運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1950-12-03 第9回国会 参議院 地方行政委員会 第6号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十五年十二月三日(日曜日) 午前十時五十四分開会 ――――――――――――― 本日の会議に付した
事件
○
行政書士法案
(
衆議院提出
) ○
地方公務員法案
(
内閣送付
) ―――――――――――――
岡本愛祐
1
○
委員長
(
岡本愛祐
君) これより
地方行政委員会
を開会いたします。 本日は先ず
行政書士法案
の
審議
をいたしたいと思います。先ず
衆議院
の
提出
でありますから、
衆議院議員
の
川本議員
から
説明
を求めます。
川本末治
2
○
衆議院議員
(
川本末治
君)
只今議題
となりました
行政書士法案
につきまして、
衆議院地方行政委員会
におきまする起草の
経過
並びに
提案
の
理由等
につきまして、その要旨を
簡單
に申上げたいと思います。 御承知のごとく
行政書士
は
代書人
の
名称
を以ちまして、従来長く
内務省令代書人規則
の規律を受けて参
つたの
でありまするが、
終戰後右規則
が失効いたしまして以来、
都道府県
の中には
條例
を設けて
地方
的に
行政書士業
を規律しておるものも現われて参りましたが、併し今日尚未だ
條例
の
制定
すらいたしていない
地方
も相当多数ございますので、
関係業者
の不安と
一般公衆
の不利、不便は甚だしいものがあるのであります。そこで
法律
を以て
行政書士
に関する諸般の
事項
を明知し、右の不安、不便を
除却せん
とするものでありまするが、このことは又他面には
書類
を受理する
官公署
の
執務能率
の向上にも裨益するところが甚大であると存じます。 次にこの
法律案
の
内容
を申上げますると、
本法
二十三條、及び
附則
十項より成立
つて
おりまして、
行政書士
の
業務
、
資格
、
試験登録
、
事務所
、
報酬
、
行政書士会
、同
連合会
に関する
事項
、
罰則
、その他
不正業者取締
に関する
事項等
に
亘つて
必要な
規定
を設けているのであります。 先ず
資格
といたしましては、
知事
が
施行
する
行政書士試験
に合格した者であることを
原則
的の
資格要件
といたしまして、この
試験
を受けるには、或いは
学校教育法
による
高等学校卒業者
たること、又國、
地方公共団体
の
公務員
として三年以上
行政事務
を担当したこと、或いは
知事
がこれらに相当する知識と
能力
を有する者と認めましたことを
必要要件
といたしております。併し例外としましてこの
法律施行
の際、現に引続き一年以上
行政書士
の
業務
を行な
つて
おる者で、曾てこの
業務
を行な
つた年数
を通算いたしまして三年以上になる者は、特に無
試験
で
本法
による
行政書士
の
資格
を與えることといたしております。尚
本法施行
の際現に
行政書士業
を行な
つて
おります者は、
本法施行
の日から二月以内に
登録
を受ければ、
本法施行
後一年を
限り行政書士
の
名称
を用いて
業務
を行い得ることにいたしております。 次に
行政書士
となりまするには
都道府県
に備付ける
行政書士
の名簿に氏名、生年月日、
事務所等條例所定
の
事項
を
登録
せしめることといたし、尚その
事務所
は一ヶ所と限定し、ただ
知事
の
認可
によりまして
出張所
を設け得ることといたしております。而して
知事
が必要あると認めたときは
当該吏員
にその身分を
証明
する証票を携帯させ、
関係者
にこれを呈示させ、
行政書士
の
事務所
に立入り、
帳簿
及び
関係書類
を検査させることができるように
規定
しております。但しこの立入り検査は
犯罪捜査
のために認められたと解釈してはならないこと及び日出より
日沒
までの間でなければならないことを明定しております。 又
行政書士
がこの
法律
又はこれに基く
命令規則
その他
知事
の
処分
に違反したとき、或いはいわゆる重大なる非行があるききは、
知事
は公開による聴聞を行な
つた
後、一年以内の
業務
の停止又は
登録
の
取消
を行い得ることにいたしております。又
もぐり業者
に対する
取締
を行うことにしまして、一画には
一般公衆
が不測の損害を受けないようにし、又他面には
登録業者
の
利益保護
を図
つて
おるのであります。 最後にこの
法律
の
実施
のための
手続
その他その
執行
に関し必要な
規定
は
総理府令
で定めることとし、
本法
の
実施
を
昭和
二十六年三月一日からといたしております。 本
法案
は第八
臨時國会
において七月二十五日に当
委員会
の成案を決定して
委員会
の
提出法律案
とするに決定したのでありましたが、都合によりまして第八回
臨時会
におきましては不成立となりましたので、閉会中
継続審査
をいたしまして本
國会
に
提出
いたしたのでございます。 以上
簡單
に御
説明
申上げましたが、何とぞ
愼重御審議
の
上速
かに可決いたされまするようお願いを申上げる次第であります。 尚注文などにつきましての詳細の点につきましては
法制局
の
係官等
も参
つて
おりますので、そのほうからお聞き頂きますよう附加えて申上げます。
岡本愛祐
3
○
委員長
(
岡本愛祐
君)
衆議院議員川本末治
君の外に
衆議院
の
法制局
第一
部長三浦義男
君、それから
專門員長橋茂男
君が見えております。それから
他方自治庁側
から
鈴木政府委員
が見えております。御質疑をお願いいたします。
高橋進太郎
4
○
高橋進太郎
君
只今行政書士法
の
提案趣旨
をお聞きいたしたのでありますが、これは従来のあの
地方裁判所長
の
認可
を受けてお
つた代書人
との
関係
、あの
司法書士
との
関係
はどういうことになりますか。
川本末治
5
○
衆議院議員
(
川本末治
君) お答えいたします。これは従来裁判所のほうの
関係
の
登記書類
などを
取扱
つて
おりますものは
司法書士法
によりまして
司法書士
としての
取扱
を受けております。このほうは、この
行政書士
と申しますものは、わかりやすく申上げますと、
警察
又は
区役所等
におきまする
戸籍事務
とかいろいろな
手続
という
程度
の
仕事
をいたしておるものでありまして、
司法書士
とは全然別個の立場でございます。
高橋進太郎
6
○
高橋進太郎
君 そうしますと、あれでしようか、特に
司法関係
に
司法書士法
があるように、これに対応する
行政関係
のほうのこういう
事務
をやる人の一括した
法案
だと、こう承知してよろしいわけでございますか。
川本末治
7
○
衆議院議員
(
川本末治
君) お説の
通り
でございます。
西郷吉之助
8
○
西郷吉之助
君 今
提案者
の
説明
かありましたが、この
法案
に対する
利害得失
というような点について
自治庁
の
説明
をお願いいたします。
鈴木俊一
9
○
政府委員
(
鈴木俊一
君) この
行政書士法案
に関しましては、
衆議院
におきまして御立案の際からいろいろ
地方自治庁
の
事務当局
のほうと御折衝、御協議を頂きまして、私共といたしましてもこの
法案
全体につきましては何ら異存のないものでございまして、
行政書士
が正常にその
業務
を運営いたしますことを保障いたしますということは
地方
の
行政
を公正に行う上から申しましても、又
行政書士
に関するいろいろな
不正事件
が行われないようにする上から申しましても、
地方自治
のためにはこの
程度
の一つの規制をするということは、適当なことじやないかというふうに考えておるのでございます。
岡本愛祐
10
○
委員長
(
岡本愛祐
君) お諮りいたしますが、少し詳しく
衆議院
の
法制局
のほうから
説明
させましようか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
岡本愛祐
11
○
委員長
(
岡本愛祐
君) それでは
三浦法制局
第一
部長
に各條につきまして少し詳しく御
説明
願います。
西郷吉之助
12
○
西郷吉之助
君 ちよつとその前に一言、この
法案
は
衆議院
において各党の
共同提案
ですか。
川本末治
13
○
衆議院議員
(
川本末治
君) これは
衆議院地方行政委員会
におきまして
全員一致
でこれを可決した
委員会法案
として
提出
したものであります。
三浦義男
14
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君)
行政書士法
の
提案趣旨
につきましては、
川本議員
から大体
お話
がございました
通り
でございますが、
要点
をかいつまんで更に申上げますると、
行政書士法
に類似いたしますものといたしましては、従来の
法律
でこういうものを規制いたしておりますのは、例えば
公認会計士
とか、
弁護士
とか
弁理士
、
税務代理士
、
司法書士
、
土地家屋調査士
、
建築士
といろいろあるわけでございます。
行政書士
は
先ほどお話
がありました
通り官公庁
に
提出
いたしまする文書、主に
区役所等
に
提出
いたしまする、或いは
市町村役場
において
提出
いたしますのが主であると思いますが、或いは
戸籍事務
それからそれ以外に亘りますと、例えば
警察関係
の
書類
、それから
内容証明
、或いは
個人関係
の
契約書
の
書類
の
作成
とか、或いは
履歴書
とか、こういうようなことがその
職務
の大要のものであろうかと考えるのでございます。他のほうには先ほど申しましたようないろいろこれに類する
仕事
をする
業務
がございまするが、それにはそれぞれの
法律
がすでに出ておりまして、
只今
申上げましたような
仕事
についての
法律
の
処置
がまだございませんので、今回
提案
になりましたことと思
つて
おります。 第
一條
に掲げてございますのは、その
業務
の
範囲
を
規定
してあるのでございまして、他のほうのすでに私が先ほど申上げましたような
人たち
が行いまする
業務
は除きまして、それ以外
官公署
に
提出
する先ほど申述べましたような
権利
、義務又は事実
証明
に関する
書類
の
作成
を
行政書士
は主たる任務といたしておるわけであります。 それから第
二條
にその
資格
を書いてあるのでございますが、これは一応
試験
を
前提
といたしまして、
試験
に合格した者が
行政書士
となる、こういうことにいたしております。
公認会計士
はすべて
試験制度
であります。
弁護士
も
試験制度
であります。それから
弁理士
は
試験制度
と
資格
を加味しておるようであります。それから
税務代理士
は
資格
のみによ
つて
おるのであります。それから
司法書士
は
資格
によ
つて
おります。それから
土地家屋調査士
は
試験
と
資格
とをかね合わせておりますし、
建築士
は
試験制度
によ
つて
おるのでございます。
資格
だけによ
つて
おりますのも、その
資格
のある
学校
以上とか特殊の技術というようなことに限定いたしております。この
行政書士
におきましては
試験
に合格しなければその
仕事
ができないということにいたしまして、その
試験
は三條に書いてございますように大体
新制高等学校
を卒業した者、それから
地方
におきましては國又は
地方公共団体
の
公務員
として
行政事務
を三年以上担当いたしておりました者、或いはこれと
同等程度
の
能力
を持
つて
おる者というようなところに限定いたしまして、
試験
をすることにいたしておるわけであります。 それから
試験
につきましては、第四條に
規定
してございますように毎年一回以上行うことにいたしまして、その
試験
の
手続等
については
都道府県
においてこれを決める、こういうことにいたしておるのであります。 それから第
五條
におきまして
試験
の場合の
資格
でございまするが、これは他のどのようなこういう
制度
にも大体同じような
規定
があるわけでございまして、第
五條
はその
欠格事由
を挙げておるわけであります。 それから第六條におきましては、一度
行政書士
となりました場合に、それの公正な運用を図る上から皆んな
登録制度
を設けるということにいたしてあるのでありまして、第六條は
登録関係
の
手続
その他の
取扱
を
規定
してあるわけでございます。 それから第
七條
におきましては、一旦
登録
いたしました場合におきまして、特殊の
事由
が起りました場合の
登録
は
抹消
という
制度
をとりまして、
登録
からそれを
抹消
いたしまして、その場合には
仕事
ができないという
事項
を第
七條
は列挙してあるわけでございます。これも大体外のものと同じような
趣旨
にな
つて
おります。 それから第
八條
におきましては、
業務
をいよいよ開始する場合におきましての
事務所
の
設置
につきましては、一個所ということを
原則
といたしておりまして、
都道府県
内におきましては、
知事
の
認可
を受けまして
出張所
を設け得るということにしてあるわけでございます。その
事務所
を多数設けるということを自由に許すということも考え得られるのでありますけれども、そういうふうにいたしますと
行政書士
が、自分が名義だけを取りまして、そうして
府県
の方々に
出張所
を置きまして
権利
だけを
使つて
おるというような、弊害が起りますので、これを避ける
意味
からそういうようなことにいたしておるわけでございます。 第九條は
報酬
でありまして、現在との
行政書士
に関しましては
都道府県
で
條例
でいろいろ
行政書士
の
取扱
を決めておるのがあるわけでございまするが、それらにおきまして、この
報酬等
、いろいろ
認可制度
が、
知事
の
認可制度
にな
つて
おりまして、これがその
書類
の
内容
によりまするけれども、一枚
当り
三十円
程度
というようつなことにな
つて
おるようでございますが、それらの額は
行政書士
が決めまして、そうして
都道府県知事
が一応
報酬額
を決めまして、そうしてその額の
範囲
内においてやらせる。こういうことにいたしておるわけでございます。 第十條は
行政書士
の
業務執行
上の
帳簿
の備付の件でございます。第十
一條
は当然のことでありますけれども、こういう
制度
によります以上
依頼
を拒むことはできないということであります。第十
二條
は
秘密等
の
事項
を
取扱
いまするので、これに対する
規定
をしてあるわけでございます。第十三條は必要があります場合におきまして、監督上
事務所等
に立入ります場合の
処置
の現定でございます。第十四條は
登録
の
抹消
という
事項
でございまして、特別の
違法行為
がありました場合等におきましての
登録
の
取消等
の
処分
であります。これが第十四條にな
つて
おるわけでございます。尚これは愼重にいたしまするために
聽聞制度
をと
つて
おります。第十
五條
は
行政書士会
の
設置
でございまして、
行政書士会
を作ることにつきましては、
原則
として自由にな
つて
おるわけでございますが、ただそういう
行政書士会
を作ります場合におきましては、十六條においてその会則の
記載事項
を限定いたしまして、それから十
七條
において会員となります者の
範囲
、それから第十
八條
におきまして
都道府県
の
行政書士会
と全國を單位とする
連合会
との
関係等
を
規定
しておるわけでございまするが、これらはすべて
行政書士
の自由な発意にと
つて
設立するということを一応
前提
としておるのであります。 第十九條におきましては、
行政書士
を
行政書士法
で
規定
いたしまする
関係
上、そうでない者が
行政書士
の
仕事
を行いまする場合につきましての
取締
の
規定
でございます。第二十條は以上の
事項
に関しまして特別の
事項
につき細則を設ける場合の委任現定でございます。 それから二十
一條
―二十
二條等
につきましては、それぞれの必要の
制限規定
に応じまする
罰則
の
処置
でございます。 それから
