○
坪内委員 私はこの際両案について、次のようなとりはからいをするよう
動議を
提出してみたいと思うのであります。両案の中で前者の場合は、私が申すまでもなく、
提案者並びに
政府当局からも
お話がありました
通り、朝鮮動乱を契機として、わが国の海運業界の状態からして、かかる処置をとることが妥当であるということは、賢明なる
委員諸君のひとしく認識するところであろうと思うのであります。後者の件につきましては、これまた海運業界の現在の状態からして、
政府が買い上げた低性能
船舶をさらに元の船主側に還元をして、これを改修し、
外航船舶として活用させようということも、時宜を得た処置だと私は
考えるのであります。しかもこれに関連いたしまして、
国会の両院において、去る二月と思いましたが、外航
船腹緊急増強に関する決議案を、われわれは満場一致をも
つて賛成いたしておるような建前からいたしまして、この両案につきましては本質的には
賛成をしなければならないじやないか、かように
考えるわけであります。
委員各位からもいろいろな
質疑がありまして、昨日は共産党の
江崎君から、かかるスクラップにするような、文字
通り低性能
船舶を外航に使うということは、非常にいたんでいるやさきに、船員にと
つて非常に危險じやないかというようなごもつともな
お話もありましたが、これにつきましては多年海運業界で経験の深い
提案者から、そういう心配はないという話もあつたようで、さようわれわれは了承していいのではないかと思
つております。本日またいろいろ
質疑がありましたが、大体われわれは了承いたしてよかろう、かように
考えるのであります。
そこで私はこの後者の場合に、多少疑問があるわけであります。すなわちこの低性能船を船主側に還元するということの條件が、これを改修して
外航船舶の調整のために使うということでありますが、これを改修するということになると一億、二億の金がかかる。その
資金面の裏づけも
政府があつせんせずして、これを船主側に手放しに渡してしまうということは、その点に何か矛盾があるような気がいたすのであります。そこでそれらの
資金面につきまして、能力のあるものがあつたならば、これを他に何らかの方法で転売するなり、譲渡するなりして、
政府の方針
通り、これを外航
船腹に活用するというような建前も、あるいは考慮してよいのじやないかというようなことも
考えられるのであります。さらにまたこの
法案が、外航
船腹の
拡充のためにのみこれを適用するというような幅の小さい
法律にな
つておりますが、この点ももう少し幅を広めて、他の面にも活用ができるような
措置を開くことも、考慮すべきであるということを
考えるものであります。
さらにこの際私は特に
政府当局に要望いたしておきたいのでありますが、これに関連いたしまして、いわゆる低性能
船舶買上げ剰余金の
関係について、
岡田局長の言質をいただいた上で、この
法案の取扱い方について
委員各位の御賛同を願いたいわけでありますが、それは昨日も
お話いたしました
通り、このいわゆる剰余金というものがかれこれ十億近くある。十億近くあるけれども、目下これは大蔵省に繰越金みたいな
関係で、これが繰越されて行くというような
お話でありましたが、昨日もわれわれ
質問いたしました
通り、もともとこの金は海運業界のために流用しようという
関係で、二十五
年度の
予算に組まれておる
関係もありますので、この際ぜひとも運輸省は、海運業界においてこの金を流用できるような行政的な事務の折衝なり、あるいはそういつた促進方を十分に考慮していただくということをお
考えいただきたいということと、さらにまたこの剰余金が一部のものに流用されることなくして、広くわが国の海運業界に平等に支出されるというような建前で、進んでほしいということをまず私は強く要望いたしまして、この点について
岡田局長の答弁を求めまして、そうしてこの際両案につきましては、討論を打切
つて御採決あらんことを望む次第であります。