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1950-07-31 第8回国会 参議院 本会議 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月三十一日(月曜日)    午前十時三十六分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第十一号   昭和二十五年七月三十一日    午前十時  第一 地方税法案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第二 土地家屋調査士法案衆議院提出)(委員長報告)  第三 土地台帳法等の一部を改正する法律案(内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第四 災害救助法の一部を改正する法律案(内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第五 飲食営業臨時規整法の一部を改正する法律案(衆議院提出)(委員長報告)  第六 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、検疫所の設置に関し承認を求めるの件(衆議院送付)(委員長報告)  第七 全国国立大学附属学校教官恩給増額に関する請願(委員長報告)  第八 傷い恩給改正に関する請願(委員長報告)  第九 地方税法案成立に関する請願(委員長報告)  第一〇 地方税法案成立促進に関する請願(四件)(委員長報告)  第一一 日本勧業銀行農村金融機関として機能整備に関する請願(委員長報告)  第一二 大蔵省預金部資金地方還元に関する請願(委員長報告)  第一三 白河市に常陽銀行支店設置の請願(委員長報告)  第一四 課税の適正化等に関する請願(委員長報告)  第一五 国民金融公庫の融資に関する請願(委員長報告)  第一六 勤労学生の所得中一部所得税免除に関する請願(四件)(委員長報告)  第一七 接收資産に関する再評価の時期延長の請願(委員長報告)  第一八 山林資産の評価に関する請願(委員長報告)  第一九 織物の消費税およびメリヤスの物品税廃止に伴う特別措置の請願(委員長報告)  第二〇 彫刻課税軽減に関する請願(委員長報告)  第二一 衣服用はけおよび頭髪用はけ物品税撤廃に関する請願(委員長報告)  第二二 陶磁器の物品税撤廃に関する請願(委員長報告)  第二三 運動用品の物品税撤廃に関する請願(委員長報告)  第二四 板紙の物品税撤廃に関する請願(委員長報告)  第二五 果実エツセンス物品税撤廃に関する請願(委員長報告)  第二六 ラジオ受信機等物品税減免に関する請願(委員長報告)  第二七 化粧品の物品税撤廃に関する請願(委員長報告)  第二八 袋物類の物品税撤廃に関する請願(委員長報告)  第二九 マツチの物品税撤廃に関する請願(委員長報告)  第三〇 水あめ、ぶどう糖の物品税全廃に関する請願(二件)(委員長報告)  第三一 日本銀行盛岡事務所を支店に昇格の請願(委員長報告)  第三二 国民金融公庫法中一部改正に関する請願(委員長報告)  第三三 輸出長期金融制度確立に関する請願(委員長報告)  第三四 酒税引下げ等に関する請願(四十五件)(委員長報告)  第三五 揮発油税軽減に関する請願(三十一件)(委員長報告)  第三六 新制大学農学部総合農学科設置の請願(委員長報告)  第三七 標準教育費法制定等に関する請願(委員長報告)  第三八 標準教育書法制定に関する請願(九件)(委員長報告)  第三九 宮崎県川南村開拓者の欠食兒童救済に関する請願(委員長報告)  第四〇 六・三制校舎整備費国庫補助増額に関する請願(四件)(委員長報告)  第四一 旧制高等師範学校および師範学校附属学校新制大学附属学校に切替の請願(委員長報告)  第四二 教育公務員特例法第十四條第一項改正に関する請願(委員長報告)  第四三 職業教育法制定に関する請願(委員長報告)  第四四 六・三制校舎整備費国庫補助増額等に関する請願(委員長報告)  第四五 新制中学校教育施設整備に関する請願(委員長報告)  第四六 六・三制校舎整備費国庫補助増額および標準教育費法制定に関する請願(三件)(委員長報告)  第四七 公民館に対する国庫補助増額等の請願(委員長報告)  第四八 国立長崎大学夜間部設置の請願(委員長報告)  第四九 教育功労者の表彰に関する請願(委員長報告)  第五〇 岩手県姉体中学校建築費国庫補助等に関する請願(委員長報告)  第五一 厚生年金法障害年金支給に関する請願(委員長報告)  第五二 未亡人、寡婦に年金支給の請願(委員長報告)  第五三 外地引揚歯科医師国内歯科医師免許の請願(二件)(委員長報告)  第五四 引揚医師の国家試験受験回数制限緩和に関する請願(委員長報告)  第五五 外地引揚歯科医師国内歯科医師免許等の請願(委員長報告)  第五六 国立徳島療養所医師の増員等に関する請願(委員長報告)  第五七 戰争犠牲者遺族の援護強化に関する請願(二件)(委員長報告)  第五八 日南海岸一帯国立公園に指定の請願(委員長報告)  第五九 福島県藤田町に二町六箇村組合立隔離病舎設置の請願(委員長報告)  第六〇 三陸海岸を国立公園に指定の請願(委員長報告)  第六一 岩手山、八幡平一帶の山岳高原地帯国立公園に指定の請願(委員長報告)  第六二 国民健康保険制度改善に関する請願(委員長報告)  第六三 国立栃木病院敷地買上げに関する請願(委員長報告)  第六四 兒童福祉法中一部改正に関する請願(委員長報告)  第六五 母子福祉対策強化に関する請願(委員長報告)  第六六 覚せい剤販売禁止および製造取締強化に関する請願(委員長報告)  第六七 社会福祉事業強化拡充に関する請願(委員長報告)  第六八 温泉法中一部改正に関する請願(委員長報告)  第六九 外地引揚歯科医師国内歯科医師免許特例制定の請願(委員長報告)  第七〇 近畿地区結核コロニー建設に関する請願(委員長報告)  第七一 青少年禁酒法制定に関する請願(委員長報告)  第七二 高知県内国有林野一部拂下げに関する請願(委員長報告)  第七三 菓子用砂糖割当増加に関する請願(委員長報告)  第七四 金肥の値下げに関する請願(委員長報告)  第七五 家畜の価格保証に関する請願(委員長報告)  第七六 農産物の価格引上げに関する請願(委員長報告)  第七七 福島県佐倉村内国有林野拂下げに関する請願(委員長報告)  第七八 国有林野所在町村への国庫交付金増額に関する請願(委員長報告)  第七九 鹿児島県内農地災害復旧工事費国庫補助に関する請願(委員長報告)  第八〇 輸出ゆり根振興対策に関す請願(二件)(委員長報告)  第八一 麦類検査等級増設に関する請願(委員長報告)  第八二 農地等の交換分合に関する国庫補助増額の請願(委員長報告)  第八三 土地改良事業費国庫補助増額に関する請願(委員長報告)  第八四 国有牧野所属換予算に関する請願(委員長報告)  第八五 宮崎県災害復旧耕地事業費国庫補助増額等に関する請願(委員長報告)  第八六 福島県西白河郡耕地等災害復旧対策に関する請願(委員長報告)  第八七 農業緊急対策に関する請願、(委員長報告)  第八八 粘土客土による土地改良事業施行の請願(委員長報告)  第八九 水害耕地応急対策費国庫補助に関する請願(委員長報告)  第九〇 食糧配給公団の廃止に伴うパンの製造および配給機構確立に関する請願(委員長報告)  第九一 岩手県内国有牧野解放に関する請願(委員長報告)  第九二 山王海農業水利改良事業促進に関する請願(委員長報告)  第九三 豊沢川農業水利改良事業促進に関する請願(委員長報告)  第九四 国内食糧自給体制確立に関する請願(委員長報告)  第九五 早場米奨励金制度存続等に関する請願(委員長報告)  第九六 農村振興基本方針樹立に関する請願(委員長報告)  第九七 愛媛県南予地区農業特異性抜本的解決に関する請願(委員長報告)  第九八 農地改革に伴う事務処理費国庫補助増額等の請願(委員長報告)  第九九 木炭対策金融措置に関する請願(委員長報告)  第一〇〇 農林省東北地域農業試験場拡充に関する請願(委員長報告)  第一〇一 土地改良事業に対する国庫補助等の請願(委員長報告)  第一〇二 北海道の酸性土壌改良事業助成に関する請願(委員長報告)  第一〇三 北海道の耕土改良事業助成に関する請願(委員長報告)  第一〇四 農村金融対策確立に関する請願(委員長報告)  第一〇五 肥料金融対策に関する請願(委員長報告)  第一〇六 水害耕地復旧事業費国庫補助増額等に関する請願(委員長報告)  第一〇七 団体営小規模土地改良事業費国庫補助増額に関する請願(委員長報告)  第一〇八 肥料価格に関する請願(委員長報告)  第一〇九 福島県牧本村内旧農家に国有林解放の請願(委員長報告)  第一一〇 農業災害補償法中一部改正に関する請願(委員長報告)  第一一一 羽幌漁港修築工事促進に関する請願(委員長報告)  第一一二 呉港周辺沈沒艦船引揚解体に伴う被害漁民に対する補償の請願(委員長報告)  第一一三 長部漁港修築に関する請願(委員長報告)  第一一四 天売漁港修築拡張に関する請願(委員長報告)  第一一五 北海道香深村に北方新魚田開発策源地としての諸施設促進の請願(委員長報告)  第一一六 香深漁港修築工事促進に関する請願(委員長報告)  第一一七 小伊津漁港修築に関する請願(委員長報告)  第一一八 戰乱により損害を受けた漁船に対する損害てん補実施の請願(委員長報告)  第一一九 漁船保険事業拡充強化に関する請願(二件)(委員長報告)  第一二〇 水産金融応急対策樹立に関する請願(委員長報告)  第一二一 水産金融対策確立に関する請願(委員長報告)  第一二二 有明海漁業調整事務局設置に関する請願(委員長報告)  第一二三 岩手県小浜漁港船だまり設備工事施行に関する請願(委員長報告)  第一二四 漁港修築予算増額等に関する請願(委員長報告)  第一二五 宮下、川口間に鉄道敷設の請願(委員長報告)  第一二六 大宮、仙台両駅間鉄道電化に関する請願(委員長報告)  第一二七 郡山市に測候所設置の請願(委員長報告)  第一二八 北海道港湾修築費負担に関する特例法制定の請願(委員長報告)  第一二九 朱鞠内、羽幌両駅間鉄道敷設に関する請願(委員長報告)  第一三〇 築別、遠別両駅間鉄道敷設促進に関する請願(委員長報告)  第一三一 千葉、銚子両駅間の輸送増強に関する請願(委員長報告)  第一三二 西若松駅東口待合室拡張に関する請願(委員長報告)  第一三三 東北本線西郷信号場を駅に昇格するの請願(二件)(委員長報告)  第一三四 白棚鉄道線の復活に関する請願(二件)(委員長報告)  第一三五 白河市・棚倉町間国営自動車運輸路線の延長拡充に関する請願(委員長報告)  第一三六 荒海駅、滝の原間に鉄道敷設促進の請願(二件)(委員長報告)  第一三七 日本国有鉄道法中一部改正に関する請願(三件)(委員長報告)  第一三八 湯本駅にこ線人道橋架設等に関する請願(委員長報告)  第一三九 東北本線貝田信号場を旅客駅に昇格の請願(委員長報告)  第一四〇 川東、谷田川両駅間に小塩江停車場設置の請願(委員長報告)  第一四一 岩内、黒松内両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)  第一四二 宇都宮市に鉄道管理局設置の請願(委員長報告)  第一四三 福島県石川、棚倉両町間に国営バス運輸開始の請願(委員長報告)  第一四四 陸中黒崎に燈台設置の請願(委員長報告)  第一四五 宮古、久慈両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)  第一四六 三浦半島観音崎国際観光ホテルに対する見返り資金の融資の請願(委員長報告)  第一四七 石川県羽咋町、富山県氷見町間に鉄道敷設の請願(委員長報告)  第一四八 白河、仙台両駅間鉄道電化に関する請願(委員長報告)  第一四九 赤穂線敷設促進に関する請願(三件)(委員長報告)  第一五〇 都井岬を主局とする無線標識施設実現に関する請願(委員長報告)  第一五一 野岩羽鉄道線中一部路線敷設変更等に関する請願(委員長報告)  第一五二 志佐、吉井両駅間に鉄道敷設促進の請願(委員長報告)  第一五三 深浦港修築に関する請願(委員長報告)  第一五四 機帆船燃料油増量に関する請願(委員長報告)  第一五五 銚子名洗避難港築設に関する請願(委員長報告)  第一五六 岩切、品井沼両駅間の山手線存置に関する請願(委員長報告)  第一五七 知頭、上郡両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)  第一五八 日南市油津海上保安部無線通信所設置の請願(委員長報告)  第一五九 雫石・生保両駅間鉄道完通に関する請願(委員長報告)  第一六〇 積雪寒冷地帯の未開発地域鉄道敷設特別措置の請願(委員長報告)  第一六一 三陸沿岸鉄道敷設促進に関する請願(二件)(委員長報告)  第一六二 日詰、古館両瞬間に簡易停留所設置の請願(委員長報告)  第一六三 澁川、上田両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)  第一六四 急行列車の一本を神戸始発とするの請願(委員長報告)  第一六五 甲府市に鉄道管理局設置の請願(委員長報告)  第一六六 北海道花咲燈台霧信号設置の請願(委員長報告)  第一六七 尼崎港改修工事促進に関する請願(委員長報告)  第一六八 湯沢、羽後矢島両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)  第一六九 尼崎港に臨港鉄道敷設促進の請願(委員長報告)  第一七〇 下関市に鉄道管理局設置の請願(委員長報告)  第一七一 簡易生命保險および郵便年金積立金運用再開に関する請願(十六件)(委員長報告)  第一七二 滑川改修工事促進に関する請願(二件)(委員長報告)  第一七三 苫小牧市、石狩町間に内陸運河開さく等の請願(委員長報告)  第一七四 静岡県磐田外二郡の災害復旧事業施行に関する請願(委員長報告)  第一七五 栃木県落合村内砂防工事促進に関する請願(委員長報告)  第一七六 天龍川水害対策樹立に関する請願(委員長報告)  第一七七 釣川改修工事施行に関する請願(委員長報告)  第一七八 島崎土尻地区沿岸防災工事促進に関する請願(委員長報告)  第一七九 杉田川改修工事施行に関する請願(委員長報告)  第一八〇 江花川改修工事施行に関する請願(委員長報告)  第一八一 南会津街道開通促進に関する請願(委員長報告)  第一八二 北海道朱鞠内羽幌原野間道路開さくに関する請願(委員長報告)  第一八三 北海道築別、正修間道路開さくに関する請願(委員長報告)  第一八四 鹿兒島県恒吉町村道炭床割子田線改修工事費国庫補助に関する請願(委員長報告)  第一八五 浜松市特別都市計画事業年度繰上げ施行に関する請願(委員長報告)  第一八六 千保川改修工事促進に関する請願(委員長報告)  第一八七 国分川改修工事施行に関する請願(委員長報告)  第一八八 阿武隈川下流改修工事促進に関する請願(委員長報告)  第一八九 最上川中流および支流改修工事施行に関する請願(委員長報告)  第一九〇 福島県海岸浸しよく防止工事施行に関する請願(委員長報告)  第一九一 天塩、安平志内両河川の災害復旧工事施行に関する請願(委員長報告)  第一九二 災害土木復旧事業費国庫補助増額に関する請願(委員長報告)  第一九三 北上川上流改修工事促進に関する請願(委員長報告)  第一九四 岩崎川砂防工事継続施行に関する請願(委員長報告)  第一九五 災害防除施設費国庫補助増額に関する請願(二件)(委員長報告)  第一九六 北上川治水および災害復旧事業予算増額等に関する請  願(委員長報告)  第一九七 国道第十一号線中一部改修工事施行に関する請願(委員長報告)  第一九八 国道第十八号線改良工事施行に関する請願(二件)(委員長報告)  第一九九 熊本県本渡町の失業対策事業として川原、大矢崎路線認可の請願(二件)(委員長報告)  第二〇〇 別府、長崎両市間国際観光道路予定線の支線追加に関する請願(委員長報告)  第二〇一 東北地方東海岸国道設定等に関する請願(委員長報告)  第二〇二 国道第二号線中一部改修工事促進に関する請願(委員長報告)  第二〇三 国道第二十号線中一部改修工事施行に関する請願(委員長報告)  第二〇四 国道第二号線中船坂峠改修に関する請願(委員長報告)  第二〇五 山口県長門峡水力発電所新設等に関する請願(委員長報告)  第二〇六 農業用かんがい排水機電力料金助成に関する請願(委員長報告)  第二〇七 岩手山ろく電源開発事業促進に関する請願(委員長報告)  第二〇八 農業用かんがい排水機電力料金軽減等に関する請願(委員長報告)  第二〇九 長崎県離島の電力増強に見返資金融資等の請願(委員長報告)  第二一〇 特別未帰還者給與法中一部改正等に関する請願(委員長報告)  第二一一 引揚者收容施設に充当のため国有財産地方公共団体に無償讓與の請願(委員長報告)  第二一二 在外同胞引揚促進等に関する請願(委員長報告)  第二一三 在外同胞引揚促進に関する請願(二件)(委員長報告)  第二一四 ソ連、中共両地区残留胞引揚促進に関する請願(委員長報告)  第二一五 在外同胞留守家族待遇改善に関する請願(委員長報告)  第二一六 地方税法案成立に関する陳情(委員長報告)  第二一七 標準教育費法制定に関する陳情(四件)(委員長報告)  第二一八 六・三制校舎整備費国庫補助増額等に関する陳情(三件)(委員長報告)  第二一九 農業教育振興に関する陳情(委員長報告)  第二二〇 国民健康保險制度改善に関する陳情(委員長報告)  第二二一 農業協同組合急救融資に関する陳情(委員長報告)  第二二二 早場米供出奨励金制度等の存続に関する陳情(委員長報告)  第二二三 群馬県のひよう害対策に関する陳情(委員長報告)  第二二四 鹿児島県志布志町大野原地区開拓に関する陳情(委員長報告)  第二二五 鹿兒島県野井倉地区農業水利改良事業促進に関する陳情(委員長報告)  第二二六 鹿兒島枇榔島えさ雑魚等蓄養場等施設の陳情(委員長報告)  第二二七 旧水産業会の赤字に対し長期低利資金融資の陳情(委員長報告)  第二二八 北海道天売島霧笛装置燈台建設の陳情(委員長報告)  第二二九 北海道港湾修築費全額国庫補助に関する陳情(委員長報告)  第二三〇 飯田線の管轄に関する陳情(委員長報告)  第二三一 長野、甲府両駅間の中小区間鉄道電化に関する陳情(委員長報告)  第二三三 大糸線全通促進に関する陳情(委員長報告)  第二三三 三江鉄道および広浜鉄道敷設促進に関する陳情(委員長報告)  第二三四 志布志港修築工事促進に関する陳情(委員長報告)  第二三五 小名浜港を重要港湾に指定の陳情(委員長報告)  第二三六 加古川線大阪鉄道管理局所管に編入の陳情(委員長報告)  第二三七 地盤沈下対策樹立上根本原因究明調査に関する陳情(委員長報告)  第二三八 福島県相馬外二郡の海岸浸しよく防止に関する陳情(委員長報告)  第二三九 北上川筋明治橋下流左右岸堤防新設に関する陳情(委員長報告)  第二四〇 時局急変による経済対策の陳情(委員長報告)  第二四一 島根県吾郷村に明塚発電所建設促進の陳情(委員長報告)     —————————————
  2. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。      —————・—————
  3. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。  日程第一、地方税法案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長報告を求めます。地方行政委員長岡本愛祐君。    〔岡本愛祐君登壇、拍手〕
  4. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 只今上程されました地方税法案について、地方行政委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  今次政府提出地方税法案趣旨及び内容は、先に第七国会に提出された地方税法案のそれとほぼ同様でありまして、政府シヤウプ博士勧告書に基き、国税及び地方税を通ずる我が国租税制度の画期的な改革の半面としてこれを提出し、附加価値税市町村民税及び固定資産税の三大新税を創設し、且つ道府県税体系市町村税体系とを分離する等により、地方税制自主性を強化し、且つ地方税收入を拡充し、以て民主政治基盤たる地方自治の根基を培い、併せて地方税負担合理化及び均衡を確保せんとするものであります。先に第七回国会に提出された地方税法案は当参議院において否決となり、両院協議会の議もまとまらず、遂に不成立となつたのでありますが、併し地方税制を今のままに長く放置して置くことができませんので、政府は前国会における論議に鑑み、且つ法案成立の遅延に伴う若干の修正を施して再び提案したのであります。  以下その趣旨及び内容を要約して申述べますと、  第一には、財産税重課流通課税整理消費課税減少軽減所得課税増加事業課税軽減、雑税の整理等を行い、地方税全般亘つてその負担合理化均等化を徹底せんとするものであります。  第二に、課税標準税率等に関する地方団体権限を拡充して、地方税制自立性を強化すると共に、道府県税市町村税とを完全に分離し、以て税務行政の責任の帰属を明確にせんとするものであります。これによつて道府県税としたものは、普通税附加価値税入場税遊興飲食税自動車税鉱区税漁業権税及び狩猟者税の七種目目的税水利地益税であり、市町村税としたものは、普通税市町村民税固定資産税自転車税荷車税電気ガス税鉱産税木材引取税広告税入湯税及び接客人税の十種目であり、目的税水利地益税及び共同施設税であります。  第三には、有力なる直接税を市町村税として、住民市町村行政に対する関心の増大を求め、且つ税收入を約四百億円増加し、以て先に創設された地方財政平衡交付金制度災害復旧費全額国庫負担制度と相待つて地方財源を豊かにし、地方自治基盤を培うと共に、民主政治の推進を期するものであります。  第四は、特別徴收に関する規定を整備すること、納税秩序を強化すること等により、税收入確保の方途を講ぜんとするものであります。  第五は、税率を各税目に亘つて明確に規定することにより、地域間における地方税負担衡平化を期するものであります。  更に政府は前法案に次のごとき修正を加えております。  先ず第一点は附加価値税施行延期であります。その理由とするところは、転嫁性税種たる本税について、半年以上も遡つて実施することは不穏当であるのと、本税実施の準備に万全を期する必要があるというのであります。そこで本税を昭和二十六年一月一日より施行することとし、それまでの間は、現行事業税及び特別所得税に対し、標準税率免税事業及び免税点に多少の修正を加えて存置することとするのであります。即ち附加価値税の場合と同様、農業、林業、鉱業の掘採及び砂鉱採取等事業水産畜産等原始産業中、主として自家労力によつて行うものについては、事業税及び特別所得税を非課税とし、税率を本税及び附加税合計額の二割減とし、免税点現行の四千八百円から二万五千円に引上げるのであります。  第二点は、市町村民税について、本法案成立が遅延したことに伴い、その賦課期日及び納期修正し、  第三点は、固定資産税について税率を百分の一・七五から一・七〇に引下げ、又納期免税点等修正を加うるの外、昭和二十五年度分に限り、その收入見込額が大体予定するところの五百二十億円となるよう、昭和二十六年一月中に百分の一・七の税率を変更する権限地方財政委員会に認めたこと、及び昭和二十五年度分償却資産に対する固定資産税は、仮決定課税標準によつて一応納付せしめ置き、正式決定課税標準により税額を再計算し、その差額を昭和二十六年十二月中に追徴還付又は充当せしめるという点であります。  外に、今回の提案は、地方税法改正に即応するため、地方財政法の一部に改正を加えんとするのであります。即ち地方公共団体寄附金住民に割当てて強制的に徴收するようなことをしてはならないこととし、及び地方団体が公共事業費の財源を地方債に求めることができる場合の條件を緩和して、従来地方公共団体標準税率の十二割以上の課税をしておる場合に限つていたのを、標準税率課税しておれば地方債を起すことができるものとした点であります。  以上の措置によりまして昭和二十五年度において地方団体が收入することのできる税額は千九百八億円となる見込でありまして、昭和二十四年度千五百二十四億円と比較しますと三百八十四億円の増税になります。この政府提出法案は更に衆議院において修正せられ、七月二十二日、本院に送付せられました。衆議院における主要なる修正点は、附加価値税施行を更に一年延期して昭和二十七年一月一日と改めること及び固定資産税税率百分の一・七を更に百分の一・六に引下げることであります。  本法案は七月十二日国会に提出せられ、同日予備審査のため地方行政委員会に付託となり、同二十二日、本審査となりましたが、委員会といたしましては、本法案が国民経済の隆替、地方住民の生活に重大なる影響を及ぼすのに鑑み、愼重に審議に当り、七月二十二日公聽会を開いて国民の輿論に聞き、又各方面から議長又は委員長に提出された請願陳情を審査し、又運輸、水産、農林の各委員会から提出された要望書を検討し、更に政府当局に多くの資料の提出を求めてこれを検討し、委員会を開催すること十三回、大蔵、予算、通商産業、農林、水産、運輸の各委員会との連合委員会を開催すること四回、最善の審議を盡したのであります。この間、各委員から重要なる多くの質疑がありました。吉田内閣総理大臣、岡野国務大臣、池田大蔵大臣、天野文部大臣その他政府委員から応答があつたのでありますが、その詳細は速記録によつて御承知を願うこととし、ここには質疑の主なるもの数項を御報告申上げます。  先ず一般的質問として、地方財政の歳出面に再検訂を加え、これに基いて国庫負担額、地方費補助率等の適正を期し、地方自治体の自主的活動を促進する措置を講ずる意思はないか、又中央集権的行政運営のため、何事も中共と交渉するのでなければ、その解決ができない状態であり、又国と各地方自治体との間に事務の分配が明瞭でないため、自治体の困難堪え難きものがあるから、速かに改善を図る意思がないかとの質問に対し、吉田総理大臣は、教育、厚生等の面においては特に一定の原則を確立し、国の財政事情とも勘案し、国庫負担、地方補助の適正を期したく、又積年の弊とも言うべき中央集権の諸制度は、昨年以来漸次緩和しつつあるが、ただ中央地方の行政機構の改廃は軽々しく行うべきでないから、地方行政調査委員会議において案を練り、又政党の助力によつて成案を得、国会の協力を得たいと考えているとの答弁がありました。固定資産税について、政府の当初の提出法案によれば、固定資産税税率は一・七五%であつたが、今回政府案では一・七%となり、更に衆議院の修正により一・六となり、結局当初案に対し〇・一五%の減率となつたのに拘わらず、税收総額は当初の五百二十億に異動なしとせば、政府の見積りは確信なきものではないかとの質問に対し、日本の統計資料は不十分の点もあり、多少上廻ることも予想されたところであつた。衆議院においては上廻るということを十分に認め、税率を一・六%に修正されたものであり、政府としてもそれに従つた次第であるとの答弁がありました。更に二十五年度分固定資産税の收入見込額が五百二十億を相当に上廻り又は下廻ると認める場合においては、地方財政委員会規則でその收入見込額が概ね五百二十億円となるよう一・六%の税率を変更する旨の規定が追加せられたのであるが、この五百二十億円を相当上廻り又下廻るとは如何なる程度を指すかとの質問に対し、額において十五億円程度と考えているとの答弁がありました。又市町村民税は法人に対し均等割のみを課するため、それだけ個人の負担を重くする結果となり、改悪ではないかとの質問に対し、今回の法人に対する市町村民税課税方法は、いわゆる英米系統の考え方に従つたものであつて、法人は個人を離れては考えられないから、市町村民税については、個人本位の方法をとつたものであるという意味の答弁がありました。附加価値税免税点の九万円は低いではないかとの質問に対し、総売上金額に対する附加価値の割台は業種によつて異なるも、販売業のごときはその一〇%、製造業のごときは三〇%程度のものと思う、従つて九万円の附加価値は、これを総売上金額に直して見れば、販売業では九十万円、製造業では三十万円となる、いろいろ考え合せてこの程度を以て免税点としたとの答弁がありました。又本法案において地方財政法規定改正して、地方公共団体は、寄附金住民に割当て強制的に徴收するようなことをしてはならないことになつているが、地方団体だけでなく国に対しても同様の拘束を加うべきではないかとの質問に対しては、御尤もであるから、その趣旨に副うように考えたい旨の答弁がありました。又二十六年度予算編成方針決定の閣議において、災害復旧費の全額国庫負担は二十五年度を以て打切るべき旨が議せられたとのことであるが真僞如何、本件はシヤウプ勧告に基いて行われたものであつて、その期限を限定しない点から推測すれば、ただ二十五年度に限るべきでないように推察せらるるのであるが、大蔵大臣としてのこれに関する所見如何との質問に対し、池田大蔵大臣は、災害復旧費全額国庫負担の問題はシヤウプ勧告に基いて行われたものであるが、勧告後の検討によれば必ずしも実情に副わない点も考慮せられるので、一応二十五年度に限つて行うこととしたのである、従つて二十六年度以降は別途の方法を講ずべく考慮中である、近くシヤウプ博士も来朝せらるるにつき、篤と協議して最後的決定をなさんとするもので、未だ決定の段階には至つていない、尚一部地方負担とする場合におけるその財源は起債によらしめる考えであるとの答弁がありました。かくて質疑を終り、討論に入りましたところ、緑風会の西郷吉之助君、国民民主党の岩木哲夫君、自由党の堀末治君より原案賛成の意見の開陳があり、社会党の相馬助治君、第一クラブの石川清一君より反対の意見の開陳があり、討論終結し、採決の結果、賛成九人、反対五人でありまして、原案は可決すべきものと決定いたしました。右御報告申上げます。(拍手)
  5. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 本案に対して討論の通告がございます。これより順次発言を許します。中田吉雄君。    〔中田吉雄君登壇、拍手〕
  6. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私は日本社会党を代表いたしまして、本法案に対しまして反対の意見を開陳せんとするものであります。今回提案せられました法案の審議に当りまして、シヤウプ博士が日本の税制改革に対しまして適切なる勧告書を作成されるために拂われましたところの異常な努力と献身に対しましては、改めて満腔の敬意を表するものであります。更に勧告書に盛られましたところの高い識見と日本の実情に対しまする深い理解に対しましては、驚歎の念すら抱くものであります。併しながらシヤウプ博士も申されていますように、この勧告書を基としまして税の問題があらゆる角度から批判検討されることを歓迎されておることも又事実であります。我々はこの寛容なる態度に甘えまして、本法案を忌憚なく批判いたしまして、併せて反対の理由を述べなくてはならないのを誠に遺憾とするものであります。(「しつかりやれ、お互いに国民のためだ」と呼ぶ者あり)第一に本法案の立案に対しまする政府の基本的な態度についてであります。私はこの法案の審議を通じまして、吉田総理並びに関係大臣の答弁を通じまして、極めて自主性の乏しいことを知りまして、誠に遺憾に存じた次第であります。(拍手)本法案は第七国会において否決されまして、更にその後、国民の各層から澎湃として修正の意見が述べられておるにも拘わりませず、これを謙虚に聞きましてその筋に対しまして日本の実情をつぶさに訴えまして、現下の情勢に適する最善の案を作成する努力を試みずに、その筋の権威を以て、更に多数党の力を以て、更に他党に対しまする與党化工作によつて、この法案を一気に押切らんとされたことに対しましては、大自由党のためにも誠に惜しむものであります。(「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)勿論私は、我が国が太平洋戰争によつて世界の歴史の批判の許さないところの大きな過ちを犯しまして、今尚占領下にあるということを、その嚴粛な事実を忘れるものではありません。併しながら敗戰以来満五ケ年間を経過いたしまするにも拘わらず、今尚一地方税法案に対しましてすら我々がこの程度の自主権を持たないということは、これは單に日本民族の不幸であるばかりでなく、アメリカにとりましても私は不幸であろうと思うものであります。私は、このような状態が長く継続されまするならば、遂に日本民族の創造的な才能さえ失われるのではないかということを誠に憂えるものであります。(拍手)私は、地方自治の振興を目的とします本案のごときは、占領目的に違反しない限り、一定の大きな枠だけ設けまして、挙げて日本政府自主性に委ねられるような努力を政府に拂つて頂きたかつたのであります。そういうような努力が拂われなかつたために今尚大きな禍根を残しています問題は、学制改革があり、警察制度があります。私は、この法案が通過されました曉においては、前二者に優るとも劣らないような大きな問題を今後に残すことを予想するものであります。(拍手)これを歴史に徴しましても、民族の自由は手を拱いて與えられた例はありません。努力の中に我が物となつているわけであります。私は吉田内閣におかれまして、この国民の慟哭と悲願というものが、この法案に強く打ち込まれていない点を誠に遺憾とするものであります。第二に、政府の原案の修正に対する責任であります。政党内閣の本質からいたしまして、少くとも今回衆議院に提案されました政府原案は、政府のものであると共に、與党自由党の案であると思うわけであります。然るにも拘わらず、政府の提案に対しまして、六十七名の少数党の国民民主党の修正案に、二百八十六名の絶対多数を誇る吉田内閣の基盤であるところの自由党が賛成されたということは、一体どのように理解すべきでありましようか。これは国民民主党をも含めて国会の三分の二以上を含みますところの絶対多数の人が、吉田内閣に不信任の決議をいたしたと見ることもできるわけであります。(拍手)憲法の第六十九條によれば、衆議院におきまして、不信任の決議案が上程されまして、これが可決されるにおいては、内閣は十日以内に辞職しない限りは解散をしなくてはならないと規定しています。凡そ議会政治は責任政治であります。第七国会で廃案となり、今再び第八国会におきまして、吉田内閣の政府與党においてすら、このような修正が加えられたということは、一体どのように理解すべきでありましようか。衆議院におきまして二百八十六名という自由党の内閣は、日本の憲政史におきましても稀に見る絶対多数の内閣であります。この法案が完全なものでありまするならば、よし参議院におきまして多数党を持たれないにしても、確信を以て原案を押切らるべきであります。参議院はその特質からいたしまして、我々は徒らに野党なるが故に、良案であるにも拘わらず反対するというような態度は絶対とらないものであります。政府原案に対しまして、與党みずからこれを修正されまして括として顧みられないというような杜撰であればこそ、日本社会党は断乎として反対せざるを得ないわけであります。(拍手)  第三に、附加価値税の実施を延期いたしまして事業税を以てするところの政府原案は、零細なる個人企業者に対しまして著しく負担を増大いたします。我が党といたしましては、善後措置を伴わないところの修正のごときは全く改悪であると存じまして、反対するものであります。更に昭和二十五年度、未だ実施されないところの附加価値税を一年延期するというようなことは、全く欺瞞以外の何物でもないわけであります。附加価値税は誠に多くの欠点を持つています。併しながらただ一点、事業税におきまして、個人企業が不当に重く法人が極めて軽かつた従来の欠点を是正する長所があるわけであります。例えば昭和二十四年度の事業税におきましては、法人が一二・五%、個人が実に八七・五%を担税しておつたわけであります。然るに附加価値税が採用されますならば、法人が五二・五%、個人が四七・五%となりまして、その不均衡が非常に是正されるわけであります。我我は従つて附加価値税事業税に改めることには賛成するものでありますが、それによつて起るところの欠点を是正しますところの附帶的な修正が必要であると思うわけであります。シヤウプ勧告におきましても、若しこの重要なる勧告の一部分だけが排除されるというようなことがあつたら、他の部分はその結果、価値を減じ、場合によつては有害な修正となるということを申しております。従つて我々は附加価値税事業税に改めて、それによつて起ります弊害の救済手段を講じまして、初めてシヤウプ勧告の趣旨が全き意味において活かされるわけでございます。それには二万五千円の免税点を大幅に引上げることが必要であります。更に法七百四十八條には、二万五千円の免税点規定しておりますが、財政上必要がある際には免税点以下でも遠慮なしに徴税できるという、殆んど免税点規定を無視する但書が入れられております。我々はこの但書を除去するごとによつて、初めて事業税が新らしい時代にふさわしい形に生れ変るものと存じます。申すまでもなく、中小企業は我が国におきまする最も大きな産業であります。三十人未満の工場は全工場の九七%を占め、生産総額においても殆んど五〇%を占めております。それにも拘わりませず、中小企業に対しましては何らの対策がとられませず、集中生産の最大の被害者であります。然るにも拘わらず、今又このような重税が中小企業に課せられますならば、これは單に経済問題だけでなしに、重大なる社会問題を惹起するものであろうと存じます。我々は免税点引上げ、更に但書を除去する意味においてのみ、初めてこの事業税を是認するものであります。  更に第四番目に、固定資産税税率を百分の一・七を一・六に軽減するということは、全く欺瞞以外の何ものでもありません。それは○・一%を減税しますことによつて、大体三十億の減税になります。ところが法三百五十條の第二項の規定によりまして、予定の徴税額五百二十億円を十五億円下廻る場合は、直ちに財政委員会は税率を変更いたしまして、昭和二十六年の一月に予定の徴税額五百二十億円を取るということを規定しておるからであります。そこで我々といたしましては、このような税率を変更するという重大なる権限を委員会に委ねることには反対でありまして、国会にかけて税率を変更すべきであろうと存じます。更に取り過ぎたものに対しましては、償却資産に対しましてはこれを返還するようになつておりますが、我々といたしましては、その規定を土地家屋に対しましても適用されるような修正なしには、この案に賛成いたし難いのであります。  第五に、住民税における個人と法人、高額所得者と低額所得者の税負担が著しく不均衡になつた点であります。昭和二十四年におきましては、全体の住民税の一七%を法人が負担し、個人が八三%を負担いたしておりました。改正されました法律によつて法人は全体のたつた一・二%となりまして、個人が九八・八%となるわけであります。個人にありましては平均いたしまして二倍半以上の税になるわけでありますが、法人にありましては昭和二十四年の実に六分の一以下にも足りない事情になるわけであります。而も個人においても、低額所得者が非常に重く、高額所得者が軽くなるようになつていまして、この点は旧税に比較いたしまして聊かの改善の跡も見られません。かかる不均衡を生じましたゆえんのものは、個人の高額所得者と法人に軽くしたからであります。我が党といたしましては、個人の均等割を減じますと共に、法人に対しましては、その資本金に段階を付けまして累進的な平等割を課すべきであると存ずるわけであります。これによつて法人と個人との不均衡が是正されると思うわけであります。  第六に、都道府県と市町村との財源の配分について多くの疑義を持つものであります。特に府県税におきましては事業税遊興飲食税入場税が三大税源であります。この三つの税源は景気変動に最も影響され易い安定性のない税源であります。特に事業税におきまして農業課税対象から除きました結果、農民は都道府県税を一銭も納めないという重大な結果になるわけであります。全国の府県の中には農林県が相当多いわけでありますが、県税におきまして全然一銭も納めぬということは、これは将来の県政運営上重大な問題であろうと存じます。特にそういう県におきましては、農村代表の県会議員が都市代表の県会議員よりかも遥かに多いわけであります。税は都市で取り、農村方面により多く使われるという傾向がとられまするならば、県政運営上重大な支障になると思うわけであります。この観点からいたしまして、私はシヤウプ勧告のこの税源の府県と市町村との配分は多くの問題を残すものであると思うわけであります。その観点からいたしまして、固定資産税を全面的に市町村に委譲することは今後検討を要する問題であると存じます。従来の地租家屋税を更に減額いたしまして、その分だけ事業税に切替えることによつて農民も府県税を拂うということも、一つの方式といたしまして将来の課題となろうかと存じます。更に償却資産におきまして、把握の困難な地域的にも極めて偏在しておるこの種の税種に対しましては、果して市町村税が適当であるかどうかは俄かに予断し難い問題であろうと存じます。  第七に、私はシヤウプ博士地方自治体の振興に関しまする考えに対しましては大いに敬意を表するものでありますが、シヤウプ博士の資本蓄積の考えに対しましては俄かに賛同することができないわけであります。シヤウプ勧告によりますところの税制改革は、ドツジ公使によりますところの経済安定九原則と共に、日本再建におきますところの表裏一体の関係をなしますところの一つの体系であります。言うまでもなくドツジ方式は、超均衡予算によりまして購買力を極度に抑制いたしまして、資本蓄積を強力になそうという方式であります。確かにこの方式によつて、大衆の負担によつてではありましたが、或る程度資本が蓄積され、生産が増大したことは、党派を超越いたしまして、これは率直に認めなくてはなりません。併しながら現在は重大なる経済不況に直面しています。そして現在の不況は生産が挙らないということによつて起るところの不況ではなしに、むしろ有効需要がこれに伴わないことによつて惹起された現象であります。そして有効需要の喚起なしには、資本の蓄積も、もはやでき難いという重大な段階に直面しています。正にドツジ方式は重大な転換の機迫れりと言うべきであります。このような時期におきまして、ドツジ方式を裏打ちいたしますところのシヤウプ理論が果して日本の財政経済の現段階に最適であるかどうかは、大いに疑問であろうと存じます。シャウプ理論は国税におきまして法人を極めて優遇しています。従来我が国は法人と株主に対しまして二重に課税していたものを、法人と株主は同一の担税主体であるという観点に立ちまして二重課税を避けています。併しながら二重課税の制度は、ヨーロッパ諸国はもとよりシヤウプ博士の故国であるアメリカ自身におきましても、一九三六年のニユーデイール政策以来これを採用しておるわけであります。又シヤウプ博士は国税から地方税に亘りました全部に通じまして高額所得者を極めて優遇いたしていますが、これは富裕税の創設を以ていたしましても是正することができません。併しながらこの方式が日本の現段階に適しますかどうかは大いに問題であります。生産を極度に高め、消費を極度に節約いたしまして、貿易第一主義をとりましたところのドツジ方式は躓きました。そして相手国に先ず購買力を與えまして、そして輸出を追つていたそうというローガン構想も、重大なる転換の機に直面いたしています。ドツジ並びにシヤウプ方式が成功裡に行われますためには、無限に広い海外市場があるということによつて初めて可能なわけであります。内は経済不況であり、海外市場は梗塞しておるというような現段階におきまして、果してシヤウプ理論が成功裡に遂行されるでありましようか。この経済不況を国際危機によつて打開しようとするような寒心すべき傾向が全くないとは言えないわけであります。このような時におきまして最も必要なことは、賃金べースを適当な水準にまで改正すること、米価を適当な水準に上げること、並びに地方に有力な財源を與えること等の一連の措置をとることが、最も日本の現在に適した状態であろうと思います。私はこれこそ最良な治安対策であろうと思うわけであります。第八番目に、シヤウプ勧告に基きますところの税制改革は、全体といたしまして相互連関の関係にあります。それが所期の目的を達しますためには、シヤウプ税制のよつて立つたところの前提條件が固く守られることが何よりも必要であります。然るに政府原案は、シヤウプ勧告よりも、平衡交付金百五十億減を初めといたしまして、三百十三億の国家から地方への援助を怠りまして、完全に勧告案を無視いたしております。かかる重大なる前提條件が破られまして、果してどうして地方財政の確立があり得ましよう。更に又それと相待ちまして、政府シヤウプ博士に提供されました基礎資料が十分であつたとは言えません。地方財政の需要が正しく測定把握されたでありましようか。決してされておりません。例えば国、府県、市町村と行政事務の再配分がなされまして、初めて地方自治団体の財政需要が決定するわけであります。然るに予算を決定いたしまして、今後の調査に待ちまして行政事務の再配分をいたそうということは、全く本末を顛倒したものであると言わなくてはなりません。又シヤウプ勧告が如何に無批判に受入れられているかということは、例えば電気ガス税であります。電気ガス税税率が百分の十となつておりまして、電気料金が課税対象になつております。ところが現在の電気料金の地域差は、北海道、中国、四国、九州の産業発展に重大なる影響がありますにも拘わらず、更にこれに対しまして百分の十の税率を課することによりまして、たださえ産業発展の障害になつておりますところの電気料金が、そのような地帶においてのみ非常に高くなるわけであります。シヤウプ博士の勧告がなされました昨年の八月には全国電気料金は單一でありました。然るに十二月十三日に政府の裁定によりまして電気料金に地域差ができたわけであります。そのような事態が殆んど本案には盛り込まれていないわけであります。我々が仔細に本法案を点検いたしまするならば、随所に誤謬があり、満身創痍ともいうべく、これを原形を止めない程度に改めない限り、地方自治の発展と振興に寄與し得ないものであると考えるものであります。(拍手)  第九に、本法は、本年度最終の徴税時期が時恰かも明年三四月に行われますところの知事、市町村長、公共団体の議会の議員の改選と重複するということについて十分な配慮がありません。明春の選挙は諸般の情勢からいたしまして極めて激烈であることが予想されるのであります。そのような際におきましては、知事、市町村長が、再選を狙います限り、徴税に手心を加えられることは火を見るよりも明らかであります。それは現在千二百億ありますところの国税の滞納が参議院選挙と極めて深い関係のあることを見れば明らかであります。かくて重大なる歳入減と地方財政の危機が招来されるのではないかということを私は危ぶむものであります。我々はその際最も憂慮いたしますことは、歳入欠陥の際におきまして、地方自治体の最大の予算費目でありますところの教育費に、挙げてその財政欠陥がしわ寄せされまして、日本再建の基盤でありますところの教育が重大な危機に直面するのではないかというのであります。(拍手)勿論我が党といたしましては、地方自治体の現状からいたしまして、今国会中に是非共、この法案を可決すべきであるという点においては、何ら異論がないものであります。併しながらそのことは、本法案が先に持つような欠点をそのままにして可決することを意味するものではありません。我が党といたしましては、政府と原案並びに修正案に対しまして持つところの欠点を最小限度に是正いたしまして、地方自治の振興に期したいと努力を傾注したわけであります。連日に亘りまするところの委員各位の質疑におきましても、更に又昨日委員会におきまして討論がなされました際におきましても、各派とも本法案に対しまして誠に痛烈完膚なきまで批判をなされたことを明らかに記憶するものであります。而して又この度の提案が第七国会政府原案と何ら差異がないにも拘わりませず、これが是正に努められずいたしまして通過するということは、政治道徳から考えましても又参議院の特質から考えましても、日本社会党は極めて遺憾とするところであります。(「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)我々は平和を愛する党といたしまして、日本の再建と地方自治の振興を荷う党といたしまして、本法案に反対せざるを得なかつたわけであります。反対理由を述べて一言御報告に代えるわけであります。(拍手)
  7. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 高橋進太郎君。    〔高橋進太郎君登壇、拍手〕
  8. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 私は自由党を代表いたしまして、只今地方行政委員長より報告のありました通り地方行政委員会において多数を以て可決になりました地方税法案に対して、賛成の意を表するものであります。(「宮城県が泣くぞ」と呼ぶものあり)本地方税法案については、前国会以来種々論議せられ、且つ今回の参議院議員の選挙に当つても国民の前に広く本法案を中心とする論議が展開せられ、従つて法案の企図するところについては今更くどくどしく申上げる必要がないと存じまするが、私は特に次の三点より本法案の特質を論究して賛成の意見を表明いたしたいと存ずるものであります。第一点は、本地方税法案地方自治の理念に合致するという点であります。終戰後、政治、行政各般に亘つて我が国の民主化が叫ばれており、これが基盤として地方自治の確立が要望せられ、新憲法においても特に地方自治に関する規定を設けておることは御承知の通りでございます。然るにこれが実態を見まするに、單にその首長たる知事又は市町村長が公選せられたという形のみで、地方自治団体は殆んど自主性がなく、依然として官治行政の補助的或いは従属的行政団体たるの域を脱し得ない状態にあるのであります。而してこれが対策については、出先機関の廃止或いは権限の地方委譲等はしばしば論議されており、漸次改善せられておるにも拘わらず、今尚見るべきものが少いのでありまするが、その最も大なる欠陥は、あらゆる施策の裏付けとなるべき地方財政が戰前のままに引継がれ、新事態に応ずべき地方財政の確立に関し何らの手が打たれていなかつたことに起因するものと存ずるものであります。即ち地方財政は、従来地租、家屋税、事業税等いわゆる三收益税を中心として一応体系付けられておつたにも拘わらず、終戰後インフレーシヨンによる経済的変動は、地租を中心とする税目の財源的価値を滅却し、地方税地方財源の僅か二〇%を賄う程度に過ぎざる現象となり、財源の大部分は中央よりの配付税又は補助金の交付或いは中央の許容にかかる起債等によつて賄われる状態であつて、財源的にこれを考察するならば、地方自治は名目だけであつて、その実体は中央に依存し隷属するの実情にあるのであります。加うるにその財政需要は、人件費、教育費等の負担増加、保健衛生施設の拡充、自治体警察、消防の創設、災害土木費等、殆んど義務的経費の計上を余儀なくせられ、総予算の二%乃至三%という僅かな数字が各地方地方の実情に応じ自主的に振向け得るに過ぎないという現状にあるのであります。このときに当つて、シヤウプ勧告案による本地方税法案は、地方の税体系を整え、従来の国税対地方税の比率約二〇%を五五%に引上げ、財源的には地方歳入見積の約五〇%程度の收入を確保して、その自主性を高むると共に、従来の煩瑣不明朗なる紐付補助金制度を整理して、平衡交付金制度に改め、以て地方財源確立のため光明の第一歩を投げ與えたることは、本法案の何よりも高く評価さるべきものと考うるものであります。次に、本法案地方自治自主性を尊重し、その運営に弾力性を持たしめたということであります。従来この種の立案は、ややもすれば法案自体において、細部に亘り、殆んど中央においてその形式権限等を規定し、地方団体はその自主性を持ち得ず、ただ法の施行者としてのみ規定せらるる場合が通例であつたにも拘わらず、本法案は課税率標準税率規定して税率に弾力性を持たしむるの外、法第六條においては、「地方団体は、公益上その他の事由に因り課税を不適当とする場合においては、課税をしないことができる。地方団体は、公益上その他の事由に因り必要がある場合においては、不均一の課税をすることができる。」と規定し、或いは第三百二十三條に「市町村長は、天災その他特別の事情がある場合において、市町村民税の減免を必要とすると認める者、貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者に限り、当該市町村の議会の議決を経て、市町村民税を減免することができる。」と規定するなど、常に地方の実体とその住民自主性を尊重して、本法案運営に当り彈力性を與え、地方自治の精神を活かし、地方住民の地方行政への熱意を尊重せんとせる規定の仕方は、従来のこの種立法に比較し一段の進歩であると言わねばなりません。(拍手)尚、本法案地方団体のうち、先ず市町村財政の確立にその重点を置いたということであります。従来我が国の行政機構上最も冷遇せられましたるものは、市町村、なかんずく町村であります。私は多年「村から日本の夜が明ける」とのモットーの下に、新らしい日本の再建は住民が身近に感知し得る町村行政の充実から始められねばならないと主張して参つたものであります。今回の地方税法案におきましては、この考え方が織り込まれ、府県に比較し、先ず市町村の財源確保にその重点を置いて、府県の税收入は従来よりもやや減少するにも拘わらず、市町村税收入は約三〇%程度増加することは、誠に適切なる措置であると言わねばなりません。第二点は、本法案はシヤウプ勧告に基く国及び地方を通ずる不可分の租税体系の一環であるということであります。今更申すまでもなく、本法案は先に可決せられ、目下実施中の国税と共に、不可分の一環としてシヤウプ使節団により勧告せられたるものであります。従つて法案は国税と不可分なる税体系の一環として運営実施せられて、初めてその企図する租税運営の妙味が発揮せられるものと存ずるものでありまして、この点より考えまするならば、本法案は国及び地方を通ずる一本の法案として立案せられるか、又は同時提案せらるるのが最も適当なる形式と思考せらるるものであつて、従つて今日の段階においては、ただ速かなる施行こそ最も望ましいものと存ずる次第であります。尚この意味におきましては、今回附加価値税の実施が更に一年延期せられましたのは、諸般の情勢上止むを得ざるものがあるとは言え、現行事業税が大企業その他法人に軽く、中小個人企業者に過重であるという現行事業税の欠陷は、附加価値税の実施を措いて他にこの不備打開の方法はないと信ずるものでありまして、この意味におきましては、日頃の御主張から鑑み、社会党の諸君がこの附加価値税に反対せられることば了解に苦しむものであります。(拍手、「ノーノー」と呼ぶ者あり)又税体系の整備からも、本税のみを切離して考えることは不合理でありまして、速かに諸般の準備を整え、本税の実施に遺憾なきを期すべきであると考えるのであります。第三点は、本法案は煩瑣複雑多岐なる従来の地方税目を整理し、明朗確実なる体系に整えたとう点であります。即ち従来地方税は地方々々において各種各様の税目が複雑多岐に亘つて施行せられ、地方税收入を誠に不明朗不確実にすると共に、住民をして誠に煩瑣な桎梏下に置いて参つたものでありまするが、今回の本法案実施により百数十種に及ぶこれらの税目は一掃せらるると共に、地方住民負担の癌とも言うべき租税類似の寄附金制度を廃止し、住民負担の明朗と確実を期したことは、アダム・スミス、ワグナー以来唱えられ来たつた租税の二大原則たる「確実の原則」並びに「便宜の原則」に適合するものということができるものと存ずる次第であります。以上の三点より本法案の特質を挙げ、賛成の意を表するものでありますが、更に個々の税目に亘つておのおの論究すべきであるとは存じますが、これらの点については前国会において我が党の堀議員より詳細論究せられておりますので、省略いたしたいと存じます。(「沢山だ」と呼ぶ者あり)以上を要約いたしますれば、本法案にも論議せらるべき若干の問題があることは事実でありましよう。(「知つてるのか」と呼ぶ者あり)併しながらその多くは国税との関連において論議せらるる問題であり、且つ地方自治の問題は、根本的には国と地方団体との事務の分配の問題、地方財政需要に対する再検討の問題、国及び地方を通ずる行政の簡素化の問題等と関連して考慮せらるべきものが多々あるのでありまして、これらの諸問題の審議と本案実施による実証的諸現象の検討と相待つて、改めて論議せらるべきものと考えるものであります。尚、税率、非課税対象等についても地方行政委員会等において相当論議せられましたが、これらの問題も、大部分は、地方団体が本法案運用に当り、地方的に具体的に解決し得る部分が相当あり得ると確信するものであります。これを要するに、現下二万に及ぶ都道府県市町村がその財政措置の空白状態を嘆き、一日も早く本法案成立により財政の確立を図り、以てその行政的、財政的安定感を得んことを希つており、その叫びに速かに応えるべきであると信ずるものであります。(拍手)以上を以て本法案に対する賛成の討論とするものであります。(拍手)
  9. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 石川清一君。    〔石川清一君登壇、拍手〕
  10. 石川清一

