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1951-03-05 第10回国会 衆議院 決算委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月五日(月曜日)     午後一時四十五分開議  出席委員    委員長 菅家 喜六君    理事 渕  通義君 理事 三宅 則義君    理事 八百板 正君       大上  司君    高橋 權六君       田中 角榮君    田中不破三君       多武良哲三君    井之口政雄君  出席政府委員         大蔵事務官         (主計局長)  河野 一之君         大蔵事務官         (主計局次長) 東條 猛猪君         運輸事務官         (大臣官房長) 荒木茂久二君         運輸事務官         (大臣官房会計         課長)     國安 誠一君         運輸事務官         (海運局長)  岡田 修一君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      足羽 則之君         運 輸 技 官         (港湾局長)  黒田 靜夫君  委員外出席者         日本国有鉄道経         理局長会計   三木  正君         検査院事務官         (検査第三局         長)      山名酒喜男君         專  門  員 大久保忠文君         專  門  員 岡林 清英君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算昭和二  十三年度特別会計歳入歳出決算     ―――――――――――――
  2. 三宅則義

    三宅(則)委員長代理 これより決算委員会を開会いたします。  前回保留いたしておきました昭和二十三年度決算中、運輸省所管について、審議を続行いたします。批難事項に関しましては、すでに去る二月二十一日に一応説明は済んでおりますので、本日は幸い運輸省当局から足羽監督局長外関係者一同、並びに日本国有鉄道側からは三木経理局長及び吉利監査課長が御出席になり、大蔵省からは石原主計局次長並びに東條主計局次長が参つております。あと河野主計局長も参りますが、本日は單に批難事項のみならず、運輸省決算全般にわたりまする質疑を、とつくりといたされんことを希望いたします。  それではまず委員長から御質問いたします。運輸省に対しましては、国有鉄道となつておりますが、国有鉄道につきましても、いろいろ改善が行われまして、戰後運輸状況もたいへんよくなつたと思いますが、なお労働関係その他給與関係についても、いろいろ問題が係続しておるように聞いておるのであります。将来の日本国有鉄道につきましては、現在の鉄道を十分改善いたしまして、乗客にも便利を與え、また国家的にも收入を得るという方策を講じなければならぬと思いますが、これに対しまして、政府当局から一応の御説明を願いたいと存じます。
  3. 足羽則之

    足羽政府委員 ただいまの御質問は、国有鉄道が、将来乗客にも便利を與え、また経営改善されてよくならなければならぬ、こういうふうな点についての政府見解いかん、こういう御質問でございますが、まさにそういう意味で、国有鉄道公共企業体としての公益性営利性とを双方調和した経営方針でやつておるということを、まずあらかじめ初めに申し上げたい。     〔三宅(則)委員長代理退席委員   長着席〕 また政府といたしましても、その行き方が当然である、こう考えておりますことをまず初めに申し上げたいと思います。  国有鉄道が、戰災によつてこうむりました被害は、相当つたのでございますが、爾来今年に至りますまで、鋭意それの復旧に努力いたしまして、また收支バランスにつきましても、昨年以来の旅客、貨物の運賃値上によつて、ようやく收支バランスが大体とれるという明るい一応の見通しをもちまして、なお経営改善と堅実な経営に向つていろいろ方策を立てて努力をいたしております。きわめて抽象的でございますが、そういうふうに御返答申し上げまして、なお具体的な御質問がございますならば、それについて御説明を申し上げたいと思います。
  4. 三宅則義

    三宅(則)委員 ただいま足羽局長から、大綱を承つたのでありまするが、本決算委員会は、予算と同様非常に重要なものであつて予算にきめましたことを、実際決算面から見まして、どういうふうに使われたか、また不都合があつたかなかつたかということが、問題になるのでありまして、どういうところに欠陷があり、また将来改善いたしたい点があるという場合においては、遠慮なく政府の方からも御開陳願いたいと思うのであります。そこで、今委員長席で申し上げました通り、必ずしも批難事項というもののみを追求するのが、われわれ決纂委員会の任務ではないのであります。少くとも国民を代表いたしまして、日本の国政のあり方を、この委員会を通じてはつきりいたし、なお改善すべき点は、将来に向つて改善せねばならぬ、かように考えるのであります。はなはだ大略なことを伺つて恐縮でありまするが、現在国有鉄道におきましては、運輸收入幾らで、給與もしくは改良工事等の支出はどのくらいで、採算がとれているかいないかということが一つ。  さらに国有鉄道として重点的に改善しなければならぬ点がずいぶんあると思います。たとえば線路であるとか、車であるとか、たくさんあるわけでありますが、この際大綱けつこうですから、一応数字を示されまして、どういうふうにしたら日本国有鉄道改善され、そのためにはどのくらいの経費が必要かということも、もし織り込めたら織り込んで御説明願いたい。
  5. 足羽則之

    足羽政府委員 非常に大きな質問でございまして、うまくまとめて簡單に御説明申し上げるのに、どういうふうに申し上げたらいいかと思うのでありますが、実はこまかい数字を持つておりませんので、きわめて概略を申し上げることになろうかと思います。  御承知のように、国有鉄道会計は、損益勘定工事勘定と、大体大きくこの二つになつております。商売をいたしますのが損益勘定でございまして、その收入によつてこの事業経営をいたすのであります。なお昭和二十六年度の、現在この国会に提出してございます予算では、たしか損益勘定運輸收入が千三百七十億でございますが、これによつて事業経営いたしておりまして、そのうちから減価償却特別補充とりかえと申しまして、現在の資産を維持するのに見合いになる金、これはいわば損益勘定からの收入と申していいかと思いますが、約百九十億、それから一般会計から百億、そのほか二十億で、合計約三百十二億の財源をもつて工事勘定改良建設費に充てまして、それによつていろいろな改良工事をいたし、あるいは新線建設とか、あるいは車両をつくるとか、そういう仕事に充当して、そして財産の維持あるいは増車等に充てるわけでございまして、そういう仕事をしておるわけでございます。ですから、結局来年の予算の姿でごらんいただきますと、仕事の方におきましては損失はございませんで、その中から減価償却特別補充とりかえなどの、現在の資産を維持するのに見合いになる金を出して、それ以外に政府からの百二十億の金と、その合計の三百十二億で、いろいろな建設改良工事をいたす、あるいは必要な車両増備をいたす、こういうかつこうで仕事をやつておるのであります。
  6. 三宅則義

    三宅(則)委員 はなはだとつぴなようなことを伺いますが、現在の鉄道網をもつて、私どもは満足とは考えていないのでありまして、相当新線というようなことも考えらるべきだと思うのであります。政府といたしましては、現在そういうことは手が届かぬと申しますか、これからの問題でありますから、もちろん簡單に答弁できないかもしれませんが、どういうような構想をもつて、今後この対策を立てて行くかということについて承りたい。
  7. 足羽則之

    足羽政府委員 ただいま申し上げましたように、工事勘定財源といたしましては、本年度は三百十二億余でございますが、その中で、ただいま御質問のありました新線関係のものといたしてこの予算に上つておりますものは、約三億二千幾らという金が、新線関係予算として一応考えられておるわけでございます。そこでこの新線を今後どう考えて行くか、こういう御質問でございますが、終戰後この新線建設というものは、ほとんどいたさなかつた、こう申し上げてよろしかろうと思います。そこで今年度は、いわば初めて新線建設費が計上されたというかつこうになると思います。一般新線建設要望する声は非常に強く、それが国会を通じて、すでに前国会あるいは前々国会でも、決議案となつて現われておるのでありますが、戰争中工事をいたしまして、それを中止している路線もございますので、そうした路線を対象とし、あるいは新しく、経済開発のために新線建設を非常に希望されているという点も考慮いたします場合に、事情が許せば新線をつくるということを、相当真險に考えてこれに着手すべきではないか、こういうふうに考えているわけでございます。ただ具体的には、これに財源を充当するという余地が、現在の実情では非常に乏しいのでございますので、現在の予算では、さしあたつて先ほど申し上げた三億二千幾らというものが新線に充当されておるわけでございますが、なお今国会で、新線建設いたしますについての問題を取扱う、新線建設審議会というものをつくつてはどうかということが、今問題になつておりまして、それに関する法案が、国会の方の御提案で出るように、実は御承知いたしておるのでございますが、それの今後の進行と相まつて新線をつくるということについての態度は、逐次具体的に展開さるべきもの、こういうふうに考えておる次第です。
  8. 三宅則義

    三宅(則)委員 大分詳細な御説明があつて了承したわけでありますが、こういうのが地方にあるのであります。私設鉄道でございますが、戰時中計画ができておりまして、路線はできておるのですが、鉄が戰時中ないというわけで中止になつてつた。ところが、今日は戰争がやまつて五年にもなるわけでありますから、これを復旧してくれという要望が強い。ところが会社に行きますと、政府がなかなか許してくれない、こういうことを言つておる。なぜかと申しますと、鉄道に使いますところの鉄が少いからという意味でありましよう。こういうものについて、会社自己資本をもつて延長する、いわゆる道路はできておりまして、線路を敷くだけでありますが、そういう場合においても、なお監督嚴重にして行きますか、あるいはある程度ゆるめて、地方私設鉄道が要求した場合は、これを許すでありましようか、その監督状況をひとつ承りたい。
  9. 足羽則之

    足羽政府委員 どのくらいか数字はつきり記憶いたしておりませんが、終戰後相地方鉄道から新線を敷きたいという申請が出て参りまして、これはその内容を審査いたしまして、必要なものであれは相当許しております。懸案中のものも相当ございます。国鉄新線建設とは違いまして、自己資本を調達して新線を敷きたいという申請がありますれば、その内容によつて相当現在免許しております。なお免許をいたしております線で、さらにそれを実際に建設するにあたつては、工事施行の認可を求めて来るのでありますが、これはひとえに会社の資金なり、あるいは資材の調達状況によつて認めるわけでありまして、一旦免許した路線につきまして、それが現実化するのは、むしろ会社事情によるのであります。  それから初めに申しましたことく、新線を敷くことを免許するかどうかという点につきましては、特にこれを嚴重に制限するとか、あるいはこれをゆるやかに認めるというふうな意味でなく、実情に即してこれを許しております。そうして終戰後相当数許しております。はつきりした数字を持つておりませんので、具体的な状況がどのくらいということは今お示しできませんが、そういうふうになつております。
  10. 三宅則義

