○
高橋説明員 鉄鋼の問題につきましては、
鉄鋼という物が物だけに、非常に慎重を要するということでござい
ますが、現在どういうことにな
つておるかということを大体申し上げ
ますと、銑鉄につきましては、
マル公がござい
ます。そのほかに銑鉄の
補給金というものがござい
ます。これは一貫
メーカーが自家用に使う場合に三千二百六十円、外売り、つまり平炉
メーカーが使う場合には、それに四百五十円をプラスした
補給金がついており
ます。三千七百円についておるわけであり
ます。スクラツプが
マル公がござい
ます。それ以外には現在では
マル公のあるものは鉄鉱
関係にはございません。この間
鉄鉱石——鉄鉱石はちよつと記憶しておりませんが、従来
マル公でや
つておりました今度の五、六十
品目をはずすという、さつき
政務次官から御
説明申し上げました
統制を解除する
品目にな
つており
ますので、
鉄鉱石については
マル公がないとお考えいただいてさしつかえないと思い
ます。またマンガン鉱につきましても、これも今度はずす
品目にな
つており
ます。それから鋳型、ロール等も今回はずす
品目に入
つており
ます。それから鋼材につきましては、すでにずつと前からはずれており
ますので、結局現在の
価格統制というものは、銑鉄はスクラップだけである、こういうことにな
つておる。銑鉄には
補給金がついておる、こういう
状態であり
ます。割当の方は、銑鉄の方に指定
生産資材の割当がございまして、
鉄鋼局の方から平炉
メーカー、各一貫
メーカーに対して、川崎製鉄には幾ら銑鉄をやる、神戸製鋼には幾ら銑鉄をやる、こういう指令が出る。こういう仕組みにな
つており
ます。二十六年度当初からは、銑鉄の現在の
補給金は計上いたしてございませんので、二十六年四月一日になれば、当然銑鉄の
補給金はなくなるわけでござい
ますが、二十五年度に計上してあり
ます銑鉄の
補給金につきましても、最近の
鉄鋼面の情勢等から見て、いつまで続けるという必要も現在ではなくな
つているのではないか、こういう観点から三月の中途においても、もし
補給金がはずせればはずしたい、こういうことで進んでおり
ます。今後の問題点といたしましては、結局
鉄鋼はどんどん
値上りしておるから、何か
政府としては直接にか、あるいは間接にか、これをコントロールする、何か統御するといい
ますか、
統制という言葉が悪ければ、何か野放しではないような手を
政府として打つべきではないか、こういう御議論が起るかと思い
ます。こういうものに対しましては、結局方法といたしましては、鋼材にも
マル公をつけるか、あるいはその
マル公が上るのを防ぐために、製鉄の
原材料たる
輸入石炭とか、
輸入鉱石に
補給金をつけるとか、こういう問題があるわけでござい
ます。現在の予算案といたしましては、
鉄鋼原材料の
輸入補給金というものは計上してございません。それから鋼材につきまして、
マル公を置くという問題も、遠い将来はいざ知らず、現在としてはそういうことは
物価当局としては考えていないと申し上げる次第であり
ます。しからば残
つておる銑鉄とスクラツプについてはどうか、こういうことでござい
ますが、銑鉄につきましては、御
承知のごとくこれをはずし
ますと、結局指定
生産資材としての銑鉄の割当配給もやめるということを、同時に行わなくてはならぬと思うのであり
ます。そうすると結局問題にな
つており
ます一貫
メーカーと、平炉
メーカーとの問題を、どう調整するかということにただちにひつかか
つて参り
ますので、銑鉄の
価格については、なお
相当慎重に研究の必要があるのじやないか、こういうふうに考えており
ますので、これが最後的な結論を見
ますまでには、若干の時間を要するのではないかと考えられ
ます。スクラツプにつきましては、銑鉄がどうなるかということによ
つて大きく響いて来ると思うのであり
ますが、ただ扱いとしては、必ずしも銑鉄と一蓮托生でなくてもいいのじやないかという見方もありまして、これまた最後的結論に達するまでに、若干の時間を要するものと考えられ
ます。一応
説明を終り
ます。