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田中(角)
委員 耐火建築物に対する助成金、
住宅金融公庫に対する出資金、見返り資金に対する問題、これは非常に大きな問題でありますが、まだ二十六年度予算でありますので、
池田大蔵大臣が
説明をされても確実的なものではないということだけは私
どもも承知しております。なお来年三月三十一日までは、私たち自身も間に合わなければドツジさんに会いに行
つても、まだまだ打つ手はあるのでありますから、これはいかなる手を打
つても、これを中途半端で投げ出すということは、政治的に
考えて断じて行うべからざるところであると
考えておりますので、われわれ自身もできるだけの努力はいたしますが、しかし最悪の場合、現在ドツジ氏がお帰りになるまぎわに、むずかしいと言われたものをある程度ひつくり返したにしても、相当な難点は発生するだろと思います。その場合申し上げたこの三つの
事項は、予算編成上においてもお忘れにな
つてはいけないところの大きな政策でありまして、
大蔵省当局はじきにドツジ氏が行
つてしま
つたらどうにもならないということをよく仰せられますが、まだまだ四箇月あるのでありますから、最後の三月三十一日まで見返り資金をもらうということを
考えまして、もしもらえなか
つた場合には預金部資金でまかなうというような、強硬な御決意をされるよう要望しておきます。なお
建設大臣もおられますので、大いに私たちも
建設大臣のしりをたたくつもりでおりますから、この問題をよくお
考えにな
つていただきたい。これは政治問題として非常に大きな問題であ
つて、私たち與党の立場にある者が、いやしくも五百数十億、大百億にも上るこの大
事業を計画し、しかもそれを三箇年、四箇年で行おうとして三百億にあまる工事費を頂戴しながら、工事中途で投げ出すということは、非常に評判も悪くなることでありまして、大與党のとらざるところでありますので、これは特にや
つていただきたい。
次に行政機構の問題でありますが、これは廣川行政管理庁長官に警告を発したいと思
つておりますが、政務次官並びに事務当局が来られておりますので、大体希望になると思いますが、
簡單に申し上げます。あらためて申し上げるまでもなく、行政機構の改革というものは、わが党の党是でもありますし、最も大きなスローガンでありますので、その線に沿
つて着々御準備にな
つておられることに対しては最大の敬意を表するものであります。行政機構の簡素化、行政機構の合理化、行政整理という問題は、多年歴代内閣が行おうとして遂に行い得なか
つたのであります。それはいうまでもなく、各省間にまたがるところり明治初年からの根強いセクシヨナリズムに災いされて、内閣の命とりになるということで、なさなければならない行政の再編ということが、今日まで延び延びにな
つて来たことは御承知の通りであります。しかしながら行政機構の改革ということに対しては、何人も異論がないのであります。しかも與党といたしましても、大旗を掲げてや
つておるのでありますし、しかもこの大問題は現在の内閣において行わなか
つたならば、ほとんど永久に実現が不可能なことと思います。その意味において多少の難点はあ
つても、これは強引に断行することは、私たちとしても前から望んでおるところでありますので、事務当局としてはこれが実現に対して大いに努力をせられんことを希望しておるわけで承ります。しかしそれについて希望するところは行政の再編の方法でありますが、なかなか今まで長いことがんにな
つてお
つた各省のセクシヨナリズム、すなわち自分のポストや、自分の位置の変革が伴いますので、各省が大いに盡夜をわかたずこういう問題になると努力するのでありまして、その努力は遂に大
目的に逆行するような結果をつくるおそれが十分にありますので、先日の新聞に発表せられていた行政機構の改革、なかんずく建設方面に対する案というものは、これは一案であるとい
つても、相当私たちの
考えと逆行しておる案であります。しかもそれは事務当局の
説明によりますと、その方にまとまる可能性が非常に強いということですが、内閣だけでごちやごちややろうというようなことは断じて許すわけにはいかぬ。これは正式に取上げて相当摩擦があ
つても、大旗を掲げた以上、しかもこの
事業を貫徹しようという努力をする以上は、お互いの感情や、お互いの利害得失があ
つても、本
目的に沿うようなことをしなければならない。次善、三善の策といいながら、いいかげんのところでやろうということは許されないと
考えております。特に
建設行政という問題は、
建設省の面では
建設行政の
一元化ということにありますので、これができれば行政機構の変革は容易に行えるのであります。すなわち
建設行政の
一元化に努力できなか
つたところに、多年懸案であ
つたところの行政機構の改革が行えなか
つた原因がある。この建設問題は各省にまたが
つており、しかも各局、各課別にさえも営繕係を設けておるものもあり、その持つ予算面というものは、
