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1950-11-27 第9回国会 参議院 本会議 第4号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十五年十一月二十七日(月曜日) 午後一時二十五分
開議
━━━━━━━━━━━━━
議事日程
第四号
昭和
二十五年十一月二十七日 午前十時
開議
第一
国務大臣
の
演説
に関する件 ━━━━━━━━━━━━━
佐藤尚武
1
○
議長
(
佐藤尚武
君)
諸般
の報告は
朗読
を省略いたします。
—————
・
—————
佐藤尚武
2
○
議長
(
佐藤尚武
君) これより本日の
会議
を開きます。
日程
第一、
国務大臣
の
演説
に関する件。
吉田内閣総理大臣
及び
池田大蔵大臣
から
発言
を求められております。これより順次
発言
を許します。
吉田内閣総理大臣
。 〔
国務大臣吉田茂
君
登壇
、
拍手
〕
吉田茂
3
○
国務大臣
(
吉田茂
君) 本日ここに
提出
の本
年度補正予算案
その他に関し所見を述べる
機会
を得ましたことを欣快に存じます。 最近、外電は頻りに対
日講和
の近きにあるを報じ、
米国
を
中心
として
関係諸国
の間に
予備交渉
が進められつつある趣きでありますが、これは長い
間講和
を待ち望んで来た
我が国
民にと
つて
誠に
喜び
に堪えないところであります。一日も速かに、一国とでも多く
講和
をいたしたいと熱望しおる
我が国
民として、
平和国家
、
民主国家
としての
日本
の
再建
に更に一段の
努力
を傾注いたすべき秋であると信ずるのであります。 この
機会
に、
政府
は
スウエーデン皇帝グスタフ
五世
陛下
の崩御に対し、深く哀悼の意を表するものであります。
スウエーデン国
は戦時中
我が国
の
利益代表国
として
在外邦人
に対し多大の
好意
と庇護を寄せられたのであります。のみならず
戰後
も依然変らざる
好意
を寄せられることは誠に感謝に堪えないところであります。新
国王グスタフ
・
アドルフ陛下
は先年現
皇后陛下
と共に、
我が国
を訪問され、京都、奈良の
我が国
に保存せられる
東洋文化
につき非常な興味を持たれ、
我が国
に対して深き
理解
を有せられる方であります。私は
陛下
の御即位に対し謹んで慶祝の意を表すると共に、
日瑞
の
関係
が
陛下
の御即位によ
つて
一層親善を加えることを信じて疑わないのであります一(
拍手
)先頃予期せざる
朝鮮事変
の
勃発
を見たることは誠に遺憾のことであります。これは
我が国
民にも多大の衝動を與えたのでありまするが、我々は又
韓国国民
に対し誠に同情に堪えざるものがございます。幸いにして
国連軍
の
適切果断
の処置により
事変
の終熄が図られつつあることは、誠に喜ばしいところであります。又
マッカーサー元帥
みずから陣頭に立
つて
全軍を指揮し、
北鮮
の戰鬪も直ちに終結せられんとする状況であることを承知いたして、誠に
喜び
に堪えないのであります。これにより
朝鮮全土
の速かなる平和の回復の近きにあることを私は疑わないのであります。東亜、延いて世界平和のために一日も早く安定が回復することを希望して止まないのであります。(
拍手
)
政府
がここに
提出
の
昭和
二十五
年度補正予算
の大綱を申述べますれば、先ず
我が国
の
経済
の
自立性
を
確立
するために、
価格調整費
は当初
予算
よりも更に大幅に減額を行うと共に、
災害復旧費
、
失業対策費等
にそれぞれ
相当額
を計上することにいたしました。
公務員
の
給與
については、
政府
は
財源
や
経済全般
への
影響
の
関係
につき
研究
中のところ、今や
経済状態
も著しく安定の度を加え、又
財源
にも若干
余裕
を生じましたので、この際、
公務員
の
給與改善
につき考慮いたすことになりました。(
拍手
