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1951-02-17 第10回国会 衆議院 厚生委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十六年二月十七日(土曜日) 午前十一時十三分
開議
出席委員
委員長
松永
佛骨
君
理事
青柳
一郎
君
理事
丸山
直友君
理事
福田
昌子
君
大西
禎夫君 首藤 新八君 高橋 等君 堀川 恭平君 松井 豊吉君 亘 四郎君 清藤 唯七君
苅田アサノ
君
松谷天光光
君
出席政府委員
厚生事務官
(
大臣官房会計
課長
) 太宰
博邦
君
厚生事務官
(
薬務局長
) 慶松
一郎
君 厚 生 技 官 (
大臣官房統計
調査部長
)
曽田
長宗
君 厚 生 技 官 (
公衆衛生局環
境衛生部長
)
山口
正義君 厚 生 技 官 (
医務局長
) 東 龍太郎君
委員外
の
出席者
議 員
金子與重郎
君 專 門 員
引地亮太郎
君 專 門 員 山本 正世君 ――
―――――――――――
二月八日
委員中川俊思君辞任
につき、その
補欠
として島
村一郎
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月九日
委員島村一郎
君
辞任
につき、その
補欠
として中
川俊思君
が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月十日
委員中川俊思君辞任
につき、その
補欠
として山 本猛夫君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月十四日
委員橘直治
君
辞任
につきその
補欠
として
大西禎
夫君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 ――
―――――――――――
二月八日
国民健康保險事業救済対策確立
に関する
請願
(
並木芳雄
君外二名
紹介
)(第四二六号) 星塚敬愛園の
増床
に関する
請願
(
中馬辰猪
君紹 介)(第四二七号)
遺族援護強化
に関する
請願
(
水谷昇
君
紹介
)( 第四二八号)
医療法
第十三條の
猶予期間延長
に関する
請願
(
丸山直友
君
紹介
)(第四二九号) 同(稻村順三君外二名
紹介
)(第四三〇号)
外地引揚歯科医師免許
に関する
請願
(
青柳一郎
君
紹介
)(第四八四号)
看護婦既得権者
に対する
甲種看護婦国家試験免
除に関する
請願
(
庄司一郎
君外一名
紹介
)(第 四八五号) 同(
圓谷光衞
君外一名
紹介
)(第四九二号)
入院患者
に強制退所
指示
の
撤回
並びに
作業療法
完全実施
に関する
請願
(
福田昌子
君
紹介
)(第 四八七号) 同月十三日
生活保護法
による
扶助基準引上げ
の
請願
(平野 三郎君
紹介
)(第五二五号)
国定公園法制定
に関する
請願
(
村上勇
君
紹介
) (第五二六号)
国立療養所給食費増額
に関する
請願
(小
金義照
君
紹介
)(第五二七号)
国立療養所入所患者
の
診療費等
に関する
請願
( 小
金義照
君
紹介
)(第五二八号)
国立療養所入所患者
の早期退所
反対等
に関する
請願
(小
金義照
君
紹介
)(第五二九号)
結核病床増設等
に関する
請願
(
小林進
君
紹介
) (第五五一号)
結核病床増設
に関する
請願
(
船田享二
君
紹介
) (第五五二号) 同(
山口好一
君外一名
紹介
)(第六二一号) はり師及びき
ゆう師
を
生活保護法
の
医療機関
中 に加入の
請願
(小
金義照
君
紹介
)(第五七二 号)
結核患者
に
国民健康保險
の
全面適用
に関する請 願(
船田享二
君
紹介
)(第五七三号) 同(
柳澤義男
君
紹介
)(第六二六号) 同(
山口好一
君外一名
紹介
)(第六三〇号)
国立療養所入所患者
の
診療費
に関する
請願
(船
田享二
君
紹介
)(第五七四号) 同(
山口好一
君外一名
紹介
)(第六二四号)
県立尾花沢総合病院設置
に関する
請願
(
志田義
信君
紹介
)(第五七五号)
入院患者
に強制退所
指示
の
撤回
並びに並びに作
業療法完全実施等
に等に関する
請願
(
船田享二
君
紹介
)(第五七六号) 同(
山口好一
君外一名
紹介
)(第六二五号) 国費によるストレプトマイシン、パス、テイビ
オン等支給
の
請願
(
船田享二
君
紹介
)(第五七 七号) 同(
山口好一
君外一名
紹介
)(第六二三号)
医療法
による
看護婦
及び
医師
の
増員等
に関する
請願
(
船田享二
君
紹介
)(第五七八号) 同(
山口好一
君外一名
紹介
)(第六二二号)
医療法
による
医師
及び
看護婦
の
増員
並びに
完全
給食
に関する
請願
(
船田享二
君
紹介
)(第五七 九号) 同(
山口好一
君外一名
紹介
)(第六二九号) 国立
療養所
早期退
所者
の
保護措置
に関する
請願
(
福田昌子
君
紹介
)(第六二〇号)
生活保護法
による
扶助基準引上げ等
に関する請 願(
柳澤義男
君
紹介
)(第六二八号) の審査を本
委員会
に付託された。 同月十四日 あん摩、
マツサージ
両術の
分離等
に関する
陳情
書 (第二一〇号)
生活保護費
の
全額国庫負担
に関する
陳情書
(第 二二二号) 新
医療法施行延期
に関する
陳情書外
一件 ( 第二三〇号)
外地引揚歯科医師
の
免許
に関する
陳情書
(第二四八 号) を本
委員会
に送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した
事件
小
委員
の
補欠選任
昭和
二十六
年度
厚生省関係予算
に関する件 ――――◇―――――
松永佛骨
1
○
松永委員長
これより
会議
を開きます。 小
委員
の
補欠選任
についてお諮りいたします。
昭和
二十五年十二月十三日に、
看護婦制度
に関する小
委員
でありました林百郎君が
委員
を
辞任
されましたので、その
補欠選任
を行いたいと存じますが、その
補欠選任
につきましては、先例により
委員長
より
指名
するに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松永佛骨
2
○
松永委員長
御
異議
なきものと認め、
苅田アサノ
君を、
看護婦制度
に関する小
委員
に
指名
いたします。 —————————————
松永佛骨
3
○
松永委員長
前会に引続き、
昭和
二十六
年度
厚生省関係予算
に関しまして、当局より
説明
を聽取いたしたいと存じます。 本日は、各
局長
より順次
局別
にその細目にわたり
説明
していただくことにいたします。まず
曽田統計調査部長
。
曽田長宗
4
○
曽田政府委員
お配りいたしました
資料
のうちに、
統計調査部
の
業務概要
がございますが、この
仕事
の
大要
につきましては、すでに皆さん御
承知
と考えられますので、詳しい
説明
を省略させていただきます。ただ
明年度
におきまして新たに
予算
を計上していただきました特殊なものについて、
一つ二つ
だけ申し上げてみますならば、一番おしまいの方に、十六、
厚生省報告例
に基く
統計
と
なつ
ておりますが、このうちに、特に
社会局
、
児童局関係
の
活動状況
を示します
統計数字
というものが、今日まで比較的不
完全
でありましたので、
昭和
二十六年の一月から、今までに比較してかなり詳細なものを集めるということに相なりましたので、
昭和
二十六年の四月からの
予算
の中にも、これに要する
経費
を相当額組み込んでいただきました。特に新しい問題といたしましては、そのようなもの、ほかに特殊な
統計調査
がございますので、その
項目
も若干加えていただいたのであります。
事務概要
といたしましてはその
程度
にとどめまして、次に
予算
の
大要
について御
説明
申し上げてみたいと考えます。順次に申し上げますれば、最初は
職員俸給
でございますが、これは
人員等
に変化がございませんので、御
説明
を省略させていただきます。 二番目の
特殊旅費
は、御
承知
の
通り
八ブロツクに十六人の
現地指導官
を配置しておりますので、
そのもの
が
巡回指導
をいたしますための
経費
であります。
特殊庁費
といたしましては、
昭和
二十五
年度
におきまして、レミントランドの
統計機械
を、
各種
加えまして百三十二台輸入いたしたのであります。この
機械
を
明年度
におきましても引続き借上げ使用いたすことに
なつ
ておりますので、それに要する
