○栗山良夫君 今日はそういう質問の要旨を伝えてありませんので、恐らく
安定本部のほうでも御用意がないと思いますが、この次の機会で結構でございますから、一応お願いいたして置きたいと思います。それは
鉱業法なり、採石法なりを本
国会におきまして成案を急がれておりますが、これは要するに日本の地下資源が非常に多種多様でありまして、そういうものを国の財産といたしまして、
法律を以て管理するかたがた、
鉱業権者に対しても或る
程度の
国家的な安定の保障をしようというような高度の
意味でありまして、極めて結構なことでありますけれ
ども、最近の世界的な情勢を
考えて見ましても、地下資源の開発というのは、やはり
一つの国の大きな方針がなければならんのではないか、ただ鉱法だけを作
り、採石法だけを作りましても、大きな経済の流れの中ではなかなか地下資源の開発ということがうまく行かないのでありまして、こういう観点から、
安定本部としてどういう工合に国の地下資源の開発を、経済或いは産業と結び付けて最有効的にするようにお
考えにな
つているか、この点が伺いたいわけであります。更に具体的に申上げまするならば、日本の地下資源が極めて多極多様でありますけれ
ども、それの採掘ということになりますと、外国の採掘の
状態なんか比較いたしまして、非常に採算割れをするのが多かろうと思います。従いまして無方針で臨んで参ります場合には、折角国に資源がありながら、徒らに輸入品に仰ぐということになりますので、こういう点は国として或る方針を定めないで、ただ市場価格に野ざらしにいたしまして、そうしてどんどんと輸入価格の安いものをそのまま入れてしまう、こういうような態勢で行かれるのか、或いはそこに何らかの方針を設けまして、国内のできるだけの自給自足をやるという観点から資源の開発を進められるのか、こういうような点は非常に大きな問題であろうと思います。で、特に
只今と
つておられる
政府の態度からいたしますと、すべて自由経済主義に則
つておやりにな
つているのでありまして、この点は
一つの
考えとして止むを得ないのでありますけれ
ども、
従つて国が特定の鉱山に援助を與えろということはなかなか行われがたい事情でありますが、併し国全体の資源を最も効果的に開発し、そうして輸入品と価格の上においても競争し得る、こういうような
段階に導く、こういうためにはやはり技術の指導或いは技術的な援助ということが当然必要であろうと思うのであります。従いましてアメリカその他の先進国の優秀な開発技術、或いは開発機構というようなものを国が入れまして、そういうものを特定な
事業に貸與する、そういうことによ
つて開発に要する価格を下げるというようなことも、当然現在の
政府のと
つておられる経済政策に背反するものでないと私は
考える。そういうようなことをお
考えにな
つているか。それから更にこの輸出或いは国内消費というようなことを
考え、又は輸入も勿論あるわけでありますが、そういうような点を含めて各種の金属、非鉄金属その他いろいろな資源を国内の必要量
並びに国内の産出量、そうい
つたようなものを総合的に見まして、どうい
つたようなものに重点を置いて国は開発指導をして行かれようとしているか。この点を秩序を立て、或いは計画を立ててやりませんと、折角或る時期に投資をしたところの山が自然に廃坑にな
つてしまう。又或る時期に必要になりますると、それに二重の投資をしてやらなければならんというようなことで、国全体としてこの鉱山に対する投資に非常に無駄が出て来ると思うのであります。そういうような一朝一夕に工場を造るような工合し
簡單に著手のできない、こうい
つたような地下資源の開発に対しましては、やはり長期的な
一つの計画を持ち、そうして指導して行かなければならんと思うのであります。そういうような点につきまして、
安定本部としてどういうようなお
考えを持
つているか。ここに
鉱業法関係の参考資料としまして、各種資源の埋蔵量だとかも、いろいろなものを頂いたのでありますが、これはただ單なる数字的な埋蔵量の調査でありますが、これを産業経済と結び付けるためには、もう少し高い観点から、これの
国家的な利用というような点を調べて、私は総合的な
一つの計画を是非共この
鉱業法の
審議の中で承わ
つて置きたいと、こういう工合に
考えておるのであります。