)
政府
としては今後引続き
行政機構
の
簡素化
、定員の減少に努め、以て
冗費
の
節約
を一層徹底して行いたいと考えるのであります。(
拍手
) 尚、
政府
は、先般大幅な
税制改革
を行い、
国民
の
租税
の
負担
の
軽減
を
図つたの
でありまするが、今尚その
負担
は
相当
に重いと考えるのであります。今後一層の
減税
を加えたいと考えておるのであります。 以上は本
年度補正予算
の
大網
でありまするが、
国民
の
精神的方面
の作興即ち文教の
振興
の重要なことは今日に如くものはないのであります。最近
民主的秩序
を暴力を以て破壊せんとする者の行動は
国民
多数の容れるところとならず、その勢力も逐次衰退しつつあるのでありまするが、一層この際教育に思いをいたして健全なる
国民思想
の涵養を図るべきであると深く信ずるのであります。(
拍手
) 先に
国家公務員法
が公布せられましたが、ここに
地方自治
の直接の
担当者
である
地方公務員
に対し、
地方公務員法案
を
提出
いたすことにいたしましたのであります。又これによ
つて
、中央、
地方
を通じ
民主国家
に
相当
する
公務員制度
の完成を期せんとするものであります。
政府
は昨年二月、
公職資格訴願審査委員会
を設置いたしまして、爾来、同
委員会
は熱心且つ愼重に(「分らん分らん」と呼ぶ者あり)
審査
を進めて参りました結果、一万
有余名
に対する特免を発表することを得たのであります。これらの人々は今後
我が国
の
自立再建
に貢献し得る人であると私は信じて疑わないのであります。(「
戰争
に役立つ」と呼ぶ者あり)
我が国
の
経済
の
安定復興
のために、
貿易
の
振興
の必要はますます痛感せられるのでありまするが、現在までに二十四の
通商協定
が成立し、
在外事務所
の増置、
邦人
の
海外渡航
の
機会
の
増加
、その他
通商振興
のための諸問題が漸次解決しつつあるのであります。特に最近
輸出
が飛躍的に
増進
をいたしておりますることは、
我が国貿易
の前途のために誠に慶賀に堪えないのであります。
政府
は更に
貿易
に伴う
資金
の円滑なる
供給
を確保するため
輸出銀行
を設置する
所存
であります。又
輸出振興
の
基盤
として、
我が国中小企業
の占める
重要性
は
政府
のつとに認めるところであります。特にその
金融
についてはすでに見返
資金
の枠を拡げる等の
措置
をと
つたの
であります。
電気事業
再
編成法案
は、前々
国会
において不幸にして成立することができなか
つたの
でありまするが、本問題は
集中排除法
に基き一日も速かにこれを実現する義務があるのであります。又
我が国
の
電源
、殊に
水力発電
の
開発
により、
電力
の
供給
を豊富ならしめることの必要は申すまでもないところであります。かかる
事情
の下において
政府
は今般
電気事業
再
編成令
及び
公共事業令
を
ポツダム政令
を以て公布するの止むなきに
至つたの
であります。
災害対策
は
我が国再建
のため最も重要な問題の一つでありまして、
政府
としては、これについては最大限の
努力
を拂
つて
おるのであります。即ち
既定公共事業費
及び
予備費
を支出する外、今回の
補正予算
にも
相当額
を計上いたしまして、すでに発生した
災害
の
復旧
と
災害防止
の
応急工事
の迅速な
施行
に努めると共に、今後は
治山治水費
の
増額等
により、その
根本対策
を強力に推進し、(「毎年同じだ」と呼ぶ者あり)併せて農業の
振興
及び
食糧自給度
の向上を期したいと考えておるのであります。(
拍手
)
最後
に
在外同胞
の引揚につきましては、従来
政府
は懸命の
努力
を傾けてお
つたの
でありまするが、総
司令部当局
の多大なる
理解
と不断の
好意
により、近く
国連総会
において正式に討議せられることにな
つて
おり、すでに
我が国
よりも
国民
の
代表