経費
がおもなものでございます。 第四番目にあげましたのが、先ほども申し上げました、
昭和
二十六年の一月から、特に詳細な
調査
を各都道
府県
から徴することになりましたので、その
調査委託費
といたしまして六百十七万一千七百円を計上していただいたのであります。これと同じ
仕事
でありますが、
市町村
に対する
社会福祉統計調査
の
事務
、この表題は
事務職員費補助
と
なつ
ておりますが、実体的には、
人件費
と申しますよりは、
事務費
の
補助
に
なつ
ているのであります。これが千二百四十九万六千円計上していただいたのであります。またこれに関連して、
明年度
からは
社会福祉統計関係
の
主管課長
の
会議
も新たに開きたいと考えましたので、従来から開いておりました
衛生統計主務課長会議
の
経費
と合せまして、九万五千三百円というものを計上していただいたのでありまして、若干の増に
なつ
ております。 それからその次の
指導講習会費
と申しますのは、先ほど申し上げました
厚生省
の
本省職員
でございまして、各地に駐在させておきます十六人の者、その下に
法務
府の
事務官
を
兼任厚生技監
といたしまして、各市長村個々に
指導
をいたします者を任命しておるのでありますが、
そのもの
に対する
講習会
を年々
法務
府と共同で開催いたしておるのであります。この
経費
をほぼ前年
通り
計上していただいたのであります。 それから
厚生統計協議会費
は、この
厚生統計関係
のきわめて間口の広い
仕事
に対しまして、いろいろ
事務
的、技術的に、
本省
内と限らず、
省外
あるいは民間の
権威者
にお集まり願いまして、
事務
の刷新をはかりますために、いろいろ御意見を伺つております、その
経費
であります。これも昨
年度
とほぼ同様であります。
無料郵便制度費
は、特に
伝染病
の
届出
につきまして、各開業の
医師
から
届出
を要求しておるのでありますが、その
経費
を
幾分
でも
負担
を少くしたいというようなところから、その
届出
に要する
郵便料
というものは国で
負担
しておるわけでありまして、その
経費
でございます。これは
法定伝染病
は、それほど大きな増加を示しておりませんでしたが、
結核等
のごときにおきましては、これも
患者
が必ずしもふえているとは言えないかもしれませんが、
届出
が
完全
に
なつ
て参ります
関係
上、数がふえて参りますので、この額といたしましては
幾分
ふえておりますが、
計画
といたしましてはほぼ前年の方針を踏襲しておるわけであります。
死亡診断書
の
正確性調査費——
これは新たに
昭和
二十六
年度
から着手いたします
調査費
でございます。これは嚴密な
意味
での
統計調査
と申しますよりは、かなり
疾病
に関しましての
統計
は、整備されて参
つたの
でありますが、その
数字
の
信頼性
というようなものについて、各方面から疑義が起つております。その
正確性
というものについて、
幾分
の
調査
をいたしたいということで、新たに計上していただいたものであります。 十一番の
経費
、これは主として
市町村
にお願いいたします
人口動態調査
の
事務
、この
経費
に対しては従来から各
市町村
より非常に不足であるということを訴えられてお
つたの
でありまして、
幾分
増額していただいたのであります。私どもとしては必ずしも満足していないのでありますが、一応この
程度
のものを計上した次第であります。なおこの中には小
票交換費
というものがございますが、これは二十五年の九月から
実施
いたしたのでありまして、次
年度
から新たに組んでいただきました
経費
であります。これはただいま
戸籍関係
の
届出
が、
事件
の発生いたしました
町村
において届け出されておるのでありますが、実際に
行政
の用にたちます
数字
というものは、一定の
町村
に常住しておる者の間に起きました
事件
をつかむことが必要であります。この
常住地
に
事件
の
発生地
から
人口動態
の
調査票
を送付する、かようにして
常住地
における出生、
死亡
、死産、婚姻、
離婚等
の
事件
の数を的確迅速に押えるという
意味
で設けました諸費でございまして、それに要する
経費——
実際には
昭和
二十五年の九月から
実施
は始めておるのでありますが、非常に
市町村
の方からも喜ばれております。 それから
衛生統計調査委託費
と
なつ
ておりますのは、これは
府県
に対しまして
伝染病統計
あるいは
病院関係
の
統計
、そのほかいろいろな
各種
の
衛生統計調査
に関しまして
委託費
を差上げておりますが、その
経費
でございます。 それから
社会福祉基礎統計調査費
というふうに
なつ
ておりますのは、いろいろな種類の
調査
を含んでおるのでありまして、ここに列挙いたしております
通り
、
生計実態調査
、
国民総合医療費調査
、
医療施設調査
、
医療関係者調査
、
医療基礎調査
、
施設收容結核患者実態調査等
の
各種
の
統計調査
を含んでおるのでありますが、これらはいずれも
関係
の
他局
と十分連絡いたしまして、これらの
調査
を
実施
いたすということに考えましたので、それに要する
経費
が千六百二十八万四千三百円ということに
なつ
ております。
臨時集計費
は、これは特に従来から続けております
国民栄養調査
の
臨時的集計事務
に要する
経費
でありまして、かなり手数を要しますために、別に
集計費
を計上していただいたのであります。 大体以上を合算いたしまして
昭和
二十六
年度
の
予算額
は二億八千五百五十六万八千円ということになりまして、前年に比べますと千八百万円余りの増に
なつ
ております。
松永佛骨
5
○
松永委員長
次に
山口環境衛生部長
。
山口正義
6
○
山口政府委員
公衆衛生局関係
の
予算
につきまして御
説明
申し上げます。
公衆衛生局関係
は四十億九千六百四万七千円と
なつ
ております。お手元に差上げてございます横書きの
資料
につきまして、順次御
説明
申し上げてみたいと思います。 まず
本省費
につきましては、十四の
優生保護法関係
でございますが、これは
人件費
、
事務費
のほかに、
優生手術
の
委託費
を計上してございます。これは昨年は三百人
予算
をいただいたのでありますが、二十六
年度
は七百人計上してございます。今までのところ、二十五
年度
の四月から十一月までの実績は、男が四十九人、女が百三十九人、
合計
百八十八人
実施
しております。現在申請がたくさん出て来ておりますので、その数はずつとふえて行くことと存ぜられます。 次は十五番の
栄養改善指導
の点でございますが、これには
栄養士
の
試験
の
費用
、それから
病院給食
に関する
費用
が計上してございます。
栄養士
の
試験
の
費用
は、前
年度
と同様でございます。
病院給食
につきましても、大体同じように計上してございます。 次は十六番の
栄養調査
に必要な
経費
でございますが、これは御
承知
のように、
全国
百六十三
地区
で一万七千五百六十世帶、
人員
にいたしまして十七万五千犬百人を
対象
といたしまして、年四回、二月と五月、八月と十一月に
栄養調査
をいたしておりまして、現在の
国家
の
栄養状況
の判断、さらに引続いて食糧の輸入というような
指導
をいたしているのでございますか、その
費用
を計上しているのでございます。 次は十七番の
保健所
の
運営指導
に必要な
経費
でございますが、これは
本省
の
人件費
、
事務費
のほかに、
協議会費
あるいは
調査費
、あるいは
講習会費
、そういうものを計上してございます。 次は十八番の
結核予防
に関する
経費
でございますが、
本省費
といたしましては、
人件費
、
事務費
のほかに
結核審議会
の
経費
、あるいは
講習会
の
経費
、あるいは
結核研修所
の
経費
、あるいは
BCG
の
効果調査
の
経費
、そういうものを計上してございます。
補助費
につきましてはあとで御
説明
申し上げたいと思つております。(「
BCG
はどのくらい入つていますか」と呼ぶ者あり)
BCG
の
効果調査
が七十七万四千四百円、二分の一
補助
で計上してございます。 次は十九番の
伝染病対策
に必要な
経費——本省費
、これは特別にかわつたことはございません。 次は、
精神衛生対策
に要する
経費——
これも別に申し上げることはないと存じます。 次は
性病予防対策
に必要な
経費
、これも
本省費
といたしましては、
講習会費
あるいは
協議会費
、大体前
年度
と同じように計上してございます。 次は二十二番の
予防接種法施行