    三宅(則)委員 それではこういうふうに了承してよろしゆうございますか。地方民要望は強い、しかし会社は、政府の方が許さぬからといつておりますが、実際は会社内容が苦しいためにそういう逃げ口上をしているのか、誠意がないのか。あるいは採算がとれないという意味合いで、そういうようにやつているかとも考えられるのでありますが、今足羽監督局長お話によりますと、どしどし民間資本によつて建設するものは許す、こういう線であるということを強調せられたのでありますが、これに間違いありませんか。
  11. 足羽則之

    足羽政府委員 どうもそういうお話だけでは、実ははつきりお答えいたしかねます。具体的なあるものでないと、はつきりわからぬのであります。しかしどうしても必要な線であり、計画が妥当なものであれば、私たちの方では、それは認めるという考えでやつております。
  12. 三宅則義

    三宅(則)委員 足羽監督局長お話によりまして、大分了承いたしました。一つの例を示しますから、あとで御研究になつて参考にしてもらいたい。愛知県に名鉄というものがあつて私設鉄道は全部ひとりで持つておる。ところが終点の駅であります西中金駅から足助町まで路盤はできているが、わずかに六キロばかり線路ができていない。会社の方では、政府がなかなか許さぬということと同時に、資金ということも言つておりますが、そういうようなことも私調べてみたいと思うのであります。全国には途中でそういうふうに工事中止になつているものも、相当あると思いますから、監督局長はよくそれを調べられまして、国民要望にも沿うように、簡便にこれを許すようにやつていただきたい。こういうことを重ねて要望いたしておきます。  次にお伺いいたしたい事柄は、鉄道には従業員相当多いわけでありますが、弘済会というものがあり、古手官吏の姥捨山といわれておる。こういうものについては、どなたが監督をしておられますか、もし承れれば仕合せであります。
  13. 足羽則之

    足羽政府委員 弘済会は、一般社会福祉事業をやつており、その成立の経過から申しまして、国有鉄道との関係も非常に深い社会事業団体であります。それの一般的な監督は、財団法人として、運輸省がいたしております。
  14. 三宅則義

    三宅(則)委員 本国会決算委員会といたしましては、弘済会の問題はたくさん取上げたのでありまと、また現在新聞紙上でも、たびたび論議をせられているところでありまして、そういういかがわしいといつてはなんでありますが、疑惑を残さないように監督するのが、政府立場であると思うのであります。これにつきまして、現在どういうふうに監督をしつつあるか、現状をはつきりお示し願いたい。
  15. 足羽則之

    足羽政府委員 弘済会に対する監督は、運輸省でいたしておりまして、たしか社会事業団体としては、厚生省に関係があると思いますが、運用上は運輸大臣所管で、私の方でやつておるわけであります。職員の任免は、運輸大臣許可事項になつております。それから経理監査もいたしております。大体そういうふうになつております。
  16. 三宅則義

    三宅(則)委員 これは政府とも関係があり、国民も関心を持つているところでありますから、なるべく具体的なことをお示しなすつていただきたいと思うのです。なぜかと申しますと、鉄道弘済会は、ほとんど全国の停車場に備えつけてあるような広汎な営利団体である。こういうものに対しまして、政府はいつも補助し、あるいはかつて補助をしておつたと思うのでありますが、今日も相当営利事業を行つているわけでありますから、これは一般鉄道会計とは切り離して、十分監督する必要があると思うのであります。半官半民の団体であるから、おろそかにしてよいとは思いませんが、やや手ぬかりの点があると思います。この点いかがでありますか。
  17. 足羽則之

    足羽政府委員 弘済会は、先ほど申しましたような社会事業団体でありまして、その仕事は、社会事業部門收益部門と、大体二つにわかれております。その收益部門の一番大きな仕事といたしましては、全国鉄道の駅の売店の営業をやるとか、あるいは立売営業とか、あるいはくつみがきとか、手荷物の一時預かりとか、いろいろなことをやつております。但し、この仕事は、弘済会の独占ではございませんで、まだほかにもたくさんやつておるものがございますが、弘済会相当手広くその仕事をやつておりまして、そうしてそれから上る收益をもつて、義肢をつくる事業とか、あるいは生活を扶助する等の生活扶助事業、あるいは育英事業、いろいろないわゆる福祉事業の方に投じておる、大体こういうやり方なのであります。そこで今お話になりましたように、これは全然独立した団体で、国有鉄道とは、会計的にも何も関係はないわけでして、そしてそういう事業をやつておる独立した団体であります。そもそもの一番始まりは、運輸大臣、当時の鉄道大臣の寄付行為でできました財団法人で、そうした仕事をやつておりまして、そしてそれに対する監督は、先ほど申しましたように、役員の就任あるいはやめることについての許可を與える、あるいはこれに対して必要な場合その会計監査を行う、大体そういうふうになつておる、こういうふうに申し上げたいと思います。
  18. 三宅則義

    三宅(則)委員 足羽監督局長お話で、やや了承いたしました。私は国民にかわつて申し上げることでありますが、今までには、かなり露骨に新聞紙上にも掲載になつたことがあります。どうか監督局長といたしましても、特にそういう疑惑が起らないように、常時監査といいますか、指導といいますか、監督をせられたいと思うのであります。  次に、これに関連いたしまして、日本交通公社というものがどこにもあるが、この監督も、やはり今のとは違つて来るかもしれませんが、これまた新聞をにぎわした事業であるのであります。これもやはり弘済会と同様に、いわゆる付随的事業と考えておられますか、国有鉄道とは関係がないように考えておるのですか、この辺についての構想簡單に御説明願いたい。
  19. 荒木茂久二

    荒木政府委員 建前はちようど弘済会と同じように、民法上の財団法人でございまして、民法の規定に基いて監督をいたしておるわけであります。経理の面は、全然国鉄とは関係のないことになつております。弘済会に対しましては、政府から補助金を出しておりませんが、交通公社は、国際観光事業を振興するために、海外宣伝をするという建前で、民間に二千万円の補助金を出しておるわけであります。新聞に掲載されたこともございますので、爾来三宅委員のおつしやいましたような考え方で、十分に監督をいたしておるつもりでございます。
  20. 三宅則義

    三宅(則)委員 古い傷をここで洗つて、愉快を感ずるものじやございません。私どもは、国民にかわつて、悪い政治のないように願いたいという意味で、しばしば論を進めて行くわけでありますが、かつてロマンス社の方に対しては、何十万円だか、何千万円だかを融通したことを聞いております。もちろんこの面のことについては、監督が不十分だつたということになりましようが、その後どういうふうに回收いたしましたか、もし監督いたしておりましたら承りたい。
  21. 荒木茂久二

    荒木政府委員 ちようど今正確な数字を持つておりませんけれども、その回牧につきましては、交通公社も全力をあげていたしておるわけでありまして、新たなる雑誌を出して、それによる業績が若干好転いたしておりますので、逐次回收を続けておる、こういうことでございます。
  22. 三宅則義

    三宅(則)委員 監督しておるというのに、幾らかということがおわかりにならぬということは、はなはだ解せないことで、もう少し内容に立ち入つて監督することが、私は政府といたしましても当然だろうと思うのであります。もちろん交通公社につきましては、世間宣伝部門ということを預かるわけでありますから、ある程度まで積極性を持つことは必要でありまするが、ただ民間のある会社と、結託じやございませんでしようが、相当融通したということを聞いておる。ときには浮貸しなどということを言われた場合があるのですが、浮貸しとは認めませんが、少くともその経理面については、常識を逸しておつた、こう言い得ると思う。こういうものを二月も三月も半年もうつちやつておいて、決算面には出て来ないにいたしましても、新聞に出て初めて騒ぐということでは、私どももおもしろくないと思いますから、もう少し常時政府部門といたしましては、この監査と同様であるとは言いませんが、少くとも三月目ぐらいには、内容に対しまする経理状況につきまして、会計検査院と並行いたしまして、本省自体もこれを監督する必要があると思うのですが、これについてどういう構想を持つているか、承りたい。
  23. 荒木茂久二

    荒木政府委員 御趣旨の通りでございまして、逐次監督をいたしておりますし、その経理内容も全部私の方へ報告して来ております。ことに補助金の面に関しましては、詳細なる計画書と、それから実施の経過を報告いたしておりますが、ちようどその資料を本日持ち合せておりませんので、申し上げかねるわけでございます。
  24. 三宅則義

    三宅(則)委員 どうぞひとつ今後とも非難を受けないように、われわれは決算委員といたし、また大蔵委員といたしましても、常にそういうことは心配いたしておる。一私事業でありまするならば、その会社がつぶれれば済むのでありますが、こういう交通公社であるとか、弘済会というものは、国家的の一つの別動団体ともいい得るところの強力なる団体一つでありますから、つぶれたり、世間に恥をさらしたり、また国民疑惑を受けるようなことがあつては相ならぬ、こう私どもは考えるかけでありまして、今後とも、決算委員会を通じて申し上げたいことでありまするが、これは国民の輿論であると思いますから、強く政府要望いたしたような次第であります。  次は、方向を転じまするが、現今港湾設備――もちろん終戰になりましてから五年になつておりまするが、なお回復していない地域もあります。しかし講和を眼前に控え、将来は国際貿易までなさなければならぬと同時に、近海航路その他についても、港湾ということについては、相当考慮を拂つて改善施設しなければならぬと思うのでありまするが、これについて、現今のあらましの構想けつこうですが、港湾局長がおられましたら承りたいと存じます。
  25. 黒田靜夫

