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1951-03-20 第10回国会 衆議院 厚生委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二十日(火曜日)     午後二時六分開議  出席委員    委員長 松永 佛骨君    理事 青柳 一郎君 理事 丸山 直友君    理事 柳原 三郎君    大西 禎夫君       佐藤 親弘君    首藤 新八君       田渕 光一君    寺島隆太郎君       中川 俊思君    堀川 恭平君       松井 豊吉君    山村新治郎君       清藤 唯七君    松谷天光光君  出席政府委員         厚生事務官         (保險局長)  安田  巖君         厚 生 技 官         (公衆衛生局         長)      山口 正義君  委員外出席者         厚 生 技 官         (公衆衛生局結         核予防課長)  小川 朝吉君         参議院参事         (法制局第一部         第一課長)   中原 武夫君         專  門  員 川井 章知君         專  門  員 引地亮太郎君         專  門  員 山本 正世君     ————————————— 三月二十日  委員岡崎勝男君及び高橋等君辞任につき、その  補欠として田渕光一君及び佐藤親弘君が議長の  指名で委員に選任された。     ————————————— 三月二十日  国民健康保險法の一部を改正する法律案(亘四  郎君外三名提出衆法第一八号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  予防接種法の一部を改正する法律案内閣提出  第一一三号)  結核予防法案内閣提出第一一五号)  国民健康保險法の一部を改正する法律案(亘四  郎君外三名提出衆法第一八号)  精神衛生法の一部を改正する法律案参議院提  出、参法第七号)     —————————————
  2. 松永佛骨

    松永委員長 ただいまより会議を開きます。  日程を追加して先刻当委員会に付託になりました国民健康保險法の一部を改正する法律案議題とし、審査に入ります。まず提案者より趣旨の御説明をお聞きしたいと思います。提案者中川俊思君
  3. 中川俊思

    中川俊思君 ただいま議題となりました国民健康保險法の一部を改正する法律案提案理由につきまして御説明申し上げます。  御承知通り国民健康保險は、昭和十三年に実施されまして以来、急速に普及発展いたし、今や社会保障制度の一環といたしまして着々その成果を上げ、現在保險者数五千百、被保險者数二千五百万人となつているのでありますが、今回さらに国民健康保險運営を適正かつ合理的ならしめるため、次のような改正を必要とすることと相なりましたので、この法律案を提案する次第であります。  この法律改正の第一点は、国民健康保險診療報酬を適正ならしめるため、これを審査する機関として、都道府県に一または二以上の国民健康保險診療報酬審査委員会を設置しようとすることであります。  第二点は、特別の事由のある市においては、その市の一部の区域において公営で国民健康保險を行い得る道を開こうとすることであります。  第三点は、一部負担金療養担当者の窓口で支払い得ることとし、又特別の事由のある者には、一部負担金を減免する等の措置を講じ得ることとしようとすることであります。  第四点は、今回地方税法改正によりまして、国民健康保險を行う市町村は、保險料にかえて国民健康保險税を課し得ることとなりましたことに伴い、保險料に関する規定を整理しようとすることであります。  以上がこの法律改正案の要点であります。何とぞ愼重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
  4. 松永佛骨

    松永委員長 ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止
  5. 松永佛骨

    松永委員長 速記を始めてください。  それでは国民健康保險法の一部を改正する法律案は、次会にこれが質疑応答を行うことといたしまして、予防接種法の一部を改正する法律案議題といたします。  前会に引続いて質疑を行いたいと存じますが、御発言はありませんか。——別本案についての御質疑もないようですが、本案についての質疑を終了したものと認めるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 松永佛骨

    松永委員長 御異議がなければ、本案についての質疑は終了したものと認めます。  次に本案討論に入るのでありますが、本案討論につきましては、通告もございませんので、これを省略し、ただちに採決をいたしたいと存じますが、右採決するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 松永佛骨

    松永委員長 御異議なしと認め討論を省略し、予防接種法の一部を改正する法律案採決いたします。本案原案通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕、
  8. 松永佛骨