に必要な
経費
、これも
本省費
といたしましては
講習会費
を計上してございます。 二十三番は、
環境衛生事業
の
企画指導
に必要な
経費——
これは
環境衛生課
の
本省費
でございますが、これも昨
年度
と大体同じく、
講習会費
あるいは
協議会費
、そういうものを計上してございます。 二十四番は、
水道課
の
本省費
、大体
人件費
並びに
事務費
を計上してございます。 次の二十五番、二十六番は、
食品衛生関係
の
本省費
でございますが、二十五番の方は、昨
年度
と同様に
調査会費
、あるいは
協議会費
、あるいは製品の
検査費
、そういうものを計上してございます。 二十六番は
輸出入
の
食料品検査——
これは
輸出入食品
につきまして、港におきましてその
食品
を
検査
いたしまして、
衛生
上有害なものは押えるということをやつているのでございますが、
検査所
といたしましては、二十六
年度
には
東京
、
大阪
、
門司
、
小樽
の四箇所に
検査所
をつく
つて——
現在は
東京
と
大阪
だけでございますが、二十六
年度
には
門司
と
小樽
につくりまして、
食料品
の
輸出入検査
をやつて行きたいと考えております。そのほか
検査所
でなしに、
人員
を配置いたしますのは、
東京
、
大阪
、
門司
、
小樽
、名古屋、長崎、清水というような七
地区
に
職員
を配して
輸出入食品
の
検査
をやつて行きたい、こういうように考えております。 次は
乳肉衛生関係——
これは
動物性蛋白質食品衛生
のうちで、
動物性蛋白質
に関する
食品
を主として取扱うのでございまして、主として
魚介類
、牛肉、牛乳というものを取扱うにつきましての
本省費
でございます。 次は
狂犬病予防——
これは最近
狂犬病
が非常に流行しておりますので、大体それに必要な
講習会費
あるいは
協議会費
、そういうものを計上してございます。 二十九番の
公衆衛生
の
試験検査
、
研究指導——
これは
公衆衛生局
の
研究所課
の
本省費
で、ございましてやはり主として
会議費——審議会
とかあるいは
協議会
という
会議費
を、
人件費
のほかに計上してございます。 次の三十番の
検疫
の
統轄運営——
これは
全国
に十四箇所の
検疫所
と七箇所の分室がございますが、それのそれぞれの
検疫所
におきます
検疫実施
につきまして、これを統轄して行くのに必要な
本省費
でございます。 以上が
公衆衛生局関係
の
本省費
でございまして次の三十一番以後が
補助費
でございます。三十一番の
水道費
の
補助
は、これは
終戰直後
から続いて行われております
国庫債務負担行為
の
補助
でございます。これは今までは、一年区切りに計上しておりましたが、二十六
年度
におきましては、
最終年度
、
昭和
四十二
年度
までの分を一まとめにして計上しておるのでございます。 次の
保健所費補助
に必要な
経費
でございますが、これは御
承知
のように、
保健所
は、
衛生行政
の
末端機関
として地方における中心をなして行かなければなりませんので、
保健所
の整備につきましては、特に力を入れてやつているわけでございます。二十五
年度
におきましては、
全国
で七百四箇所
保健所
がございます。これを現在では
A級
と
C級
と二階級にわけておりまして、
A級
の方が
定員
が
保健所費
といたしましては五十二名、
G級
の方が二十七名でございます。建物の大きさも三百坪と百五十坪というように差がございますが、その
A級
の方が二十五
年度
におきましては百五十箇所、
C級
が五百五十四箇所ございます。それを、二十六年におきましては
C級
から
A級
に三十箇所格上げいたしまして、百八十箇所計上してございます。さらに二十六
年度
からは
A級
と
C級
のほかに
B級
といたしまして、
定員
四十三名で、
ちようど
今までの
A級
と
C級
の中間に位上しますのを新しく
計画
いたしまして、それを二十六
年度
には六十箇所をつくりたい。その
B級
の六十箇所は
C級
から
B級
に格上げいたしますものが五十一箇所、
B級
として新設いたしますのが九箇所、
合計
六十箇というわけでございます。
C級
から
A級
に格上げされ、
C級
から
B級
に格上げされまして、
C級
の数が減りますが、そのほか
C級
を二十六
年度
では十一箇所新設いたします。結局
C級
が四百八十四箇所、そういうふうに計上してございます。もう一ぺん申し上げますと、二十五
年度
は
A級
が百五十箇所、
C級
が五百五十四箇所でございましたのが、二十六
年度
は
A級
が百八十箇所、
B級
が六十箇所、
C級
は四百八十四箇所、そういうふうになるわけでございます。
合計
七百二十四箇所、従いまして総計におきましては、二十六
年度
は二十五
年度
に比較いたしまして、
保健所
が二十箇所増設されるというようなことになるのでございます。
保健所
の
定員
といたしましては、二十五
年度
は二万二千七百五十八名でございましたが、二十
夫年度
は二万六千九百八十四人というふうに
増員
を要求してございます。
保健所費補助
といたしまして、そのほかに特に二十六
年度
からお願いいたしておりますのは、
研究費
でございまして、これはしばしば指摘されますように、
保健所
の
医師
の
充足状態
が非常に
惡い
。これはいろいろな事情もございますが、待遇が
惡い
というような点もございますし、
十分勉強
もできないというような点もございますので、
保健所
の
医師
を充足いたします
一つ
の方法といたしまして、さらにまた
保健所
に働く
人たち
の資質を向上させるという
意味
をもちまして、
研究費
を計上いたしまして、
A級
につきましては一箇所年額二十万円、
B級
は十五万、
C級
は十万円というふうに計上いたしまして、
国庫
からの
補助
といたしましては三分の一
補助
を見込んで、この中に計上してございます。以上が
保健所
に関する
補助
でございます。 次は、
伝染病予防費
の
補助
でございますが、この中には
防疫関係
、
癩予防関係
、それから
寄生虫予防関係三つ
が含まれておりまして、
防疫関係
は
全国
に
防疫職員
五百二十二名としてございますが、これに要します
費用
の二分の一を計上してございます。さらに、西日本に特に多いのでございますが、それの
検疫
を嚴重にいたしませんと、
伝染病
が国内に持ち来される心配が非常に多い。これは
検疫業務
に準じたような
仕事
でありますので、一
府県
にまかすべきでないという
建前
から、これは
全額国庫負担
でやる
全額補助
というようなかつこうで計上してございます。 それから次は
癩予防
に関する
補助
でございますが、これは
国立癩療養所
に要する
費用
、それから
一般
の
健康診断
、
癩患者検出
のための
健康診断
に要する
費用
、それから
療養所
へ入れますまでの一時
救護所
の
設置運営
に必要な
経費
、そういうものを計上してございます。 それから
寄生虫病関係
といたしましては、
日本住血吸虫
に関する
健康診断
の
費用
、それから
駆虫薬
あるいは
糞尿処理
の
研究
に必要な
費用
に対する
補助費
を見込んでございます。 それから
伝染病予防費
、これは
全額
五億二千九百八十六万二千円計上してございますが、これは大体前
年度
と同じような方式でやつておるので、ただ
昭和
二十六
年度
からは、
小児麻痺
を
伝染病予防法
の
対象
の
疾病
として行きたいという考えで、それに要する
経費
を新しくつけ加えてございます。 次は
予防接種
に必要な
経費
でございますが、これは
予防接種法
に基きまして、
全国
で
予防接種
するのに必要な
事務費
の
補助
でございます。それから
伝染病
が流行いたしまして、
定期
の
予防接種
以外に、
臨時
に
予防接種
をしなければならぬ、そのときの
費用
を
府県
が二分の一、
国庫
が二分の一という
建前
から、二分の一
補助
として、腸チフス、発疹チフス、種痘、
インフルエンザ等
、
臨時
にやらなければならぬ場合を想定しまして、それに要する
補助費
を計上してございます。 次は
結核予防
に必要な
経費
でございますが、
結核予防
に関して組んでおります
補助費
といたしまして、
健康診断
に要する
費用
、
予防接種
に必要な
費用
、それから
家庭訪問指導
に要する
費用
、それから
予防措置
に要する
費用
、それから
医療
に関する
費用
、
結核療養所
の
経費
に関する
費用
、それだけの
項目
を計上してございます。
健康診断
は
定期
と
定期外
