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東條政府委員 私から、お尋ねのございました前の二点について申し上げます。
最初の
一つは、
政府契約の支拂遅延防止等に関する法律が、いかなる効果をあげておるかという御趣旨のお尋ねでありますが、具体的な案件といたしまして、現実に
政府支拂いの遅延が発生いたしまして、遅延利息を拂
つたという実例を、ただいま記憶いたしておりません。おりませんが、これは立法に当られましたので、十分御承知いただけると思うのでありますが、あの法律の予防的効果というものは、
相当大きなものであります。つまり実際遅延をいたしました場合に、あの法律を発動いたすわけでありますけれ
ども、
国会の御意見といたしまして、特に議員提案でああいう法律が成立いたしたということで、
会計事務に当
つております職員といたしましては、
政府支拂いの遅延はや
つてはいけないんだということを、ひとしお痛感させられております。それであの法律に抵触をいたしまして、法律違反と申しますか、あるいは法律に命じておるところの遅延利息を支拂わなければならぬというので、
会計職員に無形の大きな効果を與えておるということは、申し上げられると思います。
それに
関係いたしまして、文部省系統の公共
事業関係の
施設の
お話だろうと思いますが、大蔵省が支出負担行為の認証ということで、手間取るのではないかという御趣旨であります。
昭和二十五年度までは、御承知のように公共
事業の
予算は、経済安定本部の中に含まれてお
つたのであります。二十六年度から一部各行政官庁に組んだのでありますが、公共
事業費を経済安定本部
予算から実際に使う場合には、各省に
予算上の移しがえの手続がいるのでありまして、経済安定本部は、四半期ごとに認証ということをや
つてお
つたのであります。各省から詳細な書類の提出を受けまして、安定本部長官の認証があり、それからまた
会計法規の命ずるところによ
つて、大蔵大臣の支出負担行為の認証がい
つたのであります。私
どもも何とかこの辺のことにつきましては、十分簡素化しようじやないかということで、御承知のように
昭和二十六年度からは、経済安定本部の認証は、年度当初一回ということにいたした次第であります。従来とても、経済安定本部の認証ということは、すぐいたしておりますが、何さま役所が違いますし、また法規の命ずるところの組織が違いますという
関係で、右左にやりましても、どうしてもその間多少の時日がかかるというのが、
実情であ
つたのであります。経済安定本部の認証を一回にいたすということにいたしました場合には、大蔵省としても、できれば支出負担行為の承認は一回でできないものか、と申しますのは、現在の
予算及び
決算の政令におきましては、支出負担行為は四半期ごとに承認をいたすということにな
つておりまして、政令の解釈上、多少の疑問はございますが、今われわれの方といたしましては、認証が一回で済めば、すぐ大蔵大臣の支出負担行為の
計画というものも、年間全部一ぺんにできないものかどうか。場合によりまして――ざつくばらんに申し上げまして、
関係方面のいろいろ意見がある問題でありますから、そちらの方の了解さえとれる見込みがあるならば、特に公共
事業というふうなものは、年間全体の
計画をまず当初にきめました方が、いろいろなことが、
計画的にも行きますし、経済的にも行きますから、そういう場合は、大蔵大臣の支出負担行為の承認は一回で――もちろん一期、二期、三期、四期という
内容はわかれるわけでありますが、承認自体は一回でどうだろうかということで、実はただいま検討いたしておりますが、まだこれも検討中で、お約束を申し上げるわけには参りません。そういうような次第でございまして、私
どもといたしましては、従来とも心がけておりますけれ
ども、公共
事業につきましては、右申し上げましたような
事情で、ある程度手続が遅れておるし、中には
相当遅延しておるものもあるという
実情を、十分承知いたしておりますので、極力今後とも簡素化をや
つて参りたい。安定本部の認証を一回にすることはきま
つております。それに応じまして、いろいろと簡素化の道を講じておるということを申し上げておきます。