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1951-05-21 第10回国会 衆議院 建設委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十一日(月曜日)     午後三時二十九分開議  出席委員    委員長代理 理事 内海 安吉君    理事 鈴木 仙八君 理事 村瀬 宣親君    理事 前田榮之助君       逢澤  寛君    淺利 三朗君       今村 忠助君    上林山榮吉君       小平 久雄君    内藤  隆君       西村 英一君    中島 茂喜君       増田 連也君    池田 峯雄君       寺崎  覺君  出席国務大臣         建 設 大 臣 増田甲子七君  出席政府委員         建設事務官         (都市局長)  八嶋 三郎君  委員外出席者         建設事務官   吉田 伸一君         専  門  員 西畑 正倫君         専  門  員 田中 義一君     ————————————— 五月十九日  土地収用法案岩沢忠恭提出参法第二三  号)(予)  土地収用法施行法案岩沢忠恭提出参法第  二四号)(予) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  特別都市計画法の一部を改正する法律案内閣  提出第一六三号)     —————————————
  2. 内海安吉

    内海委員長代理 これより会議を開きます。  特別都市計画法の一部を改正する法律案内閣提出第一六三号を議題といたします。この際、提案理由説明を求めます。建設大臣増田甲子七君。     —————————————  特別都市計画法の一部を改正する  法律案   特別都市計画法の一部を改正す   る法律  特別都市計画法昭和二十一年法律第十九号)の一部を次のように改正する。  第二十一条第二項中「前項利子」を「前二項の利子」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。   前項規定により清算金分納  を認める場合には、第六条乃至第  八条の規定により換地交付しな  いで清算する場合又は土地につい  て存する権利を消滅せしめて清算  する場合を除き、交付すべき清算  金について、政令の定めるところ  により、利子を附してその分割交  付をすることができる。  第二十四条の次に次の一条を加ええる。第二十四条の二 第十三条第一項の  規定により換地予定地指定があ  つた場合においては、整理施行者  は、必要があると認めるときは、  換地予定地使用収益することが  できることとなつた者から清算金  を概算徴収し、従前の土地使用  収益することができなくなつた者  には清算金概算交付することが  できる。   前項規定による清算金概算  徴収については、第二十六条にお  いて準用する都市計画法第二十四  条第一項の規定により国税滞納処  分の例により滞納処分を行う場合  においても、国税徴収法(明治三  十年法律第二十一号)第二十四条  の規定による公売は、これをする  ことができない。   第二十条、第二十一条、第二十  三条及び第二十四条の規定は、第  一項の規定によつて清算金概算  徴収し、又は概算交付する場合に  準用する。   第一項の規定により概算徴収   し、又は概算交付した清算金は、  換地処分の認可の告示があつたと  きは、直ちに、精算する。  第二十七条中「第十五条第三項並びに第十六条」を「第十五条第三項、第十六条並びに第二十四条の二」に改める。     附 則   この法律は、公布の日から施行す  る。
  3. 増田甲子七

    増田国務大臣 特別都市計画法の一部を改正する法律案についての提案理由と、その大要を御説明申し上げます。  特別都市計画事業は、御承知通り既定方針によつて着々遂行せられ、現在その基盤である区画整理については、換地予定地指定が大半行われ、建物等の移転も進捗し、おおむね清算段階に入ろうとしておるのでありますが、清算事務の処理について、現行都市計画法に一、二の不備が認められますので、速急にこれを改正し、区画整理事業の円滑な遂行をはかりたいと存ずるものであります。  第一に、土地区画整理による換地処分の結果徴収する清算金については、現行法分納が認められているにかかわらず、交付する清算金については、分割払いが認められておりませんので、一時に清算金交付しようとすれば、清算金が完納されるまで、交付の時期を遅らせるか、または地方公共団体において、一時立てかえ払いをせざるを得ないのであります。しかしながら交付の時期を遅らせることは、もとより不適当であり、また立てかえ払いをすることは、交付金相当多額に上りますので、現在の窮迫した地方公共団体財政をもつてしては困難でありますので、清算金交付についても、分割払いの道を開くことが必要と認められるのであります。  第二に、清算金徴収交付換地処分完了後行われるのでありますが、換地予定地指定により、事実上土地使用収益が、禁止または開始されますので、換地処分完了前においても、土地所有者間における換地割当の不均衡をすみやかに金銭をもつて調整することが、各関係者にとつて適当と認められ、清算事務をすみやかに終結させるためにも望ましいので、換地予定地指定があつた場合においては、清算金概算徴収及び概算交付することができるようにいたしたいと存じます。  以上の二点は、いずれも区画整理清算事務を円滑ならしめ、区画整理事業た円滑な遂行を促進するために、緊急な措置と存ぜられますので、何とぞ十分に御審議の上、すみやかに御可決あらんことを希望いたします。
  4. 内海安吉

