○濱田
説明員 薪炭につきましては、第五回
国会からいろいろと御審議を願いまして、五回の分と六回の審議事項と七回の審議事項のうちで、一番問題になりました点だけを簡單に書いてあります。そこで結局なぜそういう赤字が出たのか、この原因は何か、この
内容はどうか、その
金額はどうか、こういうのが、当然のことながら、一番の問題であ
つたわけであります。その問題の中で、さらにこまかくは、現物
不足はどうな
つたかとか、あるいは——この
検査院の批難事項に出ておりますが、横持料とか、あるいは指定業者の手数料の値上げとか、あるいは備蓄とかいうものの
内容を詳細に御検討願
つたわけであります。
その次の問題は、二十四年の八月一日から
特別会計がとまりまして、清算に入
つたのでありますが、この清算の状況がどうであるかというのが、大体論議になりました骨子であります。それについて
一つ一つ書いたのでありますが、この問題については、第何回
国会の何
委員会のどなたが論議されたかというふうに書いてあります。
第一ページは、
特別会計の
昭和十五年に成立しましたその時の経過、それからこれをどういう組織で運営したか、それからその運営のやり方——これは相当の変遷をたど
つておりますから、その運営のやり方はどうであるかという御質問であります。これについては、別に薪炭
対策沿革というものを一覧表にして、これに運営の変遷を書いておいたわけであります。
その次は、三ページの二の問題でありますが、これは
特別会計が、そもそも開始以来停止されるまでの間に、全数量をどのくらい買い、どのくらい売り、どのくらい
利益があ
つて、どのくらい
経費がかかり、その間にどの程度亡失があ
つたかという御質問に対しましまて、この数字を書き上げたわけであります、簡單に申し上げますれば、数量におきまして、木炭だけで約一千万トン取扱
つたわけであります。そうしてその木炭、ガスまきを入れまして、仕入れが約三百億、売払いが約四百二十九億、差額が——つまり売上げの
利益が百二十億、
経費が百七十四億かか
つた。こういうふうな大体の計数であります。
それから次の問題は、五ページの赤字の原因、
内容、
金額及び現在までの整理状況——これがこの表に書いてありますように、五回、六回、七回の
国会において一番論議の中心になりまして、御質問の回数
並びに
委員会等におきましても、一番の幅を占めております。この赤字の原因については、こまかく書いてありますが、概括的に申し上げますと、その
内容から見ますれば、大ざつぱにわけまして、需給が非常に逼迫してお
つた時代——逼迫してお
つたから
特別会計が始ま
つたのでありますが、
昭和十五年から二十三年の前半期と見てよろしいと思います。それから、これが逐次かわ
つて来た時代——二十三年の後半期以降かわ
つて来ましたから、
特別会計が停止ということにな
つたのでありますが、これによりまして、赤字の性格がかわ
つて来ております。それをもう一度いいますれば、需給の逼迫してお
つた時代は、
政府としては、需給調節の大きな責任を持
つておるわけでありまして、どうしても供出を促進するために、産地側に重点が置かれざるを得ない。そのいろいろの手段としては、公定価格は一俵幾らときま
つておるるのでありますが、ある季節によ
つては、一俵当り何銭加算するとか、あるいは初めは着駅で買
つて、着駅で売
つてお
つたのが、次の段階では発駅で買う、さらにそれが進行して、山元で買うという段階になる、さらにそれがかまの前で買うというように、
特別会計の
業務が奧地へ奧地ヘと進んで行
つた。価格は奧地へ進んだだけ安くしなければいかぬわけでありますが、価格はそのままにして奧地へ進んで行
つた。こういう
関係におきまして、産地側に重点が置かれた。それが二十三年の後半期になるに従いまして、農村の不況の影響を受けまして、農民の現金の収入を多くするために、生産供出が計画量をオーバーして来た。このことにつきましても、
予算の限界を越えて債務を
負担したという
検査院の批難事項がありますが、ものがふえて来れば、今までなら、どんなものでも飛びついて買
つてお
つたものが、選択買いが始まるという状況、つまり片方では生産供出がふえて来る。一方都市においては、そううまく売れない。その間に
政府がサンドウイツチにな
つて来て、備蓄とか、あるいは長尺まきのようなものの値下げ、こういう傾向が出て来た。
ちようど二十三年につきましては、前半、後半において、その過渡期の片一方においては小出賃というものが前半期に出ておる。後半期には需給がぐつと加わ
つて来て、産地と消費地の間に
政府がサンドウイツチになる、こういう状況になりまして、消費地側に赤字の原因が移行して出て来た。大体大ざつぱに申し上げれば、こういう
性質のものであります。その
内容につきましては、六ページから七ページに書いてあります。そこで七ページには二十四年度末の整理の状況を書いてございます。それから八ページ以下十四ページまではこの
特別会計の赤字の