    松永委員長 起立総員。よつて本案原案通り可決いたされました。  なお議長提出する本案に関する報告書作成に関しましては、先例により委員長に御一任を願いたいと存じますから、さよう御了承願います。     —————————————
  9. 松永佛骨

    松永委員長 次に精神衛生法の一部を改正する法律案議題とし、前会に引続き質疑を行います。  精神衛生法の一部を改正する法律案についての御発言はございませんか。——別に御発言もないようでございますが、本案についての質疑は終了せるものと認めて御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 松永佛骨

    松永委員長 御異議がなければ、本案についての質疑は終了したものと認めます。  次いで討論に入るのでありますが、別に討論通告もありませんから、これを省略して、ただちに採決に入ります。本案原案通り可決するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 松永佛骨

    松永委員長 御異議なしと認め本案原案通り可決いたしました。  なお議長提出する本案に関する報告書作成に関しましては、先例により委員長に、御一任願いたいと存じますから、さよう御承認を願います。     —————————————
  12. 松永佛骨

    松永委員長 結核予防法案議題とし前会に引続き質疑通告順により許します。松谷委員
  13. 松谷天光光

    松谷委員 局長がお出ましのようでございますので、予防法案条文解釈その他についても御質問申し上げたいと思います。こまかな点にわたるかもわかりませんが、御了承いただきたいと思います。この法案をずつと拜見して非常に感じますことは、抽象的な文字が非常に多いということです。これはこの法律の持つ一つ性格かもわかりませんが、そういう点がきのうもいろいろ結核患者というその内容と限度、基準等についてもお伺い申し上げたいのでございますが、この法案の各所に使われております「適正な医療」、一条にもございます。二条にもございます。「適正な医療」というその「適正」というのは、どういう内容基準として考えておられるか。まずそれかり初めに伺つておきたいと思います。
  14. 山口正義

    山口(正)政府委員 「適正な医療」という字句の定義についてのお尋ねでございますが、現在、結核医療につきまして、実情新薬過信その他患者の要求などによつて不必要な医療が行われておる場合があるように考えられるのでございます。従いまして本法におきます「適正な医療」とは、現在各国において結核に対して正しい治療であるとして取上げられておりますたとえば人工気胸療法、あるいは外科的療法、あるいは特殊な薬剤注射あるいは内服、あるいは大気、安静、栄養による療法、そういうものを考えておるのでございまして、一部の新薬過信による不必要な医療が行われないようにということを意図しておるのでございます。
  15. 松谷天光光

    松谷委員 ただいまの御説明で大体了承はいたすのでありますが、ただいま御説明の中にございました不必要な医療でございますね。それについて結核において不必要な医療が現在行われているという局長お話なんですけれども各国でこれが正しいと認められておる外科その他今おあげくださいました医療、これはその通りだと思いますが、なおつけ加えられた不必要な医療、あるいは新薬過信についてもう少し具体的にその内容を伺つておきたいと思います。
  16. 山口正義

    山口(正)政府委員 最も極端な例を申し上げますと、たとえばツベルクリン反応が陰性で、どう考えても結核と診断できないようなものに対して、人工気胸等をやられるというようなこともないことはないのでございます。そういうものはきわめて極端な例でございますが、実際に医療を行います場合には、医師判定によりまして、医師が必要であると考えられます医療をいたしますので、どこまでを必要、不必要と申しますかということは、これは非常にデリケートな問題だと思うのでございますが、たとえば患者が自身でいろいろな売薬を買い求めて結核自宅療法をやるというようなこともございます。そういう点を考えているのでございます。
  17. 松谷天光光

    松谷委員 話がちよつと公衆衛生局とそれるかもしれませんが、ただいまのお話でございますと、新薬ことにその中でも売薬その他を過信するという点があり、不必要な面が出て来るというお話でございましたが、これは患者ないしその患者を持つ家族の精神的な一つの問題として、当然必要以上に薬は使つてやりたいし、本人も使いたいものと思うのでございますが、そういう場合にこれが適当ならざる薬、あるいはまた不必要と大体判定のできる薬というものに対して、薬務局その他との御連絡の上で、そういう薬に対する一つ処置といいますか、公衆衛生局の方で薬務局の方に話合いをなさり、勧告とまでは行かないかもしれませんが、そういう一つ処置ということも公衆衛生局ではお考えいただきたいものだと思うのでありますが、今日のところではどうでございましようか。そういう例もございましたでしようか。
  18. 山口正義