    石川清一君 私は第一クラブに属しておりますが、農民協同党という職能的な政党の立場から、只今議題となつておりまするところの、第七国会では本会議で否決され、更に過般の衆議院におきましては、政府自身が修正を加えられました上に、更に修正を加えました結核第三期症状的な本案に対しまして、反対の意見を申述べんとするものでございます。(拍手)法案全体に亘る反対につきましては、社会党から説明がございましたので、これを略しまして、概要を申上げまして、私自身前に申しました職能的な立場から、條文の三、四に亘りまして批判、反対をいたしたいと存じております。独占資本の経済支配を禁止されましたところの再建日本におきまして、国民経済はすべて理解と信頼に頼らなければ正しい発達は期せられないのでありまして、国内経済機構は一切を挙げて協同組織体によらなければ真に恒久的平和をかち得ないのであります。地方自治体を流れておりますところの自治、自律、自主の精神は、実にこの協同の精神でございまして、地方税法は、その基礎の確立、運営の強化を目的といたしましてこれを推進いたすものでなければなりません。不幸にいたしまして、本法案は、今日、日本におきますところの政治、経済、文化のため民主的役割を担わされておりますところの協同組合、更に事業体としてのジヤーナリスト、国民大衆と一体となつております有機的社会協同体としての新聞事業に対しまして、附加価値税固定資産税市町村民税を、若干の考慮を拂つたとは言え、重税を課せんとするものでありまして、我々の考えております民主化の本質に反するものを含んでおるものでありまして、この法案に基本的に反対をせざるを得ないのでございます。若しこの法案が通過いたしますれば、今日まで農村に、漁村に、山村に続けられて来ましたところのひたむきな民主的努力が失われ、再び昨今の東亜の情勢並びに自由党のとつております低米価、低賃金政策によりまして、封建的社会に逆戻りせんとする危険性を包蔵しておるため、地方自治体の混乱を来たし、地方自治体運営上の進展は阻害され、誠に憂うべき点が続出いたすのを懸念いたすものでございます。本法案の審議に当りましては、政府みずから表明いたしておりますように、今日は最上の案とは言うを得ないが、通過後誤まりを是正するに吝かでないと唱えておることにも、はつきり、この矛盾が示されておるのでありまして、勿論、結核第三期的症状の本法案に対しましては、各党各派から幾度かの修正意見が出され、これを討議されたのでありましたが、遂に切開手術するに至らず、本日議題に供されることと相成つたのであります。先ず第一は、附加価値税の一ケ年延期を更に一ケ年延期としたことであります。而も政府事業税廃止につきまして、その説明の中では、今日最も苦悶する中小企業者にとりましては、これ程、他に悪税はない、附加価値税が若し通過いたしましたとしましたならば、その課税の面からの重圧は除かれるであろうと言い、即ち負担軽減されるぞと、破産、倒産、さては自殺までしつつある中小企業者に福音のごとく唱えたのでありました。けれども、不幸にいたしまして逆に事業税の復活となり、本法案によりまして再び中小企業者は苦悶の経営を続けなければならんという状態に追込まれたのでございます。何故に二ケ年も先に実施する法案を無理して今日提出せねばならんかという政府の真意を汲むに苦しんでおるものでございます。固定資産税税率につきましても、一・七五から一・七に、更に一・七から一・六に、如何程に課税率を引下げましても、五百二十億の予定收入はびた一銭負けないというのがこの法案でございます。(「いい声だ」と呼ぶ者あり)今日までの課税は、搾れるだけ取るというのが常識でありましたけれども、財源、即ち課税の客体は無限に持つておるというのが政府のデータでございます。厖大な償却資産を有する企業体保護のために本法案が審議されるかの錯覚を国民に持たしておるのであります。科学的資料に基けと内外から要求されておる政府が、而も漫然としておるのは、かかる一面に魔術を有しておるからでありまして、その半面には、法を嚴しく解釈いたしますれば、法案に示すごとく、一・六と言うけれども、又一・七は必ず取つて見せるぞとも受取れるのでありまして、国民を瞞着するにも程々にしなければならんと存ずる次第でございます。而もその法案税率決定については、昭和二十六年一月に税率決定地方財政委員会に委任立法の形式をとつておるのでありまして、国会には一回の報告のみでありまして、真に国会はあつてなきがごとき感がいたすのでございます。改正所得税法、附加価値税固定資産税市町村民税のシヤウプ勧告に基く税制の確立は、遂に政府の出したデータの欠陥からその根本を暴露いたしたのでございます。併し世間体でか、或いは良心的で言うのかは分りませんが、輿論の批判と科学的な研究に従つて、いつ何時改正するにも吝かでないというのであります。真に改正覚悟で通そうとするのが本案でありまして、正に結核性三期の症状をこれ以上露呈したものはございません。(「三期ばかり言つている」「農民代表頑張れ」「大したものだ第一クラブ」と呼ぶ者あり)私は日本民主化と恒久平和と民心安定のために、農業、漁業、生活等、一連の協同組合の事業並びに資産の課税に反対を申上げます。本件に関しましては、基本的に反対申すばかりでなく、現在置かれております農民の経済的地位は、一時国民所得の面から見まして二九%前後でありましたのが、今日では二〇%以下に急激な変動を受けておるのでありまして、実に失業しないという程度が今日の農村の実態でございます。従いまして、その生産と生活とをみずから守るために、政府の農産物価格政策に縋ろうとすれば、米価は、昨年に例を取りましても四千二百五十円と何ら再生産を顧みない価格によつて一方的に決定され、土地改良、水利その他の増産施設は国から補助金を與えられず、自家労力は六千三百円ベースの三分の一にも達しないに拘わらず、課税はますます重圧を加えられ、その納入のため四苦八苦して遂に農業協同組合に仰ぐというのが今日の僞らざる農村の姿であります。かかる農民が自主的に営利を目的とせず設立されましたのが農業協同組合であります。農協法の第一條には、農民の協同組織の発達を促し、以て農業生産力の増進と農民の経済的、社会的地位の向上を図り、併せて国民経済の発展をするとあります。根本を流れております思想は組合員組合への奉仕でありまして、利潤を得ようとしているものでは絶対にありません。社会的責任において行う事業は、自然法人としての市町村よりも見ようによつては公益性を持つているのであります。組合の事業資金とその蓄積等、組合員同志の相互奉仕でありまして、その資産は共有でありまして、営利の手段では絶対ないのであります。今やドツジ・ラインの線に硝子張りの中で沿いまして、赤字組合は実に四割以上に達しておるのであります。現在のまま附加価値税を課するとすれば、單位組合約七億、連合会約三億、合計十億に達します。固定資産は帳簿価格で百二十余億円となつておりますが、現行税法では千六百万円のものが本税法の実施の一・六といたしましても二億円近いと計算されておりまして、農協は破滅せざるを得ないのでございます。この実情はそれぞれ各方面に是認され、同情をいたされておりますが、金融その他の危機打開の途は講ぜられておらないのでありまして、課税に反対せざるを得ないのであります。(拍手)一市町村に二ケ所以上の事務所を所有する組合も特に山村には著しく、課税対象は一村一ケ所と主張いたしまして、二ケ所以上は反対申上げます。ポツダム宣言に従つた農民解放令によりまして漸く経済的自由を與えられる第一段階として、農地が水田は賃貸価格の四十倍、畑は同じく四十八倍で最近登記手続がやや完了いたしました。経済的には惠まれないに拘わらず封建性社会から解放されるかの印象を持つた途端、その民主的な人権の平等の基盤を否定するごとく、更に四十倍の二二・五倍として即ち賃貸価格の九百倍の一・六の課税比率がその土地に固定資産税の名によつて課せられるのが本税でありまして、今日の農民に最高評価と一〇〇%の課税客体の把握と高率課税をして何が残るか。農業の破滅より外にございません。併し一般的に無学文盲、他に適職なき農民は、依然として土地に止まらざるを得ないのであります。自家労力を中心として経営する農業農業所得税につきましては、必要経費の項目、基準経費の算定、現物收入の見積う等が合理的適正に改正されるまで我々は要求を続け、我々国民の当然負担すべき負担は負わなければなりません。従つて固定資産税のうち、耕地につきましては、その合理的な收益力から見まして、七倍の線を強制供出の制度から考えて妥当と考えておるのでありまして、二二・五倍には反対を申上げます。この算定については一応異議の生ずる点もありまするので、仮に一歩を譲りまして、価格調整係数は如何なる場合でも二五を超えない線で農林省の行なつた調査に国債利廻の五・五%の資本還元を行なつても一二倍に達しないのであります。市町村民税の平均割は戸主のみといたしまして、その所得税額を課税標準とする標準税率は又只今申上げました所得税の合理的妥当な徴收と共に引下げられるべきであると思います。かかる強力な反対を主張し、若し改正されたといたしましても、農業の危機は救われるものではありません。勿論農村にとり囲まれている中小業者も農村と運命を同じくするものでありまして、この点、共通の反対点を有するものと思います。一日も早く我々はその貫徹を期しておるのであります。かくて、かかる自然條件の下にある地方自治体の運営の強化推進に対しまして、地方税法の面から見ます場合、先ず関係市町村民の協力理解が必要でありまして、これなくしては地方税法の運営は完璧を期せられないのであります。そのためには、税務機構の適正なる運営、特に新たに全国に六十億近き費用を以て整備される税務関係機関の吏僚の徹底的民主化が叫ばれているのであります。而して四百億と言われる準税金たる寄附金が理想的に皆無となり、必要なる文化施設が適時適地に建設せられる法案でなければなりません。併し今日までの審議の経過から見まして、政府が絶対多数を衆議院に擁しながら今日まで何ら旧税法を復活する等の処置を講ぜず、更に民主党案に同調する等は、みずから議会政治の責任を回避し、衆愚政治とのそしりを受け、再び独裁政治を生ましめる原因ともなります。いずれにいたしましても、現在とりつつある自由党政府の諸政策を以てしては常に国際国内諸情勢に対し後手々々でありまして、国民の批判と審判を避けようとする外、何ものもなしと我々は見ざるを得ないのでございます。今回地方税法実施の下に総計一千九百八億円の地方税收入予算のうち、五百二十億の固定資産税、五百七十五億の市町村民税、四百二十億の事業税等、更に平衡交附金一千五十億のうち暫定支出の状況等を勘案いたしまして、八月一日を期して完璧を期し難く、加えて一千億以上の国税の滞納、地方税の七十余パーセントの徴收率等、国民生活はますます窮乏化を示しまして、混乱の度を深めつつあります。更に明春行われる道府県知事、市町村長の改選など、地方自治体はまさに多忙を極めて参ります。かかる中で法に盛られた人権を無視するごとき嚴重なる罰則の適用、累増の傾向にありますところの豪雨による災害、而して危ぶまれる六・三制の責任実施、かくて、かかる諸種の諸問題を見まする場合、地方税法の実施前にこれらの問題を解決しなければ、到底完全なる実施はでき得ないことを申上げて置きます。農村の諸情勢、国内、国際間の客観的情勢に深く認識を改めて、特に瀕死の状態にある農村諸団体に対し経済的考慮を課税と共に携わるべきであると思います。私は以上の理由によりまして、変転激しき経済情勢を無視し、反対し続ける国民感情を度外視する原案に対しまして、山と積まれた反対の国民からの手紙の中に埋もれまして、国民生活の将来を思い、産業の復興を念じつつ、断乎反対の意思を表明して、私の討論を終ります。(拍手)
  11. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 竹中七郎君。    〔竹中七郎君登壇、拍手〕
  12. 竹中七郎

