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1950-12-06 第9回国会 衆議院 文部委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十二月六日(水曜日)     午後二時十四分開議  出席委員    委員長 長野 長廣君    理事 岡延右エ門君 理事 小林 信一君    理事 松本 七郎君       柏原 義則君    小西 英雄君       坂田 道太君    佐藤 重遠君       圓谷 光衞君    山本 久雄君       高木  章君    北川 定務君       平島 良一君    若林 義孝君       渡部 義通君    浦口 鉄男君  出席国務大臣         国 務 大 臣 岡野 清豪君  出席政府委員         大蔵事務官         (主計局次長) 東條 猛猪君         文部政務次官  水谷  昇君         文部事務官         (初等中等教育         局長)     辻田  力君  委員外出席者         文部事務官         (初等中等教育         局庶務課長)  内藤譽三郎君        專  門  員 横田重左衞門君         專  門  員 石井  勗君     ――――――――――――― 十二月五日  委員圓谷光衞辞任につき、その補欠として小  西英雄君が議長指名委員に選任された。 同月六日  委員小西英雄君、川野芳滿君、周東英雄君、飛  嶋繁君及び根本龍太郎辞任につき、その補欠  として圓谷光衞君、佐藤重遠君、山本久雄君、  北川定務君、及び田渕光一君が議長指名で委  員に選任された。 同日  委員小玉治行辞任につき、その補欠として小  西英雄君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 十二月五日  教育公務員結核療養期間延長に関する陳情書  (第二二七号)  上野東照宮保存に関する陳情書  (第二四五号)  教育公務員結核療養期間延長に関する陳情書  (第二六四号)  六・三制校舍建築整備費に対する国庫補助継続  の陳情書(  第二六八号)  平和促進に関する陳情書  (第二九七号)  定時制教育課程等に関する陳情書  (第三〇九  号)  教職員給與ース改訂等に伴う予算措置に関  する陳情書  (第三二四号)  視覚教育促進に関する陳情書  (第三二七号)  義務教育費全額国庫負担に関する陳情書  (第三二八号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  国立学校設置法等の一部を改正する法律案(内  藤友明君外三十六名提出衆法第四号)  文部省所管予算に関する説明聽取に関する件     ―――――――――――――
  2. 長野長廣

    長野委員長 これより会議を開きます。  文部省所管予算に関する説明を聽取いたします。大蔵省主計局次長東條君。
  3. 東條猛猪

    東條政府委員 ただいま議題となつておりまする文部省所管予算の問題につきまして、御説明を申し上げます。  御承知通りに、昭和二十六年度の予算につきましては、まだ最終的な決定を見ない運びになつておりまして、ただいまこの席から明二十六年度につきまして御説明を申し上げますることは、差控えさせていただきたいと存じます。従つて多く御承知のところを再三申し上げることになるかと存じまするが、昭和二十五年度の補正予算の問題につきまして、一応御説明を申し上げまして、言葉の足りないところ、その他につきまして、御質疑をいただきますれば幸いかと存じます。  補正予算文部省所管で、大きな項目と考えられますることは、何と申しましても年末手当支給に必要な経費ないし給与改善に必要な経費、またこれらに伴いまして、共済組合負担金増加、こういうことが金額的に見まして相当大きな要素になつております。すでに私から申し上げるまでもなく、いろいろの経緯はございましたが、年末手当につきましては、給与の半箇月分を支給いたすということで、積算がいたされておる次第でございます。給与改善につきましても、政府職員全体といたしまして、平均一人当り千円ということで予算積算がいたされておる次第でございます。それから共済組合負担金につきましては、大きく申しまして、二つにわかれます。一つは国から共済組合交付をいたしまするところの割合の変更がその第一でございます。第二点といたしましては、今申し上げました給与改善に伴いまして給与單価が上りますので、自然それに伴いまして負担金増額をいたすということが、この共済組合負担金増加を見まする原因と相なつております。  次の重要事項といたしましては、これまたいろいろ国会の御要望を承つておりまするところの現職教員の再教育に必要な講習会研修旅費補助の問題でございます。これにつきましても、いろいろの御意見を拜聽いたしておりましたので、昭和二十五年度の補正予算におきましては、一億九千四百余万円を計上しております。なおこの経費金額的には最終的決定を見ておりませんけれども、昭和二十六年度におきましても、引続き計上をする予定と相なつております。  それからただいま申し上げました給与費不足の問題でありまするが、これは文部省のみならず国立大学方面におきましても、給与費不足が起ることは御承知通りでございます。  次は、学校病院経費の問題でございまするが、病院費増加に必要な経費といたしまして約一億五千九百余万円を補正費といたしまして計上しております。病院費増加の全体の金額といたしましては約二億三百万円余の金が必要なのでありまするが、文部省所管のほかの経費におきまして、四千三百万円程度経費節減がありまして、この病院費増加の一部財源として充当いたすという関係から、補正予算といたしましては一億五千九百余万円を計上いたしておる次第でございます。  なお、右に申し上げましたほかに、種々の項目がございまするが、それらを合せまして補正予算計上いたしました追加額合計額は十一億三千二百余万円に粗なつております。これらの追加額は一部の財源といたして、予算技術的に申しますると、修正減少額と呼んでおるのでありますが、経費のいろいろの節減を試みまして、その節減額予算計上いたしましたものが、約一千五百余万円に粗なつておりまして、差引いて純粋な、申さば補正予算におきまする純追加額といたしましては、十一億一千六百余万円を計上いたしておる次第でございます。その他申し落しましたが、文化財の災害復旧に必要な経費といたしましては、本年度の補正予算財源等を考慮いたしまして、約四千二百万円程度計上いたしておるのであります。  これが文部省所管予算計上を見ておりまするところの項目のうちのおもなる項目でございます。なお御質疑等でございますれば、お答え申し上げたいと思います。
  4. 長野長廣

    長野委員長 質疑があればこれを許します。
  5. 小林信一

    小林(信)委員 今の御説明でわからないところをお伺いいたしますが、最初の年末給与、それから給与引上げ、これらは文部省直轄職員に対してのものと、もう一つ地方教職員に対するところの国庫補助というふうなものがあるのですが、それの区別、それらをお伺いしたいのです。
  6. 東條猛猪