附則
の第一項におきまして、
昭和
二十六年の三月一日から
施行
するということにいたしてございます。来年の三月一日からでございますが、これは従来のいろいろ
行政書士
に関しましては
條例等
で
取扱
つて
おりまして、これが
新法
に乗り移りました場合におきまして、或いは更に
試験制度
、その他
地方
において
規則等
を
制定
いたしまする
準備期間
が要りますので、その余裕を置きまして、三月一日からということにいたしておるのでございます。それから第二項におきましては、
経過規定
といたしまして、丁度この
法律
が三月一日
施行
になりました場合に、一年以上
業務
を行な
つて
おる場合で、今までや
つて
おる
期間
を通算いたしまして三年以上実績があ
つた
行政書士
というものは、この
本法
による
行政書士
と同様の
取扱
をするということにいたしておるわけでございます。
附則
の三項は、そういう
人たち
の
登録
その他の
取扱
の現定が書いてございます。 それから
附則
の第四項におきましては、
只今
申上げました
附則
第二項以外の
人たち
で、この
法律
で、この際、つまり来年三月一日現在におきまして、
年限
の
制限
なしにたまたまそのときに
業務
を行な
つて
いる
人たち
につきましては、その
人たち
に或る
程度
の特典を與えるという
意味
におきまして、
施行
後一年間は、
行政書士
の
名前
を
使つて
その
仕事
を行うことができるということにいたしておるのでございまして、これは本来この
法律
にいう
行政書士
とみなすものではございませんので、その
行政書士
の事実
行為
をいたすことを
法律
上認めるということであります。ただ
罰則等
につきましては制約を加えるということにな
つて
、過渡的の
処置
る
規定
してあるわけであります。第五項におきましてその
人たち
の
登録等
の
取扱
の
手続
を書いてございます。それから第六項におきましては
本法
におきまして一年一回
試験
をするということにな
つて
おりますので、
差当り
の
試験
を、この
法律施行
後六ヶ月以内に
最初
の
行政書士試験
を行うということにいたしたのであります。
附則
の第七項におきましては、この
法律
で
試験
を行います場合におきましての受験の
資格
と、それからどの
程度
に何年間
試験
を受けることができるかというような
措置
の
規定
でございます。それから
附則
の第八項におきましては、
報酬額等
につきましては
知事
が定めますまでの間、
従前
の額を
法律
でやり得るという
経過措置
でございます。それから
附則
の第九項におきましては、この
法律施行
前に打いまして
行為
に対しまする
罰則
の
適用
でございます。これは
地方
の
條例等
で
罰則等
を設けているものもございまするので、
施行
前の
行為
につきましては、
新法
の
罰則
によらないで
従前
の法令によるということにいたしてあるわけであります。それから尚
附則
十項におきましては、この
事務
を
地方自治庁
の
事務
とするということを
設置法
の中の文章の中に加えるということであります。大体以上が
行政書士法
の
法律
の
要点
であります。
岡本愛祐
15
○
委員長
(
岡本愛祐
君) 御質問をお願いします。
高橋進太郎
16
○
高橋進太郎
君
地方
によりましてはいわゆる
司法書士
とか、
弁護士
とかか
行政書士
と同じような
事務
をや
つて
いるのですが、その
関係
はどういうふうになるわけなんですか。やはりそういうのは改めて試論を受けなくてはならないのですか、或いは十九條の但書で行けるのかどうか、その点ばどうなんでありますか。
三浦義男
17
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) それは第
一條
の二項に、一応その
限界
は
規定
してございまして、この
官公署
と申しますと広い
意味
でありますが、その場合におきまして、例えば
官公署
に
提出
する
書類
でありましても、その
業務
を行うことが他の
法律
において
制限
されているものについては、その
事務
を行うことができないということで
行政書士
、それから他の
弁護士
、その他のそういう
書士法
との
限界
を
規定
してあるわけでございます。
只今お話
の点は、これを同じような
仕事
をや
つて
お
つた人
はどうかという
お話
だろうと思いますが、それは従来はそれぞれ
行政書士法
、
地方
の
條例等
において
行政書士
の
仕事
を規律しておるに過ぎませんので、事実上
行政書士
と第
一條
に掲げております
仕事
を、例えば具体的に申上げますれば、
区役所等
に対しまする
書類
の
提出
、いろいろなことを、他の
名前
において
行政書士
以外の
司法書士等
において行な
つて
おる場合においては、勿論そこに
資格
があるということであります。ただおのずから
行政書士
としてその人がやるのではなくて、
司法書士
でありながら同時に
行政書士
の
仕事
をや
つて
おるという二重の
資格
がある。かようなことにな
つて
おるわけであります。
高橋進太郎
18
○
高橋進太郎
君 そうしますと、例えば
弁護士
でも
司法書士
でも、従来第
一條
のこういう
仕事
をや
つて
お
つたの
ですが、この
法律
の
施行
に
伴つて
、そういう
弁護士
でも或いは
司法書士
でも、何と申しますか、この
法律
の
適用
を受けて
行政書士
という
資格
を得なければいけないわけなのですか。
三浦義男
19
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) その点につきましては、例えば
司法書士
では、本来の
司法書士
の
仕事
をやるには、
最初司法書士法
によ
つて登録
を受けるということになりますので、その人か又
行政書士
の
仕事
をやろうとする場合におきましては
行政書士法
において
登録
を受けてやる、この
手続
をして
資格
を得るということは必要だろうと思います。併しながらその人が
両方
の
仕事
をやり得るかどうか、
司法書士
でありながら
行政書士
の
仕事
がやり得るかどうかということは、その人の
仕事
の
内容
が
司法書士
でありながら、
司法書士
以外の
行政書士
の
仕事
も
内容
としてお
つた
場合には
両方
の
資格
がある。こういうようなことになるのであります。
高橋進太郎
20
○
高橋進太郎
君 そうすると、
弁護士
でも
司法書士
でもこの
法律
の
制定
に
伴つて
やはりこういう
仕事
をやるためには
行政書士
としての
登録
を受けなくてはならない。こういうことになるわけですか。
三浦義男
21
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) さようでございます。
岡本愛祐
22
○
委員長
(
岡本愛祐
君) それに関連して伺いますが、現在
司法書士
で、そして最近の半年は
行政書士
の
仕事
をや
つて
おるけれども前はや
つて
いなか
つた
。
司法書士
は前からや
つて
お
つた
が、
行政書士
の
仕事
は半年前からや
つて
おるという人が仮にあるとすれば、その人は三月からは
行政書士
の
仕事
はやれない。こういうことになりますね。
三浦義男
23
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) それは
附則
の二項のほうは一年以上とな
つて
おりますから、それには該当いたしません。
行政書士
とは限りませんが、四項のほうで半年くらいでありますればこのほうは
年限
を書いておりませんから、
行政書士
の
名称
を用いて一年間は
行政書士
の
仕事
ができる。かようにな
つて
おります。
岡本愛祐
24
○
委員長
(
岡本愛祐
君) 一年間限りで、一年以上はできない……。
三浦義男
25
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) あとは
試験
を受ける……。
岡本愛祐
26
○
委員長
(
岡本愛祐
君) どんなに有能な人でもですね。
三浦義男
27
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) はい。
高橋進太郎
28
○
高橋進太郎
君 そうするとあれですか。
弁護士
なら
弁護士
の場合で
司法書士法
なんかでは当然それは
司法書士
の
仕事
ができるということにな
つて
おるわけですが、この場合はそういうのでもやはり
試験
を受けてそしてやらなければいけないという、こういうことになるわけですな。
年限
に満たない場合は……。それから
年限
があ
つて
も
登録
しなければならない。こういうことになるわけですか。
三浦義男
29
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君)
弁護士
におきましては私先ほど申上げたのが言葉が足りなか
つた
と思いますが、
弁護士法
におきましては第三條におきまして「
弁護士
は、当事者その他
関係人
の
依頼
又は
官公署
の委嘱によ
つて
、
訴訟事件
、非訟
事件
及び訴願、
審査
の請求、
異議
の
申立等行政庁
に対する
不服申立事件
に関する
行為
その他
一般
の
法律事務
を行うことを
職務
とする。」ということにな
つて
おりますので、この
範囲
におきましては勿論
弁護士
は当然できますので、結果におきましては大部分は
弁護士
は
行政書士
という
登録
を受けませんでも、
只今
の
経過規定
におきまして
行政書士
の
仕事
は私は事実上できると思います。ただこれに該当いたしません場合におきましては、
行政書士
の
資格
を取らなければ、その
程度
においては直ちに
弁護士
といえども
行政書士
の
仕事
はできない。かようなことにな
つて
おります。
西郷吉之助
30
○
西郷吉之助
君
違つた都道府県
の
認可
を受ける場合ですが、
府県
が違う場合にはその
おのおの府県
で
認可
を受ければ、一個所と限らないで
府県
は
二つ三つ
に
亘つて
もかまわないのですか。
三浦義男
31
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) その点につきましては、この
行政書士
は必ず一
都道府県
に限るということを
原則
といたしておるのでありまして、他の
都道府県
におきまして
仕事
をやろうとする場合におきましては、そちらのほうで
登録
を受けて、そして前の
登録
は
取消
される、かような結果になるわけでございます。それは第六條の第四項でごでざいます。「
行政書士
の
登録
を受けた者は、やむを得ない
事由
がある場合に限り、第
二條
の
規定
にかかわらず、第三條と申しますのは先ほどの
資格
でございますか、その失格を受けた者は
資格
を受けた
都道府県
で「
行政書士
となる
資格
を有することができる」。というのでありますから、それ以外の
都道府県
では
資格
がない。そういうことになります。そういう「
規定
にかかわらず、他の
都道府県
において、その
都道府県知事
の
認可
を受けることにより、
行政書士
となる
資格
を有することができる。」かようにな
つて
おります。
西郷吉之助
32
○
西郷吉之助
君 その点をもう一度伺いますが、止むを得ない
事由
がある場合というのは
行政書士
の……。
三浦義男
33
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) これは
行政書士
は必ず
試験制度
を
原則
といたしおりますので、他の
都道府県
において
行政書士
の
仕事
をやろうとする場合には、改めて
試験
を受け直して、そうして
登録
を受けなければ
行政書士
の
資格
を得られないのでありますけれども、その
試験
を受けませんで、特別止むを得ず住所を移す、或いは一方のほうではいろいろな
関係
で
仕事
ができないからどうしても他の県で
仕事
をやりたいという
特殊事情
がありました場合には、
試験
なしに
認可
だけでやれる。こういうわけでございます。
西郷吉之助
34
○
西郷吉之助
君 もう一点伺いますが、
事務所
の
設置場所
を変えれば、結局
府県
を変えた場合には、
変つた所
では
事務所
の
設置
の
認可
だけを受けるのですか。
試験
を又受けるのですか。
三浦義男
35
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君)
変つた所
におきましては、
只今
の
規定
によりまして
認可
だけ受ければ
試験
は受けない。かようにな
つて
おります。
西郷吉之助
36
○
西郷吉之助
君 第
八條
に
事務所
は一個所に限ると言い、
出張所
を設けるというのは
認可
を受けなければならん、こういうふうなことは何か
仕事
の
範囲
を特に
制限
するようなことがありますが、こういうふうな種類のものは皆こういうふうな規正にな
つて
おるのか、その点を伺いたい。
三浦義男
37
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) 例えば
司法書士
について例を申上げますれば、これと同じような
規定
が
司法書士法
でも置いてございます。この点はこういうようなところから立法
趣旨
があると思
つて
おりまするが、それはあまり
事務所
の
設置
を自由にいたしますと、これに実際
仕事
を、
行政書士
自体が実際自分でその
仕事
をするということが
前提
であるのでありますこれを自分が
行政書士
の
登録
だけを受けまして、あとはそれ以外多数の人を
使つて
、名義だけを出して方々に
出張所
、
事務所
を設けるということになりますと弊害が伴うということかありますので、その点から実際自分の
仕事
をやり得る
能力
を考えますると大体一個所、こういうことになるのじやないかと考えます。
西郷吉之助
38
○
西郷吉之助
君 もう一点伺いますが、一個所の
事務所
の
行政書士
の
試験
を受けるというのは一体一人以上はどうですか。二人も三人も一緒にこの
仕事
をや
つて
おる場合は
事務所
をどのぐらい……。
三浦義男
39
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) その場合におきましては、とにかく
行政書士
は一人について一個所でございまするから、共同でやる場合においては三個所までが最高の
制限
であろうと思います。尚又
事務所
が一個所にありまして
出張所
を設けることができますので、
出張所
を方々に二個所、三個所或いは四、五個所、かようなことも可能であろうかと思います。
石川清一
40
○石川清一君
行政
上の
書類
は全部
行政書士
の手を経なければならんかどうか、先ずそれを伺いたい。
三浦義男
41
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) さようなことはございませんので、これは自分で書くのがむしろ建前であろうかと存じまするが、そういうことができなか
つた
り、或いはいろいろの都合上、他に
依頼
してやるということが便宜である場合に
行政書士
が
仕事
をするのでございますから、第
一條
にも、「他人の
依頼
を受け
報酬
を得て、」ということにしてございます。
石川清一
42
○石川清一君 この場合に、町村役場或いは市役所か、便宜上その吏員が厚意的にこれを扱
つた
場合にどうなりますか。
三浦義男
43
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) その点は
業務
と……。
石川清一
44
○石川清一君 厚意と申しますと、時間外に
取扱
つた
場合には……。
三浦義男
45
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) その点はそれか
報酬
を得てやるというようなことになりえますと、
