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1951-02-17 第10回国会 衆議院 水産委員会 第11号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十六年二月十七日(土曜日) 午前十時五十一分
開議
出席委員
委員長
冨永格五郎
君
理事
鈴木 善幸君
理事
二階堂 進君
理事
松田
鐵藏
君
理事
林 好次君 石原
圓吉
君 小高 熹郎君
田口長治郎
君 永田 節君 福田
喜東
君 小松 勇次君
水野彦治郎
君
井之口政雄
君
出席政府委員
水産庁長官
家坂 孝平君
農林事務官
(
水産庁次長
)
山本
豐君
委員外
の
出席者
農 林 技 官 (
水産庁漁政部
協同組合課長
) 曾根 徹君
農林事務官
(
水産庁生産部
水産課長
)
水野
栄君
経済安定事務官
(
物価庁
第三部
動力課長
)
藤田
勇君 專 門 員 杉浦 保吉君 專 門 員 徳久 三種君 ————————————— 本日の
会議
に付した事件
漁業
経営
安定に関する件 —————————————
冨永格五郎
1
○
冨永委員長
これより
会議
を
開き
ます。
水産金融
に関する件を
議題
といたす前に、
漁業
経営
安定に関する件を
議題
とし、特に
重油
の問題について
委員長
より二、三質問いたしたいと思います。
石油類
の
価格
のことについてお尋ねいたします。このたび
政府
においては、
価格調整公団
にて
全国プール
により
価格
が同一であ
つたの
を、
公団
を
廃止
して
業者本位
にするため
製油工場
とか貯油所に近い所は
価格
が安く、
北海道
のような遠い
地域
は
相当
高くなり、東京と
北海道
の差は三千円以上になるように仄聞しているのでありますが、もし
政府当局
がそのような改正を考えているとすれば、各
方面
に問題があると思いますが、はたしてどのような内容のものか、御
説明
を願いたいと思います。何しろ
漁業
によりましては最も大きな問題だけに、各
方面
、各産業の声も大きく考慮に入れて審議していると存じますが、何ゆえそのようにしなければならないのか、
漁業者
の
声等
をお聞きになられたか、
関係官庁
はどこどこで何度ぐらい打合されたか、できるだけ詳細に御
説明
を求めます。
山本豐
2
○
山本
(豐)
政府委員
石油
の問題につきましては、目下関税問題または近く値上げの
問題等
で、われわれといたしましてもいろいろ苦慮しておるわけであります。ただいまお尋ねの件につきましてもその
一つ
でありまして、これは
物価庁
あるいは
安本
また
石油
の
関係
のある運輸省、その他
関係各省
でいろいろ
相談
を進めておるわけであります。まだこれは確定には参
つて
おりませんけれども、われわれとしましては、
プール
が
廃止
になるということは非常に困るのでありまして、これはいろいろ
関係方面
から例の
価格調整公団
が
廃止
になるような示唆もあるようでありますので、それにかわるべき対策といたしまして、
一つ
の案としまして、
物価庁等
でその操作をしてもらえぬものであろうかという意味合いで、いろいろと話合いを進めておるわけであります。本日もたしか
安本
で、その他の問題もあ
つたの
でありますが、そういう問題についても今
相談
をや
つて
おるわけであります。われわれとしましては、最前も申しましたような線に沿いまして、極力
関係方面
にお願いをする、またこれをぜひそういうふうに実現したい、かように考えておるわけであります。
冨永格五郎
3
○
冨永委員長
この場合
物価庁藤田動力課長
の
説明
を求めます。
藤田勇
4
○
藤田説明員
石油
の
価格
の問題、特に
プール廃止
後における
石油価格
という御質問にお答え申し上げます。
プール
を
廃止
いたしますと、
石油
の製品の質によりまして、
相当
の格差が
地域別
にできることになるのでございまして、
ガソリン
を
一つ
の例にと
つて
みますと、神奈川県
あたり
は、
輸送費
として
生産原価
にプラスすることが大体五、六百円で済むのであります。かりに
北海道
の札幌をとりますと四千五、六百円という数字に相なります。
函館
においても四千三、四、百円、こういう非常な
開き
ができるのであります。
重油
におきましては、
北海道
が三千五、六百円に対しまして、
京浜地区
は四、五百円がよろしいという
状態
でございますので目下
物価庁
としては、
価格調整公団
の
存続
を
関係方面
に折衝しております。特に
大蔵省
に対しましてこれが
継続方
を強く要望すると同時に、
安本長官
にもこの旨を話しましてこれが業界に及ぼす
影響
、あるいはまた
交通事業
としての
運輸面
に及ぼす
影響
がきわめて甚大であるから、
存続
してもらいたい。自由党の政策といたしましては、御
承知
の
通り公団
のようなものはなるべく
廃止
しようというような主義のようであります。これは米、
砂糖
というものと違いまして、すべて
会社
が