    黒田政府委員 現在の日本港湾状況が、どうであるかという御質問でございますが、現在日本港湾は、輸送一つ結接点の場といたしまして、能力的に見まして、相当隘路となつておることは事実でございます。将来外国貿易の伸張、さらに輸入の確保とか、あるいは輸出の振興のために、外国貿易港湾相当力を入れて行きたい。それからまた内国貿易といたしましても、重要港湾重要物資輸送に力をいたしております。さらにまた先般来の台風とかその他の天災に対して、防災工事、各般の災害復旧等工事、あるいは本格的な防災工事をいたしております。また地方港湾に対しましては、地方産業開発、あるいは民生安定の立場等から、これ等に対しましても、産業効果の多いものから、順次取上げて参つて来ております。そこで一番主眼となりますこれらの外国貿易の港に対してでございますが、現在横浜、東京、神戸、関門、博多の五港におきましても、その主要なる公共施設の七割ないし十割は、占領軍の專有となつております。このために公共施設岸壁は、その八割の機能が少くなつておりまして、日本側に自由に使えますものは、二割程度しかございません。さらにこの施設の点から申しまして、それではほかに残りの港湾が使えるではないか。たとえば隣接しております神戸では大阪港、あるいは名古屋港、四日市港、清水港等が考えられるのございますが、これらの港の公共施設の中には、ジエーン台風等によりまして、相当被害を受けておるところもありまして、これらの施設全般を合せましても、接岸施設におきましては、ようやく戰前の三五%しかその能力がございません。さらに日本の港におきましては、接岸荷役と同時に、沖荷役に今まで主力が注がれておりまして、戰前におきましては、沖荷役が六割、接岸荷役は四割という割合になつておりましたが、この沖荷役の点につきましては、はしけが戰災あるいは数次の風水害等によりまして、現在六大港におきましては戦前の三分の一、全国的に見まして二分の一の能力しかない実情でございまして、これらの主要港湾におきます現状は、現在におきまして、荷役取扱い能力と、実際動いておる貨物の取扱いはどうかと申しますと、昭和二十三年、二十四年におきましては、どうにか能力の方が勝つてつたのでございますが、逐次日本の産業が復興いたしまして、本年度におきましては、能力の方がいささか一割ないし二割見当負けておりまして、取扱い貨物の方が多いような現状になつております。そこで、いかなる現象が起きておるかと申しますと、舟が入つて来た場合に、荷役待ちをしなければならぬ、あるいは標準の荷役日数が遅れる あるいは夜間荷役その他の強行荷役をやりまして、これをカバーしておるような現状でございます。ところが、二十六年度におきましては、さらに生産指数その他輸送の見通しの点から行きまして、貨物扱いトン量は、今年の二割ないし三割を上まわるのではないかということが予想されます。それに対して打つべき手を、今のうちに打つておかなければなりませんので、港湾局、運輸省といたしまして考えておりますことは、まず何がゆえに、こういうはしけが少くなつて戰前のように復旧できないかということを考えてみますと、これは港運業者の企業が非常に弱くて、中小企業でありますために、新しいはしけをつくる財政的の能力が少い点でございます。これらに対しましては、港湾運送業法を考えまして、はしけその他荷役機械の財産抵当権を設定いたしまして、これらに金融の道を考えてやる。あるいははしけの登録をいたし、あるいは港湾運送業の登録をいたしまして、これに不当なる濫立の競争のないように、あるいは荷役料金等におきましても、定額料金の届出をしまして、適当なるサービスによる競争を主眼といたしました港湾運送事業法案を成立せしむべく、努力いたしておる次第であります。  さらに公共施設におきましては、今年度は全体で港湾予算は二十九億円何がしでございまして、この港湾改良費は、一般の公共事業費の大体五%程度だと存じますが、戰前はこれが八%ないし一〇%ございました。いろいろな事情によりまして、二十五年度、二十六年度予算は、港湾の公共事業の占める比率が五%前後で、はなはだ遺憾でございますが、来年度からはこれを増額するように努力いたしたいと存じております。さしあたつて、また公共事業施設は、先ほど申しました主要なる外国貿易港につきましては、見返り資金、あるいは何らかの財政措置によりまして、二十九億円を、いろいろ各方面と折衝いたしておるような現状でございまして、そのほかに上屋倉庫の私有企業に対する見返り資金の導入等についても、努力をいたしておるような次第でございます。  以上お答えいたします。
  26. 三宅則義

    三宅(則)委員 徐々に一つ一つつて行きますと、よくわかるのですが、長いことを言われますと、わからなくなります。今お話なつた中で、陸上運送は、トラックとかあるいは何とかということになつて便利でありますが、海上も、港湾あるいは近海等に対しましては、小運送に属する小運搬の海運輸送法を設けるということですが、これは私も趣旨に賛成です。ただお話の中に見返り資金ということがございました。見返り資金は、大蔵省の主計局長もおいでになりますが、もう長いことは日本の国では使うことはできない、こういうふうに考えられるわけでありまするから、その他の方面において考えなければならぬことであります。もちろん港湾の荒廃いたしておりまするものを復旧することは、私も賛成です。ただここに関連いたしまして、耳ざわりが悪いでしようが、実は密貿易というものが知当ある。私の承るところによりますと、名古屋の近海までも、どこかの船が来ておつたということを聞いておるのであります。密貿易等に対しまして、相当日本の物資が運ばれつつあるという現状を、われわれは考えておるでありますが、政府としては、ちつとも思つておりませんか、どういうふうに考えておりますか、承りたいと考えます。
  27. 黒田靜夫

    黒田政府委員 海面におきまする治安並びに海難の防止につきましては、私港湾局長でございますが、港湾局長といたしましては、関知しておりません。これは海上保安庁の所管に属するかと存じます。
  28. 三宅則義

    三宅(則)委員 見当違いと言われるならば、あまり質問はいたしませんが、ただこれに関係をもつて港湾局長というものは貿易とか、あるいは海上ということについては、相当関心を持つてもらうということが必要でありますから、正確な御答弁ができなければ、今日は要求いたしませんが、なるべく貿易とか海上とかいうことについては、港湾局長も関心と努力を持つて研究してもらいたいと私は思うのですが、いかがなものでしようか。
  29. 黒田靜夫

    黒田政府委員 御説ににまつたく賛成でございまして、その通りいたします。
  30. 菅家喜六

    ○菅家委員長 高橋君。
  31. 高橋權六

    ○高橋(權)委員 先どいろいろ三宅委員からお尋ねになつておるうちに、相当御答弁になつておりますが、ただ乗客に対しての優遇ということにも関連いたしまして、戰前に強制買收した私設鉄道を、拂い下げるかのような話を聞いておるが、そういう考えがありますか。
  32. 足羽則之

    足羽政府委員 今の高橋さんの御質問は、戰前に強制買收した鉄道を、拂い下げるつもりがあるかというお話でございますが、これは戰時中に買收をした鉄道のことではないかと思うのでありますが……。
  33. 高橋權六

    ○高橋(權)委員 戰時中です。
  34. 足羽則之

    足羽政府委員 戰時中に買收をした鉄道の拂下げの問題は、かつての議会も、その拂下げ法案が提案されたことがあるのでございます。今国会にも、拂下げ法案を国会提案として出したいというふうな話があるように私たち承つておりますが、政府の方から提案するという話は、ただいまのところございません。
  35. 高橋權六

    ○高橋(權)委員 名前は遠慮いたしますが、ある線のごときは、小川平吉氏が鉄道大臣当時であつて昭和十一年ですから、その鉄道が敷設されれば五百万円の損害である。だからといつて反対したのを、しやにむに建設しておつた。今われわれの国有財産になつておる。これは一線の引例にすぎないが、それを今度また拂い下げるならば、今日の時価で見積つたら、相当の価格になるものであると私は思う。荷物を出すときは下り坂で、空車をひつぱつて行くときは坂も楽に行くから、石炭もいらないというような便利なところもあるのだから、そういうところから考えて、せつかくわれわれ国民の財産になつておるならば、ある場合には損をする場合もありましようが、私はもしこれを拂い下げるような空気でも出たときには、あなた方の方からそういうことのないように、防波堤になつてとめてもらいたい、こう思います。もし出るなら、またこの前のように、私、田渕氏と二人で大いに力むつもりでありますけれども、そういうお考えがあるかないか。あくまで言つて来たら拂い下げる方にやられるか、それをちよつとお聞きしておきたい。これは国民のためであります。
  36. 足羽則之

    足羽政府委員 戰時中に買收された鉄道の拂下げ法案が、国会提案として出るような話は承つておりますが、私たちの方でそういう法案を出す考えはないということは、今御答弁申し上げた通りでございます。もし、かりにそういう法案が出るといたしますれば、それは国会においてよろしく御審議を願いたい、こういうふうに考えております。
  37. 高橋權六

    ○高橋(權)委員 これはささいなものであるけれども、これがために、非常に国家的損害を来しているものである。あの夜具のごときものを、移転、転任とか、いろいろな場合動かすのに、手かぎをもつてひつかくために、非常に損害を受ける。せつかく新しい夜具なんか破れてしまつて、ふせをしなければならぬ。せつかく新しいふとんを送つたのが、向うへ着いたらもう古いふとんのようにふせばかり当てなければならぬ。それからふとんカバーのごときは非常に高い。金持様は平気かしらぬが、細民は家宝ともいたすべきような――そんなこともないけれども、その大切なふとんカバーが破れている。カバーばかりならいいが、中がまた破れているということになつている。こういうことに少し注意されるように――その他の家具もそうであるが、ことにふとんのようなものは困つている人が多いのだから、御注意なさるお考えがあるかどうか。
  38. 足羽則之