    内海委員長代理 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。淺利三朗君。
  5. 淺利三朗

    淺利委員 ただいま御提案になつておる部分については大して大なるものではないので、むしろ建設省がこういうさまつなことに主力を注がれるよりも、もつと特別都市計画法については重大な点がたくさんありはせぬかと思います。  戦災後における各地方現状を見ますと、ほとんど遅々として進まぬのが現状であります。これは一つ予算関係もありましようけれども、もう一つわれわれが考えておることは、あの戦災直後において、ほとんど土地がただであつたような時代に、都市計画をきめられて、少くとも路線だけでも決定されておつたならば、もつとたやすくできたのじやないかと思うのであります。現建設大臣が早い時代において大臣になつておられたならば、おそらくはこういうへまはやられなかつたと思うのであります。  現在私どもの当面しておることは、東京都内においても、赤坂区と渋谷区の境、すなわち青山師範学校のあつた所であります。あそこは旧浅野家世襲財産であつたのであります。その分譲地が非常に細い、一間一間半の道路によつて袋路が非常に多かつた。従来においても、あそこが都市計画の上において、防火の上から見て、衛生の上から見て何とかしなければならぬ。ということであつたのが、師範学校があるためにその実現ができなかつたというのであります。ところが戦災によつて師範学校建物が焼けて、師範学校も移転した。その際においてほとんどここに手をつけない。しかもこの師範学校敷地の跡には、何といいますか、庶民住宅その他のアパートが雑然として建つておる。あれだけの重要な場所を、ほとんど無計画家屋が建つてしまつておる。今日これを区画整理をするには、非常に金がかかるというような現状であります。こういう点から見ると、特別都市計画の金の使い方の順序においても、ただ一方に、金があるからここから実行するというのではなく、全体を見て、調査なら調査を早く進めて、一定の区画線を早くきめるというようなやり方をしておけば自然家屋建築においても、その線に沿うてやる。換地処分とかなんとかいうことは、場所によつてはあとでもできる場所もあると思うのであります。そういう点については、今日建設当局としてはどういう手を打つておるのか、今日までの戦災都市復興方針というようなものについて、基本的のことをひつとお伺いしたいと思います。
  6. 八嶋三郎

    八嶋政府委員 ただいま淺利先生からお話のございました戦災復興の問題でございますが、いろいろと不備な点につきまして御指摘を賜わりました点、私ども都市計画戦災復興仕事を推進いたしております者にとりまして、まことに汗顔の至りでございます。御承知通りに、最初に事業がうまく行つておるならば、むだな費用がかからなかつたであろうという点は御同感でございます。そういう意味におきまして実は戦災復興予算等におきましても、当初の年度において五十万円使うのと、あとの年においてそれだけの仕事をして行くという場合におきましては、いろいろと家が立ち並んでしまつた後においてこれを実施いたしますると、従来五十万円でよかつたものが、百万円、二百万円という金がかかつて行くということは、御説の通りでございます。私どもはその意味におきましては、本年か再検討によりまして四箇年の間においてこの仕事をなして行くという場合においても、国の予算等におきましても、特に当初年度において多額費用をどうしても出したいということを、実はしよつちゆう要求いたしておるのでございますが、国家的あるいは地方財政の事情から、そのように参らぬことは、まことに遺憾に存じておる次第であります。そこでお話のごとく、しからば金がないならば、一つ計画の線というものをはつきりときめてその以外には家は建てさせぬということにしたならばいいじやないかという御意見、ごもつともでございます。地方によりまして、その建築線に沿うて非常に強力にやりましたところが、非常に都市計画が順調に行つておるという例は、地方的には相当にございます。昨年建設省におきまして、都市計画表彰をいたしました愛媛県の松山市のごときは、まずその最たるものでございまして、これは当初における建築線指定ということを非常に強力にやりましたがために、街区が十分にできておるという一つ模範として昨年表彰をいたしたのでございます。御指摘のように、東京都内の問題につきましては、相当に不備な点がございます。これは事業量が非常に多いということが一つの大きな問題になつておりますのと、それから東京都といたしましては、実は非常にむずかしい所から手をつけて参つたのであります。たとえば新宿であるとか、池袋であるとか、渋谷であるとか、王子であるとか、あるいは五反田であるとかいつたような、いわゆる従来の歓楽街といつた方面に実は手を尽して参つたのであります。これは一つの見方といたしましては、こういう所は非常に生活力が旺盛でございますので、ほつておけばすぐ家が建つて、べらぼうにまた金がかかつて行くという点からしたことは、これは事実でございます。その意味においては、決して方針が悪かつたということにはならないのでございまするが、金が足らぬがために他の地域にまでそれが行かなかつたということのために、ただいま御指摘のような地域におきましては、当初にやれば、決して大きな問題はなかつたにかかわらず、今日においては都市計画がやりにくくなつておるという現状に陥つておるのでございます。そこで今後といたしましては、まず第一番目には、お話のごとくに私ども予算の獲得につきまして全力を注ぎまするとともに、都市計画の五箇年間措置をいたしておきまする所は、できるだけその計画に沿うて家を建てさせないようにして行こう。そういう意味におきまして、昨年バラツク令というものの改正をはかつたわけであります。これは従来戦災復興区域というものは、べらぼうにとつてつたのでございまするが、前々御説明申し上げまするように、八千五百万坪の区域限つて、まずこの区域だけでも強力にひとつ進めて行こうという方針を実は樹立いたしましたので、他の所につききましては、多少遅れてもやむを得ないじやないか、何もかも一時にやるということはむずかしいから、八千五百万坪のところに限つては、バラツク令を強力に適用をして行こう、こういう方針で実は臨んでおる次第であります。
  7. 内海安吉

    内海委員長代理 淺利君、大臣は急がれておるようでありますから、できれば大臣に対する質問を先にお願いすれば都合がよいと思います。村瀬さんも大臣に対して質問がありますから……。
  8. 淺利三朗

