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内藤説明員 御質問は、現在
建築士の
選考がどうな
つているか。来年の四月一日ころには、どれくらいの
建築士ができるかというような点が第一点だと思うのであります。第一回の
一級建築士の
選考の
申込みは、昨年の十二月に行つたわけでありますが、約二万二千四百人の
申込みがあつたわけであります。その結果、
書類で過去の経歴、過去に
設計いたしましたり、あるいは
工事監理いたしましたところの
建築物の名称とか
規模、そういうような過去の実務の
経験を、いろいろ
書類に書いていただきまして、それによ
つて考査はなくて合格いたしましたのが、約一万四千六百ございます。あとの約七千数百の方に
考査を受けていただいて、その結果、また
欠席者も約千人ございまして、約四千三百人が合格いたしたわけであります。
考査の
方法は単なる
試験の結果だけを重要視するのでなくて、さらに
申請者の過去の実歴、今お話もございましたように、
既得権を十分尊重するような
方法で、
選考委員も
選考いたしました。その点は十分考えまして、結局において合計で一万九千人の
建築士が合格をいたしたわけであります。第二回は、四月一日から四月三十日まで、また
申込みがございまして、現在の各県からの
報告では、約六千五百人の
申込みがあつたわけでございます。これは間もなく
選考委員会におきまして、
選考を始めるわけでございますが、見込みといたしましては、少くとも四千人は合格になるだろう。そういたしますと、二万三千人が
一級建築士の免許を受ける
資格ができるわけでございます。この秋に第一回の
試験をいたしますが、これによ
つて、また若干
一級建築士の免許を受ける
資格者を生ずるわけであります。合計いたしまして、二万四千人が
資格者になるであろうと思います。そのうちで建設大臣あてに免許の申請をいたしておる者は、現在三千人でございます。今月中には三千人は免許になるわけでございます。御承知のように、
建築士法附則第一項によりまして、七月一日から
建築士の免許を受けていない者は、
建築士と称し得なくなるわけであります。引続いて六月にも免許申請がございます。まただんだん毎月免許申請も出て参ると思いますので、見込みといたしましては、来年の四月一日現在では、少くも一万五、六千人から二万人くらいの
一級建築士が登録されると思います。二級の方は各
都道府県知事の
選考なり、
考査なり、あるいは免許ということにな
つておりますが、現在、各府県からの
報告によりますと、約五万人が
選考の申請をいたしております。見込みといたしましては、うち四万人が二級
建築士の免許の
資格を得るようになると思います。そういうふうにいたしまして、来年の四月一日には、二級
建築士の方は、三万人は各
都道府県知事の免許を受けるようになると思うわけであります。
一方、現在全国の
建築の
状況を見ますと、毎年平均約五十万戸
建築されております。年によ
つて多少違いますが、過去五年間平均いたしますと、五十万戸であります。五十万戸のうち、平均一戸当りの坪数は十七、入坪でございますから、大半は百五十平方メートル以下、四十五坪に至らないものであります。推定といたしましては、
一級建築士あるいは二級
建築士の
設計とか
工事監理の必要な
建物は、この五十万戸のうちのせいぜい一割くらいだという推定でございます。一割と申しますと、約五万戸でございます。
一級、二級を合せまして、約五万人の
建築士がおるわけでありますが、該当する
建築物は五万戸というわけでございます。しかしながらこの五万人の
建築士が、全部が他人の求めに応じて報酬を得て、
建築士事務所を開くとは限らないのであります。官庁に勤めておる者、あるいは大きな造船所とか鉄工所、その他会社の
建物だけ
設計しておる者もありまして、他人の求めに応じない
建築士もあるわけであります。
建築士事務所を開きますのは、今申し上げました
一級、二級合せまして五万人免許を受けた者のうちの、また二割くらいではないかと推定されるわけであります。そういたしますと、
建築士事務所を開きますのが全国で約一万、大体、そんなような
数字になるのではないかと予想されるわけであります。