    ○竹中七郎君 私は国民民主党を代表いたしまして、委員長報告、衆議院修正地方税法案に対しまして、不満足ながら次の理由によりまして賛成をするものであります。(「反対せい」と呼ぶ者あり)一、シヤウプ博士が再び来朝せられました。博士はこの地方税法案を再検討せられるでありましようし、又我が党におきましても、博士に対しまして、我が国の現下の経済状態と国民負担の実情を詳細御説明申上げまして、前国会以来の修正案貫徹に努力する機会があるということであります。第二におきましては、国際情勢の緊迫いたしましたる現段階におきまして、地方税問題に関連しまして地方自治運営の混乱を来たすことは適当でないという点であるのであります。第三におきまして、我が党は種々なる草案を以ちまして努力いたしました。然るにその一部分しか修正ができなかつたのでありますが、本修正案は我が党の修正案でありまして、政府原案よりもベターである。こういう点におきまして賛成するものであります。我々は前国会におきまして、地方税法案には根本趣旨おきましては賛成である、併し現在の我が経済状態を考えまして、これは必ずしも適当であるかどうか、こういう点におきまして、このシヤウプ勧告に基く前地方税法案というものに対しまして、修正に努力したのであります。併しそれが不可能となりましたので、衆議院におきましても我々参議院におきましても反対をいたし、遂に否決に相成つたのでございます。この否決に対しまして、政府は野党の政略的意図が多分に盛られておると申されましたが、我々はさようではなく、国民の負担軽減地方自治体の徴税機構の充実のまだ及ばない点が沢山ある、時期尚早であるという点であつたのであります。この点の詳細につきましては、前国会におきまして岩木議員より縷々申述べましたのでありまして、私はここにその重複を避けまして省略いたしたいと思います。然るに本国会におきましては、第七国会提出議案に改訂を加えられまして提出されたのであります。これは先程からの委員長報告その他におきまして御承知の通りであります。我が民主党におきましては、この程度の修正でありましては、とても国民が納得できない。(「できない」「その通り」「反対せい」と呼ぶ者あり)我々の前回提出いたしました修正案を以ちまして努力したのでありますけれども、併し現在の我が国の立場を考えて御覧なさい。なかなかさようの意に任せない。よつて我我は附加価値税二年延期、固定資産税税率を百分の一・六ということにおいて達成ができたのであります。これは只今委員長が(「ごまかしだ」「やればやれるのだ」「元気がないぞ」と呼ぶ者あり)説明せられた通りの衆議院修正地方税法案であります。我々参議院の民主党といたしましては、衆議院におきまして党議で決せられましたものでありましても、我々二院制度の特徴を考えまして、よりベターなものができるならば、それは直さなければならない、(「そのために反対しろ」と呼ぶ者あり)かような信念を以ちまして、いろいろの修正案を作つたのでございます。そのものを皆様に御紹介いたして置きたいと思います。それは(「必要なし」と呼ぶ者あり)市町村民税の…黙れ、やかましい。(「必要なし」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)Aとして、個人負担の分を次のごとく軽減することであります。個人均等割約二〇%低減、所得割も約二〇%低減であります。Bといたしましては、法人に対しては個人割課税の減額分を増加課税することといたしまして、新たに資本金割(拂込金)を設けて、これを累進課税とすることである。Cといたしましては、六十歳以上の者の家庭にして十八歳未満の家族のみを有し且つ前年度の所得十方円未満の者、夫より仕送りを受けている妻及び半年以上の失業者に対しましては、これを非課税とする。(「死んだ者の年を数えるな」と呼ぶ者あり)D、協同組合及びその連合会はこれを非課税とする。(発言する者多し)どうぞお靜かに願います。次は固定資産税、A、固定資産税税率を変更する場合は国会の承認を得なければならない。B、固定資産税(土地、家屋、田畑等)にして徴收超過のものも、翌年度におきましてこれを返却又は翌年度の課税に充当すること。これは政府原案が償却資産だけになつておりましたので、ここに書いたのであります。C、田畑の課税倍数を次のごとく軽減すること。  倍数十二倍。D、遊休未稼働資産及び工具、備品、水路、貯水池、坑道、(「反対せい」と呼ぶ者あり)農業用償却資産、小型漁船及び協同組合畜産等については非課税とすること。(「どこの国の話ですか」と呼ぶ者あり、笑声)  三、入場税  第一種百分の六十。第二種(純芸術又は学生競技等)百分の二十。四、遊興飲食税宿泊及び大衆食堂における料金 百分の十。(「その案に賛成」「異議なし」「名案だ」「賛成々々」「ゆつくりやれ」と呼ぶ者あり、笑声)  只今朗読いたしました修正案は、各派の同調を得まして(「賛成々々」と呼ぶ者あり)強力に推進いたしたいと思いました。併しながら各派の御同調が得られませんので、且つ又手続上及び時間的にも不可能でありましたので、遺憾ながら今期国会におきましては、その実現を見ることができなかつたのであります。(「政治は信念なり」と呼ぶ者あり)併しながら我が党といたしましては、この主張を決して破棄するものではありません。恐慌一歩手前……(「原案反対」と呼ぶ者あり)農村の危機、勤労者、中小企業の税負担の重圧等を考えますときにおきましては、少くとも我が党の主張する程度の修正はこれを重視しなければならないものと確信するものであります。(「その通り」「やれ」と呼ぶ者あり)従つて我々はシヤウプ博士が再び来朝せられましたのを機といたしまして、国民負担の実情を詳細に説明して、飽くまでも初志の貫徹を図らんとするものであります。(笑声、拍手)この意味におきまして、甚だ不満足ではありますけれども、(「反対するのだ」「反対」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)衆議院修正の本案に賛成するものであります。(笑声、拍手、「自由党は喜ぶよ」「小川友三に似て来たぞ」と呼ぶ者あり)
  13. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 木村禧八郎君。    〔「頑張れよ」「落付いてよく聞けよ」「聞き落すな勿体ないから」「めつたに聞けないぞ」と呼ぶ者あり〕    〔木村禧八郎君登壇、拍手〕
  14. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 私は労働者農民党を代表いたしまして、地方税法案に再び反対せざるを得ないことを非常に遺憾に思います。(拍手)反対の具体的論拠といたしましては沢山あるのでありますが、要するに政府が今回再び地方税法案を提出するに当りまして、前の第七国会におきまして、なぜ参議院において地方税法案が否決されまして遂に不成立に終つたかの原因について、真劍に反省し、否決の原因であつた先の地方税法案の不合理、欠陷の是正除去に対しまして、本当に努力したという誠意の跡が認められないという点に帰着いたすのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)成る程吉田首相は今国会の施政方針演説の冒頭におきまして、言葉の上では、地方税法案は前国会で不成立となつた事情を十分考慮し、その後の事情の変化に即応し、且つ各方面の意見を尊重し、可能な範囲で必要の修正を加え、再び本国会に提出すると述べております。(「その通り」と呼ぶ者あり)そこで吉田首相に我々は、前国会で不成立になつた事情を十分考慮されたと言われますが、どういう事情を考慮されたかという質問をいたしたのでありますが、首相はこれに対して、それは法案の提出が遅れたということであると答えられておるのであります。従つて地方税法案内容に対して参議院各党各派が反対したために不成立に終つたという実情を全く無視しておられるのであります。このために、反対論に耳を傾け、公聽会その他における国民の輿論を反映せしめて、地方税法案を合理的に修正するという誠意ある努力が、前国会終了後、今国会法案を提出するまでに殆んどなされなかつたのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)その証拠には、前国会における地方税法案に対する社会党の反対論拠は、第一が、地方税の大増税になること。第二が、本法案実施によつて小作料や地代、家賃、鉄道運賃、電気料金等が大幅に値上げされて、大衆生活はますます苦しくなる。第三、地方団体は非常に多額の税の取り過ぎになること。第四、本法案が甚だ未熟で、このために地方の各種の産業その他に非常なる混乱を招く憂いがあること等でありましたが、これが無視されております。(「そうだ」と呼ぶ者あり)又民主党は、住民税の所得税率を原案の一八%から一〇%に引下げること。第二に固定資産税評価倍率を、原案の九百倍を、土地三百倍乃至七百倍、家屋五百倍乃至八百倍に引下げまして、税率は原案の一・七五%を一・五%に引下げること。附加価値税率を、第一種につき原案四%を三・五%、第二種につき原案三%を一・五%に引下げることを主張いたしました。これが容れられないために反対したのであります。今度の税法にその主張が殆んど反映されておらない。(「そうだ」と呼ぶ者あり)民主党は我々と立場は違うのでありますが、保守政党として、公約主張に忠実である政党として期待していたのでございますが、あつさり妥協してしまいましたので、失望を禁じ得ないのであります。(「気に入つたぞ」と呼ぶ者あり)労働者農民党といたしましては、前国会で、第一に、政府は中央地方を通じて三百億減税になると言いますが、実質的には減税にならないこと。第二に、中央地方を通じて税負担が著しく不均衡、不公平であること。第三に、地方税と国税と競合して、いずれかの税が予算通り取れないことになる、この三点を挙げて反対いたしましたが、これらの事情も今度の法案には殆んど反映されておりません。成る程今回の法案は、附加価値税の延期と固定資産税の若干の税率引下げという点で、前回の法案に多少の修正が施されておりますが、これによつて前回の地方税法案の本質的な欠陷、不合理は少しも改善されておらないのであります。(拍手)それどころか、附加価値税だけの実施を延期して事業税存続させることとなりましたことは、部分的に一つの税だけを変更することは、全体の税体系を崩して、不均衡、不合理を大きくするから賛成し難いと言つたシヤウプ税制勧告の精神に反対するものでもあります。(「そこだ」と呼ぶ者あり)この地方税法案の本質的な欠陷は、第一に、中央地方を通じまして税負担が実質的に軽減されないという点にあると思うのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)即ち單なる税制上の減税に過ぎない。第二に、税負担が中央地方を通じて著しく不均衡、不公平になるという点でございます。第三は、税制自体が実情に全く即しておらない。この三点に要約することができると思うのであります。国民所得に対しまして税負担が実質的に如何に重過ぎるかということは、本年六月末現在におきまして、国税滞納額一千百四十億円、地方税の滞納額の推定約百五十億円、合計一千二百九十億円の巨額に達しておることを顧みましても明らかであろうと思うのであります。而も本年度は国民所得の第一次推定三兆二千五百億円を基にして課税することになつておりまするが、最近経済安定本部で発表されました修正の推定は二兆九千億になつております。このために約三千五百億円の減少を示しでおるのであります。従いまして、この地方税法案が実施されますと、国民に対する実質的な税の重圧はいよいよ加重されて来ると思われるのであります。次に、この地方税法案の致命的な欠陷は、これにより税負担が中央地方を通じて非常に不均衡、不公平になるという点でございます。シヤウプ税制改革は勿論画期的な改革でありまして、シヤウプ勧告に現われましたところの総合財政の見地からする負担均衡の構想、国と地方の財源分野の明確化、都道府県税体系市町村税体系の分離、包括的な平衡交付金制度による地方自治体相互の財政の平衡化、交付金測定のための基準財政需要と基準財政收入の科学的算定方法の導入、或いは地方行政調査委員会議によるところの国、都道府県、市町村間の事務の整理と統合の決定、こういうような、要するに地方固有財源による地方自治の発達という一連の趣旨は、それ自体としては科学的であり立派なものであると思うのでございます。併しながらそれを実行に移すところのこの地方税法案を見ますると、一番重要な税負担の均衡の点につきまして重大な欠陥があるために、この一点から折角のシヤウプ税制改革のよい点までも減殺されてしまうと思うのであります。中央地方を通ずる税負担の不均衡が如何に著しいかを実例を以て示しますれば、先ず個人の所得税につきましては、十万円の所得者(家族一人)について見まするに、今度の地方税改革を通じて、地方、中央の税を総合いたしまして、勤労所得においては九〇%、農業所得において八六%ということになります。勤労所得一割の減税、農業所得一割四分の減税になるのでありますが、所得五百万円の人の負担率はどうなるかと申しますと八三%、勤労所得については八三%、農業所得についても八三%、即ち一割七分も減税になるのであります。このように、低額所得者と高額所得者との間の中央地方を通ずる税負担が著しく不均衡になつておるのであります。次に、個人と法人との税負担の差が余りに不均衡、不公平なのであります。政府が提出しました資料によりましても、例えば物品販売業(食料品)、この法人の例を取つて見ますと、四八%の税負担になります。即ち五割二分の減税になりますが、同じ物品販売業の個人の場合を取つて見ますと九三%の税負担、即ち七%しか減税にならないのであります。更に又製造工業を例に取つて見ますと、これは鑄物でありますが、法人の場合は七一%の税負担、即ち二割九分減税になりますが、個人の場合は九三%の税負担で七%の減税にしかならないのであります。更に又印刷製本業の例を見ますと、法人の場合は八八%の税負担、即ち一割二分の減税でありますが、同じ印刷製本業でも、個人の場合は九〇%の税負担で一割の減税に過ぎない。こういうように法人と個人との税負担の差が余りに不均衡になつていると思うのであります。更に又業種別に見ましても税負担の不均衡が非常に甚だしいのであります。年收十万円の人を例に取つて見ますると、二十五年度におきましては、勤労者が千六百十円の減税に対して、商業者が七千八百二十一円の減税、工業者が四千五百九十六円の減税、農業者が五千九百四十六円の減税なのであります。これを平年度について見ましても、勤労者三千四百七十四円、商業者一万一千二百三十九円、工業者三千五百五十二円、農業者七千六百七円、このように非常に税負担が不均衡になつておるのであります。この外、固定資産税の転嫁という問題を考慮に入れますならば、税負担の不均衡が一層甚だしくなると思うのであります。税負担の公平化或いは均衡化ということは、民主国家における税制改革の生命であることは言うまでもないと思うのであります。この点におきましても、この地方税法案は民主的税法としては致命的欠陷を持つていると評せざるを得ないのであります。(「そうだ」「その通り」と呼ぶ者あり)このような税負担の不公平、不均衡がどこから来たかと言えば、言うまでもなくこの資本蓄積を税制の側面から促進しようという意図から、むしろ意識的に、計画的に推進されたものと思われるのでありますが、国民大衆が窮乏している際に、かくのごとき原始的な資本蓄積に似た方法を、税制を通じて強権によつて強行することは、極あて封建的であり、非民主的であり、(「それだ」と呼ぶ者あり)而も残酷でさえあると思うのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)次にこの法案があらゆる面において実情を無視しておるという点でございますが、これは非常にこの法案の審議過程においていろいろな不合理が暴露されたのであります。これまでの反対論者によつて具体的に指摘されましたから私は多くを費しませんが、例えば固定資産税の場合におきまして、これが取れ過ぎた場合に、償却資産につきましては税を返還するけれども、土地家屋につきましてはこれを返還しないということは、これは非常に私は不合理であると思うのであります。更に固定資産税におきましては、この倍率は無論重要でありますけれども、実は倍率はそのように大切ではないのであつて昭和二十六年度におきまして、土地、家屋、不動産を評価した際に倍率との差がありましたならば、その差額を返還するということが重要な点なんでありまして、この点につきましては、償却資産については返還しますけれども、土地家屋についてはこれを返さないということは、実にこれは不合理であると思うのであります。それから第二に、これもこの審議過程において明白になつたのでありますが、農地の価格が小作料を基準にして定められる場合、公定価格の七倍見当と推定されますのに、本法は公定価格の二二・五倍に定めておるということなども、全くこれは実情を無視した不合理の著しい点であると思うのであります。更に又附加価値税は延期されましたが、この附加価値税の転嫁という問題、或いは償却の経費算入等の問題につきまして幾多の疑問があるのでありまして、この法案を細かく審議すればする程、実情にそぐわない非常に不合理な点が沢山あつたのであります。我が党といたしましては、実は若し通るならば社会党の修正案に同調するつもりでございましたが、遺憾ながらその修正案が通らない。成立する見込がない。そこで我が党としては前から主張しておりますところの地方税法案に対する改革案即ち住民税につきましてば人頭割をなくしまして、所得割一本で累進課税をかける。それから附加価値税、これは私は悪い税ではないと思うのであります。附加価値税は、過渡的なこの附加価値と事業收益に対しての総合的な課税をやつて、漸次附加価値税に転嫁、移転して行くべきものであると、そういうように我々は考えておるのであります。更に固定資産税率につきにましては、これは倍率は大体五百倍として、そうして税率は思い切つて半分ぐらいに減らすと、こういうような主張をしておるのでございますが、この主張は今の実情と考え合せまして直ぐに通るとは思いませんが、併し若し社会党の修正案が実現する見込がありますならば、我々の基本的な主張を、これを曲げても同調したかつたのでありますが、遺憾ながら社会党の修正案も実現の見込ないというので、私は労働者農民党としての地方税法案に対する基本的な態度を明らかにいたしまして、遺憾ながら本案に反対する次第であります。(拍手)
  15. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 岩間正男君。    〔岩間正男君登壇、拍手〕
  16. 岩間正男