内容のさらに詳細な点を書いてあるわけであります。第一は現物
不足の数量、これをいかように処理したか、それから
先ほど言いました備蓄保管——この
経費が多くかか
つております。これはどういうわけであり、どういう
経費がかか
つたか。これが九ページ、十ページに行きますと——これも
会計検査院の批難事項に出ておりますが、横持料の
支出の問題、十一ページ——これも批難事項に出ておりますが、指定業者の手数料
増加の問題、十二ページにおきましては、
先ほども言いました長尺まきを値下げをした問題、それから十三ページにおいては
特別小出賃、早期築窯費
支出の問題、これは第六回
国会の
予算小
委員会で問題になりました
検査院と林野庁との間に
説明が齟齬しておるじやないか、その点はどうかという問題を、表にして書いたわけであります。
その次の問題は、
特別会計の清算に入
つてからの問題であります。
特別会計が卸あるいは生産者に対して大きな未収金を持
つておる、これらの回収については、いかような方法によ
つてやるのかという御質問に対する答えを書いたわけであります。これにつきましては、
昭和二十四年度末までに約百十七億の調定をや
つて、八八%の百三億入
つたのでありますが、なおその差の十四億何がしというものが、残
つておるわけであります。これにつきましては、強制執行をやるというようなことは、表面上は、はなはだ勢いのいいことでありますが、短兵急にや
つて、そのめたにかえ
つてある財産しかとれない、こういうことになれば、逆に国が赤字にな
つて来る、こういうことになりますので、民事訴訟法による即決和解——これは確定判決と同一の効力を持
つておりますから、この即決和解をやるときに個人保証なり抵当物件をと
つて、国がとりはぐれがないように処置して行く、こういうやり方でや
つております。しかして昨年の九月末現在をもちまして、
特別会計の末端機関である木炭
事務所がだんだん少くな
つて来まして、回収の
事務ができないということになりましたので、九月末現在において
大蔵省の出先横関である財務部において回収をしていただく、こういうふうにや
つて来ておるわけであります。
それから十六ページこれは
検査院の批難事項とも
関係するわけでありますが、
予算外の債務を
負担しておる、この問題であります。これは
先ほど申し上げましたように、二十三年度の後半期になりまして、需給が経済情勢の影響を受けまして漸次緩和して来た、加うるに暖冬異変で雪が少か
つたものですから、どんどん物が出て来た。ところが、生産者は
政府以外に売
つてはならない、ほかの人には売れない。つまり
政府に売るというふうに義務づけられておる。
政府はいやでもおうでも持
つて来たものを買わざるを得ない。それでは、持
つて来たものは幾らでも買うかということになると、
予算において逆に限界が出て来る。同時に、当時の状況によれば、どんどん手に入れても、うまくそれが売り切れるかどうか。相当の備蓄も持
つておる、この手持の備蓄を放出するのにさえ骨が折れるにかかわらず、持
つて来たものをどんどん買おうとしても、
予算が許さぬから買えない。
特別会計における法規上の建前と、現実の
予算の建前との間に、非常に苦しんだわけであります。そこで窮余の処置としてやりましたのが、これも批難事項に出ておりますが、買上制限というものをや
つたわけであります。これは法規上の建前をまつ正直に受ければ、穏当な手ではないのでありますが、
予算が持てないということになれば、しかたがないとして、買上制限をや
つたことはや
つたのでありますが、力及ばず、
予算の予定数量よりもはみ出して来た、こういうのが実情であ
つたのであります。
それから十七ページは、今度は五十何億円の赤字を出したじやないか。しからば二十四年度においてどのような損にな
つたのであるかという御質問に対しましての返事が、十七ページに書いてあるわけであります。
それから次は、これも清算の問題でありますが、二十四年の八月一日に
特別会計がとま
つた。とま
つた時に、
政府に手持ちの品物がある。その手持ちのものが、林野庁の
予算では三割ぐらい引き、行政管理庁の
報告では四、五割は引かざるを得ないだろう、こういう
報告であるが、事実はどうなる見込みか、こういう御質問に対して結果を
報告したわけであります。
それから次は、第六
国会で一番中心的な問題になり、特に
予算小
委員会において大きな問題とた
つたのでありますが、突如として
特別会計を中止したために、生産者が損害をこうむ
つた。その損害をどうして補償するか。こういう問題に対する回答であります。
それからその次の二十ページ、二十一ページは、大蔵
委員会における、五十四億七千万円を繰入れる法律の討論の要旨を掲げたのであります。最後に二十二ページは、第六回
国会の小
委員長の
報告の中から数字を拾いまして一覧表にしたわけであります。
以上くどく申し上げましたが、大体主要点は、こういう点であ
つたろうと考えております。