    足羽政府委員 手かぎの使用禁止というようなことは、国鉄でも従来からしばしばよく現場に対しては指導しているところであるように、私承知いたしております。なおそうした御希望の向きを、よく国鉄の方に注意をいたすようにいたしたいと思います。
  39. 高橋權六

    ○高橋(權)委員 マツチ箱みたいな狹い日本の国の車掌が、九州は九州、何何鉄道局管内は何というふうにされる理由は、どういう意味ですか、ちよつと私は聞きたい。車掌をずつと転々とかえる。どうしてああしなければならないか、どういう便利があるか、ちよつと伺いたい。
  40. 足羽則之

    足羽政府委員 車掌が列車に乘務しております場合に、それが短区間でしばしば交代するのはどういうわけか、こういう御質問のようであります。これは非常に長い区間乘せることと、それから短かい区間に区切つて乘せるという利害の問題だと思いますが、やはり適当な区間で区切つて、自分で手なれた、よく事情を知つておる区間で十分に客扱いをやらす。それからもう一つは、やはりある適当に区切つた区間で仕事をやらすことが、監督上も必要だと考えられておるんじやないかと思います。  なおまた車掌の乘務時間なんかの点から考えましても、適当な乘務時間で区切つて勤務をさす、いろいろそういつたような点から、あるいは仕事がうまく行くようにという点、あるいは勤務時間その他監督上の点、いろいろそうした点から、適当な区間で区切つて車掌を乘務させているのだというふうに思つております。従つて、あるいは非常に長距離の急行列車なんかになりますと、東京から大阪までとか、それぞれ列車の性質によつては、長い乘務をさせている列車もある、あるいは区間列車につきましては、短かい区間で勤務を区切つている。それぞれその列車の性質と仕事の性質に応じて、実際どういうふうに乘務さすことが一番効果的であるかという点で、そういうふうに区切つているんじやないかと思うのであります。  以上それにお答えいたしたいと思います。
  41. 菅家喜六

    ○菅家委員長 高橋君に御交渉申し上げますが、今日の議題は、批難事項にとどまるわけではないが、運輸省関係の全般の決算関係することにとどめて、なるべくそれに重点を置いて御質問を願いたい。
  42. 高橋權六

    ○高橋(權)委員 これは決算には入らぬけれども、無形の決算だから、私は言わせてもらう、大事なことです。
  43. 菅家喜六

    ○菅家委員長 それは他の適当な委員会があるので……。
  44. 高橋權六

    ○高橋(權)委員 私は明日帰らなければならぬから……。
  45. 菅家喜六

    ○菅家委員長 なるべく決算に関連を持つ質問にとどめてくれませんか。そうでないと、委員会の運営上困る。
  46. 高橋權六

    ○高橋(權)委員 ただいまの当局の御答弁によりますと、そういう点もあろうと思うが、アメリカは、党派を超越して対外問題には一致するぐらいにやつておる。一番まずいのは、鹿兒島まで「きりしま号」で行くのに、ずつと車掌がかわる。お客様は九州までかわらないで行く、ところが車掌がかわる。このお客様はいい人とか悪い人とか検査するためにも、かわらぬことが必要だ。それから車掌と親しくなつて行くこともできる。もう一つは、すわ何事か起つたときに、こちらのことは知りませんじや、私はいけないと思う。九州の車掌も東京へ来るし、東京の車掌も九州までやつて行くようにしたい。車掌はかわるが、ボーイはかわらない。ボーイも人間じやないかと言うと、そうじやない。ボーイは九州の博多までもついて来るし、鹿兒島までも、下関までもついて来る。車掌は人間であつて、ボーイは人間ではないというような感じが私は起りはせぬかと思う。車掌がかわらなければ、客と、その衝に当る人と長く親しくなるというようなことができると思う。メンタル・テストもできて、あの人の乘つたときは危險が多いとか少いとかいうこともありませぬか、これはささいな問題のようであるけれども、大きい問題です。九州の車掌あたりは、東京の方にも来て研究したいと言つている。ところが、下関まで来て、ぽつとおつぽり出乱れる。それで非常に大問題だ。今度全部乘せるように改正してもらいたい。昔私らの学生時代には「冨士号」なんかはそうだつた。これをこういうふうに改正される御意思があるかないかということを、ひとつ考えておいていただきたい。  それからもう一つここにお願いしたいのは、もうかることで、決算にも関係しておることですから申し上げますが、鹿兒島本線の羽犬塚駅から黒木町まで矢部線というのができた。ところが、黒木町から先の矢部までうつちやらかしておるので、福岡県の長材物も、黒木町までで打ち切られて先へ行かない。黒木町から矢部まで延長すれば、宮崎県からの長材物も搬出ができ、大分県の長材物も搬出ができて、もうかるわけであります。これがいつまでも実現されないということが、もうかり方の少い原因になつておる。もう少しもうかるようにして、みなの産業のためになるようなお考えがあるかどうか。閣議は二回かかかつておるようで、私は願つて出ておりますが、まだ実現しないが、あなた方はどういう程度研究しておられるか、ちよつとお尋ねしたいと思います。
  47. 足羽則之

    足羽政府委員 あの線につきましては、私ははつきりした知識はございませんので、帰りましてよく研究してみたいと思います。
  48. 菅家喜六

    ○菅家委員長 高橋君に申し上げますが、議題と離れた、議題に関係のない質問を続けて行きますと、運輸委員会なりその他でやるべきことをこの委員会でやるようになつて、きまりがつかなくなる。きようの議題というものがあるのですから、その議題に関連する質問にとどめていただきたい。監督局長に対する今のような御質問では、監督局長として答弁できないと思う。そういうことが必要なら、あらかじめ委員長まで質問の要旨を提出しておいてくだされば、委員長の方で適当に運輸の関係当局に来てもらつて、この席上で御質問願うようにいたします。それでないと、本日の議題から離れてしまいます。
  49. 高橋權六

    ○高橋(權)委員 わかりました。
  50. 三宅則義

    三宅(則)委員 時間もありませんから、二、三残つた問題を申し上げます。実は河野主計局長は、本日もお見えになりましたが、過日もおいでになりまして、質疑をかわしたことでありますが、運輸省のお歴々がおいでになるから、その方々と押問答をするようですが、聞いておいてもらいたい問題があります。およそ官庁会計というものについては、金銭につきましては、特に嚴重監督をいたしております。これは当然であります。ところが、物品については、監督もあまり嚴重でないということが、この前の河野主計局長と押問答の末、それはわかつた。私どもは、各官庁とも金銭と物品とは同じ値打である、やはり国費を費して購入いたしたものでありますから、物品の貯蔵ないしはそれの配給、あるいはその整頓ということにつきましては、嚴重監督と、その出入りを検査するのが当然であると思いますが、この批難事項にもちよいちよい出ております通り、やや緩慢に流れ過ぎておると思います。それを運輸省当局は、何十万人という人の使用いたしますところの雑品あるいは営業科目に属しますところの品物等について、どういうふうに監督しておりますか、この際当局から嚴格なる答弁を承りたい。
  51. 三木正

    三木説明員 仰せの通り、ややもいたしますると国有鉄道におきましても、公金につきましては、非常に全部の関心も強いのでございますが、物品につきましては、ルーズとは申しませんけれども、金銭よりも、ややおろそかになつておるきらいが確かにございます。どうしてもこれは十分嚴重に、物と金とは何らかわりない、むしろ物の方が大事な場合もあるのでございまして、十分に考えて行かなければならぬと存じております。物品は金銭よりも、保管なりその他非常に困難な、集計をするについても何をするにつきましても、金銭のように普遍的ではございませんので、監督あるいは大事にして行くことについて、非常に困難が伴います。その困難を伴うことを十分承知いたして、腐つたものは腐つたで、なぜ腐つたか、腐らない方法をどうするかということを十分に根本にさかのぼつて、物を大事に使うということをやつて行かなけばならないと、私考えておる次第であります。
  52. 三宅則義

    三宅(則)委員 今の三木さんのお話によりますと、まことに物品も大切であるということをお考えなつたので、けつこうであります。監督上なかなか困難とは存じますが、金銭の監督と同様に、物品の監査官といいますか、検査官といいますか、そういうものを各部局に置きまして、相当嚴重にこれを監督して行くことが必要だと思いますが、そういう用意を持つておられるか持つておられませんか。もしお持ちでなかつたら、今後持つてもらいたいと思いますが、どういうお考えですか、政府当局よりひとつ御答弁を願いたい。
  53. 三木正

    三木説明員 同様にやるつもりで、関係事務所に監査員というものを置いておりまして、そういうものが金銭帳簿のみならず、物品の帳簿あるいは物品の保管などを監査してまわるということをやらせておりまして、ますますそれを強化して行きたいと存じております。
  54. 井之口政雄

    ○井之口委員 先ほど国有財産としての鉄道の拂下げ問題が出ておりましたが、阪和鉄道――大阪から紀州新宮に参りますところのあの鉄道も、これはいろいろ拂下げの運動も起つているし、反対運動も起つているし、社会で非常に注目されている。あの評価価格というふうなものに対して、会計検査院の方では、どういう考えを持つていらつしやいますか。たとえば組織的に、これが建設する場合は幾らぐらい、何年ぐらいかかる、そうしてこれが買い上げる場合には幾らぐらいの物価であつたために、このくらい、今これを建設するとすれば、幾らぐらいかかり、そうして今これを拂い下げるとすればどれくらいの価格に評価するのが適当であろうというような点が、会計検査院においてあらかじめなされておるかどうか、その点簡單にお聞きしたい。
  55. 山名酒喜男

    ○山名会計検査説明員 ただいま御質問のありましたような買收関係につきましては、買收契約及びそれに対する金銭の支拂いに際しては、十分内容の検討の要点といたしまして、そういうような点についての検査を進めて参りたいと思つております。またそういうことで実地検査及び書面検査を行つているわけであります。
  56. 井之口政雄

