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1951-05-23 第10回国会 衆議院 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十三日(水曜日)     午前十一時三十五分開議  出席委員    委員長 水田三喜男君    理事 川本 末治君 理事 寺本  齋君    理事 橋本 龍伍君 理事 小野  孝君    理事 門司  亮君       石原  登君    宇野秀次郎君      岡村利右衞門君    鍛冶 良作君       菅家 喜六君    田渕 光一君       河野 金昇君    並木 芳雄君       立花 敏男君  委員外出席者         衆議院法制局参         事         (第一部長)  三浦 義男君     ————————————— 五月十九日  委員松本六太郎君辞任につき、その補欠として  中村寅太君が議長指名委員に選任された。 五月二十三日  委員渡部義通辞任につき、その補欠として立  花敏男君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員及び小委員長選任に関する件  公職選挙法改正に関する件     —————————————
  2. 水田三喜男

    水田委員長 これより会議を開きます。  まず小委員会設置の件についてお諮りいたします。理事会申合せによりまして、もつぱら選挙法改正要綱の作成に当らしめるために、公職選挙法改正調査小委員会を設置することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 水田三喜男

    水田委員長 御異議なしと認めます。よつて公職選挙法改正調査小委員会を設置することに決しました。  次に同小委員会の小委員の数、小委員及び小委員長選任方法はいかにいたしますか、お諮りいたします。
  4. 寺本齋

    寺本委員 小委員の数は十二名として、小委員委員長において指名せられ、小委員長には委員長が当らんことを望みます。
  5. 水田三喜男

    水田委員長 ただいまの寺本君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 水田三喜男

    水田委員長 御異議なしと認めます、それでは小委員の数は十二名とし、小委員長には私が当ることといたしまして、小委員には    石原  登君  井手 光治君    川本 末治君  寺本  齋君    中川 俊思君  橋本 龍伍君    水田三喜男君  小野  孝君    河野 金昇君  門司  亮君    立花 敏男君  中村 寅太君を指名いたします。     —————————————
  7. 水田三喜男

    水田委員長 次に公職選挙法改正に関する件を議題といたします。  去る十五日の委員会において、まず各派改正意見を持ち寄ることになつておりましたが、本日大体においてこれがまとまつたように思われますので、本日はこれより各派改正意見について、委員各位意見交換を行うことにいたします。発言は各派順次お願いすることにいたします。寺本齋君
  8. 寺本齋

