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大池事務総長 それから今の解釈の問題ですが、
国会法以後、いろいろな法律に、
国会にいろいろ
報告もしくは
意見書が提出できるという規定が出されたわけであります。
ちよつと気がついたところを拾
つてみますと、公取
委員会はその四十四條で、毎年
国会に対し施行の状況の
報告をせよという條項がございます。それと並んで、目的達成に必要な事項の
意見の提出ができるという規定があります。しかしその
報告があり、
意見が提出されたものに対して、どうこうするという規定が欠けておるわけであります。それから地方財政法にも、地方公共団体が新たな事務を行う場合には、その財源について必要な
措置を講じなければならぬという規定がありまして、右の財源の
措置について不服のある地方公共団体は、
国会に
意見書を提出ができる。それから公共企業体の労働
関係法には、御
承知の
通りに仲裁
委員会のあれがありましたときには、
国会に付議してその
承認を求めなければならぬ。こういうのでありますから、
国会にそれが出て現に付議されておるわけであります。これは法律の明文が、
国会そのものに付議して
承認を求める、こういうぐあいにある
関係からだと思います。それから社会保障制度
審議会設置法の中にも、ただいま申し上げた
ような
勧告を提出できることにな
つております。これは社会保障制度
審議会設置法の第九條です。それから放送法の中の第三十七條にも、その事業計画、資金計画等に対しまして、
意見を付して
国会に提出し、その
承認を受けなければならないとありまして、電波監理
委員会が何らかの事業計画、資金計画等をやりました場合等は、これは
国会の
承認がなければならないという構想を指示しております。漁港法の第十七條にも、漁港法の整備計画等ができました場合には、
国会に提出して
承認を受けなければならないことにな
つております。ただいまの
お話のは地方財政
委員会設置法の第十三條だと思いますが、これは
内閣及び
関係機関並びに
国会に対し
意見を申し述べることができる。地方財政
委員会では、いろいろの目的達成のために必要な場合には、
内閣とか
国会に対しても
意見の申出ができる。とな
つております。それから地方財政
委員会の設置法の第十四條には、毎年地方財政の情況について
国会に
報告をしなければならぬというので、
報告義務をつけております。第十五條の方は、
内閣は、
委員会の見積りをもし減額した
ような場合がありますれば、
委員会の
要求の見積りについて、元の
要求書を
予算に附記して、
国会に提出しなければならないことにな
つております。また証券取引法にも、第百七十九條に毎年法律の施行状況の
報告義務を仰せつけております。なお目的達成上必要な
意見があれば、それを提出できることにな
つております。ただいまの地財の問題は、地方財政
委員長から、別紙二十五
年度における地方財源
増額に関する
意見書というものが出て来ております。これは地方財政
委員会設置法第十三條の規定に基いて
意見書を提出するということで出て来て、法律根拠を示しております。これは地方財政交付金の八十三億の
増額交付を必要と認みるということで、
意見を付して来たのであります。
従つて十三條に基いて
国会に
意見を申し出て参
つたのであります。衆
議院の方では
議長あてに参
つております。
内閣の方からもまわ
つて来ております。
内閣の方は二十八日にまわ
つて来ております。野村
委員長の方から幣原
議長に対して参りましたものは二十五日に来ております。
従つてこの
意見の申出がありますから、
国会の皆さんに、
議長としてはただちに配付してあ院るわけであります。その
意見の申出に対して、
国会がいかなることをやらねばならぬかということは、人事院の
勧告のときと同じであります。何らの法律的規定はございません。ただこういう
意見の申出があつたということを、
議長としては皆さんに御
報告をしたという状態にな
つております。その
意見を受けまして、同時に地方行政
委員会では十一月二十九日に決議をいたしております。その決議として、地方財政の現状は、このまま推移するときは、その円滑なる
運営に重大なる支障を来すおそれがあると認められる。これがためには地方財政
委員会の
意見書に述べられたごとく、地方財政平衡交付金を
増額するとともに、シヤウプ第二次
勧告に示された
措置をすみやかに講ずる必要があると認め
政府はすみやかに適正なる
措置を講ぜられたい、右決議するというのが、地方財政
委員会の
意見書に基いて、
一つの決議として
政府の方へ、すみやかに適正の
措置を講ずべしということで、送付されておると
承知しております。
従つて国会としてはそれ以上にどういうことをしなければならぬという義務規定はございません。一応法律の今までの建前上、
国会に付議すべき
案件として、ただ
意見書の提出ができるという規定に基いて、
意見書が出て、その
取扱いをどうするかということについては、従来の先例
通りの
取扱いをいたしておるわけであります。これ以上どうするかということは、皆さんの方で御
研究願つて、しかるべく御検討なすつたらよろしいかと思います。