    ○井之口委員 私も指定して問題を出しているのですが、もう少し具体的に、大阪から新宮まで行く鉄道について、例を引いて御説明願いたい。ただ研究中であるというだけでは、どこをつかまえようもございませんので、それについてどういう組織をもつて、今やつているならやつている、そのときにならなければわからないのだ、そのときになつてまた国論が沸騰して、そういう事件が起つてからでなければ、会計検査院の方では手がつけられないのだというふうな考えならば、その通りでよろしゆうございますが、何かもう少し具体的に承りたい。
  57. 山名酒喜男

    ○山名会計検査説明員 会計検査院の検査は、事後検査になりますので、一応政府において、法律に基いて買收の計画をお立てになり、また買收価格をおきめになりましたとき、いわゆる支出負担行為が行われましたときに、その支出負担行為の要点についての事後検査をやることになつております。従つてまだそこまで段階が参つておりませんければ、審査も後の問題になりますので、先行いたしません。
  58. 井之口政雄

    ○井之口委員 それでは運輸省側にお聞きいたしますが、運輸省側では、もう先々国会あたりから、ずつとこの問題が出ておるのでありますから、大体そういうことに対しても調査を行い、方針もきまつておるのでなかろうかと思うのでありますが、その点ひとつ。
  59. 足羽則之

    足羽政府委員 かつて拂下げ法案が国会に提出になりました場合に、一応調べたことはございますが、その後非常に物価の変動もあるわけでございますし、従つてそのときに調べたものでは、現在では大体の評価がどうだということは、少し無理ではないかと思います。それからなお、今度拂下げ法案が提出になるように私聞いておるのでございますが、おそらく、もし提出になるといたしますれば、その法案の中でどういうふうに評価するかという方法なり、あるいは手続あるいは標準といつたようなものを、当然その中にうたわれるものではないかと思うのでございますが、いずれそういうふうになりますれば、それに従つてそういうものは定められるかと思うのであります。なお、もしそういうことになりますれば、どういう程度の、どういうような価格のものというような点についての事務的な資料は、やはり準備もあるし、調べなければならぬわけでございましようが、まだそういうふうに法案自体がどうなりますか、私たち存じておりませんので、ただいまのところ何とも申し上げかねる次第であります。
  60. 井之口政雄

    ○井之口委員 前にやつたので、大体一応決定しておいたというような御意見のように承りましたが、そういう中間的な決定をしておつたものでもありましたら……。
  61. 足羽則之

    足羽政府委員 決定しておつたわけではありませんので、前に国会でそういう法案の御提案がありましたときに、事務的にいろいろ検討した資料があるということを申し上げたのでございまして、別段決定をいたしておつたわけではございません。
  62. 井之口政雄

    ○井之口委員 その資料は、いずれ法案審議の場合に出て来るのでございましようね。
  63. 足羽則之

    足羽政府委員 もしそういう法案が提出になりまして、そして資料を求められれば、私たちの方といたしましては、役所としてできるだけの資料は御提出をいたさなければならぬことになると思いますが、当時のその資料は、先ほども申しましたように、ずつと以前の資料でございますから、これはあらためて調査をいたすなり、必要な資料を整えなければならぬと思います。
  64. 井之口政雄

    ○井之口委員 それではその資料は別問題といたしまして、運輸省全体として、朝鮮事変が起つてから後、相当大きな変化が起つているだろうと思うのであります。輸送の激増並びにそれの支拂い方の関係等々について、変化が起つているだろうと思うのであります。従来の連合軍の輸送等の費用は、これは終戰処理費から出さるべき性質のものでしようが、それとは別個に、朝鮮事変のために送られるところの軍需品、爆彈、大砲、いろいろなものの輸送につきまして、これはどういうふうな会計になつているのでありますか。開始以来最近までに、大体どれくらい鉄道はその会計の中に御收入になつているか、これをひとつ伺いたい。
  65. 足羽則之

    足羽政府委員 突然の御質問でございますので、実は御返答申し上げる資料を持つておらぬのでございますが、ただそういう数字につきましては、これはここで御発表申し上げることは、ちよつとできない数字だと思いますので、その点をお含みおきを願いたいと思います。
  66. 井之口政雄

    ○井之口委員 それなら確実なる数字の発表はないといたしましても、大体減りはしないだろうと思います。ふえるとすれば、輸送が何割ぐらいふえたか、それからそれに対する支拂い関係はどういうふうになつているかというふうな点ぐらいの御返事は、さしつかえないのではなかろうか、その点はどうですか。
  67. 足羽則之

    足羽政府委員 それは、輸送としてはふえておると思うのでございますか、しかしそうした数字の点なり、あるいはこれの取扱いについての御返答は、控えさせていただきたいと思います。
  68. 井之口政雄

    ○井之口委員 それならそうといたしまして、先ほど見返り資金のいろいろな融資を国鉄が受けておるというふうな御返事のようでございましたが、あの見返り資金は、予算委員会でも、大蔵委員会でも、明らかになつておりますように、これはアメリカに対する借金ということになつておる。してみると、そのひもがついておる金を国鉄が借りておるということになつておるのですが、これに対する返済方法等がどうなつておるか、もしこれを永久的にどんどん借りて行くということになると、自然日本国鉄は担保に入るということに立ち至る性質のものではないか、この点についていかがでございますか。
  69. 足羽則之

    足羽政府委員 二十五年度に、一般会計から四十億出資があつたのでございますが、これは見返り資金からの出資ではございませんので、一般会計からの出資でございます。それから二十四年度にたしか百五十億見返り資金から借りたと記憶いたしておりますが、これは預金部資金に肩がわりをいたしたので、やはりこの御質問に対しては、預金部資金に肩がわりしておる。従つて見返り資金に対する返済の問題というような点は、国有鉄道会計といたしましては、そういう問題はない、こういうように御承知願いたいと思います。
  70. 井之口政雄

    ○井之口委員 将来もないのでございますか。将来も見返り資金からそういう金を借りて、これが外国の担保に入るとか、外国からの負債になる。そういう点がひもつきになつて来るのじやないかと思いますが、将来に対してはでうですか。
  71. 足羽則之

    足羽政府委員 将来のことは、何ともわからぬのでございます。
  72. 大上司

    ○大上委員 二、三お尋ねいたしたいと思います。まず第一に、本委員会に付託されたところの決算ですが、特に日本国道の方にお尋ねしたいと思います。これは二十三年度の問題ですが、それまでにちよつと予備的に聞いておくのですが、二十四年度のものを見ておりまして、会計検査院の検査報告によりますと「財務諸表の表示が適確でないもの」という項が上つております。その中に「実際に使用しない貯蔵品を経費に処理したもの」―いわゆる根底からこの組み方がなつていない。但しこれは昭和二十四年度分でございますから、次の段に譲りまして、さてそこでお尋ねいたしますが、一体官庁簿記といいますか、こういうふうな処理の方法は、どのようにしておられるか、これをまずお尋ねしたいと思います。  その次に、二十三年度の決算報告書を見ておりますと「出納職員に対する検定」というのがございます。この中におきまして、運輸省所管におきまして、――他の省においてはあまり実例を見ないのですが、有責任と検定せられたものが六件ある。郵政省が六件、厚生省が二件、このようになつております。いわゆる出納職員に対する検定批難事項としてあがつておるものの中で、なぜ運輸省がこれだけ数字が多いのか。もちろん、これには鉄道公社も入つておりますが、さすればこれに対する大蔵省の專売公社が当然入つている、あるいは郵政省、電気通信省の両省にまたがつて、一番末端で預金部資金といわれておるところのあの簡易保險も扱つているが、あまり事件が出ておらない。にもかかわらず、なぜ運輸省だけこのように件数が多いのか。これに対する指導監督といいますか、現在行われている是正方針がどのような方向に行つておりますか、まずこの二点をお尋ねいたします。
  73. 三木正

    三木説明員 私どもでは、出納職員が駅の現場におきまして、出札、小荷物、貨物等の現金扱いをすることが、他省に比べまして非常に多いのであります。それで終戰後いろいろ不心得の者が、ございましてこういう事件を起したのでありますが、そういう点に関しましては、十分監督なり予防の措置を講じましたので、逐次減少して参りまして、昨今では非常に減つたような現状でございますが、残念ながら二十三年度におきましては、そういう不心得な者を相当数出したことは、申訳ない次第だと思つております。
  74. 大上司

    ○大上委員 前委員会においても、文部省所管で話をしたのですが、今御答弁なさつたのは鉄道公社の三木経理局長と心得ております。従つてこれは、公社となつて昔のような運輸行政面から切り離されたためにできたのか。私の聞かんとするところは、いわゆる行政権の行使に関係してできたのか、あるいはそうでなく単なる戰後のいろいろな不統一と申しますか、あるいは教育方法の誤つてつたのがこういう点に出たのか、そのいずれであるかをお尋ねいたします。
  75. 三木正

    三木説明員 組織の関係とは全然関係ございませんで、まつたく戰争中あるいは戰後一般の社会事情が不安定でありました際に、そういう多数の不心得な職員がおつたということに盡きると思つております。
  76. 大上司

    ○大上委員 計数に基いたものは、また次の二十四年度でもやれると思いますから、一応省略しますが、どうも不心得あるいは申訳ないということでは、国民の代表としてわれわれは了解に苦しむという点を、特に速記録にとどめてもらいたいと思います。  その次に、幸い、きようは主計局の東條次長も出ておられますので、お尋ねいたします各省にまたがるわけではございませんが、運輸省所管についての主計局対運輸当局の交渉経過と申しますか、主計局がなかなかやかましい、従つて各省は主計局に出す場合に相当水増しをしておく、これがまた最終に削られるということを聞くのです。聞く程度だからわかりませんが、主計局において、運輸省から持ち込まれた計数の処理方針と申しますか、特に運輸省については、どこに着眼して見ておるか、この点をお尋ねしたいと思います。
  77. 東條猛猪