    淺利委員 もう一点、失業救済との関係において失業救済は大体筋肉労働者を主として救済しておりまして、頭脳労働者失業救済にふさわしい仕事は、非常に少いようであります。そういう点から言えば、都市計画の測量とか、あるいはある程度の換地的の計算をするとかいうような方面にこれを使つて、何とか八千万円の予算以外にも計画を進めるという方法が、何かごくふうはないかということが一つと、それからこれは少し飛び離れた問題ですが、あわせて大臣にお伺いしたい。実は現在の特別都市計画において、区画整理の結果換地処分をするということは、土地委員決定をする。ところが換地処分をした場合においては、耕地整理法適用になつておるために、これに対して異議申立てができない、こういうことになつております。耕地のごときであれば、一等地、二等地でありましても、そう大した利害関係は少いのでありますけれども、市街地においては、住宅あるいは商店というものは、非常に利害関係が重大であります。こういう問題について現在の委員決定が、必ずしも公平に行つておらぬ。場合によつては、土地のボスあるいは情実関係によつて不公平なことをする場合があるのであります。それは昨年も当委員会に請願になりました盛岡における駅前の戦災区画整理に際して、ある病院敷地を、他に比較して不当に減地をして、そうして他の二箇所も三箇所も土地を持つておる者が、その場所がいいために、その一部を他の者に与えて、そうして病院経営者に対しては、飛地を換地に与えた。こういうふうなはなはだ妥当を欠いた処置をしたのでありますけれども、これに対して、何ら監督上の措置はできない。建設当局において、いろいろ事実上のあつせんはしてくださいましたけれども、法的には処分ができないということがあつたのであります。こういう場合でありまするから、こういう際においては、耕地整理法適用じやなしに、特にこの場合には、監督官庁に対して訴願の道を開くというようなことをいたしてはどうか。現在においても、訴訟はできるといことでありますけれども訴訟費用もかかるし、またその決定は非常に延びるのでありますから、むしろ上級官庁において、そういうはなはだしき不公平があつた場合には、これを是正するという意味において、訴願の道を開く、そういうことは、この法律の上においては考えられなかつたかどうか。またそういうはなはだしく不公平なことをする委員は、何かリコールの制度でも設けてこれをかえるという方法はないか、そういうことについて何か御考慮がなかつたかどうかということをひとつ伺いたい。
  9. 八嶋三郎

    八嶋政府委員 淺利先生お話につきまして前々から御意見のありまする点、私どもも十分承知いたしております。実は根本的に特別都市計画法改正して行こうという一つの案も持つておるのでございます。しかしとりあえず、会期も短こうございましたので、真に必要といたしまする部分だけをかえておるのでございます。今のお話区画整理等につきまして訴願の道がないがために、不当に行われる場合、無辜の人が非常に困るというお話でございます。この点につきましては、実は正直なところを申し上げますと、解釈が二つにわかれておるのでございます。行政的な考え方といたしましても、都市計画法におきましては、訴願の道が実は認められておるのであります。ただ別段の規定がある場合を除くのほかは訴願が認められるという規定になつておるのであります。その別段の規定の中に、区画整理についてこの耕地整理法を入れるか入れぬかということが一つの問題になつております。行政裁判所の判例におきましても、認めた場合もあるし、認めない場合もあるということになつております。先日も各府県におけるいろいろの実際の訴願の取扱いを見て参つたのでございますが、私の方で集めました資料の中には、訴願の実体に入つて相当審議をしておるものが、府県におきましてもございます。ただお話のように、いろいろ疑義の点がございますので、今回全面的に改正をいたします際におきましては、お話のごとく、耕地整理法異議申立ての条項だけは、疑義を残さないように、はつきりと削つてみたいという気持を持つておるのでございます。
  10. 村瀬宣親

    村瀬委員 ただいま建設大臣提案理由の御説明を拝聴いたしまして、この改正法律案は、戦災都市復興をすみやかに順調に進めるためであるというお話がありましたので、私はこの際一つ事例をあげて、建設大臣の常識の発達された知性ある御意見を伺いたいのであります。明日私は法務総裁に来ていただいて、聞くことになつておるのでありますが、ちようど都市行政担当されておりまする増田大臣でありまするし、また増田さんは、特に法律の面も権威者でありまして、りつぱに法務総裁も勤まるお方と思いまするので、この際特に御意見を承つておきたいと思うのであります。  物事をわかりやすくするために、実際の事例を申し上げまするが、愛媛県の今治市が戦災にあいまして、区画整理を熱心にやつております。ただいま八嶋局長の話では、松山表彰されて模範であると言われておるのであります。松山の隣でありまするから、負けないように始めたのであります。ところがここに甲という人が、Aの地点からBの地点へ家を移転してもらうということに、これはそれぞれの委員会にかけて、三つも四つもの委員会にかけて慎重審議して、それよりほかに方法がないということに決定いたしました。ところが、この甲なる者は、どうしてもそこを動かないというのであります。あらゆる手を尽しましたが、市当局におきましては、方法がないことになりましたから、遂に代執行をすることになつたのであります。大工さんが、のこを持つてそこへ参りましたときに、本人からは弁護士立てて、松山裁判所電話をもつて執行停止の要求をして、裁判所から代執行停止仮処分が参りました。それから二年間裁判が続きました。そして市が勝つたのであります。ところが市が勝つたということは、これは市の決定が正しいのであつて、その決定に基いて都市計画を進めて行けという意味なのであります。しかるに代執行停止だけはそのままにいたしております。そこで甲なる者は、これを高松に控訴いたしたのであります。今高松で係争中なのであります。ところが代執行停止が解かれませんために、市は裁判には勝つたけれども、その一画をどうすることもできない。ここに市民は非常に市の行政というものに疑いを持ち出しまして、市役所に対して軽蔑をして参りました。何年もほつておいたじやないか、市役所の言うことはどうでもいいのだという風潮を生じて参りましたから、他の方面都市計画にも非常な障害を及ぼしたのであります。そこで高松に行つてみますと、これは松山の方でやつたのだから松山で解いてくれと言う。松山の方の裁判官は、自分裁判を終れば責任はないじやないか、もう自分の手は離れておるのだ、こう言うのであります。これをわかりやすく、われわれがしろうととして考えてみますのに、私がだれかから、金をどうしてもお前に貸しておると言われて、私のカバン差押えをされた。裁判をしてみたが、私は金を借りていなかつた。そこでこのカバンを私は自由に使えるはずであります。しかるに裁判はちやんと勝つて、金は一銭も借りてなかつたときまつたけれども、このカバンは永久にお前は使えないぞ、これと同じ現象が今治市に行われておるのであります。この赤紙を解くという方法は、私の方が別に訴えをして参れば解く方法があります。しかし行政訴訟におきましては、一旦裁判官がこの仮処分をして、それをはがさない、それを解かない以上は、高松から東京最高裁判所決定があるまで、どうすることもできないという状態であります。裁判を早くすればよい、一口に言えばそれまででありまするが、実際の裁判というものは御承知通り、何年かかるかわかりません。そういたしますると、甲なる人の訴訟が続く限り、市もどうすることもできない。それによつて、AからBへ移つて行く、そのAのうちがあくことによつて他の人が全部移つて行くという人も、自分土地が与えられませんから、戦争が終りまして六年間も、まつた生活の本拠を失つておるのであります。こういう状態はどこに盲点があるのでありますか。法治国として一体そういうことが放任しておけるかどうか。こういう概算払いを早くしてやるということも、確かにこれも戦災都市復興せしめるよい方法でありまするが、もしただいま私の言つたようなことがどうもできないというのでありまするならば、そういう点をこそ私は、これは都市計画法改正ではありませんが、別の法律の点において改正をし、新たに法律をつくるなりすることが、むしろこの法案よりも、もつと急ぐのではないかと思うのであります。法律にも特にお詳しい建設大臣、また直接、都市行政担当されておりまする増田建設大臣の御意見を伺つておきたいのであります。
  11. 増田甲子七