が非公式に招聘せられ、渡米いたしております。本問題が
国際正義
によりやがて解決せられることを確信いたします。(
拍手
)
佐藤尚武
4
○
議長
(
佐藤尚武
君)
池田大蔵大臣
。 〔
国務大臣池田勇人
君
登壇
、
拍手
〕
池田勇人
5
○
国務大臣
(
池田勇人
君)
昭和
二十五
年度補正予算案
の
説明
を
中心
といたしまして、
政府
の
財政金融政策
の
大網
を申述べたいと存じます。
我が国
の
経済
が
国民諸君
の絶大な
努力
によりまして次第に安定の度を加え、今日では、
終戰直後
の極度に疲弊した姿から回復いたしまして、
経済再建
への道を順調に進みつつありますことは、誠に
喜び
に堪えないところであります。 去る六月の
朝鮮動乱
の
勃発
を契機といたしまして、世界的に
軍需資材等
の需要は急速に増大しつつあり、この
影響
を受けまして、本年七月以降、
我が国
の
経済
も
活況
を呈し、
輸出
といわゆる特需の
増加
は、従来の滞貨を一掃したばかりでなく、新たな
生産
の増強をも要請しております。この
輸出
の
伸長等
に伴い、
我が国
の
外貨保有高
は最近逐次
増加
して参
つたの
でありますが、他面、
海外
の物価高の直接の
影響
も加わりまして、
国内物価
は或る
程度
の上昇を示しております。 このような
状態
に対処する今後の
財政金融政策
の基調は、この
機会
を捉えまして、一面において、飽くまでもインフレの要因を排除しつつ、他面、
経済
の
自立再建
の達成のために、特段の
努力
を傾注することにあるのであります。即ち
均衡予算
の
方針
を堅持し、極力
経費
を
節約
し、
租税負担
の
軽減
を行うとともに、
産業合理化
の推進、
輸出
の
振興等
に必要な
長期資金
の
疏通
に思い切
つた措置
を講じ、又
保有外貨
の
活用
によりまして
輸入
の
促進
に努め、以て
経済
の正常な姿を一日も早く
確立
しなければならないのであります。(
拍手
) 今回の
補正予算案
は、このような基本的な考え方に基きまして、目下
編成
中の来
年度
予算案
と一体的な構想の下に
編成
されたのであります。その主眼といたしますところは、
先づ
第一に、
国民
の
負担
の
現状
に鑑みまして能う限りの
減税
を行うことであります。第二に、
輸出
の
増進等
に対処するために、
外国
為
賛特別会計
の
所要資金
を
一般会計
から繰入れることであります。第三に、当面緊要な
産業資金
の
疏通
を図るために必要な
経費
を計上することであります。第四に、
災害復旧費失業対策費
、
地方財政平衡交付金
の
増額等
、この際必要止むを得ない使途に充てるための
所要
の
経費
を計上することであります。
最後
に、
国家公務員
の
給與
の
改善
を図ることでありまして、その
財源
の主なるものは、
価格調整費
の
不用額
、
一般行政費
の
節約
、
租税
の
自然増收等
であります。 今回の
補正
によりまして、
昭和
二十五
年度
一般会計予算総額
は
歳入歳出
とも六千六百四十五億円余となるのでありまして、
歳入
のうち、
租税
及び
印紙收入
は四千四百五十億円余であります。 次に、
補正予算案
の内容の主なるものにつきまして
説明
いたします。先ず
歳出
は、
価格調整費
におきまして二百六十億円を減少することといたしました。御承知のように、
価格調整費
を削減いたしまして
企業
の
自主性
を高め、
我が国経済
の
自立性
を
確立
することは、
政府
の一貫した
方針
でありまして、本
年度
当初
予算
におきましても前
年度
のほぼ半額に止めたのでありますが、その後、
輸入食糧等
の
海外価格
の値下り、銑鉄や肥料の
国内価格
の
引上げ等
によりまして、この
不用額
を生ずるに
至つたの
であります。尚、来
年度
におきましては、
価格調整費
は
輸入食糧
に対するものだけに限定され、その額も比較的少額に止まる