    東條政府委員 ただいまのお尋ねは、各省と大蔵省、特に主計局との間において、予算の話合いが、必ずしも当初から円滑に行かない。従つて各省から主計局に提出して参ります予算の要求書に、場合によつては水増し等があるのではないかというお尋ねでございますが、政府の部内で、毎年度の予算について折衝協議をしていろいろ検討をいたします場合においては、各省にあきましては、またいろいろの抱負なり計画というものをお持ちでありまして、ぜひこれもやりたい、あれもやりたいというようないろいろの観点なり計画に基いた要求がありますることは事実でございます。それから主計局におきましては、御案内のように、租税負担あるいは專売益金、その他いろいろの雑收入というような歳入の見込を基礎にいたしました場合に、各省の要求をこれらの財源をもつてはまかなえないという場合におきましては、政府の部内におきましても、場合によつてはあらためて各省の考えておられることを考え直していただく、また再検討をお願いするということが、予算のまとまるまでの交渉の経過においてあることは事実でございます。ただ、これまた御承知のように、内閣全体といたしまして、予算の編成をどういう方針でなすかということにつきましては、毎年国会方面の御意向をも十分承りまして、閣議において予算の編成方針が定められまして、申さば各省の事務当局におきましても、その予算の編成方針に基いた要求書が提出せられ、また主計局といたしましても、編成方針のラインに沿つて、いろいろと協議を重ねる次第でございます。従いまして、政府の部内におきまして予算の話合いがきまりますまでには、いろいろの交渉の経緯において、場合によつて相当深刻な意見の不一致というようなこともあり得るわけでありまするが、一たび閣議できまりました予算編成方針に基いて、最終的に閣議で定まりました場合においては、政府部内全体といしまして、その計画に基き、その計数に基いて予算の編成いたされて、それがまた国会に提出されて御審議を煩わすということになつておる次第でございます。従いまして、いかなる予算編成方針がとられるかということは、右申しましたように、あらかじめ定めました予算の編成方針に基きまして、たとえば昭和二十六年度において、運輸省関係の経費は何に重点を置き、いかなる計画を基礎として定めるかということは、あらかじめ定めました予算編成方針を基礎として、もつぱら話合いが進められている次第であります。
  78. 大上司

    ○大上委員 大体政府部内の予算の決定についてのお説は了承いたしました。その場合に、閣議においてこれを調整し、あるいは国会に諮るということは了承するのですが、事務的な部面といたしまして、たとえば港湾局において、どこかの港湾を修理したい、これが必要であるとする際に、港湾局においては、相当の技術屋といいますか、あらゆる技術者がおるので、特別な計算方法に基いて計数を出すとすると、主計局にはこれに対抗し得るだけの技術者がおるか。技術の面のものも、あるいは計数を扱う者をもつて基礎的にお話合いをお進めになるか。これも聞いた程度ですが、たとえば二十六年度の予算において、これが必要であると閣議も決定し、予算の編成上重点とせられた場合にも、金額の査定違いというのがあるやに聞いておりますが、主計局は單なる事務的のデスク上だけのものか、特別なる專門家はおらないのかという点を、お尋ねいたします。
  79. 東條猛猪

    東條政府委員 お話が公共事業、特に港湾関係を例示してのお話でございますので、公共事業費の系統につきまして、今実際どういうふうに行われているかということを、簡單に申し上げさせていただきたいと思います。  公共事業につきましては、現在の主計局に各省の技術陣でお持ちになつているだけの技術的な人が、十分そろつでいるわけではございません。これは御承知のように、行政機構というものはなるべく簡素化し、各省相互に協力し合い、また相当に信頼し合うという建前から、主計局は各省に相当するような技術陣は持つてもおりませんし、またただいまの政府の全体の措置といたしまして、持たない方がいいのではないかというふうに、現在のところ考えているわけであります。ただ公共事業につきましては、御承知のように大蔵省と安定本部と両者が相談をいたしまして、公共事業のいろいろこまかい内訳は、関係各省と相談いたしまして、いわば三者が相談の上できまるというのが、ただいまの現状でございます。そうして安定本部の建設交通局は、ある程度技術関係に堪能な方を持つておられます。従いまして、もし主計局におきまして、各省に相応するような十分な技術陣がないといたしましても、現状においては、それは相当程度安定本部の技術的な方々の経験あるいは知識というものによつて補充せられ、その上さらに各省に技術的な專門知識を持つた方かおられるので、政府全体として話合いの上で定まつて参る。そこで主計局といたしましても、あるいは安定本部といたしましても、財政全体の観点から、この港湾についてはこう、この港湾についてはこうというように、一応の腹案と申しますか、下案ができましても、実際におきましては、その上に各省の意見なり技術的な知識というものを十分に取入れ、あるいはこれを傾聽いたして予算の実務を行われておる次第であります。ただいま公共事業関係仕事の運びは、大体そういうふうなことになつております。
  80. 大上司

    ○大上委員 そこで、次は会計検査院にお尋ねしたいのですが、今申しましたような方法で、あるいはお答えになつたような方法で予算を編成せられ、その結びが決算である。これを毎事業年度ずつと繰返しておるわけですが、予算とそれから実際の決算との間に相当のギヤツプが出た――この決算上の不正行為、これは別問題として扱つてつて、大体予算決算のにらみ合いで、ギヤツプが出た場合があると仮定いたします。そういうような場合において、もちろん会計検査院の機能、職権から見まして、これを使用した各省へ命令で持つて行くわけにいかない、現在はそのように了承しておるわけですが、そのようにギヤツプが出た決算面があつたかどうか、それをひとつお尋ねしたい。
  81. 山名酒喜男

    ○山名会計検査説明員 お尋ねの予算決算のギヤツプということになりますと、結局予算單価が向上いたしますれば、予算のときに見込まれただけの工事ができなかつたり、物品の調達ができなかつたり、あるいは経済界の情勢で、年度内でできる予定であつたものが翌年度にならなければできないというようなことで、工事の繰越しという手続が行われるわけであります。さような点で、審査いたして参りまして、予算実施の面において、当時の物価事情から考えて、予算單価の通り行かなかつたということでは、私の方は責めていないのでありまして、大体予算單価の場合より相当高くかかつても、当時の情勢がそうでありますればやむを得ない。それからまた調達の問題にいたしましても、年度内にいろいろ手配をやつてもできなかつた、そうして年度を繰越したということになりますと、これまた事態、條件を勘案いたしまして、やむを得ないと見れば、それを不問にいたしております。ただ実施上、当時の情勢からいつて、この程度の値段で買えたはずだと、こちらが予算と條件を勘案いたしまして考えました際、さらにそれより上まわつた値段で買いましたり、あるいは予算の示達を早めにやり、設計を早めに立て、契約を早めにやつて請負人を督促して参れば、年度内に工事が十分こなせたはずであつたのに、それが不十分であつて、年度を越して工事がまたがつている場合には、予算通り工事が進捗していないという点について追究をいたしております。
  82. 大上司

    ○大上委員 そこでもう一つさらにお尋ねしたいのです。なるほどその予算編成の時期と中間過程における物価の上昇という点は了承いたしますが、毎年度会計検査院からちようだいする決算検査報告書によりますと、相当批難事項が出ており、その中には職員の面におきまして、非常に芳ばしからぬ点がある。その点について当局の説明は、はなはだ申訳ない、まことに遺憾であるというような表現をしておるのです。そこで結論といいますか、特に会計検査院と、それから主計局の東條次長さんのお二人にお聞きしたいのですが、会計検査院が調査をなさつて報告をして、これを各省へ通告をなさつて、これに対して検査院の方は、各省へこれを復命といいますか、忠実に守らなければならぬという行政権と申しますか、会計検査院のあり方が、單なる通告にとどまつておるのじやないかそれで、もしもこれを再三再四繰返す場合、もちろん会計検査院に訂正するだけの権限を全面的に委讓してしまうと、なかなか問題が出て参りますが、再三再四出て来るものについては、特別ないわゆる行政権というものを持たせて、そうして各省について訂正せしめるという方法が、決算の履行上、いわゆる予算決算の編成、あるいは遂行上いいか悪いかという点をお尋ねいたします。但し私の記憶している範囲内では、会計検査院は通告にとどまつて、完全に履行せしむる権限がないというように承知している前提のもとにお話しておりますので、もし権限をお待ちならば、もともと話は白紙なんです。それで私の聞き及ぶ範囲内においての会計検査院の権限であれば、これはどうしたらよいか、両者にお尋ねいたします。
  83. 山名酒喜男

    ○山名会計検査説明員 政府会計行為が行われました場合の効力は、会計検査院の批難によつて左右されるものではございませんで、契約の価格が高いとか、あるいは契約の手続に齟齬があると申しましても、契約の効力が検査院の批難によつて左右されるものではございません。法律上の効果というものには、全然影響ございません。その点につきまして、会計検養院としては事後検査建前としておりますので、法律上の効力の問題は、影響力を與える力は、権限上持つておりません。しかし、なお取返す余地があるとか、あるいは原状回復をさせる余地があるとか、契約行為に基いて請負人の責任を追究する余地があるとかいうような場合においては、やはり行政庁に、その責任の追究、あるいは原状回復についての行政措置をなさるべきことを勧告的に推問いたしますが、これまた検査院として直接効力を左右することはできません。従つて第二段階の問題といたしまして、当該事務会計行為を執行いたしました当務者の責任を追究する道があるという問題でございますが――これも一応行政長官の権限の範囲に属しますが、行政長官の措置が手ぬる過ぎるという場合においては、会計検査院といたしましては、本属長官にあてて当該官吏の懲戒を要求することができる権能を保留いたしておりますので、事柄によりましては、それを発動いたすわけでございます。また新しく法律が出て参りまして――政府及び関係職員の会計行為で、故意、重過失または軽過失で国損を與えたものにつきましては、原状国損補填の措置をとらせ、また懲戒すべきことを当務長に要求するいわゆる予算執行職員の責任法律が出て参りまして、これの弁償責任の有無並びに懲戒をすべき事案なりやいなやということについての検定権が検査院に確保されております。二十五年六月以降の行為については、このように従来に比べて多少強い権限が保留されておりますので、間接的な影響といたしまして、政府会計行為も、相当是正された方向に持つてつているように見受けております。
  84. 東條猛猪