地方の予算面でも、国の予算面でもほとんど大半を占める大きなものであることを
考えますと、
建設行政面の再編成ができなければ、ほとんど行政機構の改革はできない。そこでわれわれはま
つたく超党派的とい
つてもいいくらい過去四、五年間にわた
つて建設
委員会が大きくこの問題を取上げておるわけであります。その場合に、
建設行政の
一元化に逆行するがごときことがあ
つたならば、断じていかなるものにも賛成しない。過般わずかの、ま
つたく小さな問題でありましたが、教育
委員会法の一部
改正法律案を合同
審議をいたしましたときも、
建設行政の
一元化に逆行するという
一つの
理由をもちまして、建設
委員会は断じてこれに賛成をしなか
つたのであります。特に與党の中において万やむを得ないという
結論に達したものさえも、
審議未了に終らしておるというほどに強硬な意見を持
つておるわけであります。その意味において、二、三日前に発表せられたような原案でもし通されるという場合があ
つたならば、われわれはどうしてもこれをのむわけに行かない。しかも最終的に
決定せられておらないのでありますから、今においてひとつわれわれが
考えるような面に向けて原案をつくり直していただきたい。それは
簡單に申し上げますと、行政組織を縦割りにするか横割りにするかということになるのですが、
建設行政だけに対しては、各省にばらばらにするということは全然逆に、一本にまとめなければならぬ。副首相が一省を受持つならば、公共本業省かもしくは国土
建設省というような大きなものをつくられて、それを副首相がいつでも持つ。現在のアメリカにおいても、イギリスにおいても——これは昔のことでありますが、第二次世界大戰の勃発する前のドイツの再建に対しても、
建設省、いわゆる公共
事業の面が大きく取扱われておるということを取上げても、現在の日本においてこの面を大きく取上げる以外に立ち上る道がない。しかももう
一つ私が申し上げたいのは、最も大きな面を持つ予算の合理化ということを
考えるときに、
道路建設面に携わる人には技術屋がありまして、この技術屋が各省に分割せられる場合、その結果は非常に悪いのであります。人員の配置も行えず、しかも新たに分割せられるために不要の技術屋も抱き込またければならない。しかもその技術屋は、技術屋の持つ特色、悪くいえば偏狭な面から他のいうことを全然聞かたいというために、現在各省に分属せられておる建設面が組む予算には驚くほどの差があります。
建設省において立米百二十円ないし百二十五円ぐらいでも
つて動かしておるものを、同じ所で農業土木は二百四十五円ないし三百五十円を出しておるという事実はいなむことができません。こういう事実をもし取除き得たとしたならば、現在の公共
事業費の値上り分ぐらいは、
事業の数量において当然増すことができるということは、私たちは言えると思います。特に同じ設計書によるものでありながら、特別調達庁の予算、
建設省の予算、その他各省当局の予算が全然單価が違うというがごときことを
考えても、私たちの言うことが正しいと
考えております。特にわれわれが
考えております
建設省というものは、農林省の建設部門、それから
通産省の建設部門、それから運輸省の建設部門というようなものさえも全部合したい、こう
考えておるのでありまして、特にこれは第一段階おいてわれわれの意見を認めて——運輸省の運輸建設本部も
建設省ができるときに統合せられておる。これをまた逆行するような案をつく
つて、特に
道路行政を運輸省に移すがごときことは、ま
つたくこれは單なる機構いじりということが正しい表現でありまして、私たちはこれが結果において、百害あ
つて一利なしというぐらいに
考えておるのであります。そういう意味におきまして、現在発表せられたものとは全然逆に、建設部門は一本にするという方向にひとつ進んでいただきたい。農業一割増産によりまして、来年度は農業土木の問題が非常に大きく取上げられておりまして、場合によると
建設省の中小河川を農林省の方へひつぱりたいというような意見もあるようでありますが、廣川
農林大臣は、
農林大臣をおやりになるときは
農林大臣でありますが、行政管理庁の長官としてやる場合には、農林省を離れた純然たる長官でなければなりません。私は廣川さんがきようおいでになれば一発やろうと思
つたのですが……。そういう意味から
考えても、とにかく現在は、電源の開発、農業の水利、
農地の開拓、治山、治水、洪水の防除ということ個々ばらばらに行われておる。だから私は一貫した治山、治水、洪水の防除というものを河水別、水系別に行うところに初めて電源の開発が起きて来、農業の水利がうまく行き、
農地の開拓をや
つても灌漑利水等がうまく行く。今までは各個ばらばらにや
つておるために、ま
つたく結果の上らないところに国費が投入せられておるという事実がたくさんあるのであります。もうすでにこの予算で
法律的なる結果を生まなくてはならない現在として、それに逆行するがごとき
建設行政部門の再編成は断じておやめにな
つていただきたい。こういうのが
結論でありますから、意見がありましたらどうぞ……。