と二種考えておりまして、
定期
の
健康診断
は、学生、生徒の
全員
、工場、
事業場
及び
事務
所の
勤労者
の
全員
、それから六才から三十才に至る都市の
一般住民
、そういうものを
対象
といたしまして、およそ二千三百万人を
定期健康診断
とするという
建前
でございます。
定期外
の
健康診断
は、
結核患者
の家族、あるいは
希望者
を
対象
といたしまして
実施
する
計画
でございます。これに要する
経費
といたしましては……(「
人員
はわかりませんか」と呼ぶ者あり)およそ三百四十万人を想定いたしております。それからこれに要します
経費
といたしましては、
定期健康診断
につきましては、
対象
のおよそ三〇%に対して無料で
実施
する。その
経費
負担
の内訳は、国が三分の一、都道
府県
が三分の一、それから
実施
者が三分の一というふうに考えております。しかし工場、
事業場
及び
事務
所
勤労者
中、健康保險加入者に対しては、
経費
を
負担
させないという
計画
でおりますので、実際に
定期
の
健康診断
の
経費
を
負担
しなければならぬ
対象
者といたしましては、六百九十九万人、そのうちの三〇%を無料でやるということになるわけであります。それから
定期外
の
健康診断
につきましては、
対象
のおよそ七〇%に対して無料で
実施
いたします。
経費
の
負担
は国が二分の一、都道
府県
が二分の一、そういう
計画
でございます。 それから
予防接種
につきましては、やはり
定期
の
予防接種
と
定期
以外の
予防接種
と二種ございます。
定期
の
予防接種
は、やはり学生徒
全員
、それから工場
事業場
の
勤労者
全員
、それ以外のもので零才から三十才に至るものを
対象
といたしております。
定期外
の
予防接種
につきましては、先ほどの
定期外
の
健康診断
をやるのと同じように考えております。この
経費
は、先ほどと同じように、
定期
の
予防接種
につきましては、
対象
のおよそ三〇%に対して無料で
実施
し、そのうち
国庫
負担
が三分の一、都道
府県
が三分の一、
実施
者が三分の一、
定期外
の
予防接種
もやはり先ほどと同じく
対象
のおよそ七〇%に対して無料で
実施
して、
国庫
と都道
府県
が二分の一ずつ
負担
するというように計上してございます。 それから訪問
指導
による
経費
といたしましては、保健婦の訪問
指導
に要する
経費
と、それから療養
指導
に必要な療養
指導
書というものを家庭におります
患者
に配ることにいたしておりまして、それに必要な
経費
を計上してございます。訪問保健婦の訪問
指導
に必要な
経費
は三分の一
補助
、
指導
書については二分の一の
補助
を見込んでおります。 それから
医療
費でございますが、これはストレプトマイシン、ハス、それから人工気胸、成形外科手術、この四つに対して
経費
を計上しております。ストレプトマイシンの
対象
は、在宅
患者
の一〇%は対して年四十グラム、病院の
入院患者
全部に対して四十グラム、静養隔離病舎に入院中の
患者
一〇%に対して四十グラム、そういう基礎で計算してございます。それからパスは全
患者
の一〇%、気胸も全
患者
の一〇%、外科手術は
入院患者
の一五%ということで計算してございます。 次の
結核療養所
の経常費——これは公益法人の
療養所
の経常費に対する
補助
で、二分の一を計上してございます。以上が
結核予防
に関する
補助費
の概略でございます。 次の三十六番の性病予防費
補助
に必要な
経費
は、性病予防法に基きましての強制
健康診断
に対する
経費
、それから性病予防法に基きまして、性病診療所並びに性病病院、それの運営に必要な
経費
の
補助
を計上してございます。 それから精神
衛生
に関する
補助費
といたしましては、公立の精神病院の
補助
、精神障害者の入院措置費の
補助
、精神
衛生
相談所からの
補助
、それを見込んでございます。 それから次の
狂犬病
予防に関する
経費
は、これはいわゆる野犬掃蕩費、人夫賃でございますが、これを
全国
で七万人と想定いたしまして、一人二百円として、その二分の一の
補助
を見込んでございます。 三十九番の施設整備に要する
経費
でございますが、これは先ほど申し上げました
保健所
の新設とか、あるいは増築に必要な
経費
、
結核研修所
の新設に必要な
経費
、公立の
結核療養所
、これを二十六
年度
におきましては六千九百床増加したいというわけでありますが、それに要する
費用
の二分の一
補助
、それから公益法人の
療養所
、これを二十六
年度
におきましては千八百床持ちたいという
計画
でございますが、それに必要な
補助
、それから精神病院、精神
衛生
相談所、地方病の予防施設——これは山梨、広島に
日本住血吸虫
病が流行いたしておりますので、いわゆるみぞをコンクリートで固めるという
仕事
でございますが、それに要する
費用
でございます。次に癩
患者
の一時
救護所
、これは先ほども
癩予防
のところで申し上げましたが、北海道に一箇所、新潟に一箇所つくりたいと考えておりますので、それに要する
費用
でございます。それから
衛生
研究
所、これを五箇所計上してございます。最後の
伝染病
院隔離病舎——これは現在の
伝染病
院隔離病舎は、明治三十年代、四十年代につくられましたものが多く、しかも人里離れた所につくられておりますために非常に腐朽しておりまして、使用に耐えないものがたくさんあるのであります。また現在の
衛生
学からいたしますれば。何も人里離れた所に建てておく必要はないというので、この際五箇年
計画
をもちまして、新しい観点から
伝染病
院隔離病舎の再整備をやつて行きたいという考えのもとに、二十
年度
から始めたいというので、
予算
を計上してあるわけであります。今までのように人里離れた所にありましては、適正な治療もできませんし、平生の管理も十分にできません。また現在の
伝染病
の発生状況からいたしましても、小さな村が
一つ
一つ
隔離病舎を持つておる必要はないというので、方針といたしましては、なるべく数箇
町村
が合同して
一つ
の
伝染病
院なり隔離病舎を持つ、あるいは適正な治療管理というような
意味
からいたしましてなるべく
一般
病院に附設できないような場合には、診療所のすぐそばに建てるというようなことで、適正な治療並びに平生の管理が適当に行われるようにというふうな
建前
で再整備を
計画
いたしておるのでありまして、さしあたり二十六
年度
におきましては二百十一箇所、病床数にいたしまして二千八百六十六床、金額にいたしまして一億一千三百八十万九千円を計上いたしてございます。 以上で
公衆衛生
の諸機関の
補助
の
説明
を終ります。
松永佛骨
7
○
松永委員長
ただいまの
山口環境衛生部長
並びに先ほどの
曽田
統計
部長の
説明
につきまして、何か御発言はありませんか。
青柳一郎
8
○
青柳
委員
結核予防
費のうちの
予防措置
の四万八千三百人の根拠と、
医療
費のうちの従業禁止、命令
入院患者
費、これの積算の基礎をお伺いしたい。
山口正義
9
○
山口政府委員
予防措置
の
費用
は、病毒伝播のおそれのあるような環境、たとえば住宅のような場合には、その住宅の改善をやらせてそれに要する
費用
の
補助
をいたしますので、大体四万八千三百人を考えておりまして、單価三百円といたしまして、その二分の一
補助
を考えております。 それから従業禁止、命令入院、これは従業禁止
患者
を約一万二千七百四十八件と考えております。單価は九千三百九十八円七十五銭、それから命令入院で病院に入院いたします者を二千八百九十八件と考えております。静養隔離をいたします者三百九十五件、そういたしまして病院に入院させました者につきましては、單価といたしまして入院費が一万八千七百九十七円五十銭、対症療養費といたしまして七千五百十九円、それの二分の一
補助
、それから静養隔離の方は、入院費が一万八千七百九十七円五十銭、対症療養費が三千七百五十九円五十銭、そういうふうに考えております。
青柳一郎
10
○
青柳
委員
私はことにストマイ、パス、成形手術、人工気胸、この問題について、この際お尋ねしておきたいと思うのでありますが、いずれも、たとえば在宅者の一〇%であるとか、
入院患者
の一五%とか、全
患者
の一〇%という計算でありまするが、御当局はいかなる人に無料でやらせるという御方針であるかということを承りたい。
山口正義
11
○
山口政府委員
ストレプトマイシンは現在の
予算
の
関係
上、原則といたしまして
入院患者
にやりたい、そういうふうに考えております。ただどういうふうに適用して行くかということにつきましては、