    ○岩間正男君 言うまでもなく日本共産党は、この世界に稀な人民收奪の悪法、地方税法案に反対をするものであります。今まで自由党を初めとする賛成各派の討論を聞いて来たのでありますが、その理由とするところは、いずれも便宜主義、御都合主義の域を出ないものであります。これでは何ら国民大衆を納得させるに足らないものであります。更にその或る者の論旨を聞いておりますると、明らかに反対討論である。それがなぜ一体賛成しなければならないか。その理由を発見するに苦しむものがある。又或る者は曾てこの同じ演壇から堂々と反対の意見を開陳したところの党派であつたのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)成る程選挙は済んでしまつたというので、うまうまと騙しおおせることができた。だから今では公約はどうでもいいということかも知れないのであります。(「ノーノー」と呼ぶ者あり)だが済まないのは我々の良心であり、政治的責任であるのであります。(拍手)一体我々国会議員は、何ものに責任を負い、何ものに政治的義務を盡さなければならないのでありましようか。(拍手)尤も只今ここで議題となつておる法案は、一応は前国会で否決されたものの修正案という形になつております。だが果してその内容はどうであろうか。これは先程からいろいろ他の諸君によつても述べられたのでありますが、この修正案を見ますと、先ず第一点についての附加価値税延長の問題は、これに代えるに事業税特別所得税の実施を以てしているのであります。この事業税については、政府みずからもその提案理由説明の中で、大企業に不当に軽減されていることを告白せざるを得ないような悪税なのであります。又修正案の第二点でありますところの固定資産税税率引下げも、事実それは單なる名目だけのことでありまして、実際の徴税額には何らの変更も加えられていないのであります。このようにして、言わば表面は一応の修正を謳うことによつて、巧みに人民大衆の目をくらまし、実質的には大企業、大資本家を擁護し、民族資本、中小企業、勤労大衆を犠牲に供せんとするところの欺瞞的な方法と言わなければなりません。(「そうだ」と呼ぶ者あり)転んでもただ起きないという悪質なる資本家根性丸出しの法案がこの修正案の要旨であります。これが吉田内閣の公約実施の正体であるのであります。又このような欺瞞的法案は、先国会における彼の両院協議会で衆議院の自由党側から示されました最後案にすら、遥かに劣るものであることは、先程詳しく木村議員から説明された通りであります。私はここで良心的な民主党並びに緑風会の諸君に訴えたい。諸君が曾て自信を持つて否決した法案よりも、もつと劣るところの今次の修正案に賛成することは、明らかな矛盾ではないか。(「そうだ」「ノーノー」と呼ぶ者あり)これは政治的な良心に富んだ者の決して容易にとり得ないところの態度であることを私は申上げたいと思うのであります。(拍手)又私は、ついでに自由党、特に参議院の自由党の諸君に訴えたい。参議院におきましては與党である自由党がその面目にかけても支持せざるを得ないところの政府原案をやすやすと捨ててしまつて、そうして民主党と同調し、闇取引によつて政治的妥協を遂げたことであります。(「何が闇取引だ「ノーノー」と呼ぶ者あり)これではどこに一体與党としての誇りと権威があるか、又どこに一貫した政党としての節操があるかということを疑わざるを得ない。(「いや一貫しておる」「ノーノー」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)私は参議院の自由党の諸君に言つておるのではない。私は衆議院の自由党の諸君に言つておるのだ。(「そうだ」と呼ぶ者あり、笑声)私は参議院の諸君はかねがね参議院の独自性ということを主張して止まないということは十分知つております。それで参議院の独自性ということを以て人民大衆に当つておるということを、この瀬戸際にこそ十分に発揮せられることを切望するものであります。(拍手)我々は今未曾有の危機に立つております。殊にも今次勃発しました朝鮮の内戰を契機にしまして、我々の愛するこの祖国日本を(笑声)まさに来たらんとする第三次世界大戰の軍事的基地或いは軍事的補給地として再編させるか、それとも平和の砦として、ポツダム宣言、新憲法の指向する方向に毅然として守りおおせるかは、全く一にかかつて我々の決意と実践の如何にあるのであります。(「それはソ連と言え、ソ連と」呼ぶ者あり)このように、言わば戰争と平和の分岐点、正に断崖の上に立つ日本の現実に対しまして、かかる運命的な法案地方税法が落ちかかつているのであります。(「運命とは何だ」と呼ぶ者あり)従つて法案に対する検討も、かかる視野に立つて行われてのみ初めて有効であり又その意義を有するものであることを私は信ずるのであります。そこで先ず第一に私の指摘したいことは、本法案が持つておるところの軍事的性格についてであります。(「どこに軍事的性格があるか」「自由党には分らないであろう」と呼ぶ者あり)ここ一ケ年半、政府はドツジ・ラインを強行し、集中生産、企業合理化を押し進めて来たのでありますが、そもそもその狙いとするところは何であるか。すでに我々共産党の指摘したがごとく、日本産業の軍事的再編成であるのであります。(「ノーノー」と呼ぶ者あり)国際独占資本と結び付き、又はその手先としての大資本、大企業は、單に金融、資材、動力の面で手厚く保護されておるばかりでなく、税金の一面でも著しい恩惠を蒙つていることは明らかな事実であります。(「それはカーテンの中である」と呼ぶ者あり)そうして、このような実績を今ここで事新らしく合理化せんとするのが、いわゆるシヤウプ勧告による税制改革の狙いであります。このことは附加価値税の中に最も露骨に現われているのである。即ち附加価値税では、その課税対象であるところの一企業の総売上代金のうち、新たに増加新設された工場、機械、設備等の分は全部免税されることになつている。その結果、設備資金の潤沢な産業部門の鉄鋼とか海運とか造船、運輸、自動車等、いわゆる帝国主義者が要求するような軍事的産業につきましては、その厖大な利益に比べまして著しく税金が安くなつている。その反対に、金融逼迫のために、新らしい施設をすることもできない、いろいろな設備の増加をすることもできない、そういうようないわゆる民族産業、中小企業の面におきましては、却つて税金が重くのしかかつて来るのであります。(「逆だ逆だ」と呼ぶ者あり)こうして重税、金詰りのために目下壊滅の一路を辿つている中小経営の場合、赤字が続出しているのでありますが、この附加価値税によれば、この赤字にも税金がかかつて来る結果、どういうことが起るかと言いますと、ますますその倒壊の速度を加速度的ならしめるのであります。これがいわゆるドツチ・ラインに対応するために新たに設けられましたところの世界に稀な悪法、附加価値税の実体であります。曾て、ここにも出席されているのでありますが、中小企業者の五人や十人自殺しても止むを得ない、じたばたするなと放言して、世の悪評を買つた、いわゆる池田放言のよつて来たるそもそもの根源は、全くこういうところにあると我々は思わなければならん。あれは決して偶然に発せられたところの言ではない。政策の代表的な意見であります。このことを私ははつきり申上げて置く。このようにして、民族産業、中小企業を根幹とする日本の平和産業は、全くその息の根を止められ、ひとり軍需産業のみが幅を利かせる結果になるのであります。又その結果は、一方に賃金の切下げ、遅配、欠配、労働強化、失業者の大洪水等の数々の犠牲を余儀なくし、勤労大衆の生活は今どん底に突き落されているのであります。これらの絶望的な労働状況と物凄い産業予備軍の発生は、勤労者をして止むなく戰争に駆り立て、事実、戰争遂行のための労働力、人的補給源を形成する結果となつていることは明らかであります。このことは日雇労働者の現実の姿が何よりも雄弁にこれを物語つているところであります。地方税法の持つ第二の特徴的な性格は、その反人民的な收奪性であります。言うまでもなく、最近における吉田内閣の戰争協力体制は、軍需産業の生産と輸送、戰略物資の調達と輸入、軍需労務の動員等、今や全国に亘つて厖大な額に達しているのでありますが、このことは東京周辺の国鉄のダイヤの増発が日に数十本に達していることでも明らかな事実であります。更に七万五千に上る警察予備隊と八千五百に及ぶ海上保安隊に要するところの費用だけでも、数百億以上の多額に上り、その失費は計り難いものとなつているのであります。今や吉田内閣は、定められた財政の枠内で厖大な協力費を賄い得ないことは極めて明らかである。地方財政が中央におけるかかる協力財政と無論無関係であるわけはない。もともと本年度における地方財政は、国家財政における收奪政策のしわ寄せ的性格を持つているのでありますが、今や基地建設、労務動員、防空施設等の戰争協力体制によつて、その性格をますます露骨にすることは明らかであります。これは十月から実施されようとしている首都建設法一つをとつて見ましても極めて明瞭な事実であります。東京港の拡充、羽田飛行場の整備拡充、伊豆諸島の開発等を含めるところの約三百億から五百億になんなんとする厖大な軍事的な費用が、本地方税法を挺子として東京都民から收奪されようとしているのであります。(「本論に入れ」「それが本論だ」と呼ぶ者あり)吉田内閣は、本地方税法の実施によつて如何に地方財政が確立し地方住民の生活が安定するかということを謳つて、宣伝に大いに努めているのでありますが、事実は無論反対であります。これでは国税、地方税を通じて三百億の減税はおろか、反対に一千億以上の大増税となることは明らかである。このことは我々日本共産党が先国会からすでに指摘して鬪つて来たところのものであります。併し今やそれは單なる数字上の問題ではなくして、すでに目前の事実となつて現われているのであります。無論、税法上ぎりぎりの制限税率まで取らざるを得ない結果となつて来ます。そうして、それはすべて労働者、農民、市民、勤労大衆の上に重くのしかかつて来るのであります。又このことは流通税としての附加価値税の物価への転嫁、或いは又固定資産税の強行によつて惹き起る地代、家賃、小作料の三倍から七倍までの値上によるところの大衆への最終負担として、二重三重の收奪作用を来たすことは明らかであります。併しながらここで特に注目しなければならないのは市町村民税であります。この市町村民税が如何に反人民的な性格であるかということは、この直接大衆に深い影響を持つところの住民税に対しまして、両院の審議を通じて見ますときに、遂にこれが中心問題になり得なかつたということ、而も今度の修正案には何らこのことが触れていなかつたということ、こういうような事実を見ましてもはつきりと現われているのであります。そこで今度の市町村民税によりますと、その納税者の数でありますが、これは全国で約二千万人ということになります。これは所得税の千五百万人に比べまして約五百万人多い。このことは、国税、所得税からさえも免除されている程度のなけなしの低額所得者をも新らじく課税の対象としていることを意味しているのでありまして、かの苛斂誅求を事としたところの徳川時代の人頭税をまざまざと思い起させるものがあるのであります。更にその負担の実態を検討しますと、従来住民税総額の約二〇%を占めていたところの法人の高額所得分につきましては、資産割の廃止によりまして全部撤廃され、実に極めて少いものに縮小され、その分と新たに増加を予定されている二百億の全部が大衆の肩に転嫁されようとしているのであります。従つてその結果は昨年度の住民税の平均二・五倍、東京では年收八万から十万の低額所得者の場合は九倍から十倍という殺人的な負担となることは余りにも明瞭であります。尚、徴税は八月以降に強化されて来る。而もその課税の仕方は、昨年度の所得税額を基礎として計算され、そこには国税の場合におけるところの減額申請等の措置さえもとられていないので、本年度と昨年度のズレを調整する方法がないのであります。安本における最近の国民所得の訂正発表によつても明らかなように、大衆の所得は今年度に入つて非常に減つている。先にも挙げましたように、企業の倒壊、失業の洪水、倒産等が累積しているのであつて、かかる現状にも拘わらず、昨年度の実績によつて課税するということは、苛酷以上の強盗的な行為と言わなければならないのであります。政府はこれらの事態に対処するために六十億の徴税費と、約三万人の地方徴税吏の増加を挙げておるのでありますが、この程度の機構を以てするのでは、複雑極まりない地方税の実態に即した徴收はもはや覚束ないのであります。勢いその結果は天降り的、独善的になり、人民の前に彈圧的手段を以て臨むことは余りにも明らかであります。かかる体制の強化を目指してこそ政府はひそかに地方公務員法の提案を急ぎ、各級地方自治体の吏員を、低賃金と首切りにさらしながらも、その政治的活動を禁止し、この收奪の手先としてこき使おうとしているのであります。又前国会におきましてひそかに徴税取締法を改悪し、女の子でも丸裸にしてその身体検査をする権利をさえ徴税吏に與えているのであります。併しながらこのような苛酷極まりないところの方法を以てしても、果して徴税は所期の目的を達し得るであろうかどうか、甚だ疑問であります。すでに大蔵省発表によりますと二十四年度までの滞納総額は一千二百億に上り、かてて加えて最近の生活破壊の連続であります。たとい食えなくても税金だけは納めろと、如何に徴税吏がその権力の限りを盡しても、無い袖は振れないのであります。こうして、たぐい稀な反人民的收奪法案地方税法は、実行不能の危險を十分に孕んでおるものであることを私は政府に警告せざるを得ない。(拍手)果してかかる場合その政治的責任を負うものは一体何人であろうか。民主政治は一切の責任を人民大衆の前に明らかにすることから始まると言われている。我々は見通しを持たなければならない。嚴しくも時代の触手、民族の水先案内としての電荷を、我々国会議員は担つているものであります。(拍手)反対だが賛成だ、賛成だが反対だというような、国民のまるで関知しないところのこのような国会風景を、これ以上日本の危機の現実に立つて我々は繰返そうとするのであろうかどうか。(拍手)まぎれもなく我々は日本の人民大衆とポツダム宣言の前に一切の政治的責任を負うものであり、政治責任の対象は外部の如何なる権力でもないのであります。ましてやポツダム宣言違反の戰争協力体制であつてはならない。日本民族の未曾有の危機、今日このときにおいてこそ、我々は先ず何よりも日本の国会議員であることの自覚に徹すべきであろうと思うのであります。(「お前こそ何を言うか」と呼ぶ者あり)徒らに外部の権力に屈し、又たやすく客観情勢を云々する行き当りばつたりの政治によつて、国を売り、民族を塗炭の苦しみに陥れ、政党も国会も人民の信を裏切るような結果となることは、政治の自殺的行為と言わなければならないのであります。(「共産党から脱党したか」と呼ぶ者あり)みずからその墓穴を掘る者は誰であるか。(「共産党じやないか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)共産党というものはそういうものでないことは天下周知だ。(「歴史が証明する」と呼ぶ者あり)誰が一体墓穴を掘る者であるか。すでに足許から、大地から、人民の歴史の審判の声は鳴り響いていることを諸君は聞いておるかどうか。(「共産党の議員はいいよ」「勿論だ」と呼ぶ者あり)以上要するに日本共産党は、日本の財政、経済を挙げて外国の戰争のために奉仕せんとする吉田内閣の戰争協力政治の一環である地方税法案に極力反対し、その人民に負える嚴粛なる責任と歴史的使命達成のために鬪うものであることを誓うものであります。我々は又世界の平和を心から要求する千七百万の世界の(笑声)人民勢力と共に、目下惹き起されつつある朝鮮民族解放統一闘争に対する日本の介入を断乎拒否し、軍需産業の一掃と、平和産業の無制限拡大、民族の文化推進のために、地方税について次の三点を要求するものである。(「何を要求するのだ」と呼ぶ者あり)先ず地方税所得税を中心とする住民税一本とし、高度累進課税の方法をとり、免税点を高度に引上げる。第二点、入場税を初めすべての雑税、寄附金をすべて撤廃する。第三に、地方徴税権力の増強を止め、人民の民主的委員会の意見によつて徴收する。これが日本共産党の地方税に対する政策であります。(「言うことは大きいぞ」「大したものだ」「うまいうまい」と呼ぶ者あり)  以上を以て私の反対討論を終ります。(拍手)
  17. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案の表決は記名投票を以て行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上御投票を願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名を点呼〕    〔投票執行〕
  18. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 投票漏れはございませんか……投票漏れはないと認めます。これより開票いたします。投票を計算いたさせます。議場の開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  19. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 投票の結果を報告いたします。投票総数二百二十七票、白色票即ち本案を可とするもの百四十五票、青色票即ち本案を否とするもの八十二票、よつて本案は可決せられました。(拍手)      —————・—————    〔参照〕  賛成者(白色票)氏名 百四十五名    結城 安次君  山川 良一君    山内 卓郎君  山崎  恒君    村上 義一君  宮城タマヨ君    前田  穰君  堀越 儀郎君    藤森 眞治君  波多野林一君    野田 俊作君  西田 天香君    徳川 宗敬君  伊達源一郎君    竹下 豐次君  高橋 道男君    高橋龍太郎君  高田  寛君    高瀬荘太郎君  高木 正夫君    田村 文吉君  鈴木 直人君    杉山 昌作君  新谷寅三郎君    島村 軍次君  西郷吉之助君    小林 政夫君  木下 辰雄君    河井 彌八君  片柳 眞吉君    柏木 庫治君  加藤 正人君    岡本 愛祐君  岡部  常君    尾山 三郎君  小野  哲君    梅原 眞隆君  草葉 隆圓君    城  義臣君  郡  祐一君    木村 守江君  長島 銀藏君    宮本 邦彦君  秋山俊一郎君    高橋進太郎君  仁田 竹一君    上原 正吉君  土屋 俊三君   池田七郎兵衞君  石川 榮一君    大谷 瑩潤君  九鬼紋十郎君    深水 六郎君  加納 金助君    鈴木 恭一君  大矢半次郎君    野田 卯一君  植竹 春彦君    岡崎 真一君  中川 以良君    小野 義夫君  鈴木 安孝君    黒川 武雄君  横尾  龍君    石坂 豊一君  岩沢 忠恭君    北村 一男君  中川 幸平君    一松 政二君  徳川 頼貞君    中山 壽彦君  泉山 三六君    工藤 鐵男君  小杉 繁安君    小串 清一君  伊藤 保平君    井上なつゑ君  赤澤 與仁君    赤木 正雄君  黒田 英雄君    廣瀬與兵衞君  川村 松助君   大野木秀次郎君  杉原 荒太君    長谷山行毅君  愛知 揆一君    古池 信三君  加藤 武徳君    平井 太郎君  白波瀬米吉君    山縣 勝見君  安井  謙君    山本 米治君  岡田 信次君    西川甚五郎君  瀧井治三郎君    石村 幸作君  田方  進君    星   一君 池田宇右衞門君    入交 太藏君  島津 忠彦君    石原幹市郎君  紅露 みつ君    木内キヤウ君  平沼彌太郎君    大島 定吉君  柴田 政次君    松本  昇君  竹中 七郎君    谷口弥三郎君  有馬 英二君    油井賢太郎君  西山 龜七君    山田 佐一君  堀  末治君    團  伊能君  寺尾  豊君    西田 隆男君  中井 光次君    重宗 雄三君  大屋 晋三君    平岡 市三君  左藤 義詮君    小林 英三君  佐々木鹿藏君    林屋亀次郎君  櫻内 辰郎君    一松 定吉君  鬼丸 義齊君    鈴木 強平君 深川榮左エ門君    菊田 七平君  大隈 信幸君    前之園喜一郎君  岩木 哲夫君    岩男 仁藏君  駒井 藤平君    小川 久義君  境野 清雄君    木内 四郎君  稻垣平太郎君    三浦 辰雄君  松原 一彦君    平林 太一君     —————————————  反対者(青色票)氏名  八十二名    溝口 三郎君  高良 とみ君    楠見 義男君  加賀  操君    奥 むめお君  飯島連次郎君    中田 吉雄君  村尾 重雄君    門田 定藏君  清澤 俊英君    カニエ邦彦君  藤原 道子君    島   清君  野溝  勝君    加藤シヅエ君  若木 勝藏君    永井純一郎君  三橋八次郎君    原  虎一君  齋  武雄君    高田なほ子君  吉川末次郎君    小林 孝平君  山花 秀雄君    松浦 清一君  荒木正三郎君    菊川 孝夫君  赤松 常子君    山田 節男君  三輪 貞治君    成瀬 幡治君  田中  一君    松永 義雄君  小泉 秀吉君    小笠原二三男君  江田 三郎君    大野 幸一君  山下 義信君    中村 正雄君  細川 嘉六君    須藤 五郎君  岩間 正男君    兼岩 傳一君  千葉  信君    木村禧八郎君  堀  眞琴君    水橋 藤作君  鈴木 清一君    堂森 芳夫君  梅津 錦一君    重盛 壽治君  岡村文四郎君    東   隆君  森 八三一君    佐多 忠隆君  小林 亦治君    岩崎正三郎君  相馬 助治君    千田  正君  石川 清一君    松浦 定義君  森下 政一君    椿  繁夫君  岡田 宗司君    小松 正雄君  堀木 鎌三君    内村 清次君  小酒井義男君    栗山 良夫君  曾祢  益君    矢嶋 三義君  西園寺公一君    佐々木良作君  木下 源吾君    棚橋 小虎君  和田 博雄君    三木 治朗君  下條 恭兵君    河崎 ナツ君  上條 愛一君    森崎  隆君  羽生 三七君      —————・—————
  20. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 午後二時まで休憩いたします。    午後一時一分休憩      —————・—————    午後二時二十分閉講
  21. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。    〔須藤五郎君発言の許可を求む〕
  22. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 須藤五郎君。
  23. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 私はこの際、映画演劇等の弾圧に関する緊急質問の動議を提出いたします。
  24. 千葉信