    山口(正)政府委員 薬剤の点に関しましては、私どもの方といたしましては疾病予防という立場から考えまして、單に結核だけでなしに、そのほかの疾病につきましても、新薬その他を使います際に、これを広く推奬する、あるいは積極的に現段階においては、それをまだ一般に広く使う段階でないというふうな点につきましては、私どもの方といたしまして、十分各方面の專門家の意見も聞きまして、薬務当局と始終連絡をしながら、一般国民が適正な医療を受けられるように努力いたしております。
  19. 松谷天光光

    松谷委員 法案の中にもある程度の明文はあるのでございますが、先ほどお話のような外科その他適正な医療を十分に実施するだけの予算的な措置は、本法案とともにできておると局長はお考えでございましようか。
  20. 山口正義

    山口(正)政府委員 適正な医療実施いたしますのには、病床の問題もございますし、また医師看護婦等医療関係者の問題もございます。さらにただいまお尋ね医療に関する予算的の問題もございますが、医療費負担ということに関しまして、先般衆議院において御可決いただきました二十六年度の予算の中には、ストレプトマイシン注射は十一万二千人・パス内服が五万人、それから人工気胸十一万人、それから外科的療法が一万九千人余り計上してございます。ただいま申し上げました人数で完全に十分に行えるところまで行くことは、なかなかむずかしいかとも思いますが、ただいま申し上げました数字で相当正しい医療を受けさせられるように取運べるものと考えております。国家財政の現状で、国庫の負担が十分に現在まだ行われ得ないという問題につきましては、今後私どもといたしましても、できるだけ努力をいたしまして国家負担が増額できますように努力いたしたいと存じております。
  21. 松谷天光光

    松谷委員 ただいま御説明くださいました予算の内訳でございますが、これは二十五年度との比較の資料をいただいてございましたでしようか。
  22. 山口正義

    山口(正)政府委員 二十五年度には医療費負担がございませんので、二十六年度から新しく計上したのでございます。
  23. 松谷天光光

    松谷委員 失礼いたしました。これはもちろん公衆衛生局としての予算ではございませんけれどもストレプトマイシンあるいはパス等予算は、全然なかつたのでございますか。
  24. 小川朝吉

    小川説明員 二十五年度におきましては、医療を普及させるための予算ということよりも、買上げ予算であります。性格のかわつた予算は計上しておりますが、本法施行関係のある予算というものはございません。
  25. 松谷天光光

    松谷委員 もし今おわかりでございましたら、買上げ予算けつこうでございますが、伺いたいと思います。
  26. 小川朝吉

    小川説明員 ストレプトマイシン買上げ予算は、二十五年度におきましては、六億三千百万円でございました。
  27. 松谷天光光

    松谷委員 ついでに、それが何人分くらいか、大体おわかりでございましようか。今すぐでなくてもけつこうでございますが、次の委員会までに資料として出していただいて、伺わせていただきたいと思います。  次に局長にお伺いしたいと思うのでありますが、第三条の医師に対する義務づけがございます。ここで「国及び地方公共団体の行う業務協力しなければならない。」とございますが、この協力するという内容は、どの程度のことをもつて協力という解釈をされるのか。ここをもう少し具体的にお示しいただきたいと思います。
  28. 山口正義

    山口(正)政府委員 具体的には、医師に対して、本法におきまして、届出の義務あるいは指示義務を課しております。また健康診断予防接種実施いたしますのにつきまして、医療関係者はこれに協力しなければならない、そういう意味を持つているのであります。
  29. 松谷天光光

    松谷委員 そういたしますと、この箇条ではちよつとはつきりいたしませんがこの協力という意味は、厚生大臣なり都道府県知事なりから指定された医師ということでなくして、広義な、一般的な意味協力というふうに本条では解釈してよろしゆうございますか。
  30. 山口正義