保健所
單位に審査
協議会
というようなものをつくりまして、それの判断によつてやつて行きたいというふうに考えております。
青柳一郎
12
○
青柳
委員
私の承りたいのは、ここで無料でやるとありますのは、ストマイは入院者全部、パス及び人工気胸は全
患者
の一〇%、それから成形手術は
入院患者
の一五%、こういう施策を施すということでありまして、これはけつこうなのでありますが、これだけで足りるものであるかという点が実は承りたいのであります。その前にこの一〇%、一五%というふうなものが出て来た根拠につきまして承りたい。
山口正義
13
○
山口政府委員
できるだけ広くやれる方が好ましいのでございますが、先ほど申し上げました審査
協議会
の審定の
関係
もございますし、また
費用
を十分拂い得る人も相当ございますので、そういう
建前
から、おおよそ全
患者
の一〇%というふうに見込んだのでございます。
青柳一郎
14
○
青柳
委員
この問題は、社会保障の上から考えまして、非常に大きい問題だと思うのであります。従いまして、他の機会になお御当局の御意向を十分ただしたいと思います。
松永佛骨
15
○
松永委員長
他に発言はありませんか。
苅田アサノ
16
○苅田
委員
まず
予防接種
のことについてお伺いしたいのでありますが、今度
結核予防
法などができることになりまして、
予防接種
をするために、ただいま御
説明
を伺いますと、
定期
の
健康診断
をした
人たち
の三〇%、それから
臨時
の
健康診断
をした
人たち
の七〇%が無料の
予防接種
を受けられることに
なつ
ておるというお話だ
つたの
ですが、これは国とか施設とかが
負担
を引受けて、三〇%あるいは七〇%の無料の
予防接種
を受けられる人ができておるということに
なつ
ておるのか、その辺をちよつと伺います。
山口正義
17
○
山口政府委員
先ほど私の申し上げました言葉が足りませんでしたので、申訳ございませんが、
予防接種
につきましても、工事、
事業場
並びに
事務
所の
勤労者
中、健康保險に加入しておる者に対しては
経費
を
負担
いたしませんで、それを除きました者の三〇%に対して無料で
実施
する、それから
臨時
の場合は七〇%無料で
実施
する、そういうふうに
なつ
ております。
苅田アサノ
18
○苅田
委員
そうしますと、これは
結核予防
法によつて
健康診断
する
人たち
は、
国庫
負担
とかそのほか社会保險とか、あるいは事業等でやつてくれるので、全部の人が無料でできるということには
なつ
ていない、やはり
負担
能力のある人は、個人が
負担
をするという
建前
に
なつ
ておるのでしようか。そうじやなくて、これによるならば
全員
が無料で、どこかが
負担
して、直接受ける人は無料で受けられるということに
なつ
ておるでしようか、その点をもう一ぺん伺いたいと思います。
山口正義
19
○
山口政府委員
私の希望といたしましては、ただいま苅田
委員
のおつしやいましたように、だれでも、どこからか金が出て、自己
負担
なしにやらせたいのですが、財政当局との折衝の結果、金の出し得る者を除いたあとの
対象
者の中で、三〇%だけしか無料でやれないというようなことに
なつ
ておるのであります。私どもの希望といたしましては、全部無償でやりたいと思うのですが、
予算
上どうもそういうふうにならなか
つたの
でございます。
苅田アサノ
20
○苅田
委員
それと関連いたしまして、その前にございました
予防接種
費
補助
に必要な
経費
というのがございますけれども、この中に含まれておりますいろいろな
伝染病
に対する
予防接種
の
費用
も、やはりこれは従来
通り
、各自が実費なり、あるいは手数料なりを含んだものを
負担
するように
なつ
た
予算
ですかどうですか、この点も聞きたいのです。
山口正義
21
○
山口政府委員
定期
の
予防接種
につきましては、ごくわずかの率、無料でやれる
予算
を計上してございます。
臨時
の
予防接種
につきましては、これは国と都道
府県
が半々で
負担
しております。それから
定期
に行います
予防接種
につきましては、やはり従来
通り
各人に
負担
していただくというふうな
建前
に
なつ
ております。
苅田アサノ
22
○苅田
委員
定期
の
予防接種
は、自己
負担
ですか。
山口正義
23
○
山口政府委員
自己
負担
です。
臨時
の
予防接種
は、国と都道
府県
が
負担
するということに
なつ
ております。
苅田アサノ
24
○苅田
委員
先般参議院で、各党の婦人の代表を集めまして
東京
都内の婦人団体の方と会合いたしました際に、直接大田区その他の主婦の代表の方から出ました声といたしまして、最近諸物価が非常に高騰し、それに反して收入の面は、賃金その他にいたしましても、非常に低いので、非常に生活上に支障を来し、最近では予防注射をするにも、無料でやつていただかないと予防注射ができない、何とかしてこの予防注射を無料でやつていただきたいというふうな声が出ておりまして、これに対して同調する方が多か
つたの
でございます。少くとも国が法律でもつて予防注射をきめておる以上は、すべての人が予防注射を受けられるような制度に
なつ
ておることが当然だと考えますが、そういうような予防注射をぜひ受けなければならない
人たち
が受けられないという状態に対して、御当局の方はどういう処置を考えておいでになりますか、お伺いしたいと思います。
山口正義
25
○
山口政府委員
ただいま苅田
委員
のおつしやいましたように、
予防接種
は、できれば全部国で
負担
して、自己
負担
なしにやらせたいというので、再三財政当局と折衝いたして参つておりますが、なかなか私どもの要求が入れられないので、まことに申訳ないと思つております。特に百日ぜきの
予防接種
のように、
予防接種
の單価が相当高いものにつきましては、何とかして
補助
率だけでも高くしてもらうように努力いたしておるのでございますが、残念ながらその希望がまだ達せられない時期なのでございます。
予防接種
の
費用
につきましても、ただいま仰せの
通り
でございますので、私どもといたしましては機会あるごとに、そういう方向に進んで行くように努力いたしております。
苅田アサノ
26
○苅田
委員
それでは
公衆衛生局
当局といたしましても、この法令で定められておる
予防接種
のための
費用
は、当然
国家
が
負担
すべきであるという御見解のもとに、なお大蔵当局と折衝を続けておるかように理解してよろしいわけですか、その点をなおはつきりお伺いしておきたいことが
一つ
。 それからごく少数はこれを無料でやつておるということをおつしやいましたが、現在何パーセントぐらいが無料に
なつ
ておつて、これを無料で受けるためには、どういうような手続が必要であるかということを、お答え願いたいと思います。
山口正義
27
○
山口政府委員
現在
一般
の
予防接種
につきましては、言葉は
惡い
かもしれませんが、大体貧困率を二%と見込んで計上してございます。これは大体財政当局との折衝の結果、
生活保護法
の
対象
者というようなことで考えております。
苅田アサノ
28
○苅田
委員
この問題についても、いろいろ私どももう少しお聞きしたいことがあるのですけれども、今日は
予算
が本題に
なつ
ておりますし、もう少し具体的な
資料
を、そちらからもお願いいたしまして、私の方としてもお聞きしたいと思いますので、
予防接種
のことにつきましては、大体これくらいにいたしておきます。 なお現行の
予防接種
に対しまして、どれくらいな
費用
をとつておるか。それは実費であるか、あるいは手数料も含まれておるかどうか、そういうことの
資料
を出していただきたいと思います。 それから、次に性病予防費のことについて、少しお聞きしたいと思うのです。これは
予算
書を見ますと、本
年度
は一千万円減額に
なつ
ているように思うのですが、どういう理由でこれが減額にな
つたの
ですか。私どもが日常の常識として考えておるところによれば、これは減額になるどころか、増額にならなければならぬ費目じやないかと思うのですけれども、これにつきまして、御
説明
願いたいと思います。
山口正義
29
○
山口政府委員
この
予算
を計上いたしますときの收入見込率が、前
年度
は三分の一で計上されておりましたが、本
年度
は二分の一で計上されました。つまり收入がよけいあるという見込みになりましたので、額が少く
なつ
ておるのであります。
苅田アサノ
30
○苅田
委員
もう少し詳しくお伺いしたいのですが、それは何の收入ですか。
山口正義
31
○