    増田国務大臣 村瀬さんの非常にお詳しい、しかも戦災都市復興について、きわめて御熱心な御質問に対して、実はお答えする能力はあまりございませんので、結局法務総裁から答えてもらえると思います。私ども訴訟法は大分忘れてしまいましたが、常識的に考えますと、今のような裁判が一応市側が勝訴したとすれば、市側は同時に、仮差押えを受けたとすれば、それを無効にして解いてもらう訴訟も同時に係属させるべきではないかと思います。一方だけ決定した、一方はまだ未決の状態であるということは、非常におかしいことであります。早く仮差押えを解いて、本判決と平仄を合せるようしていただく。これは都市計画法の問題と離れて、もちろんこれは戦災都市復興上大きい問題でございまするが、この方面法務総裁を鞭撻して、あなたが御尽力くだすつたならばけつこうじやないか、こう思つております。
  12. 村瀬宣親

    村瀬委員 仮差押えといいまするか、いわゆる代執行停止本裁判と同時に解いてもらえばいいではないかという御意見でありまするが、私も実はそう思いまして、松山裁判所にも何度か行つてみたのであります。ところが実ににべないあいさつでありまして、それとこれとは全然別であり、また先にカバンの例を引きましたが、カバン赤紙の場合は、それを解いてもらう根拠法律があるけれども行政訴訟の場合には、それを正式に必ずしも解いてくれという根拠法はないと裁判所は言うのであります。もともとこういう代執行停止というようなことが、民主的に陪審判事もきまり、双方の当事者の意見申立ても聞いて、そうしてこれは当然この代執行停止すべきであるという民主的な判定のもとになされたものならば、私はそれは法治国の国民としてやむを得ぬと思いまするが、おそらく電話で言つて来たのでありまするから、まだ一回の公判も開いていないのであります。陪審担当者も何もきまつていないだろうと思う。その担当判事が、ちらつと頭にひらめいて、何か弁護士に言われて、それじや停止しておこうかなという単なる頭のひらめきで行つたことが、裁判判決の上を行くほどのオールマイテイなものである、動かすべからざるものであるというような、われわれはそんな切り捨てごめん裁判権というものを、われわれ新憲法下国会裁判所に与えてはおらぬと思うのであります。こういう点は、こういう方法救済ができるというのであるならばよろしいのでありまするが、そうでない、そんな法律盲点がある。いわゆるそれほど強力な権限が判事にはあるのだということでありまするならば、私はこれはそんな絶対権までも与えておるのではないと思う。第一国会から今日までの十国会を通じてのわれわれの法律の議の根本理念というものは、そんなものでなかつたと思いますので、その点何か救済方法があるとお考えになるか。これはどうしても新たなる法律をつくらねばならないものとお考えになるかどうか、御意見を承つておきたいと思うのであります。
  13. 増田甲子七

    増田国務大臣 法務総裁に対する御質問のようで、私の答弁の限りでありませんが、国務大臣としての立場もありますので、常識的に私の考えを申し上げます。法務総裁には村瀬さんからもお話を願い鞭撻、督励も願いたいと思います。今裁判所が代執行の仮差押えをしたけれども、仮差押えを解く道がない、こういうことを裁判官が言うなら、これは聞き捨てならぬことです。そういうものを解く道がないなら、仮差押えなどはするべきではない。元来無権限な仮差押えですから、仮差押えなどをして済みませんでした、こう言つて当然ひつこめるべきである。そういうことを大いに判事に迫つてもらつて、あなたの方からも大いにやらせるように御鞭撻願いたいと思います。
  14. 内海安吉

    内海委員長代理 ほかに建設大臣に御質問はありませんか。—それでは政府委員の方に何か……。
  15. 村瀬宣親

    村瀬委員 局長にお尋ねいたしまするが、ページは打つてないのでありまするけれども、三ページの二行目に、換地処分の認可の告示があつたときは云々とありまするが、換地処分の認可というものは、おおよそはつきりとこれが行われておるかどうか、実情を承りたい。
  16. 八嶋三郎

    八嶋政府委員 換地処分はすべての告示が終つた後において、初めてこれを行うということになつておりまするので、現在鹿沼が一つ来ております。それから小田原、もう一つは兵庫県の本庄、大体そこらだつたと思つております。
  17. 村瀬宣親