業務
ということになるかとも思いまするけれども、私共がお互いに他から頼まれましてそれを便宜書いてやるということだけでありますれば、
行政書士法
の
規定
に反するということはないだろうと思います。
西郷吉之助
46
○
西郷吉之助
君 この
試験
の科目ですが、こういう
試験
科目はどういう
程度
の
試験
をするのか。例えば
弁護士
試験
と同等の
程度
の
試験
をさすのか、それ以下なんですか、どの
程度
に目標を置かれるのですか。
三浦義男
47
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) これは
法律
関係等
につきまするところの
一般
的な知識ということを大体
前提
といたしまして、そう高度のあれは必要でないかと思
つて
おります。例えば一番これで必要なのは、無論憲法は当然のことでありましようが、民法或いは
手続
法等の
一般
概念というようなところが大体この
試験
の標準ではないかと考えております。
西郷吉之助
48
○
西郷吉之助
君 例えば大学生の在学中の学生でも
試験
をパスすれば一向差支えない、学生でも……。その点どうでしよう。
三浦義男
49
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) その点は勿論差支えございません。
高橋進太郎
50
○
高橋進太郎
君 先ほどから私は一例を
弁護士
の例で引いたのですが、どうして……。
司法書士
や何かではいわゆる一定の
資格
のある者が、直ちに
司法書士
として認定を與えられる基準になるわけですね。従
つて
我々の常識から言えば、
行政書士法
においても、例えば
府県
の吏員を十年以上もや
つた
つとか、丁度裁判官をや
つた
者が
司法書士
としての
資格
を與えられるように、何か
試験
を受けなくても当然社会常識からこれらの
事務
については一応こなせるという認定をなし得る者は、当然その認定で
資格
を持ち得るような方法にならなか
つたの
か。どうしてそれが
司法書士
と違
つた
試験制度
を励行したのか。そこの違いはどうですか。
三浦義男
51
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) そういう
司法書士
で行いまする
仕事
は法務局の管轄区域を主体といたしまして、その
範囲
内で
司法書士
の
仕事
はできるというようにな
つて
おりまして、その
仕事
も特殊の
司法関係
の裁判所等に、或いは検察庁、法務局等に
提出
いたしまするところの
書類
というようなことに限られておりますので、
地方
法務局の
認可
を得て
司法書士
の
仕事
をやるというような
制度
にな
つて
おると思
つて
おりまするが、
行政書士
のほうは
仕事
の
範囲
が割に
一般
常識的と言いますか、広
範囲
でございまして、而もそれが
一般
的な
仕事
でございますので、例えば先ほど申しましたように戸籍、役場等で処理いたします戸籍
関係
の
書類
、例えば出産の届とか何とかいうことはこれは必ずしも特殊の人でなければできないことでなくて、
一般
の人が誰でもやればやり得る
仕事
であります。ただ忙しいために自分で書けないから書いて貰うとか、或いは特殊の、全然字か書けないから
依頼
するというようなこともたまにはあるかも知れませんが、大体においてはさようなことだろうと思います。従いましてその
仕事
の
内容
から申しますと、極めて
一般
的、広汎でありますので、それを
資格
という点から見た場合に誰にでも或る
程度
許してよさそうな
仕事
であると思うのであります。そうなりますると、非常に
仕事
の
関係
から申しまして、やはりその間に乱雑に流れ、又
取扱
の点から申しまして愼重を欠くということにもなりますので、さような
程度
の学力を持
つて
おる人を
前提
といたしまして、その中から
試験
によ
つて
特殊のこういう業態をすることに適当なる人を選び出す。かような
制度
にこの建前は一応はな
つて
おるのであります。
高橋進太郎
52
○
高橋進太郎
君 ですから、私の申上げたいと思いまするのは、比較的專門的知識でないのだから、そういうものについて
試験
をして、それの合格者に與えるということは考えられると思う。ところが、その外に例えば
公務員
試験
も今あるわけでありますから、まあ昔で言えば高等文官
試験
、或いは普通文官
試験
とか、そういうような
公務員
試験
や何かで合格して、普通官庁などに五年なら五年、十年なら十年、そういう
試験
をと
つて
そういうふうに勤務した者に、経験のある者については
試験
しなくても
行政書士
に成り得るような途を開いて置いたほうが簡易でないかという気がするのですが、その点どういう考えですか。
三浦義男
53
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) その点は御尤もな御意見だと思いまして、この
資格
の場合に一応そういうことは問題としたのでありまするが、又逆に考えますると、さようなことになりますると特殊な
人たち
に特典を與えるというようなことになる嫌いがございまするし、それから又
認可制度
にいたしますると先ほど申しましたような
仕事
の性質上すべての人に大体
認可
を與えてよさそうなことにもなりますので、やはりそこに
試験制度
を、
一般
常識的な、
法律
常識的な
試験
を加味しまして、それによ
つて
適当な人を選び出すということがこういう
行政書士
の
仕事
の性質上から推しまして適当ではなかろうかと、かようなことにな
つた
わけでございます。
高橋進太郎
54
○
高橋進太郎
君 私は逆にこういう
試験制度
を
施行
すると、むしろその
試験
を通
つた
ものとか何とかいう非常に門戸が閉されて、一種の
行政書士
というものが一つの特権的な職業になると思うのです。それがこういう性質から広く門戸を開放して置くということが、こういう
書類
は元来は自分がやり得る、或いはサービスのよいところじや官庁がや
つて
くれるというのが建前のものをまあこうい
つた
ところで大部分のものが簡易にやり得るということで
一般
性を持ち得ると思うのです。こういう
試験制度
は却
つて
門戸を閉して一つの專門化し、特権化するという嫌いが出て来るのじやないか。
三浦義男
55
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) その点はお説の
通り
御尤もな点もあると存じますが、先ほど申上げましたように或る特殊の学力以上、例えば
学校
出た者は
試験
を受けないですぐ
行政書士
の
資格
を獲得する。それから又これを
一般
に門戸を開放した場合にそういう
資格
のない者はどういうふうに扱いをするかということになりますと、やはり
試験
なり何かの特殊の
制度
を考えなくちやならんことになるだろうと思いますが、そういう場合を比較いたしましたときに、一方は
学校
出た者はすぐにその
行政書士
の特権を得られる。一方のほうは
学校
出なか
つた
というばかりにその特権がないということは
制度
の
趣旨
から申しまして、現在の、殊に新らしい憲法下のこういう
制度
を考えます場合におきましては如何かというような点をも勘案いたされましてまあ
試験制度
が適当であろうと、かような、結論にな
つた
と思
つて
おります。
高橋進太郎
56
○
高橋進太郎
君 私はやはり
司法書士
や何かでも長く司法
事務
官をや
つた
者については認定でいいんじやないかということで、将来やはり
行政事務
官なんかを多年や
つて
お
つた
者には
試験
なしでも與え得る途を開いたほうが非常に、今までも全然これは
取締
規則と言いますか、そういう
適用
規則がなか
つた
ということは、これは要するに
一般
的に誰でもやり得ると、こうい
つた
ような仕組なんですから、それがこういう
試験制度
で非常に特権化して来るということにな
つて
、却
つて
その点が閉されて窮屈になる。従
つて
同時に
行政書士
の
報酬
なり、手数料なりが非常に高くなるようか感じをするのですが……。
三浦義男
57
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) その点はどうも
行政書士
の
仕事
の性質が
一般
的でありまするので、今のお説のような御
趣旨
から申しますると、結局大学を出た者、或いはそういう
程度
の
資格
を持
つて
いる者は誰でも許していいということになりますると、殆んど皆或る
程度
学校
卒業した者、或いは経験のある者は皆許してもいい、こういうことに結果としてはなるのじやないかと思
つて
おります。そうなりますると、特にこの
行政書士
の或る
程度
資格
向上というような点から一定の
範囲
の者から選び出そうと、こういうような点から申しますると、まあどうかという点も考えられまするし、それから
司法書士等
におきましては、これは裁判所の
事務
官とか、裁判所の書記官とか、或いは裁判所の書記官補、特殊のそういう
仕事
に或る
期間
従事している者は
認可制度
によ
つて
やる。これは
司法書士
の
仕事
が特殊の裁判所、或いは検察庁等の
仕事
に限られておりまするものですからさようなことも考え得ると思いますから
行政書士
の職は非常に
一般
的である
関係
上、
資格
を広くするという建前になりますると、どうもやはり
試験制度
を加味しまして、御説のような
趣旨
から
試験制度
の運用においてそういう点ば御
趣旨
に副うようにしたらば如何なものかと考える次第であります。
高橋進太郎
58
○
高橋進太郎
君 私はその逆で、むしろ
一般
的專門的ですと割合に
試験制度
というものは楽だと思うのです、いわゆる專門的な
試験
の
範囲
で……。ところが
事務
が
一般
的だということは同時に常識に近いということです。そういう
意味
から言えばやはり
行政
官庁に十年とか五年とか勤めたという方がむしろこういう
事務
をこなすにも適当じやないか。ところがそれをたまたま非常に広い部面についての
試験
ですから
試験
問題でも非常にむずかしいのです。従
つて
その
試験
をたまたま通
つた
か通らないかつということだけで決めるということが却
つて
この
制度
に副わないのじやないか。むしろそうならばこの
制度
自体は
学校
を卒業したとか、こういう
資格
のある物について
試験制度
も必要でしようけれども、その外にそういう
行政事務
に多年の経験ある者については認定によ
つて
與えるというような途を開いたほうが適当じやないかと思うのですが、どういうものでしようか
三浦義男
59
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) そういたしますると、御説のあれを具体的に考えますると
試験制度
を全廃いたしまして或る特殊の
学校
等の卒業
資格
なりを持
つて
おる者は、者以上はすべて
認可
によ
つて
やるということでございましようか。それともそういうものを
認可制度
にもよるし、それからそれ以外、それらのものを持
つて
いないこういう人でも勿論こういう
制度
ができれば当然何らかの形においてそれに参與し得ることを考えていいと思うのでありますが、そういう
人たち
には
試験制度
を加味するという
両方
建の御意見でございましようか。どういう御意見でございましようか。
高橋進太郎
60
○
高橋進太郎
君 私はこの
書士法
にあるような
試験制度
も必要だと思うのです。併しその外に丁度
司法書士
と同じように司法
事務
官とい
つた
ようなものに平仄が合うように
行政事務
に十年以上なら十年以上経験した者と、或いはこれに準ずる者と、そういうものには
試験
を除いて認定によ
つて
資格
を與える、こういうのも併用すべきじやないかという気がするのです。
鈴木直人
61
○鈴木直人君
只今
高橋君の質問されたことにも関連するのでありますが、その
資格
を有する、
行政書士
の
資格
を有する者というのと
行政書士
というのとは違うというように第六條ではな
つて
おるようでありますが、
行政書士
となる
資格
を有する者の中に今のような
試験制度
で
試験
において合格した者、或いは一定の経歴を持つというような者を入れるか入れないかということが今議論の焦点にな
つて
おるわけであります。それは差しおきましてその
資格
を持
つて
おる者が事実上
行政書士
の業を行わんとする場合には
登録
を受けなければならないということにな
つて
おるようであります。従
つて
自分はこれから
行政書士
になりたい、
行政書士
の業をや
つて
行きたいと決意した人があるとするならば、先ず
行政書士
になる
資格
を有する者というものにならなければならない。それには
試験
に合格しなければならん。こういうことにな
つて
おるのです。そこで
試験
に合格するには
試験
を受ければよろしい。こういうことになるのですが、そこで第一にお開きしたいのは、その
試験
に、いわゆる誰でも
試験
を受けたいと思う人は
試験
を受けてそうして一定の成績があれば合格する、こういうことになると思うのです。即ち
登録
というものとそれは別でありまして、
試験
を受けで合格する人はすべて
行政書士
になる
資格
を有する者にな
つて
来る。ところがその次の段階においていよいよ
行政書士
の業を行わんとするのに
都道府県知事
の
登録
を受けなければならない。こういうことになるわけであります。この
登録
を受ける場合に第六條の二項によると手数料を納めなければならないということにな
つて
おる。従
つて登録
手数料を納めさえずれば全部それは
登録
して貰えるものかどうかという点をお聞きしたいのであります。一方
行政書士会
というのが十
五條
にあるようでありますが、或いは
行政書士会
の全國
連合会
もできるというようにな
つて
おりますが、この
登録
を受けようとする者、いわゆる
行政書士
になる
資格
を有する者が
登録
を受けようとする場合に往々にして
行政書士会
の意見を聞いてそうして
行政書士会
がそれでよろしいというような場合に初めて
府県
が
登録
をするというようなことが行われることが想像できるのであります。ところがこの
行政書士会
は恐らく自分の既存の権益を新らしく
登録
を受けんとする者のために、いわゆる自分の権益が侵されるということが当然考えられるわけでありまするから、成るたけその新らしい
登録
をさせまいとするような考え方が持ち得ると思う。そこで
行政書士会
なるものが非常に強い権限を持ち、そうして
行政書士会
の意見に従
つて
府県
知事
が
登録
をするというような
手続
を仮にとるようなことになると、幾ら
試験
に合格した人がありましても、何人合格いたしましてもいよいよこの
登録
を得んとする場合には、実は現実の場合において
登録
を取ることができないということにな
つて
来ると思う。そこで結局先ほど高橋君の言われた問題でありますが、これは
資格
を有する者の話でありましたが、私の観点は
登録
をするということにおいて申上げておるのですけれども、新らしくやりたいというような人が全然なれない、
資格
を持
つて
おる者は沢山あるけれども、新らしく
行政書士
の業はなかなか
登録
は受けられないということになりはしないかということを考えるのであります。この点について第六條の二項の手数料を納めるというのは手数料を納めれば誰でも
登録
できるのか。
資格
を有する者は誰でも
登録
をして貰えるということにな
つて
おるのかどうか。この方面がはつきりいたしておりません。そうすれば
登録
を受けた者の間において自由競争というものが自然に上
つて
来る。これも又止むを得ないかも知れませんし、その点の
関係
をどういうふうに……
登録
の方針ですね、それをお聞きしたいと思います。
三浦義男
62
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) その点は第六條の二項におきまして「政令の定めるところにより、
登録
手数料を納めなければならない。」そういうふうにな
つて