山口政府委員
たとえば性病診療所、あるいは性病病院におきましての收入でございます。それが、従来は三分の一收入がある、三分の二が收入がないものと見込まれて計上されてお
つたの
でございますが……。
苅田アサノ
32
○苅田
委員
それは受診者のですか。
山口正義
33
○
山口政府委員
入院患者
とか受診者のでございます。それが二十
年度
からは、二分の一は收入があるという見込みで計算されたのでございます。
苅田アサノ
34
○苅田
委員
それはどういう事情によるのですか。
山口正義
35
○
山口政府委員
これは従来の実績にかんがみまして、そういうふうに推定したのであります。
苅田アサノ
36
○苅田
委員
大体病院の
費用
は、
説明
によれば、都道
府県
から支出する強制検診の
費用
であるとか、あるいは性病の病院であるとか、あるいは委託入院費であるとか、いろいろな区わけに
なつ
ておるのですが、このうちで性病の病院、あるいは診療所の
費用
、委託入院費等の
費用
が、本
年度
はもつと増加する見込みだから、この
予算
の面について一千万円くらいの減額を来しても大丈夫だ、こういうお考えなのですか。
山口正義
37
○
山口政府委員
ただいま申し上げましたように、主として
健康診断
でなしに、病院、診療所に参ります人からの收入が、従来推定しておりましたよりも、よけいになります。それから、先ほど申し上げるのを
一つ
落しましたが、
保健所
、または診療所の
人件費
は、前
年度
はこの
項目
に組まれてお
つたの
でございますが、本
年度
は、先ほど申し上げました
保健所
の方の
費用
に組みかえられましたので、その
費用
が落ちております。あれやこれやでそういうことに
なつ
ております。
苅田アサノ
38
○苅田
委員
それでは
一つ
お伺いしたいのですけれども、そういう病院に入つて処置を受けておる
患者
のことは、しばらくおきまして、
一般
の常識としまして、特に母親とか婦人の立場といたしまして、性病の問題は、
全国
的に大きな社会問題に
なつ
ていると思うのであります。御
承知
のように、先ごろ亀有で子供が性病に感染したということがありました。これは亀有だけではない一八王子とかそのほかいろいろな場所において、
東京
都が経営しているふろ屋におきましても、そういう危險がないところはないということが、各方面の婦人の集会あたりでも訴えられておる状況です。ことにパンパンの問題は、性病の問題とともに大きな社会問題と
なつ
ているわけです。パンパンの数も、昨年の春の調べでは五万人とかいつておりますけれども、現在は——もしも御
調査
があれば、そういう
数字
も聞きたいのですがおそらくこれは数倍に上つているだろうということが想像されるわけなんです。そういう人々に対します処置が、やはりこういう性病予防費あたりから出ておるしとしますならば、單に
入院患者
から自費で拂える人が多く
なつ
たから、これは減額してもさしつかえないじやないかというような、そういう点からではなくて、もつと世間の実情に印して、性病を予防するという立場から、もつと
予算
をとつて施策をしていただかなければいけないのではないかと思うのですけれども、そういう点について、どういうふうな考慮をなされておるのか、この点をお聞きしておきたいと思います。
山口正義
39
○
山口政府委員
性病予防が大きな社会問題であることは、お説の
通り
でございます。私どもといたしましては、性病予防の第一の重点は、やはり
衛生
教育——
一般
の人が自覚してくれなければ困るという考えで、
衛生
教育を通じての性病予防ということに、
一つ
の重点を置いてやつているのであります。先ほど浴場からの感染などの問題も、亀有でもございますし、先般の東北地方の温泉地における事例もございますので、私どもといたしましては、公衆浴場というものにつきましては、そちらの性病予防という観点からも、公衆浴場法の施行に十分注意を拂いまして、内部の施設の整備を嚴重にやらせるようにしているのでございます。ここに計上いたしました
予算
面につきましては、先ほど御
説明
申し上げましたように、いろいろな理由のために
予算
が減少しておりますが、この
予算
が減少しておるからと申しまして私ども決して性病予防というものの手をゆるめているというわけではございませんで、あらゆる観点から大きな社会問題の性病の予防に力を盡して行く覚悟でございます。
苅田アサノ
40
○苅田
委員
性病予防費につきましては、もう少し詳細な
資料
を出していただきたいと思うのです。どういうふうな
経費
に
なつ
ているかというかということを、もう少し検討しましてから、さらに質問したい点があれば尋ねたいと思いますので、この部分につきまして、もう少し詳細な
資料
を出してほしいと思います。
山口正義
41
○
山口政府委員
ただいま御要求のございました
資料
、実績、その他とりそろえましてお届けします。
丸山直友
42
○
丸山
委員
この三十三、
伝染病予防費
の中に入つておる寄生虫病
健康診断
費、あるいは寄生虫予防
研究
補助
金、この二つでありますが、これは
糞尿処理
と
日本住血吸虫
に重点を置いてやるつもりですか。たとえば、日本に広く分布して、最も問題に
なつ
ている腸寄生虫についてはどう考えておられますか。それからもう
一つ
は、
日本住血吸虫
以外の寄生虫もありますし、それから島根県の湖岸病のごとき、あるいは新潟、秋田県のつつが虫、そういうようなものについては、どういうふうにお考えに
なつ
ておりますか。
山口正義
43
○
山口政府委員
ここに計上いたしました寄生虫病の
健康診断
の方は、ただいまお話の、ございました
日本住血吸虫
に重点を置いてやつておるのであります。
健康診断
、それから
予防措置
に必要な薬品とか、あるいは石灰というものに必要な
経費
でございます。それから寄生虫予防
研究費
の方は、先ほどもちよつと申し上げましたように、今
丸山
委員
からお話のございました蛔虫その他広く蔓延しております寄生虫に対する
駆虫薬
の
研究
と、それから糞尿中の虫卵を撲滅するための
糞尿処理
、そういうものの
研究
に必要な
費用
を計上したのであります。つつが虫そのほかの
疾病
につきましては、平衡交付金に含まれて計上されておりますので、ここには計上してございません。
丸山直友
44
○
丸山
委員
そうしますと、これはどういう
意味
でその部分だけが平衡交付金に入るのですか。それからもう
一つ
は、腸寄生虫は、根本的に施策を講じなければいかぬと思うのです。ただ
糞尿処理
というふうな漠然としたものでなく、ある一定の腸寄生虫のまつたく模範的予防のできた村とか、特殊の事情を勘案して、ある都市の区域をつくつたところでやるとか、その部落のあるいは全部の便所を改造してやつてみようという企画はないのですか。
山口正義
45
○
山口政府委員
ただいま
丸山
委員
の仰せになりましたような
計画
は、神奈川県、埼玉県を取上げてやつて行きたい、そういうふうに考えております。
丸山直友
46
○
丸山
委員
平衡交付金に入る部分と、そうでない部分とは、どういう差があるのですか。
太宰博邦
47
○太宰政府
委員
会計
課長
から申し上げます。寄生虫予防費は、昨
年度
までは全部
補助
金でございまして、上十六
年度
の
予算
を編成いたします際に、例の
補助
金の整理に関する勧告などが出まして逐次平衡交付金でさしつかえないと思われる部分は平衡交付金の方へ移して行くというふうに、政府の方針が立ちましたので、その中でこの寄生虫の予防というものは、例の、先ほど環
境衛生部長
から申しました駆除薬を配布したりする
費用
でございますが、こういうものが九千百万円ほどございます。これは
全国
どこでも、今の日本の実情では、いるに違いない、こういうものはとりあえず平衡交付金に入れていいじやないかということになりまして、それだけそちらの方にまわしたのであります。あとこちらに残りました予防
研究
補助
金というものは、
全国
どこでもやつておるという筋合いのものではありません、そういうものは、なお
補助
金として残して、将来もう少し
研究
しよじやないかということでございます。それからつつが虫の方も、これはたしか新潟だとか特殊なところだけだと思いますが、これは特別交付金——平衡交付金の中にございますが、そちらの方で見ることにいたした、こういうわけであります。
松永佛骨
48
○
松永委員長
他に御発言は、ございませんか。——なければ次に東
医務局長
。
東龍太郎
49
○東政府
委員
医務局
関係
の
予算
は、
一般
会計におきましては、お手元の横書きの
資料
