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参考人(
坂東秀太郎君) 僕は年寄でありますので或いは言葉が届かないかも知れませんが、ここから失礼さして頂いて、一通りの
理由を申述べますが、今までの長のほうの
かたがたの
意見は、大体町村の長も
知事も
意見が一致しておるのでありますが、
議会のほうの分になりますと、或いは多少
意見の違う点があるであろうという
考えもあります。それはなぜかというと、町村と言えば狭いし、或いは
都道府県と言えば広範囲に
選挙を持つ関係から、ここにどうしても或る程度の相違があると存じます。
で、私のほうの訴えは、本年九月一日附でも訴えてあるのであります。又過般の十一月の全国議長の幹事会を開いた日の結果も訴えてあるのでございます。我々最も痛切に感じたのは、二十三年から感じておる問題であります。どうも四月の
選挙というものは、誠に都合の悪いときの
選挙になるのであります。何となれば年度
予算の
審議の
議会は大体二月の末に
知事が召集することにな
つて、そうして三月一ぱいに
予算が成立するのが法の
建前なのでありまするが、現在のいろいろな情勢からして北海道のごときは、三月一ぱいには
予算が成立しないのであります。二十四年の年の
議会は四月の九日であ
つたと思います。又二十五年の年の
議会は四月の七日であ
つたと思います。その間暫定
予算を取
つて議事を進めるということにな
つておるのであります。そういう
ような事態に一四月に
選挙をするということになれば、
議員さんはどうしても
選挙準備のために
選挙区に多く存在しなければならんことになると思います。この在住するのには恐らく三月の半ばから先にはどうしてもそういうことになると存じます。そうするというと、三月の半ばから以後に、最も大事な
予算審議の
議会に、
議員の数を揃えるという上において非常な苦心があると存じます。そういう関係から最も都合の悪い時期に
選挙が行われたものであるということは、当時から痛切に感じておるのでありますが、併せながら改選の時期が来なければなかなか全国の
人たちの
意見も一致しない関係から、今日まで延びて漸く本年の八月にいろいろ相談した結果が、どうしても
選挙期日は大体において全国に最も支障のない、気候などのいい、農繁期でない九月が適当でないかということに
意見が一致しておるわけであります。そこで一般から行くというと、今の
予算審議の
議会が今言う
ような時期にな
つて、そういう関係から
議員の数を揃えるという上にもいろいろな支障があります。そういう馬鹿なことがあるかというのが、これは理窟の
建前でありますが、併しながらやはり参議院であ
つても目前に
選挙を控えたとなれば再び立候補し
よう、こういうかたはどうしても
選挙区に帰
つて選挙準備を整えなければならんのでありまして、そういう関係でどうしても頭の数の揃うことは不自由になる。それからもう
一つは、全国的な問題ではありませんが、北海道、東北及び北陸
地方の雪の降る
地方では、四月という月は一年中で最も悪い時期なのであります。何となれば丁度雪融けで道路が非常に悪い。又未だ四月は北海道あたりは雪が融けて霙になるという関係もあるのであります。そういう最も悪い時期に遭遇しているので、気候的には雪国としては誠に迷惑な時期なのであり、むしろ十一、十二月或いは嚴寒のときのほうがいいと思います。四月という時期は始末にならん時期であ
つて、道路の悪い関係から自動車の交通も自由に行かないのであります。この点に対してはここに見えられている石川
議員は則ち北海道のかたで、そうして北海道の
議会の
選挙もし、
議会の
議員もお勤めにな
つたのだからこれはよく御存じのことと存じておりますが、そういう関係で、どうしてもこの時期は
改正をして頂かなければいけないという
意見に到達しておる。
いま一方又神戸正雄さんが
委員長とな
つている行政制度の調査
委員会のほうにはいろいろな配置分合とか種々な
考えもあるということを聞いてもおるのであります。これも恐らく今年のうちには実現をするのじやないかと思いますが、これは
委員会のほうの行う事務でありますから、私はそれに立入
つては言いませんが、若しそれがこの通常
国会にでも勧告にな
つて審議になるとすれば、これがやはり
決定してからにしてもらうということが一番いいのではないか。若しこの
選挙の前にそれを実行に移さなければ四年後に延びて行くと思います。若し四年後に延びることとなれば、むしろこの機会に準備が整えば、今は幸いに引揚者がずつと引揚げた関係から、来たる四月の
選挙には相当数の増員になるのでありますからして、現職
議員の数の整理を受けるという問題は或る程度不必要になると思います。そういう点も
考慮し、いろいろの点から十一月の幹事会で相談した結果、重ねて議決をして、政府及び両院の
かたがたに訴えおるわけでありますから、これは私は
議会の
議員だけを言うのではありません。私の言うておるのは、やはり
市長の
選挙も結局
予算審議の最中に行うことであるからして、やはり共にそういう時期がいいと思
つております。
それから今の
知事と
議員の
選挙の
期日の問題でありますが、これに対しては
議員としてはかれこれ申しません。ただ
選挙の時期だけは、どうせ一遍はいつかの時期に直さなければならぬと思います。か
ように悪い、一年中の最も悪い時期を選んで、今後何百年も続いて行くという
ようなことに国家のために、
地方のために余り好ましくないものだと思われるのであります。そうして見るというと、いつかはこれを
改正になるものなれば、思い切
つての機会にどうせ自治法の
改正で
知事の
選挙期日を変更し
ようと言われるならば、すべての時期を最もいい、適当の時期に行な
つてもらうというのが、我々
地方民の好むところである。是非とも、この中にはいろいろよく
地方自治の状態に精通された
かたがたが
委員にな
つておられるのでありますから、細心の御
考慮の上、何とか
国会の力によ
つて地方民及び
地方議員の悪い時期に遭遇するという問題を、この機会に排除して適当な
選挙のできる
ようにして頂きたいと思うのであります。そういう関係から重ねて
国会に、又政府のほうに訴えておるのであります。ただ四月の時期が九月というと、如何にも延び過ぎるという疑いは起るのでありますが、これは時期が、適当ないい時期が、あるとすれば、私は仮に六月でもいいと思うのでありますが、六月には又農繁期等の関係でいろいろ都合が悪いと言われるので、いろいろな点を
考慮した後最も差障りのない時が九月なので、本来ならばこの二十二年の
選挙をするときに九月ということに定めてさえ頂ければ、何も支障がないのであります。又現在の行き方からい
つて、
知事の
任期は四月で終る。然るに二十六年度の
予算の
編成及び議決は現存の
知事、
議員で議決をして、そうして今度は一日か二日の執行
期間で、
あとはすぐさま改選後の人が執行して行くということになるのは、如何にも人さんのすることをこしらえてやる
ようなことにもなり、これが九月に
選挙を行うということになれば、即ち四月に
予算が
決定するならば、半年というものはその
編成計画を立てた人が執行して行く。残る半年分を新らしい新
議員が
あと始末をする。そうして翌年度の事業計画を立てるということになる。そうい
つた行き方に行
つてもいい時期だろうと存じます。
こういう
建前でお願いしてある
ような次第でありますから、何分よろしくお願いいたします。