えがあるかどうか。国債ならば市場性もありまするし、また現金化も簡易であるのでありますが、さようにしてこの変転きわまりない経済情勢にかんがみまして、百七十億ときめたならば、百七十億の数字が必ず入るという建前のもとに、私は五箇年くらいの国債でこれを発行せよということを主張いたしたいものであります。なおかりに五箇年の国債でこれを発行いたしましても、政府金利が五分五厘といたしますならば、それを担保に入れた場合、やはり一割とか一割一分で借りるようであつてはいけない。これに対して、政府がつけた利子に近いところの利子で借り入れられる方策を、便宜の措置として講ずることができないかどうかという点でございます。まず第一点として、その二点をお尋ねいたしたいのであります。
  11. 冨永格五郎

    冨永委員長 この場合委員各位にお諮り申し上げます。この前の委員会川村委員に対する答弁と、ただいま小高委員の質疑に対する答弁は、この次の委員会でいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 冨永格五郎

    冨永委員長 異議なしと認め、さようとりはからいます。  なお家坂水産長官委員会を代表して要望いたしておきます。大蔵省主計局長理財局長主税局長を至急訪問せられまして、政府当局としての考え方をとりまとめられて、次の委員会にぜひ報告し得る段階にまで進められるよう希望いたします。  なおこの場合お知らせいたします。本委員会で連日審議いたしておりまする漁業権証券課税漁業用綿糸値上げ及び水産用石油関税反対電報全国から多数参つておりますことを、念のため委員各位にお知らせいたしておきます。  本日はこの程度をもつて散会いたします。     午前十一時五十九分散会