○天坊
説明員 特に鉄道の仕事にしよつちゆういろいろ御指導、御鞭撻願
つております運輸
委員会に、われわれの先輩で、われわれの仕事にも十分通じておられる
岡田先生から、いろいろな意味での理解を含めて、今年の鉄道事情、最近の鉄道事情を見てお
つて、非常に心配なんだが、どういうふうに考えているのかというお話でございました。一応先般運輸次官からもお話がありましたが、もう少し
数字を加えまして、最近のその事情を
説明申し上げ、またそれがずつと続いて二十六年度にはどういうふうなことになるかという点を申し上げてみたいと思います。一応先ほどの
政府委員からの御
説明と重複する分もあるかもしれませんが、ひとつ御予承願いたいと思います。特に問題になりますのは、
貨物輸送でございますので、その面から申し上げます。
御承知の
通り昭和二十三、二十四年の間は、鉄道の
輸送全体が一億三千万トンをよう切れない。一億二千九百万トンあるいは一億二千七千万トンという程度の
数字を、二十三年、二十四年は実施して参つたのであります。ところが、二十五年になりまして、これは推定といたしましては、二十四年度に比べてそう大きくふえるとも考えられないというようなかつこうで、スタートいたしたのでありますが、先ほどもお話がございましたように、昨年の七月、八月以来相当な変化がございまして、大きく数量がふえて参りました。特に先ほどもお話がございましたように、昨年の初めのころは大分貨車が余りまして、約三千両近くの車を封鎖するというかつこうで、そういう姿もあつたのであります。それが急激にふえて参りまして、昨年の秋、特に十月、十一月、十二月ごろには、昨日もお話が出ましたが、駅頭
滞貨というものが百万トンを突破いたしまして、十二月には百五十万トンの
滞貨に
なつた。それが暮の三十一日までうんと押し出しましたので、お正月には四十万トン、五十万トンに落ちたのでありますが、それがすぐ飛び上りまして、最近百六十万トンというふうな
滞貨を持
つておる姿であります。これに対しまして、現実にや
つております作業は、きのう運輸次官は、大体三十四、五万トンずつ運んでおるというお話でありましたが、昨年の暮から非常にピツチをあげまして、いろいろ各方面のご協力等を得まして、成績が非常に上
つて参りました。一日四十万トンを突破するという
数字が出ております。こういうかつこうで参りますと、今年の三月までには、おそらく一億三千四百万トンくらいは突破するのではないかというふうに考えております。そのごく最近の
数字というものをずつと延ばして参りますと、来年度の
輸送要請というものは、見通しについてはいろいろ問題がありますが、一億二千六百万トン近くが載
つて来るのではないか、あるいはもつとふえるかもしれないというかつこうになるように思われるのであります。
〔
委員長退席、
大澤委員長代理着席〕
ただ私どもの現在保有いたします貨車、それから能力というもので、暮あたりから非常にピツチを上げておりますけれども、これがずつと一年中コンスタントに続くかどうかという点につきましては、相当無理もや
つておりますので、一年中続くかどうかという点ははつきり申し上げられません。そこら辺は、ずつと年間を通じての貨車の
運用効率というものを平均して、まあこの程度なら十分や
つて行けるというような、
数字で考えますと、来年度は一億三千五百万トン、四百万トン、あるいは六百万トンというところは、うまく行けばでき得る。うまく行かぬとなかなか骨が折れる。また要請の方は、あるいは六百万トンがもつとふえるのじやないかというふうに考えられるわけであります。
数字のこまかい刻み方につきましては、これはまだ公定版でございませんので、私どもそういうふうな幅で考えておることを御了承願いたいと思います。そこで先ほどお話がございまし、貨車の数量なんかも、昨年、一昨年と比べてかえ
つて減
つているではないかというお話もありますが、これは毎年車の年限も来ておりますから、
車両というものはある程度減してもらわなければならない。廃車して行かなければならない。それに対して適当な見通しをつけて、新しい車をつく
つて行くわけでありますから、来年度も、先ほど中しましたような、相当勉強した
運用効率を使
つてや
つて行くという前提で、また来年度大体二千両近い車の廃車も見込みまして、四千両近い車、あるいは五千両近い車ができますれば、それでも
つてまあまあ一億三千五百万トン程度の
数字のものは運び得るのじやないかというふうに考えております。ただ見通しといたしまして、きのうもお話が出ておりましたが、さらに海運その他の運賃の上り方ということから、また陸の方の
貨物が上
つて参るというようなことで、もつともつと大きな
数字に
輸送要請量がふえて来るのではないかということも考えられるのでありまして、その点は私どもの任務が非常に重要でありますだけに、非常に心配はいたしておるわけであります。ただ先ほどもお話がありましたように、ただ貨車だけをやたらとふやすというわけにも参りません。貨車に
関係がある年齢の問題がございます。これもまた先ほど
岡田委員から、
サービスの問題と
輸送力の問題とをどういうふうに考えるかというようなかつこうでお話がございましたが、客車の方でもいまだに雨が漏る車が方々に相当あるというふうな姿でございますから、これもそのまま等閑に付しておくこともできません。こうしたものにもある程度まで新しい客車をつくることも考えねばなりませんし、また応急の雨漏りを
防止する方策ももちろん考えなければなりません。その他貨車を収容する
設備、そういうことも当然必要と
なつて参ります。さらにまた片方で
電化に対する電気機関車も必要に
なつて参ります。
電化区間の問題、あるいは新線の問題につきましては、先ほど
政府委員から御
説明がございましたが、今申し上げましたような
設備の来年度の
輸送力、それに対する増強の方向というものは、大体百三十五億、相当思い切つた
車両増強の
予算のわくを広げて、御協賛をお願いしておるわけであります。ざつとそういう貨車の増強、約四千両近くのものを考えておりますということを申し上げたのでございますが、なお
質問がありますれば、お答えしたいと思います。
〔
大澤委員長代理退席、
委員長着席〕