    寺本委員 自由党におきましては、先般の理事会申合せ通り公職選挙法改正に際しまして、広範囲のものは第二段として、まず選挙運動を中心としての改正要綱試案としてまとめてみましたので、それをごひろうしてみたいと思います。  まず戸別訪問禁止でございますが、戸別訪問現行法にも禁止してございますが、候補者親戚知己友人を尋ねた場合は、戸別訪問にならないというように現行法になつておりますが、それが過般の選挙では非常に乱れましたので、候補者といえども戸別訪問禁止することにいたしたいと思います。但し、このことは後日小委員会または取締り当局とも協議いたしまして、その範囲というものを、たとえば先ほど申し上げました候補者みずから親戚知己友人というものを尋ねた場合に、そういうものを——戸別訪問というものは、戸々を軒並に尋ねる場合を戸別訪問といいますので、以前は今申し上げました特殊のものを尋ねた場合に、それを戸別訪問と認めないというようなことであつたのでありますが、この前の選挙法改正のとき、前の特別委員意見を聞いてみますと、そういうものまで戸別訪問と認めるということにたつたので、現行法のような規定になつておりますので、そういう戸別訪問候補者といえども禁止するということにしまして、そういう申合せといいますか、とりきめといいますが、そういうものは後日小委員会または取締り当局と協議して、この考え方を統一しておく必要があると考えます。  次に、ポスターでございますが、これは候補者の方で張るポスターは全部禁止したいと思うのであります。  次に選挙事務所でございますが、現行法は二箇所となつておりますが、これは原則として一箇所とします。但し交通不便の島嶼などは別に考えて、別表として設けたいと思うのであります。  次に、街頭演説でございますが、これは候補者本人のおる場合に限ります。但し所定自動車上よりするものはこの限りにあらずとしております。これはあとでわかりますが、自動車が一台となつておりますが、この自動車上よりやるものは、たとい本人がいなくとも、第三者でもかまわないというように考えたのであります。それから街頭演説場所表示——よく街頭演説場というポスタービラ張りつぱなししてあります。そういうものを、今度は街頭演説場所の方は一切禁止する。但し所定自動車に備えつけているものは、この限りでないのであります。  次に、選挙運動期間短縮、これはまず町村長町村会議員は十日、市長府県会議員は十五日、衆議院参議院府県知事府県教育委員会委員現行通り。  次に、選挙公営の拡充、府県会議員選挙にも、立会い演説会を開催するようにいたしたいと思います。  それから衆議院また参議院の地方区の選挙の場合には、立会演説今回数を増加いたしたい、これは一部に一個所、二個所の増加を考えているわけであります。  次に、市町村長等選挙の場合の任意制立会演説会を全部義務制とする。今まで任意にやるという規定でありますが、それを全部義務制としたいと思うのであります。  次に、個人演説会場公営申請のあります場合には、演説会告知ビラを一箇町村二十枚を、その市町村選挙管理委員会において、その市町村の適当なる場所に張ることにいたしたいと思つております。  なお選挙期間中、現行法では経歴公報一回となつておりますが、これをなるたけ早目に二回発行するようにいたしたいと思います。  次に、自動車のことでありますが、自動車現行法通り一台とし、但し衆議院参議院あるいは府県知事府県教育委員の場合に一台であります。ほかの場合には自動車を認めない。なお右の場合に連絡用として乗用自動車を一台、但しこの一台は宣伝用使用してはならないとするものであります。  次に、拡声機でございますが、拡声機は一台とする。  次に、メガホン及び候補者氏名連呼禁止、これはメガホンというものは所定自動車上よりするものは除きますが、そのほかのものは一切メガホン使用禁止し、またメガホン使用しなくても、候補者氏名連呼禁止するということであります。  次に、所定自動車上よりする宣伝以外の一切の宣伝隊禁止する。たとえば自転車隊であるとか、騎馬隊であるとか、ただ徒歩で行列をつくつて候補者宣伝する、そういうものは一台の自動車でするもの以外は一切禁止する考えであります。  次に、不在投票の再検討、これは業務上支障のあるもの以外は、これはプリントには載つておりませんが、不在投票は、本人が旅行その他のさしつかえのために投票所行つて投票する以外の不在投票というものは、廃止する考えでございます。  次に、候補者ラジオ放送は録音で行うことができるようにしたいと考えます。これは二回以上放送する場合には、その二回別々に新しく吹き込むことにいたしたいと思います。  次に、先にポスター禁止したかわりに、はがきは現行法通り三万枚を公営で出すようにいたしたいと思います。無料配達したいと思います。  次に罰則強化励行、この選挙法の中に禁止していること、罰則規定はいろいろ現行法にありますけれども、この取締りが緩慢であり、あるいは罰則徹底しておりませんので、こういう点を再検討して強化し、かつ励行するようにいたしたいと思います。  なお次に、選挙中の検挙は、選挙妨害になるおそれがありますので、差控えて参りたいと思います。  次に、決戦投票制の廃止、決戦投票というのは、過去の例によりまして弊害が多いので、今後にはとかく一票でも最高多数をとつたものを当選者として、決戦投票制というものを廃止してはどうかと考えるのであります。  それから入党活動の自由でございますが、これは選挙中に政党がその政策その他を宣伝し、演説会を開くとか、あるいはビラを張るとかいうものは現行規定にもありますけれども、これはややともすると、特定候補者の推薦と混同されて、この自由というものが非常に制限される傾向がありますので、政党自体活動の自由は規程を検討して、認めて行きたいと考えるのであります。  大体以上でございます。
  9. 石原登

