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1951-03-30 第10回国会 衆議院 海外同胞引揚に関する特別委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月三十日(金曜日)     午後二時三十一分開議  出席委員    委員長 若林 義孝君    理事 池見 茂隆君 理事 小西 英雄君    理事 玉置 信一君 理事 受田 新吉君       青柳 一郎君    伊藤 郷一君       門脇勝太郎君    菊池 義郎君       北川 定務君    佐々木秀世君       庄司 一郎君    玉置  實君       福田 喜東君    小林 信一君  出席政府委員         厚生事務官         (引揚援護庁援         護局長)    田邊 繁雄君  委員外出席者         外務事務官         (管理局借入金         審査室長)   池田千嘉太君         大蔵事務官         (理財局外債課         長)      上田 克郎君     ――――――――――――― 三月三十日  理事高田富之君の補欠として林百郎君が理事に  当選した。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事の互選  在外公館借入金に関する件  留守家族援護に関する件     ―――――――――――――
  2. 若林義孝

    若林委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りをいたします。去る三月二十四貝理事高田富之君が委員を辞任せられておりますので、理事補欠選挙を行いたいと思いますが、これについては従来の例によりまして、委員長において指名いたすに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 若林義孝

    若林委員長 御異議なきものと認めます。それでは林百郎君を理事に指名いたします。     ―――――――――――――
  4. 若林義孝

    若林委員長 本日は在外公館借入金に関する件及び留守家族援護に関する件を議題として議事を進めることにいたします。在外公館借入金に関する件につきましては、たびたび政府当局より説明を聽取し、並びに質疑を行い、また先日は参考人より事情を聽取するなど、早急なる解決に努力して参りましたが、公館等借入金返済を待ちわびる引揚者の各地よりの声は、切々として生活事情より一日もすみやかな返済を訴えて来ており、二十三日在外公館等借入金返済準備に関する法律案が両院を通過し、その解決に一歩を進めるに至りましたが、なお多くの問題を残しております。確認書審査発給、これについての審定実情及びレートの設定、あるいは終戰時公館等においての借上げの際の問題について、政府当局にお尋ねすることが多々あると思うのであります。  また留守家族援護に関しましては、留守家族経済事情並びに心情を察し、常に光明を掲げるべく努力しておりますが、なお十分とは参らぬことに心を痛めております。これについても、まだ種々な問題があると思いますので、この際政府当局よりその説明を伺いたいと思います。本日御出席政府当局は、外務政務次官もやがて見えることになつております。管理局借入金審査室長、それから引揚援護庁援護局長も見えることになつております。それから大蔵省理財局経済課長外債課長も見えておられますから、質疑のある方は発言を許します。池見君。
  5. 池見茂隆

    池見委員 ただいま委員長から、本日の議題につきましては、在外公館等借上金の問題と留守家族救援対策という二つになつておるとのことでありますが、遺族の救援対策につきまして、これは今回地方税改正案の中にも示されましたが、未亡人それから六十歳以上の老人、前年度における十万以下の所得に対しては免税をするといつたことに規定されたのですが、先般の委員会庄司委員発言せられまして、留守家族困窮生活者に対してもそういつた法律を適用していただきたいという要望がありましたが、この点どういうふうになつておりますか、お伺いしたいと思います。
  6. 若林義孝

    若林委員長 援護局長はもう来るそうですから、ちよつとお待ち願います。
  7. 池見茂隆

    池見委員 それでは、あとでもう一回お伺いいたしましよう。
  8. 玉置信一

    玉置(信)委員 先般の本委員会において、四国地区より在外公館借入れ等に関する債権者側の代表が参りまして、預貯金の問題についてもいろいろ説明を聽取したのでありまするが、これに対しまして政府当局のはつきりした御説明を私承つておりませんので、この機会政府委員より所見を承りたいと思います。
  9. 上田克郎