    山口(正)政府委員 そういうふうに解釈していただいてけつこうでございます。
  31. 松谷天光光

    松谷委員 それから第五条の第一号のところの「結核に感染し、又は公衆結核を伝染させるおそれがある業務に従事する者、」この業種内容でございますが、そういう点について、すでに当局の方ではお考えがきまつておられますでしようか。
  32. 山口正義

    山口(正)政府委員 第五条の第一号の「感染し」の方は、看護婦などを考えております。「伝染させるおそれ」という下段の方は、芸妓とか、ダンサーとか、接客婦あるいは旅館、飲食店の女中、あるいは理容師、一応そういうふうな業種考えております。
  33. 松谷天光光

    松谷委員 それから第九条の健康診断を当然受けるべき義務のある者が、やむを得ない事故のために定期健康診断を受けることができないという場合の、この事故というのは、どの範囲までを事故として認められるのでございましようか。
  34. 山口正義

    山口(正)政府委員 疾病はそこに例があがつておりますが、そのほか旅行しておりますとか、あるいは疾病と同様でございますが、負傷いたしましたとか、そういうふうなことで、定期健康診断を受けられない状態にあるという者を一応考えて、おります。
  35. 松谷天光光

    松谷委員 この事故の中には、不在その他を事故とお認めになりますかどうか。
  36. 山口正義

    山口(正)政府委員 おられますのに、わざわざそのときいないようにする、というような故意のものは含んでおりませんが、やむを得ない事情不在になる、あるいは交通事情その他で受けに行かれないというような者は、この中に含むと考えております。
  37. 松谷天光光

    松谷委員 そういたしますと、故意であるとか、あるいは故意でない、偶然であるというような判定は、何をもつてなさいますか。あるいはまた、どこがそういうことを判定する機関になるのでございましようか。
  38. 山口正義

    山口(正)政府委員 判定いたしますのは、健康診断実施者判定いたします。その判定いたします尺度といたしましては、本人の申出その他によつて判断して行く、そういうふうに考えております。
  39. 松谷天光光

    松谷委員 実施者とおつしやいますと、それは一つ機関をなすものでなくて、個人というふうに解釈もできる場合がございますが、そういたしますと、いろいろそこにまた問題も出て来るおそれもあるのではないかと思います。この当然受けるべき立場にある者が受けない、少くとも法律化されている場合に、ただ口頭をもつて事故であつたという程度で、それをお認めになる御意思であるか、あるいはもつとその義務づけを強くなさるという意味において、故意でないということを相当証明できるような何らかの方法までおとりになつて、この義務づけをなさるおつもりでございましようか。そういう点はどうお考えになりますか。
  40. 山口正義

    山口(正)政府委員 判定いたしますのは、国の事務の委任を受けております第四条に書いてございます実施義務者をさしているのでございます。判定いたします場合には、口頭による申出も採用することにいたしておりまして、現在予防接種法に行われておりますような猶予申請書提出させるというところまでは、現実には考えておりません。
  41. 松谷天光光

    松谷委員 この点なお私は御研究いただきたいと思うのでありますが、やはり法律としてこの法律を完全に実施し、そしてその効果を十分にあげて行くためには、受ける者の義務を相当強く義務づけることが、私はやはりある程度必要ではないかと思うのでございます。もちろんこれを受けることが、その本人に別に損失を与えることでもございませんし、むしろ本人の幸福のためであるには違いないのでございますけれども、しかしそういう傾向が将来出て来ないとも言えないと思います。そういう点について、これはもちろん個人の人権を蹂躙するようなことまで行われてはたいへんでございますが、しかしある程度そこに何らかひとつの対策と申しますか、処置と申しますか、そういう点も考えておいてよいのではないかと思いますが、私も研究させていただきます。  もとへ帰りましてたいへん恐縮でございますが、四条の二項でございますが、保健所長は、事業の長に対してその健康診断の期日または期間の指定に関して指示することができるとございますが、指示することができるというのは、私は非常に消極的であり、弱いのではないかと思うのでございます。むしろ指示をしなければならないというふうな意味を、私はこの条文が持つべきではないかと思うのでありますが、あるいは私の解釈違いかもわかりませんが、そういたしますと、指示することができるという常識的な解釈は、指示することができるのであつて、しなくてもさしつかえないというふうに、逆にもまたとられるおそれがあるのではないでしようか。私は必ず保健所長として、義務として指示しなければならない性格のものだと思うのですが、いかがでしようか。
  42. 山口正義