おりますが、それはただ手数料を政令によ
つて
定めるということの
趣旨
だけでありまして、すでに
試験
に合格して
資格
を有した者が
登録
を受けることを
制限
する
趣旨
は毫も持
つて
いないわけであります。仮にそういうことを
制限
しようと、或いは先ほど御懸念のありましたような
行政書士会
がそれについて何らかの
関係
を持つというようなことになりまする場合におきましては、それは
法律
においてそれを
規定
するということが必要であろうかと思うのでありまして、そういうことはいわゆる
資格
を有する者についての更に
制限
も加味して、
権利
義務の
制限
になりますので、
法律
事項
であると考えますので、そうことについての何らの
制限
の置いていない。この
行政書士法案
におきましては、
只今
のような点につきましては
資格
を有する者は当然
登録
もそのままに受け得る、かような
趣旨
にな
つて
おる次第であります。
鈴木直人
63
○鈴木直人君
法律
の建前はそうな
つて
おりますが、いよいよこの
法律
が運営されることになりますと、恐らくここに
行政書士会
というものが生れて来るわけでございますから、その
行政書士会
と
登録
をするところの
府県
知事
の係官との間におけるところの関連というものは、非常に強くな
つて
来ると思うのです。そうして実際の運営におきましては、やはり
行政書士会
の意見を聞いて、あそこはよろしいとか、あそこは惡いとかいうようなことになる。或いはもつとひどくなるというと、行所書士会が相当の手数料等を取
つた
りして、或いは相当の
権利
金的なものを取
つた
り、そういうことをすればまあ
登録
にしてもよいという意見を
知事
に出すというようなことがあり得るというようにも考えられまするので、そういうことは全然許さない
趣旨
の見込の下に実行されておるというようなことは将来県
知事
等に通牒を出すなり、或いは
行政書士会
にはつきりそういう点を言うなりということをして置く必要があると思うのですが、その点を一応お聞きしたい。
三浦義男
64
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) その点は御尤もな御意見でございまして、将来の
行政書士法
運営の問題として、極めて大事なことであると存じまするが、この
法律
の問題といたしましては、第十
五條
におきまして
行政書士会
の
規定
を置いてございます。この
行政書士会
は
法律
上はその第二項に
規定
してございまするように、「
行政書士
の品位を保持し、その
業務
の改善進歩を図るため、会員の指導及び連絡に関する
事務
を行うことを目的とする。」かようなことにな
つて
おりまして、これが
行政書士会
が
法律
上
登録
その他の点において関與し得るということは、
法律
上は何も考えてございませんし、又さようなことがあ
つて
よかろうわけはないと考えております。従いましてこの
法律
の
趣旨
からは、
只今
申しましたように
行政書士会
はあるべきでございまするが、実際問題といたしまして運用の面におきまして
行政書士会
が
登録
その他の点におきまして、いろいろ嘴入れるというようなことが仮に懸念いたされるといたしますれば、この
行政書士
に関しまする
事項
を
取扱
つて
おりまする当局におきまして、然るべき御
処置
が必要であろうかと存じておりますが、この
法律
の
趣旨
におきましては、
只今
の十
五條
……第六條におきまして、
行政書士
とかる
資格
を有する者は特に
登録
を受けなければならないし、又
登録
を受ける場合におきましては当然政令によ
つて登録
手数料は決めなきやなりませんので、その根処を六條の二項に置いたのに過ぎないのでありまして、
資格
のある者は当然そのまま
登録
を受け得る建前に
法律
はな
つて
おりまするので、
法律
上のそういう懸念はないと思いまするが、
只今
申上げましたようなこと以外に運用上考慮を要する点があれば然るべくそれは当局でお考えを願
つた
ほうがよかろうと存じます。
小笠原二三男
65
○小笠原二三男君
提案者
並びに
自治庁
も賛成しておるようでございますが、お二人に極めて素朴な質問ですが、
行政書士法
が必要だ、必要だという
お話
を聞いておるのですが、そうしてそれが國民の利益だというように言われるのですが、非常に不便を感ずる場合も多く出て来ると思われる点がある。と申しますのは、村などで
書類
を整えることのできない者は、役場吏員であるとか、或いは都市から帰農しておる者、そういう方に頼んでやる。又その
人たち
が正業としてそれをや
つて
行くのには
仕事
の量が少い。片手間
仕事
にや
つて
おる。非常に便利に重宝がられておるというような場合が多いので、こういうやかましい
法律
が出ると、村のものは町或いは市まで出てですね、そういう人に書いて貰わなければどうにもならないというふうなことになるのじやないか。而も
司法書士
のように專門的な非常に裁判
関係
で利害
関係
が直接影響するというような大事なものではない。單に官庁などの
簡單
な
書類
その他を一々そういう
手続
をしなければならんということでは煩瑣であると思われる点が第一点。第二点としては國民に利益を與えないようなうまくない
代書人
というようなものは頼むほうの側から自然淘汰されて行くのであ
つて
、
試験
その他を以てこうしたものにだけ
仕事
をやらせるのだというようなことをやる必要がないのじやないか。これは私の素人考えなので、もう少しその点考慮せられたかどうか、御意見をお伺いしたい。
川本末治
66
○
衆議院議員
(
川本末治
君) お答え申しげます。お説御尤もだと思いますが、御承知のように従来内務省令で
取締
を受けておりました
代書人
は現在ではその規則がなくなりましてから野放しにな
つて
おります。中には事実上随分忌わしい
代書人
も現在ないではないようでありまして、そういう点から行きますと、御承知のように各方面あらゆる自由業者がいろいろな立場におきまして
法律
が
制定
されており、すでに
地方
税法の中にも
行政書士
という業としてはつきり挙げてありますので、何らの
取締
もなければ何もないというような点は現在の業者の立場だけでなく、
一般
の人が迷惑を受けることはそれに
報酬
の
規定
もないというような今までの状態でございますから、非常に迷惑しておる面も沢山あると思いますし、それからお言葉のような辺鄙な町村におきまする
行政
方面の
関係書類
の
取扱
などにつきましては、先刻三浦
部長
が高橋委員の御質問にお答え申上げておりますように、
報酬
を貰わずに片手間におやりになるということにつきましては差支えないように意見も出しておりますので、それに尚辺鄙な所などでお使いになる場合には、何しろ商売人でなく、
報酬
さえ正式に貰わなければ、どなたに頼まれても、必ずしも
行政書士
の行な
つて
おる
仕事
というものは先刻から縷々三浦
部長
から御
説明
申上げたようにむずかしい職業じやないから、実際字の書けないような人や忙しい人はその者にお任せにな
つて
別にそう不便はないのじやないか、かように私共は考えております。ただこの
取締
をするために又は
一般
の、外の利益のためにと申上げましたことは、先般来申上げておりまするように、事実上忌わしい
もぐり業者
を
取締
るというような点に私共は重点を置いております。これらの点については巷間で大体御承知の問題だと思いますが、戰後非常に低級な人で、却
つて
めちやくちやな料金を取られておるというような点も相当見受けられます。
地方
私法の建前から言
つて
も、この際、こうした
関係
の業者の中にただ一つだけこの
代書人
が取残されておりますので、それらの点も多少考えまして、私共のほうとしては立案をいたしたような次第であります。
三浦義男
67
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君)
只今
小笠原議員からお尋ねがありましたので、尚附加えて申上げますが、
行政書士法
は
行政
官庁に出します
書類
はすべて
行政書士
の手を通じなければ出せないということを建前といたしておるのではございません点は御承知のことと思います。ただ
行政
官庁に出す場合におきまして、その
依頼
を受けて職業としてやりますものはこういう
程度
の
資格
を持つ、こういうような人でなければならないということを
規定
いたしますことによりましてその
仕事
の、
書類
を
作成
いたしまする
業務
の公正を図り同時に
依頼
者側の便利を図る、そういうことが
趣旨
なのでございまするので、何もこういう人に頼まないで自分でやり得る
能力
のある人は勿論のこと、誰かお互いの
依頼
を受けまして特にそれを業として、職業としてやるのではなくしてお互いの信頼
関係
とか友人
関係
で
依頼
を受けてやることば
制限
するという
趣旨
はございませんので、その点は
川本議員
から
お話
がありました
通り
でございますが、尚念のために附加えて置きます。
小笠原二三男
68
○小笠原二三男君 そういうことはさつきから
説明
されて承知しておるのでありますが、職業としようと考えなくても、辺鄙な都市においてはあの人がいいというので頼んでやる、その部落なら部落でみんかその人に持
つて
行
つて
面倒くさいことを頼むというようなことにな
つて
半職業的にな
つて
おる場合がある。而もその人は
試験
を受けて
登録
まで取
つて
やろうというような意思はない。そういう人に大根を持
つて
行
つた
り米を一升持
つて
行
つた
りして頼む。そういうようなのは、こういう
行政書士会
とか何とかい
つて
特権的なものが出て、
試験
を以て我々や
つたの
だということにな
つて
、
仕事
の邪魔ですから結局そういうようなものを
取締
る、告発する、或いは競争相手として叩きつけてやる。こういうようなことは当然起
つて
来るのじやないかというようなことが予想される。字の書けない者、
仕事
が忙しいから顧みたいという辺鄙な所に住む方々は、一々
行政書士
の
登録
しておるところの
事務所
まで出て行くというようなことになる場合が多いんじやないか。而も辺鄙な町村等で一々希望して
行政書士
の
試験
を受け
登録
をする者が全國に出て来ればそれもいいでしようけれども、なかなかそうも参らんのじやないか。それでさつき言いました手数料をむやみに高く取るというようなものは、手数料にこの
規定
を
制限
すればいいのであ
つて
、
試験
を受けで一定の
資格
を得た者でなければこういうものはやれないのだというようなことにな
つた
ら少数者にどうしても特権的な職業感を與えるのじやないか。却
つて
そういう届出その他で
一般
國民が不便を感ずるという場合も相当多く出て来るのじやないか、こういう質問なんです。
川本末治
69
○
衆議院議員
(
川本末治
君) お答え申上げます。御説ば極く辺鄙な所などの
依頼
者が非常に困るのではないかというような御意見のように拜聽いたしまするが、勿論それは常識的の問題ではないかと思いますが、そういう一定の業としてやるほどの
仕事
でもない、町くらいなら相当
依頼
者がありましようから、小なり業者として立ち行くでありましようし、少しくらいずつや
つて
おるのをそれを田舎のほうの所まで、いや
報酬
とかどうとかという点はないじやないか。
行政書士会
においもそういう点がないじやないかと私共は考えておりまするが、それをいま一つの
報酬
の点の
規定
ということはやはり何かよりどころがありませんと、現在では自由業でどこにも
取締
も何もありませんものですから、一人で三十円取るもの、或いは百円取る人もあるだろうし、又折角書いて貰
つて
金を取られてもこれは実際これじや駄目だというようなものも相当あるやにも存じまするので、
只今
御懸念になります田舎の方が非常に不便をするということは、そこは常識の問題だと私はさように考えております。御質問の御主旨に合
つて
いないかも知れませんが、大体そういうようなわけでありますから、田舎の方にはそんなに問題は起きぬのではないか、かように考えております。
小笠原二三男
70
○小笠原二三男君 私もそうあ
つて
欲しいと思いますのですが、やはり業者として折角、
試験
を受付けたようなものは競争相手になるような商売の繁昌しないような部面については日をつけるのではないか。而も親切心で書いてや
つて
何か貰
つた
というようなことが、一つの
事件
として扱われれば一年間の徴役というようなことをやられたのでは非常に困るというようなことになるのではないか。これは見解の相違だということになるかも知れませんが、そういうことが考えられる次第であります。これ以上申上げません。 次に專門員のほうに御質問申上げますが、市役所等でサービスに無料で、そういう
書類
を
作成
してくれるというようなことをやらせるためには
試験
を受けて
資格
のある者を市の吏員として採用するか、市の吏員にやはりこの
試験
を受けさせてやらせるというようなことになるのでしようか。又もう一つは、県
知事
の
認可
を受けなければ
事務所
も開けない。或いは
出張所
を持てないというようなことにな
つて
おるのですがその場合、市長が変
つて
県
知事
に庁内に
事務所
を置くというような
認可
を願わなければならないのか、これが第二点。第三点として、そういうふうに無料でやることによ
つて
、他の個人としてこの業をや
つて
おる者の職業を圧迫するというような問題が起
つた
場合には、どういうふうに扱
つて
行くものでしようか、この三点を伺います。
三浦義男
71
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君)
行政書士
の
仕事
を、例えば役所において無料でやる場合におきましては、無料でそういうことを役所がやるということは少しも差支えないと思
つて
おります。でありますが、役所が誰か特定の人を雇いまして手数料を取
つて
やるということになりますれば、それは
行政書士
の
資格
を取
つた
者を置いてやらなければいけないと思います。無料サービスは少しもこの法の禁止するところではございません。その点につきましては十九條の
規定
にもございますように、「
行政書士
でない者は、
報酬
を得る目的で
行政書士
の業業を行うことができない。」こうな
つて
おります。
事務所
の点は、勿論無料で
仕事
をやります場合におきましては、
行政書士法
の
制限
を受けるわけではございませんから、これは別個の問題となります。ただそういう業体が、無料サービスをすることは、公の施設においては、これは可能でありましようけれども、個人といたしましては、そういうことは業体として成立得ないだろうと思いますから、実際問題としては無料で個人としてやるようなことはないと思います。官庁等の公の施設においては、そういうことをやることが考えられるだけではなかろうかと思います。
小笠原二三男
72
○小笠原二三男君 もう一つ伺います。どうも素人考えかも知れませんけれども、手数料を貰
つて
職業とするものは一定の
資格
を要する。そうでないものはどんなぼんくらが書いたものでもよろしいのだということは、どうもこの法の
趣旨
から言
つて
おかしいのではないか。やつぱり國民の利益のためにどうしても
資格
を必要だと主張するこの法の建前から言うならば、
報酬
の如何にかかわらず、こういう
仕事
をする者は一定の
資格
を持
つた
者でなければならんというほうがこの法の性格から言
つて
正しいのではないかというふうに考えるのですが、この点お答え願いたい。
三浦義男
73
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君)
行政書士法
が立案されまする
趣旨
は、官庁に出しまするところの
権利
、義務とか、或いは
証明
関係
の
書類
を営業として、それを商売といたしましてやる
人たち
の保護と同時に、それに
依頼
する
人たち
の、
一般
市民の立場を保護するということが
行政書士法
の狙いでありまするので、そういう業態としてすることに対するいろいろな
取扱
方の
規定
が
行政書士法