    東條政府委員 ただいま検査院の方からお話になりましたことで、法律関係は盡きておりまするが、多少補足的に申されていただきますると、編成された予算が最も忠実に、また効果的に執行せられるということが何よりも必要である。特に最近のように、逐次改まつてはおりまするが、一般の道義が低下いたしておるような時期におきましては、主計局といたしましても、單に予算の編成に力を注ぐのみならず、執行面にも十分の力を注がなければならないというふうに、実は確信しております。今お話のありましたように、一般国家公務員の責任のほか、昨年予算執行職員等の責任に関する法律というのを国会におきましても議決されたような次第であります。それから法律論といたしましては、ただいま検査院の御説明通りでありまするが、大蔵省主計局といたしまして、検査院からいろいろこういう点にあやまちがあつた、爾後の対策としてこういうことも考えられるのじやないかというような推問なり御批判があつた事案につきましては、関係各省に対しまして、その跡始末がどうなつたかということを常にただす建前をとつております。法律的なりくつは一応別といたしましても、主計局の方でその不始末についての跡始末をどうやつておるかということについて、常時気を配つていますことは、実際問題といたしまして、各省がその不当なる会計行為を行われましたことを是正することに、相当彼に立つております。書面の上のみならず、大蔵省でも御承知のように、各地方に財務局なり財務部もございまするし、そういうところに必要の都度連絡をいたしまして、跡始末がどうなつておるかということについての監査と申しますか、そういう意味において検査院から批難のあつたことを聞き流すということは、絶対にやつてはいけないというようなことで、大蔵省としては十分の努力をいたしております。また常に一覧表をつくつて、始末のついたものはこうだということで整理いたしております。
  85. 大上司

    ○大上委員 もう一つ主計局にお尋ねいたします。この間の決算委員会におきましても、文部省の方にお話したのでありますが、どうも政府の公共事業費その他において、あなたの方の司計課ではなかろうかと思いますが、認証がなかなかむずかしい。従つて当然もらわなければならぬのが出ない、そのうちに物価が上つてしまう。今局長さんがちよつと触れておりましたように、予算編成の時期より、実施にかかつた場合に値が上つた、こういうふうなことも多々あると思うのです。それでわれわれとしましては、これは大きな問題だというので、特別な政府契約の支拂遅延防止等に関する法律というものをわれわれあの当時議院提出として提案いたしたのであります。あれが施行せられましてから、今日までにどのような効果が上つているか、また予算の執行面において、決算期に至るまでにどのような効力の発生があつたか、これがもしおわかりでしたらお知らせ願いたい。  それから既往のような認証という制度を、年四回を二回にしたというように承つておりますが、なおこれをわれわれとしてよりよき決算とするという意味において、立法的な手段が何か残されておるかどうか、あるいはこれで満点なのか、この二点をお尋ねします。  その次に、運輸省の方にお尋ねいたしますが、港湾建設部におきましては、二十三年度の決算検査報告の中の一般会計の歳出におきまして、いろいろな事件が比較的多い。特に予算の使用当を得ないものというのが百九十六ページにあります。それから工事の設計及び施行に当り処置当を得ないものというのがあります。この具体的なことは、検査報告書によつてわかりますけれども、国の予算をどのように考えておられるのか、あるいはこの施行について、はたして行政官としての取扱いが軌を逸していないと考えるか、なぜ運輸省において批難事項のパーセンテージがこれだけ多いのかという点をお尋ねいたします。  最後にお尋ねしたい点は、船舶公団の問題であります。これはもう解散して、大蔵省の公団清算室長阿部君の方で引継いでおりますが、ここに船舶運営会の経理に関し処置当を得ないものというのが一つある。なお近くは新聞紙上で見たのですが、船舶公団の谷口総裁について芳ばしからぬ新聞記事が出ておつた。このてんまつがどうなつたか、合せて四点をお尋ねいたします。
  86. 東條猛猪

    東條政府委員 私から、お尋ねのございました前の二点について申し上げます。  最初の一つは、政府契約の支拂遅延防止等に関する法律が、いかなる効果をあげておるかという御趣旨のお尋ねでありますが、具体的な案件といたしまして、現実に政府支拂いの遅延が発生いたしまして、遅延利息を拂つたという実例を、ただいま記憶いたしておりません。おりませんが、これは立法に当られましたので、十分御承知いただけると思うのでありますが、あの法律の予防的効果というものは、相当大きなものであります。つまり実際遅延をいたしました場合に、あの法律を発動いたすわけでありますけれども国会の御意見といたしまして、特に議員提案でああいう法律が成立いたしたということで、会計事務に当つております職員といたしましては、政府支拂いの遅延はやつてはいけないんだということを、ひとしお痛感させられております。それであの法律に抵触をいたしまして、法律違反と申しますか、あるいは法律に命じておるところの遅延利息を支拂わなければならぬというので、会計職員に無形の大きな効果を與えておるということは、申し上げられると思います。  それに関係いたしまして、文部省系統の公共事業関係施設お話だろうと思いますが、大蔵省が支出負担行為の認証ということで、手間取るのではないかという御趣旨であります。昭和二十五年度までは、御承知のように公共事業予算は、経済安定本部の中に含まれておつたのであります。二十六年度から一部各行政官庁に組んだのでありますが、公共事業費を経済安定本部予算から実際に使う場合には、各省に予算上の移しがえの手続がいるのでありまして、経済安定本部は、四半期ごとに認証ということをやつてつたのであります。各省から詳細な書類の提出を受けまして、安定本部長官の認証があり、それからまた会計法規の命ずるところによつて、大蔵大臣の支出負担行為の認証がいつたのであります。私どもも何とかこの辺のことにつきましては、十分簡素化しようじやないかということで、御承知のように昭和二十六年度からは、経済安定本部の認証は、年度当初一回ということにいたした次第であります。従来とても、経済安定本部の認証ということは、すぐいたしておりますが、何さま役所が違いますし、また法規の命ずるところの組織が違いますという関係で、右左にやりましても、どうしてもその間多少の時日がかかるというのが、実情であつたのであります。経済安定本部の認証を一回にいたすということにいたしました場合には、大蔵省としても、できれば支出負担行為の承認は一回でできないものか、と申しますのは、現在の予算及び決算の政令におきましては、支出負担行為は四半期ごとに承認をいたすということになつておりまして、政令の解釈上、多少の疑問はございますが、今われわれの方といたしましては、認証が一回で済めば、すぐ大蔵大臣の支出負担行為の計画というものも、年間全部一ぺんにできないものかどうか。場合によりまして――ざつくばらんに申し上げまして、関係方面のいろいろ意見がある問題でありますから、そちらの方の了解さえとれる見込みがあるならば、特に公共事業というふうなものは、年間全体の計画をまず当初にきめました方が、いろいろなことが、計画的にも行きますし、経済的にも行きますから、そういう場合は、大蔵大臣の支出負担行為の承認は一回で――もちろん一期、二期、三期、四期という内容はわかれるわけでありますが、承認自体は一回でどうだろうかということで、実はただいま検討いたしておりますが、まだこれも検討中で、お約束を申し上げるわけには参りません。そういうような次第でございまして、私どもといたしましては、従来とも心がけておりますけれども、公共事業につきましては、右申し上げましたような事情で、ある程度手続が遅れておるし、中には相当遅延しておるものもあるという実情を、十分承知いたしておりますので、極力今後とも簡素化をやつて参りたい。安定本部の認証を一回にすることはきまつております。それに応じまして、いろいろと簡素化の道を講じておるということを申し上げておきます。
  87. 國安誠一

    國安政府委員 ただいまのお話の第二段につきまして、運輸省一般会計につきまして、特に港湾関係予算経理にあたりまして、予算の使用当を得ないもの、それから工業の設計及び施行に当り処置当を得ないものというのでございますが、これはただいまおつしやいました通りで、われわれといたしましても、こういう予算使用をいたしましたことについては、まことに申訳ないと考えております。当時の事情は、答弁書もいろいろ書いてございます通り事情といたしましては、工事を施行する上の必要に迫られまして、やむを得ずそういつた批難事項、たとえば宿泊のために寮を買つたり、あるいは作業衣を貸したのだと考えます。そのこと自体のいい悪いは別問題でありますが、要するに法律に反してそういうことをかつてにやつたということは、はなはだけしからぬということであります。これは今後こういうことのないように、大いに戒めたいと考えております。それ以外に他意はないのでありまして、これは会計執行職員の今後の教育にまつ以外になかろう。われわれといたしましては、今後とも十分注意をいたすつもりでございます。  それから、その次の工事の設計及び施行に当り処置当を得ないもの――これは秋田港の防波堤の建設の問題でございますが、これにつきましては、工事関係の問題といたしまして、当時の知り得る範囲の研究設計といたしましては、とにかくこの程度で万全を期し得ると考えたのでありまして、この点はどうもいかんともいたし方がないのではないかと考えております。  それから次に公団関係、船舶運営会の問題があつたのでございますが、船舶運営会というものは、御承知のごく戰争中できまして、大体船会社の職員が入つてできたものでありまして、官庁会計に対する知識が割合乏しかつたために、予算執行にあたりましていろいろ間違いを起した点が、大分あつたようでございます。これもわれわれが一緒に協力いたしまして、いろいろと指導もいたしましたが、こういう事件が起りましたことは、まことに申訳ないと考えております。  それから船舶公団の問題がございましたが、これはちよつと聞き漏らしましたが、どういう御質問でございましたか。
  88. 大上司