    東條政府委員 地方教職員方々の年末手当なり、ないし給与ペース改訂に伴いまする財源の点でありまするが、これは地方財政全体の收支関係関係もございまして、政府といたしまして、今回の補正予算提出いたしまして御審議をいただきます場合に、いろいろの観点から検討いたしました問題でありますることは、御承知通りでございます。  まず給与ベース改訂による増加の問題でございまするが、これはひとり地方教職員方々のみならず、一般地方公務員方々にもまたがる全体の問題でありまするが、地方財政委員会大蔵省相談をいたしまして、この給与ベース改訂に必要な金額幾らぐらいに上るであろうかという計算をいたした次第でございます。地方財政委員会見解で参りますると、二十六年一月ないし三月にベース改訂によります必要な金は約四十三億円ということを申しておられるのであります。大蔵省の方で計算をいたしてみますると、その金額が三十九億四千二百万円に相なる次第でございます。両者の違いは、結局人員におきましては相違はございませんが、單価関係をどう見るかという点に相なつて参つておるわけであります。大蔵省の方の考え方は、昭和二十五年度当初予算成立をいたしました場合に、御承知通り平衡交付金一千五十億円というものが決定に相なつておるのでございますが、その後、当初予算成立後、新たな事態に伴う財政需要一つといたしまして、この給与ース改訂に必要な財源計算いたします場合には、国家の場合におきましても、御承知通りに、一人平均月千円ということで計算をいたして、予算財政需要額をはじいておりますので、地方の場合においても、いろいろ現給がどうなつおるとかいう関係は一応別にいたしまして、一人当り手取り月千円ということで、新たな財政需要額計算いたしてあります。もとより地方自治団体財政の実情から、それ以上の給与改訂が許されるならば、それは当局といたしまして、決して意見を申し述べる筋ではございませんが、国庫から財源を付与いたす基礎といたしましては、国家公務員並の千円ということで財源計算をいたしたい、こういうのが大蔵省考え方であるのであります。  それから次に年末手当の問題でありますが、これは地方財政委員会の方と大蔵省の方とは、具体的な計数におきまして大した異同はございません。大体四十五億二千万円ないし四十四億六千万円ということにつきましては、ほぼ両者見解が一致したのでございますが、これを二十五年度の当初予算を、新たな財政需要であるということで獲得いたしまして、特にこの際財源措置をいたすかどうかという点に、両者見解が異なつておる次第でございます。地方財政委員会の方では、年末、手当を出すことであるから、やはり財政需要としている金はいるのだという見解をとつておられるのに対しまして、大蔵省の方といたしましては、昨年末におきましても、地方公務員全体といたしましては半月以上の年末手当が実際支給されておるのであります。昭和二十五年度の当初予算成立いたしまする場合に、当初予算地方財政全体の收支関係がどうなるかという推定をいたしまする基礎材料は、昭和二十四年度の最終予算ないし推定いたしました最終予算というものが基礎なつておりまするので、昨年もあつた半月分の年末手当——地方におきましては、年月以上も出しておる事例もあるのでありますが、それを今年も出すからといつて、新たな財政需要ではあるまい。特に国からそれに財源を付与するにも当るまいというのが、大蔵省側見解と相なつておる次第でございます。従いまして、地方教育公務員方々につきましても、今申し上げました通り給与ース改訂につきましての財源、年末手当支給に必要な財源、あるいはその金額計算もございまするし、また大蔵省見解といたしましては、今回の三十五億円の平衡交付金計算をいたしまするにあたりまして、それらの財政需要は織込済みの上のことであるという見解をとつておる次第でございます。
  7. 小林信一

    小林(信)委員 そうすると、大蔵省見解とすれば、三十五億の中に入つてはいるけれども、幾ら幾らその中から教員の年末手当を出すべきである、あるいは給与引上げに使うべきであるということは、数字的にははつきりしない、こういうわけですね。
  8. 東條猛猪

    東條政府委員 御承知通りに、地方平衡交付金というものは、全体の地方財政財政需要財政收入とをしぼり上げまして、その差額を交付いたしますのが、平衡交付金の算出の基礎に相なつております。従いまして、平衡交付金と申しますのは、いわばそのしりであります。ただこの平衡交付金の実際の配分にあたりまする場合におきましては——承知通りに、現在の地方平衡交付金でいろいろ規定がでございますが、その配分にあたりましては、各般の事情を考慮の上で決定いたすのが、適当ではなかろうかというふうに、政府といたしましては期待いたしておる次第でございます。
  9. 小林信一

    小林(信)委員 そういうことは、前々から承つておるのですが、それでは、はたして教員という特別な立場に置かれておる人たちに、地方において、年末手当あるいは給与引上げというものが、政府の声明しておるように一般公務員と同じようなものが支給されるかどうかということを、われわれは非常に心配しておるのです。お説を伺いますと、地方財政を考慮して、そしてそれが含み得られるという点で三十五億が計上されておる、こうおつしやるのですが、それではわれわれは非常に不安なんです。納得できないのですが、もうこれ以上お伺いしても大蔵省として答弁が不可能と思いますが、大蔵省はもう出るんだ、こういうふうな御見解で、まことに私たちはどうしていいかわからない状態なんです。  それから昨日岡野国務大臣が、三十五億にさらに五億閣議で追加するというようなことを言われたのですが、あの五億は、うわさに聞くと、級別推定表というのが文部省から各地方交付された、その裏づけとして四億九千万円必要であるが、これが財源がなくて、文部省としても、地方としても、困つておるということを聞いたのですが、その五億というものはこれに該当するものかどうか、大蔵省はお知りだと思いますが、お伺いしたいと思います。
  10. 東條猛猪

    東條政府委員 まことに恐縮でありまするが、すでに補正予算計上いたしておりまするところの三十五億に、平衡交付金といたしましてさらに五億円を追加計上いたすという話は、私承知いたしておりません。その五億の追加計上の必要があるかどうか、これまたいろいろ見解がわかれる点があると思いますが、ただいま私たち承知いたしておりますることは、すでに衆議院で議決を経ました補正予算平衡交付金の三十五億というものを、今回の昭和二十五年度補正予算に関しまする限りは、さらに五億円追加計上いたすという話は、私承知いたしておりません。もつとも私お見かけ通りの、いわば下つぱの政府委員でございまして、閣議その他でどういうお話合いが行われましたか、十二分に心得ておらない場合もございまするので、その点あるいは間違つたことを申し上げる結果に相なりますると、この点は前もつておわび申し上げておきまするけれども、ただいまのところは、承知いたしておりません。
  11. 小林信一

    小林(信)委員 まことに申訳ありませんでした。しかしこの級別推定表の問題は、大蔵省においても検討されておるかどうか、おわかりだと思いますが、その点をお伺いします。
  12. 東條猛猪

    東條政府委員 級別推定表の問題は、私たちは、こういうふうにこの問題の事柄を理解いたしておるのでございます。国の教職員方々につきまして、人事院事務総長から、一定の目安、基準をつくりまして、こういう基準級別定数をきめてよろしい、こういう通牒が出ております。法令の趣旨に従いますると、地方教職員につきましても、その例に準ずるということに相なつて参る次第でありまするので、それに必要な新たな財源が、地方財政に必要な財政需要なつて参るのではないかという点が、いわば大蔵省の面接の関係になりまする点ではなかろうか、かように存ずる次第でございます。人事院事務総長通牒では、国の場合におきましては既定予算範囲内でやれということが、実は一つ條件といたしまして、はつきりうたわれておるのでございます。地方の場合におきまして、はたしてその五億円近い金が、予算の実際の需要として正しい計数であるかどうかということは、私ども実は多少疑問を持つておる次第であります。と申しますのは、申し上げますまでもなく、非常に多数の自治体がありまするが、あの計算基礎は、岡山県かどこか、ごく少数の県の例をとりまして、それでもつて、実は全体にその推定をいたしておりまして、あの数字がはたして適切なものであるかどうかということにつきましては、多少疑問もあります。もちろん、それではどの程度数字かという点につきましては、大蔵省自身ただいま資料を持ち合せておりませんので、その数字がどうかという疑問は存しまするが、こういう数字がより適当ではないかという数字は、持つておらないわけであります。しかし岡山県の例から全体の府県に及ぼしまして推定をいたしました数字が、全体の財政需要新規にふえる金額だ、こういうことになつておりまするが、非常にこまかいりくつを申し上げるようで恐縮でありますけれども、御承知通り平衡交付金配分の過去の実績におきまして、若干の地方団体におきましては、すでに渡しました平衡交付金を返してもらわなければならぬというような、いわば当該地方団体の独自の財政收入でもつて、全体の財政需要が全部まかない得まして、別に平衡交付金の必要はないということがわかつたというような自治体があるわけであります。そういうところでは、常識的に考えられまする正常な財政需要を越えまして、さらに若干の余裕があるというような若干の地方団体もありまするが、そういう府県なり市にお音まして、ただいまお尋ねの級別定数によつて、新たな財政需要がこれだけふえたのだといつたときに、純然たる新規財政需要として、それだけのものを加算して考えなければならぬかどうかという点は、再検討の余地がありはしないかと考えておる次第であります。かつまた国の場合におきましても、級別定数に伴いまする経費は、既定予算範囲内で支弁するということが、人事院一つ條件と申しまするか、前提と申しまするか、そういうふうにうたわれておる関係もございまするので、地方団体におきましても、既定予算で差繰り支弁をお願いいたしたいというような考え方を、実はただいまのところいたしておるわけであります。
  13. 小林信一