でございます点は御承知の
通り
であろうと存ずるのでありますか、従いましてそれを職業といたしませんで、個人でやることは先ほども申上げましたように全くの自由であると國じように、若し無料でそういう
依頼
する人が沢山仮におりました場合におきましては、
依頼
する人の信頼において、あの人に
依頼
すれば立派なものを書いてくれるだろうというようなことの信頼さえあれば、どういう人が相手であ
つて
この
証明
書類
等を
作成
いたしましてもこれは全く個人生活の自由であろうと思いまして、
法律
で規制する
範囲
ではなかろうと思うのであります。従いましてそういう
人たち
までもひつくるめまして何か
制限
をいたすということになりますれば、結局私が先ほど申上げましたように、
官公署
に
提出
する
書類
はすべて
行政書士
でなければ出せないということの
前提
をとらなければそういう
人たち
までをも
制限
する
規定
を作るわけに行かないと思いまするが、それは
行政書士法
の立案の
趣旨
ではございませんので、
只今
申上げたようなことになると思います。
小笠原二三男
74
○小笠原二三男君 だから、そういう
趣旨
でやれば今度は逆にその國民の自然淘汰に待つようにすればいいのじやないか。いい者のところには頼みに行く、惡い者のところには頼みに行かない。頼みに行
つた
者は國民のほうがそれだけの力を持たなか
つたの
だというだけで、何と申しますか、こういう
規定
を必要としないということでもいいじやないか。例えばさつき
提案者
のほうで手数料のととが非常に問題にされているようですが、この
報酬等
についてはそういう諸官庁に
提出
する
書類
を
依頼
を受けて暫く者は、その業をする者はこれこれこれこれの以上の
報酬
を取
つて
はならん。それだけのことを決めたらそれはそれで片付くのじやないかというふうに思う。これは素人流の考えですが、今の答弁ではどうも納得行きません。
三浦義男
75
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) それでは私から、こういう
説明
でよろしいかどうか存じませんか、尚附加えて申上げたいと存じますが、例えば
司法書士
でもその他
建築士
でも、或いは
弁護士
でも、すべてそれぞれの業に関しまするところの
法律
を、
弁護士法
なり
司法書士法
なり、その他の
法律
ができません以前におきましては勿論仰せの
通り
のようなことで、自由にや
つて
お
つた
と存ずるのでありますが、それぞれの、それらの
仕事
、更にこの
行政書士
の
仕事
につきましてもその
書類
が
官公署
に
提出
する性質のものでございまする
関係
上、その
書類
の
内容
はたとえ些細なものでございましてもそれが公の
権利
関係
、或いは私の
権利
関係
に重大な影響を及ぼす
書類
の
作成
ということの
業務
に関與いたしまするので、それらの公益的な性質に鑑みまして
依頼
者を保護する。それが業態として多数の
人たち
がその
仕事
に携わ
つて
おる場合におきまして、それらの点につきまして公正の見地からそれらを
依頼
軒を保護し、同時にその
業務
の公正を期するということはやはり
法律
といたしまして
規定
する領域であろうと思うのでありまして、例えば
報酬
の問題は勿論のことでございますが、
依頼
を受けました
行政書士
は秘密を守るということ等につきましても
行政書士法
の十
二條
に
規定
してあるのでございまして、こういうあれがございませんと、たとえ極く内々の
書類
をいろいろ
依頼
して作
つた
場合におきましても、そういうことがありませんとその義務を遂行することもできませんし、その他
書類
、
帳簿
等におきましても自由な職業にいたしておきました場合におきましては、それらの
帳簿
も自由に勝手にいろいろできるのでありますが、多少それが
報酬額
を超過して取
つて
依頼
を受けてはいないかどうかという検査の必要上もそういうようなものを備付けましてやることは、
依頼
者が安心して
行政書士
に
仕事
を頼める途を開くことになりますし、又或る
程度
の
行政書士
の
資格
を要件といたしますことは、やはり
行政書士
に
依頼
する人々をだんだん安心させることになりまして、それが延いて
行政書士
の
業務
を繁栄させるということになるのじやないかと思うのでありまして、さような見地から
行政書士法
が長い間の懸案でございまして、これはたしか今から十数年前からであ
つた
と思いますが、その頃議会等に請願が出ておりまして、たびたびそういう陳情、請願が議会の議にも上
つて
おるのでありまして、先ほど
川本議員
から
お話
がありましたように、
司法書士
までの段階におきましては、こういう
関係業者
の
法律
が完備されましたが、いわゆる
代書人
という
人たち
がまだ取残された部分に属しておりますので、以上申上げましたような
趣旨
から立案されました点を御了承願います。
只今
ありました質問にお答えにな
つて
おるかどうか存じませんが、一応申上げました次第であります。
小笠原二三男
76
○小笠原二三男君 では最後に
自治庁
に伺いますが、そういう非常に重要な
法案
で、全く
地方自治
のためにも重大な
関係
のあるというこういう
法案
が、どうして議員
提出
になるまで
自治庁
では放
つた
らかして置いて政府
提案
としなか
つたの
であるか、お伺いして置きます。
鈴木俊一
77
○
政府委員
(
鈴木俊一
君) この
行政書士法
につきましては、従来、先ほど
川本議員
から仰せになりましたように、中央の法令としては、一種の
警察
法令として内務省令がありましてこれを
取締
つて
お
つた
わけでございますが、それがそのよう次
警察
命令等が一切根拠を失いましたために爾来放任せられて来でお
つたの
であります。ところが実際先ほどいろいろ御指摘がありましたように、そういう
代書人
と申しますかいわゆる
行政書士
の中には惡質な者があり、ために無辜の良民が非常に不利益を受けるというようなことがございますのみならず、又そういう書面の相手方でありますところの
官公署
の立場から申しましても、これが真に公正か一定の
資格
のあるような者が、要するに過ちのないような者がその
作成
をいたし、これを
提出
して参りましたほうが、扱う上におきましても能率的に扱えるというようなこともございますので、やはり何らかそこに中央の
法律
等によりましての規制を設ける必要はあるであろうということを考えて来たのであります。古い時代におきましても、
府県
知事
等におきまして
警察
上の命令、或いは
府県
令等によりましてこれを規制することは勿論可能であ
つた
わけでありますが、まだそれでは足りないので中央の内務省令で規制をしてお
つた
ということは当時におきましても同様な
趣旨
の傾向かあ
つた
からだろうと思うのでありまして、そういう
関係
もございましたのでしようが、
府県
等からは中央で何かそういうような規制の
法律
を作る考えはないか、そういうものを作
つて
くれんかという種々の要望もあ
つたの
であります。併しながら私のほうもいろいろ他の
事務
にも忙殺されておりましたし、又
國会
のほうで御立案中であるというような話も伺
つて
おりましたので、特に
自治庁
といたしましては面接その立案の責に当るようなことはいたさなか
つたの
でありまするが、私共どいたしましてもこのような何らかの中央の
法律
による保障が必要ではないかということはかねてから考えてお
つたの
でございます。
西郷吉之助
78
○
西郷吉之助
君 今までいろいろ伺つで見ると、
提案者
の方並びに
自治庁
に聞いて見ると積極的に大いにこれは賛成するほどの長所もないのでありますが、又一面考えるとこういうものが
法案
にな
つて
罰則
まで附いておるのでありますから、へたすれば非常に引つかかる場合が殖えて来るわけであります。こういうような点で欠点もある。更に、一点伺
つて
置きたいのは、第十九條の「
報酬
を得る目的」ということでありますが、
行政書士
でないその本人が何らの
報酬
を受けない目的でや
つた
が、社会通念上から極めて
簡單
に相手が謝礼、或いは足代という
意味
で謝礼を持
つて
来た、謝礼を持
つて
来たから受取
つた
という場合には十九條において
取締
の対象になるかどうかということであります。
三浦義男
79
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君)
只今
の点は、その当事者の目的意思によると思いますが、たとえ
報酬
が
仕事
の前後を問わず
報酬
として出された場合におきましてはこれの対象になりますが、それが全くそういうような目的意思がなくて行われた場合におきましては、第十九條の対象になるものではないと考えております。
西郷吉之助
80
○
西郷吉之助
君 そういう答えになると思
つて
お
つたの
でありますが、そういうこともあるので
報酬
を得る目的でなく、ただ謝礼を持
つて
来たから貰
つた
という、そういうことにな
つて
来ると非常にややこしくな
つて
来て、どうも旧来の
代書人
よりも
名前
が厳しく
行政書士
となり、尚且つその
資格
を極めて
簡單
にするならば一応差支えないと思いますが、新たに
試験制度
を設けた、更にそれに
罰則
を伴うと、そういうようなことはあまり感心をいたさないと思いますが、非常に長所というのもあまりないし、それじや決定的な欠点も
法案
にないと思いますが、その点ももう少し
簡單
にして、
試験制度
なんかということでなく、そういうものは
弁護士
と違
つて
非常に
簡單
なものでありますから、
都道府県
に届け出る
程度
でいいと思いますが、
罰則
ということは全然必要ないのでありまして、やりたいものは
都道府県知事
に届ける
程度
でいいと思いますが、厳しい
試験
とか
罰則
ということはさつき鈴木委員も言われたようなことも出て来ると思いますから、それほどには必要があるかどうかということを考えますが、その点はどうですか。
三浦義男
81
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君)
行政書士
に関しましては
先ほどお話
がありましたように、大正九年に内務省令の
代書人
規則ができまして、尚その
制度
に関しまして
一般
の
取締
準則を
規定
いたしてお
つた
わけであります。その中身もそれぞれ
罰則
の
規定
がございまするし、それ以後最近におきましては各
都道府県
におきまして
條例
を以て
行政書士
令というものを作
つて
おるわけであります。その中におきましても、勿論一定の
事項
の違反につきましては
罰則
規定
を置いておるわけでありまして、東京都におきましても、一例を申上げますと東京都
行政書士
條例
というものが
昭和
二十三年におきましてできております。これにも一定の
事項
を
規定
いたしましてその違反については
罰則
規定
を置いておるわけであります。こういうのが方々の
條例
にあるわけでありまして、
只今
我々の知
つて
おる
範囲
内におきましては、その二十三年の
條例
でこういう
規定
をいたしていると記憶しているのでございますが、こういうようなことでまちまちに各
都道府県
ごとにいろいろ
行政書士
のことを規律いたしておりますが、それらを通じまするところの準則的な基準を決めまする
意味
におきましての
行政書士法
というもめはやはり必要ではなかろうかと思うのでございます。それは各
都道府県
が思い思いにそれだけのものを作
つて
いることは、やはり
都道府県
においてそれぞれの必要があるということでございまして、それら各
都道府県
相互間の相違等を一定の準則に照らしまして規律いたしまして、後はできるだけ
都道府県
のここに任して行くというような建方をこの
行政書士法
ではと
つて
いるわけでございますので、その点を予め御了承を願いたいと思います。
鈴木直人
82
○鈴木直人君 私も十九條が一番問題だと思いましてお聞きしたいと思
つて
お
つたの
ですが、西郷君から質問がありましたのですが、結局この
行政書士法
の運用の問題として将来問題になるのは私は
登録
の問題と十九條の問題だと思うのです。十九條の問題は今の西郷君の質問に対する御意見がありましたが、私はこの十九條というのは削除したほうがいいのじやないかぐらいに深く考えているのです。それは小笠原君からも先ほどありましたし、
川本議員
からも御意見がありましたけれども、
行政書士
というものの品位の向上のためにはいろいろな
規定
を作
つて
置くことが必要だと思います。勿論
試験制度
までやる必要があるかどうかということは別でありまするけれども、そういうことを
規定
して品位を高める必要があるということは、
行政書士
以外の者で
行政書士
の
業務
を行な
つた
場合には処罰されるというような
規定
は非常に不便だと思うのです。勿論今の「
報酬
を得る目的で」ということが一つあり、「
業務
を行うことができない」ということが一つあると思います。こういう解釈があ
つて
、
報酬
がなければそれでよろしいのだ、第二はそれでなければ事業をしなければそれでよろしいのだ、
仕事
さえしなければそれでいいのだ、書くことはいいのだと、こういう二つの理窟がありますけれども、恐らく
行政書士会
ができまして、
行政書士会
などの
仕事
の一番大きい部分というものは私は十九條の摘発というようなことが行われると思うのです。又その一つは
行政書士
でない者が持
つて
行
つた
書類
は市役所等ではなかなか受付けない。若し受付けたならば横槍を入れると、そういうようなことになるわけなんです。受付へ持
つて
行
つた
らこれは駄目だ、この
書類
は不備だというようなことがあ
つて
、又帰
つて
どうしても
行政書士
に頼んで来なければこれは受付けないと、こういうようなことが起り得る。つまり一つの
行政書士
の会が
法律
で
規定
されてはつきりとした以上はそういうことが力強く運用されて行くだろうし、又第十九條による摘発、これは非常に貧乏な
人たち
はまあ隣りの人にも頼むでありましようし、区役所の係の人が大体教えてくれますし、大体市役所や県庁あたりでは
法律
ができますと、こういうような
手続
でたければできないぞということを、よく研究会などを開きまして、そうして県庁あたりは届書まで、それをガリ版に刷りまして、そうして書き上げたのだということを今まで教えてくれる、そういうようなことをやる場合に、この
法律
が出ますというと、そういう親切、役所の親切な指導というものが実際
行政書士法
に移
つて
しまう、こういうことがあるのではないかということを考え、それでこの十九條が主観的に裁判所に行
つた
場合は罪にならないでありましよう、裁判所でやあ私は
業務
を行な
つたの
ではないのだ、或いは
報酬
を得る目的じやなか
つた
ということが裁判所に行
つて
刑事裁判にまでな
つて
、そうして弁論すれば、お前は無罪だという判決になるだろうけれど、それまでの間か大切ででございまして、この十九條というものは
一般
の
人たち
が
行政
上の届出をする場合に、いつもそれで以てひつかかるというようなことになりはせんかということを考えるので、むしろ私はこの十九條は要らないのじやないかという工合に考えておるのですが、その見解を一つお聞きしたいと思うのです。若しそうでなければこの解釈をうんとはつきり具体的に一つ
説明
して置いて頂きたい。
三浦義男
83
○
衆議院法制局参事
(
三浦義男
君) 十九條の問題に関連いたしまして、極めて実情的な
お話
がございましたが、或いはいろいろ掘り下げて考えました場合におきまして、又現段階におきましては、さような事例が皆無だとは言えないかも知れませんが、この十九條のような
規定
は、外の
法律
、例えば
司法書士法
、或いは
土地家屋調査士
法等すべてこの
法律
を設けました
規定
におきましては、同様の
規定
があるのでございまして、一応の解釈はか
つて
おると思
つて
おりますが、先ほど申上げましたように、
行政書士
でない者は
報酬
を得る目的で
行政書士
の
業務
を行うことができないと申しまするのは、勿論その前に