見込
であります。 次に、
外国為替特別会計
への繰入れとして百億円を計上いたしました。前にも申述べましたように、わが国の
輸出貿易
は
相当
目ざましい
伸長
を示しており、今後も引続き
活況
が予想されるのであります。これに
伴つて我が国
の
外貨保有高
は
相当
増加
いたしますので、
外国為替特別会計
において、これら
外貨
の
保有
に必要な
資金
に
不足
を生ずるのでありまするが、この
不足
を
日本
銀行からの
借入等
の
措置
によ
つて
賄いますことは、
インフレーション
の原因ともなる虞れがありますので、今回はこれを
一般会計
からの繰入に待つこととした次第であります。 次に、
日本輸出銀行
の
設立
、
中小企業信用保険制度
の新設、
国民金融公庫
に対しまする出費の
増加
に必要な
経費
を計上いたしました。この点については後に申述べたいと存じます。正次に、
災害
の
復旧
については
政府
は特に意を用いた次第でありまして、
公共施設
の
復旧
のため四十一億円、その他、
災害救助
、文化財、農作物の
災害対策等
につきましても、
相当
多額を計上いたしたのであります。他に
既定予算
の流用をも含めますと、
災害関係経費
は五十億円以上を
増加
することとなるのであります。尚、
失業対策
につきましては、今後
公共事業費
の
積極的活用
によりまして、
相当数
の
失業者
を吸收できると考えるのでありまするが、別途
失業対策応急事業費
十五億円、
失業保険費
十二億円余を
増加
計上することといたしました。
最後
に、
国家公務員
の
給與改善
のために
所要
の
経費
を計上したのであります。
国家公務員
の
給與改訂
につきましては、
政府
は、
経済
安定に及ぼす
影響
、
財源
の
関係等
を考慮して、今日までその
実施
の時期について慎重に配慮して来たのでありまするが、
我が国
の
経済状態
も漸く安定し、
財源
的にも
余裕
を生じましたので、この際、
人事院勧告
の
趣旨
を
尊重
し、来年一月から
月額平均
一千円
程度
の
給與
の引上と、若干の年末手当の支給を行うことといたしました。尚、
地方財政
の
現状
に鑑みまして、
地方財政平衡交付金
を三十五億円増額することといたしましたが、これは
地方公務員
の
給與
、
改善財源
にも充当されるだろうと存じます。(「幾らだ」「はつきり言え」と呼ぶ者あり) 次に
歳入
について
説明
いたします。
政府
は、先般、国税、
地方税
を通ずる
税制
の
改革
を行い、
租税負担
の
軽減
を
図つたの
でありまするが、
国民
の
租税負担
は尚
相当
に重いのでありまして、できるだけ速かにこれが
軽減
を行うことは刻下の
急務
であり、又現
内閣
の一貫した
方針
であるのであります。(
拍手
)従いまして、
政府
はこの際、前にも申述べましたように、更に一層の
減税
を行うこととし、別途必要な
法律案
を
提出
することといたしました。(「だますな」と呼ぶ者あり)今回の
減税
は、
所得税
を
中心
とし、
酒税
、
物品税等
についても
相当
の
軽減
を図
つて
おるのでありまして、
酒税
につきましては十二月から、その他は来年一月から
実施
の予定であります。この
措置
によりまする本
年度
の
減税額
は約六十四億円でありまするが、来
年度
の
減税額
は七百億円に達する
見込
であり、本
年度
において
実施
いたしました
減税
に加えて、
国民
の
租税負担
はここ一両年前に比較いたしまして著しく
軽減
することになるのであります。(
拍手
)尚、現在予定せられておりまする
米価引上げ
の
生計費
への
影響
は、この
減税
によりまして吸收し得る
見込
であります。 次に
金融
問題について一言いたします。現下の
金融施策
の最も重要な課題は、
国際経済
の動きに対応いたしまして、
我が国
の
経済
が規模を拡大し、その活動が活溌化して参りましたこの
