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徳永政府委員 石油の
一般情勢はただいま
安定本部から御
説明があ
つたわけでありますが、
計画でなしに
確定数字について話せということのようでございます。御承知のように、
石油の
供給力の問題は、
原油なり
重油なりの
輸入がどの
程度ふえて行くかということによ
つてきま
つて参るわけであります。
国内の
精製業は一昨年の夏から着手して参りまして、昨年の一月以降
精製の
段階に入
つたわけであります。だんだんとふえて来ておりまして、スタートの当初は一日の
処理量が二万一千くらいのところにあ
つたのでありますが、それがこの四—六で一日四万二千七百の
レベルまで来たわけであります。去年の一月の約倍くらいのところに来たわけであります。
重油につきましても、これまで全部
ガリオアでもら
つておりました
関係もあり、
消費量が
相当規正されてお
つたわけでありますけれ
ども、
先ほどの御
説明にもありましたごとく、この四—六から実は
相当大幅にふえて参りまして、若干のストツクも見ておりますけれ
ども、三十七、八万キロ分くらいの
輸入が
予定されているというようなことにな
つております。また
国内で全然できません高度へ
機械油というようなものにつきましても、これは全額的にはそう大きなものではありませんけれ
ども、この一月以降
輸入が認められまして少しずつふえて来ております。ただいま当面しております基本的な問題は、今の四万二千七百
バーレルの
処理量、それから
国内でどうしても足りない
重油なり
機械油というようなものが、もう少しふやし得るか得ないかにかか
つておるわけであります。と申します
意味は、これを
外貨資金の観点から
考えてみました場合に、昨年中はその大半を
ガリオア資金によ
つて受けてお
つたわけであります。これは念願的にこの一—三月までの分として、昨年の分を私
ちよつと記憶しておりませんが、千五百万か二千万ドルかそこらの
数字にしか相ならぬわけであります。それ以外のトータルも、六千万ドルくらいのものにつきまして、残りの四千万ドルなり四千五百万ドルというものは、
ガリオアによ
つてまかな
つておるという
実情にあるわけであります。そういう
状況でございますので、四—六の若干がまだ
ガリオアに残
つておる。七月から
ガリオアがなくな
つてしまうといたしまして、結局
日本の
経済力から、
自前で、
国内の
石油の
需要を充足するための
外貨資金をつけなければならないということになるわけであります。その
数字を
年間として計算いたしますると、ただいま
安定本部から御
説明いたしましたように、一億五千万ドルくらいのものになるということであります。これは若干昨
年度比較としては正確ではございませんが、昨年の六千万ドルより一億五千万ドルというのは、少し多くなり過ぎるのではないかというお
感じがおありかと思いますが、この点は実は
値段そのものも上
つておりますので、六千万対一億五千万の
割合で、
供給をふやすということを
考えておるわけではないのであります。その点は割引いたといたしましても、従来は
自前でつけてお
つた金は、二千万ドル
見当のものであ
つた。それを
本年度は一億五千万ドル
見当のものをつけなければならないということ、それが実現できるかいなかということによりまして、
石油の
供給をどの
程度ふやし得るかということになるのではないかと思うわけであります。少くとも私
どもとして現在到達しております
レベルを下るようなことがあ
つては、はなはだ申訳ないのでありまして、これを下げるということではなしに、ふやすのみならず、
理想の二億五千万ドルのところまでつくごとくやりたいということをわれわれの目標にしまして、今
安定本部にもお願いし、
安定本部の
主務局でありまする
産業局の方が、
貿易局なり、総
司令部の
方面と熱心に
折衝してくれておるということであります。
本年度の
外貨資金の組み方としまして、
年間全体の額、
産業ごとについての
計画というものを
見当して、その上で適当な
業種別の
資金の
つけ方というものを生み出して行きたいという
方向で、今総合的に問題が取上げられておるわけであります。まだ実はそれの
結論が出ていないわけであります。ただ、ただいまの
折衝の
段階におきましても、私
どもは減らされるかもしれないという
印象は受けていないのであります。当然今の
レベルでは今の
日本の
経済の発展に使用するものとしてまだ足りないのだという
印象で、すべての人がこの問題を取上げてくれておるということを、私
どもは
結論に到達しない過程でございますが、そういう
感じでおるわけであります。ただそれがどの辺に落ちつくかということは、私
どもまだ
計画全体が策定中の
段階でございますので、
見当がつかないというところにあるわけでございます、確定的なものとしては、
国産原油の問題は、
先ほども御
説明ありましたごとく、昨年が三十二万キロでございます。二十六
年度は推算としまして三十五万を下ることはあるまい、四十万近くは行くのではないかというふうには
見当をつけておりますけれ
ども、
計画を組みます場合には、多少安全を見なければならないというふうに
考えております。順調には伸びておりますものの、その
数字は全体的に見ました場合には、全体の
数量に対する
割合というものは、一割にも満たないという
状況にあるわけであります。従いまして
石油問題のかぎは、
輸入いかん、
輸入の
外貨資金いかんということに相な
つて参るというふうに
考えておるわけであります。
外貨資金があ
つても、現物がうまく入るか入らないかという問題も議論の種になろうかと思いまするが、私
ども現在のところその不安というものを感ずるような場面には当面いたしていないわけでございます。最近
新聞紙上に出ておりまするイランにおきまする
石油の紛争の問題が、どう結着するかということによりまして、多少の影響が及ぶということも予想されますので、非常に注目をいたしておるわけでありますが、全体的に見ますれば、
石油の
供給力は世界的に非常にふえて来ております。他の
物資が
朝鮮動乱以後当面しておりますような、
供給力自体に対する不安というようなものは、実はあまり
感じておらないというのが、ただいま置かれておる
石油の環境でございます。従いして当面の問題は、
日本の
経済力の中から、
石油に
外貨資金が、どの
程度つけ得るであろうかということに帰着するということに見ていいのではないかと
考えておるわけであります。