○降旗
委員 先般国政調査の報告を提出いたしまして、それについて白井
委員から逐次この
委員会で報告のあ
つたことと思います。それについて特に私からお願いいたしたいと思いますことは、実は私
ども各地を視察いたしまして特に感ぜざるを得なか
つたことは、
郵便局舎が現在利用度においても、あるいは位置の点におきましても、非常に考慮すべき局舎が少くない、こう思
つたのでありまして、ことに昔の逓信省が
電気通信省と
郵政省の二つにわかれた、そういう
意味もありまするし、さらに最近にいたりましては、
電気通信省を公社にせよというような声も、私
どもの耳に入
つて来ている。こういう
意味から申しますると、この位置の点において、あるいは公衆の利用度の少い点において、現在の
郵便局舎を何とかもつと利用度の多い場所へ移転するというようなことも、
考えられる点が多いのであります。そこで
考えてみますると、
郵便局というものは、それ自体本来の仕事でありまする
郵便事業のほかに、為替だとか
貯金、これはもちろん
郵便事業として取扱
つておるものですが、為替だとか、
貯金だとか、あるいは年金、保險、この
取扱いの量というものは非常に多いものでありまして、従
つて銀行あるいは保險のそれにも匹敵すべき大きな仕事であると思います。ところが最近私
どもが地方を見て来ますと、各都市の本
通りには、これらの銀行や保險の支店が軒を並べて進出して来ているにかかわらず、
郵便局舎がこの本
通りからはずれて、裏
通りへ隠れて行くという
傾向が非常に多い。こういうことを見まして、これはひとつ何とか
考えなければならぬことじやないか。そこで全国二百近くの都市にある局舎は、今どういう地点でどういう利用度にあるか、そういうことをお調べにな
つて、相なるべくならばその不適格なものを、その都市の本
通りに進出せしむるということが、
郵便局舎をして大衆の利便に最もよく利用せしむることになる、こう
考えておるのであります。そこでこれはアメリカその他の国の情勢も一応調べる必至があるのでありまするが、
郵便局舎は必ずしも
郵便局舎だけでなくて、その中にはなお他のものを包含し得る。たとえて申しまするならば、これは
郵便局舎を、小さいものならば別でありまするが、大きな建物に建てた場合には、その一、二階を
郵便局舎に使
つても、三階以上のいろいろの用途に使わしむることかできるのでありまして、そういうためにはこの
郵便局舎の建設というものを、
郵政省の
歳入歳用だけでなしに、他の資本力を利用せしめ、合せ用いる方法を
考えて行くならば、各都市のメーン・ストリートにりつぱな建物をつくり、その建物を利用するところの
郵便局舎は、その都市の市民のために、今よりもよい
サービスを提供することができるのではないか、かように思いまして、
郵便局舎を各都市の本
通りに進出せしめるということと、その
郵便局舎はひとり
郵政省の
資金にのみまたずして、他に用うべき
資金を合流せしめて、りつぱな大きな局舎をつくる、こういうようなことについて一応
考えてみたい、こういうことを痛感したのであります。そこでできるならば、この際郵政
委員会の中に、小
委員会でもよろしいのでありますが、そういう
委員会をつくりまして、全国都市の中にあるところの
郵便局舎が、どういう状態にあるか、これを改造すべき状態にあるか、移転すべき状態にあるか、それらのことをよく調べまして、でき得べくんばこれらの資料を原料といさしまして、全国都市におけるところの
郵便局舎を、ことごとくその都市の本
通りへ進出せしめる、こういう計画を今から立案するような手順を、この郵政
委員会でとりはから
つていただきたい、かように思います。先ほど申し上げましたように、電通並びに郵政の両省の成立によりまして、各局にもいろいろの事態が起
つておりますから、まず郵政
委員会におきましては、ただいま私が申し上げましたような線に
沿つて、一応の計画を御立案されて行くことが、今後の
郵政事業遂行の上から好ましいものである、かように思うので、白井
委員の報告につけ加えまして、特に希望しておく次第であります。