    小林(信)委員 今ちよつとお伺いした中に、地方財政が非常にゆたかで、剰余金があつて、これが国庫の方に還元されなければならぬ府県があるはずだというようなお話なんですが、私たち見解とすれば、地方財政におきましては、どこも相当困窮しておるというふうに考えておつたのです。大蔵省見解では、これに反した見方があるようなんですが、これらは全国的にどれくらいあるのか、どんな府県がそういう府県に該当するのか、できましたらお伺いしたいのです。
  14. 東條猛猪

    東條政府委員 申し上げようが惡くて、たいへん恐縮でございましたが、剰余金国庫に納付するのではありませんで、一旦平衡交付金地方に従来の配付税配分基準をもつて一応かりに交付いたしておるわけであります。ところが、最近の租税收入なり実際の收入を調べてみると、一応地方財政委員会で考えておられるところの平衡交付金配付基準をもつてすると、当初から交付しなくてもよかつたのだということがわかりましたので、すでに交付いたしておりますところの平衡交付金を一ぺん返していただく、そうしてそれを平衡交付金配付基準に従いまして、別の府県にさらにわける、こういう趣旨のことを申し上げました次第であります。
  15. 小林信一

    小林(信)委員 そういう府県をお伺いしたいのです。
  16. 東條猛猪

    東條政府委員 ここまで話が参るとは思いませんでしたので、具体的な府県については、あとで私から申し上げることにいたします。取調べの期間の御猶予をいただきたいと思います。
  17. 小林信一

    小林(信)委員 辻田さんにお伺いいたしますが、大蔵省の方の三十五億の内容に対しては、いろいろ一緒にお聞きしたと思いますが、この点について、文部省では納得できるのかどうか。最初からそれと同じような考えでおられたかどうかお伺いしたいのです。
  18. 辻田力

    辻田政府委員 文部省といたしましては、昭和二十五年度の地方財源追加増額の問題につきまして、従来地方財政委員会並び大蔵省と緊密に連絡をとつて文部省として必要な額を要求しておつたのでございます。先般十一月二十五日、地方財政委員会委員長から意見書が出ておりますが、その意見によりますと、二十五年度におきましては、地方財政平衡交付金八十三億円の増加交付を必要とするというように出ております。この八十三億の増加交付意見に対しましては、その内容等を検討いたしまして、文部省としては、できれば国家財政の許す限り、こういうふうに実現してもらいたいと考えておる次第でございますので、このことにつきましては、大蔵省並びに地方財政委員会にも、それぞれ意見を申し上げておる次第であります。
  19. 小林信一

    小林(信)委員 私のお聞きするのは、そういうふうな工作をしておるかどうかということでなくて、大蔵省の今の見解はつきりしておられるのですから、これで文部省が考えておられる地方教職員に対する年末手当、あるいは給与引上げを、政府が声明された点で一般公務員並支給されるような形がとられるかどうかということをお伺いするわけなんです。
  20. 辻田力

    辻田政府委員 平衡交付金の性質からこれに積算の場合は、ただいま大蔵省の方から御説明がありましたように、各種の條件を考慮して積算されると思うのでありますが、これが三十五億の中に入つてしまつて地方に配付された場合には、一つ條件をいいますか、ひもがついていなければ、一般財源と同じように取扱われるおそれが多分にありますので、われわれとしましては、何らかの條件というか、ひもをつけて行きたいと思います。しかし現在の法制ではそういうふうになつておりませんので、やむを得ないと思つております。但し、三十五億円では、われわれの要求も十分に達せられないということを心配しておる次第であります。
  21. 小林信一

    小林(信)委員 そうすると、今まで緊密な連絡をとられたというようなお話もあつたのですが、決してこれは緊密な連絡ではないと思うのです。ともかく財政上から見れば、大蔵省見解からすれば、出るべきだというし、文部省の意向からすれば、これでは不安だという。こういう政府内部の相反する見解で、はたして妥当な平衡交付金であるかどうか、あるいは教職員に対する給与の面におきまして、妥当な政策であるかどうか、この点は重大な問題だと私は思うのです。この点大蔵省の御見解を再度承りたい、またさらに文部省としての御見解を承りたいと思います。このまま放置しておくことは、決して国民としてできないことだと思う。
  22. 東條猛猪

    東條政府委員 地方財政交付金金額の問題が、補正予算の編成にあたりまして、地方財政との関係、その他非常にむずかしい問題でありましたことは、もう御承知通りであります。従いまして、金額決定を見るに至りますまでの経緯におきましては、いろいろの考え方もありますし、いろいろの意見もあります。従いまして、ある立場から見ますれば、これでもつては不十分だという考え方がありますことは、当然だと思います。また別の見方からすれば、この程度金額があれば、何とかまかなつて行けるのではないかという考え方がありますことも、当然であろうと思います。この金額決定を見、国会予算案といたしまして提出いたして御審議をいただきますまでの過程におきましては、いろいろそういうような見解相違もあり得ると思いますが、一応予算といたしまして提出を見ました今日におきましては、この配分によりまして、地方公務員方々にも、一般公務員同様年末手当なり、ないし来年一月からの給与引上げが行われるように、適正なる配分が行われるであろうことを、期待しておるような次第であります。
  23. 長野長廣

    長野委員長 岡野国務大臣がお見えになりましたので、その方の関係の質問を先に願いたいと思います。
  24. 小林信一

    小林(信)委員 今大蔵省の方からお伺いしますと、大蔵省財政的な見地からすれば、三十五億で十分地方教職員の年末手当の問題あるいは給与ベース改訂の問題はできるという御見解なんですが、今文部省の方にお伺しいしますと、三十五億では必ずしも——教職員の半箇月分というごく微微たる年末給与ですが、これも心配でならない、給与引上げの問題も危ぶまれるというような御見解なんです。政府内部において、こういう二つの矛盾する見解をもつて三十五億が支出されておる。地方自治庁とのこの数字的な相談の間に、相当食い違いがあるようなことを大蔵省は言われておるのであります。大蔵省の主張が正しいと、先ほどお伺いしたのですが、地方自治庁としては、この問題をどういうふうにお考えになつておるか。ことに国務大臣であられる立場からして、政府部内で、一つの問題に対して食い違つた見解がある、これに対してどういうふうにお考えになつておられるか。政府当局として、また地方自治庁としての御見解を承りたい。
  25. 岡野清豪

