○間嶋
政府委員 ただいま御
質問になりました中で、第一の今度の改正の
内容の一つであります「ホテル業を営もうとする者」というのを削除する点に対しての御
質問は、実はこの法律の第四條等を見ますと、登録をいたします場合には、そのホテルの
施設が別表に掲げる基準に適合しなければならないということに
なつております。また業者の資力、信用が十分であ
つて、ホテル業の確実な経営が確立しなければならないというような
内容にも
なつておるのでありますが、そういう点を考えますと、当然これはすでにホテル業を営んでいることを前提としている規定だと思うのであります。そこへ持
つて参りまして、これを営もうとする者はホテルの登録申請ができるということに
なつておりますので、この法律が施行せられましてから現在までに、設計だけで登録の申請を要求しておる人
たちがかなり多いのであります。ところが今申しました第四條の規定を見ますと、
現実にできて来なければ、設計書だけでは必ずしもその
施設が基準に適合するかどうかわからないということもありますし、またその経営が確実であるかどうかということを見るわけにも参らない、実際問題として受付けるわけにも参らない、登録するわけにも参りませんので、こういう点はやはりこの法律
内容の不備ではないか、こう考えるのであります。実はこの法律が国会で
審議されてお
つた当初におきましては、ホテルの登録税あるいは不動産取得税の軽減ということが盛り込まれておりまして、
建物を取得してそれをホテルに転用するというふうな場合にも、ある
程度そういうようなことができるようにするために、こういう條文を入れたというふうに私は
承知しておるのでありますが、それが今のこの法律には入
つておりませんし、一方そうい
つた誤解もありまして、設計だけで申請を出されましても、実際問題として登録をするわけには行かないという不便がございますので、この際は一応これを削
つた方が、申請者のためにははつきりしてよいのじやないかと考えるのであります。
それから第二の御
質問の、海外から
相当観光客が参るのに、東京にはほとんどホテルの余力がないという
お話はご
もつともでありまして、私
たちも実はホテル、特に京浜
地方におきますホテルの
整備という問題に、頭を悩ましておるのであります。これが
対策といたしましてまず考えられますのは、
もちろんホテルの新設であります。しかしこれには
相当の資金を必要といたしますので、かねて御
承知の
通り見返り資金等にも、ホテルの新設を
相当要望いたしてお
つたのでありますが、昨年におきましてようやく、東京において二件、神戸に一件、名古屋に一件、合計四件の見返り資金が一応
計画に載
つたのであります。ところが神戸、名古屋の方は
計画が早く進んでおりましたので、申請書も早く出したということで、
年度内にそれぞれ四千万円ずつの見返り資金の決定を見たのでありますが、東京の二件は、
計画も遅れておりましたので、申請書を出すのが遅れましてぐずぐずしておりますうちに、御
承知の
通り制度がかわりまして、見返り資金も今度は開発銀行の方で一切取扱うということになりまして、この方は一頓挫を来しておるのであります。しかしこれに対しましては、今後におきましても開発銀行からの融資その他につきまして、
運輸省といたしましてもできるだけ
努力をいたしたいと考えておるのであります。またかねて東京には、外国資本の導入によるホテル
計画もございまして、これに対しましても、
政府としても、いろいろの面で協力を続けておるのでございます。
なお第二の方法として考えられますのは、現在御
承知の
通り相当りつぱなホテルが接収されております。この中の一部を解除して、一般の観光客の用に充てるということが考えられるわけであります。この点につきましても、かねがね折衝しておりまして、実は昨年の朝鮮事変直前には一部実現する見込みがついておりましたが、朝鮮事変が起りましてから、またそれが延期に相なりました。しかし近く講和條約の締結も予想されますし、その際に現在接収せられておりますホテルあるいはその他の
建物の使用につきまして、
相当整理が行われることが予想せられるのであります。また業界でも、この機会に日米協力の建前で協力することはやぶさかでないけれ
ども、業者としてはできるだけ自由営業を欲するというような要望もありまして、ホテル
審議会等に対しましても、ホテル協会あるいはホテル業者から直接
請願もございまして、現在ホテル
審議会としましては、
政府の
関係当局及びGHQ
関係に、この問題につきまして
請願をする
予定に相
なつておりますが、われわれ
政府部内にある者といたしましても、この機会にできだけ一流のホテルを、そうい
つた一般の自由営業のできるホテルとして返していただくというふうに
努力いたしたいと考えておる次第であります。