    ○千葉信君 只今の須藤君の動議に賛成いたします。
  25. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 須藤君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないものと認めます。よつてこれより発言を許します。須藤五郎君。    〔須藤五郎君登壇、拍手〕
  27. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 私は日本共産党を代表して、映画演劇等に関して吉田首相並びに関係大臣に質問いたします。  日本は憲法において戰争を放棄し、ひたすら平和なる文化国家を建設せんと努力しておる筈でありますが、果して今日の政治がその方向に向つてなされておるかどうか。彼の軍閥官僚の時代においてすら無事であつた法隆寺や金閣寺のごとき第一級の国宝が、この内閣ができて以来次々と焼失して行くのは一体どうした皮肉であるか。吉田首相は文化国家を作る代りにピストル国家を作るお考えであるか。又吉田首相は日本の植民地化を極力否定しておられるが、一体植民地化ということは何も植民地になりましたという看板を掲げることではない。その国の国民生活のうちから独立的精神が失われ、文化の面から民族的な薫りが失われて行くことを植民地化するというのであります。(拍手)今日街に氾濫するところの大衆の音楽即ち流行歌について、あのエログロ性を文部大臣はどうお考えになられるか。又あの肉体映画やエログロ雑誌の氾濫をどう考えておられるか。エログロの盛んなことこそ実は植民地の大きな要素であります。私は三回欧米を旅行し、方々植民地を見て参りましたが、植民地にパンパンの多いこともその証拠であります。どこの国へ参りましても、今日の日本ほどパンパンの多い所はないと思いますが、みずからお妾さんを自認しておる大臣のおられる日本の現状では、全く止むを得ないことだと思います。政府は日本の文化をかくのごときパンパン文化にしようとするのかどうか。天野文相にお伺いいたします。(「何を言うか」と呼ぶ者あり)  次に映画、演劇、音楽、教育、報道の部面についてお尋ねいたします。  戦時中、戰時経済の要請で創設された入場税は、五割軽減されたとは言え、依然として世界一の高率入場税であります。外国の入場税を申上げますと、西ドイツ、フランスにおきましては、大体一二%から二五%ほどであります。又外国で最も入場税の高い所で四五%から五〇%、この程度のものであります。チリーにおきましては、外国映画に対しましては一二%ほどの税金をかけ、自国製作の映画に対しましては無税の政策を立てておるのであります。世界一の高率入場税に加え、予納制がとられることは、日本の映画演劇への脅威を深刻にするものであります。勤労大衆にとつて重要な慰安であり娯楽である映画演劇の入場税が、限られた人々だけの高級料理店、待合での遊興飲食税に比し、高率であり、又同率であることは、全く不公平、不合理なことであり、勤労階級を文化享有から遠ざけている原因ともなり、又文化の健全性の喪失、頽廃、及び民族文化の衰退の原因ともなつておるのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)労働強化、低賃金、失業の増大は、これに拍車をかけ、映画演劇の生産、制作を困難ならしめ、経営の不振を招き、日本人による日本文化の擁護と発展を阻害し、限られた外国文化の流入を促進しているのであります。今日の状態では今年中に映画スタジオは二三閉鎖しなければならないということを聞くのであります。又この悪税のために芸術家達の生活は極度に貧困化し、歌舞伎や文楽座の諸君は非常に苦しい生活をしておるのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)聞くところによりますと、最近、楽屋に「おすし」を売る人が参りましても、大多数の俳優諸君は、腹が空いても、この「すし」を食べることすらできないような状態であります。却つて楽屋の裏で働いておるところの道具方の人達がこの「すし」を買つて食べておる。それ程、芸術家諸君の生活は困窮化しておる。私は大蔵大臣に対し、この高率入場税を低減或いは撤廃され、又予納制を廃止される意思があるかどうかをお尋ねするものであります。又特に優秀なる作品に対しましては無税の特典を與えるごとき施策をとる考えがあるか。文部大臣にお尋ねするものであります。  更にお尋ねするが、今日日本の名物は競馬、競輪であります。大阪の或る小学校では、近くに競輪場ができましたために、兒童までがこれに夢中になり、満足な授業ができず、教師からその移転を願い出たという例があります。宝くじ初めこれらの催しはすべて合法的ばくちであります。何故このようなことを奨励しなければならないのか。みずからの精神を傷け、将来日本を背負つて立つ児童達を傷けてまで、税金を取るためにやつているとするならば、これは全く馬鹿げた行為であつて、「たこ」がみずからの足を食べていると同じことであります。(拍手)これは即ち「たこ」足政治というものであると思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)  次に映画演劇の団体、或いは他の団体の要望による常設館以外での興行の制限を撤廃し自由ならしめるよう要求いたします。しばしば前進座等が行う会員制度による観劇興行の入場税を無税とし、集会云々の興行制限をしないようにされることが、勤労者への最低の文化的生活保障の一部になると思うのであります。この点に関し大橋法務総裁にお尋ねいたします。  今にして民族文化の擁護を怠るならば、近い将来、民族的文化をすつかり失つてしまうことになります。民族文化のないところに民族の独立はあり得ないと思うのであります。この点、総理並びに文相のお考えをお伺いいたします。  次に、過日一部の新聞に報道されました官公職からの共産党員追放の件についてでありますが、かくのごときことは、我が憲法に違反し、基本的人権の蹂躙侵害となることは明らかであります。すでに多数の共産党員及び進歩的教師が不当馘首されたのでありますが、この上、政府は、官公職、教職にある共産党員並びに進歩的分子の追放の意図を持つておるかどうか。この点について大橋法務総裁にお尋ねいたすものであります。  次に大学における外人教師の雇用が実現されるやの話がありますが、いつから如何なる理由でされるのか、又東京において、小学校に対し、東京都教育長が英語会話の外人教師の依頼希望の調査をしたが、文部省はこれを知つておられるかどうか、或いは指示されたか、この際の外人とは特定の一国か、又は他の外国教師も許されるのか、これらに関し天野文部大臣にお尋ねするものであります。(「はつきり、はつきり」と呼ぶ者あり)  次に、教育委員の選挙日が一ケ月延期されたのでありますが、次の臨時国会におきまして、地方公務員法案を提出し、教職員の政治活動を禁止し、十一月の同選挙に間に合わせんとする意図があるかないか。この点は重要な問題でありますので、天野文部大臣の明答を要求するものであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)又十一月十日に延期されたことによつて、明年四月の各種地方総選挙までの地方自治体の補欠選挙がすべて明年四月まで据え置かれることになると思うのでありますが、果してそういうことになるかどうか。若しそうなるとすれば、現在すでに地方自治体において相当数の欠員となつている上に、死亡病気の理由で地方公共団体の長、議員の欠員が増加されることにより、運営の不便欠陥に対し、如何なる措置をされようとするのか。又欠員が生じた場合、可及的速かに補充しなければ、地方住民がみずからの自由な政治的意思を表明する住民の当然の政治的権利が抑えられることになるのであります。かくのごとき措置は、地方自治法に悖り、憲法の精神に違反するものであります。このような無法の措置が全国の自治体に施行せられることは重大な政治的問題であります。この点について天野文部大臣及び岡野国務大臣は考えられたことがあるか。このような結果に対し、そのままにして置かれるのか。お答えを要求するものであります。  又最近報道機関に対する解雇問題が起り、昨日羽仁五郎君が緊急質問をされましたが、その際、法務総裁は、その件については全く関知しないと頬かむりをしておられるが、今回の報道界に対する弾圧は、如何に政府が責任を回避しようとしても回避することは許されない極めて重大な政治的問題であることは明らかであります。(そうだ」と呼ぶ者あり)聞くところによりますと、この不当なる解雇の直後、警官がピストルを突き付けて、有無を言わさず印刻立退きを要求しておるようでありますが、人権の擁護の立場から、これは明らかに憲法違反のように思うが、法務総裁はこれを如何にお考えになるか、(「明快に答弁」と呼ぶ者あり)御答弁願いたいと思います。私共の知るところでは、あの東條時代においてすら、このような暴挙はなかつたのであります。本日、衆議院法務委員会において、我が党の梨木委員の質問に対し、法務総裁は、今回の解雇問題を政府は支持すると言つておられるが、その具体的な根拠を明示ざれたいと思います。若し明示することができなければ、弾圧を糊塗せんとする言辞以外の何ものでもないと断定するものであります。  以上述べて来たように、いずれの問題をとりましても日本の文化にとつて重要且つ緊急の問題でありまして、日本の文化人はもとより、心あるすべての国民の注目するところであります。各大臣の明確な答弁を要求するものであります。終り。(拍手)    〔国務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
  28. 吉田茂