    岡野国務大臣 もらう方から言いますれば、全額予算で認めてもらいたいことが希望でございますから、文部省のおつしやることにも、やはり一面の真理がございます。またこれを出します方からいたしますと、何とかこれでやつてもらわなければならない、だろうという、目安がつかなければぐあいが惡いということで、その感じの相違だろうと思いますが、これを調整いたしまする私の立場といたしましては、中央財政の方面におきましては、三十五億しか、いろいろの関係上どうしても出ないのだ、こういうことになります。なおまた地方財政委員会の方からいたしますと、八十三億なければいかぬというのに対して三十五億しか出ない、非常にこれは不満である。同時に、足りないということになりますけれども、しかし中央、地方を通じましてこれを勘案いたしますならば、中央財政としてどうしても出ないという情勢になれば、これを受入れて、教職員はむろんのこと、一般地方公務員に対して、ただいま仰せのごとき給与ベース引上げることと、また年末手当を出すということを何とかくふうして、ぜひそういう方向に実現したいと、今いろいろ案を練つておる次第でございます。
  26. 小林信一

    小林(信)委員 三者の御見解がそれぞれありまして、私たち早く意見の一致を見せていただきたいと思うのでありますが、要は、結局大蔵省としても、もうこの三十五億の中でこれこれは支給すべきであるという見解を持つておるのですから、三十五億の中で、教員の数と引上げるべき給与数字とをかけたものを求め、これはその方にさくべきである、これをこの際政府から出すことが私は最後の道であると思うのです。この予算だけを固持するならばそういうことが地方自治庁として協力していただけるかどうか、岡野国務大臣の御意思を承りたい。
  27. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。平衡交付金の性質といたしましては、これにひもをつけるわけには参りません。しかしながらわれわれ地方財政の現状、並びに地方公務員給与というものについては、この経済情勢のもとにおきましては非常に同情もし、またそうしなければならぬと考えておりますので、大蔵省で、いろいろ中央財政の都合上、三十五億しか出ないということになりますれば、これも一応ごもつともといたしまして、給与ベース並びに年末手当に対しましては、これがぜひ実現できるように、ほかの方面もいろいろくふうをいたしまして支給したいという考えで、今せつかく案を練つておる最中でございます。
  28. 小林信一

    小林(信)委員 問題は、くれるべきであるし、その金はこの中にある、この中の金でまかなえるという見解が、一番難関である大蔵省にあるのですから、ひもをつけるということが原則的にできないにしても、そういう措置は必ずとれるし、これを明白に政府としては声明できるはずなんです。今いろいろと工作をするというふうな、きわめて不安な言明をお伺いしたわけなんですが、非常にこれは遺憾なことで、結局は三十五億という平衡交付金の額の決定に私は問題があると思う。過般の地方行政委員会、あるいは予算委員会等においていろいろな紛議をかもしたということは、やはり当然起きるべき筋合いのものであつて、私たちここでも問題にしなければならぬ点であります。その点、私たちはどうしても皆さんの責任によつて果していただきたいと思うのであります。きのう国務大臣は本会議で、さらに五億を追加するように閣議決定したというふうにお伺いしたのですが、——私の聞き方が惡かつたかどうかしりませんが、私はこの五億は何にお使いになることが主目的であるか、それを先ほど大蔵省にお伺いしたのですが、大蔵省の方では知らない、こういうふうなお話つたのですが、国務大臣の御説明を承りたい。
  29. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。あれは俸給表の改正が出ましたものでございますから、そういたしますと、これは国家公務員の方でございますが、地方公務員国家公務員の例にならつてやれということになつておりますから、地方公務員としてもその例にならわなければならない。そういたしますと、四億九千百万円いることになるわけで、約五億に当ります。それを地方では、性質上やはり平衡交付金の形においていただかなければならぬという意味で、地方財政委員会政府を通じて意見書国会に出したことになつております。それは政府を通じて国会へ出したのでございまして、閣議でその平衡交付金を出すという決定をしたというようなことが——私は見ておりませんけれども、一部の新聞に出たということが、昨晩問題になりましたけれども、これは閣議平衡交付金を出すと決定したのではなくて、そういう意見書財政委員会から出ましたから、それを国会にすぐ提出しようという決定をした、こういうことでございます。
  30. 長野長廣

    長野委員長 若林君。
  31. 若林義孝

    ○若林委員 岡野国務大臣のお時間があると思いますので、国務大臣に対する質問を先にいたしたいと思います。  前回の地方行政委員会との連合審春の場合、大臣からきわめて朗らかな、また教育に関してきわめて熱意のあるお心持のあふれる御答弁があつたのであります。すなわち、先ほど来小林委員と大蔵当局との間の質疑応答の山に、三十五億の平衡交付金のことが問題になつております。過般連合審査の場合にお伺いいたしましたのは、この三十五億の算定の基礎の中には、二十四年度の年末手当七億二千七百万円、これは法律的根拠がないために入つていないことは明白だ、こういうことで、それでは七億二千七百万円は、国家地方公共団体に負うところの責務であると心得るのでありましてこの措置についてはどうせられるかということについては、適当な措置を講ずるということで、政務次官からもその御答弁があり、また大臣の御答弁にも明快にこれがあつたわけでありまして、私ども、いかにしてこの七億二千七百万円を地方に渡すかということについて、その御処置を承ることを鶴首して待つておるのであります。昨日来きわめて良好なる結果を生むお運びができていると伺つたのでありますが、その経過なり、お骨折りあずかりました結果について、御報告を願いたいと思うのであります。
  32. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。これは参議院の文部委員会でも問題になりまして、七億二千七百万円が三十五億の平衡交付金の中に含まれているかどうかということが問題になつたのでございますが、しかしこれはまつたく別のものでありまして、三十五億の中には入つていない、こう申し上げたのであります。そういたしますと、国が借りておる形になつておる七億二千七百万円を、なぜ国は払わないのか、こういう御質問でありました。これはいかにもごもつともな御質問でありまして、どうにかしなければならぬということを申し上げており、それをいつするかというお話でございましたが、何さま相手のあることでございますから、いろいろ工作はしつつありましたけれども、はつきりと御言明を申し上げるわけに参りませんでした。幸いにして昨日大蔵大臣によく——それまでも十分予備的の折衝はどんどんやつてつたのでございますけれども、結局大蔵省の腹がきまりませんでございましたから、これまで延び延びになつておつたのでありますが、昨日大蔵大臣に会いまして、七億二千七百万円の措置を決定したわけでございます。と申しますことは、地方で約十八億円ほど借りた金があるわけであります。その借りた金を返すのを、七億二千七百万円だけやめてもらつて、それから相殺するという形において、事実上地方に対して七億二千七百万円が支給された形になる、こういう結論に到達いたしたことを御報告申し上げます。
  33. 若林義孝

    ○若林委員 まことに明快な御処置、しかも早急にこの場合御報告を得ましたような結果を拜聽することができましたことを、われわれ文京関係委員として喜ぶものでございます。ぜひともその実現を期してやまぬ次第であります。  もしそういうふうになつたときのことを承つてみたいと思うのでありますが、これは地方自治庁地方との関係でありましで、この七億二千七百万円は、文部省が昨年の予算において財政の面において義務教育国庫負担法によつて地方に対して背負つておりますところの、手続の上においては文部省地方との債務関係であると思うのであります。その配分が負担法に従つて府県へ行われておるのでありますから、その措置は、ただいまのところの関係では、地方自治庁と各府県との関係であると思います。これが、先ほど申し上げました国庫負担法による債務の弁償になるようなことには、どういう手続をおとりになりましようか。これは地方自治庁大蔵省文部省と三者合体でお話合いがついておりますか、文部省地方自治庁大蔵省立場としての御見解を承りたい。
  34. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。これは文部大臣も加えて、大蔵大臣と私と最後に決定をしたわけであります。七億二千七百万円と申しますことは、過年度分の、あなたのおつしやるような意味において出すことになりますけれども、中央に財源がございませんから、今まで地方に貸しておつた金、すなわち中央が地方からとらなければならない金と相殺することになります。しかし七億二千七百万円というものは、ある特定の目的をもつて出されておつたものでございますから、それが埋め合せがつくように、地方財政委員会におきまして十分考慮しまして、七億二千七百万円が必要であるという御趣旨に沿うように分配したいと考えております。
  35. 若林義孝

