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1951-02-06 第10回国会 衆議院 経済安定委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月六日(火曜日)     午前十時四十六分開議  出席委員    委員長 圖司 安正君    理事 志田 義信君 理事 多田  勇君    理事 永井 英修君       岩川 與助君    金光 義邦君       寺本  齋君    奈良 治二君       村上 清治君    森   曉君       有田 喜一君    笹山茂太郎君       森山 欽司君  出席政府委員         経済安定政務次         官       小峯 柳多君    経済安定事務官         (総裁官房経済         計画室長)   佐々木義武君  委員外出席者         専  門  員 円地与四松君         専  門  員 菅田清治郎君     ――――――――――――― 一月三十一日  松尾トシ子君が委員を辞任した。     ――――――――――――― 一月十六日  地代、家賃の改訂に関する請願淺沼稻次郎君  外一名紹介)(第八号)  鉄くず公定価格撤廃に関する請願玉置實君  紹介)(第一一五号) 二月三日  労務用物資割当に関する請願坂田英一君紹  介)(第三八三号)  の審査を本委員会に付託された。 一月十六日  ガソリン類価格引上反対に関する陳情書  (第五  号)  石油製品配給に対する統制撤廃陳情書  (第六号) 二月五日  労務用物資対策に関する陳情書  (第一六七号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  自立経済計画に関する件     ―――――――――――――
  2. 圖司安正

    圖司委員長 ただいまより会議を開きます。  これより自立経済計画に関する件を議題に供し、質疑を行います。森山
  3. 森山欽司

    森山委員 ダレス特使が来朝されまして、講和の問題が目下国民最大関心事になつております。講和一つのコーラムとしまして、安全保障の問題がわれわれにとつて大きな関心事になつておることは申すまでもありません。この安全保障の問題と並んで、最も重要な問題が自立経済の問題であります。そういう観点からいたしまするならば、われわれはこの自立経済ついて十分なる審議をする必要があると思うのでございます。またそれだけ重点を置いて審議しなければならない事項であると思います。特に本経済安定委員会といたしましては、他の委員会と比べて、その性格上特にこの問題について重大なる関心を持つて審議すべきであると考えます。新聞等の社説によりましても、国会における特別の審議を希望されておるわけでございますが、遺憾ながら経済自立の問題に対する国会審議あるいは政府態度は、単なる添えもの程度にしか重点が置かれていないかの感もあるわけでございます。本日の委員会にいたしましても、政府側からの御出席は、わずかに佐々木経済計画室長お一人というようなさびしい状況でございますが、今日の日本の置かれておる重大なる時期において、本委員会が率先してこういう問題について十分なる審議を行うべきではないか、そのためにはいま少し本問題について責任ある答弁をなし得る政府方々出席すべきではないかと考えておるのでございますが、いまだ御出席がないのであります。委員長の御所見を私は承りたいと思います。講和問題あるいは安全保障の問題は、外交委員会が主としてやつておるようでありますが、自立経済問題こそは、本委員会が特に力をこめてやるべき問題だと思う。
  4. 圖司安正

    圖司委員長 ただいま森山君の委員長への質問でございますが、委員会といたしましては、安本長官出席を要求してありますが本日の予算委員会とかち合いまして、しばらく待つてくれということでありまするし、政務次官はもうじき委員会に見えるそうであります。なお関係局長その他の政府委員もやがて見えることと思いますから、この自立経済中心的な役割を果しておられる佐々木政府委員に最初御質疑つて、その上で安本長官並びに政務次官が見えられましたら、御質疑を進められんことを望みます。
  5. 森山欽司