    ○国務大臣(吉田茂君) 我が国の文化の保護については、政府は万全を期しております。ただ不幸にしてこの間、国宝が一二が焼けて誠に遺憾に思いますが、これは不時の災難であつて政府の如何ともできないことである。又映画、演劇等の弾圧は曾ていたしておりません。併しながらロシアのように無料にすることはできない。ロシアにおいては宣伝の目的のために無料にしているのでありましようが、日本国は共産主義の宣伝のために映画を無料にするということはできません。(拍手、「それが総理大臣か」「飛んでもないことにこじつけたものだな」「めい答弁、但し迷いだ」と呼ぶ者あり)    〔国務大臣大橋武夫君登壇〕
  29. 大橋武夫

    ○国務大臣(大橋武夫君) 第一の御質問は前進座の脱税事件のことでございまするが、会員組織の演劇でありましても、入場税逋脱の脱法行為と認められまするものは地方税法違反として取締つているわけでありまして、御質問の前進座もこれによつて措置したわけでございます。(拍手)  次に官吏の追放のことについて御質問がございましたが、今後におきましても、国民の忠実なる公僕ということが公務員には当然要求されなければならんことであると私は確信をいたすものであります。  第三に、言論報道機関における追放の問題について御質問がございました。昨日も申述べましたる通り、言論報道機関における共産主義者及び同調者に対する解雇の措置は、これは経営者諸君の自主的な判断に基く処置であるわけであります。而して言論報道機関の使命といたしましては、報道の自由と真実とにあるわけでありまするからして、これを守るために経営者諸君がこれに有害なる分子を排除されるということは、これは法律上極めて理由あるものと考えるのであります。従つてあらゆる法律手続におきましても、かかる理由は解雇につき正当なる理由あるものとして取扱われるものと信じているわけであります。もとより政府といたしましては、報道の自由と真実とを飽くまで守ろうとせられておりまするこの経営者諸君の措置に対しましては、全幅的に賛意を表するものでありますると同時に、これが或いは憲法の違反ではないかという御質問がございましたが、憲法は言論の自由と公正とを守るものでありまするから、このためにとられた措置が憲法違反となるというがごときことは絶対にあり得る筈がないと私は信じている次第であります。(拍手、「そんな答弁を聞いているのじやない」と呼ぶ者あり)    〔国務大臣天野貞祐君登壇〕
  30. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) 今日、日本人が本当に日本を愛し、そうして日本の本当の文化を建設するということが、実に重大なことであつて、それがなければ民族生存の意味もないと思つております。それには、日本の文化に拘泥することもよくないと同時に、外国文化の模倣に陥ることもよくない。本当に外国を理解するということは、本当によき日本人でなければできないと思います。そういう考えで今後の国民を育てて行きたい。それについては、只今おつしやつたようないろいろな卑猥ものとか、不健全な読物とか、映画とか、ラジオとかいうもののあることは、私も非常に遺憾と思います。そういうことについては、社会教育を通じて一般の自覚を高めるとか、或いは又PTAとか父兄会というものを通じて、悪書を退け、又図書館によつてよい書物を広めるとか、そういうようないろいろなことを考えて行きたいと思つております。それから又よい作品の表彰ということを考えないかというお話でございましたが、是非これはよい作品は表彰して行きたいという考えを持つております。  それから又東京都と外人のことにつきましては、私は何ら聞くところがございません。  それからこの教育の政治活動を拘束するということにつきましては、すでに前に申述べましたように、教職にある者が一定の制限を受けるということほ止むを得ないかと思つております。併し今お話の地方公務員法というものについては、私はまだ何ら聞くところがございません。  それから又教育委員の選挙を一ヶ月延ばしたということにつきましては、私はこれはただ單なる事務的なことと了解いたしております。  お答えといたします。(拍手)    〔国務大臣保利茂君登壇、拍手〕
  31. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 私には直接の御質問を頂いていないように思いますが、若し報道機関に対する解雇問題でございましたならば、万一、今回の解雇が労働者法に抵触するというものであるか、私はこれはつまびらかにいたしておりません。(「はつきりしろ」と呼ぶ者あり)若し不当な解雇でございますならば、労働組合法或いは労働基準法によつて当然保護せらるべきものである。かように考えております。(拍手)    〔政府委員小野哲君登壇、拍手〕
  32. 小野哲

    政府委員(小野哲君) 須藤さんにお答え申上げます。  先ず第一は入場税の問題でございますが、入場税は大蔵省の所管ではございませんので、この点、予め御承知置きを願つて置きたいと思います。入場税軽減の問題は現内閣におきましてもかねがね考えて参つておる次第でありまして、お説のように十分研究に値いする問題であろうと存じます。御承知のように、去る三月、国会を通過いたしました地方税法の一部改正法律によりまして、従来の十五割を十割に軽減されておるのでありまして、本日通過成立いたしました地方税法におきましては、これをそのまま踏襲いたしておるわけであります。尚又予納制度についての御質問であつたと存じますが、御承知のように一定の施設を持たないで臨時に興行するようなもの、即ち臨時仮設興行等につきましては、税収を確保いたします方法といたしましては、この予納制を採らざるを得ないのでございますので、政府といたしましては将来もこれを廃止する考えはございません。入場税に関しましては、政府といたしましても、今後他に適当な財源を得ることができますならば、更に税率軽減いたしまして、お話のように文化政策にも裨益せしめろという方向において鋭意研究を続けて参りたいと考えておる次第であります。  尚、自治体の長或いは議員の選挙の問題について御質問があつたのでございますが、御承知のように地方公共団体の長に欠員が生じましたる場合におきましては、すでに補欠選挙も行われておるような次第でございまして、政府といたしましては、地方財政の確立と相待ちまして、地方自治体の運営につきましては今後とも支障のないように、これらの点につきましても善処をいたして参りたいと考えております。(拍手)      —————・—————
  33. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) この際、日程第二、土地家屋調査士法案衆議院提出)、日程第三、土地台帳法等の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。法務委員会理事宮城タマヨ君。    〔宮城タマヨ君登壇、拍手〕
  35. 宮城タマヨ

    ○宮城タマヨ君 只今上程されました土地家屋調査士法案につきまして、委員会におきます審議の経過及び結果について御報告申上げます。  本法案は、土地台帳法等の一部を改正する法律案によりまして、土地台帳、家屋台帳が税務署から法務局又は地方法務局に移管されることになりますので、従来、申請者の依頼を受けて税務署に提出する書類の作成に必要な土地、家屋の調査、測量を行い、申告手続を代行していた者を、この際、法的に認めて、その資格を明確にすると共に、これに対して一定の範囲において官庁の監督権を認めようとするものでございまして、その趣旨において衆議院が立案したものでございます。    〔議長退席、副議長着席〕  本法案は先に第七国会におきまして衆議院より提出せられ、委員会は通過したのでございますが、本法案と密接な関係にございます地方税法案及び土地台帳法等の一部を改正する法律案成立するに至らなかつたために、本会議の議決を見るに至らなかつたのでございまして、委員会におきましては、今回も前回同様愼重審議の結果、討論を省略の上、採決いたしましたところ、全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。  次に只今上程されました土地台帳法等の一部を改正する法律案につきまして法務委員会の審議の経過及び結果について御報告申上げます。  本改正の要旨は、地方税法改正により、賃貸価格の登録をいたします必要がなくなり、従つて税務署が土地、家屋の台帳事務を掌る理由が消滅しましたので、この事務を登記所に移管し、併せて台帳事務と不動産登記の事務との間に手続上の簡易化を図ると共に、これに関連して必要な改正をなすものでございます。  法務委員会におきましては、四回に亘り愼重審議いたし、採決いたしましたところ、全会一致可決すべきものと決定いたしました次第でございます。  右簡単ながら御報告申上げます。(拍手)
  36. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  37. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて両案は全会一致を以て可決せられました。      —————・—————
  38. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) この際、日程の順序を変更して、日程第四、災害救助法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)、日程第六、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、検疫所設置に関し承認を求めるの件(衆議院送付)を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。厚生委員長山下義信君。    〔山下義信君登壇、拍手〕
  40. 山下義信

