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説明員(
奥村竹之助君)
外貨予算は今までのところ一月—三月と、それから四月—六月の三期分を
実施したところでございますが、初めにお断り申しておきますのは、我々の方で
外貨予算と申しておりますのは
輸入許可を出します基準を
予算の形で安本で作
つておりまして、それに
從つて通産省並びに
大蔵省が
輸入許可並びに支拂い
許可を出しておるのでありまして、いわゆる
外貨の
資金繰り予算とは全然
関係のないものでございましてその点を
最初にお断りしておきます。
最初に作りました一月—三月の
外貨予算の
実施の
状況について見ますと、貨物の
輸入といたしまして大体一億三千万ドル、これは
幣種は
米ドル、それから
ポンド等を含んでおりますが、換算いたしまして一億三千万ドル、の
外貨予算を編成したわけでございます。つまり一月—三月の間に一億三千万ドル以内において
輸入の
許可を出すという
予算を作
つたわけでございます。内訳を申しますと、
米ドルがアメリカ、
カナダ、フイリピン、つまり比較的ドルの多い国とその他に分けておりますが、米、加、比に八百万ドル、その他で九百万ドル、それから
協定をいたしておりません国、
ちよつと御
説明が前後いたしますが、
世界各国を大体三つに分けております。その
一つは非
協定国、つまりトレイド、アグリーメントを作
つていない国でありまして、その主なものは先程申しました米、加、比でございます。それからその他の非
協定国と申しますと、例えばノールウエイとかイタリーとかデンマークとか、そうい
つた通商協定のできていない国であります。これらを
合計いたしますと大体千三百万ドル、それから
スターリング地域、これは
英帝国でございまして、
英本国、それから各自治領、但し
カナダは入
つておりません。それから香港が抜けております。それから各
植民地、それからビルマ、パキスタンのような最近独立した国も
スターリング地域として入
つております。これに対する
輸入許可の限度が五千七百万、
合計一億三千万ドルの
予算を組んだわけでございます。それに
從つて通産大臣が
輸入の
公表をいたしまして、
公表に
從つて現実に
輸入の
許可を出したわけでございます。
公表いたしました
金額が大体七千二百万ドル、それでその
公表に從いまして実際に
輸入許可を発行いたしましたのは五千九百万ドル、非常に小さな
数字にな
つております。銑鉄で申しますと四五%、元の
予算に対しまして
輸入許可を出したのは四六%というような小さた結果にな
つたわけでございます。で、
只今申上げました
数字は一—三の期限が
終りました直後に作りました
数字でございまして、その後判明いたしました
数字によ
つてこの比率は五〇%以上に増加しておりますが、いずれにいたしましても元の
予算に対して非常に小さな
金額ですが、
輸入許可を出さなか
つたという結果にな
つたわけでございます。なぜこのような結果にな
つたかと申しまと、いろいろな
理由がございますが、これは先ず各当事者とも慌てて十二月の末に
予算を作りまして一月から
実施したのでありますが、その間スキヤツプ等の連絡におきましても、
手続上不慣れなために交渉が遅れたということが
一つでありますが、大きな原因といたしましては十一月から十二月末にかけまして
政府の
輸入と申しますか、実は
関係筋の方の
許可によ
つて輸入された数量は莫大な
数字であ
つたのでございますが、それは
予算を編成いたしました十一月の中頃までには分らなか
つたわけなのであります。と申しますのは、十二月末までは全部
関係筋の
許可で
輸入をする、一月から日本の
政府の
許可で
輸入するという建前にな
つておりました。ところがこの
予算を編成いたしましたのが丁度十二の半ばでございまして、
予算を編成中或いはそれ以後において
関係筋がどんどん
輸入の
許可をいたしておりました。これは
予算編成のときにはどうしても入手できなか
つた資料でありまして、後で蓋を開いて見ますと、
予算に計上したものがすでに
輸入許可をされておるというようなものもございまして、
輸入の必要のなくな
つたものが少なからずあ
つたわけであります。その大きな例を二三申上げますと、例えば米は千九百万ドルと
予算に載
つておりましたが、実際
公表されましたのが八百七十万ドル、そのうち承認されましたのがやはり八百七十万ドル、麦につきましても約千八十万ドルの
予算でございましたが、実際
公表いたしまして承認したものが百六十万ドルに過ぎなか
つた。砂糖が八百七十万ドルに対して
公表されましたのが百七十万ドル、承認いたしましたのが百十万ドル。石油は九百五十万ドルの
輸入に対して実際
公表いたしましたのが二百二十万ドル、
許可が三百二十万ドル、これは石油は六百数十万ドルの石油原料を実はスターリング・ウエイから
輸入する計画でスターリングの
予算に載せてお
つたのでございますが、それが英国の為替管理当局とアメリカの石油の