    石原(登)委員 今の説明についてちよつと質問してよろしゆうございますか。
  10. 水田三喜男

    水田委員長 質問は各党説明を聞いてからあとにしたいと思います。  次は小野孝君に願います。
  11. 小野孝

    小野委員 民主党考え方を御説明いたします。書きましてございますのは、大体現行選挙法順序になつておりますので、順序は少し各党と違つておりますが、第一は、選挙運動期間があるものについては長過ぎると思われますので、これを短縮しようという考え方でございますが、その第一番目は市、市と申しましても、区を設ける指定市は除くのでございますが、その除いた市と、それから区を設けてある指定市の区、それから町村議会議員、長の選挙については十日間にしてはどうか、それが一番、それから次には、都道府県会、それからプリントには書いてございませんでしたが、区を設けておる指定市の市の議員選挙については、十五日というようにいたしたらいかがかと思うのでございます。  第二番目は、代理投票禁止でございます。投票所行つて、身体的の故障あるいは文盲のゆえをもつて人に書いてもらうという代理投票は、禁止してしまうというのであります。  第三番目は、不在者投票制限でありますが、不在者投票規定もいろ  ございますが、そのうちで自分みずから投票所及びこれに準ずべき場所行つて投票する場合は弊害がさほど考えられないので、それは現行法通りといたしますけれども、病気その他の理由によつて自分の家で氏名を書いて封筒に入れて投票するというこの不在投票は、これを禁止した方がよかろうというのでございます。  次に四番目は、これは直接選挙運動の点には関係ないのでございますが、特に主張いたしたいと思います点は、公職にある者が衆議院議員及び参議院議員に立候補するために、在職中に公費をもつて選挙運動行為をする例がしばしばあるのでございまして、これはあらゆる面から考えて、きわめて弊害が多いものと思われますので、これを防ぐために、一般職の公務員については、退職後一箇年を経た後でなければ立候補できないという制限をいたしたい。直接選挙運動には関係ございませんが、この一項を提案いたしたいと思うのでございます。  第五番目は、戸別訪問禁止で、自由党寺本さんの申された通りであります。  第六番目には、自動車拡声機使用制限でございますが現行法で認められておりますもののうち、市の議会、市と申しましても、特別区の定めある指定市を除くのでございますが、その市会議員選挙には、自動車は使わなくともよろしいのではないかという考え方から、自動車使用を認めないで、拡声機だけ一そろえ認めるというふうにしたいと思います。  七番目は、連呼禁止でございます。もとより簡単には書いてございますけれども、自由党の方の言われるいわゆる所定自動車上からする連呼は認めてもよろしいと思のでございます。  第八番目は、広告宣伝社それから選挙事務所等からマイクをもつて常に呼びかけておるあの騒音を消したいということから、これは禁止するというようにいたしたいと思います。  九番目には、街題演説制限で、候補者のいない街題演説はできない、前に返ろうという考えでございます。  それから十番目は、選挙権のない者の選挙運動禁止する。すなわち主として子供選挙権のない少年を街頭に立たせるというようなことをやめたいというのでございます。なおこの点については、候補者子供がお客さんにお茶を出したために選挙違反にひつかかるというような、ばかばかしいことが起きないような配慮はもとより必要だろうと思うのであります。  第十一番目は、法定費用合理的改評で、現行法法定費用は名ばかりで実を押え得ないと思いますので、もう少し名実ともに押え得る範囲に合理的に改訂いたしたいかように考えるのでございます。  十二番目は、労務者の数の制限でございます。実はただいま社会党の方の案を見ますと、選挙運動員の数の制限というとこもございましたようでありますが、私の方でも多少その点は問題になりましたが、選挙運動員という制度を設けますと、選挙運動員でないものは選挙運動がでさない。個人的に個々面接で、あの人に頼みますということもできないというと、選挙運動というものは、いわゆる商売人の手に移つてしまうというようなきらいもありますので、そこまでは考えなかつたのでございますが、労働者という観念だけは出して行つて、その数は制限するが、よかろうという考えでございます。  大体以上のようなことでございますが、なおここに書いてございませんし、あるいは選挙法直接の問題ではないので書かなかつたのでございますが、それは都道府県知事、長、都道府県議会議員選挙市町村の長及び議員選挙というものを同時に行いますことの弊害考えられますので、これは適当な時期に特別の立法をもつて、ある種の議員の任期を特別の立法で延ばすこと等の措置によつて同時選挙をかえたいという考えを持つておりますので、これは適当な時期にあらためて民主党から提案いたしたいと思つております。このことをつけ加えて、民主党の案の説明を経ろうと思います。
  12. 水田三喜男