    山口(正)政府委員 先ほどの第九条の点につきましては、実施に際しまして御指摘のようにあやまちが起らないように十分注意して行くつもりでおります。  なお第四条の第二項のお尋ねでございますが、これは指示することができるというふうに権能を表わしているのでございまして、実施いたします場合には、保健所長保健所運営協議会のようなものも持つておりますので、その管内事業場の長あるいは学校の長などと常に連絡をいたしまして、実施いたして参りますのに円滑に調整をはかつて参る。現在いろいろな健康診断の場合に調整をはかつておりますし、また今後もはかつて行くように指導して参りますが、必ず常に実施しなければならないというふうに強くしなければならないというお考えかとも存じますが、実際の面にあたりましては、指示することかできるという権能を残しておけば、その管内健康診断実施につきまして、円滑に調整をはかつて行けるというふうに考えております。
  43. 松谷天光光

    松谷委員 私はその点でふに落ちないのでありますが、私の方でなお考えて、またあらためて質問させていただきます。  大分飛びますが、二十九条であります。二十九条の入所命令の場合でありますが、期間を定めて云々ということでございますが、この「期間を定めて」ということを特にここに取上げなければならなかつた、また取上げられた理由を伺いたいのであります。
  44. 山口正義

    山口(正)政府委員 期間は一応六箇月と考えております。これは御承知のように、結核の病状が変化して参りますので、その変化を見ながらあらためてまた措置をとるというような意味で、一応六箇月というように考えておるわけであります。
  45. 松谷天光光

    松谷委員 医療費申請もたしか六箇月で切りかえになつていたと記憶いたしますが、この六箇月というのは、これは專門的な医療の点から見て六箇月という基準をきめられたのですか。あるいは他に六箇月という基準をきめられた理由があるのでしようか。
  46. 山口正義

    山口(正)政府委員 嚴密に申しますと、はつきり六箇月ということを言い切ることはなかなか困難かと思いますが、第二十八条の従業禁止の場合も一応六箇月ということになつておりますので、二十九条も一応六箇月と考えたのであります。切りかえを一応六箇月としたのは、結核という疾病の性状から考えまして、六箇月間観察をして、その後にまたあらためて必要な措置をとる、そういうふうに考えているのであります。
  47. 松谷天光光

    松谷委員 重ねて、くどいようでございますけれども、そうしますと、医学的な面から一応六箇月に切つたと解釈いたしましてさしつかえないものでしようか。それから今の御答弁によりますと、六箇月で一応その経過を見て、結果によつてはまたそれを継続することにやぶさかでないというふうに解釈してよろしうございますか。
  48. 山口正義

    山口(正)政府委員 六箇月といたしましたのは、御指摘通り医学的に見ましてそういうふうに考えているのでございまして、六箇月たちました後に、さらにあらためて必要がございますれば、それを継続するという考えでございます。
  49. 松谷天光光

    松谷委員 同じ条でございますが、最後の方に入所命令を受けました際に、「当該患者又はその保護者入所を申し込んだときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。」とございますが、この正当な理由は何をもつて正当な理由というふうにお認めになるのでありましようか。
  50. 山口正義

    山口(正)政府委員 これ以上收容いたしますと、その療養所運営に支障を来すとか、あるいは特殊な対象のためにつくられてある療養所で、その特殊な対象以外の者の入所を申し込まれたときに、それを入所させますと、その特殊な対象の者の入所が非常に困難になるというような場合を考えているのであります。
  51. 松谷天光光

    松谷委員 運営上さしつかえるという御答弁でございましたけれども、これはむしろ医務局関係になるかもしれませんが、入院の希望を出しましても——これは法律がないのでやむを得ない現象かもしれませんが、希望いたしましても、ベットは空いておつても、定員ぱいであつて入院はできないという断りが、今日どこの結核療養所でも大体行われております。患者入院いたしますのには半年から一年、長くなりますと一年半も待たなければならないような状態でございますが、そういう場合に定員数は満ちておらない、ベットも空いておるけれどもお話のように運営上経費その他でどうしても入院はさせられないというような場合が今後出た場合には、その解釈はやはり正当な理由として当局としては医務局との交渉をなさるおつもりでございましようか。
  52. 山口正義

