○柄澤
委員 私は
日本共産党を代表いたしまして、
道路運送法案を初め、陸上運輸に関する重大なる変革を伴う六法案に対し、簡單に
反対の
趣旨を申し上げたいと思います。
先ほど
大臣に簡單に御
質問したときにも申し述べましたように、
ただいまの
日本の
情勢下におきまして、
経済情勢、政治
情勢が安定したという断定のもとにこの法案が出されたということは、ま
つたく欺瞞もはなはだしいものでございます。それは
政府が現に示されておりますように、
日本の危機ということを主張されまして、警察予備隊を増強されたり、あらゆるものが強化されました反面におきまして、政治、
経済情勢が安定しておるという断定のもとに、こういう法案が出されておることに伴いまして、現実にはそれが
末端でどういうふうに行われついるかと申しますれば、これは独占事業の助成であり、官僚機関のかつの独裁を強化することになり、さらに
終戰以来最近になりましつ露骨に示されておりますところの、平和的な中小企業がこれによつ犠牲をこうむること以外にはないのであります。現実に青森のりんごが腐
つておる。炭鉱で石炭の輸送がとまつおる。魚が輸送できず、
国民の口に入らずにこれがやはり腐
つておる。しかもそれに参加しつおる労働者
諸君の
生活の安定なしには、とうつい
行政の円満な運営というものはできないのであります。先ほど
滿尾委員も、待遇が保障されついない限り、
行政面での実際の運営はできぬということを言われました。現に国鉄のあれだけの大事件が起きました原因を、与党の
諸君も熱心に心配はされておりますけれども、運輸
委員会の責任でないということが言えましようか。われわれにも責任の一端はあるのであります。この責任をわれわれは感じなければならないのであります。
ここで加賀山総裁に涙を流しつおわびさせつ、それで済むと思
つたならば、われわれは政治を担当する資格はないと思うのであります。これはたびたび首を切り、修繕費を減らし、軍事輸送の貨車をふやしながら、客車の修繕をしないという、あの予算編成に対して与党がどれだけ協力されたかということは、実に疑問であります。こういうふうな戰時態勢に対して、いわゆる戰争放棄をした
日本が、国連協力の名のもとにあらゆる独占資本に援助をし、輸送は軍事輸送に振り向けられようとしている今日の
情勢において、この法案が施行された場合には、一体
日本の
国民生活はどうなるか。やはり先ほど申しましたように、港湾労働者が海の中へたたき込まれたり、労働者が責任者として法廷で調べられたり、三鷹事件で六三型があぶないと言
つた労働者が死刑に
なつたりするのが
日本の現状であります。ですから
日本共産党といたしましては、さような
法律が、
経済状態が安定しているという断定のもつに今日出されることにつきましては、とうてい
賛成することはできないのでございます。これをも
つて簡單でありますが、
反対の理由といたします。