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説明員(細田茂三郎君) 私
食糧庁の
業務第二部長でございますが、今日は
ちよつと長官が他の
委員会に出ておりまして、代
つて参
つたのでありますが、
只今御質問のありました点に対しまして、簡單にお答えを申上げたいと思います。御承知のように非常に
食糧の事情が緩和をして参りまして、これを数字的に申上げて見ますると、つい最近に終了をいたしました
昭和二十五米穀年度におきまする
食糧事情は、非常に緩和をしたということは、十一月一日に持越しました
政府の持越の
食糧の数字に端的に出ております。少しく数字に亘りますけれども申上げて見ますると、国内産
食糧の
政府手持、十一月一日の持越高の数字をその前年の持越高と比較して申上げて見ますると、トータルにおきまして国内産の十一月一日の本年の持越しが百六十七万トンという数字に相成
つております。それが前年同期におきましては、百二十六万九千トンということにな
つておりまして、丁度四十万トンばかりの
政府手持が国内産
食糧だけで殖えております。それから
輸入食糧のほうの手持は同日現在におきまして、大体本年度が八十九万トン、昨年度の十一月一日の手持が五十四万八千トンでありまして、
輸入食糧だけで三十四万二千トンというものが手持増にな
つています。そういたしまして、合計で
政府手持の総量は本年が二百五十六万トン、昨年が百八十一万七千トン、合計をいたしまして七十四万三千トンという数字が昨年に比べまして、
政府の手持増ということに相成
つています。そういう工合に曾
つてない
政府手持が本年の十一月一日から始まりまする二十六米穀年度といたしましてはあるわけでございまして、御承知のように一部には配給辞退というような現象が出ておるということからいたしまして、
相当に
政府の、
政府といいますか、日本の
食糧事情というものが好転して参
つておるということはこういうふうに数字的にも申上げられるのだと思
つております。そこで二十六年度
只今入
つておりますところの二十六米穀年度の
食糧事情の
見通しでございますが、大体におきましてこうい
つた相当緩和したという
食糧の基調そのものが変化をして非常に憂うべき状態になるということは勿論
考えられないのでありますけれども、ただ我々
事務当局として多少の推算をいたして見ますると、二、三の点におきまして若干その事情は変
つて来るのではないだろうかというふうに思われる点がございます。先ず第一に本年産米の供出の
関係でございまするが、数度の災害等の影響がございまして、先般供出割当の補正をいたしました結果、現在各府県が供出を幾らしなければならないかという
政府との間の約束に相成
つております見込高が約二千八百万石ということに相成
つております。この数字は二十四年産米につきましてはその実績が二千八百九十二万石、それから一昨年の二十三年産米につきましては三千五十五万一千石ということに相成
つておりまするので、最近三年間の様子を比べて見ますると、まあ一応現状では一番低い数字に相成
つておるということであります。従いまして内地産米の供給高というものは或る
程度本米穀年度におきましては減
つて来るのではないかというふうに予想されるのであります。それからもう
一つ、国内産の供給力との
関係でいもでございますが、御承知のように甘藷、馬鈴薯というものを当初四十万トンくらいは総合配給の
関係で
政府が操作をいたしたいというふうに計画をしてお
つたのでありまするが、御承知のような状態になりまして、いもの
関係の買入状況が極めて不振であります。従いましてこの
関係が恐らく非常に減
つて参るということになろうと思います。それからもう
一つ多少懸念をいたされますのが
輸入食糧の
関係でございます。
輸入食糧につきましては現在きま
つておりますることは、アメリカ
会計年度によりまして本年の六月から来年の七月末日に至ります間の購入計画というものが司令部の承認を得て決定をいたしております。それによりますると、このアメリカ
会計年度の本年六月から来年七月に至りまする一年間の日本の主要
食糧の
関係の輸入量というものは、三百四十万トンということに相成
つております。その三百四十万トンのうち百万トンはこれはいわゆるガリオアで頂戴をするものでありまして、あとの二百四十万トンがいわゆる
民間貿易コンマーシヤル・フアンドによ
つて輸入をいたすべき筋合のものにな
つておるのであります。その
輸入食糧の実施の模様でございますが、
ちよつと数字に亘りますけれども申上げて見ますると、少し調べが時期的にズレておりますけれども、日本の
会計年度の四——十月におきまする輸入の実績は約百四十万トンに相成
つております。それから十一月から明年の三月までにおきましてどのくらい入
つて来るかという見込を我々が事務的につけて見まするというと、約百三十万トン
程度のものは少くとも確実に入るであろう。若しここに非常な何か国際情勢が一変するというようなことでもありますれば、これはどうかわかりませんけれども、少くとも現状
程度でありまするならば百三十万トンくらいのものが更に十一月以降三月までに入るであろう。こういうふうに
考えますると、約二百八十万トン
程度のものが明年の三月までには日本に
輸入食糧が入
つて来るであろう、こういうふうに
考えられます。それは非常に固く見積りをいたしまして、大した……。大したということはありませんが、いわゆる現状でも普通の量が入るであろう、そういうふうな見込に相成
つております。併しこれではいわゆるアメリカ
会計年度におきまするところの三百四十万トン達成ということには遥かに遠いのでありますので、更にその他いろいろな方法を講じまして更に
輸入食糧を殖やしたいという努力を
政府はや
つております。そういうことでいろいろ
考えて見ますると、うまく参りますれば、三百二十万トン
程度のものは輸入を確保することができるのではないだろうか、こういうふうな期待を持
つて現在
政府は努力いたしております。そういう
関係でただ最近の国際情勢というようなものが我々にもよくわからないのでありますけれども、これが非常に日本にと
つてどういうことになるかということも大きな
一つの條件になるわけでございますが、併し現状におきましては今申上げたようなわけで、大体
輸入食糧も努力如何によりまして、大体
目的に近いものが来やしないかというふうに
考えられておりますが、そういうような本年度、二十六米穀年度の基調にな
つております。主な供給力の点を
考えて見まするというと、来年の十月末日に新年度へ持越しますところの
政府の持越量というものは、大体において今年の、先ほど申上げました数量を或る
程度減少するということになろうと思いますけれども、先ず先ず大体極くこれが窮迫の度を加えるということにはならないのではないかというふうに
考えております。ただ今申上げましたのは、この二十六米穀年度におきましても、従来通りの主要
食糧の
政府操作が行われるという前提でお話を申上げたのでありますが、皆様も御承知のように、来年に入りまして、主食の統制の方式をどうするかという問題につきましては、先般の予算の際にいろいろ論議が行われましたわけでありまして、一応来年産の麦につきましては、必ずしも従来通りの
政府供出、義務供出ということでないようにしたいというふうなラインで話が進められておりまするので、そういうことにな
つて参りますると、多少私が今申上げましたような点についても変化が出て来るのだと存じますけれども、少くとも輸入の
関係さえ非常な国際
関係によるところの変動さえなければ、
食糧の基調におきましては つまりトータルの数量的な問題としましては、そうひどくこれが困
つた状態にな
つて来るというようには
考えられないというふうに
考えられております。