○松田委員
燃油の
値上り問題に対して、私
どもはまことに合点の行かない点があります。要するに、
物価庁はどのような手続をも
つてこの
値上げを発表されたか。農林大臣が今ここに
出席されてないので、非常に私
どもとすれば困るのでありますが、この問題は、
漁業の進展に対して非常に大きな意味が含まれるのであるから、
相当の期間
検討することを建前として、今しばらく延して
検討しようということを再三再四言明されておるのであります。ところが二十七日に、次官会議においてこの問題が取上げられ、これはあまりにも重大な問題であるから、閣議によ
つて決定する以外に
方法はないのである、かような結論によ
つて、その日は流会に
なつてこの問題を保留した。ところが二十九日の閣議においてこの問題が取上げられ、農林大臣は病気のために
出席不能であ
つた。それをもちまわり閣議においてすらすらときめてしま
つた。きのう実は農林大臣と大臣室において会
つたとき、まだ大臣はこれを知らなか
つた。これは最初
水産委員会の要望もあるので、十分
検討の上善処しなければならないということをぼくらに言明されてお
つた。その矢先に新聞記者が、それは
決定したということをそこで話された。一体
物価庁は、ただいま
田口委員からいろいろと
指摘されておることも
考慮されてや
つたかどうか。
漁業の現在の実態というものをどのように見ておられるか。こういう点が
一つも
考慮されずに、ただあなた方の
関係官庁だけがその案をつく
つて、
水産委員会にも、また
水産庁にも
一つも御相談がなか
つた。その
決定を見て今日の
値上げの発表と
なつた。私はこの点に対して、あまりにも行き過ぎではなかろうか、ないしはまた自分の職というものに忠実なるがために、他の意見というものを
一つも総合する気持ちを持
つていないのではなかろうか。かように
考えられる点がたくさんあるのであります。私
ども水産委員会は、その一番主体として政治力を発揮させて、われわれの意見を閣議なり、また政府なり、どこなりとも発表していただくのは農林大臣であると固く信じておる。その農林大臣の意見
一つをも参考にせずして、この値の上り発表を見たということは
水産委員会というものを全然無視した
物価庁のやり方でなかろうかと私は
考える。かようなことで水
産業界がどのような立場に立つか。この点に対する
物価庁の長官の意見を聞きたいのであります。あなたによ
つて個々の大綱が
説明されるのならばいざ知らず、さもなか
つたならば、
物価庁長官の政治責任を私は聞いたいと思う。あなたに大臣にかわ
つての御意見があ
つたならば御発表願いたい。こうしてどんどん
物価を
引上げて行くことに
なつたならば、日本の政治というものはむちやくちやになる。この点に対するあなた方の御意見を承りたい。