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堤委員 提案者の御
所見も私はよくわかりますが、まあこの辺は
見解の相違だろうと思いますので、ここではこの条件に対して私の
希望を
はつきりする程度にいたしまして、これについては触れるのをやめようと思います。ただ一言、
局長もここにおいでになりますし、厚生
委員の先生方もおいでになりますので、現在の
養成施設の
実態について伺います。
私はこの六十一箇所のうち、
ほんとうにりつぱな
養成所であ
つて、これならば
美容師たるに値する
資格を持てる生徒を養い得る
学校だというものは、
全国でも二、三しかないと思うのであります。たとえば女子医大の付属
美容学校であるとか、それから特に個人の名前は避けますが、東京におきましては、代々木にあります個人の経営の
学校などは相当りつぱでございます。たとえばそこの生徒たちに
生理衛生を教え、またいろいろな教養
知識をつけますのに、四人の医学博士を実際の授業時間に呼びまして、これを
指導させたり、それから医者を二人正式に置いたりいたしまして、各専門的な見地において、この
科目をまじめにや
つておるようでございます。しかしある
学校になりますと、これはまた特定の個人の
学校の名前をあげるのはやめたいと思いますけれ
ども、ひどいのになりますと、届出だけは
厚生省の方へ規格に合うような届出をしておる、しかし
学校の実際の
内容なり
運営を見てみると、何もかもこの千三百三十時間を一人の先生でや
つておるというような、ひどい
養成施設もあるのであります。こういうことを
厚生省が一体どの辺まで目を届けていらつしやるか。私は今後職場に働く
ところの日本の女の人が、
社会人として人間完成をし、しかも男女同権をとなえて、今日
社会的に物心両面で一人前としてやや闊歩できますものの、いろいろな隘路をくぐり、何かにくつつき、
自分の個性と結びついで、一生懸命に
職業人たらんとしておる。その女の
人たちを
養成する
場所を
監督すべき
立場にある
厚生省としては、この
美容師の
養成施設並びに
理容師の
養成施設に対する
監督が不十分なのではないかと思う。私は特に
婦人の選良でございまするから、
婦人の
立場から
美容師の
立場を力説いたしたいと思うのでございますが、私が先ほど申し上げたように、いわゆる
庶民階級の中から、
生活に困る
人たちの階級の中から、その職を求めんとして
学校を出んとする
人たちを
養成する
学校に対する
監督が不行届きであるということは、私はまことに残念だと思うのでございます。この問題をここに付議せられまして、私たちの反対を押し切
つても、
都道府県知事が行う
美容師試験に合格した者だけを認めることにこれを
改正しなければならないという残念なことが起
つて参りますのも、一にあげて現在の
養成施設が実に
玉石混淆であ
つて、これは
厚生省の怠慢から出ておるとい
つても、決して私は過言ではないと思うのであります。でありますがゆえに、この
改正によ
つて迷惑をこうむる
ところの玉の
人たちもあるということを十分お
考え願
つて、どうか
局長におかれましては、皆様方を御督励にな
つて、十分な
指導監督をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
さらに私が
提案者並びに
政府当局にお伺いいたしたいのは、今までの
理容師並びに
美容師の世界と申しますか、民間団体と申しますか、そういうものを私たちが見ておりますと、実に芳ばしからざるものがある。
美容師界、
理容師界には依然としてボス的な存在があまりにもあるのではないかという
見解を持つものでございます。
提案者並びに
政府は、この
業者の民間団体に対して、どういうお
考えをお持ちにな
つておるか、伺いたいと思います。