の四〇から五八という部分にございます。そのほかに国立病院特別会計があるわけであります。
一般
会計につきまして、各
項目
を逐條に申し上げますよりも、一応これをまとめましたものを申し上げまして、なお各項についての御質疑等に対しまして、詳しくお答え申し上げたいと存じます。 その
一般
会計につきましても、これを内容的に見ますと、大体二つにわけることができると思うのでありまして、その第一は、医務対策に関する
経費
とでも申しますか、医務局本来の
仕事
に関する
経費
とでも申すべきものでありまして、その部分が総額一億二千七百万円余りに
なつ
ております。 その内容は、まず第一は
医療法
、
医師
法、歯科
医師
法に基きます医道審議会並びに
医療
審議会等の運営と、それから医務
行政
の充実をはかりますために行います
医療
費の
調査
でありますとか、あるいは
医療
監視のブロツク
会議
または病院建築
調査
研究
とかいうもののための
経費
を合せますと五百七十四万円余りとなります。 その次は、
医療
関係
者の
国家
試験
等に関する
費用
でありまして、これは
経費
合計
が二千五百七十四万円余と相なりますが、その内容は第一が
医師
国家
試験
——これは大体九千名余りの受験者を予想いたしております。第二は、歯科
医師
の
国家
試験
でありまして、これは一千余を予定いたしております。第三は、
看護婦
、保健婦、助産婦等の
国家
試験
でございますが、これは大体
看護婦
につきましては一万五千、保健婦は七千、助産婦は五千、これを
国家
試験
の受験者として予想いたしております。なおこの
国家
試験
に密接な
関係
のあります。実地修練等を行いますための
経費
も含まれております。 その次は、
医療
内容の向上をはかる目的とでも申しますか、その
経費
として三千四百四十七万九千円ばかりが計上されております。これは要するに
医療
関係
者の再教育あるいは講習というふうな部面に使われる
費用
でありまして、これも内容的には医務局の三つの課にわたつております。医務課
関係
といたしましては、病院の管理者に対しまして、病院管理についての研修を行います。国立
東京
第一病院内にあります病院管理研修所における研修でございます。これは現在の
予算
の予想いたしますところは、二箇月のいわゆる長期講習を年に二回行いまして、延四十名、それから十日間のいわゆる短期講習を年六回行いまして、延三百人の病院管理者の研修を行う。その次は、歯科
衛生行政
に属するものでありまして、歯科
衛生
士の養成、あるいはその歯科
衛生行政
に対する
指導
というふうな面のもの。その次は、保健婦、助産婦、
看護婦
の
指導
に必要な
経費
でありまして、この内容は幹部の
講習会
、專任教員の養成、
結核療養所
幹部
看護婦
講習、再教育
講習会
の
補助
というような、
各種
の
項目
が含まれております。 その次は六大都市及び福岡市という七都市におきまして死因不明の死者につきまして、その死因
調査
を行います
経費
に対する
補助
金でありまして、それが六百八十四万二千円ばかりと相なります。 次は、社会保障制度の一環といたしまして、公的
医療機関
の整備拡充をはかる必要がありますので、この公的
医療機関
の建設費に対しまして
補助
をするための
経費
が五千万円余りございます。なおそのほかにあん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法を施行いたしますに必要な
経費
、すなわち中央審議会の
費用
、あるいは医業類似行為に関する
調査
研究費
というふうなものを合せましてまたこれに医務
行政
の統轄運営に関する
経費
、
本省
における
人件費
等を含めまして四百十一万三千円ばかりを計上しております。以上のものを合せますとこれが一億二千七百万円ばかりとなります。横書きの
資料
のうちの四十から四十八並びに五十六、五十七、五十八、これがそれぞれの
項目
でございます。 第二の、
一般
会計の大きな部門といたしましては、国立病院、
療養所
の経営等に関する
経費
でありまして、これは大体
項目
の四十九から五十五までがこれに当ると存じます。御
承知
の
通り
現在国立病院九十九、
療養所
百八十、これの経営を医務局において受持つておりますが、その国立
療養所
の経営の
費用
、並びに国立病院の運営のうち、
一般
会計に属しますもの、それらを合せますと七十七億二千三百三十四万六千円ばかりと相なります。まず
療養所
関係
につきましては、現在のような結核の蔓延いたしております現状に対しましては、病床の拡充が必要なことは申すまでもありません。そこで二十六
年度
におきましては、公立
結核療養所
の病床を一千五百床拡充いたす予定でございます。従つてこの拡充が完成いたしますと
合計
五万七千五百五十床を公立
結核療養所
として運営いたすことに相なります。癩
療養所
につきましては一千床の拡充、従つて総数一万一千床に相なる予定であります。精神頭部
療養所
は、これも二百床の拡充をいたしまして計一千百床、脊髄
療養所
は二十床拡充いたしまして、百十床に相なることになります。そのような病床の増加のほかに、病院、
療養所
の経営の
指導
監督、あるいは
機械
器具及び建物の補修整備、それから結核の治療薬としてのパス、あるいは癩の治療薬としてのプロミンを購入する
経費
、またこれら病院、
療養所
におきまする
看護婦
の再教育の
費用
、それに国立病院特別会計へのいわゆる
一般
会計からの繰入金九億八千万円余、これらを全部合せますと、先ほど申し上げました七十七億二千三百万円余の額になるわけでございます。 最後に国立病院の特別会計でございますが、二十六
年度
は歳入歳出とも四十四億二千七百六十一万四千円余と
なつ
ております。この額は二十五
年度
に比較いたしますと、約六億円ばかりの増額でございます。その増額のおもな根拠は、
患者
の増加と営繕費の増額であります。
患者
につきましては、入院千五百、外来二千ほどの増加を見越しまして、入院二方四千三百、外来二万五千というものを計上いたしております。また営繕費につきましても、二十五
年度
は一億円余り、たしか一億三百万円かと存じますが、これが二十六
年度
におきましては、二億五千万円
程度
に増額に
なつ
ておりまするので、その結果六億円ばかりの増加となりまして、今申し上げました四十四億二千七百六十一万円余という総額に
なつ
ております。 医務局
関係
の
予算
の
項目
につきましては、二十六
年度
特に新規のものはございません。二十五
年度
のものと同様の
項目
でございまして、ただ金額においてのさような増額が見られるのみでございます。
青柳一郎
50
○
青柳
委員
国立病院並びに
療養所
に勤めておりまする医官の待遇の問題については、われわれ非常に脳んでおるのでありますが。先ほど
公衆衛生局
の御
説明
の中に、
保健所
につきましては、
研究費
の計上があつたということであるのであります。今回われわれの要望しておりまする
療養所
並びに国立病院の医官につきましても、
研究費
の計上があるべきだと思うのでありますが、この点につきましては、どう
なつ
ておりますか。
東龍太郎
51
○東政府
委員
国立病院、
療養所
につきましても、
研究費
という費目は本
年度
もございました。もちろん来年もございますが、国立病院につきましては、本
年度
は一千五百万円であ
つたの
が、二十六
年度
は二千万円、
療養所
につきましては、四百万円が八百万円に、やや増加いたしました。
青柳一郎
52
○
青柳
委員
先般会計
課長
からの御
説明
によりますと、独立採算制でありません特別会計をしいておりまする国立病院につきましては、二十五
年度
におきまし三二億の余剰を出す、黒字を出すということを聞いたのであります。これは会計
課長
にお尋ねいたしまするが、その
程度
の余剰をそのまま返すというのも、非常に惜しいような気がする。そこらへんは、会計
課長
の腕でもつて、国立病院に返すような方法ができぬものかということを、ひとつお尋ねいたしたいと思います。
太宰博邦
53
○太宰政府
委員
この前申し上げましたのは、二億三千六百万円——もちろん黒字と申しましても、支出の二五%を、赤字であろうという
建前
で、国から
補助
をいたしまして、その
補助
金をもらつたことにいたしました上での黒字なんでございまして、ほんとうの自力の黒字ではないのであります。それで二億三千五百万円出ましたうちで、二十五
年度
では、先般の補正
予算
の際に待遇改善などで、三千六百万円は国立病院で使いまして、二億円ほどが
ちようど
残
つたの
であります。来
年度
