○高田(富)
委員 ま
つたく詭弁にすぎないような政治的陰謀論をやられましたが、大体非常に間違
つた先入感のもとに問題を取上げられておると思う。そのことは先ほどの與党側
委員の
質問の中にはつきり現われているのです。たとえば
共産党が富士のすそ野で
暴力革命の演習をや
つているとか、大井川の鉄橋爆破の演習をや
つておるとか、いろいろななことを言われましたが、それに対して
国警長官の方でも大体そういうふうなことはまだ確実な
情報とは言えないが、というようなことで濁しておられるようなことあたりは、まさに非常に政治的陰謀の準備、思想的準備は十分できておると言えるのであります。大体
共産党はそういうばかばかしい
暴力革命の演習なんということは、いまだか
つて考えたこともありませんし、や
つたこともありません。ところが、あべこべに
政府の方といたしましては、先般も私の住んでいるつい近所でありますが、群馬県澁川におきまして、大々的な何か大
訓練をやりまして、何県下かの
警察官を集めまして、ものすごい暴力反革命とでもいうのでありますか、演習をや
つたのであります。こういうふうなことを各所においてや
つておるのでありまして、ことに
警察予備隊のごときものにつきましても、その
内容を見ますと、
相当ものすごい軍隊
訓練をや
つております。このことはまだ別の問題になるのでありますが、いずれにしましても、そういうふうなことから、最近は
警察官が昔とは非常に違いまして、簡單にピストルを発射してみたり、こん棒で人をなぐ
つたりするというようなことは、ふだんからの
訓練のたまものでありまして、非常に元気よくつつ込んで
行つてやつつけるというようなことをや
つておるのであります。こういうようなことが、やはりますます今日の生活の窮迫化しました民衆に対しましては、非常に挑発的な作用をなすということは明らかなのであります。ですから、事を処理する場合に、今日そういう
状態にある
警察官の
態度はどうであ
つたかというようなことから、根本的にやはり
当局が反省されなければ、このような問題を今後未然に防止することは、できないというふうに
考えるわけであります。なおこれと
関連して、
背後にある
共産党を洗えという御
質問が方々から大分出ておるのでありますが、今も私が申し上げました
通り、
共産党はあくまでも根本の生活問題、
朝鮮人問題に対する解決を主張しておる政党であり、でき得ればこういうふうな混乱にならないように治めるために、全力をあげておる政党であるということは、さつきも申し上げた
通りであります。
共産党の非合法化について先ほ
ども御答弁がありましたが、元来
共産党の掲げておる綱領、現に具体的に国会において闘
つておるわれわれの政策、これらのすべてのものをごらんになればわかる
通り、われわれは
ポツダム宣言の完全な実施、
日本の完全な平和的民主国家としての再建、こういうことを主張いたしまして、ややともすれば独立が危うからんとしておる現在、私
どもはどこまでも国会の権威を高め、民族の主権を確立するために、奮闘しておる政党であることは、多言を要しないのであります。
外国共産党との連絡云々というようなことを言われますけれ
ども、私がここで
説明するまでもなく、今日では具体的なコミンフオルムというようなものは、ヨーロツパにはありますけれ
ども、極東にはそういうものがないのでありまして、全世界の被圧迫民族、労働階級、平和を愛する陣営の精神的な理解と同情というものは、もとよりでありますけれ
ども、これは当然のことでありまして、私
どもが現在
朝鮮に行われております
朝鮮人民の独立と平和のための闘争に対しまして、非常な同情を持つことは当然であります。けれ
どもそのことは、諸君が資本主義の諸国といろいろ取引しようとしたり何かしておりますのと同様でありまして、ただ違うところは、諸君は隷属化の道を進んでおり、われわれは民族の独立を主張しておるという点が違うだけであります。そういうふうな点からいたしましても、何ら
共産党を非合法化すべき合理的な
根拠はないと確信するものであります。そのようなことを言うものは、わが国を特定の資本主義国の隷属化に置き、植民地化し、そうして新たな戰争、今や迫
つておる戰争に恥いて、われわれを肉彈に使
つて、民族を滅亡せしめることを欲しておるものといわざるを得ない。
共産党の主張こそ、民族の独立と平和を主張するものである。このことを私はここではつきり申し上げる。これに対する
政府の
態度をもう一度はつきり鮮明していただきたいと思います。