    村瀬委員 それは聞捨てならぬ大問題です。私は実はそういうことを聞いて、まさかと思つたのですが、やはり局長のお話で、私がうわさに聞いておつたのはその通りであつたことを知つて、実は驚くのであります。たとえば、今私が申しました今治市のような問題のときに、これは三年も前に家がずらつと建つておる。商売をして非常に繁盛しておる。ところが訴訟になつたときには家も建たない、どうにもできない。裁判所でいろいろ言うと、換地処分がきまつてから市が当然補償金を出せばいい。それで換地処分の認可を調べた。ところがどこも持つていない。大体その町で一つずつ区切つて出されるならば、そういうときには市が責任を持つて、国民はそれ相当の公平な処置かしてもらえるのであります。ところが今お話通り、何もかもでき上つてその都市がきれいに完備してから、初めてそれが換地処分の認可の告示になる。言いかえると、いろいろな事件のために遅れた人は、これこそもう泣きつらにはちといいまするか、まつたく踏んだりけたりという情勢になるのであります。こういう点に対して、実際都市局としては、どういうお考えを持つておられますか。全部のものができ上つてから、初めて換地処分の認可の告示をするというようなことは、これは実に無意味なことであります、むしろその地方々々で、これを三つにわけるとか、四つにわけるとか、そのところどころできちつときまるのでありまするから、そうすればそのときにそれをきちんと告示をする。そしてそれを訴訟か何かで当然割当ててやると言われておるのだから、本人が来なかつたのならかつてだが、本人が来たくても、来られなかつたときには、その執行者というか、市が当然その残つた一軒か三軒に対しては、補償なり何なりの責任がある。三年も商売をしておる。その三年というものは、訴訟なら訴訟のために—あるいは市が怠慢の場合もあるでしよう、市の方がいたずらに裁判を急がないで、不熱心のために遅れる場合もある。そういう場合に対しては、当然残された三軒だけが—他の町内の者は、全部三年間商売をしておるのでありますから、家もりつぱにできておるのでありますから、当然何らかの補償がもらえる、ところが今お話のように、全部でき上つたときに、換地処分の認可の告示ができるということになると、いろいろな市の都合などでこれが遅らせられるというようことは、まつたく切捨てごめんの処置でありまするが、これらに対してはどういうことになりますか。
  18. 八嶋三郎

    八嶋政府委員 換地処分の認可は、先ほど申し上げましたように、その地区ごとに、一帯の区域というものに換地処分交付というものがきめられるのでございますが、その交付の告示が終つた場合におきまして、換地処分の認可をするということになつております。市全体の仕事が終らなければというつもりでは、実はございません。そこで、今の全部が終らなければどうにもできないし、交付もできないというようなことでは、今のお話のごとくに非常に不公平な点があるから、実はまだ全部が終らないうちにも、いわゆる仮清算と申しまするか、そういうことをやつて行きたいというのが、実はこの改正法案を出した理由一つなんでございます、しかしただここでは仮清算と、清算のできないのは、実は公売だけは清算が伴わなければできない。公売をするというのは、いわゆる国税徴収法によつて、強制徴収の道が開かれておるのでございまするが、その際におきまして公売のことだけは、これは最後までその交付清算が全部終つたときに初めてできるということなんです。それ以外は、差押えまでのことはやらせようと、こういう意味においてつくつた改正法案でございます。ただ今のお話のように、問題は行政執行の問題にかかつておる点でありますので、この点、先ほども大臣からお話のございましたことく、それがために換地ができぬということは、まずその元になりまする代執行停止の問題だけは、何とか早く解決して行かなければならぬという点は、これは私も同感に考えておる次第であります。前回にも申し上げましたごとく、この今治市の問題につきましては、法務府の行政訟務局長にも実は話をつけてあるのでございますが、局長の話では、それはやはり仮執行をしたところへ行つて話合いをつけて、そいつを取消してもらうのがいいと、こういつた話なんで、市長の方にもその旨実は申し伝えたわけでありますが、市の方からは、その後においてはあまり報告がございませんので、相当うまく行つているのだと思つておりましたら、ただいま、なお村瀬先生からそういうお話がございましたので、さつそくまた行政訟務局長のところに行きまして、話をつけてみたいと思つております。
  19. 村瀬宣親

    村瀬委員 私の質問のほかの点にも触れられたので、ついでに申すのでありますが、今治市の問題は、これはただに今治市だけではなしに、いつどこへ飛び火するかもわからない問題でありますので、私は一月の三十一日の委員会において、詳細に、約五千五百字ほどにわたる質疑応答を八嶋政府委員といたしたのでありますが、今日までおとりになつた処置というものは、いわゆる代執行停止を命じたところへ行つて、哀訴嘆願とはおつしやらぬが、とにかく話合いをつけて適当に処置をしたらよいであろうということを、今治市当局に言つておいたとおつしやるのでありまするけれども、これは何も示談とか何とかいう話合いじやないのであります。法律によつてはつきりこうすべきであるという制度がなくてはならぬと思うのであります。もともと判事の気持におきまして、裁判は勝たしておいたが、代執行停止はそのままにしておくという以上は、これがどうにもできないものであるといたしまするならば、そういうことは何らかの救済方法を早急にとらねばならぬ問題であると思うのであります。誓いをつけたり、いろいろと懇談をしたりして、こういう天下の法律が右になり左になるような制度であつてはならないと思うのであります。時間的にいいましても、一月の三十一日から本日まで、もし私がこれを質問しなければなお長く、一月でも一年でも放任され得るというような状態にありますることは、委員会の発言というものに対しましては、単に各局長の机の前へ行つて、この点はどうでしようかと言つて話して来たのとは違うのでありまして、その点は責任をもつて御処理を今後もお願いいたしたいと思うのでありまするが、ともかくもその話合いとか何とかいうようなもので、これは結末をつけておくべきあいまいな問題ではないと私は考えるのであります。それから換地処分は、必ずしもその市全体一まとめにならなければ認可の告示をしないというのではなくて、四つにでも五つにでも区切つてできるというお話でありましたが、そういたしまするならば、それをさらに細分いたしまして、できる限り小さく区切つて、この換地処分の認可の告示をなさるのが正親切なやり方であり、その戦災都市復興せしむる有効な方法と思うのであります。と申しまするのは、今も申し上げました通り、必ずしも訴訟にならない場合でも、いろいろな場合で、すぐ隣まではできたけれども自分のところから数軒はあとに残されるという場合があるのであります。しかし私たちの感じをもつていたしますならば、このところはお前の換地場所であるぞと通知をもらつたその日から、すでにその土地に対しては換地の権利が与えられたものと普通には考えられるのであります。しかし換地処分の認可の告示がないと、第三者に対してそれが対抗できないということになりますると、本人は非常に不公平な処置を受けるという結果になるのでありまするが、そういう点に対しましては、いま少し親切な、実情に即した方法をお考えになつてはいかがでありましようか。お伺いしたいと思います。
  20. 八嶋三郎