におきましても、やはり国立病院特別会計は、相当の赤字が出まして、先ほど
医務局長
から御
説明
がありましたように、九億何がしという赤字は、政府の方から補填してもらわなければならない、そういう
建前
に
なつ
ておるのでございます。その際に大蔵省といたしましては、二億円というものがお前の方で二十五
年度
に決算で残つた、従つてその分はまず余つたものを国立病院の二十六
年度
の方に入れる、そうしてなおかつ足りない部分九億円を
一般
会計から入れる、こういうことになりました。欲を言いますれば、二億はかせいだ報償金というようなかつこうで、病院
職員
の待遇なりその他に振り向けたい。これは私たちの希望で折衝いたしたのでありますが、何分にも他人様から——他人様といつても大蔵省から——
一般
会計からめんどうを見てもらつている
関係
上、その点まで実現しなかつた次第であります。
青柳一郎
54
○
青柳
委員
お話一応ごもつともに思えるのでありますが、大蔵省当局といいますか、財政当局におきましては、二五%は国立病院に入れるという線で、一応きまつておるのであります。一方国立病院の経営の内容を見ましても、やはり金がなくて困つておるという現状であります。われわれは各地へ参りまして、そういう現状を見ておるのでございますが、そういうふうに
国庫
から
補助
を受けておる特別会計につきまして、ここに黒字が出た場合には、すべて返すということには、ほかの特別会計については
なつ
ておらぬと思うのであります。その点なお御
研究
の上、でき得る限り御努力を願いたいと存じます。
苅田アサノ
55
○苅田
委員
癩
療養所
とか、あるいは結核病院等に働いております
看護婦
等について号俸調整の問題が、先ごろ伺いましたときには、まだ考慮中だというようなお答えだつたと思いますが、その後この問題につきまして、何らかの成案が出ておりますでしようか、ひとつお聞きしたいと思います。
東龍太郎
56
○東政府
委員
まだ交渉の結論は出ておりません、交渉を継続中でございますが、私ども先般人事院に参りまして、
事務
総長にもよくお願いはして来たのでございます。私は、調整額とかいうふうな扱いで、何とか調整号俸で削られました部分を、できるだけ従来
通り
に回復したいと存じまして、その線で目下
事務
的に折衝いたしております。
苅田アサノ
57
○苅田
委員
見込みはあるようなお考えでしようか。
東龍太郎
58
○東政府
委員
私といたしましては、見込みは相当あるつもりでおります。ただ百パーセント私の要求が通つてくれればいいと思いますが、それが
通り
ますかどうかについては、まだ向うの反応ははつきりいたしておりません。一応伺つて、なるほどごもつともでございますという
程度
のことで、それ以上の反応は、まだ私のところまで来ておりませんので、もつぱら
事務
的に折衝いたしております。しかし方針としては、百パーセント回復したいというつもりで、折衝いたしております。
松永佛骨
59
○
松永委員長
他に御発言ございませんか。——なければ次に慶松
薬務局長
。
慶松一郎
60
○慶松政府
委員
薬務局
関係
は、
資料
の五九から七七に
なつ
ておりますが、この総括的な締めくくりが十七ページにございます。二十六
年度
の
予算
要求は、十億六千万円余でございますが、前
年度
は九億四百万円余りでございまして増加額といたしましては一億五千八百万円
程度
でございます。その増加の理由のおもなものは、ストレプトマイシン買上げ費が一億四千万円ふえましたことと、薬事監視すなわち不良な医薬品その他の監視のための
費用
といたしまして五百万円ふえたことと、麻薬の取締り費が二千万円ふえたことでございます。なお減じましたもののおもなものは、物資需給調整
関係
、すなわち統制
関係
の
事務
におきまして一千万円の減がございます。なお薬務局
関係
におきましては、
人員
の減が七十四名ございますが、これは物資需給調整
関係
、すなわち統制
関係
の
人員
が減つたことでございます。 この局におきまする特殊な点といたしましては、
結核予防
対策の一環といたしまして、ストレプトマイシンの買上げ費を九億六千万円余見込んでおることでございます。これは国産のストレプトマイシンの値段が、いまだ高うございますので、それを全部国で買い上げて輸入品とプールをいたしまして、比較的安い値段が国民の皆さんにストレプトマイシンを供給すると、いうことでございます。 なお防疫対策上必要なワクチン類の中で、突発的な発生を予想されまするところの発疹チフスのワクチン、コレラのワクチン、あるいは、インフルエンザのワクチンの買上げ費を六千万円計上いたしておるのであります。 なお薬あるいは
医療
用の器具
機械
類、あるいは化粧品等の監視につきまして、これを強化いたしますために五百二十七万円余と、並びにその中のおもなものを
国家
で検定いたしますために四百万円余のもの、これらが今回計上されましたものの中で主要なところを占めておると存ずるのでございます。 なおこれにつけ加えまして、ストレプトマイシンの二十六
年度
における需給
計画
を申し上げますと、大体二十六
年度
におきましては、ストレプトマイシンを三千キロ国産いたし、また六千キロ輸入いたしまして、九千キロのストレプトマイシンを供給いたしたいと存じております。これは一人分を四十グラムといたしますと、二十二万五千人分のストレプトマイシンになります。二十五
年度
におきましての生産
計画
は五百キロでございました。五百キロに対しまして六億余のストレプトマイシンの買上げ費を見込んでお
つたの
でございますが、それに比しますれば、その約四倍の二千キロ余のものに対して十億余の
予算
を見込んだ次第でございまして、国産品につきましても、その生産費が安くなるという見通しでおるのでございます。 これ以外に
衛生
試験
所の
費用
といたしまして、本
年度
三千五百万円余のものに対して七千五百万円余と、約四千万円の増加がございますが、これは薬その他の品質のよいものを供給するために、
国家
で十分な検定を行う、こういう点から、それだけの増額が見込まれたものでございます。 なお麻薬に関しましての二千万円の増加は、これは従来地方庁に置いてございました麻薬、取締り
関係
の
人員
三百二十二名を、昨年の四月から
国家
の官吏といたしまして、これを地方に駐在せしめる、その駐在に対しまして、十分なる機能を発揮せしめるという
意味
で二千万円の増加を要求いたし、大蔵当局の一応の了解を得ておるものと存ずる次第でございます。 以上、はなはだ簡單でありますが、薬務局
関係
のおもな
項目
につきまして、御
説明
いたした次第でございます。
松永佛骨
61
○
松永委員長
ただいまの
説明
に関しまして、何か御発言はありませんか。
丸山直友
62
○
丸山
委員
生物学的製剤の対策の中に入ると思いますが、ストレプトマイシン以外の生物学的の製剤に関する
研究
、あるいは助成その他のことについて、御考慮がございます。
慶松一郎
63
○慶松政府
委員
研究
に関しましては、別途文部省当局等と連絡いたしまして、文部省におきまする
研究
補助費
の中に、相当な金額が、ストレプトマイシン、あるいはペニシリン、あるいはその他生物学的製剤について組んでございます。なお生物学的製剤の検定、製造の講翌その他に関しましての
予算
、本
年度
三百三十万円くらいに対しまして来
年度
におきましては五百五十何万円と、約二百万円の増加が認められておる次第でございます。
丸山直友
64
○
丸山
委員
ストレプトマイシンを政府が買い上げておる製造所は、大体どのくらの数に
なつ
ておりますか。
慶松一郎
65
○慶松政府
委員
買い上げておる製造所の数は、私今はつきりしたことを覚えておりませんが、たしか十八箇所ぐらいだと思つております。
丸山直友
66
○
丸山
委員
これに関しては、何か許可のような形に
なつ
ておりますか、自由につくたものを検定してお買い上げになるということに
なつ
ておりますか。
慶松一郎
67
○慶松政府
委員
これは当然薬事法に基きまして、許可を與えておるのでございまして、許可を與えます際には、十分その施設並びに技術者等の技術陣を検討し、またそこで試製されましたところの生物学的製剤を、あらかじめ五回も
国家
で
検査
いたしまして、それに
通り
ましたならば、初めてこれに対して許可を與えるということにいたしております。かつ製造所の基準につきましては、政令をもちまして、十分なる基準ができておる次第でございます。
松永佛骨
68
○
松永委員長
他に御発言がございませんければ、次会は公報をもつてお知らせすることとし、本日はこの
程度
にて散会いたします。 午後零時五十九分散会