    森山委員 委員長のお考えはよくわかりますが、本委員会の従来の政府重点の置き方というものから見ますと、大臣出席したことはほとんどない。(「その通り」)こういうような重大問題に対して、この重大問題に関する主委員会ともいうべき本委員会に対する政府態度を、いま少し変更を願わなければ、この重大問題にわれわれが取組むことはできない。私は、佐々木政府委員が、この自立経済審議会報告書作成の上に、非常に御熱心な御努力をされたことに対しては、深く敬意を表するのでありますけれども、おそらく御返事になれることは、この報告書の技術的な細目についてのことだろうと思う。この自立経済計画の遂行の上に問題となるというような重大な政治上の諸施策について、責任ある御答弁佐々木さんにはできないと思う。でありますからわれわれは、自立経済のこの計画デテールに入る前に、まずこのデテールについていろいろな問題についてお伺いしておかなければならぬことがあると考える。そこで私はここに一つ提案をいたしたいと思います。それはこの自立経済計画に対する各界意見を徴するために、公聴会を開かれんことを望みます。並びにこの自立経済計画に対する政府機関の、それぞれの立場からの御見解をわれわれは承りたい。たとえば通産省の側においても、おそらくこの報告書に対しては、いろいろの御意見をお持ちだろうと思う。農林省農林省立場でいろいろの御意見をお持ちだろうと思う。運輸省運輸省立場いろいろの御意見をお持ちだろうと思う。そういうような御意見についても、われわれは一応お伺いいたしたい。また各界というのは、労働界、あるいは財界、あるいは言論界というふうな、各般の立場からの見解を承ることが必要ではないかと思います。委員長のそれに対する御所見を承りたい。
  6. 圖司安正

    圖司委員長 ただいま森山委員の二つの点についての委員長への御質問ですが、第一点の公聴会を持つかどうかということにつきましては、森山委員御承知のように、公聴会というものは重要法案に関してこれを開くということになつておりますので、その点についてはちよつと公聴会持ちかねると思われます。ただ各界の人の意見を、適当の機会参考人としてこれを求めるということでありますれば、その点に関しては善処いたしたいと考えます。さらに第二点の関係各省責任ある御見解を求めるということでありますが、この点に関しては、今後自立経済計画審議を進めるに伴つて、その都度善処して参りたいと考えます。
  7. 森山欽司

    森山委員 私は国会法上の公聴会というような意味でなくて、そういうような各界意見を、国会において聴取する機会を得たいということを申し上げたのでありまして、よろしくお願いいたします。私がなぜそういうことを申し上げるかと申しますと、稲葉秀三氏が、今回出されました自立経済計画に対して、次のような第三者的な批評を加えられている。すなわち「おそらくこの計画は、かの経済復興計画とは異つて、現吉田内閣独自のブレインの所産として、堂々と自信と誇りをもつて公表の栄誉をにない得るであろうと思う。しかしこの計画が『今のこの時期』に登場してくるということは一つの悲劇であり、若干極端な表現をもつてするならば、一つの『お茶番』の役目をしか演じ得られないのではなかろうかと思うのである。何故かなれば、この計画はそもそも基本構想算定方式において、かの経済復興計画の『現代式改訂版』、あるいは『自由党的に若干カムフラージュされた経済計画案』にすぎないのであり、本計画案執筆者は、『本計画は基準となるべき基本的な計画であり、現実の情勢変化はこの基本的な経済計画からの偏差として現われてくる』と述べているけれども、今後の日本経済は、国際情勢の予測すべからざる変化を受けて、転変の過程を経験するであろうし、かくて『正常な経済過程』における経済復興方策は、もはや従前ほどの大きな役割を果さないであろうと考えるならば、むしろ現在並びに今後の時期に切望せられる国民経済計画案なるものとしては、このような一方的な基本算定方式よりも、多元的、弾力的な見通し作業のごときものが要求せられるのであり、この計画はその意味からいえば、そう大きな経済の『物指し』の役割は果し得ないであろうといわなければならない。吉田総理は、『五箇年のような長い時期ではなしに、三箇年くらいの期間について実現可能な計画をつくるべきだ』と主張されたが、この計画総理みずからのかつての期待と自信を裏切るものとなろう」というような見解を、稲葉秀三氏が述べられておる。このような意見も、本委員会においては批判として十分聞いておくべきであろうと私は思います。また社会党は、経済再建国際情勢に対処するところの四箇年計画を立てておるということであります。そういうような観点から、この政府自立経済計画に対して、十分な検討をすることが、あくまで必要であると思う。私はこの際、この立案事務に携わられた佐々木さんに、今言つたような稲葉さんの御見解に対してどう考えるか、まず伺いたいと思う。
  8. 佐々木義武