    上田説明員 外債課長上田でございますが、預貯金の問題でございましたでしようか。
  10. 若林義孝

    若林委員長 預金貯金の問題があります。
  11. 玉置信一

    玉置(信)委員 両面からひとつお答え願います。     〔委員長退席池見委員長代理著席〕
  12. 上田克郎

    上田説明員 ただいま預貯金の問題、郵便預金貯金の問題につきまして御質問がございましたが、ただいま公式に取上げられております問題といたしましては、先ほど委員長からお話がありましたように、在外公館等借入金返済準備に関する法律案というものが出ておりまして、その前提として在外公館等借入金についてのみ法律上の問題として、現在その進捗事務に努力しておる次第でございまして、外務省確認事務を行つていらつしやいます借入金の範疇の中にその預貯金は入つていなかつたように私は考えております。いずれ将来問題として公式に取上げられることになるかとも存じますけれども、ただいまのところ、私の担当いたしております法律上の問題といたしましては、お答えすることができないような立場でございます。
  13. 玉置信一

    玉置(信)委員 在外公館借入金審査について、この前草葉外務政務次官からお答えつた中に、たしかこの三月で大体の審査終つて、その目標がわかるやに私お聞きしたように記憶しておるのでありますが、この点についておわかりになつたら、この機会お知らせを願いたいと思います。
  14. 池田千嘉太

    池田説明員 ただいまお話の、三月に確認見通しがつくだろうと草葉次官が言われたということは、実は昨年の十一月に在外胞引揚対策審議会が開催されまして、そのときに委員から、請求審査を三月までにぜひ終るようにという強い御希望が出たのでありまして、それを言われたのではないかと思いますが、われわれ事務当局としましては、御承知通り、二十一万件足らず請求書につきまして審査をしておるのでありまして、昨年の十二月に一万九千件、それから本年の三月の終りに一万八千件の確認証書を出しまして、ほかに約一千件の確認しないという通知書を発送いたした次第であります。こういう審査経験から顧みまして、三月ということは全然問題にならないし、大体確認証書を出し得るのではないかと一応の見当をつけました十一、二万件のものにつきましても、この秋ごろになればおおよそ確認証書を出し得るのではないかと思い、かつそうしたいという希望を持つて事務を進めておる次第でありまして、目下のところいずれにしても希望ないし見込みでありまして、はつきりしたことは申し上げられません。
  15. 玉置信一

    玉置(信)委員 そうしますと、今の御答弁からして、二十一万件足らずのうちで、審査終つたとみるべきものは三万八千件ぐらいだと思われますが、そのうち一千件が確認できないもので、確認したものは結局三万七千件ということになるわけですが、こうした審査進捗状況から見まして、今のお答えにありましたように、秋までに十一、二万件という目標を立てておられますと、この問題はこの年内においてもおそらく解決できないのではないか、かように心配されるわけであります。いずれ後刻草葉政務次官の御出席がありますれば、あらためて次官にお伺いいたしまするが、委員会としては、こうした問題は早急に解決するようにという激励を意映した、警告を加味したような要望をしてあるわけでありますが、秋までかかつてもこれができないということになると、これは相当この関係者としても重大視して来るのではないかと思われるのでありますが、もう少し審査方法を早める何らかの事務的措置がないものか。人が足らないためにできないのか、委員会状況等もわかりますれば、この際お知らせを願いたいと思います。
  16. 池田千嘉太