    ○山下義信君 只今議題となりました災害救助法の一部を改正する法律案について、厚生委員会における審議の経過並びに結果につきまして御報告申上げます。  災害救助法は、第一国会において、災害救助並びに物資の調達に関する規定を設け、災害救助に万全を期するため制定せられまして、今日に至つたのでありますが、今岡地方税法改正に伴い、その一部、即ち第三十六條を改正せんとするものでございます。  現行第三十六條は、都道府県が災害救助のため要した費用筆の合計額が、旧地方税法におきまして、その都道府県の地租、家屋税、事業税の三収益税の合計額の百分の五を超えましたときに、初めて国庫から補助が出るということになつておりまして、その超えました額が百分の五十以下につきましては百分の五十、百分の百以下につきましては百分の八十、百分の百以上につきましては百分の九十という補助が国庫から出ることになつておつたのでございます。このたび地方税法改正せられましたので、従来の三収益税に代りまして、新地方税法によりまして、今度は標準税率による当該年度のその府県の普通税収入見積額の百分の一を超過いたしました額に対し国庫の補助を出すことにいたしました。而かもその比率はずつと下げまして、百分の一以上百分の十までの超過額には百分の五十補助いたします。百分の十以上百分の二十までの超過額には百分の八十、百分の二十以上の超過額に対しましてはすべて百分の九十を国庫で補助しようということにいたしたい。こういうのでございます。  この改正の結果といたしましてどうなるかと申しますと、三收益税の合計と今回の新らしい地方税法によりまする新標準税率の收入見込額とを、昭和二十五年度、今年度分に直して比較いたしまするというと、御承知のごとく新標準税率によります当該府県の收入見込額というものは、三收益税の合計よりもずつと増加いたしまして、一、六倍になるのでございますけれども、国庫の補助を出します基準を旧法におきまして、現行法で百分の五以上を超過したとき、こういうのを百分の一ということに引下げましたために、国庫の補助が却つてでき易くなつて来ると、こういうわけになるのでございます。例えて申しますと、キテイ台風のときは、東京都では災害救助費を一億五千四百余万円使つておりますが、現行法では国庫の補助が出ないことになつておるのであります。それがこの改正法によりまして、今のパーセンテージに割当てますと、七百五十九万五千余川の国庫からの補助が出るということになる次第であります。尚この改正法は二十五年度から、即ち本年の四月一日に遡りまして適用するということに相成つておりまするので、御承知の熱海大火の救助費に対しましても、又秋田県鷹巣町の災害に対しましても、この改正案が成立いたしますれば国庫の補助が出るということになつております。但しこの改正に伴いまする経費でありますが、すでに昭和二十五年度の予算で承認を受けておりまする範囲内で十分賄えるということでございまするので、別に新たなる要求は伴つていないわけでございます。  以上が改正案提出理由の大要でありますが、委員会におきましては、目下の諸般の情勢から災害救助法が緊要且つ重大なるに鑑みまして、七月二十一日以来終始厚生委員会は熱心且つ愼重に審議を重ねて参りました。詳細は速記録により御承知願いたいと思いますが、主なる質疑応答の二三を申上げますと、一委員からは、政府の備蓄状況を尋ねましたるところが、厚生省の手持の備蓄といたしましては、産業復興公団に作業衣、肌衣五万人分がランニング・ストツクしてある。それ以外は情況に応じ他省と連絡し、急速に物資を調達して行く手筈が整つておるという答弁でございました。又或る委員からは、福井震災に鑑みまして、仮橋や道路の補修等に対しましても場合によつては補助を出してやつてはどうかという質問に対しまして、罹災者の医療のためとか或いは救助に必要な食糧を運搬する等のために仮橋を作りましたり、或いはどうしてもそこを通らなければ救助ができないというような場合に、倒壊した家屋を切り開いて道路を作つたというような費用に対しましても、応急救助の範囲内にこれを入れるということにいたしたいという答弁でございました。又或る委員から救助費の見積りの基準を引上げる考えはないかという質問に対しまして、当局もその必要を認めておるのでございまして、今後共その引上げに努力するという答弁でございました。又或る委員から、この救助法は不測の非常事態にも適用するのかという質問に対しまして、適用するとのことでございました。  かくて質疑終了の後、討論に入りましたところ、中山委員から、委員会におきまする各委員の注意事項を体しまして、政府は運営に万全を期すべしとの希望意見を附されまして賛成の意見を述べられ、井上委員から、救助資材物資の備蓄に一段の努力をし、日赤の体制を強化し、中央災害救助対策協議会の運営を活撥化すること等の希望が附せられまして、これ又賛成意見の開陳がございました。  かくて討論終結後直ちに採決に入りましたるところ、全会一致を以て原案通り可決確定すべきものと決定いたしました次第でございます。以上御報告申上げます。  次は、只今議題になりました地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、検疫所設置に関し承認を求めるの件であります。この件につきまして、厚生委員会の審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  厚生省設置法によりまして、検疫所は現在横浜外十二ケ所にあるのでございますが、東京港及び羽田空港に出入いたします外国航路船舶及び航空機というものは最近非常に増加をいたしまして、それが東京港に検疫施設がございませんので、船舶につきましては横浜港に寄港させまして、又航空機につきましては横浜検疫所からわざわざ係官が羽田空港に出張いたしまして検疫をやつておりますような状態でございます。最近のそれらの増加の情勢に伴いまして、横浜検疫所負担におきましては完全なる業務の運営が困難ということになりましたので、今般東京都品川区東品川四丁目に羽田航空検疫を兼ねまして東京検疫所設置せんとするものでございます。その土地建物につきましては、東京都の土地建物を借用するものでございまするが、百坪程は直接に国の建築をする予定でございます。但し繋留施設はございませんので、当分横浜検疫所の分を使つて行くといろ予定でございます。これが費用といたしましては、昭和二十五年度予算に七百三十五万八千三百余円という半ケ年分の新設検疫所の経費が計上されてございますので、新規要求の必要はないということでございます。  以上審議の結果、委員会といたしましては討論を省略いたしまして採決いたしました結果、満場一致、本件は承認をすべきものと決定いたしました次第でございます。  右御報告申上げます。(拍手)
  41. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  先ず災害救助法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  42. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      —————・—————
  43. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 次に、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、検疫所設置に関し承認を求めるの件を問題に供します。委員長報告の通り本件に承認を與えることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。よつて本件は承認を與えることに決しました。      —————・—————
  45. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 日程第五、飲食営業臨時規整法の一部を改正する法律案衆議院提出)を議題といたします。先ず委員長報告を求めます。地方行政委員長岡本愛祐君。    〔岡本愛祐君登壇、拍手〕
  46. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 只今議題となりました飲食営業臨時規整法の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  本法案は衆議院議員根本龍太郎君外十名発議のものでありまして、現下の食糧事情に鑑み、米食偏重を是正し、麦類の粉食を奨励し、且つパン類消費者の利便を図るため、大要衣のごとき修正を行わんとするものであります。  即ち第一に、今回新たにパン類外食券食堂なる営業を認めまして、ここで外食券又は今回改正のあります主務大臣の指定する購入券と引換えに、パン類による食事を提供することができるようにするのであります。第二に、従来麺類購入券は、各都道府県が発行し、その都道府県内に通用するのみで、不便であるから、これを改正して、主務大臣の指定する購入券として麺類もパン類も含めて全国共通の購入券に統一し、消費者の便宜を図ろうとするもりであります。  次に本法案に対する地方行政委員会における質疑応答の主なるものを申上げますと、パン類による食事の提供は、パン類外食券食堂に限り、喫茶店等には許されないのかとの質問に対し、従来のミルク・ホール程度の喫茶店にはパン類による食事の提供を認めたいとの答弁がありました。尚、農林当局より、本法案内容は農林省においても考慮していたところであるから、当局として異存はないとの意見が述べられました。  地方行政委員会におきましては、七月三十日採決の結果、全会一致を以て本法案はこれを原案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申上げます。(拍手)
  47. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  48. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      —————・—————
  49. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) この際日程第七及び第八の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。内閣委員長河井彌八君。    〔河井彌八君登壇、拍手〕
  51. 河井彌八

    ○河井彌八君 只今議題となりました日程第七及び第八の請願二件の内閣委員会の審査の経過及び結果を御報告申上げます。  第七の請願の要旨は、国家公務員である国立大学の附属学校教官の恩給率は、地方公務員であるところの地方教官の受ける恩給率よりも低いのでありまして、附属学校に長く在勤することは不利となるのでありまするから、他の教育職員と同様程度に恩給率を増額して欲しいという請願であります。本件につきましては恩給局当局の出席を求めましていろいろ審議を進めたのであります。而して委員会におきましては、この請願を妥当なりと認めまして、これを参議院の議決を経まして内閣に送付すべきものと決定いたした次第であります。  次に日程第八の件について申上げます、請願の要旨は、終戰後すでに軍部とか軍人というものに対する特権は廃止せられてしまつたのであるが、傷痍恩給につきましては階級制度が尚存続して残つておる。即ち同一程度の重症者の場合におきまして、元大将であつた者は年額二万円、兵であつた者は僅かに三千二百円の傷痍恩給を受けるのである。かように大きな差がありますることは甚だ不合理である。而して生活保障の点から申しましてもこれは不都合であるばかりでなしに、傷痍恩給の原則にも副わないのであるから、傷痍恩給の階級制を撤廃いたしまして、傷痍によつて一律に支給されるように、昭和二十年の政令第六十八号を改正して欲しいという請願であります。本件につきましても恩給局当局の出席を求めまして詳細な審査を行なつたのでありますが、如何にもこの請願趣旨は尤もでありまして、誠に同情すべきものであると委員会においては認めたのであります。殊に紹介議員の井上さんから箱根の療養所の実情について詳しく御説明がありまして、ますますその感を深くいたしたのであります。委員会におきましては、速かにこの請願趣旨を取上げまして、恩給を改正すべきものであると決めたのであります。尚この恩給を改正する外にも、厚生施設としてもつと適切なる施策をすべきものであるということが委員の意見でありました。かような次第でありまして、この請願も又本院の議決を経まして、内閣に送付せらるべきものであると、かように決定した次第であります。  これを以て報告を終ります。(拍手)
  52. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  53. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————
  54. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) この際、日程の順序を変更して、日程第九及び第十の請願及び日程第二百十六の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。地方行政委員会理事堀末治君。    〔堀末治君登壇、拍手〕
  56. 堀末治

    ○堀末治君 只今議題となりました請願第二号、同じく第二百五十二号、同じぐ第二百八十六号、同じく第三百三十八号、同じく第三百九十二号及び陳情第十四号の六件に関する地方行政委員会の審議の結果を御報告いたします  右六件は横浜市議会議長小澤二郎君その他の請願又は陳情にかかるものでありまして、いずれもシヤウプ勧告に基く改正地方税法案が前国会において不成立となつたため、いわゆる地方財政の空白状態を招来し、地方行政の運営上に多大の支障を来たしておるから、速かに地方税法案成立を図られたいというのが、その趣旨であります。地方行政委員会におきましては、右六件の請願及び陳情はこれを採択し、但し内閣に送付を要しないものと決定いたしました。  以上御報告申上げます。(拍手)
  57. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情委員長報告の通り採択することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  58. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択することに決定いたしました。      —————・—————
  59. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) この際、日程第十一より第三十五までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。大蔵委員会理事大矢半次郎君。    〔大矢半次郎君登壇、拍手〕
  61. 大矢半次郎

    ○大矢半次郎君 只今議題となりました請願第四十八号外百二件についての大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。  請願第四十八号は、勧業銀行法を改正して農村金融機関としての機能を発揮できるよう整備すること、請願第四十九号は、大蔵省預金部資金を地方に還元融通すること、請願第八十号は、福島白河市に常陽銀行支店設置すること、請願第九十八号、同じく第四百三十六号の二件は、いずれも国民金融公庫に関するもので、前者は、事業資金を大幅に増額し、又出先機関を増設すること、後者は、貸付資金を増額させるため、公庫法の一部を改正することを要請しております。請願第九十六号は、課税の適正、徴税の民主化を図ること、請願第百六十号外三件は、いわゆるアルバイトをしている学生は、扶養控除の対象から除外されているので、年額一万二千円を学資金として非課税とすること、請願第百八十三号は、接收資産については、接收解除の日又は引渡しの日を再評価の基準日とすること、請願第四百四十六号は、織物消費税とメリヤス物品税の廃止に伴い、生産業者並びに販売業者は莫大なる損失を蒙むつたので、廃止の実施日現在における在庫品に対して廃止税額に相当する金額を交付すること、請願第百九十二号は、我が国美術工芸を保護するため芸術木彫の物品税を軽減すること、請願第三百三十六号は、日本銀行の盛岡事務所を支店昇格せしめること、請願第五百号は、輸出振興を図るため貿手制度の改善をなすと共に、輸出金融金庫を設立すること、請願第七十三号外三十件は揮発油税を軽減することを、それぞれ要請しておるのであります。  以上はいずれも請願趣旨は妥当なものであると認めて採択いたしました。  次に條件付で採択したものについて御報告いたします。  先ず請願第二百八十号は、山林の評価に関するものであつて、資産算入の場合には実際の価格にて算定すること、又幼齢林等については資産算入から除外することの二点を要請しております。後段については採択することは困難であるが、前段の趣旨は妥当であると認め、前段のみを採択いたしました。  次に物品税の撤廃を趣旨としておるものを一括して申上げます。  請願第百七号は衣服用はけ及び頭髪用はけ請願第百四十七号は陶磁器、請願第二百九十三号は運動用品請願第三百十八号は板紙、請願第三百二十六号は果実エツセンス請願第三百九十九号はラジオ受信機等請願第四百三号は化粧品請願第四百四号は袋物類請願第四百四十七号はマツチ、請願第九十四号及び第四百四十八号は水あめ、ぶどう糖について、それぞれ物品税を撤廃せられたいという趣旨であります。  委員会としては、これを撤廃することは望ましいが、若し諸般の事情から見て困難ならば、できるだけ軽減することが妥当であると認めて採択いたしました。  次に酒税引下げ等に関する請願は、請願第五十四号外四十四件ありまして、いずれも酒税率の五割引下げ及び酒類価格の適正なる改正を図られたいという趣旨であります。審議の結果、税率五割引下げということについては財政收入その他の諸般の事情を考慮して尚検討の余地があるが、この際大幅に減税する必要があると認めて、この趣旨の下に採択いたしました。  以上百三件は、いずれも院議に付し、内閣に送付すべきものと決定した次第であります。右御報告いたします。(拍手)
  62. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  63. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————
  64. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) この際、日程の順序を変更して、日程第三十六より第五十までの請願及び日程第二百十七より第二百十九までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 三木治朗

    ○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。文部委員長堀越儀郎君。    〔堀越儀郎君登壇〕
  66. 堀越儀郎

    ○堀越儀郎君 只今上程と相成りました請願並びに陳情に関しまして、文部委員会における審議の経過及び結果を御報告申上げます。  本委員会に付託せられました請願及び陳情のうち、請願第百四号外九件、陳情第十六号外三件は、標準義務教育費法の制定を要望したものであり、請願第百八十二号外九件、陳情第二十一号外二件は、六三制校舎整備費国庫補助増額等に関する要望でありまして、いずれも義務教育の完全実施上重要な事柄でありますので、速かにその実現を図るため採択いたしました。  請願第六十八号外二件は、新制大学農学部総合農学科設置の件、旧制高等師範学校及び師範学校附属学校新制大学附属学校に切替の件及び国立長崎大学夜間部設置の件でありまして、いずれも趣旨妥当と認め、採択いたしました。  次に請願第百五十八号は、宮崎県川南村開拓者の欠食兒童の救済に関するもの、請願第二百三号は、結核療養中の教育公務員救済のため教育公務員特例法改正して欲しいとの趣旨であります。又請願第二百九号は職業教育の振興を図るため職業教育法の制定を要望したものであり、請願第三百六十号は公民館に対する国庫補助の増額その他に関するもの、請願第四百六号は教育功労者に対する表彰の途を考慮して欲しいという趣旨であります。尚、陳情第四十六号は農業教育の振興に関するものでありまして、いずれも皆妥当かものとして採択いたしたのであります。    〔副議長退席、議長著席〕  以上請願二十八件、陳情十件は、委員会において愼重審議の結果、いずれも趣旨妥当と認めまして、これを採択の上、内閣に送付することに決定いたしたのであります。  以上を以ちまして報告を終ります(拍手)
  67. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  68. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます、よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————
  69. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) この際、日程の順序を変更して、日程第五十一より第七十一までの請願及び日程第二百二十の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。厚生委員会理事小杉繁安君。    〔小杉繁安君登壇、拍手〕
  71. 小杉繁安

    ○小杉繁安君 只今上程せられました請願陳情に関する厚生委員会の審議の経過並びにその結果を御報告申上げます。  これらの請願陳情は社会福祉、社会保険、医療及び公衆衛生並びに国立公園関係の四つに大別いたすことができます。  社会福祉に関するものが八件でありまして、未亡人、寡婦及び戰争犠牲者遺族の援護、社会事業強化拡充、結核コローニーの建設、青少年禁酒法の制定等の趣旨のものであります。  社会保険に関するものは三件でありまして、国民健康保険制度の改善並びに障害年金の増額等の趣旨でございます。  医療及び公衆衛生に関するものは九件でありまして、国立療養所の職員の増員、国立病院の整備拡充、引揚医師及び歯科医師の免許制度改善並びに覚醒剤の取締強化等の趣旨のものであります。  国立公園に関するものは四件でありまして、国立公園の新規指定並びに温泉法改正等趣旨であります。  本委員会におきましては、第一回国会以来、これらと同様趣旨のものを院議に付して内閣に送付しておつたのでありますが、今国会におきましても慎重に審議を重ねた結果、日程第五十一より日程第七十までの請願二十二件及び日程第二百二十の陳情は、議院の会議に付して内閣に送付を要するものと決定いたしました。日程第七十一の請願は議院の会議に付して内閣には送付を要しないものと決定いたしました。  以上御報告を終ります。(拍手)
  72. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情委員長報告の通り採択し、日程第七十一の請願の外は内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  73. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、日程第七十一の請願の外は内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————
  74. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) この際、日程の順序を変更して、日程第七十二より第百十までの請願及び日程第二百二十一より第二百二十五までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  75. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。農林委員会理事岡村文四郎君。    〔岡村文四郎君登壇、拍手〕
  76. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 只今議題となりました農林関係の請願及び陳情につきまして、農林委員会における審査の結果を御報告申上げます。  農林委員会に付託されました請願及び陳情は、請願四十五件、陳情六件、合計五十一件でありまして、これが趣旨の詳細につきましては、すでに配付せられております文書表によつて御承知を願いたいと存じます。  委員会におきましては愼重審議の結果、只今議題となりました日程第七十二号乃至第百十号の請願及び日程第二百二十一号乃至第二百二十五号の陳情、合計四十五件は、いずれも農林業の発達、農林生産の増強、農家経済の改善、国土の保全及び民生の安定に対し重要な事柄でありますので、速かにその実現を図るため、これを採択して内閣に送付する必要があると決定いたしました次第であります。  右御報告申上げます。
  77. 佐藤尚武

    ○縦長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  78. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————
  79. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) この際、日程の順序を変更して、日程第百十一より第百二十四までの請願及び日程第二百二十六及び第二百二十七までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  80. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。水産委員長木下辰雄君。    〔木下辰雄君登壇、拍手〕
  81. 木下辰雄

    ○木下辰雄君 只今議題となりました請願第三十三号外十四件、陳情第二十七号外一件に関しまして、水産委員会における審議の経過並びにその結果を御報告いたします。  その中、先ず漁港の件に関しまして御報告いたします。  北海道羽幌、天売、香深、岩手県の長部、小浜、島根県の小伊津、以上六ケ所の修築請願でありますが、委員会におきましては、政府当局と質問応答を重ね、愼重審議いたしたのでありますが、その中にはすでに本国会において採択いたしたのもあり、その他のものも緊急築設を要する案件でありますので、委員会におきましてはこれを採択し、議院の会議に付し、内閣に送付を要するものと決定いたしたのであります。  次に請願第四十一号は、呉港の周辺に沈没擱坐しておる元戦艦等の引揚解体作業の実施に当つて、火薬による爆破作業が行われますと、各種の漁獲生産に甚大な影響を及ぼしますので、引揚解体作業の実施に当つては電気切断作業によるように措置せられると共に、若し爆破作業をなした場合はその被害に対する補償の措置を講じて貰いたいというのであります。  請願第二百五号は、北海道香深村に北方新魚田開発策源地としての諸施設を速かに設置せられたいというのであります。請願第二百三十号は、漁船が戦乱によつて損害を蒙むつた場合に、現行漁船保険制度には損害補償の途を開いてないから、速かに適当の処置をとつて貰いたいというのであります。請願第三百三号及び第三百三十号は、不振の状態にある漁船保険事業拡充強化を図られたいというのであります。次に請願第三百四十三号、第三百七十九号及び陳情第三十六号は、最近における水産業の不振窮迫の最も大きな原因でありますところの金融の梗塞に対し、政府において適当の措置を講ぜられたいというのであります。請願第四百四十五号は、水産業振興のため漁港修築の予算を増額して貰いたいというのであります。  次に陳情第二十七号は、鹿兒島県枇榔島に鰹釣の餌の蓄養場を設置せられたいというのであります。  以上各件の請願陳情は、委員会におきましては、愼重審議の結果、願意妥当と認め、これを採択し、議院の会議に付し、内閣に送付を要するものと決定しました。  次に、請願第三百八十一号、有明海漁業調整事務局設置に関する請願でありまするが、これも委員会におきましては願意妥当と認め、これを採択し、議院の会議に付するを要するものと決定いたした次第であります。  右御報告いたします。(拍手)
  82. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情委員長報告の通り採択し、日程第百二十二の請願の外は内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  83. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、日程第百二十二の請願の外は内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————
  84. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) この際、日程の順序を変更して、日程第百二十五より日程第百七十までの請願及び日程第二百二十八より第二百三十六までの陳情を一括して議題とすることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  85. 佐藤尚武

    ○貫長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。運輸委員会理事植竹春彦君。    〔植竹春彦君登壇、拍手〕
  86. 植竹春彦

    ○植竹春彦君 只今議題となりました日程第百二十五、宮下——川口間に鉄道敷設請願請願五十三件、陳情九件、合計六十二件の運輸委員会におきまする審査の経過並びに結果を御報告申上げます。  これを分類いたしますと、鉄道建設の請願陳情が二十四件、電化促進の関係が三件、輸送事業並びに利便を増して貰いたいといろ請願陳情が八件、海運関係が十二件、気象測候所関係が一件、自動車関係が二件、機構を変えて貰いたいという希望の請願陳情が五件、国際観光関係が一件、立法関係が四件でございます。  日程第百二十五より第百二十七まで、又第百二十九より第百三十六まで、及び第百三十八より第百七十までの請願並びに第百二十八より第百三十六までの陳情につきましては、それぞれ愼重審議いたしました結果、願意を妥当なるものと認めまして、いずれも議院の会議に付し、内閣に送付することを要するものと決定いたしたのでございます。日程第百二十八及び第百三十七につきましては、立法関係の請願でありまして、愼重審議の結果、いずれも願意を妥当のものと認めまして、議院の会議に付することを要するものと決定いたしたのでございます。詳細は何とぞ速記録にお願いいたします。  以上御報告申上げます。(拍手)
  87. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情委員長報告の通り採択し、日程第百二十八及び第百三十七の請願の外は内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  88. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、日程第百二十八及び第百三十七の請願の外は内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————
  89. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 日程第百七十一の請願を議題といたします。先ず委員長報告を求めます。郵政委員長大野幸一君。    〔大野幸一君登壇、拍手〕
  90. 大野幸一