    ○若林委員 文部省としては、それでいいのか、ひとつ文部省の御見解を承りたい。
  36. 水谷昇

    ○水谷政府委員 ただいま岡野さんから御説明がありました通りでありまして、この操作の問題は大蔵省の方と地財の方とでよく相談してやられることでありますから、文部省はそれで安心しております。
  37. 辻田力

    辻田政府委員 ただいま政務次官からお話がありましたので、おわかりいただいたことと思いますが、文部省におきましては、従来からこの問題につきまして資料を整えておりますので、大蔵、地財両方において、配分される場合にはその資料を重視していただきたいということを、ここにお願いしておく次第であります。
  38. 若林義孝

    ○若林委員 今この件に関しましては、地方自治庁岡野国務大臣からも、地方財政教育予算を中心としてお考えになり、地方財政に対する御関心のほどを伺うことができて安心をしたのでありますが、文化国家建設ということをやかましく言われておるときでありますから、この方面に格段のお力添えを希望する次第であります。なお文部省の辻由局長から、資料を重視していただきたいという希望があつたようでありますので、どうぞ十分この点御了承を願いたいと思うのでございます。私は大蔵省の主計局の次長さんに対しての質疑を留保いたしまして、岡野国務大臣に対する質疑はこれで打切りたいと思います。
  39. 水谷昇

    ○水谷政府委員 若林委員に、私の説明を補足しますが、大蔵省の方から地財の方に貸してある十八億円については、府県によつては借りてない府県もあるのでありますから、ただいま申しましたように、大蔵省と地財の事務当局で、操作についてはよく折衝していただきまして解決することにしますから、その点もつけ加えて御説明申し上げておきます。
  40. 松本七郎

    ○松本(七)委員 この機会に岡野国務大臣に、ただいまの問題に関連してお伺いしておきたいと思います。  先ほどから、補正予算の問題で、年末手当とか、給与改訂とかいうので、平衡交付金の問題をめぐつて小林委員大蔵省政府委員の間に質疑応答がかわされたのですが、そのお話を聞いておりますと、大蔵省側見解では、これを端的に申しますと、平衡交付金の制度そのものが、御承知のようにひもつきにできないということで、大蔵省の方では地方財政委員会に集まつて来た計算というものが、的確なものでないという見解を持つておられるようです。それならば大蔵省自体として、積極的にこれが正しいのだという計算があるかといえば、それもない。大体の腰だめの計算で、三十五億ぐらいあれば何とかやつて行けるだろうという見解のようなんです。はつきりした的確な計算ができているならば、数歯にこれこれのものは必ず出るということは言えるはずです。算定の基礎なつている以上は、これも平衡交付金計算に入れてあるから出せるはずだ。お話を聞いていると、結局相競合したものが、この中にみな含まつているような感じがして、これは出してみると、結局空手形のものがずいぶん出て来るのじやないかと思います。しかし大蔵省側見解は、計算の上ではそうなるが、おそらく何とか実際には出るだろうという期待が持たれているのではなかろうかと思います。ちようど米の生産高というものを計算の上から出してみると、全体の消費量はずいぶん不足するはずだ。しかし結局はもつと生産されているので、やみ米その他で何とか国民は食えるということと同じことで、出計算上は明らかに足りないのだ、地方財政委員会計算したところでは、八十二億から要求しておるのですから、それが三十五億ということになれば、明らかに足りないはずだ。それが何とかできるだろうというのは、先ほども、大蔵省政府委員お話にありましたように、県によつては、交付金を必要としないところが交付金をもらうような計算が出ておるところがあるやに聞いておるわけでありますから、結局これは地方でこの計算をする場合に、多少よけいもらえるような計算をしておるのではないかというようなことを期待して、大蔵省はそういうふうにずつと圧縮した計算を出しておるのではないかと思うのです。その計算の仕方について、大臣は、現在交付金をめぐつて、八十三億だ、三十五億だというので、相当もめましたが、この経過を経て、今後何らか計算基準というようなものについて改善される御計画がおありかどうか、その点をひとつ伺いたいと思います。
  41. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。御承知通りに、地方公共団体は、大きなところもございますけれども、ごく小さいところもございまして、その数が約一万数百あるわけでございまして、これをはつきりとつかみますことは、一、三年後に実績によつてつかめるということになつておりますから、ただいま財政委員会といたしまして、いろいろな財政計画を立てますのも、詳しい基準をつくりまして、その基準によつて推計を出して、そして結局その推計が平衡交付金八十三億なければやつて行けない、こういうようなことになつておる次第であります。しかしながら大体の推計と申しましても、ただ実際にきちんと個々別々の実情によつて出したわけじやございませんが、しかし過去の実績によりますれば、この財政委員会が推計いたすものが、大体において実績と一致して来ることになつておりますから、財政委員会が申し出ておりますところの八十三億というものは、これは大きなラウンド・ナンバーといたしましては、間違いのないところと思います。でございますから、今松本委員の仰せのごとく、八十三億いるのに対して三十五億しか出なかつた、それを何とかやつて行くというのには、どうしたらいいのだろうかという、こういう御質問であると思いますが、私どもといたしましては、こう考えております。なるほど八十三億全部出していただくに越したことはございませんが、中央財政立場から考えまして、どうしても予算がそういうふうに許されないということになりますれば、三十五億で一応いただいておきまして、それからあとはますます経費の節約のできるところを見つけてし、またただいまのところ税法がやつと先般通過したばかりでございまして、徴税に対して遺憾の点のあるところも多々ございますから、徴税に馬力をかけまして、十分歳入を確保し、そうしてまたそれでもうまく行きませんならば、不急の事業を一時繰延べるとか何とかいうようなことにして、この三十五億の平衡交付金によつてつて行きたい、それでその方法といたしまして、今現に各地方の実情と申しますか、情勢をよく検討いたしまして、できるだけ先ほど申しましたような、給与の点なんかに遺憾なからしめることに努力しておる次第であります。
  42. 渡部義通

    ○渡部委員 平衡交付金を算定する場合には、大体において費目が構想されていなければならぬと思う。同時に、その費目に対する一定の概算的な額が推定されておらなければ、事実上予算が組めないと思うのですが、そういうふうなことはなさらぬのでしようか。
  43. 岡野清豪

    岡野国務大臣 平衡交付金並びに財政委員会でつくりました規則によつて出しておるわけでございます。詳しいことは政府委員からひとつ説明申し上げます。
  44. 渡部義通

    ○渡部委員 それでは二十五年度の当初予算のうちで、すなわちその平衡交付金千五十億のうちで、今日まで文教費がどのような程度のパーセンテージになつているか、その点ははつきりしておりませんか。
  45. 岡野清豪

    岡野国務大臣 こまかい数字のことは、政府委員から御答弁申し上げます。
  46. 内藤譽三郎

    ○内藤説明員 平衡交付金法によりまして算定いたしました教育費の基準財政需要額は、御承知通り総額が地方税千九百八億の七割と、平衡交付金千五十億の九割が地方財政基準財政需要額によりまして、それが二千二百八十億になつております。そのうち教育費の分は、九百十六億と記憶いたしております。九百十六億のうち義務教育費が、小学校費、中学校費で七百二十六億、こういうふうになつております。ですから、この額までは各單位費目がございまして、單位費用によつて計算された府県市町村の額は千五十億の平衡交付金によつて保障されておる額であります。ですが、これは平衡交付金だけではございませんで、地方税の不足を補うものでございますから、そういうふうに御了解願います。
  47. 渡部義通