    佐々木政府委員 稻葉君の見解は、今ちよつとお聞きしただけではつきりしないのでございますが、この計画は時期的に非常に出すときが悪いという一点に関しましては、審議会といたしましては、そういうふうに考えておりません。と申しますのは、早くこの報告書のようなものをまとめまして、これを少しもかえずにそのまま実行できるという意味では毛頭ないのでありまして、ただ一つ目安にいたしましてその後の情勢変化を織り込んで、さらに弾力的に問題を調整して行こうという単なる目安計画でございますので、時期的に今がまずいということはないと思います。むしろ時期的に見ますると、もう少し遅れて出した方がかえつてまずいので、早ければ早いほどよかつたのではないかと思います。それからもう一点は、自由党的に歪曲された計画案ではなかろうかという御意見でございましたが、決してそういうことはありませんので、これは何党であろうとも、現状からいたしますれば、こういう問題点、あるいはこういう施策対策というものが、少くとも日本経済自立さす意味におきまして、最も必要だと思われる諸点を指摘したにとどまりまして、決して党派的な立場を強く織り込んだというようなことはないというふうに考えております。
  9. 森山欽司

    森山委員 稲葉さんの御批判は「時事通信」の経済解説版、一月十九日号に載つておりますから、いずれまたこれに対する佐々木さんの御意見を承りたいと思います。  その次に、これも佐々木さんに聞くのは非常にぐあい悪いことでありますけれども、自立経済を行うにあたつて、どういう機関中心になつてつて行くのであるかということをお伺いしておきたい。
  10. 佐々木義武

    佐々木政府委員 その実施機関につきましては、問題によりましてそれぞれ違うのでございまして、ここにありますように、輸入の促進並びに自給度向上の問題、あるいは資本蓄積の問題が、本案を遂行する上において最も主要なる三点でございますが、たとえば輸入の確保の問題に関しましては、官でやる部面あるいは民間の業界がやる部面、それぞれございます。それから自給度向上等、たとえば農業の問題に関しましては、もちろん主体公共事業費から行くのでございますが、それに関しましては予算の問題が中心になります。それから資本蓄積の問題に関しましても、税の問題でありますれば、大蔵省が今度税の改正法案なりを出しまして、この線に沿えるように今いろいろ立案中でございます。同時にその他の資本蓄積証券市場の育成の問題等に関しましては、官でやり得る部面、民でやり得る部面、それぞれございますので、それぞれの責任におきまして遂行するというふうに考えます。
  11. 森山欽司

    森山委員 私は佐々木さんがお返事に困るだろうと思う。あなたのお返事は私の質疑の焦点にずれておる。私はこういう現在のような時期においては、講和問題にコラレートして安全保障自立経済の問題は最も重要な問題である。従つてこの自立経済計画の推進のためには、それはあなたのおつしやるように、なるほど財政あるいは税金等の問題については大蔵省がやる、あるいはそれぞれその主務官庁がやる、あるいは民間の受持つべき分野もある、それはわかり切つたことなので、御説明いただかなくともよくわかつておる。問題は、この総合的な企画の中心になつて推進するところの機関は何であるかということをお聞きしたい。それは現在の行政機構改革の問題とも関連して来る重大問題なんだ。これは佐々木君はお答えになれないと思うのです。ですから私は委員長に先ほど申し上げました通り責任ある政府方々の御出席を求めないと、お返事ができないのじやないかと思う。それは佐々木さんが現在の経済安定本部の線を強化して、自由党内閣のもとにおいて強化して、この計画をあくまで推進するというお返事をあなたがされようとしても、あなたとしてはそこまでのお返事がおそらくできまいという感じもする。そういうことを私はお聞きする。
  12. 佐々木義武

    佐々木政府委員 もちろん政策の執行の主体政府でございまして、その政府の中でも総合的この問題を扱う箇所安定本部でございますから、安定本部が今後この問題とまつ正面からとつ組みまして実施に移すということは当然だと思います。
  13. 森山欽司

    森山委員 どうも佐々木さん相手だと力が入らない。いやこれは佐々木さん個人ではない、あなたのお立場上……。経済安定本部機構は現在のままでいいかということが一つあります。かつて経済安定本部関係において、機構改革の問題はいろいろ出ておつた。そういうことはどうなるのかということを私はお聞きしたいのですが、あなたがお答えになれるかどうか。
  14. 佐々木義武