    八嶋政府委員 換地処分の問題につきまして現在わけておるものをさらに細分したらいかがかという御意見でございますが、実は御承知通り区画整理といたしましては、適当な区域を一応きめましてその範囲内全体におきまして、いわゆる換地をあつちをやつたりこつちをやつたりしておりますので、現在きめておりまするものを、途中において変更することは相当にむずかしいだろうと思います。のみならず現在正式には換地予定地というものを発表しておらなくても、大体みんな案というものをつくつておりますので、これをまた全面的にこまかく細分して行きますと、なかなかうまく換地操作ができないのじやないかという場合も考えますので、適当な区域というものを一応拾つてつておるような状態でございます。従いまして今ここでさらにこれを細分することができるかどうかということにつきましては、地方の実情もございますので、明言はいたしかねるだろうと思います。その点御了承願いたいと思います。
  21. 村瀬宣親

    村瀬委員 いま一点お伺いいたしまするが、かりに八嶋政府会員が一つ換地処分を受けた場合に、八嶋氏の換地はここであるという通知をもらつたといたします。それに対する効力発生の公式な御処置を、個人八嶋氏でなしに、市役所なりあるいは建設省なりが、ここは八嶋氏の土地であるということを第三者に対してもはつきりさす方法をお考えになつておるでありましようか。またそれはどういう方法によつて、それがいつから八嶋氏のものになる、八嶋のものだと外部へ主張できることになるとお考えでありましようか。
  22. 八嶋三郎

    八嶋政府委員 大体この換地予定地というものを指定をいたしまするというと、その指定をいたしましたときから、その土地に対しまして使用収益し得る権利というものが一応認められるのでございます。ただ所有権の移転というような問題でありますれば、これは換地処分が全部終らなければいけないじやないかと思います。ただ使用収益し得る権利というものは仮換地をやりましたときに発生することは、法律の十三条でございましたか「第五条第一項の土地区画整理のために必要があるときは、換地予定地指定することができる。前項規定により換地予定地指定したときは、換地予定地及び従前の土地の所有者にその旨を通知し、且つこれらの土地の全部又は一部について地上権、賃借権、永小作権又は質権を有する者その他命令で定める者があるときは、これらの関係者にもその旨を通知する。」と書いておいて十四条に「従前の土地の所有者及び関係者は、前条第二項の通知を受けた日の翌日から、第七条第一項若しくは第二項又は耕地整理法第三十条第一項の規定による換地処分が効力を生ずるまで、換地予定地の全部又は一部について従前の土地に存する権利の内容たる使用収益と同じ使用収益をなすことができるが、従前の土地についてはその使用収益をなすことができない。」ということが書いてございますから、換地予定地指定いたしました、いわゆる仮換地のときに、仮換地の通知が行きましたときに、従前の土地についでは使用収益の権限を失つて新たに指定されました土地について使用収益の権利を持つということになるのでございます。
  23. 村瀬宣親

    村瀬委員 非常に満足な御答弁をいただいて、私はそうなくちやならぬと思うのであります。ところが私の非公式な、ある裁判官から—と言いましても御想像がつくと思うのでありますが、聞きました。実は換地処分の認可の告示が基礎になるものだ、こういうことでありましたので、実は先ほどからいろいろと八嶋局長にもきついお尋ねをしておつたのでありますが、私は今八嶋さんの御答弁の通りでなくてはならぬと思うのであります。そこでもう一度はつきりと記録の上に残して置きたいと思うのでありますが、そうしますと、換地処分の認可の告示とは関係なしに換地予定地の通知が、あるいは市役所から本入に通達されたその日から、今お読みになつた内容の権利を取得できる、所有権は別であるが、今お読みになつた内容の権利は本人に当然付与されるのだ、かように解釈をしてよろしゆうございますか。
  24. 八嶋三郎

    八嶋政府委員 その通りでございます。
  25. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 ちよつとお伺いしたいのですが、徴収すべき清算金というのと、交付すべき清算金というのは大体同額になりますか。
  26. 八嶋三郎

    八嶋政府委員 人によつてもちろんみな違いまするが、全体といたしましては大体同じぐらいに操作をして行くべきものだろうと思つております。清算ということは、結局は御承知通り区画整理の施行によつて新たに街路や広場や公園となるべき用地を除いた残余の土地を従前の土地の所有者に割振るのであります。この割振りにあたりましては、従前の土地を基準として定めるのでございまするが、換地の結果、土地の面積や価値に多少の増減が生ずるということはこれはやむを得ないということになりまするので、その際における増減分について金銭で清算して行くということになりますから、全体から見れば、用地を出しましたところを除きましては、あとはその土地の価値とか、そういうものによつていろいろ見て行きますから、大体はとんとんになるべきものだろうと思つております。
  27. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 そうすると、全国の特別都市に交付するに必要な清算金の総額というのは、どのくらいになりますか。
  28. 八嶋三郎