    池田説明員 ただいまの御質問お答えします。この審査方法につきましては、前にも御説明申したと思いまするが、大体借入金提供者に、確認請求書について一応当つたところによりますと、借入金を提供された相手、――われわれは借入れ主体と言つておりますが、その主体が千八百幾つという数に達しておりまして、それにつきまして順次審査をし、あわせて請求書について審査しておりますので、今までのところ、まず借入れ主体資料がほぼ完備し、そして請求書の方でも、確実な領収書がついているというような確実なものから次々に審査しておりまして、現在まで主体が九十三くらいよかろうということになつております。それでそれに伴う請求書について一々審査しておりまして、今まで確認証書の出ましたのが、さつき申しました三万七千件くらいでございますが、それに伴うものもまだあるわけでありまして、着々審査しておる次第であります。しかし残余のものにつきましては、借入れ主体の方の資料も十分でなく、あるいはあつても非常に不完備なものでありますし、それから中には借入れ主体といいますか、借入れ主体責任者が全然わからないというのも少くないことと思われます。一方請求書の方も、領収書がついていない、單に記憶によつて金額なんかを書いたというようなのも少くないし、それから請求書の種類も非常にたくさんありまして、これをどう判別するかという複雑な問題がございまして、これをいかにして速急に解決するかということについて、目下審査会の当事者初めわれわれ事務担当者愼重に研究中でありまして、今回支払い準備に関する法案通りましたし、支払い方法もだんだんに進むににつれまして、われわれの方に対しても、支払い確認の促進を非常に言つて来られますので、われわれもこの要望にこたえまして、さらに何らかの方法をとりたいと思つて、今考究中でございます。
  17. 玉置信一

    玉置(信)委員 支払いに関する法案も通過して、支払い準備もされておるということでありますが、そうしますと、この三万七千件ほど確認された分に対しての支払いをいつから開始されるか。  第二点は、支払いに関してのドル換算等の問題があつて、なかなかめんどうのようにも聞いておつたのでありますが、換算するポイントがはつきりきまつたわけでありますか。この点を伺いたいと思います。
  18. 上田克郎

    上田説明員 現地通貨で表示されました借入金を、円にどういうふうに評価するかという事項につきましては、本日公布になりました在外公館等借入金返済準備に関する法律の第三条に規定されております在外公館等借入金評価審議会、そこで大蔵大臣諮問に応じて審議するということになつておりますので、その審議の結果によつて判明いたすということになるのであります。
  19. 玉置信一

    玉置(信)委員 ただいまの課長の答えによると、返済準備に関する法律の第三条の評価審議会にかけて、大蔵大臣諮問に応じて審議をして決定されるということでありますが、この審議会というものは、一体すでにできているのか、できていないのか、これが一点。それから審議会にかけてやるということになると、この確認されたその都度その件数を審議して行くことになるわけでありますか、それともかりに二十一万件なら二十一万件の全体が確認、非確認された後において、総括的に審議会にかけてやらなければ適正を期し得ないということにもなるのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
  20. 上田克郎

    上田説明員 第一の御質問審議会の設置に関する進行状況でございますが、これは四月になりましたら、さつそく本格的に活動できますように、現在鋭意準備を進めておりまして、四月早々第一回委員会を開き得る運びになつております。  それから第二の御質問につきましては、この審議会の目的は、この法律の第三条にも規定されております通り現地通貨評価に関する事項を調査審議する。」ということでございまして、原則的に現地通貨円評価ということに限られておりますので、御心配のような、この審議会が一件心々につきまして幾らにするということをきめることは、いたさない審議会でございます。純経済的、技術的な審議会でございます。
  21. 玉置信一

    玉置(信)委員 そうしますと、現地通貨円評価を経済的、技術的の面から基本的にきめて行くということになつて、御説明のごとくこの基準が明らかにされまして、全体の支払い開始ができることになると思うのであります。そうしますと、先ほど質問申し上げましたように、三万七千件というものはすでに審査確認終つておるもけでございますが、これは円評価基準決定と同時に、ただちに支払い開始できると解していいのであるかどうか、この点を伺いたいと思います。
  22. 上田克郎

    上田説明員 御承知のように、この準備に関する法律の第一条で、具体的な支払い開始いたします前に「返済方法その他借入金返済に関し必至な事項を定める法律案をこの法律施行最初に召集される国会に提出する」という義務が課せられておりますし、借入金返済方法につきましては、第二条で「国民負担の衡平の見地から、公正且つ妥当な基準に基いて定められなければならない。」ということが規定されております。従いまして具体的な支払いに至ります前にもう一度用会議決をいただきまして、その議決に基いて具体的な支払い開始される、そういう段取りになつております。
  23. 玉置信一