    佐々木政府委員 その問題に関しましては、私どもの範囲外でございますので、後ほど政府の方から申し上げることにいたします。
  15. 森山欽司

    森山委員 そういうことでございますから、ひとつ責任ある方々の御出席を切に要望いたします。またそれがきわめて重要なことでありまして、いくら計画を立てても、これを強力に推進するところの中心中核体が何であるかということがきまつておらなければ何にもならない。私はそう考える。そういう意味で、まあ計画はできたけれども、できつぱなしということでは困る。これをどうやつて推進して行くか。経済安定本部なら経済安定本部をさらに強化拡充してやつて行くならば、これにどういう権限を与え、またどういうような任務を背負わしてやつて行くのかということが今日はつきりしていなければならない。これでは絵に描いたもちです。内容を読んでみましても、いろいろな仮定、前提がもうその中に含まれている。この仮定やあるいは前提なるものが実行できるかということは、非常にわれわれ重大関心を持つているのですから、そういうことをまず先に、一体だれが中心になつてやるのか、もとよりこれは政府中心になると思いますけれども、これを事務的に、中核体として推進して行く機関がなければならない。これは行政組織として当然のことです。私はそれがどこかということを、またいかにすべきかということを伺つているのでありますから、どうもそういうことに対する満足し得るべき御回答をただいま承ることができないのでありますから、これに対する質疑は後ほどに留保いたしておきます。
  16. 佐々木義武

    佐々木政府委員 先ほどお答えしました、安定本部機構を今後どうするかという問題に対しては、私からはつきりしたことは申し上げられませんが、この案をどこでどういうふうに今後推進して行くのかという問題に関しましては、実はもちろん安定本部中核体になりまして進めて行くのでありますが、その安定本部の中でも、今の職制から参りますと審議会事務局従つて審議会の案をとりまとめる箇所と、できた案を実施に移す際に推進する箇所、というふうにわけて、現在の職制ができております。そこで私は事務局長計画室長とを兼ねているのでございますが、計画室の方は、本来の官制と申しますか、本来の行政機構でございまして、別に監督機関事務局ではございません。そこでこういう案が一方できますれば、これを実施に移す責任といたしまして、計画実施がうらはらの関係でございまして、そこが推進して行くことになつておりますので、安定本部職制から申しますと、強い弱いの問題は別にいたしまして官房経済計画室が当然その責任を負つて推進する、こういう建前になつております。
  17. 森山欽司

    森山委員 この問題についての質疑は後に留保いたします。その次にお伺いしたいのでありますが、これもどうも佐々木さんには何でございますが、これはある新聞に載つておりましたが、この報告書に、この計画を実現するためには今後の情勢いかんによつては「財政金融対策をはじめ経済各面対策を一段と強化しなければならないであろう。」といつているのであります。ここでいう強化の方法は何を意味するかということをお尋ねしたい。
  18. 佐々木義武

    佐々木政府委員 「結論」の最後にあります一段の強化と申しますのは、さらに情勢が悪化して参りまして、最悪の場合と申しますか、そういう事態が非常に見通される可能性が強くなつた場合のことでございまして、ただいまのところは、さきに申しましたような、本文に載つておりますような対策で絶対自立経済は達成できるのではなかろうか、こういう考えでございます。
  19. 森山欽司

    森山委員 佐々木さんにはこれ以上お伺いしません。私はそれに関連して、この間ドクター・フアインが新聞に、経済情勢に対する甘い考えは捨てよということを言つておる。それで私はフアイン博士あるいは司令部側からの何らかのメモランダムによつて経済政策の急転換が行われるというようなことがないように希望する。なぜならば、今日われわれは、政治上の自主性を要望しておる、経済上の自主性を要望しておるというときに、依然として関係方面から言われなければ、政策転換ができないというようなことになつては、私は政治的な責任を転嫁するものであると思つております。電力再編成の際の書簡のごときことを、経済政策転換の際に再びやられないようにということを、私は懸念しておるから申し上げたのであります。それからこういう見解がもう一つあるのであります。この自立経済を達成する場合については、たとえば電力等に対する十分な資金供給のためには、赤字財政やむなしというような考え方があるのではないかという批評がありますが、これはいかがでございましようか。
  20. 佐々木義武

