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足鹿委員 いや、私の申し上げておるのはこういうことです。くどいようでありますが、結局現存
政府が
諮問原案としてお示しに
なつた五千五百二十九円というものの算定の基準は、パリテイーの
方式が根本にな
つておるのである。これにプラス・アルフアー、特別加算額という新しい
方式を本年はおとりになり、その結果がイクオール
生産費を補償するに近い
米価、こういうふうに大体お
考えにな
つておるものたと思うのであります。従来のパリテイーの算定
方式の矛盾を
政府みずからがお気づきにな
つて、いわゆる妥当ならざる算定
方式であるということを言外にお認めにな
つて、特別加算額のアルフアーというものをお加えにな
つておるのであります。その限りにおいて、
米価審議会に
政府がお示しに
なつた算定
方式というものは、従来
米価算定の金科玉條としてお用いにな
つておつたパリテイー
方式というものを、
政府自身が放棄をされた形が出て来ておる。
従つてこれと関連をしまして、
答申案に盛られ
生産費
方式というものを、現在の五千八百円が
情勢上
予算上
実現がただいまのところきわめて困難だという
お話を承りましたが、しかりとするならば、せめてその最も真実に近い、
生産費を補償するに足る
米価を算定する
方式として、
生産費
方式が妥当である、こういうことを
米価審議会は
答申をしておるのでありますから、少くともこれを
実現するために、
一つの
方針、腹をきめていただきまして、その
実現のためにいろいろな
予算的な
措置や準備をなさるのが、少くとも
政府として
米価審議会の
審議を尊重せられる行為ではないか、こういうふうに私は思うのであります。ただ若干の
予算的
措置も、でき得る限り考慮するというようなことでなしに、もう少しはつきりとした
方向をお出しになりまして、どんな困難があ
つてもこの
方針によ
つて進むのであるという、かたい御決意をひ
とつこの際要望いたしたいと存じます
これは
一つの算定
方式の問題でありますが、次にいわゆる
米価決定の
基本方式とでも申しますか、
米価決定の仕方につきまして、過般の
米価審議会の経緯から
考えてみますると、私
どももその
会議に列席いたしました一人として、
米価審議会の決議の尊重を、委員みずからがきめて
政府に要望するというごとき、きわめて矛盾した取扱いをわれわれ受けたのであります。しかし私
どもはみだりに
米価審議会の與えられた権限を放棄して、
審議権を放棄して行うとは
考えておりません。これがほんとうに尊重されるように今後も努めて行かなければならぬと思
つておりますが、どうも公務員の給與の問題になりますと、人事院というような独立の官庁まで置き、給與ベースの問題や、待遇の問題について、
政府とは別個な
立場から堂々と勧告をなし得るような
一つの制度ができておるにもかかわらず、いわゆる賃金や物価の
基本になる、しかも
国民生活と切り離すことのできない
米価の問題につきましては、すでに
予算も組み終り、
当局との
折衝も済んでから、形式的に
審議会をお開き願
つて、
米価に対する
答申をきめなければならぬというような、かような薄弱な
米価の
決定方式ということにつきまして、特に私
どもは本年の
米価審議会開催の経緯を
考えてみまして、農村の者として憤滿にたえません。これは
米価審議会の民主的な
運営なり、あるいは
早期に開催して、少くとも
関係方面の
当局が最後の案をお認めになる前に御開会願えるならば、いま少し意義があつたと思いますが、それすらも本年はなさないということになり、将来もまたこれについては十分保証ができないということになりますと、
米価の
決定の
基本方式ということについて、
一つの壁にぶつかつたような印象を、特に私
どもは持つのでございます。そもそもこの
米価審議会ができた経緯を聞いてみますると、国会において
米価をきめるべきであるあるという強い議論が一部にある。しかし国会においてといううとも相当
検討の余地があるので、いろいろ話合いの結果この
審議会というものはできたように、私
どもは承
つておるのであります。そういうような
意味から申しますと、少くとも
米価審議会をもつと法制化いたしまして——現在は別に法制に基く機関でないように聞いておりますが、これを法制化して、この決議を経なければ少くとも
予算に盛ることができないというようにして、その
審議権が確立され、その
決定がある程度
政府を、束縛すると申しますと語弊がありますが、そういうような形で、
政府にある程度強く当
つて行くことのできるような性格に
米価審議会を持
つて行くか、それとも財政法の三條に基きまして郵便料金を
決定するがごとく、国会の
決定をま
つて米価がきめられる。あるいはこれが
需給が
調整されましても、その最高最低が国会によ
つて審議決定をされるというようにしないと、
米価の
決定の
基本方式について、何かそこに
一つの壁にぶつかつたような印象を私は強く持
つたのであります。この点につきまして
政府の——本年の経緯から見て、三日、四日たつた今日においてただちこ将来のお
考えをということもむりであるとは存じますが、率直な
政府の御見解を承りたい。
米価審議会をますます法制化し、立法化してでもこれを強化して行くお
考えであるか、それともまだ大体
現状維持で行くお
考えであるか、それとも別個な
一つの
基本を何かそこにお
考えにな
つておるか、この点についてお伺いいたしたいと存じます。