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栗山良夫君 私は
日本社会党を代表しまして
賛成をいたしたいと思います。ただ二、三の点につきまして、更にこの
法案の完璧を期しまして、真に
中小企業の
金融難打開のために大きな貢献かできまする
ように、
当局に
善処を
お願いして置きたいと思うのであります。
先ず第一点は、この
法案によりまして
金融難を打開し得るか否かの鍵を握
つておりまするものは、要するに
資金源であろうと思うのであります。伺いますところによりますと、本年度五億、来年度は十五億
程度を予定せられまして、一応発足されておるということに相成
つておりますが、この
法案が計画をせられました
通りに極めて巧みな操作をせられますならば、必ずや
中小企業はこの
制度を活用いたしまして、
企業の
振興の熱意を起されると思うのであります。従いましてさ
ようになりまするならば、更に多数の
資金源が自然的に要求されて来ることは火を見るよりも明らかであります。いろいろと
国家財政の面から困難な面もあろうかと存じまするけれども、
日本の
中小企業が占めておりますところの全
産業、全
経済に対するウエートは極めて大きいのでありまして、これの盛衰が
日本の
経済界を左右することは殆んど論を待たないのであります。従いまして、どうかさ
ような場合にはあらゆる
努力を拂われまして、
資金源の確保に努めて頂きたいと思うのであります。
それから第二点は、これが全国の
業者に公平に利用せられまするためには、
銀行方面を通じまして、
格段の
措置がなければならんと思うのであります。昨日專門員からの各界の
意見を聽取せられました結果の
報告によりましても、
銀行筋からも極めて熱心に御要望があつた
ようでありまするが、どうか
興業銀行、
中央銀行に偏在することなく、地方
銀行までも万遍なく
資金源の分配がせられます
ように、各段の
措置を
お願いしたいと思います。
それから第三点は、昨日以来
西田委員も熱心に質問をせられておりますが、各
業種別の
金融状況は今まで
考えて見ましても非常に跛行的なものかあるのであります。特に私どもは余り好ましく思わないのでありますが、
料飮業のごときは
格段の
措置を講じなくても、
銀行との間に円滑に
金融が進められておるという
ような
実態があります。而も真に
日本の
経済再建のために
努力をしておりまする
産業界に、思わしく
資金が廻らないという
ような
曾つての
弊害を除去いたしますためには、どうかあらゆる
業種に亘りまして、公平に又
産業立地の
観点から、重要な
産業には更に積極的な支援をせられまして、各
業種に公平に
一つ資金の配分がなされまする
ように御
努力を願いたいと思うのであります。わけても
貿易関係におきましては、すでに
終戰後貿易振興が叫ばれまして、
金融的にもそれぞれの手配が行われておるのであります。ユーザンスの
制度などが行われておりまして、非常な利益を得ておるのでありますが、
一般の
国内産業は従来は打捨てて置かれた感なきにしもあらずでありますから、両々相待
つて日本の
経済を
再建しておるのでありますので、この機会に
一般産業につきましても、いろいろと御
配慮願いたい思うのであります。特に
中小企業は、その
運用状態から言いまして、大
企業に比して欠くるところかあるのであります。ここにこの
保險制度の出た
意味があるのであります。従いまして
銀行本位の
建前をとりまして、あらかじめ
信用第一主義で
金融を縛られるということになりますと、折角
法案ができましても、なかなか長く参らないのでありますからして、そこのところはどうか緩急よろしきを得まして、そしてこの
国家の
保險によりまして、若干
中小企業の
信用状態に問題のある点がございましても、どうかその
企業を
振興する
ような、行政的な
措置を併せ行われまして、そして長い目で
中小企業が大きく伸びまする
ような
措置をお
考え願いたいと思うのであります。
中小企業庁の御立案に
なつたものでありますので、ただ單に
金融だけでなく、
中小企業の診断をかねて、非常に
弾力性のある
運用をせられるであろうことを
期待してやまないのでありますが、どうか我が党といたしましても、
中小企業の
振興につきましては、
農業政策と併せまして非常な関心を持
つておるのでありまして、この
法案による
中小企業の
金融打開につきましては、大きな
期待をかけておるのでありまするので、どうか
只今申上げました
ような点、並びに
質疑応答の間に、各
委員から出されましたいろいろな
意見に十分に耳を借されまして、そうして
善処をせられることを要望して置きたいと思います。
以上
賛成に対する
希望を申述べた次第であります。