    山口(正)政府委員 定員以下を收容しております場合に、たとえばその療養所医療関係者の数が定員通り満たされていないために、それ以上の患者数を引受けた場合に適正な治療が与えられないというようなときには、正当な理由考えなければならないと存じますが、但しその場合には医療関係者が十分に充足されてないために患者定員数を收容できないということがないように、私どもの方といたしましては、国立療養所につきましては、医務局の方に折衝して参るつもりでおります。
  53. 松谷天光光

    松谷委員 公衆衛生局はもう少し強くなつていただきたいと思うのであります。これはもちろん医療費その他の予算の面からあるいはまた従業員実情から、そういうことが現在行われておられるであろうと推測をするのでございますけれども、今日せつかくべットを増床するという場合に、一床でもあいているベットというものは非常にもつたいない現象だと思うのでございます。こういう点は医療費その他の医療設備あるいはまた従業員その他の充実をはからなければならないことは、もちろんでありますけれども公衆衛生局におかれては、ひとつ完全に空床を利用する方向に強く推し進めていただきたいと思います。それでその正当な理由をよほど厳重に運営上おはからいをいただきたいと思います。  なお先ほど特殊な対象の病院には特殊外の者は云々とありましたが、この特殊なというのは何か、具体的に今伺えれば伺つて、なお質問を続けさせていただきます。
  54. 山口正義

    山口(正)政府委員 たとえば逓信省関係あるいは運輸省関係あるいは教育者関係、そういう特殊な対象のために特につくられました療養所考えております。
  55. 松谷天光光

    松谷委員 これは各省の予算等が相当影響して来る——影響と申しますかその管轄外の者、特殊外の者を入院さすことは、今日までの各省の慣例から、おそらく困難なこととは思いますけれども、しかしこれも初めに申し上げたように、少くとも逓信省関係にあきが非常にある、あるいは運輸省関係ならばあきがあるという場合に、宙に浮いて病を持ちながら入院できない他省の官吏がかりにあつたとするならば、これは厚生省が間に入られて折衝なさつて、これは特殊なものであるからということで放置をなされずに、こういう厚生の面からでも各省のなわ張り根性というものを打破していただく一つのきつかけをこしらえていただければ、一石二鳥案だと思うのでございますが、そういう点に今後厚生省、ことに公衆衛生局は乗り出していただきたいと思うのでありますが、局長のお考えはいかがでございましようか。
  56. 山口正義

    山口(正)政府委員 御指摘の点につきましては、指定医療機関の第三十六条のところに、特殊な、国が開設した病院または診療所につきまして、その主務大臣の同意を得て指定医療機関に指定いたします。その同意を得ます場合に、ただいま御指摘のようなことが——これはある程度の特殊事情認めなければならないとは存じますが、極端な、ただいま御指摘のように非常にたくさんあいているのに他省の者が入れないというようなことのないようには、その同意を得て指定いたします場合に、そういうことを十分考慮して実施するように、私どもの方といたしましては、強く要望して参るつもりでおります。
  57. 松谷天光光

    松谷委員 三十六条以下の指定医療機関のことですが、その指定をいたします場合に、その基準その他がございましようか。
  58. 山口正義

    山口(正)政府委員 一応指定の基準といたしまして私ども考えておりますのは、結核の適正な医療を行い得ますようにという建前からいたしまして、診療科名としては、原則として内科を標榜しておるもの、それからX線装置を有しておるもの、そういうふうに考えております。
  59. 松谷天光光