    ○大野幸一君 只今議題となりました簡易生命保險及び郵便年金積立金運用再開に関する請願十六件につきまして、郵政委員会における審査の経過並びに結果を御報告申上げます。  右請願は、去る第二国会以来同一趣旨の多数の請願がありましたが、本請願趣旨は、現在大蔵省預金部に預託されておる本積立金を、従前のごとく地方還元の方針に則り郵政省において直接運用すべきことを要望するものであります。  本委員会は愼重審議の結果、願意を妥当と認め、これを議院の会議に付し、且つ内閣に送付すべきものと全会一致を以て決定いたした次第であります。  以上を以て報告を終ります。(拍手)
  91. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決いたします。この請願委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  92. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこの請願は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————
  93. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) この際、日程の順序を変更して、日程第百七十二より第二百四までの請願及び日程第二百三十七より第二百三十九までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  94. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。建設委員長柴田政次君。    〔柴田政次君登壇、拍手〕
  95. 柴田政次

    ○柴田政次君 只今議題となりました請願三十七件、陳情三件の建設委員会の審査の結果を御報告いたします。  河川改修工事の促進に関するもの杉田川外十件、砂防工事の施行促進によるもの二件、天竜川の水害対策及び防災事業並びに災害復旧事業の促進と国庫補助の増額に関するもの八件、鵜島県海岸浸蝕防止と、北海道の運河開鑿の施行に関するものであります。道路につきましては、一部路線の改修及び改良工事の促進とその施行並びに国庫補助に関するもの十一件、別府、長崎両市間の観光道路予定線の支線の追加と、南会津街道開通促進並びに東北地方の東海岸に国道の設定等に関するものであります。都市につきましては、浜松特別都市計画事業の年度繰上施行に関するものであります。又地盤沈下の対策を樹立する上において、その根本原因を究明する調査に関するものであります。  本委員会といたしましては、いずれも採択して内閣に送付すべきものと決定いたした次第であります。  以上御報告を申上げます。(拍手)
  96. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  97. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————
  98. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) この際、日程の順序を変更して、日程第二百四十の陳情を議題といたします。先ず委員長報告を求めます。経済安定委員会理事中川以良君。    〔中川以良君登壇、拍手〕
  99. 中川以良

    ○中川以良君 只今議題となりました陳情第三十八号、時局急変による経済対策陳情は、経済同友会よりの陳情にかかるものでありまして、これが経済安定委員会における審議の経過及び結果について御報告を申上げます。  本件は、現下経済情勢と朝鮮事変の勃発の経済界に及ぼす影響に対し、財政経済政策を再検討し、特に余裕外貨資金の活用による輸入の促進、並びに特需に対する円資金調達の円滑化、及び財政と金融の調整等の対策を速かに図られたいとの陳情であります。  本件については政府委員からもその方向に鋭意努力中であるとの説明もあり、委員会といたしましても願意は大体において妥当であると認めましたので、全会一致を以て、議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定をいたした次第であります。  以上を以て御報告をいたします。(拍手)
  100. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。、」の陳情委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  101. 佐藤尚武

    ○機長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこの陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————
  102. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) この際、日程の順序を変更して、日程第二百五より第二百九までの請願及び日程第二百四十一の陳情を一括して議題上することに御異議、ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。電力問題に関する特別委員長栗山良夫君。    〔栗山良夫君登壇、拍手〕
  104. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 只今議題となりました請願五件、陳情一件、合計六件につきまして、電力問題に関する特別委員会における審査の経過並びに結果について御報告申上げます。  請願第百六十七号、山口県長門峡水力発電所新設等に関する請願、及び請願第二百五十号、岩手山麓電源開発事業促進に関する請願、並びに陳情第十二号、島根県吾郷村に明塚発電所建設に関する陳情、以上三件はいずれも当該地区の電力不足緩和のために要望したものでございます。  次に請願第百七十三号、農業用灌漑排水機電力料金助成は関する請願、及び請願第三百六十四号、農業用灌漑排水機電力料金軽減等に関する請願の二件は、大体同趣旨のものでございまして、昨年の電気料金改訂により、農民の灌漑排水用電気料金負担は二倍乃至五、六倍に増加し、これは現在の農業経済上は負担に堪え得られないような状況にあるので、これが料金の対策及び補助金につきまして要望しておりまするものですが、これに対し政府はでき得る限りの施策を実施中である旨の答弁がございました。  次いで請願第三百八十二号、長崎県離島の電力増強に見返資金融資等請願でございますが、これは対島、壱岐、五島等の離島における電力不足解決のため、発電用燃料の増配と今後の設備増強のため見返資金の融資を要望しておるものでございます。以上請願五件、陳情一件は、その趣旨極めて妥当なものであり、政府としても真劍にこれらの対策を講じているもので、委員会といたしましては採択し、議院の会議に付し、内閣に送付するを要するものと決定をいたしました次第でございます。  以上御報告を申上げます。(拍手)
  105. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  106. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————
  107. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) この際、日程第二百十より第二百十五までの請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  108. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。在外同胞引揚問題に関する特別委員長大谷瑩潤君。    〔大谷瑩潤君登壇、拍手〕
  109. 大谷瑩潤

    ○大谷瑩潤君 只今議題となりました請願につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申上げます。  請願第三百三十二号は、特別未帰還者給與法改正して在外同胞の留守家族の待遇を改善せられたいとの趣旨であります。請願第三百四十六号は、引揚者收容施設に使用するために、国有財産地方公共団体に無償拂下げられたいとの趣旨であります。請願第三百六十八号、第三百六十九号、第四百三十一号及び第四百三十四号は、いずれも在外同胞の引揚を促進せられたいとの趣旨であります。  請願第四百三十九号は請願第三百四十六号と同様でありまして、留守家族の待遇を改善されたいとの趣旨であります。  特別委員会におきましては、以上七つの請願につきまして愼重審議の結果、その願意いずれも妥当なものと認めまして、全会一致を以て採択の上、議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定した次第でございます。━━━━━━━━━━━  御報告申上げます。(拍手)
  110. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  申上げます。只今委員長報告の最後の部分に委員長の意見を述べられましたが、これは委員長報告だけに止めて頂きたいのでございます。従いまして速記録の修正は(「議長一任」と呼ぶ者あり)議長に御一任下さるようにお願いいたします。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  111. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) これらの請願委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  112. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。      —————・—————
  113. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 報告をいたさせます。    〔海保参事朗読〕 本日委員長から左の報告書を提出した。  狂犬病予防法案修正議決報告書  医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律の一部を改正する法律案可決報告書      —————・—————
  114. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、狂犬病予防法案、医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律の一部を改正する法律案、(いずれも衆議院提出)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  115. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。  先ず委員長報告を求めます。厚生委員長山下義信君。    〔山下義信君登壇、拍手〕
  116. 山下義信

    ○山下義信君 只今議題になりました狂犬病予防法案につきまして、厚生委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。  本法案は、犬の狂犬病が人及び他のすべての家畜は勿論、温血動物にも感染する疾病でございますので、従来家畜伝染病予防法によりまして予防撲滅が図られておつたのでございますが、最近犬の飼養頭数及び野犬数が急増いたしましたので、従つて狂犬病も猖獗を極めつつありますので、このときに当つて、狂犬病は他の家畜伝染病と性格を異にしておりますので、防疫措置等も又違つておる点も多くございますので、家畜伝染病と分離いたしまして、適切な防疫措置をなし得るように規定したものでございます。  その内容の主なる点は、第一点といたしまして、先ず犬の狂犬病の発生を予防いたしますために、すべての犬の登録を行いまして、且つその上に定期的な予防接種を義務付けようとする点でございます。第二点は、狂犬病に罹りました犬を早期に発見しまして、これに対する措置を完全に行う、それがために、届出であるとか隔離というような義務を課しておるのでございます。第三点といたしましては、未登録犬、予防接種をいたしていない犬、そういうものを抑留所に抑留をいたしまして適宜処置をいたすというような点がこの法案の重点でございます。それがこの法案の提案理由の内容になつておるのでございます。  厚生委員会におきましては愼重に審議を重ねて参りましたのでございますが、詳細は速記録を御覧頂きたいと存じます。  審議中の質疑によりまして明らかにいたしました点は、最近予防接種をいたしておりまする犬の数でございますが、本年度二十五年度におきまして、最近六ケ月間の総数を見ますと九十六万頭に及んでおるのでございますが、こういう予防接種をしていない、つまり野犬でございますが、そういうものが尚百五十万頭いるというようなことが討論によりまして明らかになつた次第でございます。以上のような質疑をいたしまして討論に入りましたところが、藤森委員より修正意見が出ましたのでございまして、その修正案はお手許に配付してございまするから、修正案文の朗読は省略させて頂きますが、その修正点について簡單に修正理由を御説明申上げます。  第一点は、都道府県知事に犬の登録の申請をすることになつておりまして、その際、都道府県知事から犬の鑑札を受けることになつておりましたのを、すべて市町村長の手を経まして、市町村役場でできるようにいたしました点が第一点でございます。それから狂犬病にかかつた犬、或いは狂犬病の疑いのあります犬を見付けましたときには、犬のおりまするその場所で直ぐに隔離をしなくちやならないような原案でございましたのを、その犬のおります場所というような極めて限られたようなことに窮屈にいたしませんで、そういう点を削除いたしまして、適宜隔離のできるようにいたしました点でございます。又各都道府県で設置いたしまする犬の抑留所でございますが、その抑留所の設備につきましては厚生大臣が一定の基準を作ることになつているのでございますが、そういう点にまで厚生大臣が基準を作るということにいたさないで、都道府県がいろいろ実情に即して適宜やつたらいいということで、その点を削りましたのでございます。第四点は、犬又はその死体の移動制限の権限を、保健所のあります市におきましては、保健所長でなくして、その市長が適宜その処理、処分ができるように、市長に命令権を與えました点でございます。それから最後には本法の罰則規定でございますが、罰則中には一ケ年以下の体刑というのがございましたので、体刑はひど過ぎるというので、五万円以下の罰金がございますので、体刑を削りました点がございます。これらが修正案の主なる意見でございまして、これに対しまして有馬委員より賛成の意見が開陳せられまして、かくて討論を行いまして採決に入りました結果、先ず修正案につきまして採決いたしましたところが、全会一致を以て可決せられました。修正個所を除いた原案につきまして採決いたしましたところ、全会一致を以て可決いたしました。よりまして本案は全会一致を以ちまして議決すべきものと決定いたしました次第でございます。  次は只今上程せられました医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律の一部を改正する法律案でございますが、この法律案につきまして厚生委員会の審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  医師の試験につきましては、すでに国家の医師試験法がありますことは申すまでもないことでございますが、この医師国家試験以外に別に特例の法律が出ておるのでございまして、それに関連いたしましての改正案でございます。この法律案は衆議院議員の提出のものでございまして、その提案理由によりますると、外地から引揚げました多数の医師の中には、正規の学校を経ないで、海外におきまして、現地で免許を受けまして開業しておりました者が多々あるわけでございます。これらの人々は内地へ帰りまして医師として開業して行くということはできませんのでございまして、折角の技能を持ちながらその職を求められないで生活に苦しんでいる人たちもある、こういうような現状になつていましたが、そういう窮状を救いますために、昭和二十一年に国民医療法施行令の特例を設けまして特別試験を受けさせたのでございますが、それに合格のできなかつた者、尚その特例を設けますときに漏れました人々、即ち蒙疆地区で限地開業をしておつた人々でありますとか、或いは朝鮮において医師試験の第一部試験に合格した人でありますとか、そういうような人たちが実は特例を設けますときに漏れておつたのでございます。今回それらの人々に対しまして、更に国家試験を受けさせまして医師の資格を得させ、国民医療の一端を担わせるために途を開いたのが今回の改正案でございます。以上が提案理由の大要でございます。  厚生委員会におきましては愼重審議、質疑応答等におきましてこの法案趣旨を明らかにいたしまして、かくて討論を省略をいたしまして採決に移りましたところ、全会一致を以ちまして原案通り可決すべきものと決定いたした次第でございます。  右御報告申上げます。(拍手)
  117. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。  先ず狂犬病予防法案全部を問題に供します。委員長報告修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  118. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て委員会修正通り議決せられました。      —————・—————
  119. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 次に医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  120. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。  本日の議事日程はこれにて全部終了いたしましたが、委員会の審議状況に即応するため暫時休憩いたします。    午後四時七分休憩      —————・—————    午後八時十七分開議
  121. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。  この際、日程に追加して、国会法第三十九條但書の規定による国会の議決に関する件(更生保護事業審議会委員)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  122. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。  去る二十六日内閣総理大臣から更生保護事業審議会委員に衆議院議員庄司一郎君及び本院議員宮城タマヨ君を任命することについて本院の議決を求めて参りました。衆議院議員庄司一郎君及び本院議員宮城タマヨ君が更生保護事業審議会委員に就くことに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  123. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本件は全会一致を以て内閣総理大臣の申出の通り議決せられました。      —————・—————
  124. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、国会法第三十九條但書の規定による国会の議決に関する件(中央災害救助対策協議会委員)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  125. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。去る二十六日、内閣総理大臣から、中央災害救助対策協議会委員に高橋龍太郎君及び山縣勝見君を任命することについて本院の議決を求めて参りました。高橋龍太郎君及び山縣勝見君が中央災害救助対策協議会委員に就くことに賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  126. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本件は全会一致を以て内閣総理大臣の申出の通り議決せられました。      —————・—————
  127. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、旧軍港市国有財産処理審議会委員の任命に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  128. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。  去る二十八日、内閣総理大臣から、旧軍港市転換法第六條第四項の規定により荒井誠一郎君、長崎英造君、野村秀雄君、堀越禎三君及び山田義見君を旧軍港市国有財産処理審議会委員に任命することについて本院の同意を求めて参りました。本件に関し同意を與えることに賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕
  129. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本件は同意を與えることに決定いたしました。      —————・—————
  130. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、漁港審議会委員の任命に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  131. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。  去る二十八日、内閣総理大臣から、漁港法第九條第一項の規定により井出正孝君、川村善八郎君、橘英三郎君、鮫島茂君、田村延一君、宮原庄助君、川口満義君及び横田象三郎君を漁港審議会委員に任命することについて同意を求めて参りました。尚、川村善八郎君は衆議院議員であるため、国会法第三十九條但書の規定による国会の議決をも併せて求めて参りました。つきましては井出正孝君、川村善八郎君、橘英三郎君、鮫島茂君、田村延一君、宮原庄助君、川口満義君及び横田象三郎君を漁港審議会委員に任命することについて同意を與え、尚、衆議院議員川村善八郎君が国会法第三十九條但書の規定により漁港審議会委員に就くことに同意を與えることに賛成の諸君の起立を求めます。    〔起立者多数〕
  132. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本件は同意を與えることに決定いたしました。      —————・—————
  133. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 参事をして報告いたさせます。    〔海保参事朗読〕 本日委員長から左の報告書を提出した。  歯科医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律案可決報告書      —————・—————
  134. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、歯科医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律案衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  135. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。厚生委員長山下義信君。
  136. 山下義信

    ○山下義信君 只今議題となりました歯科医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律案につきまして厚生委員会の審議の経過並びに結果について御報告申上げます。  歯科医師になりますためには、原則として国家試験を通過しなければなりませんことは申すまでもございません。併しながら終戰前外地におりまして関業しておりました歯科医師等が引揚げて参りまして、いろいろ内地の資格に適合いたさない人達がありまして、それがために先般特例を設けまして、特別の試験制度を持つておつたのでございますが、尚その試験に漏れる人達もありまして、且つ又その特例を設けますときに、置き忘れのような状態になつておりました蒙疆地区でありますとか、或いは南方の領事館におきまして関業許可証を貰つておりました等の人達のために、今般新たに試験を受ける途を開くことにいたしたいというので、この法案は衆議院の方からの議員提出法案として当院に回付せられました。厚生委員会は愼重審議、質疑応答を重ねまして、討論に入りましたところ、全会一致、賛成意見をお述べになられまして、本案は可決いたすべきものと全会一致決定いたしました次第でございます。簡單でございますが御報告申上げます。(拍手)
  137. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔総員起立〕
  138. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。      —————・—————
  139. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、行政機構の整備に関する調査を閉会中も継続するの件(内閣委員長提出)、国家公務員の給與問題に関する調査を閉会中も継続するの件(人事委員長提出)、地方行政の改革に関する調査を閉会中も継続するの件(地方行政委員長提出)、検察及び裁判の運営等に関する調査を閉会中も継続するの件(法務委員長提出)、講和に関達する諸般の基本方策樹立に関する調査を閉会中も継続するの件(外務委員長提出)、金融政策並びに制度に関する調査を閉会中も継続するの件、租税行教に関する調査を閉会中も継続するの件、協同組合による金融事業に関する法律の一部を改正する法律案の審査を閉会中も継続するの件(大蔵委員長提出)、教育文化施設及び文化財保護に関する一般調査を閉会中も継続するの件(文部委員長提出)、社会保障制度に関する調査を閉会中も継続するの件(厚生委員長提出)、新農業政策確立に関する調査を閉会中も継続するの件、競馬法の一部を改正する法律案の審査を閉会中も継続するの件(農林委員長提出)、水産物増産対策に関する調査を閉会中も継続するの件(水産委員長提出)、鉱業法案の審査を閉会中も継続するの件、採石法案の審査を閉会中も継続するの件、通商及び産業一般に関する調査を閉会中も継続するの件(通商産業委員長提出)、公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定に基き、国会の議決を求める件の審査を閉会中も継続するの件、日本国有鉄道の機構に関する調査を閉会中も継続するの件(運輸委員長提出)、郵政事業の独立採算制等に関する調査を閉会中も継続するの件(郵政委員長提出)電波行政に関する調査を閉会中も継続するの件、電気通信事業運営状況に関する調査を閉会中も継続するの件(電気通信委員長提出)、公共企業体労働関係法の改正に関する調査を閉会中も継続するの件、経済安定計画の進展に伴う労働問題に関する調査を閉会中も継続するの件(労働委員長提出)、建設省その他の建設事業に関する調査を閉会中も継続するの件(建設委員長提出)、日本経済の安定と復興に関する調査を閉会中も継続するの件(経済委員長提出)、昭和二十五年度予算の国民経済に及ぼす影響に関する調査を閉会中も継続するの件(予算委員長提出)、昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十三年度特別会計歳入歳出決算の審査を閉会中も継続するの件(決算委員長提出)、議院の運営に関する審査を閉会中も継続するの件(議院運営委員長提出)、電力問題に関する調査を閉会中も継続するの件(電力問題に関する特別委員長提出)、在外同胞引揚問題に関する調査を閉会中も継続するの件(在外同胞引揚問題に関する特別委員長提出)、  以上これら三十件の審査及び調査を閉会中も尚継続するの件は、各委員長の要求通りこれを承認することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  140. 佐藤尚武

    ○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれら三十件の継続審査及び調査を承認するに決定いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後八時三十一分散会      —————・————— ○本日の会議に付した事件  一、日程第一 地方税法案  一、映画演劇等の彈圧に関する緊急質問  一、日程第二 土地家屋調査士法案  一、日程第三 土地台帳法等の一部を改正する法律案  一、日程第四 災害救助法の一部を改正する法律案  一、日程第六 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、検疫所設置に関し承認を求めるの件  一、日程第五 飲食営業臨時規整法の一部を改正する法律案  一、日程第七及び第八の請願  一、日程第九及び第十の請願  一、日程第二百十六の陳情  一、日程第十一乃至第三十五の請願  一、日程第三十六乃至第五十の請願  一、日程第二百十七乃至第二百十九の陳情  一、日程第五十一乃至第七十一の請願  一、日程第二百二十の陳情  一、日程第七十二乃至第百十の請願  一、日程第二百二十一乃至第二百二十五の陳情  一、日程第百十一乃至第百二十四の請願  一、日程第二百二十六及び第二百二十七の陳情  一、日程第百二十五乃至第百七十の請願  一、日程第二百二十入乃至第二百三十六の陳情  一、日程第百七十一の請願  一、日程第百七十二乃至第二百四の請願  一、日程第二百三十七乃至第二百三十九の陳情  一、日程第二百四十の陳情  一、日程第二百五乃至第二百九の陳情  一、日程第二百四十一の陳情  一、日程第二百十乃至第二百十五の請願  一、狂犬病予防法案  一、医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律の一部を改正する法律案  一、国会法第三十九條但書の規定による国会の議決に関する件(更生保護事業審議会委員)  一、国会法第三十九條但書の規定による国会の議決に関する件(中央災害救助対策協議会委員)  一、旧軍港市国有財産処理審議会委員の任命に関する件  一、漁港審議会委員の任命に関する件  一、歯科医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律案  一、行政機構の整備に関する調査を閉会中も継続する件外二十九件