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小峯政府委員 臨時物資需給調整法はまだ
提案の
手続が完了いたしておりません。
関係方面との
折衝は終了いたしておりますので、正式な
説明にはならないと考えますが、今までの
折衝の経過及び
内容等につきまして概要を申し上げ、御参考にしていただきたいと思います。
なおこの
法案は、御
承知の
通り三月三十一日をもつて
期限が切れますので遅れて
提案して早い御
審議をお願いいたしますのはまことに恐縮でありますが、
手続が済みまして正式に付託になりましたあかつきには、何とぞこれも迅速に御
審議、御賛同を賜わりますように、ひとえにお願い申し上げる次第であります。
臨時物資需給調整法は、御
承知のように、
終戰直後日本の
経済再建に必要な
統制を
実施いたしますための
基礎立法としてつくりましたものでありまして、爾来延期して今日に至つておるものであります。この三月三十一日に
期限が切れますので、この
臨時物資需給調整法をそのままもう一年延期するかあるいはこれに多少筆を加えて延期するかというようなことが
政府といたしましては考慮の中心でありまして、いろいろ
折衝して参りましたが、
二つの点で
改正の
趣旨を織り込もうと考えたわけであります。
一つは、この
臨時物資需給調整法で終戰後いろいろの
経済統制をやつて参りましたが、実際上に使つたことのない
條文は、この際整理したらどうだろうという
考え方であります。すなわち非常に広範囲な
需給調整ができるように
なつておりますが、その中で輸送に関しますもの、あるいは
建築物の
建築制限等に関しますものは、一応これを削除して、今までの
経験に徴して、実際上使わなかつた
條文を整理することを考えております。そのために幾分規定しております
内容が簡素に
なつておりまして、それだけ
政府の
権限が
需給調整に関しましては縮小されておることに
なつておるのであります。
いま
一つは、
需給調整をこの法律に基いてなします場合に、
民間の
学識経験者の御
意見を十分に反映して、そのやり方に遺漏なきを期しますために、
諮問委員会を付設することにいたした点であります。この
二つの点につきましてはいろいろ御
意見もありまして、今までありました
権限を縮小するというようなことよりも、むしろそのままで持つて行つたらどうかという御
意見もございました。しかし私
どもは、私
どもの
内閣がしばしば申し上げておりますように、
統制をなるべく簡素な姿に持つて行きたい、
統制をほどいて
自由経済の面を拡大して参りたい。これは單に思想の面から申し上げるばかりでなしに、戰時、戰後の
統制が、
国民経済の運営上むしろ害に
なつているような面もありますので、そういう点も考慮いたしまして、
統制はなるべく少く、またやるとしても最簡の形式でやりたいという意図の現われが、わずかながらこの
改正法に現われたと御
承知願いたいのであります。また
委員会は、今まで全面的な
統制をやつているときにもなかつたものを、今日簡素な形で
統制をするのについて、特に
委員会を付設することにつきましては一部に
意見もあつたのでありますが、私
どもはむしろ全面的に
統制をやつているときよりも、
統制をはずして行こうとしている過程において、
統制しなければなりませんものと、
統制しなくてもいいものとの
けじめ等について、むしろこれは
民間の御
意見を十分に反映して行く方がよかろうという
考え方で、この
委員会を付設するようにいたしたわけであります。以上の二点が
改正の
内容に
なつておりますが、その他は今までやりましたものとかわりのないままに一箇年御延期を願いたい、こういう
趣旨にほかならないのであります。
簡單ではありましたが輪郭だけ御
説明申し上げましたので、御質問がありますれば、補足してお答えいたしたいと思います。