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青野委員 それに関連してもう一つ重ねてお尋ねいたしますが、これはそれぞれ
地元の人々が代表者を送りまして、それぞれ
建設省
関係の陳情があ
つたことと思いますが、大体九州全体から見ますと、さしあたり十五億円ほどの金があれば
海岸、
堤防の補強修築ができる。
政府の
補助以外に自分たちの手でやろうと思うと、これなら大体ある
程度台風あるいは防潮の目的が達せられるというものが、いろいろ協議した結果、九州全体で大体十五億ほどあればできる。ところが、御
承知のように
財政的には各県まちまちでありますので、なかなかうまく行かない。それも大体臨時応急的なものでありましようけれども、いろいろ貧弱にな
つている
海岸、
堤防あたりを修築するにはどうしても金がいる。ところが、それが九州全体でなかなかできない。そこで十五億の半分を
政府が何とか短期の
融資でもいいからしてくれれば、
あとの半分は九州全体でひ
とつつく
つて、とにかく自分たちの手でやろう、半分だけ金をくれろと言うのじやない、一時貸してくれ、こういう大体の話合いができて、それぞれ書類によ
つて陳情がなされていると思いますが、こういう点は御
承知のように
わくがきま
つておりまして、もう県の
財政でまかなえないということになれば、
政府から金を借りる以外に道がありません。そこでこれはこの前の
委員会でも申しましたが、大分県のごときは、往年の島根県の一歩手前まで来ているのです。われわれの政党
関係ではありませんけれども、われわれの宿舎にたずねて来た県会議員や県庁の役人や知事あたりは、一年間の大分県の收入を全部持
つて行
つても教育費に足らない、授業料その他臨時のいろいろの收入を合せて教育費に一ぱいである、こういう大きな五十五億からの
海岸堤防の
災害を受けると、大分県は
政府が何とか救済をしてくれなければ私どものところではどうにもならない。こういうことで、自由党の金光氏も一緒に行かれておりましたが、これは大分県から出ている人でありますが、そういう
事情を私どもも実は非常にお気の毒に
考えている。大分県のような県ばかりでは九州はありませんでしよう。まあ多かれ少かれ
台風が起るたびに九州は必ずやられる。三十年間の統計をと
つても、中央気象台によると一番全国で雨量が多い。今度の
台風でもまた種子島を
通りまして、やはりどうも一度通
つた道がいいという調子で通
つてしまう。それが
ために御
承知のように三百六十億もやられてしまう。ところが、九州で特に大分県のごときはどうすることもできない。また常時県や鹿児島県は御
承知のシラス地帶をたくさん控えておりますので、これはよその県に比べれば三倍、五倍の大きい
被害を受けている。こういう調子で、阪神の例をとるわけではありませんが、五年に一ぺん十年に一ぺん通る
台風でなく、
台風と名がつくと必ず
通り道にな
つている。こういう点に対しましては、ひ
とつ特別な
融資、あるいは農林省
関係ではまだ人跡未踏の森林がたくさんある、大分県の奥あるいは宮崎県、鹿兒島県、そうい
つたところは県を單位にしてもらうというわけに行きますまいけれども、適切な
金額で
——そうい
つたいつも
台風、水害でやられている特殊の県には、
政府から出す金がやはり公平にやるとうまく行き渡らぬ。そういう際には宮崎県や鹿兒島県の今さしあたり必要のないような官有林や国有林を拂い下げて、それによ
つて出て来る金で
災害の復旧をやらせるとい
つたような一つの
方法も
考えてもらいたいと私は思う。そういう点についていろいろな問題が起
つてはなりませんから、嚴重に
調査をし、これは市町村では問題が起りやすいから、やはり県單位でそういうことを私は
希望する次第でありますが、これと二つあわせまして、どうしても
融資の
わくを拡大してもらわなければ、
地方公共団体としては
災害のたびにどうすることもできない。これは増田
建設大臣にお尋ねした際には、今のではこまか過ぎるから、五百億
程度になるように
関係方面と
折衝を続けておりますと、
相当確信のあるような顔色をして私の紙にお答えがあ
つた。こういう点についてどの
程度の話が進んでいるかということと、今の国有林の拂下げをも
つて災害県あるいは市町村の復旧費にかけてやるということについての御意見を、ひ
とつお聞かせ願
つておきたいと思います。