報酬
を得てやることもできません。又あとでも
報酬
を得る目的でや
つた
場合にはいかんことは当然でありますが、そうでなくしても、暗黙に表面その意思を現わさなくても、内々におきましてそういうことを得る目的で書いてや
つて
、あとから物を貰
つて
それを黙認しておるということは、勿論
報酬
を得る目的に該当すると思いますが、そこらの点は個々の具体的事情によりまして、個々に決めなければならないものであります。一概にこういう場合、こういう場合ということにはちよつとなかなか参りかねると思
つて
おりますが、
趣旨
はそういうような目的を以て暗黙に了解してやるようなものも勿論いかんわけでありますが、そういうようなことでやるのがいけないということを第九條は
規定
して、同時に
行政書士
としての正当か
業務
を行うという者を保護する、こういう
規定
であろうと思います。
中田吉雄
84
○中田吉雄君 議事進行について発言したいと思いますが、これは私遅く来たのですが、議員
提出
の
法案
ですね。
岡本愛祐
85
○
委員長
(
岡本愛祐
君)
衆議院提出
です。
中田吉雄
86
○中田吉雄君 先に議員
提出
の競輪
法案
を、まあ議員
提出
の
法案
として可決しまして、その
地方
財政に寄與した面もありますが、起
つた
弊害から鑑みまして、非常に代論も沸騰してまあいろいろ社会的な批判も受けておるわけであります。
只今
この
法案
をいろいろ御
説明
受け、且つ
内容
を検討して見ましても我々は特にいろいろ考えさせられる点がありますので、まだいろいろ質問したいと思いますので、一つここで休憩して午後でもや
つて
頂けるようにして……。
西郷吉之助
87
○
西郷吉之助
君 今のお申出がありましたが、これは議員
提出
でもありますし、いろいろの点もありますので、これはもう少し愼重に検討を加える必要があると思
つて
おります。今、午後続いてや
つた
らどうかどいう
お話
がありましたが、午後するなら継続してこの
審議
をやるのもいいと思いますが、今度改めて
委員長
に諮
つて
頂きたいのですが、今日は日曜で朝からや
つて
いるわけですが、まあ今会期は短いことでもあり、まあ一応勉強はしておるわけですが、いろいろ他に月来もあるのですから、日曜の午後は成るべく馬力をかけて、午後やるなら成べく争い時間に……。今日は多少個人的な
仕事
もできるように、この点をもう一つここで諮
つて
頂きたい。決して我々はただ時間を延ばすとか何んとか、そういう考えでなく、日曜でもあることですから、午後やるなら馬力をかけで短時間でやる、余り遅くまでやらんようにして頂きたい。それを諮
つて
頂きたい。
岡本愛祐
88
○
委員長
(
岡本愛祐
君)
只今
中田君及び西郷君から議事進行に関して御意見が出ましたが、先ず
最初
お諮りいたしますが、この
衆議院提出
の
行政書士法案
について今まで皆さんの御意見を拝聴いたしておりますと、なかなか問題もありますから、尚研究することにして、これはこの
程度
で、今日は
審議
を打切
つて
行きたいと思いますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
岡本愛祐
89
○
委員長
(
岡本愛祐
君) ではさように計らいます。 次いで、西郷君からの御意見でございますが、午後にた
つて
能率を上げて成るべく早く会議を終りたいというこれは……。
中田吉雄
90
○中田吉雄君 そうすると、これは今日打切りですか。
岡本愛祐
91
○
委員長
(
岡本愛祐
君) 打切りです。
中田吉雄
92
○中田吉雄君 折角おいでにな
つて
おるのですから、午後やりかけたついでにこれを午後やるのでしたら……。
岡本愛祐
93
○
委員長
(
岡本愛祐
君) ちよつと速記を止めて下さい。 午後零時三十七分速速記中止 ―――――・――――― 午後一時七分速記開始
岡本愛祐
94
○
委員長
(
岡本愛祐
君) 速記を始めて下さい。 それではお諮りいたします。
只今
委員長
理事の懇談をいたしまして、大体それでは二時から
審議
をお願いをいたしまして、そうして西郷君の速記のとま
つて
いる間に御発言のありましたことを目標として
審議
を続けるということにいたしたいと思います。御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
岡本愛祐
95
○
委員長
(
岡本愛祐
君) ではそういうふうに決定いたします。二時に開会します。時間を厳守いたします。それでは休憩します。 午後一時八分休憩 ―――――・――――― 午後二時十二分開会
岡本愛祐
96
○
委員長
(
岡本愛祐
君) 休憩前に引続き
委員会
を再開いたします。
地方公務員法案
の予備
審査
をいたします。質問をお願いいたします。
小笠原二三男
97
○小笠原二三男君 質問申上げる前に、公聴会の件について切にお願いがあるわけです。労働組合
関係
の方の公述人、一応決定した名簿によりますと、大阪市の従業員組合の輪違君という方が出ておるのですが、この方は
衆議院
の公聴会における公述人としてもうおやりにな
つて
おられる方であります。そこでその
関係
の労働組合のほうで相談した結果、同じ人がやはり参議院でやるということはまずいだろうから、大阪市従としては了解するから別個の人に変更して貰いたいという希望が出ておるのであります。で、その別個の人というのは、同じ
関係
の組合ですが、神戸市役所の従業員組合の人でありますが、ちよつと紹介しますと、その
執行
委員長
をしておられる芝田長太郎君という方ですが、この方に替えて頂けないものかという申出がこの
関係
団体から今朝私わところまでありましたので、この点どうするか、
委員長
においてお諮り願
つて
、できるならばその希望が達せられるようにお願いしたいと思います。
岡本愛祐
98
○
委員長
(
岡本愛祐
君) お諮りいたします。
只今
小笠原委員より、公聴会の公述人につきまして、お申出がありました。それは二日目の六日の公述人の中に、輪違清次君、大阪市の従業員組合書記長にな
つて
おります。この方が
衆議院
で公述した
関係
で、同様の団体である神戸市の従業員組合の書記長の芝田長太郎君に差し替えて貰いたいということであります。これはちよつと小笠原君に伺いますが、この二つの従業員組合の間ではよく相談ができているのですね。
小笠原二三男
99
○小笠原二三男君 相談ができて納得済みだそうでございます。
岡本愛祐
100
○
委員長
(
岡本愛祐
君) そういう次第でありますから、差し替えに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
岡本愛祐
101
○
委員長
(
岡本愛祐
君) ではそういうふうに変更いたします。
堀末治
102
○堀末治君 一向差支えございませんが、輪運針に、当人に確かめておいたほうがよいでしよう。
岡本愛祐
103
○
委員長
(
岡本愛祐
君) そういたします。それで万間違いないと思いますから、念を押します。 申上げますが、公述人に田中一郎君がな
つて
おります。これは
衆議院
にも
名前
が出ておりまし丸けれども、族行中で、
衆議院
では公述をされなか
つたの
でありますから、念のために申上げて置きます。 それでは質疑をお願いすることにいたし度して、今日は第二章に移
つて
質疑を願いたいと存じます。第六條、先ず
政府委員
の
説明
を願います。
鈴木俊一
104
○
政府委員
(
鈴木俊一
君) 第二章の第六條でございますが、これは任命権者を、どういうものが任命権者でおるかということを示した
規定
でございまして、ここにございまするように、
地方
団体の長、議会の議長、選挙管理
委員会
、監督
委員会
、公安
委員会
、教育
委員会
、人事
委員会
、公平
委員会
並びに市町村の
警察
長及び消防長、括弧の中は東京都の特例のことでございまして、警視総監、消防総監というのは、この
地方公共団体
の
警察
長なり消防長に当るわけでございます。その他法令又は
條例
に基く任命権者は、
法律
に特別の定がある場合を除く外、この
法律
並びにこれに基く
條例
、
地方公共団体
の規則及び
地方公共団体
の機関の定める規稚に従
つて
、それぞれ職員の任命、休職、免職及び懲戒を行う権限を有する。それぞれの任命権の根拠は、各特別の
法律
なり、
條例
なり、規則なりに定められておるわけでございまして、そこで定めております
規定
に従
つて
こういう権限を持
つて
おる。ただその行い方につきまして、
地方
公務員
法は枠を設けておる、こういうことであります。これは要するに任命権の所在身変更するものではないわけでございまして、任命権者がどういうものであるかということを示した
規定
であります。それから第二項は、その任命権に関しまして、これを委任することができる、委任を受ける相手方は、それぞれの任命権者の補助機関である上級の
地方
公務員
であります。例えば
知事
で申しますると、
部長
なり
地方
事務所
長或いは支所長とい
つた
ようなものにこれを委任することができると、こういうような
意味
でございます。
岡本愛祐
105
○
委員長
(
岡本愛祐
君) 御質疑を願います。
中田吉雄
106
○中田吉雄君 ちよつとその前に、遡
つて
恐縮ですが、
五條
です。
五條
に関しまする経費その他につきましての質問がありまして、資料の
提出
方をどなたかでしたか要求されまして、ここに出ていますので、一つ入りますまでこれについて御
説明
をお願いしたいと思います。
鈴木俊一
107
○
政府委員
(
鈴木俊一
君) これはお手許に配付いたしました
地方
公務員
法
施行
に要する経費所要額調、これは
都道府県
と五大都市が必置でございますが、これは人事委員三人といたしまして、
事務
局長以下二十名、但しそれぞれ
府県
におきましては欠員その他がいずれ4ございまするので、十人は配置転換による、こういう考え方で調べております。それから市のほうでは昨日も
お話
を申上げましたように、人口二十万以上の市というのを押えておりまして、大体職員千人ぐらいのところ、こういう考え方でございまするので、そこでは
事務
職員は十人というふうにいたしております。半数はやはり配置転換をする。1及び2以外の
地方公共団体
は、
都道府県
の人事
委員会
に委任してその
事務
を行うものとし、経費は計上しない。ここの下に書いてございまするのは平均の一応の基準になりますものを
規定
をいたしておるわけでございまして、大体
都道府県
の場合には二百四万、人事
委員会
の委員、それから下のほうは
事務
局の職員の人件費等でございます。そういうものを合せますと全体で約一億一千五百七十万というふうに考えております。
相馬助治
108
○相馬助治君
只今
鈴木政府委員
から御
説明
になりました
地方自治庁
公務員
課が発表いたしました
地方
公務員
法
施行
に要する経費所要額調ですね。これを見まして総括的に申しまして、極めて間に合せに作られたという印象を受けるわけです。従
つて
率直にお尋ねしたいことは、昨日の私の質問に連関いたしまして早急にこのようなものを作
つた
ものであるか、当初より
地方自治庁
として予定していた案であるか、その辺について一応承わりたいと思います。
鈴木俊一
109
○
政府委員
(
鈴木俊一
君) 私共は当初から大体
事務
局職員は二十人置くべきで、
範囲
は
都道府県
は
警察
、消防、教員等を入れますと、奈良県のような特別少いところでも大体六千人からの人がおりますので、これは必ず必置にいたしたい。人口二十万というのは大体職員数千人ということで、これは大体千人以上になりますれば独立の人事
委員会
女持つということが
原則
的に適当であるというのが、一つのアメリカ等の経験における法則でもございまするので、そういうところで当初から抑えた、こういう考え方にな
つて
おるのでございまして、それで計算をして
提出
いたした次第でございます。
相馬助治
110
○相馬助治君 そうしますと、これは理想案というよりは、最小限度この
程度
の構成の人員ならばやり得るであろうという、そういう見通しを持
つて
作う
つた
案だとこういう
意味
ですか。
鈴木俊一
111
○
政府委員
(
鈴木俊一
君) 私共といたしましては、これが一つの基準になるもので、こういうようなものを若しも
実施
ということに相成りますれば、
地方
に示して参考に供したい、かように考えております。
相馬助治
112
○相馬助治君 御承知のようにこの人事
委員会
というのは、指導機関であると同時に監督機関であり、同時にいろいろの調査をするところの調査統計機関でもあり得るわけであ
つて
、そういう非常に広い面の
仕事
を考えて見た場合においては、このような僅かの人数の構成では到底満足なことができない。こういうふうに今考えるわけですが、それらについてはこういう構成で以て十分であるという
意味
でありまするか。理想論とするならばもつと人数を増して、その構成の面においてはどういう部課を置くというようなことを考えているか、こういう点についても一つ御
説明
願いたいと思います。
鈴木俊一
113
○
政府委員
(
鈴木俊一
君) 御尤もなお尋ねでございますが、私共といたしましても、それぞれ
都道府県
……東京都、大阪と、或いは鳥取県、或いは奈良県というようなところとではおのずから違いがございますので、これはそういう全体を通じての一つの経費算定の基準という気持でや
つたの
でございます。これが東京都なり、或いは大阪というようなところでは、やはり相当これを大きくして行かなければならんと思いまするし、鳥取県のようなところでは、或いはこれだけも必要はないというような結論になるかも存じません。併しこれは一応の基準としまして、飽くまでも
都道府県
なり、市が自主的に決めるのが法の建前でございまするから、我々としてはそういう参考的なものを示そう、こういう考え方でおるのでございます。
相馬助治
114
○相馬助治君 最終的にこういう
委員会
を構成するのは
地方自治
団体の責任で断ることはもう論ずるまでもありません。併し新たにこういう立法が行われるというと、この人事
委員会
を設けるためには、各
地方自治
団体では、
地方自治庁
にどういうふうにして作
つた
らよろしいか、どういうふうな構成が正しかろう、どのような
仕事
をさせるべきであろうかというようないろいろの照会等もあろうと思うのです。そういう
意味
でここでこういう杜撰な……私に言わしめれば杜撰な案を持つならば、これはないほうがむしろいいのであ
つて
、私が何が故に杜撰であるかとこう申しまするかというと、
地方
労働
委員会
というものを御覧にな
つて
も分ると思うのです。各
府県
に置かれている労働
委員会
、これはどんな小さな県においても、労働
委員会
の
事務
局長以下職員というものは現在六十人から、或いは八十人になんなんとしておるのです。そういうふうな体系に類似した
委員会
等を十分勘案されて作
つた
ものであるかどうか、そういうことを一つお尋ねいたします。
鈴木俊一
115
○
政府委員
(
鈴木俊一
君) 地労委の規模との比較の御論がございましたが、地労委につきましては独立の職員も
お話
のようにおるわけでございますが、
府県
の労働部なり、労政課の職員この兼職の者が相当おるように私共存じております。で、杜撰の案、杜撰の案と仰せになりまするが、別に〇〇県人事
委員会
設置
條例
の案というのを差上げてあります。これは私共今までの研究の段階において一応到達いたしました人事
委員会
の
事務
局の組織の例をここに書いたのでございまして、考え方といたしましては
事務
局を総務窒、職員課、
審査
課、こう三つの部門に分けるようにしております。これは総務室というのは大体
事務
局自体の、人事
委員会
自体の庶務的なことをやるという考え方で、職員課なり、
審査
課は、職員のほうは
一般
の人事
行政
全体についての調査なり、研究なり、そういうようなことをやる建前にいたしておりまして、
審査
課のほうは主として不利益
処分
の
審査
、或いは勤務條件に関する
措置
の要求の
審査
、こういうふうな三つの
事務