    水田委員長 次は門司君。
  13. 門司亮

    門司委員 それでは社会党試案を申し上げたいと思います。  列記いたしておりますが、大体方針といたしましては、選挙公営徹底を期するために今度の選挙法改正したい、こういう考え方を持つております。それについて考えたことを一通り申し上げたいと思います。  戸別訪問禁止は、これは例の法百三十八條の但書を実は削除いたしたい、こういうふうに考えております。  それから次の項をいたしましては、連呼はこれを禁止したいと考えております。  それからその次には、立会演説公営として、その回数を多くするということにぜひいたしたい。それは法の百五十二條であります。従つて各町内その他にありまする集会所、あるいは寺院、社務所というような普通演説会に使い得るものについては、できるだけこれを公営に使えるようにするという考え方であります。  それからその同じ項で、国会議員府県会議員首長は必ず公営立合演説会をするというようにいたしたい。これは国会議員は大体立会演説をすることになつておりますが、その他府県会議員あるいは首長は、立会演説をすることができるということを政令で定めるようになつておりますので、これは法律で必ず行うようにしたい。従つてそれ以下の市区町村会議員は、これは條例公営立会演説会のできるようにいたしたい。こういうふうに任意にしたいと考えております。  それから選挙運動員及び労務者制限でありますが、これにつきましてはいろいろ異論もあると思いますが、応援演説あるいは演説会等の準備に要する大体の人員をおよそ定めて、限定いたしたいと考えております。但し参議院の全国区は非常に区域が広うございますので、これについてはやはり別途に考慮する必要があるのではないか、こういうふうに考えております。  それから五といたしましては、屋外演説会候補者または代理人のいない場所にてはこれを禁止する、但し代理人の数はマイクの数以内とする。現行法ではマイクを二そろえ許されておりまするので、従つて代理人を二人まで認めたらどうか、こういうことでございます。このことにつきましては、党内でもかなりの異論がありまして、選挙であるから候補者政見が最も重要であつて候補者以外の人、代理人政見というものはどうかという意見もありましたが、現行法ではマイクが二そろえ許されておりまするので、それだけは許したらどうかということでございます。それから候補者期間中ずつと選挙遂動ができればいいが、いろいろな事情で候補者のいない場合には、まつたく選挙運動を停止しなければならないというようなことはどうかと考えられるというようなこと、一応代理人を認めたらどうか、こういうことを考えております。  それから六は、自動車使用制限でありますが、これにつきましては、五大都市以外の市区町村会議員選挙につきましては、大体禁止したらどうか、大体国会議員都道府県会議員、あるいは首長選挙以外にはほとんど自動車を使うようなことの必要がないのではないかというように考えております。  それからその次は、演説会場用表示立看板、あるいはちようちんの制限でありますが、これは大きさ及び数をやはり制限する必要があるのではないか。これは無制限になつておりまするので、立看板にほとんど想像もつかないような大きなものがあつたり、あるいはちようちんに大きなものがあつたりしますので、これは相当制限したらどうかというのであります。  それから次は同じような意味で、選挙事務所等立看板はやはり大きさ及び数を制限したらどうかというように考えております。  それからその次の九の問題は、選挙運動期間短縮でありますが、国会知事はこれを三十日にいたしまして、市区長都道府県会議員あるいは市区会議員はこれを二十日間にいたしまして、町村長及び町村会議員はこれを十日間に短縮したらどうかというように考えております。  それから十は不在投票の不正の防止であります。これは先ほども御意見がありましたように、不在投票につきましては、できるだけ不正を防止して行きたいというふうに考えております。それから代理投票はこれを禁止したいと考えております。この代理投票禁止は、今回の選挙でいろいろ弊害が出て参りまして、本人の知らない間に代理投票が行われておつたり、あるいは本人が病人でなくても、医者の診断書投票が不正に行われておつたりすることがございましたので、これらについては十分考えて行きたい、こういうふうに考えております。  それから自動車の装飾の制限でありますが、これもあまりに大きなデコレーシヨンで、どうかと思われるようなものも相当出て参つておりますので、これもやはり一定の限度でやつたらどうかというふうに考えております。  それからその次には、特定候補者応援と認められる各種団体選挙運動禁止でありますが、これは非常にむずかしいのでありまして、異論も相当あると思いますが、いろいろな団体がありまして、その団体がやはり特定候補者応援と認められるようなことを選挙啓蒙運動というようなことでしばしば行われることがありますので、これらについては禁止をしたらどうか。