機会
を逸せず、この際、
産業
の
合理化
を一段と
促進
して、
経済
の
基盤
の充実を図るため、
資金
の円滑適切な
供給
を確保することであります。なかんずく
長期資金
の
疏通
が
急務
であるのであります。このためには、見返
資金
、
預金部資金等
、
政府部門
に
蓄積
されました
資金
の再放出が特に強く要望されるのであります。又
中小企業
の
我が国
において占める
地位
の
重要性
に鑑みまして、
中小企業金融
につきましても何らかの積極的な方途を講ずることが肝要であります。
政府
は、先般来これら
諸般
の問題につきまして鋭意
検討努力
を重ねて参
つたの
でありまするが、今般次のような各種の
措置
が具体化される
運び
に
至つたの
であります。その第一は、
日本輸出銀行
の
設立
でありまして、本
年度
内に
一般会計
及び見返
資金特別会計
からそれぞれ二十五億円、来
年度
においてそれぞれ五十億円、合計百五十億円を出資することといたしまして、従来
生産設備等
、その製造から
代金決済
までに
長期
の
資金
を必要とするものの
輸出
につきましては、と
かく
金融
の円滑を欠き、
海外
からの引合にも応じ難い
状態
であ
つたの
でありまするが、この
日本輸出銀行
の
設立
によりまして、今後
生産設備
の
輸出
が大いに
促進
され、これに伴い、
関係産業
の発達も期待されるのであります。その第二は、従来その運用が国債と
地方債
に限られておりました
預金部資金
を
金融債
にも運用することにしたことであります。この結果、
預金部資金
の
積極的活用
が可能となり、
長期資金
の
供給
にも寄與するところが大きいと存じます。その第三は、
重要産業
の
合理化促進
のための見返
資金
の
活用
であります。この点につきましては、先に取敢えず
一般私企業
に対する
貸付
を十七億円
増加
することに決定したのでありますが、この外、更に
具体策
を
検討
中でありまして、近く実現の
運び
に至るものと信じます。その第四は、
中小企業金融
について各般の
措置
を
とつ
たことであります。先ず
中小企業
に対しまする見返
資金
の
貸付
は、従来一・
四半期ごと
に三億円でありましたのを、三倍の九億円に
増加
いたしました。又
中小企業信用保険制度
を新設いたしまして、
一般会計
より、本
年度
五億円、来
年度
十億円を支出し、更に
国民金融公庫
に対しまする
政府
の出資を、本
年度
十億円、来
年度
二十億円
増加
することにいたしたのであります。これらの
措置
によりまして、
中小企業金融
も一段と円滑に行われることと信ずるのであります。
最後
に
資本蓄積
の問題について一言いたします。
我が国
の
経済
が
再建
への道を順調に進んでおりますことは冒頭にも申述べた
通り
でありまするが、
復興
と
自立
とは一日にして成るものではありません。殊に
長期
に亘る
戰争
と
戰後
の窮乏とによりまして
蓄積資本
を消耗し、
産業設備
の
老朽化
を余儀なくせられました
我が国
が、その立ち遅れた
産業設備
を更新近代化して、
各国
と競争して参りますためには、今後莫大な
資本
の
蓄積
を必要とするのであります。従来その
不足
は
米国
の対
日援助
によ
つて
補われて来たのでありまするが、その
援助
が決して長く期待し得るものでないことを考えますると、
資本
の
蓄積
こそ最大の
急務
であると信じます。
政府
はこの目的のために、つとに
法人税
の
軽減
、資産再評価の
実施
、
公共事業
の
拡大等
の
措置
を講じて来たのでありまするが、尚、今後
預金金利
の
引上げ
を勧奨し、又
証券市場
の育成に努め、その他
諸般
の
政策
の実行に当
つて
は常にこの点に考慮を拂う
所存
であります。
国土資源
に恵まれない
我が国
の
経済
が、その必要とする
資本
のすべてを
蓄積
することは至難の
事業