    ○渡部委員 そうしますと大体のパーセンテージとして……。
  48. 内藤譽三郎

    ○内藤説明員 約四〇%です。
  49. 渡部義通

    ○渡部委員 四〇%ですか。そうしますと、今度の三十五億のうち、七億二千七百万円というのは、三十五億の中に入つてないとしますと、大体それを差引きましても、文部省が要求しておる文教費には——具体的には年末の手当及びべース・アツプのための経費には、十九億ほどいるわけですが、そうすると三十五億のうち十六億だけしか余つていない。この十六億だけで教職員を除く他の地方公務員のベース・アツプ及び年末手当がまかなわれるということになるのかどうか、岡野国務相にお伺いいたします。
  50. 岡野清豪

    岡野国務大臣 先ほども申し上げましたように、八十三億なければやつて行けないところを、三十五億でがまんして行くのでございますが、しかしベース・アツプ並びに年末手当をぜひ出してやりたい、こういう考えからいろいろの方面で節約をしましたり、それから徴税で少しよけいにとりましたり、またやらなければならぬ仕事のうちでも、あまり急を要しないというようなものは一時繰延べまして、その予算額を引拔いて来るということでまかなつて行きたい、こう考えております。
  51. 渡部義通

    ○渡部委員 今までずつと御答弁を聞いておりますと、とにかくこういうふうにしたいというようなことだけであつて、事実上それができるかどうかということが、文部省にも、大蔵省にも、あなたの方にも、ほんとうの確信がどうも見えないので、これ以上その点を御質問しても、以上の答弁しか得られないと思いますけれども、このように教育費、文教費の予算というものが年々非常に困難な状態に置かれて、あとまわしにされる。今度の予算も非常に尨大な予算であつて、文教関係のささいなものが、その予算の中からくみとられないということはないはずだと思うのですが、これがくみとられないということは、文教費が軽視されて、他の面、たとえば軍需産業を増強するというような面が非常に強調される、またそれが中心的に予算が組まれているというようなところから、こういう結果が出て来るのだと思います。こういうことによつて日本の文教というものが、現実的に破壊されているのだというふうな点を、非常に困つたものだというふうにはお考えになりませんか。
  52. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。ごく率直に申し上げますれば、私はただいまの制度に幾分欠陥があるのじやないかと存じます。それは文部大臣とも意見が一致しておりまして、将来平衡交付金法なり、あるいは財政委員会の取扱います方法とか、もしくは財政委員会立場というものに、根本的に何とか考えなければならぬ、こういうような結論に私は到達しております。
  53. 渡部義通

    ○渡部委員 そういう点からいつて、これはかつての文部委員会でも、問題になつたことがありますけれども、年年の予算の何パーセントは必ず文教費にするというようなことをはつきりきめて、平衡交付金の場合にも、その他の場合にも、こういうパーセンテージだけは確保するということを、制度的に確認される方法をとつておくことが必要じやないか。こういうふうに文教関係というものがいつの場合にも瑣末的に取扱われる行政のもとで、それがぜひとも日本の文教を確立して行く上から必要じやないか、こういう意見があるわけなんですが、その点についてのあなたのお考えはどうですか。
  54. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。文部委員会の御意向といたしましては、しごくごもつともなことでございます同時に、私はお説の通りに、日本を平和国家、文化国家にして行くためには、教育というものが非常に大切であるということにつきましては、文部大臣とも意見が完全に一致しております。ただわれわれ全般的に見ております者から申しますと、やはり文教もむろん最大重視をしなければなりませんけれども、また一面、国家の治安を維持するためには、警察の方もある程度尊重しなければいかぬということもございますから、全般的にはほんとうに平和国家、文化国家を建設して行く、維持して行くためには、どういうふうにして行つたらいいかということに対して、いろいろ想を練つているわけでございます。その想を練つている中におきましてお説の通り文教費というものは十分尊重しなければならぬということを、私は考えておりますし、同時に、何とか制度並びに法律の組織を変更するようなことまで考えなければならぬのじやないか、こういうような私の考えでございます。
  55. 松本七郎

    ○松本(七)委員 ただいま渡部さんに対する御答弁として、根本的な制度に再検討を要するというお言葉があつたのですが、その点で一点だけ伺つておきたいと思います。平衡交付金制度でもつて、今ひもつきというものができないことになつておりますので、今、渡部さんの言われた、たとえば文教費を何パーセント確保するとかいうようなことになると、これは結局ひもつきの制度にするということになろうと思います。ところがこの平衡交付金の制度そのものからいえば、なるべく地方の自治を尊重しながら、地方財政を確立するという方向に今後向つて行くことが、目標にされておるのだろうと思います。そういう点から言うと、ひもつきということそのことが、地方の自治と矛盾する面が出て来るのじやないかと思います。そういう点を今後改められて行こうとされておるのかどうか。たとえば、現在の制度の趣旨を徹底して行くならば、地方財源が足りない限りは、そしてひもがつかない限りは、地方によつては、文教を非常に重んずる地方もあるし、また軽んずる地方も出て来るということになろうと思います。そういう点を、中央でひもをつけることによつて改めようとされるのか、そういう点についての根本的な研究を必要と認められるのかどうかをお伺いいたしたいと思います。
  56. 岡野清豪

    岡野国務大臣 お答え申し上げます。私はひもつきで平衡交付金を縛つて行くということは、少し考えざるを得ないと思います。ただお説の通りに、地方の自治を十分に尊重してやる、同時に片面において、文教というものは非常に尊重すべきものであるから、その文教費というものが自治権を侵害しないで、しかも十分にやつて行ける道を考えなければならぬのでございます。これをごく端的に申し上げますれば、文教を尊重して行くためには、ひとつ地方に特別の財源を与えるとか何とかいうようなことも、一例でございますが、考えなければならぬと思いますので、ただいま、ただ單に平衡交付金に義務教育費だけをひもつきにして、それで事足れりじやないという考えを私は持つております。
  57. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員 これは質問ではありませんで、議事進行に関してでありますが、先ほど共産党の渡部委員が軍事予算等に押されて年々教育費が圧縮され、そうして文教は破壊されんとしつつあると言つたのは、はなはだ現実と違う。何となれば、共産党といえども、国民に対してはこれは厳然たる数字を尊重しなければならぬ。すなわち文教予算は二十四年度において、国家予算の五%である、それから二十五年度すなわち現在実施しつつあるところの予算においては七%に当つておる。ところが二十六年度は——今までは教育費とはつきりしておつたものが、平衡交付金にまわつたりして、累年比較がちよつとむずかしいのでありますけれども、それらを適当に算定いたしますと、約一〇%に近づかんとしつつある。こういうように、渡部君の発言とは全然逆に文教を尊重しつつある。わが吉田内閣及び自由党及びこれに対しては渡部君の共産党を除く他の党派も、文部に関する限り、まつたく意見が一致して、その努功の結果、こういうふうになりつつある。それを、文教破壊せりなどとはとんでもない話である。だんだんと、一歩々々——これは歯がゆいあれではあるけれども、一歩一歩向上しつつあるということは厳然たる事実である。ですから、文教を破壊するということは、それは共産党が学園を破壊しつつあることは厳然たる事実であるけれども、予算の面に関する限り、ますます文教を尊重しつつあるという事実は認めざるを得ない。ですから、委員長、ああいうまつたくでたらめな発言に対しては、今後は適当に注意をしてもらいたい。
  58. 渡部義通

