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加藤(充)
委員 労働三法というようなものができましたことについては、言うまでもなく資本家と
労働者という
関係、雇われ人と雇い主との
関係でもありましようが、そういうようなものをそのままに置いたのでは、いわゆるフェア・プレー、対等的な取引
契約はできないということのために、社会立法としての労働三法その他のものができて参
つたのであります。御
承知のように、占領軍、
進駐軍というのは、普通の雇い主という性格よりも、特別に強い権力を持
つたものなのでありますが、そういうものについて、そこに直接タッチすることができなければ国家がそれを強力な——強力なとい
つて、私は必ずしも権力的なものをさしませんが、
内容的にい
つて万般の保障を立法その他の
措置によ
つて政府において裏づけて参らなければ、きわめて劣悪な
雇用條件、劣悪な使役の中にま
つたく泣かなければならぬ。極端なことを言えば、奴隷的な労働にもたえなければならない。しかもそこには人間として食
つて行かなければならないいうことがあるので、それに泣寝入りしてでもすが
つて行かなければならないような
状態にな
つて来ておると思う。これは先ほど申し上げましたように、数十万の日
本人が日本の国内においてそういうエア・ポケット
状態にあるということは、これはきわめて基本的な人権、日
本人の生活水準の向上という点から見てきわめて重大な点だと思うのでありますが、そういう意味合いにおいて
研究中といいますけれ
ども、私は労働三法の
適用すらが除外されてお
つて、これを
研究しなければわからない、しかも七月一日からはま
つたく失業地獄の中に何らの保障なしにぶつつけられ、たたき込まれで行くというようなことなので、これは
研究とか何とかいうことでは時宜に適しませんし、そういうことでいいとお
考えにな
つているのでは、私は根性の置き方、
考え方というものが少し堕弱であり、脆張であり、不規則きわまるものだと思うのであります。従いましてこの問題については、平常にもどれば好ましい
状態、平常の
状態に復する一つの過程の現象と言われますけれ
ども、しかしそのうちに一時的に大量な失業者が出て来るのであります。すなわち失業者のできる過程というものは、質的には多少違いますが、最近の大量的首切りの事例から見て、行政整理の問題にも私は類似すべきものでもあろうかと思うのであります。行政整理のときにはそれ
相当の対策、保障というものが不十分きわまるものではあ
つたけれ
ども国家として対策を持
つたのですから、今申し上げましたように、この総計約四万人の大部分が非常な不安にかられておりまするこのさしあたりの失業問題、またその後の再
雇用関係に入りますときの保障の問題、なべて四万人を
中心といたしまして、二十八万有余千の
進駐軍用員が全部不安と動揺の中に今おののいておるのであります。そういう点について一段の配慮が必要だと思うし、大量首切りが先ほど申し上げましたように出て来るのでありますから、それに対する対策として、さしあたり行政整理の失業並の御
処置をとるおつもりがなければならないと思うのですが、その点についての御答弁を願いたいと思います。