たとえば教育の問題について、今度の議員教育関係のある人を選びましようというようなことで集会が行われることは、明らかに特定候補者をさすものであるというように認められることがありますので、それらについては禁止をしたらどうかというのであります。  その次は「公納金並びに選挙費用増額」と露骨に書いておきましたが、これは先ほど御意見もありましたように、選挙費用の算出その他の基礎は、そのときの情勢に応じて大体選挙のやれる範囲にこれを認めておきませんと、選挙費用制限というものが、常識を逸した場合はとうていそれが守られないで、その範囲を越えて行われることがありますので、こういう公納金並びに選挙費用増額を認めることにしたらどうか、こういうことであります。特に公納金につきましては、選挙公営徹底させますために、地方公共団体費用がよけいかかるようになりますので、それを幾分でも補う意味で、現行より少し多くしたらどうかというのであります。  次は「悪質違反者に限り、十年間選挙権を停止する」というのですが、これはいろいろ問題があると思います。選挙違反取締りにつきまして、きわめて悪質な者に対しては、現行は五年間の選挙権停止でございますのを、大体十年間、倍くらいの厳罰主義で臨んだらどうかという趣旨でございます。  それから十五といたしまして「各種選挙を同時に行う場合には、投票方法を区別し混同無効を防止する」ということ。これは、できれば各種選挙が別々に行われるたとが望ましいと思いますが、現行法では同時に選挙行つております。従つて同時選挙に対しましては、投票方法をぜひ区別したいと思います。区別してやつておるところもありますが、ある場所におきましては、市会議員市長選挙に同じ場所投票用紙が渡されておる。従つて書く方ではどつちに書いてよいかわからぬということで、混同した投票が今度は非常に多かつた。これを防止する意味で、投票方法をぜひ区別して行うようにいたしたい、こう考えております。  十六といたしましては、「各種選挙とも経歴公報を発行する。但し町村長町村会議員一覧表とする」というのでありまして、町村長町村会議員は各候補者全部書くということはたいへんでありますので、一応一覧表のようなもので徹底をはかつて行きたい、こういうふうに考えております。  それからその次の十七といたしまして「候補名前だけのポスター及び演説会告知用ポスター枚数制限する」ことといたしたいと考えております。現行では演説会用告知ポスターが認められておりませんので、現行名前だけのポスターと両方を考えて参りますときに、演説会用告知ポスターを認めるということになりますと、おのずから名前だけのポスター等にも制限を加えなければならないようになりはしないかと思うのであります。  その次の十八は「選挙期間中に限り、官公庁建造物電柱演説会告知用ポスターを貼ることが出来る、但し一候補者一ケ所に一枚とする」というのであります。現行法はちようどこれと逆でありまして、官公庁建物は一切使つてはならない、こういうことになつておるのでありますが、官公庁建物でもやはり公衆の多く目につくところがありますので、これを利用したらどうか。電柱につきましては、ここに書いてありますものは電燈線でありません。これは現行法で厳重に禁止されております。これは電通省電信用電柱を主としたものでありまして、これにはやはり一電柱に一人の候補者が一枚だけはることができるようにする。そうすれば、各個人の塀であるとか、あるいはその他のものに張る必要がなくなつて参りまして、張るにも非常に楽でありますし、あとの撤去も非常に楽である、こういう考え方であります。  十九は「公営ポスター掲示場の増設」であります。現在も公営候補者名前を書いたものを掲示はいたしておりますが、この数が非常に少いので、ひとつできるだけふやして行きたい、こういう考え方であります。これは前十七の「名前だけのポスター及び演説会告知用ポスター枚数」の制限と関連して考えていただきたいと考えております。  二十、「首長及び国会議員投票用紙印刷式記号投票用紙を採用する」これは御存じのように名前を書いておきまして、その上に何かのしるしをつけて行くというので、投票者自身名前を書くという方法を避けて、印刷したものについて記号投票できるようにしたい、こういう考え方であります。  二十一は主として衆議院でありますが、衆議院の現在の三人区、五人区というようなのを二人区並びに三人区に改めて、そうしてこれを完全連記にしたらどうかという考えであります。  次は再検討を要する問題でありまして、これは相当に検討していただく必要があるように考えております。その一は新聞号外に対する一定の制約でありますが、これは下に書いてありますように「具体的な選挙予想をしてはいけない、」新聞号外の直接選挙に影響するような記事はできるだけ避けるようにいたしたい、こういう考え方であります。  次に「違反取締の徹底方法」あるいは「事前運動取締の方法」も十分検討すべきではないかと思います。  これが社会党の今日まで考えております試案でありますので、ひとつ御検討を願いたいと思います。
  14. 水田三喜男