    ○渡部委員 一身上の弁明があります。この文教予算の率が下つておるというだけではなくて、現に問題は教職員の年末手当やペース・アツプさえ、ほとんど困難な状態にあるということが、現に日の前にあるじやないですか。この現実です他方では二百億の警察費をどんどん出しておる。警察予備隊というようなものは、軍事的な性格を帯びておる。こういう軍事的な性格を帯びておるものにどんどんと経費を使つてつて、そうして教育のこういう重大な問題には、パーセンテージが多少上つておつたにしても、現に払えない状態に置かれておる。こういう事態こそは、吉田内閣の、もしあなたが言われるならば、その政策から来ているのであつて、私の言うことは、パーセンテージが多少増加したということじやなくて、現にこういう状態に置かれておるときに、一方警察費には二百億を悠然と出しておるというようなやり方こそが、日本の教育を破壊し、日本の軍国主義化を進めているのだ、こういうことを私は言つていたわけです。従つてこの点については、私に誤解があるのではなく、私は科学者としてはつきり事実を言つておる。科学者は、真実と真理以外には絶対に言わないわけです。だから、岡君もこの点心配なく、科学者としての真実、真理のみを保証しているのだということをひとつ理解してもらいたい。
  59. 長野長廣

    長野委員長 ただいまの渡部君の御発言は、速記録を調査の上、委員長において適当に処理いたしたいと存じます。
  60. 渡部義通

    ○渡部委員 調査して処理するという意味は、どういう意味なんですか。ここに問題がある。私の言つたことは、私が現実に即して言つておるのであつて、しかも私は議員の責任を持つて一々発言しているのであつて、今の私の言つていることは、決して間違いがないと思う。事案に反していない。     〔私語する者あり〕
  61. 長野長廣

    長野委員長 私語を禁じます。
  62. 渡部義通

    ○渡部委員 そこで、私の言つていることはそういう意味で、しかも私が責任を持つてはつきり言うわけなんです。これに対して、これが政府なり、あなたなりの御意見に違つたところで、やむを得ないことです。また違うのは、政見や立場が違うのだから当然なので、それを一々速記録によつて処理されたのでは、私どもの主張していることが世間に伝わらない。
  63. 長野長廣

    長野委員長 ただいまの渡部委員の御弁明といいますか、せつかくのお言葉がありますから、お答えいたします。ただいまの御発言の中には、軍事予算というような言葉が私の耳に響きました。わが国に軍事予算はないはずであります。あなたのお説はよくわかりますが、しかし委員長としては、一応調査の必要がございますので、調査いたしまして、そうしてこれを処理する必要があるならば処理する。私の聞き違いその他そういう意味でない、心配する必要がないとするならば処理いたしません。しかし調査の上処理することは、私の当然なすべきことだと思います。
  64. 松本七郎

    ○松本(七)委員 ちよつと委員長にお願いしておきたいのです。ただいまの岡さんの発言から、問題が起きておるのですが、文部委員会は特に今まで非常になごやかに行つてつたのです。共産党の議員が出て来られてから、大分荒れ模様になつておるようですが、これは物事の考え方が違うのですから、私はやむを得ないと思うのです。たとえば今の軍事どうとかいう言葉にしても、これは物の考え方が根本的に違う。一番端的に申しますならば、たとえば自由と言つても、共産主義の場合は、すべて階級というものと結びついた自由しか考えられない。一方いわゆる西欧民主主義陣営においては、自分の自由が他から抑圧されないということに非常な価値を見出しておる。ところが共産主義の場合には、階級と結びつかない自由というものは考えられないというのですから、そういう意味であらゆるものの見方というものが違つて来るわけです。ある人が共産主義のどこが一番大きな欠陥かと聞いたのに対して、共産党はマルクス、レーニン主義を絶対に正しいものだと考えておることが一番欠陷だ、こういう指摘をした人があつたのですが、そういうふうに根本的に違うのですから、やはり国会に公の党として代表して出て来ておる以上は、少くとも委員会としては、なるべく意見を吐いてもらい、これを聞くという寛大な処置をとつてもらいたいと思う。(「現実に反しているのだ」と発言する者あり)それを現実といつても、言葉の表現によつて違うのですから、ただよけいなことを、取上げて、あまりとやかく言わないように願いたい。なるべく円満に議事の進行をしてもらうように、委員長に特にとりはからつてもらいたいと思う。
  65. 長野長廣

    長野委員長 ただいまの松本君の御希望に対して、お答えしておきます。まつたく御同感でございます。ただ、ただいま申し上げましたように、聞き取りました言葉は、この際非常に愼重に扱わなければならぬ語句がはさまつておることは、あなたも御承知と思います。そこで私は調査の上、よければそのままにする。しかしいろいろ関係するところもあるということを認めますならば、当然これは適当に処理いたしたいと思います。しかし処理をする場合には、発言者の渡部君とは一応私は打合せをして、御意見を聽取して決定をいたしたいと思つております。きわめて穏健にやつて行くつもりでありますから、どうぞせつかく御支援をお願いいたします。
  66. 若林義孝

    ○若林委員 質問を続行いたします。大蔵当局に対して質疑を試みたいと思いますが、過般主計局長に御出席を願いまして、災害復旧費についていろいろお骨折り願うことにいたしたのであります。また委員長からも主計局長に対して、安本と交渉を願うことを委員会の名において懇請されたようなかつこうになつておるのであります。その後七億四千万円という災害復旧費について、安本の関係者とどういうふうに御折衝願いましたでしようか、その点を承りたいと思います。
  67. 東條猛猪

    東條政府委員 先般主計局長がまかり出まして、御要望を承りましたたことは、私承知いたしております。ただ明年度の予算案、たとえば公共事業費を例にとつて申し上げますと、それらの数学に非常に話の詰まつたところもありますが、実はまだ詰まらないようなところもあります。全体の公共事業費の全額の配分の問題につきまして、先般来国会、特に文部委員会の意のあるところは、私どもといたしましても十分承知をいたしておりますが、それに基きまして今具体的にどういう成果をあげつつあるか、ないしはどういう具体的な話合いを進めておるかということにつきましては、今しばらく御猶予をお願い申し上げたい時期でありますから、御了承いただきたいと存じます。
  68. 若林義孝

    ○若林委員 この点、くどいようでありますけれども、実はドツジの査定で減らされました分の三億はしかたがないといたしましても、一般災害復旧費を文部予算の中からとるというようなことだと、十億が削減せられることになります。四十五億を非常に楽しみにしておつたのですが、この四十五億の中かから七億四千万円、それから三億と十億円以上が減ることになります。文部予算の根幹をなしておりますのは六・三でありまして、この六・三の中から四分の一以上が削減されるということになると、命をとられたような感じがいたしておりますので、過般主計局長にもお願いしたのでありますが、ぜひとも一般災害復旧費からこれをとつていただき得ますよう、御配慮を私からお願いしたいと思います。  それから幸いに大蔵省の御当局が御出席になつておりますから、元来問題になつております国立学校設置法の一部を改正する法律案のことに関連して、質問をさせていただきたいと思います。前回大蔵御当局の御出席がありませんでしたから、予算問題については、文部省の御見解だけだつたのであります。昭和二十六年度予算案では、商船学校の予算は大体どうなつておるのでありましようか、承りたいと思います。     〔委員長退席、岡(延)委員長代理着席〕
  69. 東條猛猪