でありまして適当な
外資
の
導入
が是非とも必要であるのでありまするが、この際、最も必要なことは我々みずからの
努力
であります。即ちおのおの
企業
が、又
国民
の一人々々が、
我が国経済
の置かれております
地位
を十分認識いたしまして、最近の
特殊事情
によりまする好景気に楽観することなく、
奢侈
と
冗費
を排して将来に備え、
資本
の
蓄積
と貯蓄の
増加
に邁進することであります。(「誰が
奢侈
をしている」「どうしてできるか」と呼ぶ者あり)このことは
企業
と
国民
みずからを
インフレーション
の再発から守るためにも、又
外資導入
の
前提
である
国際信用
の
確立
を図る上におきましても絶対に必要なことであります。この点につきまして
国民諸君
の絶大なる御協力を期待して止まないのであります。 以上今回の
補正予算
につきまして御
説明
申上げました。何とぞ御
審議
の上、速かに御
賛成
あらんことをお願いいたします。(
拍手
、「
賛成
」と呼ぶ者あり)
佐藤尚武
6
○
議長
(
佐藤尚武
君) 只今の
国務大臣
の
演説
に対し
質疑
の通告がございますが、この
質疑
は明日に讓りたいと存じます。御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐藤尚武
7
○
議長
(
佐藤尚武
君) 御
異議
ないと認めます。
参事
に報告いたさせます。 〔
海保参事朗読
〕 本日
議員中村正雄
君外十七名から
委員会審査省略
の
要求書
を附して左の議案を
提出
した。
国会審議権尊重
に関する
決議案
—————
・
—————
佐藤尚武
8
○
議長
(
佐藤尚武
君) この際、
日程
に追加して、
国会審議権尊重
に関する
決議案
(
中村正雄
君外十七名
発議
)(
委員会審査省略要求事件
)を議題とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐藤尚武
9
○
議長
(
佐藤尚武
君) 御
異議
ないと認めます。本
決議案
につきましては
中村正雄
君外十七名より
委員会審査省略
の
要求書
が
提出
されております。
発議者要求
の
通り委員会審査
を省略し、直ちに本
決議案
の
審議
に入ることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐藤尚武
10
○
議長
(
佐藤尚武
君) 御
異議
ないと認めます。よ
つて
これより
発議者
に対し
趣旨説明
の
発言
を許します。
境野清雄
君。 〔
境野清雄
君
登壇
、
拍手
、「しつかりやれよ」と呼ぶ者あり〕
境野清雄
11
○
境野清雄
君 只今上程いたされました
国会審議権尊重
に関する
決議案
につきまして、
発議者
を
代表
いたしまして
提案理由
の
説明
を申上げます。先ず
決議案
を
朗読
申上げます。
国会審議権尊重
に関する
決議案
政府
は
電力
再
編成
に当り、本
国会開会
の劈頭、突如として
ポツダム政令
によるの
措置
を
とつ
た。
かく
のごとき
国民経済
に重大なる
関係
を有する案件について、
政府
が徒らに事態を遷延紛糾せしめ、この挙に出でざるを得なか
つた
ことは、
民主主義
の
基盤
たる
国会
の
審議権
を無視し、
議会政治
に暗影を投ずるものであ
つて
、甚だ遺憾である。
政府
が再びかかる
措置
を繰返さないことを強く要望する。 右決議する。 (
拍手
) 本
決議案
は
自由党
を除く各派の賛同を得ましてここに上程される
運び
に
至つたの
であります。去る二十四日、
電気事業
再
編成
が
ポツダム宣言受諾
に伴う
政令
によりまして
措置
されることが発表され、我々は愕然としてその
真意那辺
にあるやを捕捉するに苦しむと共に、
かく
のごときことが
終戰五年
を経て尚且つ行われることは甚だ遺憾に堪えないのであります。(
拍手
、「その
通り
