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小高委員 漁業権証券について
お尋ねをいたしたいと思うのであります。本日は
大蔵省の
主計局長及び
主税局長の
出席を求めてあるにもかかわらず、
出席がないのははなはだ遺憾に思われますので、
水産庁当局に
お尋ねをいたしたいと想うのであります。
漁業法を着想したのはおそらく
昭和二十二年ではなか
つたかと
思つておるのであります。なぜならば、多分
昭和二十三年の一月に
漁業法の
最初の案の
説明があ
つたやに了承しておりますが、爾来第四次の修正を経て、この
漁業法が成立したのであります。この間に国の
経済状況は一変いたしまして、当時から見ますと何倍かの
財政経済に相な
つておる。そういうことを
考えますと、その二十三年のこの案をつくりましたころは、百七十億という金は確かに
インフレを助長するおそれがあり、一時に
現金として出すことは危險であ
つたかもしれない。しかしながら今日までの国の
財政経済をも
つてしますならば、昨年において
漁業資材の
補給金五十五億を取払
つてしまいましても、なおかつ大したところの動揺を来さないという実情を
考えますとき、この
漁業証券の百七十億が二十五年先ということは、私
ども常識としてはとうてい
考えられない期限であり、むしろ
現金でこれを交付してやるのが妥当であるということを言いたいくらいなのであります。ましてや
国際インフレの余波を受けざるを得ない今日におきましては、
全国の
漁業権を百七十億で買い上げるということ自体が、非常に安きに失するのでありまして、十倍の千七百億であ
つても決してよけいではないという感じがいたすのでありますが、私は今
基本数字たる百七十億の
数字を動かそうとするものではございません。百七十億は百七十億で、きま
つた数字でありまするから
けつこうでありますが、願わくは百七十億を
そつくり漁民の手に渡るようにしてもらいたいことを
希望いたすのであります。
政府が最近
考えておりまする
漁業権証券に対する
利子の問題でありまするが、
最初四分五厘か五分かと思いましたが、五分五厘
程度まで引上げる意図があるということは、まことに
けつこうに思われるのでありまするが、かりに五分五厘の
金利を
政府が百七十億につけるといたしましても、
市中銀行あるいは、
金融機関においてこれを割引して
現金化する場合には、市中
金利は安くて九分あるいは一割とか一割一分とかいうようなことでなければ貸さない面が多々あるのでございまして、その
政府がつける
金利、これが五分五厘といたしますれば、かりに一割でなければそれを
担保として借りられないという際には、事実上
数字はもらいましても、四分五厘の欠損をするという
答えが出るのでございまして、かりにこれを二十五箇年と計算いたしますとすれば、おそらく結果は百七十億にあらずして、三分の一
程度しかもらわないという勘定に相なりはしないか。かようなことを
考えますとき、第一の問題は、この百七十億をすみやかに償還する意味において、五箇年間くらいの
国債においてこれを
漁民に手渡しする
考えがあるかどうか。
国債ならば
市場性もありまするし、また
現金化も簡易であるのでありますが、さようにしてこの変転きわまりない
経済情勢にかんがみまして、百七十億ときめたならば、百七十億の
数字が必ず入るという
建前のもとに、私は五箇年くらいの
国債でこれを発行せよということを主張いたしたいものであります。なおかりに五箇年の
国債でこれを発行いたしましても、
政府の
金利が五分五厘といたしますならば、それを
担保に入れた場合、やはり一割とか一割一分で借りるようであ
つてはいけない。これに対して、
政府がつけた
利子に近いところの
利子で借り入れられる方策を、便宜の措置として講ずることができないかどうかという点でございます。まず第一点として、その二点を
お尋ねいたしたいのであります。