○松尾
説明員 二十五年度の
貿易計画といたしましては、すでに御
承知のううに、
朝鮮事変以前におきましては、大体
輸出六億五千万
ドル、
輸入十億二千万
ドルという
計画を立てておつたのでありますが、その後国内情勢の変化に伴いまして、その当初
計画を改訂いたしまして、現在私どもの手元で一応
貿易計画と称しておりますものは、
輸出か八億二千万
ドル、
輸入が十二億
ドル、これはいずれも
商品輸出、
商品輸入の
関係でありますが、このほかに
輸出の方ついては特需、それから
貿易外の受取り、こういうものを見ますと、大体
輸出による受取りが約十一億四十万
ドルぐらいになるであろうという予想を立てております。これに対しまして
輸入は十二億
ドルの
商品輸入を見込んだ
計画を持
つておるわけでありますが、このほかに
貿易外支払いが約七千万
ドルぐらいはあるだろうという想定のもとに、合計いたしまして約十二億七千万
ドル程度の
外貨の支払い
——もつともこの点は、現実に
外貨の支払いと受取りの
関係は、
商品の出入りと多少時期のずれがございます。
貿易計画のこの数字と実際の
外貨の出入りは、多少期間的にずれがございますが、
貿易計画という形でとりますと、大体ただいま申し上げたような数字を予定いたしております。
これに対して現在までにどのくらい進んでおるかという
お話でありますか、まず
輸出についてであります。
輸出の関一係一では、現在の統計で比軟的正確な統計こ申しますと、九月末までしかございませんが、大体上半期の実績ということになります。上半期で大体四億程度の
輸出が現在達成されておるのであります。従いまして
輸出については、上半期において大体
輸出計画の半ばに達しておるというふうに申し上げられると思います。
輸入につきましては、ただいま不振ではないかという御指摘もございましたように、十二億のぱい
輸入見込みにつきましては、本年度一ぽいで十二億まで達成できるかどうかは相当疑問があるようであります。実績を申し上げますと、上半期におきまして約四億四千万
ドルくらいの
輸入実績を持
つております。しかしこの
関係は、すでに大体御
承知のように、本年度の
輸入の各別の実際の足取りを拾
つてみますと、大体四号ころが最高であります差、六一七とだんだんと
輸入の月別の実績は低下して参
つております。そういたしまして、大体底が七月の六千四一百万
ドルくらい、これが月別の
輸入実積としては最低であります。八月、九月と大体七千万
ドル近くまで
輸入の実績は上向いておるようでありますから、現在までの予想では、上半期の不振と申しますか、大体ただいま申しました四億四千万
ドル程度のことで、年間の
輸入計画に対しましては、上半期はあまり振わなかつたと思います。八月、九月、十月、十一月の見込みはまだはつきり統計数字に
なつて出て参りませんが、大体本年度において本年度の上半期の不振を、下半期である程度の回復をするということを見込みまして、まず十一億
ドルくらいの
輸入は達成できるだろう、こういう想定をいたしております。なぜそういうふうに上半期の
輸出不振を、下半期でとりもどせると申し上げるかと申しますと、これはあるいは蛇足かも知れませんが、大体御
承知のように、
輸入の
関係は、例の
援助輸入の
関係は別といたしまして、例の外、貨予算で大体
輸入の規模が制約されるわけでありますが、
外貨予算の
状況を見て参りましても、本年度に入りまして一月—三月の
外貨予算と比べまして、一—三の
外貨予算が約一億二千万、
ドルくらいだつたと思うのでありますが、それが七月—九月の
外貨予算におきましては、すでに四億を越える
外貨予算を編成するように
なつておる。つまりわれわれのもとにあります
外貨事情の
関係から、本年度の上半期に入
つて来もべき
外貨予算の他意が、必ずしも金額的にも十分でなかつた。それが下半期に
なつてだんだんと
外貨予算の金額もふえるし、
輸入方式についても相当新しい
方法を組み入れておりますから、大体七—九以降の大幅な予算の増額で、現実には約三、四箇月ずれて、
輸入の実績として現われて来るであろう。もちろんその反面には、御
承知のような
国際情勢から来る困難も若干伴うのでありますが、それにしてもまず本年度の下半期あるいはおそらく十二月ごろからは、月一億
ドル程度の
輸入実績には到達するであろう、こういう想定をいたしまして、
先ほど申しましたように、上半期の
輸入不振は、下半期である程度の回復を示して、まず十一億、
ドル程度は
輸入実績が行けるであろう、こういうふうに予想をいたしております。