  15. 立花敏男

    立花委員 共産党のプリントをお手元に差上げてありませんが、追つて差上げたいと思いますので、一応お聞取りだけ願いたいと思います。  共産党といたしましては、選挙の原則的なもの、たとえば大選挙区制であるとか、比例代表制であるとか、そういうものを持つておりますが、今日は原則的な点は述べずに、各党の間で問題になつております十三章の「選挙運動」に関する部分だけについて、党の意見を述べさしていただきます。  最初に百二十九條でありますが、選挙運動期間はやはり現在より多少長くした方がよいと思います。一般市町村で二十日、二十万以上の都市で二十五日というふうにかえる。十日という御意見が大分出ておりますが、十日ではやはり短かきに失するのではないか。十日と申しますと、告示が出まして一般住民が選挙があるのだと気がついたころには投票を行わなければならぬと思いますから、最少限二十日というふうにいたしたいと考えております。それ以後百三十七條までは現状維持でけつこうと思います。  百三十八條の「戸別訪問」ですが、これはやはり禁止いたしたい。この百三十八條の但書を削除する必要があると考えます。但書と申しますのは「平素親交の間柄にある知己その他密接な間柄にある者」をさしているのであります。これもやはりはつきり削除するということにいたしたい。  次に百三十九條の「飲食物の提供の禁止」でございますが、この「湯茶については、この限りでない。」という但書も禁止いたしまして、全面的に飲食物の提供は禁止するようにいたしたい。  次の百四十條の「気勢を張る行為」の禁止でございますが、これは百四十條全体を削除いたしまして、こういうような行為に対しましては、自立的な自粛によるというふうにいたしたいと思います。  それから百四十一條、「自動車拡声機及び般舶の使用」の問題につきましては、私どもの党といたしましては、費用の大部分は自動車拡声機に要しますので、これはぜひひとつ公営にしていただきたい。それから先般の選挙でも経験したのですが、すえつけのマイク街頭広告所とか、あるいは選挙事務所にすえつけるとか、こういうもので放送いたしますのは、ぜひ禁止していただきたいと思います。  それから次の百四十二條の「文書図画の頒布」は、これは選挙公営の建前から全部無料にするというふうにしていただきたい。それから都道府県は現在二千枚と限定しておりますが、これも少くとも三倍にふやしまして、六千枚程度にいたしまして、都道府県の分も公営にしていただきたい。  百四十三條はそのままでけつこうでございます。  百四十四條、百四十五條の「ポスターの数「、「ポスター掲示箇所、」ポスターにつきましては、これはやはり公営にしていただきたい。そして全候補者を一括しまして、公営ポスターで出していただきたい。しかもこれはなるべく多数出すようにしていただきたいと思います。  それから次の百四十六、百四十七、百四十八條は現行通り。  百四十九條の「新聞広告」でございますが、これはやはり県会議員までぐらいはぜひ無料にしていただきたい。  それから次の百五十條の「政見放送」の問題でございますが、これは回数をさらに倍ぐらいにふやしましてやらしていただきたい。  それから次の百五十一、百五十二條はそのまま。  