運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1950-07-28 第8回国会 参議院 本会議 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十八日(金曜日)    午前十時十六分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第九号   昭和二十五年七月二十八日    午前十時開議  第一 弾劾裁判所裁判員及び同予備員辞任の件  第二 皇室会議予備議員選挙  第三 皇室経済会議予備議員選挙  第四 最高裁判所裁判官国民審査管理委員選挙  第五 検察官適格審査会委員及び同予備員選挙  第六 北海道開発審議会委員指名  第七 京都国際文化観光都市建設法案衆議院提出)(委員長報告)  第八 奈良国際文化観光都市建設法案衆議院提出)(委員長報告)  第九 日本政府在外事務所設置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第一〇 主要食糧供出報奨物資の配給に伴う損失の補てんに関する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報貨)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。  この際、日程に追加して、国会法等の一部を改正する法律案左藤義詮君外七名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。本案につきましては、左藤義詮君外七名より委員会審査省略要求書が提出されております。発議者要求通り委員会審査を省略し、直ちに本案審議に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明発言を許します。中村正雄君    〔中村正雄登壇拍手
  6. 中村正雄

    中村正雄君 只今議題となりました国会法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。  先ず国会法等の一部を改正する法律案要点は、第一に、法制局長事務総長と並んで議長に直属する地位であり、立法補助最高責任者として極めて重要な任務を持つていることに鑑みまして、同局長を各議院役員とすることが適当と考えられますので、その趣旨の規定を加えようとするものであります。そうして、その選任方法につきましては、事務総長と同様に、各議院において国会議員以外の者からこれを選挙することといたしたのであり、第二は、以上のように法制局長役員といたしますことに伴いまして、同局長に公邸を貸與せんとするものでありまして、そのために国家公務員のための国設宿舎に関する法律に所要の改正を加えた次第であります。  以上がこの改正案内容でありますが、この改正につきましては、すでに議院運営委員会におきまして愼重に協議いたしました結果作成いたし、各派共同提案として発議いたしたものであります。何とぞ速かに可決せられんことをお願い申上げます。
  7. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君起立を求めます。    〔総員起立
  8. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案全会一致を以て可決せられました。      ——————————
  9. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 日程第一、彈劾裁判所裁判員及び同予備員辞任の件。  去る二十四日、田村文吉君、鬼丸義齊君及び佐々木良作君から彈劾裁判所裁判員を、小串清一君及び前之園喜一郎君から同予備員をそれぞれ辞任いたしたい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。      ——————————
  11. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) つきましては、この際、日程に追加して、只今辞任に伴い欠員となりました彈劾裁判所裁判員三名と、同予備員二名及び従前より欠員中でありました彈劾裁判所裁判員一名の補欠選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。尚、予備員選挙に当りましては、その職務を行う順序を定めることになつております。
  13. 加藤武徳

    加藤武徳君 只今議題となりました彈劾裁判所裁半員及び同予備員補欠選挙につきましては、成規手続を省略して、議長指名とすることとなし、尚、予備員職務を行う順序議長に一任するの動議を提出いたします。
  14. 江田三郎

    江田三郎君 只今加藤君の動議に賛成いたします。
  15. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 只今加藤君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。つきましては、楠欠として彈劾裁判所裁判員に泉山三六君、棚橋小虎君、前之園喜一郎君及び羽仁五郎君、同予備員島津忠彦君及び鬼丸義齊齋君指名いたします。尚、予備員職務を行う順序は、島津忠彦君を第一順位、現予備員森下政一君を第二順位、現予備員宮城タマヨ君を第三順位鬼丸義齊君を第四順位といたします。      ——————————
  17. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 日程第二、皇室会議予備議員選挙。  櫻内辰郎君の辞任に伴いまして予備議員欠員を生じましたので、その補欠選挙を行います。尚、選挙に当りましては、予備議員職務を行う順序を定めることになつております。
  18. 加藤武徳

    加藤武徳君 只今議題となりました皇室会議予備議員補欠選挙につきましては、成規手続を省略して、議長指名とすることとなし、尚その職務を行う順序議長に一任するの動議を提出いたします。
  19. 江田三郎

    江田三郎君 只今加藤君の動議に賛成いたします。
  20. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 加藤君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。つきましては予備議員に重宗雄三君を指名いたします。尚その職務を行う順序は、重宗雄三君を第一順位とし、現予備議員徳川宗敬君を第二順位といたします。      ——————————
  22. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 日程第三、皇室経済会議予備議員選挙。  石坂豊一君の辞任に伴いまして予備議員欠員を生じましたので、補欠選挙を行います。尚、選挙に当りましては、予備議員職務を行う順序を定めることになつております。
  23. 加藤武徳

    加藤武徳君 只今議題となりました、皇室経済会議予備議員補欠選挙につきましては、成規手続を省略して議長指名とすることとなし、尚その職務を行う順序議長に一任するの動議を提出いたします。
  24. 江田三郎