    八嶋政府委員 まだ実はそこまでの段階に十分みな行つておらないのでございまして、現在のところまだ不明瞭でございます。土地ごとにだんだん清算が終りましたものから実は出て参りますので、現在考えておりますのは、先ほど申しましたように、鹿沼とか本庄とか、そういう数県になつております。これもそうした仮清算の道をだんだんと開いて参りますれば、その都度出て来るだろうとは思つております。現在のところはこの道がなかつたものですから、資料をまとめておらないのであります。
  29. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 交付すべき清算金ですから、これは一日も早くもらいたいでしようから、政府の方で融資の道でも講じて—どつちみち融資を受けるのですから、融資の道を講じて、徐々に分割交付して、借金を埋めさせて行く。こういうこともできるのだろうと思いますが、その点を御研究なすつたのでございましようか。
  30. 八嶋三郎

    八嶋政府委員 これもやり出しますと、相当多額な金になるだろうと思うのであります。おそらく数十億の金になるのではないかと思つておりますので、そこまで現在のところ、国なりあるいは公共団体でやれというだけでは、ちよつと無理ではないかということから、実はこうした便法を講じて行きたいと考えております。ただお話のごとく、全部土地をとられてしまうというような人たちには、一時にできるだけすみやかにやりたいと考えております。ただ一部分土地をなくすとか、一部分の権利を消滅せしめるというような程度のものは、ひとつ分割交付の道を考えて行く。しかもこれには分納を認めた場合だけ、その方法を講じて行こう。こういう処置をはかりたいと思つたわけでございます。
  31. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 土地をそういう区画整理のために提供するような人の中でも、いろいろ階級的な層があります。たとえば宅地をたくさん持つている。そういう人は一部分を道路やその他のためにとられたとしても、大した打撃ではない。こういう人があるだろうと思うのです。そういう場合に、たとえば農地などでは非常に安い値段で、小作人にこれを売り渡しさせるという画期的な法律もできたわけなのであります。従つてそういうたくさんの土地を持つていて、一部が都市計画のために犠牲を受けた、こういうような人に交付すべき清算金は、うんと延ばしてもよろしいのではないか。そうして非常な打撃を受けたというような者には一時に交付すべきではないか。こういうふうに市民の各階級層をそれぞれ調査して、そうしてやることが公平な処置ではないかと考えるのでありますが、その点どうですか。
  32. 八嶋三郎

    八嶋政府委員 金持ちと貧乏人というお話でございましたが、御承知通り特別都市計画法につきましては、過小宅地というものをできるだけ整理して行きたいというので、実は大きな土地を持つているような人たちからは土地をひとつ出してもらつて、過小宅地の人たちにこれを交付する道も講じておるのでございます。この法律の中にも書いてございますがごとくに、政令で交付すべき清算金については、「政令の定めるところにより、」ということを実は書いておるのでございますが、この政令の定めるところでは、大体今私どもの予定しておりまするところでは、一人に対して大体五万円を越えるような場合においてのみ、分割交付を認めて行こう。従つて五万円以内におきましては、一時に金を払つて処置をつけて行こう。しかもそれは大体五箇年間くらいで何とか解決をつけたいと考えておりますので、非常にこまかいような人たちには、おそらく五万円未満のところで解決がつくのではないかと考えておる次第でございます。
  33. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 それから、ちよつとお尋ねしておきたいのですが、最近都市計画で、非常にだだ広い道路をつくつております。非常に広い道路です。飛行機でも何でも飛んだり着陸したりすることができるような広い道路をつくつております。まあ水戸市の戦災復興事務所などでも、国鉄の駅から非常に広い道路をつくる。こういう計画を進めておりまして、そのために戦災後せつかく家を建てた者が、立ちのかなければならぬ。そういうことで、たいへんごたごたが起つております。こういう関係で、戦災復興事務所長をやつております畠山さんというのが、県会議員に立候補いたしまして、相当莫大な費用使つて当選したのですが、戦災復興事務所長などをやつておりますと、何か金がもうかるらしいのです。非常にもうかるらしい。どこで一体こういう金がもうかるかとふしぎに思つて、私もただいま調査中なのでございますけれども、とにかくそういう金をもうけながら、無理やりに家を立ちのきさせたり何かやつております。どういうわけで、ああいう広い道路をつくらなければならないのか。飛行機でもあそこから飛ばせるつもりなのですか。建設省では、ああいう広い道路をつくらなければならぬという厳重な指示でもあつて、やつているのですか。また変更できるものなのですか。その点ひとつお伺いしたい。
  34. 八嶋三郎

    八嶋政府委員 昨年再検討をいたしました際におきまして、まだ手をつけておらないようなところは、もう一度幅員について再検討をするという方針で、実は再検討をいたしたのであります。再検討のときも、要綱の一部に幅員の問題があつたことは事実でございます。それによりまして、これは昨年でございましたか、当委員会におきましても、なんぼの線をどれだけにきめたかということを御説明申し上げたのでございますが、これは重要なる幹線につきましては、将来に悔いを残さないという意味で、将来ここに電車路線を敷設しましても、決して支障がない。いま一つは、火災とかいろいろな防災の立場から、幅員を広げておくことが非常に有効な意味を持つものでございまして、大きな風が吹いて来れば飛火によつて、百メートルの道路がありましても火は移るだろうと思いますけれども、普通の北風なんかが吹いて来たような場合を考えましても、三十メートルはどうしても必要だろうというような、いろいろな試験をやりました結果が、ああした一つの基準を示して、指導をしておるようなわけであります。従いまして防火災も兼ねておる。またその土地における美観をも存置して行こうというような、いろいろなそうした要素から、幅員を決定いたした次第でございます。いたずらに、ただ飛行機を飛ばすとかなんと上といつた意思は、毛頭ございません。
  35. 村瀬宣親