    東條政府委員 普通商船学校につきましては、ただいま一応内定を見ております案におきましては、運輸省所管といたしまして計上いたされておると存じております。
  70. 若林義孝

    ○若林委員 定員は大体何人ぐらいになつておりますか。
  71. 東條猛猪

    東條政府委員 二十六年度の予算案に一応内定を見ております案におきましては、二百五十三人になつておるかと思うのであります。
  72. 若林義孝

    ○若林委員 在来の学校のそのままからいたしますと、二十人の減員となつておるのでありますが、その理由と、それから二百五十三人の定員で文部省は十分な教育ができると思つておられますか、文部省の御見解もあわせて承りたいと思います。
  73. 東條猛猪

    東條政府委員 二十五年度の予算につきましても、同様の方針をとつたのでございまするが、二十六年度の予算案の編成にあたりましても、極力人員の簡素化をはかるということをこれはひとり文部省ないし教育関係予算にとどまらず、全般的に政府の方針といたすということが、閣議決定に相なつておる次第でございます。従いまして、先ほど来、いかにも教育予算につきまして、特に大蔵省は、どうも理解なり協力の度が少いのではないか——そうはおつしやいませんが、まあそういうふうに受け取れるお話もありましたけれども、私どもといたしましては、補正予算案ないしは二十六年度予算案におきまして、いろいろときゆうくつな財源関係もございますけれども、文教方面の予算につきましては、及ばずながら閣議の方針に従いまして配意をいたしておる所存でございます。従いまして、ただいまの二十人の減員にいたしましても、運輸省所管の普通商船学校につきましても、何とか人員の簡素化をお願いいたしたいということで、再三の話合の上で、二十人の節減を運輸省当局といたしましては了承願つた次第であります。またこれが閣議決定を見、申すまでもないことでありますけれども、関係方面にもその数字が出まして、まだ今日正式とは申し上げかねますけれども、おおよそこういう数字に落着いておる次第であります。従いまして、もし二百五十三人の人員で教育がやれるかというお尋ねでございますれば、私どもといたしましては、あるいは非常にきゆくつかもしれない、不十分かもしれない。しかし運輸省当局と——当時は運輸省でございましたから、運輸省当局と大蔵省相談をいたし、閣議の御決定を願い、ただいま申しましたような運びになつておりまする次第もありまして、大体省どもといたしましては、何とかこの程度でがまんをしていただけるのではなかろうか、またがまんをお願いいたしたい、かような考え方を持つておる次第であります。
  74. 辻田力

    辻田政府委員 ただいまのお尋ねに対しまして、文部省見解を申し上げます。文部省におきましては、高等学校につきましては、高等学校設置基準という省令がございまして、この省令によつて学校の先生方の算出の計算ができるようになつておるのでございます。それによりますと、今回の商船学校を高等学校として移管される場合は、二百七十三名あれば大体間に合う。しかし二十名減らすということになりますると、設置基準自身にもとることになりますので、文部省としては、将来の海軍界のことを考え、商船教育の充実のことも考えますと、二百七十三名を希望したいと考えております。
  75. 若林義孝

    ○若林委員 大蔵当局にお願いなんですが、今度高等学校になつたわけでありますから、ひとつここで御配慮願つて、ぜひ二十人を増員していただきたいと思うのですが、それができないのかどうか、伺いたいと思います。
  76. 東條猛猪

    東條政府委員 あまりその場限りのいい加減なことを申し上げても、どうかと思いますから、ざつくばらんに申し上げますが、二十六年度の予算案につきまして、司令部での審査と申しますか、いろいろ再検討をお願いしおりまする現状は、大きな問題につきましては、まだいろいろきまらない点もありまして、御承知通り国会におきまする御要求がありましても、大蔵大臣からも、まだあまりはつきりした計数等につきましては、申し上げるのを差控えざるを得ないような実情にありますが、まあ各省所管におきまする、こまかいというと失礼でありますが、いわゆる通称雑件等でありますが、それらのところにつきましては、ほとんど意見の一致を見ている次第であります。ただいまお話のような事例が、案はほかの各省でもぼつぼつあるのであります。当初政府閣議決定を見まして以後、いろいろ情勢の変化もありますし、こういう経費が新たにふえたとか、ないしはこういうのつぴきならぬ事情が起つたとかいうようなお話がありまして、最近一つ二つの事例を先方に持つて行きまして、いろいろ話をいたしたような事例もあるのでありますが、いずれもその雑件につきましては、ある省として金額が定まつております。定まつておりますと、その金額のわく中でやれるかということを聞くのが、実は常例でございます。それで、ぜひある計画をやるということになりますと、そのわくの中でやれるのか、実はこういう反問を受けまして、多くの場合結果的にはうまく参らない。とかくいろいろの御批判はいただきまするけれども、いろいろの事項を関係各省と日夜相談をいたしました上の予算案でありまして、編成の案決定後、今日までそう時日もたつておりませんので、この経費は何とかなしに済ませるだろうというものは実はないわけでありますのでこの金がいるのなら、どこからか削つてつて参れと言われると、実際問題としてなかなかそれができかねるというような実情にありまして、多く新しい話は行き悩みになつておるというのが実情でございます。それで、この件についても、お話をしろという国会の御要望でございますれば、それはもちろん私どもはそういうことをいたしますけれども、見通しといたしましては、ほかの事例のごとく、本件についても同様ではなかろうかというような気がいたしますので、この際といたしまして、責任のある、ないし将来を見通しましたお話はできかねまするけれども、ほかの事例におきましては、ほとんどすべてそうであるということを申し上げておきたいと存じます。
  77. 若林義孝

    ○若林委員 ぜひひとつ、せつかくこしらえた以上、日本の将来の海運界に伸びて行くという進展のために、大蔵当局に格別の御努力を願いたい。できれば補正予算に、明二十六年度予算のときなんかにも御考慮を願えればけつこうかと思うのであります。  なおこの件に関しまして、要望事項とでも申しますか、商船高等学校の設置について、関係御御当局が出ておられますから、お願いいたしておきたいと思うのでありますが、商船高等学校における船員教育を充実進展させるために、運輸省におきましては、船員教育について、もう自分のところから離れたのだからという感じを持たずに、援助と卒業生の就職あつせんなどについて、積極的に御協力を願うということ、それから大蔵省においては、商船高等学校の教育内容及び設備の充実、教職員の増員について、十分に御協力を願うことと、文部省においては、よそから来たからというのでなしに、他の国立学校とまつたく同様に、その教育の振興をはかられますように、ひとつ強く要望を表明いたしておきたいと思うのであります、
  78. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 それでは暫時休憩いたします。     午後三時五十六分休憩      ————◇—————     午後五時十一分開議
  79. 長野長廣

    長野委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  国立学校設置法等の一部を改正する法律案を議題とし、討論に付します。
  80. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員 これは全会一致のようでございますし、討論を省略せられんことを望みます。
  81. 長野長廣

    長野委員長 岡君の動議に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 長野長廣

    長野委員長 御異議なしと認めます。よつて討論は省略いたします。  採決いたします。賛成の諸君の起立を求めます。   (総員起立)
  83. 長野長廣

    長野委員長 起立総員。よつて原案の通り可決せられました。  なお報告書の提出については委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 長野長廣

    長野委員長 御異議なしと認めます。よつてさように決しました。  本日はこれにて散会いたします。明日は午前十時から開会いたします。     午後五時十三分散会      ————◇—————