○鈴木
証人 外国人の
登録証明書、これは
外国人登録令というポツダム政令によりまして、
外国人がわが国におります状態を把握し、
外国人を一面保護すると同時に、またそういう人たちが不法な退去という
ようなことのない
ようにする
意味で、公正な扱いと同時に、そういう人たちを正確に知
つておくという
意味で登録いたしておりますが、その
外国人登録の実際の
状況を見ますると、はなはだおもしろくない点があるのであります。たとえば現在日本内地に
外国人が何人いるかという
質問を受けるのでありますが、われわれは即座に六十万ということを申します。これは
外国人登録令によりまして、各市町村で登録原簿を持
つておりまして、それに登録しました
数字を集計しますと、六十万、詳しくは六十万五千幾らでありますが、これは毎月われわれの手元に集計が出て参るのであります。しかしそれがはたして正確な
数字であるかどうかという点につきましては、多大の疑問があるのであります。だれでも
外国人は登録しなければならない規定に
なつておりますが、なかなか実行ができない。たとえば
密入国で内地へ入
つて参りますその人たちは登録を受けない。なお登録を受けました人たちも、各人が
外国人登録証明書を携帶いたすことに
なつておりますが、それの偽造が行われる、場合によりましては、それの売買も行われておるという
ようなことで、
外国人登録証明書には、御
承知の
ように本人の写真も張
つてあり、年令その他、それを見ますれば本人であることがわかる
ようにできておりますが、違つた写真を張りましたり、年令のおそらく違つた
ような証明書を持
つておりましたりいろいろある。そういう
ような点につきまして、
登録証明書とそれを持
つております本人というものとを常に一致さしておかなければなりませんが、これが非常にむずかしいのであります。
密入国で入りましても、
登録証明書を偽造しましたり、あるいはだれかから買い取るという
ような事実もある
ようでありまして、本人と登録というものがなかなか一致しない場合がある、それをどうして検査するか、これはなかなかむずかしいのでありまして、その点におきまして、ただいまわれわれの方で
考えておりますことは、指紋をとることであります。指紋をとりまして、その
登録証明書に指級を入れさしておく。これは写真よりも確実性がございますので、この方法をぜひ実現したい、か
ように
考えておりますが、これは言い出しましてすぐ二、三箇月でやれるという問題ではないのでございまして、
予算と相当の人数がいるわけでありますが、この点につきまして、目下計画を立てておる次第であります。そのほかいろいろ詳しいことを申し上げますればたくさんあるのでありますが、
登録証明書は現在三年間有効ということに
なつておりますが、これは少し長過ぎる、一年有効ということで、毎年証明の切りかえをいたしますれげ、よほど登録というものと
外国人というものが、同一性においてはつきりして参るのではないか、そのほか地方
長官においてもう少し積極的に登録証明につきましても権限を持
つていただいて、監督していただくという
ような面も
改正して参りたい。こまかいことは種々ございますが、大体大きいところはそういうことでございます。