○高橋(權)
委員 議事の進行上、
ちよつと私はお願いしておきたいのですが、今日長々と
井之口委員が熱心に当局に
質問されたのであります。そういうことは何のために出ておるか。私は、先日から広島の商業組合に対しての貸付の問題についてや
つておる。それについて、虚偽の申告をした商業組合であるからということで、住宅金融公庫の鈴木総裁に対して注意を促したのにもかかわらず、その不正なる商業組合に金を貸し付けておる。そういうことをやるから、今日
井之口委員のように熱心に
質問をせざるを得ないようなことになる。必ずしも年度々々によ
つて、こういう時間をつぶすようなことをしないように、今から
会計検査院でも、
管財局長あたりでも、大いに注意してもらわなければならぬと思う。まだ聞いていらつしやらないならば、よく調べて、一度この
委員会において報告もしていただきたいのであります。これは広島市の京橋商業協同組合「というのであります。たとえばここに子供がおる。そういう十六、七になる子供まで商業協同組合の一員として列記してある。まだ学校に行
つている子供の名前を借用して、その商業協同組合員に入れておる。また脱退した者が多数あ
つても、それを当局に報告しないで、住宅金融公庫から金を出させているから、本員は先日から鈴木総裁並びに係の人に対して注意をしておるが、そういう注意をしてお
つてもそれを貸し付けておるということは、はなはだけしからぬ。われわれ
国民から徴税することについてはきびしく、貧困者からいうならば宝物にひとしいようなたんすさえも差押えておいて競売に付する。有産者から見れば、たきぎにひとしいものであ
つても、われわれには宝物だ。そういうようなことをや
つてまでも、徴税の方には頭を使
つている。多数の役員を動員してや
つている。そういうことでありますから、本員は注意をしたのであります。また建築物のごときも、本員は一メートルに対してボルトを何本使うかと、しろうとのふりをして尋ねた。ボルトは大小によ
つて本数が違うだろうと言
つたら、それはそうでしようと言
つた。これは一メートルに対して九本使うように
なつていなか
つたかという
質問をしたのに対して、その金融公庫の係の若僧は何と言
つたか。そういうふうに
なつていますかと言
つて台帳を広げて、製図のごときを広げて、ごまかそうとしたから、何ページの製図を見ろと言
つたら、ちやんと一メートルに対して九本使わなければならぬということがある。しかも写真にまで写してある。その九本使うべきボルトを七本しか使
つていない。そこでやかましく言
つた結果、このごろ一号、二号、三号とい
つて建設しておるが、三号館からは、一メートルに対してボルトを九本使
つておるが、一号館、ニ号館は七本しか使
つていない。しかも四階建の鉄筋コンクリートを建設するにあた
つて、一本の棒ぐいも打込まない。少し監督のやかましいところでは、その建築物に対して、請負人は損をして棒ぐいを打込んでおるが、その建物については、一本の棒ぐいも打込んでいない。鈴木総裁などは、元県知事までしてお
つた、以前には福岡県の警察部長をしてお
つた人である。かようなことをするとは、本員をなめるもはなはだしい。今後そういうものに対して貸出しをやめるかやめないか、やめなければ、必ずこういう涜職が成立するものである。あながち、饗応、被饗応、贈賄、収賄のみをも
つて涜職罪とするものではない。涜職罪というものは、なすべきことをなさず、なすべからざることをなしたものも、これすなわち涜職罪である。私は鈴木総裁に注意する前に、なめられないように
——明治以来高橋判事というものから、高橋家には、判検事がうようよしておる。そういうものをたくさん持
つておるから、あまりなめないようにということを言
つておるのに、こういうなめたことをしておる。しかも役人が広島に行かないとい
つて行
つておる。しかも写真にまで写
つておることです。かようなことは許すべからざることである。そういうことが繰返されるなら、幾たびも、かような涜職の問題について、
決算委員会でやかましく言わなければならぬ。役職員というものは、こういうことをなす前に注意したら、それを用いて行かなければならぬと思う。私は大乗仏教の建前から、なるべく善導したいと思うけれ
ども、そういうことを平気でやる人間がある以上、どうしても私は注意せなければならぬ。
一つの引例として言えば、福岡方面で、ボーリングの費用が二億円あると聞く。この二億円のボーリングの金を元商工
局長をしてお
つた人が、ある選挙の費用に百数十万金を支出せしめて、それを払わないために、その元部下であ
つた者が自殺した。それをもみ消したというような風説を私は聞いておるのであります。ただ取消しができないのは、その主人が自殺したために、細君が今路頭に迷
つておるという事実で、この細君が路頭に迷
つておることの始末ができていないじやないか。