    玉置(信)委員 今の御答弁によりますと、新たに初めて招集される審議会において議をまとめて、次に召集される議会の議を経て法律をつくつてやるのだという意味お話でありましがが、そうなりますと、この支払いというものは荏苒日を過すのみであつて、いつという見当がかいもくつかないように私考えるのであります。これは私の考えが誤つておれば別でありますが、もしそうだとするならば、これは私どもは非常に重大関心を持たなければならぬと思うのであります。そこでこの次の議会においてこれを協賛を経てやるということになりますと、この支払い全額は別に補正予算を組んでやらなければならぬということにもなるように思うのでありますが、こうした予算措置等についてもあわせて御所目を伺いたいのであります。
  24. 上田克郎

    上田説明員 たびたび法律を引用いたして恐縮でございますが、第一条の最後のところに、支払いの現実の開始は「昭和二十六年度中に借入金返済開始する」というふうに書いてございますので、二十六年度中には少くとも開始いたされるはずでございますし、またわれわれといたしましても、一日も早くということで努力いたしております。  それから予算の問題でございますが、私がお答えする範囲に属しますかどうか存じませんが、二十六年度中にこれを返済するに必要な予算的措置け当然とられるものと私は存じます。
  25. 玉置信一

    玉置(信)委員 課長見通しでは、これが支払い開始されて、在外公館借入金の問題が解決済みになるという時期の見通しをいつごろに見られますか、この点お伺いします。
  26. 上田克郎

    上田説明員 最終的な完結の時期につきましては、これは確認事務との関連もございますし、はつきりしたことは予想しかねるわけでございますが、少くとも最初支払いにつきましては、次の国会で新しい法律ができますと、可及的すみやかに支払いができるものと確信いたしております。すでに確認の済みましたものにつきましては、あと法律従つて、自然的に計算の上、支払いが行われるということになると存じますので、そうおそいことはないと信じております。
  27. 福田喜東

    福田(喜)委員 途中委員会を抜けておりましたので、あるいは質問があつたことかと思いますが、重複するならばやむを得ませんが、そうでない限りはひとつ教えていただきたいと思います。いまだにわれわれのところによく、たとえばハルピンから引揚げた北支から引揚げたというときに、在外公館あるいは居留民団に幾ばくかの金を立てかえたと言つて来る。その中には二億円という巨額の金もあるようでございますが、そういうものがはたして立てかえてあるのかどうか、あるいはまた数百万円、数千万円というのがありますが、そういうものが実際支払いを受けるに至るところの手続確認されざる部分について、どういう手続を経て確認を受けて支払いに至るのかというその手続を、恐縮ながらひとつ教えていただきたいと思います。
  28. 池田千嘉太

    池田説明員 ただいまの確認請求書は、昨年の法律によりまして、請求期限は昨年の五月十八日限りになつておりまして、それまでに請求書外務大臣あてに出ましたものにつきまして、外務省に設けられた審養会おいで嚴重審査しておりまして、これの審査を経て確認すべきものときまつたものに対しては、大臣からさらに確認証書を出しております。そしてその確認証書が出たものに対しては、ただいま大蔵省お話になりましたように、支払い方法その他を御決定になつて、順次その法律によつて支払いされるものと思つております。     〔池見委員長代理退席玉置(信)   委員長代理著席〕
  29. 福田喜東

    福田(喜)委員 はなはだ簡單でよくわかりませんが、昭和二十五年の五月の十八日の受付分に限られる、それ以後のものは法律の不知によつて忘れたものでも絶対だめなんですか。もう少し詳しくひとつやつていただけませんでしようか。
  30. 池田千嘉太

    池田説明員 これは二十四年六月一日の法律第百七十三号によりまして、在外公館等借入金整理準備審査会法というのが出ております。それの第五条にこういう規定があるのであります。「借入金を提供した者(その者が死亡した場合においては、その相続人)は、この法律施行後百五十日以内(未引揚者については、本邦上陸後一年以内とし、この法律施行現地において死亡した者については、その死亡の確認があつた日以後百五十日以内とする。)に、政令の定めるところにより、証拠書類を添えて外務大臣に対し借入金確認請求することができる。」という規定があるのであります。そうしてさらに「借入金を提供した者は、前項の期間内に確認請求をしないときは、借入金確認請求する権利を失う。」という規定があるのであります。それによつて処理しておりますから、期限を経過した後のものは、一応この法律によつてどうすることもできないという事情にあります。
  31. 池見茂隆