の部門を設けて構成をしておるということが適当であろうとかように考えております。
相馬助治
116
○相馬助治君 昨日岡野國務大臣が申されたような非常に大きな目途を持
つた
地方自治
大学というような構想もある。こういう際にこの
地方
公務員
の再訓練の問題、それからいろいろな
意味
の教養を高める講習の問題、そういうふうな指導的なことはこれはどこでやることになりますか。
鈴木俊一
117
○
政府委員
(
鈴木俊一
君) 今
お話
の問題は、要するに
公務員
の研修の問題でございますが、これは
法律案
で申しますとまだずつとあとのほうに出て参ります。第七節に
規定
をいたしているところであります。そこで御
説明
を申上げると存じますが、
簡單
に申しますと、要するにそれぞれのこれは任命権者が研修をやるという建前をと
つて
おります。と申しますのは、教員につきましてはやはり教育
委員会
、選挙につきましてはやはり選挙
委員会
というのが第一次的ないわゆる研修をやるということでございます。人事
行政
自体に対する研修にな
つて
参ればこれは人事
委員会
でいたしまするが、それは職員課、この考え方によりますと職員課のほうの所管でございます。こういうふうにな
つて
おります。
相馬助治
118
○相馬助治君 現在の
地方自治
の実態から推して見て、一番大きな問題は人事の交流が行われないということであり、それから又各課別に定員の
関係
によ
つて
将来有為なる人材がその希望を失
つて
いるというような姿を見せていることはもう
鈴木政府委員
も御承知の
通り
でしよう。従
つて
その研修に関することも教員のような特殊な者が教育
委員会
によ
つて
行われるということは分りますが、その他の
一般
の
行政
を
取扱
う
地方
公務員
についてはやはり一括してこの人事
委員会
においてこれを指導して行かなければならないと、こういうふうに思うわけです。それを総務室の
仕事
の部門として置いて、そのようなことで完全を期し得るとお考えであるかどうか、その点を承わりたい。
鈴木俊一
119
○
政府委員
(
鈴木俊一
君) 現在このお手許に差上げました表の中に
地方
にどういう研修の機構があり、計画があるかということは御参考に差上げてある
書類
の中にあるわけでございますが、大抵多くの
府県
におきましては自治研修所と言いますか、自治講習所というようなものを設けまして、これは初任の職員、或いは再教育職員等の講習をや
つて
おりまするが、これは要するに総務部の人事課の系統でや
つて
いるものが多いと存じます。そういうような研修計画全体についてのこと、その研修の方法等につきましては人事
委員会
が任命権者に勧告するというのがこの三十九條にございますようにこの
法案
の建前でございます。その第二項にはこの研修は第一次的には任命権者が行う、こういうふうに書いてございます。
相馬助治
120
○相馬助治君 その
法律
は分
つて
おる。その人事
委員会
がこの任命権者に勧告をして研修を行うという
法律
の條文は分
つて
おるのですが、現実の問題としてはどこでやるのかとこういうことになるわけです。現実の問題はどこ院でやるのか、それを聞いている。
鈴木俊一
121
○
政府委員
(
鈴木俊一
君) この参考資料の十三というところに
地方
公務員
の研修
制度
調というのがございますが、これによりますと現在研修所を設けておりまするものが十九でございます。研修
規定
のあるのが二十一、研修会或いは講習会の開催の計画等もみなことにございますが、同時にその右のほうに主管課係名どいうのがごございます。これを読みますと大体今申上げましたように人事課とか職員課というのが管理いたしております。この
法案
の建前といたしましては今申上げましたように、教員とか、
警察
とか、消防とかいうようなところにつきましてはそれぞれ任命権者が第一次的に研修をする。この研修は何もこういう研修所を設けて一々やるという
意味
にのみ解する必要はなく、それぞれ初めて
警察
に入
つた
、或いは初めて消防に入
つた
という人につきましてはそれぞれのところで第一次的な教育もいたしましようし、経済部なり農林部の職員になればそこで又事実上の教育があるわけであります。その外に
一般
的に例えば
地方自治
とはどういうことであるかというような仕組の問題とか、そういうようなこと全体を
府県
行政
なら
府県
行政
についての研修をこういう
一般
的な研修所でや
つて
いるわけでありますが、これをこの
法案
といたしましては例えば
條例
によ
つて
それを人事
委員会
に所管せしめるということも可能でございますし、現在
一般
的にこういうような研修所を持
つて
おりますところでは恐らく大きなそういうような形になるであろうと思います。これは第
八條
の第一項の第十一号に「前各号に掲げるものを除く外、
法律
又は
條例
に基きその権限に属せしめられた
事務
」というのがございまして、当然に人事
委員会
がそういうものを主管せしめることができる建前にな
つて
おります。
相馬助治
122
○相馬助治君 どうも私の質問と
政府委員
の答弁がピタリと合わないのですが、これは聞き方が下手なのかちよつと分りませんが、私が問題にしておりますのは教育は教育
委員会
において研修をする、
警察
は
警察
の面において研修をなされている、こういう自体を私も認めておるのです。ところが
地方
の自治の現在の姿を見まするというと、それぞれ
公務員
が專門的にな
つて
いるわけなんです。即ち教育
委員会
の
事務
局に入
つた
者はそのことばかりや
つて
、他の
一般
の
行政
のことは何も知らない。又知り得る機会もない。又知り得るであろうところの研修の機会もない。従
つて
これの人事交流というようなものも行われない。そういうようなことのために前途ある人が
最初
くぐ
つた
門によ
つて
、運のいい者は定員の上役の者がやめて昇進する、運が惡いと上の人がいつまでも頑張
つて
いて、百年一日のごとくどうにもならぬ。こういう問題があるために、人事
委員会
というものはこれを機会といたしまして総括的に県の職員の人事交流等をも勘案した基本的訓練を
意味
する研修をこういう
委員会
が当然行うべきだ。こういう私は一つの見解を持
つて
そういう
意味
合の研修はどこで行われるのだと先ず聞いているのです。それが人事
委員会
において行われるのだというのならば、人事
委員会
のどこでそれをやるのだ、こう言
つて
いるのです。それを
鈴木政府委員
の
説明
では職員課においてやるというふうな
意味
の
お話
でありますが、それならばこればかりの三十人くらいの職員でそういうことができるのか、これを尋ねているのです。
鈴木俊一
123
○
政府委員
(
鈴木俊一
君) この二十人の案の中には、
お話
のようなものは含んでおりません。そういうようなこと々特に人事
委員会
の権限として人事
委員会
に所管せしめるということでありますからば、現在すでにそれらの定員というようなものがあるわけですから、それの配置転換というような定数の変更をして人事
委員会
がそういうことを所管するというふうに解釈することは勿論できるわけです。
相馬助治
124
○相馬助治君 話は誠に至極御尤でその
通り
たんですが、現実はそうは行かない。私の言うているように
警察
は
警察
官のための研修機関を設け、その所要の職員を持
つて
おります。それに人里
委員会
ができたときには
一般
的なことをやるためにそこに職員を選り得るか。送り得ない。何故ならば
警察
は
警察
独自の研修をやはり依然必要とするものなんです。そうな
つて
来るというと、この案にあるところの費用が沢山かかる、こう突込表れることが、苦しさの余りチヨボチヨボとした人数を以てこれだけでやれるのだ、こういう案を我々に見せたことか杜撰だと私はこう申しておるのです。杜撰だとはお考えにならんですか。
鈴木俊一
125
○
政府委員
(
鈴木俊一
君) 先ほどから私が口を極めて申上げましたように、
警察
なり消防なり、それぞれの任命権者に基きますそういう專門的な研修は、人事
委員会
がまとめてやりますよりも、これは却
つて
そういうところでや
つた
ほうが能率が上るのであります。この
法案
の建前は任命権者か研修をするということを第一に優先的に考えておるわけです。あなたの仰せになりまする人事交流という問題は、研修のみによ
つて
これは達成し得るわけではかいわけでありまして、この交流という計画は、この人事
委員会
としては、人事
行政
に関する総合的な企画をやるということを
八條
にちやんと謳
つて
おります。そういう企画の問題として、あらゆる方法を以てこれを考えて行かなければならんので、研修もお説のことく交流に若干の
関係
は持つと思いますが、それとこれとは面接的な
関係
は私はないと思います。で今の全般的な、要するに自治全体については、例えば基礎的な研修をやる。こういうようなことは成るほどお説のごとくでございまして、そういうようなものをやるとすればどこかよろしいかということにな
つて
来るわけであります。これは例えば
府県
で申しますと、総務部の例えば
地方
課というようなところが所管としてやるのが適当である。こういう論もございましようし、或いは人事
委員会
にこれを移して、人事
委員会
がやるほうがよろしいという論もございましよう。併しそれは
府県
のそれぞれの
條例
で、どちらに所属せしめるかということを考えたらいい。こういうふうに私は考えております。
相馬助治
126
○相馬助治君 私は、先ほどから口を極めて申しておりまするように、
條例
で、一体その県の独自性によ
つて
どこがやるのがよろしいと、そういう考え方ならば、何も
自治庁
でこういうものを出す必要がない。むしろ今の
地方自治
の姿というものは、新たなるこういう
法案
ができるというと、一体如何に作
つた
らよろしいのでございますかと、あなた方のところに聞きに来るに決ま
つて
おる。だから私はそういう研修というようなものも、
地方
公務員
に対する
一般
的、基本的訓練をするためには、先ず人事
委員会
が面接に研修させる機関を持つべきである。こういう建前をと
つて
先ほどから伺
つて
おるのでありまして、そうすると最終的に
鈴木政府委員
の
説明
を要約して見れば、こういうことですか。人事
委員会
というものが研修を直接にやるかやらないかということは、
府県
の独自性によるということが第一点。で、仮に人事
委員会
が研修の面を扱うにしても、それはデスク・プランで、こういうことをや
つた
らよかろう、ああいうことをや
つた
らよかろうというだけであ
つて
、それ以上の何物もない。こんな
意味
を持つ極くこれはつまらんものである。こういうふうに了解してよろしいですか。
鈴木俊一
127
○
政府委員
(
鈴木俊一
君) 私はつまらんものとは考えてはおりませんが、國の人事
委員会
を御覧になりましても、人事院自身か、國家
公務員
全体の研修をやるということは、これは不可能であります。
地方
でもやはり、
都道府県
に六千人もの職員がおりまして、
警察
も消防も、或いは現在は教員も
府県
の所管にな
つて
おる。こういうような状態において一つの人事
委員会
が、その全体の研修をやるということは、これは不可能であります。そういう
意味
で、現在すでにできておりまする、例えば自治講習所というような式のものは(いわばこれは
地方
事務所
とか、総務部の大体本来の
地方自治
法の運営に当る者、
地方
税法の運営に当るというような者を対象にしておるのであ
つて
、経済部の職員でありますとか、教育
委員会
の職員であるとか、
警察
とか、消防というような職員までの研修も、すべて引受けてや
つて
おるところはどこもないのであります。又人事
委員会
は何が專門であるか上申せば、人事
行政
の運営ということが專門であ
つて
、
地方自治
の運営自体についての專門家が多いということは私は言えないと思う、そういう
意味
です。併しこれはそれぞれの運用の問題でありまするから、人事
委員会
にそういう
一般
的な自治についての研修を皆やらせるのだということを計画せられ、それでやるということは別に否定をする必要もないし、そのほうがいいというならそれでもいいのであります。それを一律にそういう方式で人事
委員会
にすべて、全
地方
公務員
の教育をやれということは、そういうことは初めから出発いたしまするのに何と申しましても適当でないと思うのであります。そういうことを
法律
の上で
規定
をしていないというだけであります。
八條
八号には、職員の研修に関する総合的企画を行うこと、というのを、人里
委員会
の一つの職責といたしております。そういう要するに計画機関、企画機関ということの性格を強く出しておるのでありまして、任命権者がそれぞれ行うことを第一次に考えているというわけであります。
相馬助治
128
○相馬助治君 今問題にな
つて
おりまする
地方公務員法案
の條文についての意見の食い違いではないので、私はその
法律
のことを聞いておるのじやないのです。この
法律案
が
法律
とな
つて
施行
されます場合には、直ちに人事
委員会
というものを
地方
公務員
は持たなくちやならない。その場合に、現実の
地方自治
の状態では恐らく
地方自治庁
に、どういう規模でどんな
仕事
をや
つた
らよかろう、こういうふうに聞いて来るであろう。そのときに
地方自治庁
の
公務員
課が発表したところの、これがモデルであるというのでは、これではあまりにもちやちである。そうして、どうも私人が惡いようでありまするが、推測いたしまするに、昨日こういうものを示せという私の質問に対しまして、昨夜徹夜して頑張られて作
つて
、こういう資料を持
つて
来て我々に見せたのではないかとも思えるので、甚だ侮辱するようなことで恐縮でありまするが、こういうものであるならば決めて置かないほうがよろしいと、私こういう建前をと
つて
いるので、これはやはり思考する必要もなく、
地方自治庁
といたしましては、現段階においては最終的な理想案であり、完成案でありますか。
鈴木俊一
129
○
政府委員
(
鈴木俊一
君) 先刻来の相馬委員の御
説明
は私も傾聴いたしておりまするので、これを最終案というふうに気くば
つて
私共決して考えておりません。お説の点は十分酌み入れまして、
実施
までの段階には当
國会
における御
審議
を十分拝聴いたしまして、更にその上で考えて行きたいと思うのであります。
相馬助治
130
○相馬助治君 非常に物分りいい御返答で敬意を表します。それで問題は、こういう人事
委員会
がどうできるかが私共
地方
公務員
法の
審議
に当
つて
重要なので、この
法律案
が
通り
ましたらゆるゆる考えるのでなくて、この
法律案
がこの参議院において
審議
されておりまする温和において、是非とも討論採決という前にもう一度、どういうふうにお考え直しにな
つた
かということを尋ねますので、みつしり一つ御研究置きを願いたいと思います。
小笠原二三男
131
○小笠原二三男君 私昨日午後ちよつと席を外しておりましたので、重複する場合があるかと思い示すが、概括的な質問を二つぐらいしたいと思います。岡野大臣は再三再四私たちの質問に御答弁される中に、近代的な
公務員
制度
に関するこの
法案
は、進歩的なものであるということを再三言
つて
おられるのでありまするので、念のため、どういう観点に立
つて
進歩的な
法案
であるとお考えにな
つて
おられるか、お聞きしたいと思います。
岡野清豪
132
○國務大臣(岡野清豪君) 小笠原委員の御質問にお答え申上げます。進歩的と申しますことは、近代人事
行政
を、民主的、能率的にやる。これが
趣旨
でございまして、それが今までなか
つた
、そうしてこれが出て来た。そうしてこの
法案
は少くとも近代世界各國における
公務員
法として、まあ模範的というべきものじやないかという感じを持
つて
言
つて
いる次第であります。
小笠原二三男
133
○小笠原二三男君 そういう観念的な御答弁ではなく、どこが近代的な
制度
かどうか、具体的に御指摘頂きたい。
岡野清豪
134
○國務大臣(岡野清豪君) 詳しくは逐條解義のときに御
説明
申上げますけれども、それは概括して
