○
高田(富)
委員 この前
中山委員から御
報告がありました際に
ちよつと申し上げましたが、どうもその
調査を要求される
趣旨におきまして、はなはだ一方的な、独断的な観念に基いておるというふうに考えましたので、その点を私としましては撤回せられるようにということを申しましたが、そういうこともできないというので、
理事会におきましていろいろ
お話しいたしました際にも、私としましてはあくまでこの
要求書自体の
趣旨、
要求書の文面に出ておる字句からいたしましても、たとえば三
団体の
背後関係をどうとか、とにかく非常にこの三
団体が
引揚げの
妨害者として糾弾さるべき対象であるというふうな
見地からの
調査要求でありましたので、こういうふうなことには応じかねると申しましたが、ともかくそういう
問題にされた
団体でありますから、それら三
団体の方からも
意見を聞き、
中山さんの
意見も聞くのもよかろうという
意味であつたわけであります。しかるにその後私といたしましても、なお
事情を
調査する必要があると思いまして、三
団体がどういうものを出したかということを調べてみましたところが、三
団体が
国連に出しましたものは、一般的にも広く配付されておるようでありまして、
印刷物があるのでありますが、その
印刷物を見ますと、
中山さんの言われておるのとは非常に違うわけでありまして、妨害しておるとか、そういうふうなものに
関係なくて、非常に
誠心誠意引揚げに努力をして来た。これらの
団体といたしましても、現在の
段階において、特に
ソ連地区残留者の
数字の
問題、そのほかいろいろなデリケートな
問題がありますので、こういうふうなことが政治的な企図に基いてことさらに大きく取上げられるということがありますれば、これは非常に不本意な結果になるというふうな
見地から
意見を述べたのであります。従いまししこういうふうなことに対しまして、何かことさらにこれを曲解するような
印象を
国民に与えるということは、はなはだ軽率で、はなはだ私はそういう
態度は遺憾であると思うのでありますが、この三
団体について、その後
中山さん
たちは全国をあちらこちらまわられまして
事情を
報告された際にも、やはりこの間本
委員会で
ちよつと私が感じられましたような
印象を一般に与えておる、特別にこの三
団体を非難攻撃するような
立場に立
つておるということは、この三
団体にしましても非常に遺憾なことであ
つて、そういうことはないという
声明書も出ておるわけであります。その
声明書によりましても、まつたく斎藤、
中山両氏の言
つておることは
デマにひとしいものであるということを述べておるのでありますが、なるほどこの
引揚げ問題に関しての
国連への
要請の
文書を見ましても、まつたく
中山さんの言われておるような性質のものでないということは明確であるのであります。
従つてあのような
調査要求に基いて
調査をするということになれば、結局
調査のやり方その他におきましても、おそらくそういう一方的なものをねじ上げるようなことになる
危険性も大いにあるわけであります。この際われわれは事が非常に重大であり、国際的にも
問題にな
つているような事態でありますので、そういう一方的な、政治的な
意図を持つたことでやるということにはあくまで
反対であります。ことに本
委員会の
性格といたしましても、もつと冷静に、客観的に事を処理しなければならないのでありますので、今回の
中山さん
提出のこの
要求書は、その
趣旨から言いまして、私
どもは
賛成いたしかねる、こういう
結論にただいま到達いたしておるのであります。
従つてこの
調査をやらない方がいいというふうに考えますので、
反対いたしたいと思います。