    松谷委員 この指定機関の場合には、指定医療機関になりたいという希望と申しますか、その申請はできることになつておりましようか。
  60. 山口正義

    山口(正)政府委員 病院側からも医療機関側からも申請できるようにしてございます。
  61. 松谷天光光

    松谷委員 その指定医療機関になりました場合に、何か特典というようなものがございましようか。
  62. 山口正義

    山口(正)政府委員 特別にございません。
  63. 松谷天光光

    松谷委員 今特別の特典はないというお話でございましたが、指定医療機関になれば、投薬その他の材料の配給、その他そういう点は当然あるものと解釈をいたしますがいかがでございましようか。
  64. 山口正義

    山口(正)政府委員 その指定医療機関におきましてストレプトマイシン注射をいたしますとか、あるいはパスの投与をいたしますとかいう場合には、そういう配給は当然行われるものと考えております。
  65. 松谷天光光

    松谷委員 指定医療機関について問題になりますのは、やはり支払いだと思うのでございます。従来健康保險指定の医師その他が支払いが非常に不円滑なために非常な難儀を受けておつた、また現在もおるという状態でございますが、この結核予防法の指定を受けます医療機関は、またここで法案で拜見すると、大体医療報酬の点数は国民健康保險並に認められて行くようでございますが、支払いもまたやはり健康保險並に非常に不円滑であるという危惧が、おそらく指定機関を受けるかどうかという場合の一つの問題になると思うのでございますが、そういう点についてお見通しはどうでございましよう。
  66. 山口正義

    山口(正)政府委員 内容は先般も御説明申し上げたと存じますが、一応ただいま考えておりますのは四種類の医療でございますので、比較的單純でございます。また省令におきまして、一応最大限二箇月ぐらいで必ず支払うようにというふうに規定して行きたいと考えております。
  67. 松谷天光光

    松谷委員 今二箇月というお話でございましたけれども、二箇月も、これはなかなか医者の側に立ちましてはつらいところらしゆうございます。私專門家でございませんが、そういう訴えをしばしば聞かされます。そのために非常に業務が遅滞して来る実情がございますので、この点について特に公衆衛生局は一はだ脱いでいただく覚悟でなければ、これが円滑に行われないのではないかと思います。その点もなお一層御研究いただきたいと思います。  それからこの指定を受けました医療機関——これは国等の場合は問題でございませんが、税金等の面につきまして、何かひとつ考慮されて行くということを、特に本省としては何か対策をお考えでございましようか。
  68. 山口正義

    山口(正)政府委員 本法におきます指定医療機関は、社会保險各法の保險医と同じような意味でございますので、ただいま御指摘のような税金その他についての特別な取扱いというものは、一応私どもの方では考えておりません。
  69. 松谷天光光

    松谷委員 予防審議会及び結核診査協議会のことで少し伺つておきたいと思いますが、この結核予防審議会あるいは結核診査協議会の委員というものは、これは当局とされては名誉職的なものだという解釈のもとにつくられたのでございましようか、あるいは他のお考えによつてつくられたのでございましようか。私名誉職と申しましたが、言葉が悪いかもわかりませんが、報酬その他の点で予算その他からかみ合せて見ての私の名誉職と申しました内容がございますのですが、そういう点予算等にからんで御説明いただければけつこうだと思います。
  70. 山口正義

    山口(正)政府委員 先般御可決いただきました予算の中にこの結核予防審議会、診査協議会の委員の手当が盛り込んでございますが、これは普通の審議会の手当と同様に、出席に応じて手当を差上げる、そういうふうな考えでございます。
  71. 松谷天光光

    松谷委員 なおもう少し詳しく内容を御説明いただければ幸いと思います。
  72. 山口正義

    山口(正)政府委員 お尋ね委員会運営に要します費用の内訳は、ただいま手元にこまかい資料を持ち合せておりませんので、この次の機会にお答え申し上げたいと思います。
  73. 松谷天光光

    松谷委員 なおその際にあわせて委員に対する手当その他もひとつ伺わせていただきたいと思います。  それから四十六条のところに「審議会の庶務は、厚生省公衆衛生局において処理する。」とございますが、これは事務当局と申しますのもおかしなあれかと思いますが、公衆衛生局内に審議会を置くいうように解釈してよろしゆうございますか。庶務はそこで処理するということになりますと、審議会の所在というものは……。
  74. 山口正義