    池見委員 今の問題について、審査会というようなものができ、その審査会は十名、外務大蔵各二名、民間六名ということになつておりますが、この大蔵外務は別として、民間の六名の委員は、どういつた方法で選任されることになりますか。
  32. 池田千嘉太

    池田説明員 この委員選定方法につきましては、ただいま御答弁申し上げました審査会法の第三条に規定されておりまして「外務次官大蔵次官外務省管理局長及び大蔵省理財局長並びに外務大臣が命ずる委員六人以内で組織する。」ということになつておりまして、大臣が任命する委員六人というのは、大体現地事情をよく承知され、かつ本件借入金が行われたおもな地区の人をお願いしている次第でございます。
  33. 池見茂隆

    池見委員 そうすれば、結局今の借上金等について、たとえば居留民団の団長とか、あるいはそういつた性格を持つた人々が内地に引揚げて、引揚更生連合会とかいう団体長のごとき者が適格者としてこれに選任される可能性が多いということに了承していいわけですか。
  34. 池田千嘉太

    池田説明員 大体そういう傾向も認められますが、実際に、たとえば奉天なら奉天借入金を直接に扱つたというような人にお願いしているわけでございまして、必ずしも一致しないということであります。それで借入金審査愼重を期する意味で、よく現地事情承知しておると思われる人にお願いしておるわけであります。
  35. 池見茂隆

    池見委員 四月一日からこの委員会か発足するといつたような先ほどからのお話のようですが、審査室長等は主として事務的なことを担当される面が多いので、外務大臣がこれを任命することになりましたならば、今申し上げたようなことによつて、すこぶる愼重民間人の選任についてはなすべきであるということを要望しておきます。
  36. 池田千嘉太

    池田説明員 お答えいたします。ただいま私の説明いたしましたのは、確認請求書審査の方の委員会関係でございまして、御質問趣旨は、支払い準備に関する円評価審議会委員お話のように承ります。この点は大蔵省の方から御答弁願います。
  37. 上田克郎

    上田説明員 在外公館等借入金評価審議会委員は八名以内ということが、返済準備に関する法律の第四条に書いてございまして、そのうち外務省並び大蔵省から三名、他は学識経験のある者というふうになつております。先ほども御説明申し上げましたように、この審議会性格は、次の法律案準備するために必要な借入金を表示する現地通貨評価に関する事項だけを、純経済的に、技術的に審議をするという性格を持つておりますので、現地におられまして、現地事情によく通暁なさつた金融的、経済的な学識経験の深い方、そういう立場大蔵大臣が選考することになつております。
  38. 池見茂隆

    池見委員 それから請求総数が二十一万件、そのうち約三万七千件はすでに確認書が発送された、この三万七千件に対する大体の借上げ金金額はどの程度になつておりますか。
  39. 池田千嘉太

    池田説明員 御質問金額の点は、第二回目に発送しました一万八千件については、まだ累計ができていませんのではつきり申し上げかねますが、第一回分の一万九千件についてはわかつております。これは地域別になつておりまして一口に言えないのでございますが、おもなものだけ申し上げましよう、満銀券が一億二千九百九十五万、それから東北流通券が九百十九万、鮮銀券が七百七十万、連銀券が一億二千百八十九万、法幣が二千二百二十七万、儲備券が二億四百七十四万、大体そういう概数になつております。
  40. 池見茂隆

    池見委員 ただいまのは、第一回の一万九千件に対するものであり、第二回の一万八千件はいまだ累計計算中である。これがさつきお話のように、それぞれ換算をされて後に初めて日本通貨でもつて表示されるということになると思いますが、第二回の分に対してもできるだけ早くお教えを願いたいと思います。
  41. 池田千嘉太