関係方面との間に見解の相違がございまして、スターリングで支拂うことができないということになりましたために、この
輸入ができなくなりまして結局石油は援助
資金によ
つて米国
政府から貰
つたもので
輸入するというような結果になりました。同じく裸麦三百五十万ドル、飼料三百二十万ドル等は全然
公表もせず
輸入もいたしませんでした。こうい
つたいろいろの
理由で実際の
輸入許可が非常に少なか
つたわけでございます。それからもう
一つ別の方角から見た結果を申上げますと、
輸入の方法に、実は
資金の事前割当方法と、それから先着順によりまして自由にさせるという方法
二つがございますが、先程の一億三千万ドルの
輸入の中で割当方式に属しますものは九千三百万ドル、これは主なものは食糧、油脂原料、それから鉄鉱石、石油類、その他全部で二十三品目ございますが、まだ国内におきまして統制をしておるために自由に
輸入させることが不通当とするものが
資金の割当物資でございまして、品目で申しますと僅か二十三品目でありますが、
金額で申しますと一億三千万ドルの中九千三百万ドルという非常に大きな
金額を占めております。この九千三百万ドルの
予算に対しまして実際
公表いたしましたのが五千三百万ドル、承認いたしましたのが四千二百九十万ドルということにな
つております。それから先着順物資、これは誰でも早い者勝ちで、申込んだ者から
許可を與えられるという方法によるのでございまして、
予算面上は三千四百万ドル、実際
公表いたしましたのは一千八百万ドル、承認いたしましなのは千四百六十万ドル、こういうことにな
つております。それから残りは
予備費で、約三百万ドルのものが
予算に計上されておりまして、これは実際にはいろいろな品目に使われました。品目別に申上げますと、実際一—三で
許可になりました大きなものは羊毛の九百六十万ドル、原綿が八百六十万ドル、米が八百七十万ドル、大豆が五百二十万ドル、生ゴムが四百十万ドルとい
つたような結果でございます。—更に詳細なことにつきましては、後で若し御希望がございましたら御
説明いたします。それから四月から六月の
予算で申上げますと、
最初に貨物の
輸入に見積られました
予算が一億四千四百万ドルでございまして、そのうち
米ドルのものは四千百万ドル、それからスターリング、英ポンドが一千七百万ドル、それからオープン・アカウント、つまり清算
協定のものは三千三百万ドル、それからその他の
予算が五千三百万ドル、
合計いたしまして一億四千四百万ドルでございます。その後四—六の
期間中に幾多の
予算変更がございまして、結局最後の
予算としてでき上りましたものは
米ドルにいたしまして七千二百万ドル、英ポンドとして四千八百万、オープン・アカウントとして五千百万ドル、それからその他が百三百万ドルで、
合計一億八千四百万ドルという
数字に
予算が増加されました。この大きな
理由といたしましては四—六の
予算を
実行しております途中におきまして、一月—三月の
予算が先刻御
説明申上げましたように、非常に
実施が少なか
つたということが分
つて参りましたのと、それからポンドが一—三の
終り頃に非常に
資金が窮屈になりまして、ポンドの
輸入を全面的に二月以降止めておりましたのを、四月以降になりましてポンド
資金ができましたために、これを大幅に増加した、つまり十七百万ドルに対して四千八百万ドル、三倍に近い増加をいたしました。そういう事情で現
予算の一億四千四百万ドルに対しまして一億八千四百万ドルという
金額に変更したわけでございます。その結果発表いたしましたものは一億五千八百万ドル、
幣種別に申しますと、
米ドルは六千五百七十万ドル、ポンドは四千八百万ドル、オープン・アカウントが四千四百万ドル、
合計一億五千八百万ドル、これに対しまして実際に
許可いたしましたのが、六月末現在におきまして一億六百万ドルということにな
つておりました。ですから一億六百万ドルと言いますことは最後の一億八千万ドルに対しまして僅か五七%でありますが、これは実は四—六の
予算というものは七月一杯まで受付けておるわけでございます。四—六
予算の最後の
公表は六月の
終りにいたしましたのが少からずあります。それに対しては七月の
終りまで銀行で受付けるということにいたしておりますので、現に今日におきましても四—六
予算の
予算引当てを受付けております。
從つて六月末の
数字は僅かに一億六百万ドルでございますが、これは少なくとも一億五千万ドル
程度までは
輸入許可が発表されると私共は考えております。それで四—六の
期間中に
輸入許可をいたしました主な商品について申上げますと、米が二千七百万ドル、九十万トン、原綿が二千万ドル、砂糖が千八百万ドル、生コム九百八十万ドル、原毛が六百七十万ドル、コプラ五百万ドル、鉄鉱石四百万ドル、サルフアイトパルプが三百八十万ドル、石炭が三百五十万ドル、それからレーヨンパルプが二百八十万ドル。品目別に申上げますと、四—六で
輸入許可を出しました主な物はこうい
つたものであります。
以上で
外貨予算の
実施状況の大体の御
説明を
終ります。