    佐々木政府委員 本案基本構想の三のハに、はつきりうたつてありますが、国内のインフレーシヨン政策は回避するとありますのは、その意味でございまして、赤字公債を発行してまでこの計画を施行するという意図は毛頭持つておりません。
  21. 森山欽司

    森山委員 対日援助の問題についてひとつお伺いしたいと思います。自立経済というのは、海外からの援助を受けないで一本立ちでやつて行くということでありますが、対日援助に対する今までの状況、現在並びに将来に対する見通しについて、あなたが御存じの範囲内で、できるだけ詳細にお伺いしたいと思います。
  22. 佐々木義武

    佐々木政府委員 対日援助の問題に関しましては、去年の暮れグレー報告が出まして、その報告によりますと、二十六年度——米国会計年度に直しますと、五一——五二会計年度でありますが、その会計年度から、あるいは援助なしで日本はやつて行けるのではなかろうかというふうな御提案があつたように思いますが、現状では、はつきりしたデータを持つておりませんが、トルーマンの年頭教書によりますと、五一——五二にも——二十六年度でございます——グレー報告と違いまして、依然対日援助額予算に計上して議会に提出するように新聞等で報じております。議会の結果はどうなるかわかりませんが、米国政府としては引続き来年度も援助するという建前でやつておられるだろうと思います。それからその以後二十七年度からどうなるかという問題に関しましては、もちろんはつきりした見通しは持つておりませんが、一応こちらの方としては、一億ドルを希望したいというふうに希望を述べておりますけれども、この問題に関しましては、まだ何とも言えないのではなかろうかと思います。  もう一点は、講和条約ができた後に、なおこういう援助というものは続くだろうかという疑問が当然起きて来るわけでありますけれども、おそらく今までのエイドという建前から、あるいはほかの形態にかわるかもわかりませんが、依然何らかの援助というものは続くのではなかろうかというふうに考えられます。
  23. 森山欽司

    森山委員 新聞に書いてあることばかりあなたは大体御説明になつておる。政府側からお伺いするとすれば、当該の問題に対して中心に立つ方から、現在関係方面等と話合うとこんなふうな結論が出るというふうな、もつとなまなましい話を私はお伺いしたい。特に先般竹山委員緊急質疑をされました。それは講和条約が済んでまた何らかの援助を受けた場合においては、経済的な自主性については相当な制約を受けるであろうという新聞記事がありました。そういうことに対して政府はどう考えるかということについて、前回の委員会における竹山委員質問に対して、今回の委員会は何ら御返事の準備がないわけです。対日援助の問題、これは援助打切りの問題とあわせて、講和条約後に援助を受けた場合に、かのマーシャル・プランを実施している国々と同じように、相当の制約を受ける可能性がある。そういうことを一体十分考えてこの自立経済に対処しなければならない。経済的な自立とあわせて経済的な自主権の問題、これは当然対日援助の問題とからまつて行くのです。一通りの御説明だけで、そういう問題に対する深いわれわれの審議をしないで、この報告書内容数字等について一々言つてみたところで、私はどうも始まらないような気がする。ですから、私はこの自立経済中心とする本委員会審議に際しましては、私がただいままで御質疑しましたような事項について、責任ある政府の御答弁を得得るような態勢をまず整えていただいて、しかる後この審議会報告書内容検討に入つて行くのが本筋ではあるまいか、私はかく考えるのでございます。これについての委員長の御見解並びに各委員の御見解を承りたいと思います。
  24. 圖司安正

    圖司委員長 実はただいま大臣政務次官出席をしきりに要求してあるのでありますが、もうじき見えるということでありますから、おさしつかえない範囲において佐々木政府委員に御質問を進められて、大臣政務次官その他の政府委員出席された後において、ただいま森山委員質疑のような重要点に関しては、つつ込んだ御質疑を希望いたします。
  25. 森山欽司

    森山委員 私はひとまずこれをもつて質疑を打切ります。私の質疑次会に留保いたします。
  26. 圖司安正

    圖司委員長 速記をとめて……。     〔速記中出
  27. 圖司安正

    圖司委員長 それでは本日の自立経済計画に関する件は質疑次会に延ばし、これにて散会いたします。     午前十一時二十一分散会