経営
の衝に当
つて
おります。そういう
関係
で、これを除くことはきわめて
需要家
に迷惑を及ぼすことが大きいので、
存続
ということに対して今盛んに運動しております。 それからもう
一つ
、どうしても
廃止
しなければならなく
なつ
た場合における
価格
の建て方をどうするかという問題がございますが、このときには先ほど申しましたように、米や
砂糖
は
政府
が
運賃
を
プール
するという便法がございます。というのは
政府
が買上げて
卸売業者
に売るのでありますから、
卸売業者
が、
小売業者
に売り渡すところの
運賃
を
政府
が
プール
いたしますと簡單にできます。ところが
石油
はその点が輸入から
販売
の末端に至るまで、すべて私企業の
会社
が当
つて
おりますので、その
プール
というものはなかなか困難であるということになります。そこで
物価庁
で
特別会計
を設けて
プール計算
をしたらいいじやないかということも第二義的には考えられますが、予算といたしますと十名以内のわずかの
人数
でできますので、や
つて
やれないことはないと思いますが、
大蔵省
その他
関係方面
の承認を得ることが
相当
困難のような
状態
でございます。そうすると、結局
残つたの
は
地域別
の
価格
をつくる、差があ
つて
もその差額を
プール
してやつたらいいじやないか、たとえば
房総方面
の
需要家
の
運賃
を不当に高くして、
北海道
あるいは九州の方の
需要家
の
運賃
を安くする、こういう
プール
がはたしてできるかどうか、これは
経済原則
の面から見てきわめて困難な
状態
になります。そこで
北海道
、東北、
関東
というくらいな大きい
ブロツク別
の
地域別価格
を決定する、そうしますと幾らかは可能な線になる、まあ
関東地区
と
北海道地区
では少くとも四千円くらいの
開き
はできると思います。しかしこれはまた小刻みにやりますと、今度は
北海道内部
でも、根室とか網走とか稚内、こういう所と、
函館
のような一番近い所とは
相当
の
開き
ができる。そこで
地域別価格
をつくる場合においても、大きい
ブロツク別
をつくるのがよいか、小さい
府県別
の
価格——
その場合に
北海道
は三分あるいは四分くらいにしなければならないと思いますが、そういう
価格
をつくるのがよいか、目下検討いたしておりますが、最善の案といたしましては、とにかく十名足らずの
人数
で
価格
の
プール
ができるという点にかんがみまして、現行の
価格
の
調整
の案を
存続
するという以外にはないのじやないか、かように考えております。
田口長治郎
5
○
田口委員
この燃油の
価格
につきまして、われわれは
ガソリン
のために
重油
が非常に
価格
が高くな
つて
おる。こういうようなふうに考えるのでありますが、戰前のノーマルなときにおいて
ガソリン
と
重油
の
価格
の
比較
、あるいは
ガソリン
と
軽油
の
比較
、
ガソリン
と燈油の
比較
、こういうような
比率
がはつきりとあつたに相違ないと考えるのでございますが、その
比率
と、現在
物価庁
で決定しておられます
価格
の
比率
がどういうことにな
つて
おりますか、これを数字的に承りたいと思います。
藤田勇
6
○
藤田説明員
今の問題にお答えいたしますが、あいにく
資料
を持
つて
来ておりません。しかし今おつしやるのは、一九三二年から一九三六年ぐらいの
相場
だと思いますが、御
承知
の
通り
、現今の
相場
は
アメリカ本国
においても
相当
の
開き
を示しております。というのは、その当時は
重油
の
需要
がきわめて少かつた、ところが
重油
を使う面の、御
承知
の
デイーゼル機関
の発達が著しく向上いたし、そのため
重油
の
需要
がきわめて旺盛になりましたために、昔の
比較
そのままではないと思います。しかし時間が許しますれば、
次会
の
水産委員会あたり
で、その当時の普通の正しいと思われる
価格
、あるいは今日の
価格
との
比較表
を用意してお配りしてもよろしいと思います。
田口長治郎
7
○
田口委員
採油業者
が一トンの
原油
から精出いたします
ガソリン
、あるいは
重油
、
軽油
というものは、大体
原油
の生産地によ
つて
きま
つて
おると思うのでございますが、
採油業者
が全体として一トンについて一万七千円程度で
販売
をして
経営
が成り立つ、こういうような現在の
状態
のように
承知
しておるのでございますが、どうもこの一万七千円を、
重油
が非常に多く
負担
をしており、ほかの油があまり
負担度
が高くない、こういうように考えますから、先ほど申しましたように、このノーマルのときのあらゆる油の
価格
の
比較
、そうしてその
比率
によ
つて
現在の一トンの
製油生産費
が、いかように
負担
されたら最も公平であるか、こういう
資料
を提出されるように要求をいたします。
冨永格五郎
8
○
冨永委員長
水産金融
に関する件につきましては、都合によ
つて懇談会
にいたしたいと思いますので、これにて散会いたします。 午前十一時三分散会