」と呼ぶ者あり) 本
電気事業
が過度の
集中排除法
に基いて再
検討
されましたのは実に二十三年でありまして、爾来の官民挙げてこの問題の
研究審議
を重ね、第七
国会
においては
政府提案
として
法律案
の
提出
を見たのであります。かかる経過をとりましたことも、
首相
の言うごとく、
電気事業
が
国家産業
の基幹として、その
影響
するところ多く、且つ
電源
の
確保開発
が緊急を要することは贅言を待たないところであります。爾来半歳
有余
これを放任してお
つた
ということは、全く
政府
の一方的
責任
であり、(「その
通り
」と呼ぶ者あり、
拍手
)これが今回突如として
ポツダム政令
によるということは、我々の到底納得でき得ないものなのであります。(「その
通り
」と呼ぶ者あり)
国利民福
に
影響
するところが大であればあるほど、
国民
を
代表
する
国会
の
審議
を盡すべきではないでしようか。(「その
通り
」と呼ぶ者あり。)特に本
臨時国会
は来月八日までの会期でありまして、本
ポツダム政令
の
施行期日
は来月十五日とするならば、何故に
国会
を避けるべき
実債的理由
があるでしようか。(「その
通り
」と呼ぶ者あり、
拍手
)而も
マツカーサー書簡
は未だ公表されておらないというのであります。
首相
の
説明
によりますれば、
マツカーサー書簡
において、
ポツダム政令
を唯一の方法としてサジエストしたものでないことが明らかにな
つたの
であります。(「その
通り
」と呼ぶ者あり)
ポツダム政令
を選んだことは
政府
の
責任
にあることもこれ又明らかにな
つたの
であります。(「その
通り
」と呼ぶ者あり、
拍手
) ここにおきまして我々は
国会審議権擁護
と
尊重
を
政府
に要望するところの
決議案
を出すに
至つたの
であります。我々が
終戰後五年間
、
占領下
に営営として
民主主義確立
のため
努力
して参り、世界の
各国
が認めて、すでに
講和
の機運も十分に熟するに
至つたの
であります。然るに今日ここに
憲政
の
常道
に反し、
国会開会
中突如として
ポツダム政令
を出して、
国会
の
審議権
を無視し、基くところは
マッカーサー書簡
にあり、
書簡
については公表するところなく、
政府
ひとり知ればよいという態度は、甚だ遺憾の
措置
と言わざるを得ないのであります。(「その
通り
」と呼ぶ考あり、
拍手
)
首相
は口を開けば
民主主義国家
の実体を備うることが
講和
の
前提
と言いながら、みずからこれに反する
政治
をなし、果してその
責任
を盡すものと言い得べきか疑わざるを得ないのであります。(「その
通り
」と呼ぶ者あり、
拍手
) よろしく本
決議案
の
趣旨
に従い、今後その過誤を改め、再び
国会
の
審議権
を無視することなく、
憲政
の
常道確立
に
努力
せられんことを強く要望するものであります(「やめろやめろ」と呼ぶ者あり、
拍手
) 以上を以ちまして
上程理由
の
説明
を申上げます。(
拍手
)
佐藤尚武
12
○
議長
(
佐藤尚武
君) 別に御
発言
もなければ、これより本
決議案
の採決をいたします。本
決議案
に
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
起立者
多数〕 〔「
自由党
どうした、起たんか、どうした」と呼ぶ者あり〕
佐藤尚武
13
○
議長
(
佐藤尚武
君) 過半数と認めます。よ
つて
本
決議案
は可決せられました。(
拍手
) 本日はこれにて散会いたします。
次会
は明日午前十時より開会いたします。
議事日程
は決定次第公報を以て御通知いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十九分散会
—————
・
—————
○本日の
会議
に付した
事件
一、
日程
第一
国務大臣
の
演説
に関する件 一、
国会審議権尊重
に関する
決議案