    池田説明員 できるだけ早く御希望に沿うようにいたします。
  42. 池見茂隆

    池見委員 援護局長にお尋ねしたいのですが、先般の委員会でもつて庄司委員から御発言がありましたことは、老人未亡人に対する課税の問題に関する件でありますが、これは本国会において地方税が一部改正せられます中に、老人六十歳以上、未亡人、これらの人々の前年度の十万円以下の所得に対しては、税を免除するといつたようなことが規定されましたが、引揚者留守家族の最も生活困窮者に対しては、先般のお話では、これに準じたるものになつて行くといつたような話を開きましたが、これはどういうふうなことになりましたか。
  43. 田邊繁雄

    田邊(繁)政府委員 この点につきましては、私の方から大蔵省係機関の方に申入れをしてございます。大体お説のような趣旨で、老人等に準じて扱つてもらうことになつております。     〔玉置(信)委員長代理退席池見   委員長代理著席〕
  44. 玉置信一

    玉置(信)委員 田邊援護局長にお伺いしますが、引揚者住宅建設についてこの前伺いますと、建設省との連絡、協議によつて建設円滑化を期して行くようになつたということでありますが、二十六年度の引揚者住宅建設のうち、北海道に対しては何戸くらい予定されておりますか。この点について伺いたいと思います。
  45. 田邊繁雄

    田邊(繁)政府委員 引揚者住宅の問題は、この委員会でも申し上げたと思うのですが、実は二十六年度からすつかり建前がかわつて来たわけでありまして、昨年開きました引揚同胞対策審議会におきまして、引揚者住宅対策をどうするかということをいろいろ研究いたしまして、従来引揚者住宅として建てておるものは、帰つて来たときの受入れということで建てておつたのであります。つまり新規無縁故引揚者受入れ住宅ということであります。従いまして過去にすでに引揚げて来て、住宅に困窮しておる引揚者のための対策としては、国の施策としては何もないわけであります。ただ前の厚生省の予算に計上されております新規引揚者のための住宅が少かつたという偶然の事情のために、過去の引揚者のための住宅が少い、こういう事情にあつたと思います。これはいろいろの事情からまずいと思いますので、二十六年度以降においては、前の引揚者に対する定着住宅としての住宅を建てるという政策を確立する必要があるということになつたわけであります。ただそうなりますと、引揚者だけに限定してそういう住宅を建てるということは適当ではないから、引揚者及び引揚者と同様の実情にある住宅困窮者であり、しかも庶民住宅に入るだけの資力のないものを対象として行こうじやないかということで、厚生住宅というものの建設がきまつたわけであります。その点につきましては、これはわれわれの方の引揚援護庁としても、非常に関心の深いところでございます。引揚者住宅にかわるべきものでありますので、十分安本当局と折衝いたしまして、結局こういう政策は国として必要であるから、大いにやろうということに決定したわけでありまして、これが第一段にきまりまして、しからばこれを建設省でやるか厚生省でやるかという所管の問題が第二段として出て来たわけであります。この厚生住宅の実施については厚生省からも必要の予算を出す、建設省からも必要の予算を出したわけであります。結局現在の行政組織法、建設省の設置法というものからいたしまして、住宅の供給建設ということは建設大臣の所管としてやるべきものであるということで、結局建設省の方に予算がついたわけであります。従いましてこれは庶民住宅の範疇、一環としてやるということにきまつたわけであります。ただその際には厚生省と一緒になつてやる、その点につきまして、これは厚生省の社会局の方の所管になつておりますので、社会局とそれから建設省の住宅局、こことよく相談をいたしまして協定をいたしたわけであります。この線に沿うて二十六年度は実施するということになつております。たしか戸数は庶民住宅は二割であつたかと思います。ただ従来の引揚者住宅よりも坪数が少しふえまして八坪、それから單価は従来の引揚者住宅よりももつと高くなつております。従来の引揚者住宅は応急という観念でやつておるから、どうしても單価が低い、今度は一万八千円ないし二万五千円という一般庶民住宅並の單価になるわけであります。それから家賃は大体四百円以内ということになるわけであります。従いましてその入居者の選定にあたりましては、ただ公募するというだけでなしに、本人のあらゆる状態を調べて、これを選定して行く、こういうやり方をして参るのであります。従いまして本省におきましては、厚生省と建設省とよく相談してやる、第一線におきましては、民生委員が十分この問題にタツチするということで進んでおるわけであります。それからもう一つの新しく帰つて来た引揚者で、住宅に困つておる人がたくさんあつた場合どうするか、この問題が従来通りあるわけであります。もしそういう事態があれば、政府としては予備金から必ずこれを支出するということは、厚生省と大蔵省とすつかり話がついております。  それからもう一つ住宅問題につきましては、従来の集団住宅の措置の問題であります。これは二十五年度の補正予算の後の機会におきまして、いろいろ厚生省引揚援護庁の余つておる予算を流用いたしまして、相当疎開をいたしました。しかしまだ相当疎開を要するもので、残つておるものもございます。また補修を要するものも相当あろうかと思います。これはまた二十六年度における引揚援護庁の予算執行状況とにらみ合せまして、できるだけ整備をして参りたい、こう考えておるわけであります。
  46. 玉置信一