政府委員
から申上げることにいたします。
鈴木俊一
135
○
政府委員
(
鈴木俊一
君) 進歩的と申しますることは、要するにこの
法案
全体が現在の
地方
公務員
制度
に比較いたしまして、非常に進歩的ということが言えると思うのであります。御承知のように、これは
提案
理由でも大臣から申上げましたごとく、古い官吏の
制度
がすでに死滅しておるようなものまで引張り出して
適用
しておる状態でございまして、それに比較いたしますれば、これは遥かに進歩的でありまするのみならず、
一般
的に進歩的と言われております近代人事
行政
の
原則
を取入れております。そういう
意味
で進歩的と言えると思います。
小笠原二三男
136
○小笠原二三男君 現在の
制度
は古くさいものである。これが出ることによ
つて
進歩的な近代的な
制度
ができるということですが、
法案
を概観しますと、
公務員
自体の立場に立つと、
取締
る、拘束するという部面が多くて、保護するという部面は少いように思われる。而も福利、厚生或いは給與、こうしたようなものは抽象的な
原則
的な條文一、二だけ載
つて
お
つて
、細部に
亘つて
安心でき得るような水準的な、或いは義務付けるようなそういう
法律
規定
が極めて少い。現在であると、例えばこれは一つの例でありまするが、
地方
公務員
或いは
地方
公務員
である教職員等においては、給與の問題になりますと國家
公務員
の例によるということで、先ず先ず國家
公務員
的な水準の諸給與をして貰
つて
いるのでありまするが、この法によりますというと、一切
地方
の人事
委員会
、或いはその意見、勧告等に慕いて県の
條例
を以てこれを
措置
するということになれば、全國的には給與の上に凹凸が生ずるであろうということを心配される点があるのであります。而もこの財政的な裏付として國家がどれだけのことをや
つて
くれるのかということを私考えたいと思うのでありまするが、
地方
財政も國の財政も相関的な
関係
に立
つて
おる点で、先ほど来
地方
財政について各種の論議があ
つた
わけであります。而もですね、今のような状態においてさえも例えば地財委が要求しておる年末給與四十五億何がしというものは大蔵省の査定においては認めない。或いは教職員の過年度の年末給與七億二千七百万円も削除する。或いは又一月から三月までのベース・アツプに伴う増額分の半額九億を國で見ようとしておるものを削除した。或いは級別推定表の切替による費用四億一千九百万円というものもこれも地財委自体が認めない。こういうような状態にして置いて、而も
地方
の
公務員
が安心して保護を受け得るということは、非常に問題にされる点が多いであろうと私は思うのであります。従
つて
そういう部面においては進歩的であるかどうか、これは相当疑問としなくちやならん点と思いますが、國としては、例えば今一例に給與を挙げましたが、そういうアンバランスになるような部面についてどういう指導的な立場に立たれるのであるか、お伺いしたいと思います。又職階制の問題でありまするが、これもこの
法律
においてはた
つた
一條
を以て
規定
してお
つて
、そうして職階制の基本
原則
はすべて盛られていると広言しているのでありまするが、國家
公務員
法等から見ると、これは非常に
簡單
な
原則
的なことにな
つて
いるのじやないかと思われますし、又このことが多分近代的であると言われるでしようが、大体県、五大都市に職階制を
実施
するというようにできているようでありまして、その他のところは職階制を
実施
しない。ところが、人事
委員会
を置くところは、その他のところでも任意に行ける。そういう市等においては職階制をそういう近代的なものだというものを、そうならば逆にお聞きしますが、
実施
しないのか。こういうような点も私たちとして非常に疑問とするところであります。で、職階制は各般の論議のある
通り
非常に技術的にむずかしい。そういうを一気にそれは中央の人事委員が指導し、研修もさせて
地方
の、人事
委員会
を指導されるのでしようが、そういうものをどうしても
実施
しなければならんというその理由についてもお伺いしたい。この職階制については二つ、
実施
しなくちやならんという理由と、そんならば任意の人事
委員会
を置く都市において、なぜこれは
実施
させないかという部面についてお伺いします。
鈴木俊一
137
○
政府委員
(
鈴木俊一
君) 現在の
都道府県
の職員等に対しまして、例によるという表現で國家
公務員
の
原則
を引張
つて
おる行き方に対して却
つて
保障が少い。こういうようなことにつきまして先ず給與に関連してのお尋ねでありますが、給與に関しましては、この
法案
におきましては、考え方といたしましては國の
公務員
との間に権衡を失しないようにしなければならない。又他の
地方
団体の
公務員
との間に権衡を失しないようにしなければならんという
原則
を謳
つて
おります。その
意味
は給與の例によるという言葉につきましては、従来この
法律
上の解釈としても非常に問題がございまして、このために或る
地方
団体等におきましては裁判出件まで惹き起すというようなことにな
つて
おりまして、これを厳格に解釈いたしまするというと、國家
公務員
に給與を支給しておりまする方法に、如何なる形において違反いたしましてもすべて違法、こういうことになるのであります。或る
地方
の検察庁の見解によれば、そういうものはすべて涜職になるのだ。こういうようなことが曽てあ
つた
わけでございまして、そういうようなことになりまするというと、これはどうも適当でないのみならず、
地方自治
の本旨から申しましても、自己の所属職員の給與を勝手に決められない。自主的に決められないということ目体につきましては、やはり自治の建前から言
つて
非常に問題があると思います。ただその決める場合におきましては、國なり他の
地方
団体との間において十分権衡を図
つて
決めなければならんということを要求することは、これは自治の自主性も害しませんし、一面職員の利益の保護、保障ということも考ておるわけでございまして、両者の要求を調整いたしました考え方としては権衡を失してはならない。こういうことで
公務員
の利益を保護するような保障を與えて行きたい。こういうような考え方であります。
小笠原二三男
138
○小笠原二三男君 そうすると、この條文にあるように権衡を失してはいけないということを書いてさえあれば保障ができるような錯覚を起すのでありますか、そこで私は財政的な裏付が今でさえもこういう状況において、
地方
の自治、
地方
の財政の独立と、こういう立場に立
つて
その方面を國当体が強く主張する半面、
地方
の財政が非常に困
つた
状態になるという、そういう限られた
範囲
、限られた條件の中におる
地方
公務員
の場合、任命権者が如何ほど國家
公務員
並みにしたいと考えてお
つて
も、ない袖は振れないという状態になる点においては、私はこの
法律
を出す以上は、國が相当な財政的な裏付をする必要があるのじやないか、こういう意見をその裏には持
つて
お
つて
質問をしておる次第なのです。ここに権衡を失してはならないと書いてあれば、それは
地方
の団体を拘束するものであるかどうか、もう一度はつきりお伺いして置きたい。
鈴木俊一
139
○
政府委員
(
鈴木俊一
君) 財源の問題に至り袋するならば、これは現在の
制度
並びにこの
地方公務員法案
しの間におきましては、何ら実質的に変化はないわけでございまして、財源はこれはできるだけ潤沢にいたさたさればなりませんが、非常にそれが乏しい、いろいろな要求を満たし得ない、こういう場合におきましては、その財源を一体どれに当てるか。人件費に優先的に当てるか、或いは他の物件費等に当てるかということは、それぞれの長なり、
地方
議会なりが最終的に決定せられるわけでございまして、この
法律
の要求いたしておりまするところは、給與表といものが具体的に
條例
で定まるわけでありまするが、その決定する際においては権衡を失しないように考慮しなければならん、こういうことを
法律
上の要求といたしておるのであります。
小笠原二三男
140
○小笠原二三男君 それはよく
法律
に従来あ
つたの
ですが、理事者側のほうにと
つて
は都合がいいようにな
つて
おる。まあ極端に申しますと、ちやんと抜け道があるような
法律
が従来あ
つたの
であります。教職員
関係
たどの給與についても、但し
地方
でなになにによ
つて
はということで、しなくてもいいようにや
つて
お
つた
。而もこれはただしなければならない、考慮したぐちやならんということだけ言
つて
お
つて
考慮しない場合にはどうするという何らの
規定
もない。そうしますたらば、そういう望みだけを託してこの
法律
を出すということになるのじやないか。こういう点が我々としては非常に問題とされるところじやないかということを思うのであります。でこの点はその條章に行きましたら又質問いたしますが、そんならば
取締
るほうの
規定
はこの法公布後二ケ月というふうに短日月に早く
取締
つて
置いて、保護するほう、そういう部面については一年六ケ月、二年ぐらいかか
つて
もよろしいと、こういうふうにしておるのは、ただ單に技術的にそういう
期間
を置かなくちや次らんというような
意味
合の御
説明
に承わ
つて
おつ先のですが、そうであるとするならば、保護するほうと、裏付として拘束するほうも発動させるというふうに、一年六ケ月なら一年六ケ月、二年後なら二年後に全体的に
実施
するというふうな
法案
にするのが近代的な
公務員
制度
実施
に伴う
地方
公務員
の自覚を促すゆえんではないかと、こう考えるのですが、何故
取締
るはうは早くやり、守
つて
やるほうは、まあいい加減にというと語弊がありますけれども、逐次段階を追うてやるようにこの條章で決めたのか、その点の見解を承わりたい。
鈴木俊一
141
○
政府委員
(
鈴木俊一
君) この
法律
の
施行
を一時に二年くらい先にな
つて
や
つた
らどうかというような御意見でございまするが、これは目次をちよつと御覧頂きますると、決してその
取締
るものだけを先にや
つて
、その他は後にやるというのではないのであります。大体の
施行
の順序を目次の章のところで申上げますと、第一章総則、第二章人事機関、第三章の第一節通則、これは公布後二ケ月を経て
施行
をいたします。第二節、第三節の任用、職階制は
只今
も御意見がございましたように、非常にこれは準備研究を要する問題でございまするので、五大都市、
都道府県
は一年半後、その他の人事
委員会
を置く市に
適用
になりまするが、そういうところでは二年後、こういうことにしております。第四節の給與、勤務時間その他の勤務條件、これは公布後二ケ月を経て
施行
をいたします。今の給與のいろいろの問題は皆直ちに
施行
になる部類に入
つて
いるわけであります。それから第五説の分限及び懲戒、この分限懲戒に関しましては人事機関が働きますので、人事機関は
設置
完了いたしまするのが
都道府県
、五大市ではこの
法律
公布後六ケ月、その他の市では八ケ月ということに一応な
つて
おりまするから、そういう人事機関がすべて
設置
せられた後からこれは作
つて
行くという考え方で八ケ月後に
施行
する。それから第六節の服務、
取締
ると言われたのはこれかも知れませんが、この第六節、それから第七節研修及び勤務成績の評定、第八節福祉及び利益の保護、第一款厚生幅利
制度
、第二款
公務員
災害補償、これはいずれも公布後ニケ月後に
施行
いたします。それから第三款、第四款は今の人事
委員会
が働きまするので公布後八ケ月であります。第九節の職員団体、いわゆる交渉の問題などはこれも公布後ニケ月から
施行
になります。第四章の補則、これも公布後
施行
になります。第五章はそれぞれ
施行
にな
つて
いるところについては
罰則
が動いて来るわけであります。そういうことでありまして、決して
取締
るものだけを先に働かすというようなことは毛頭考えていないのであります。一体的に一時に
施行
せよと仰せになりましても、先ず中心
規定
である人事機関を作
つて
参りまして、その人事委員なり、
事務
局長の研修をし、準備、調査、研究をして行きませんとできませんので、どうしてもこれは國の場合も御承知の遡り段階的にな
つて
おりまして、その方式にこれはよらざるを得なくなります。
小笠原二三男
142
○小笠原二三男君
取締
るほうだけということが非常に厳格に御解釈になられたようですが、
一般
的に申上げておるのであ
つて
、私の申上げておることは案外妥当ではないかとさえ思われる点がある。例えば政治活動の自由
制限
なんというふうなのはこれはもう早くや
つて
、不利益
処分
の
審査
等は
委員会
ができなければこういうことは先ずない。或いは幅利厚生のほうの問題等は速かにやらなくちやならんと言
つて
おりますけれども、それが確かに公布後二ケ月だと言
つた
ところでできつこはないところなんです。又恩給或いは一時退職金のその
制度
等も非常に複雑な部面がある。おいそれとすぐはこれは片付かない問題である。そういう実質的に
公務員
が守られる部面が大かたこれは後廻しにされると、実際上そういうことを私は申上げておるのであります。而もそれならばニケ月後
実施
、或いは一年六ケ月後
実施
でもいいが、その
実施
にな
つた
とき或る一定の保護的な水準にまで義務付けられてな
つて
おらなければならないのではないかというと、そうじやない。財政と睨み合せて逐次やればいいというふうにな
つて
おりますから、その財政的に十分でない限りにおいては永久にこれは行届かない問題が起
つて
来るわけなんです。これらの点についても相当な義務拘束があ
つて
然るべきじやないかというのが私の意見なんであ
つて
、あまりこの意見を言
つて
おると、又見解の相違になりますからその條章に至
つた
ときに少しく詳しく申上げたいと思います。お茶も出ましたのでもう後は保留いたします。
相馬助治
143
○相馬助治君 本
法律案
が
制定
されますと他の教育
公務員
特例法、教育
委員会
法等と抵触する面がある。従
つて
でれに連関して特に明日の連合
委員会
に私は文部省の出席を要求します。
岡本愛祐
144
○
委員長
(
岡本愛祐
君) 文部大臣は要求してあります。
相馬助治
145
○相馬助治君 私がなぜこの速記にとどめてこういうものをものものしくやるかというならば、何を聞いても分らんから、こういうことを聞きますということを教えてやりますから、
委員長
、相馬はこういうことを要求しておるのだということ言うて下さい、そういう
意味
なんです。
小笠原二三男
146
○小笠原二三男君 それでは私もこの際お願いしで置きたいのですが、第三修の
一般
職、特別職或いは現業、非現業、公企業体の場合労働組合、
公務員
に関する單独立法、或いは特例法等の問題に関連して労働省の見解をお聞きしたいと思いますので、労働大臣並びに
政府委員
である賀來労政局長の出席を單独にこの
委員会
が開かれる際にお願いしたいと思います。
岡本愛祐
147
○
委員長
(
岡本愛祐
君) 承知いたしました。
相馬助治
148
○相馬助治君 さつきの要求
事項
ちよつと一部訂正。單独で
地方行政委員会
が開かれる場合に、天野文部大臣の出席を要求します。
岡本愛祐
149
○
委員長
(
岡本愛祐
君) 承知しました。外に議事進行その他について御意見ございませんか。明日の連合
委員会
の打合せ、そういうことにつきまして……。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
岡本愛祐
150
○
委員長
(
岡本愛祐
君) ございませんか。それではこれで散会いたします。 午後三時十三分散会 出席者は左の
通り
。
委員長
岡本 愛祐君 理事 堀 末治君 委員
高橋進太郎
君 安井 謙君 小笠原二三男君 相馬 助治君 中田 吉雄君
西郷吉之助
君 鈴木 直人君 岩木 哲夫君 石川 清一君
衆議院議員
川本 末治君 國務大臣 國 務 大 臣 岡野 清豪君
政府委員
地方自治庁
次長 鈴木 俊一君
衆議院
法制局
側 参 事 (第一
部長
) 三浦 義男君