    村瀬委員 ちよつと特別都市計画法の本文を見て、私一つ聞き合せておこうと思うのですが、「利子を附して」云々という、利子を付する期日はいつでございますか。
  36. 吉田伸一

    ○吉田説明員 分納の場合にも利子がつきますが、分納の場合には第一回の金額を納付した翌日から利子がつきます。それと同じように、分割交付の場合にも、第一回目の清算金交付して、残額についてその翌日から年度分の利子がちやんちやんとついて行く。こういう結果になつております。
  37. 村瀬宣親

    村瀬委員 第一回とかなんとかおつしやいますけれども、私が最初質問した換地処分の認可の告示というのが、そこで問題になるのであります。それは大して重く見ないで、先ほど第何条々々々と八嶋政府委員から御答弁になりましたが、第一回とかなんとかという言葉でなしに、いつでありますか、つまり指定の通知の手紙が届いた日でありますか。
  38. 吉田伸一

    ○吉田説明員 ただいまの利子の問題は、換地予定地指定の通知とは別の問題でありまして、予定地の指定を受けましても、その予定地が従前の土地と相応しておる場合には、清算金の問題は起らないのであります。従前の土地と比較して非常にいい換地予定地指定されたとか、あるいは非常に悪い換地予定地指定された場合に、初めてそこにその差額を、清算金として交付し、あるいは徴収するという問題が生ずるのでありますから、その清算金の一応見込額がきまりまして、その額が法律、政令等によりまして、分割交付を許す、分割交付をしてよろしいという額になつた場合に、初めて何回かにわけて、それを交付するということがきまるわけであります。たとえば三回にわけて交付することになりますと、第一回は幾らということがきまります。その第一回の金額を払つた残額について、第一回を払つた翌日から利子がつくという結果になります。
  39. 村瀬宣親

    村瀬委員 そういう意味の御答弁では、私の質問の要旨に合わないわけでございます。かえる土地がちようど符合する場合に、問題が起らぬのはわかりきつたことです。多過ぎたり、少な過ぎたりするわけですが、それが適当な、金額をきめてとかなんとかという話ですけれども、いつを期限にするか。それをきめます役場の吏員がずるけて、三年たつたら、三年の日から—そういうことではいかんと思います。やはり日がきまつて、通知をしてお前の土地はきようから使えるのだという日がきまらなければいけない。その後役所がせわしくて、そろばんを置くのが二週間かかつても問題はない。きちつとした日が、法律的にはつきりきまらなければならないのです。それはいつでありますか。
  40. 吉田伸一

    ○吉田説明員 それは本清算をする場合には本清算をする時期、それから概算清算をする場合には概算清算をする時期において、その清算金の額がきまるわけであります。
  41. 村瀬宣親

    村瀬委員 それでは法律にならぬと思うのであります。やはりもらおうが出そうが、権利と義務のきまる日はきまるのでありますから、そろばんを置くのに三日かかつたから三日遅れた、十日かかつたから十日遅れた、そんなものではないと思います。そろばんを置く人が多かつたり少なかつたりして、その利子がふえたり減つたりすべきものではない。一人が三年かかつてつても、それはある日から後、そろばんを置くのに時間がかかつたからといつたつて、それで利子の起算日がかわつたりすべきものではない。いろいろな手続で遅れたりするのはやむを得ないでありましよう。税金でも書すべてそうであります。しかしそのそろばんを置く基準、そろばんを立てる基準というものは、通知の日とか、通知書を発行した日とか、指定した日とかなんとかいうものでなくてはならないと思うのです。それはいつでありますか。
  42. 吉田伸一

    ○吉田説明員 ただいまの御質問でありますが、先ほど私が申しましたのは清算金の額がいつきまるかということを申し上げましたので、利子はいつからつくかという御質問に対しましては、分割交付をする場合には何回かにわけて交付する、第一回の交付期日は何日にするということを通知するわけでございます。通知して、第一回の交付期日において交付した後に、その翌日から利子がつくわけです。利子の年六分もはつきりしておりますし、その利子のつく親金というものも、概算清算をする時期にはつきりきまります。そこで何回か分割交付の回数によつて、残額がはつきりきまつて来るわけであります。
  43. 村瀬宣親

    村瀬委員 それではこういうふうに聞いてみましよう。ほとんど土地がもらえぬような、全部とられたという場合を例にとつてみましよう。その場合はいつからでありますか。あなたの御説明を聞いておりますと、ある市役所分割払いを三回とか五回とかにきめて、その通知書が行つてからだ。その通知書が行くまではじつとしておつたらいい。ある早い市は、一生懸命夜業をやつてきよう出すかもしれない。隣の市はのんべんだらりとやつて、一箇月後に出すかもしれない。その出した日からだ。こういうのでは法律にならぬと思います。そのそろばんを置く金額を割出す期日はいつでありますか。
  44. 内海安吉

    内海委員長代理 吉田説明員の説明もあまりはつきりしないように思いますが、村瀬委員質問に答えるだけの準備をなさつて来て明日午後一時から引続いて質疑を続行したいと思いますが、いかがですか。
  45. 村瀬宣親

    村瀬委員 けつこうです。
  46. 内海安吉

    内海委員長代理 それでは本案に関する質疑は、本日はこの程度にいたします。  次会は明二十二日午後一時から開会して、質疑を続行することにし、本日はこれにて散会いたします。     午後四時三十八分散会