百五十三、百五十四、百五十五條の立会い演説の問題ですが、立会演説は現在県会議員はやつておりませんが、県会議員にも立会演説会をやれるようにしていただきたい。それから六大都市のような大きいところでも区ごとにわけてやりますと、立会演説会がやれますので、立会演説会の活用をやつていただきたい。  それから百五十八條までは現行のまま。  百五十九條でございますが、「立会演説会場の秩序保持ですが、これは私ども先般の選挙で痛感いたしましたのは、立会演説会に多数の警官が参ることでございます。ある小さい町村なんかに参りますと、署長以下総動員で参りますので、ちよつと困るのでございますが、この百五十九條第二項を削除していただきたい。  それから百六十、百六十一、百六十二條までは現行のまま。  百六十三條は「個人演説会開催の申出」、これは現在は、会場があいておりましても規定によりまして使えないのですが、今後は会場があいている場合は使用できるように改正していただきたい。  それから次の百六十四條でございますが、「個人演説会の施設の無料使用」は二回にしていただきたい。  それから一つ飛ばしまして百六十六條の「特定建物及び施設における演説の禁止」は、この百六十六條全体を削除していただきたい。  次の百六十六條の二「夜間の街題演説及び連呼行為の禁止」でございますが、現在のように候補者名前のみを連呼いたしますことはぜひ禁止しなければならぬと思いますが、そうではないような連呼につきましてはそのままにしておく必要があると思います。  次の百六十八條の「掲載文の申請」でございますが、現在のものは非常に短かくて要を盡さないものでありますので、少くとも二千字くらいのわくに拡げていただきたいと思います。  次の百六十九條、選挙公報の問題でございますが、これは少くとも投票日の一週間前までくらいに配付するようにしていただきたい。  その次はずつと飛ばしまして、最後に申し上げておきたいのは、労働者のたくさんおりますところ、常時少くとも三十人以上の労働者あるいは従業員のおります場所に限りましては、あるいは寄宿舎のようなところにおきましては、これは官公庁建物は困るでございましようが、私的建物においては演説会を開催し得るような何らかの措置をひとつ講じていただきたい。  大体以上が十三章に限りましての改正であります。
  16. 水田三喜男

    水田委員長 改正に関する意見の交換は本日はこの程度にいたします。     —————————————
  17. 水田三喜男

    水田委員長 次に本日の理事会におきまして申合せいたしました今後の委員会の運営方針について御報告いたします。今会期中適当の時期に、取締り関係者及び選挙管理委員会等より、今次地方選挙の実情並びに選挙法改正に関する参考意見を聴取することであります。なおその時期及び人選等は委員長において適当にはからいたいと存じますので、御了承願います。  なお理事会におきましては、本日設置いたしました選挙法改正調査小委員会は今会期中より開会して、要綱の作成にとりかかるということにいたしました。以上御報告をいたします。  本日はこの程度で終りまして、次会は公報をもつてお知らせいたします。これにて散会いたします。     午後零時十八分散会