    山口(正)政府委員 審議会は厚生大臣の諮問機関といたしまして、厚生省設置法にうたわれるわけでございますが、四十六条の意味は、庶務的な事項を公衆衛生局で行うというのでございまして、審議会を公衆衛生局に置くという意味ではないのでございます。
  75. 松谷天光光

    松谷委員 その意味はよくわかつております。すると予防審議会に連絡その他一切のあれは公衆衛生局が担当されて、今後国民は公衆衛生局連絡をとればよろしいというふうに解釈をしてよろしゆうございましようか。
  76. 山口正義

    山口(正)政府委員 御指摘通りでございます。
  77. 松谷天光光

    松谷委員 この委員内容でございますが、四十五条の三のところに大体ございますが、当局では患者の代表と申しますか、患者側の意見というものを委員会に盛り入れるというお考えは全然ございませんでしようか。
  78. 山口正義

    山口(正)政府委員 患者自身を入れるということは一応考えておりませんので、患者の意見を代表し、また患者の利益を代表できるような方を委員の中に入れまして、患者の意見を十分取入れて行きたい、そういうふうに考えております。
  79. 松谷天光光

    松谷委員 時間が大分長くなりましたから、こまかな点は次に讓らせていただきますが、最後に一つつておきたいのは、予防法が幸いにもこうして考えられておりますので、この予防法の運営の中に、ことにこういう委員会ができようとしておりますが、その運営上後保護の問題でございますね、これもあわせて——名前は結核予防とついてございますが、予防審議会の内容として、医療に引続いて後保護の問題も取上げて行こうとなさるような広いお考え公衆衛生局にはございませんでしようか。公衆衛生局ではできないとおつしやればやむを得ませんが、今日後保護の問題を扱つておりますのは社会局かもしれませんが、社会局だけにまかすよりは、むしろこの法案に添えて、この審議会あたりでいろいろ検討していただいた結果を具体化する場合には、社会局に持つて参りますのが早道ではないかと思いますが、局長はどうお考えでございましようか。
  80. 山口正義

    山口(正)政府委員 結核患者の後保護の問題につきましては、一応後療養の部面は、この結核予防法に基きまして、私どもの方で扱つて行きたいというふうに考えております。後保護の問題は、一応現在社会局で取扱つてもらうことになつております。ただ、ただいま御指摘の審議会の議題として後保護の問題を取上げ、どういうふうに後保護を今後やつて行くかということは、当然この審議会の議題として取上げて研究して行くべきだと考えております。
  81. 松谷天光光

    松谷委員 長くなりますので、他の質問は次に讓らせていただきとうございます。
  82. 山口正義

    山口(正)政府委員 前会松谷議員からお尋ねがございまして、答弁を今日に讓らしていただきました保健所の整備の問題でございますが、既設の各保健所に事務職員二名ずつを増員いたしますのは、予算上は十一箇月分をとつてございます。それから保健所の二十箇所の新設並びにCクラスからBクラスヘの格上げ五十一箇所、CクラスからAクラスヘの格上げ三十箇所分は、予算上は大箇月分をとつてございます。なお保健婦の活動を積極的にいたしますために、二十六年度から従来の旅費のほかに、保健婦一人当り年額一万二百円の旅費を計上してございます。
  83. 松谷天光光

    松谷委員 大体了承いたしましたが、なおこの際つけ加えてお聞きしておきたいことは、保健婦に対する年額の予算の増額がございましたが、これで非常に事務もはかどつて来ようと思いますが、なお保健婦さんたちのいろいろの要求を伺つてみますと、ことに地方等では足の便でございますね、今度保健所にダットサンが配給になるということも伺いましたので、これができれば相当家庭訪問には便利だろうと思いますが、ダットサンを看護婦さんが使うところまではなかなか参らないので、自転車の要求が全国的に非常に強うございます。なおおはからいいただきたいと思います。それから看護婦さんたちのくつとくつ下、この要望が多いのでございます。こまかいことでございますけれども、日常の問題として相当の苦労をしておられるようでありますから、あわせてお考えいただきたいと思います。これはお願いいたしておきます。
  84. 松永佛骨

    松永委員長 次回は明後二十二日午後一時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後三時二十六分散会