    玉置(信)委員 この前一部をお聞きしておつたわけでありますが、本日田邊局長より詳細にわたつて説明を承りまして、非常に幸いと存じて感謝いたす次第であります。なお今までの引揚者住宅、それからまた厚生住宅の問題もいろいろとあろうと思いますが、今地方自治体で問題になつておるのは家賃が入らないということなのであります。家賃が入らなくて困つておる向きが大分あるのですが、こうしたものとはどういうことで将来始末つけるべきものか、当然家賃はとらなければならぬのだが、入つておるものの生活状態と申しますか、労働とかあるいは小さな店を開いて生活の道を立てておるという条件のもとにおいて、家賃を払うことが非常に困難で、払えないので、大分滞つておるというものの処置ですが、これは私も常識的に考えれば、かくあるべきだという断を下すことができるのですが、しかしこういう問題はなかなかむずかしいので、地方でも非常に困つておると思うが、これは相談ずくの質問のようでありますが、もし当局としてこういうようにすればいいんじやないかというような示唆の程度でもけつこうですがお話願えれば幸いでございます。
  47. 田邊繁雄

    田邊(繁)政府委員 お説の通り、厚生住宅は生活保護法の保護施設ではございません。住宅提供事業でございますので、家賃をとるという建前になつております。その基準は大体二、三百円程度、これは一定の方式が示してございます。建設省では庶民住宅の家賃の算出のやり方をちやんと方式として出しておりますが、引揚援護庁でやつておる住宅につきましても、それにならつております。ただ地元負担が非常に低くなつております関係上、引揚者住宅は非常に家賃が安いわけであります。大体三百円以内であります。家賃はとるという建前になつておりますが、生活状況その他勘案して、それだけの家賃をとることができないと認められる場合においては減免してやる、減免制度ということを一般の方針として示しておるわけであります。ただ生活保護法に該当しておる方であつて、こういう住宅にかりに入つておる人があつた場合においては、生活保護法に出ておる住宅扶助、家賃の分を納めてもらう、こういう建前にしております。
  48. 玉置信一

    玉置(信)委員 別の問題でありますが、留守家族援護に関連がありますので、この際お尋ねしますが、厚生省当局においては遺族保障に関していろいろと研究されて、ドイツの遺族保障制度と同じような制度の立案化を急いでおるというように聞いておりますが、これに関しての経過、あるいは今後の見通し等についてお知らせ願えれば幸いと存じます。
  49. 池見茂隆

    池見委員長代理 ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止〕
  50. 池見茂隆

    池見委員長代理 速記を始めてください。他に御質問はございませんか。――ないようでしたら、本日はこれをもつて散会いたします。     午後三時三十三分散会