    ○大上委員 船舶公団の問題が、いろいろ出ておりまして、新聞でも谷口総裁云々というような記事を見たような気がするのですが、いわゆる決算上公団のあり方というものについてお尋ねしたいのです。その後これは当然解散を見て清算事務に引移つておると思いますが、その経過と申しますか、一般的な概念をお尋ねしたい。
  89. 岡田修一

    ○岡田(修)政府委員 船舶局長の所管でございますが、ただいまおりませんから、私から知る限りを御答弁申し上げます。  御承知の通り、船舶公団は、昨年の四月から清算に入りまして、大蔵省の方に引継がれております。ただいま大上委員から御質問のありましたのは、船舶公団について、世上流布されておるといいますか、一応問題になつておりまするスキヤンダルとでも申しますか、その点のことかと思います。これは船舶公団が中心になつこしらえました船舶会館の設立についての、その設立の仕方が法律に触れるとか触れないとか、こういう点が問題になつております。当時船舶会館をこしらえます場合に、私は当時直接関係いたしておりませんが、いろいろ間接に聞いておりますところでは、十分関係者並びに関係方面とも了解を得て、船舶会館なるものを設立した。但し、そのときに関係業者から醵出いたしまする寄附のとり方が、法律上相当問題のあるとり方であつた、かように考えております。その寄付のとり方が、はたして法律に触れるかどうか、ほんとうの問題になるべきものであるかどうかということは、今後検察当局と申しますか、あるいは裁判所の方で判断されるべきものであります。その事務的な内容においては、私ども何らやましいところはないものと、かように聞いておるのであります。  以上お答え申し上げます。
  90. 大上司

    ○大上委員 その問題はそれで了承しましたが、その前の運輸省合計課長さんからお答えがありましたが、この批難事項について、きわめてありふれた御回答のようで、非常に私として不満です。さすればお尋ねいたしますか、お言葉の中に、いわゆる出納責任者といいますか、会計官と申しますか、これは非常に遠憾であつたのですが、これにお気づきの上は、これは二十三年に起きた事項ですから、その後あなたの方の所管におかれまして、はたしてどういうような教育方法をとつておられるか。一例を言うならば、決算においていろいろな批難事項が出ておる、しかも勘定科目の間違いということ、これは絶対われわれとしては認められない、このように考えるのですが、その後の教育の方法と申しますか、現在行つておる教育の現況をお聞かせ願いたい。なおその裏づけといたしまして、講師その他の旅費、あるいは給與、あるいはこれに関する参考書といいますか、そういうふうなものについて、当然教育費が計上せられておらなければならないと思いますが、どの程支弁しておられますか、これをお尋ねいたします。
  91. 國安誠一

    國安政府委員 ただいまの教育の問題につきましては、大蔵省が中心になりまして、会計事務の講習会を催しておりますので、われわれの方としても、できるだけそれに参加するためのものを計上しておりますが、ただいま正確な資料を持つておりませんし、予算書を持つて参りませんでしたから、もし何でしたら、後ほど申し上げます。
  92. 大上司

    ○大上委員 委員長にお尋ねいたします。この運輸省所管事項に関連する事項は、本日で質問を打切りになさるのですか、それとも留保するのですか。
  93. 菅家喜六

    ○菅家委員長 打切りにする予定ですか、ただいまの御質問に対して参考資料等がないというならばその部分だけ保留して、七日の委員会のときにその補足答弁をしてもらつてもよろしいと思います。
  94. 大上司

    ○大上委員 委員長にお願があるのですが、七日でもちろんけつこうでございます。従つて質問運輸省所管についてだけ、計数的なものは留保させていただきたい。議事の進行上、提出しろと言えば、いつでも命令に服しますから、留保させてもらつて、少し研究させていただきたい、かように思います。従つて運輸当局にお願いしたいのは、今計数の持合せがございませんのでしたら、七日の日までにお問い合せをいただきたい。その中の要求資料といたしましては、教育費の金額と、それに加わるところの人数、でき得ればこれを担当しておる人のいわゆる経歴と申しますか、それをちようだいしたいと思います。その次に、同じく批難事項にございます、従つてこれに対するところの回答書が出ておりますが、その回答書の百二十五ページにございます「予算の使用当を得ないもの」、これについて「責任者に対してはそれぞれ処分を行うよう手配中である。」この運輸省所管事項に関係するこういう面があれば、全部現在までの経過報告といいますか、資料をちようだいしたいと思います。その次になお私も勉強して計数的に質問したいと思います。
  95. 三宅則義

    三宅(則)委員 本日河野主計局長がお帰りになりましたから、東條主計局次長に一言お伺いいたし、次に岡田海運局長に一言お伺いいたしたいと思います。私は決算面につきまして、会計検査院の批難事項、それに対する政府の答弁書があるわけでありますが、どうか今後のあり方というものは、批難事項けつこうです、もちろんやつて悪いということでなく、やつてよろしいけれども予算と対照して、たとえば二十三年度予算にいたしましても、あるいは補正予算とか、いろいろな予算がつけ加わつておりますから、予算側と決算面とを対照いたしまして、この決算説明書というものをひとつつくつたら、みな了解してよろしいと思うのですが、東條政府委員はどういうふうに考えておられますか。どうぞそれをひとつやつてもらいたいと思いますが、いかがでしようか。
  96. 東條猛猪

    東條政府委員 三宅さんの非常な御見識に応じまして、おそらく主計局長もいろいろ局長として考えておりますたとを、るる申し上げたと思うのでありますが、私どもは、先ほど来申し上げておりますように、予算というものが、單なる予算の編成というだけでは、実際国政とのつながりが十分わからないのでございまして、いかに予算を執行せられ、その結果が決算に現われておるかということが、非常に大事なことであるという趣旨につきましては、御見識の通りでございます。従いまして、もちろん現在の決算書というもの、ないしはこれに対する会計検査院の御意見は、現在の会計制度の要請しておりますところを十分満足しているのでありますけれども、なお生きた国政とのつながりを、よりはつきりさせるといろ意味合いにおきまして、ちようど主計局で、国の予算説明ということを――いろいろ予算がどういうような行政効果を生むか、ないし経済的効果を收める予定であるということを説明いたしておるのに即応いたしまして、実際この年度にいかなる行政的効果を收めたか、経済的効果を收めたが、そういう資料を出せ、こういう御趣旨だと拜承いたします。実は私ども微力ではありまするが、ただいまでも、内部的な研究といたしましては、いろいろ予算説明に対応する決算説明というものを、いかなる様式、どういう点に重点を置いてつくろうかということを、研究いたしております。おそらく局長からも、同様のことを申し上げたのではないかと思いますが、それでは国会でごらんをいただいて、御審議の参考資料にしていただくような程度のものもまとめ得るかと言いますと、ただいまのところ自信はございませんが、いろいろそういう方向のもとに、日々たゆまず、少数の人間ではありますが、それと取組んで研究いたしております。日取りにいたしましても、内容にいたしましても、あまりはつきりしたことをこの席で申し上げることができませんことは非常に恐縮でありますが、私どもといたしましても、予算執行の重要性、決算の重要性ということにつきましては、及ばずながら主計局は局長以下全員、その認識のもとにたゆまざる努力をいたしており、いつの日にか、非常にまだ未熟なものもございましようが、ある程度御参考の資に供し得るようなものを出したいということで、努力いたしておるということで、本日のところは御了承願いたいと思います。
  97. 三宅則義

    三宅(則)委員 河野主計局長といい、また東條主計局次長といい、私の質問に対しまして、きわめて納得に近い線で御答弁になつたわけであります。ぜひ私どもはその日の一日も早からんことを要望いたしておく次第であります。  そこでひとつ岡田海運局長がおいでになりますが――実は船舶局長に聞きたいと思つたのでありますが、見当が違つたらこの次に答弁していただいてけつこうです。私は未熟なものでありますが、講和会議が開かれ、また最近に国際貿易がだんだんに行われるだろうということを考えまするとどうしても船舶というものが必要だろうと思います。海運局といたしましては、これについても、いまなお研究されつつあると思いますが、今は材料が少い、あるいは設備がありましても、その企画ができていない、あるいはまた連合国の指令がないというような、いろいろな事情がありまして、満足とは行かぬとは思いますが、講和を間近に控えました今日におきましては、ある程度政府として何か構想を持つておられると思います。もしおさしつかえなければ、その大要だけでもお示しくだされば、今後の日本の経済復興のために、日本の再建のために、きわめて緊要適切であると思いますが、これに対する答弁ができましたら、伺いたいと考えております。
  98. 岡田修一

    ○岡田政府委員 お尋ねの趣旨は、今後の船舶の増強計画かと存じます。船舶の増強をどこに置くかということにつきましては、御承知のように経済安定本部の経済復興計画審議会で、将来の計画を立てておりますが、それに即応いたしまして、海運の拡充計画も立てておるわけであります。大体二十八年度を目標にしての船舶拡充計画――大体二十八年度における貿易量の五〇%を日本船で運ぶといたしますと、貨物船で約百八十万総トン、油槽船で二十七万総トン、そういたしますと、二十五年度末現在の船腹と比較いたしました場合に、約百三十万トンの船腹を増加しなければならぬ、これが今後の目標であります。それに対応いたしまして、拡充計画を立てておるのでありますが、同時に目前の船腹不足を、いかにしてカバーするかという両面から考えまして、目下の日本の造船能力をフルに使うという面をもあわせ考慮して、計画を立てております。
  99. 菅家喜六

    ○菅家委員長 それでは運輸省所管審議は、先ほどの大上委員質問の資料提出の部分を残しまして、その他はこの程度で質疑を打切りたいと思います。なお本日予定いたしておりました予備費五件は、次会すなわち七日の午後一時に延期いたします。  明後七日午後一時からは、予備費使用総調書を審議いたしまして、討論採決の予定にいたしたく存じますので、委員各位は、あらかじめ党の態度を御決定の上、御出席を望む次第であります。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時四十九分散会