    江田三郎君 只今加藤君の動議に賛成いたします。
  25. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 只今加藤君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。つきましては予備議員徳川頼貞君を指名いたします。尚その職務を行う順序は、徳川頼貞君を第一順位とし、現予備議員小泉秀吉君を第二順位といたします。      ——————————
  27. 佐藤尚武

    議員佐藤尚武君) 日程第四、最高裁判所裁判官国民審査管理委員選挙。  最高裁判所裁判官国民審査管理委員三木治朗君、山下義信君、小野哲君及び佐々木良作君の四名が辞任いたしました。尚、従前より五名の欠員がありましたので、これより計九名の委員補欠選挙を行います。
  28. 加藤武徳

    加藤武徳君 只今議題となりました最高裁判所裁判官国民審査管理委員選挙は、成規手続を省略して、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
  29. 江田三郎

    江田三郎君 只今加藤君の動議に賛成いたします。
  30. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 加藤君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。つきましては、その補欠として大野木秀次郎君、工藤鐵男君、黒田英雄君、相馬助治君、小笠原二三男君、中田吉雄君、鈴木文四郎君、一松定吉君及び西田隆男君を最高裁判所裁判官国民審査管理委員指名いたします。      ——————————
  32. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 日程第五、検察官適格審査会委員及び同予備委員選挙。  検察官適格審査会委員徳川宗敬君及び前之園喜一郎君、同予備委員齋武雄君の辞任に伴う欠員と、尚、従前より欠員中でありました同予備委員一名の補欠選挙を行います。
  33. 加藤武徳

    加藤武徳君 只今議題となりました検察官適格審査会委員、同予備委員補欠選挙は、成規手続を省略いたしまして、その指名議長に一任するの動議を提出いたします。
  34. 江田三郎

    江田三郎君 只今加藤君の動議に賛成いたします。
  35. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 只今加藤君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。つきましては、補欠として検察官適格審査会委員小杉繁安君及び齋武雄君を、小杉繁安君の予備委員高橋道男君を、齋武雄君の予備委員久松定武君を指名いたします。      ——————————
  37. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 日程第六、北海道開発審議会委員指名。  去る二十六日和田博雄君の委員辞任に伴い欠員を生じましたので、その補欠指名を行います。
  38. 加藤武徳

    加藤武徳君 只今議題となりました北海道開発審議会委員補欠指名議長に一任するの動議を提出いたします。
  39. 江田三郎

    江田三郎君 只今加藤君の動議に賛成いたします。
  40. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 只今加藤君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。つきましては、補欠として北海道開発審議会委員木下源吾君を指名いたします。    〔「大臣どうした」「議事進行」「予定して開会すればいいんだ」「政府責任だから追究した方がいい」「休憩休憩」と呼ぶ者あり〕
  42. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 暫時休憩いたします。    午前十時三十八分休憩      ——————————    午後一時十三分開議
  43. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。    〔島清発言許可を求む〕
  44. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 島清君。
  45. 島清

    島清君 私はこの際、中小企業対策に関する緊急質問動議を提出いたします。
  46. 小川久義

    小川久義君 只今の島君の動議に賛成いたします。
  47. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 島君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。島清君。    〔島清登壇拍手
  49. 島清

    島清君 私は中小企業の問題に関しまして、刻下緊急の事柄について政府所見を質すべく議院運営委員会に通告をして、十時から私の質問演説が行われることに相成つておつたのでございまするが、関係大臣がお見えにならなかつたので、聰明なる議長休憩の宣告によりまして三時間以上も時間を経過して、只今質問の機会を頂いたのでございまするが、私は先ず私の本題でございまする質問に入ります前に、吉田内閣参議院に対するたびたびのこの軽視の行動に対しまして、この壇上から一言なきを得ないのであります。(拍手)  只今中小企業者諸君は破産、倒産、正に死の一歩手前に追い詰められておるのであります。去る三月の一日には池田さんはこういう業者に対しまして、死ぬも又よかろうという有名なる池田放言を発せられたのでございまするが、併しながら質問内容中小企業に対する緊急質問、たまたま緊急質問であるということ‥‥この池田さんの放言と私の質問内容とを照し合せました場合、如何に吉田内閣がこの山小企業の問題に対して傍観をしておるばかりでなくして、厄介扱いをしておるかということが、今回の大臣の出席にもはつきりと分るのであります。(「ノーノー」と呼ぶ者あり)甚だ遺憾なことではございます。併しながらこのことにつきましては、運営委員会におきまして然るべく内閣責任追及があろうかと私は確信しておりまするが、院内のことはともかくといたしまして、議会というものは政府と我々議員だけのものでは断じてございません。早朝から刻下の重要問題に関心を寄せられまして、傍聴者諸君が詰めかけておられるのであります。即ち議会というものは政府議員だけのものではありません。このこと自体国民に対する侮辱でもあるということを私は申上げたい。(「議運に任せて本論に入れ」と呼ぶ者あり)おつしやる通り議運において何らかの処置があろうかと存じますけれども、ただ一言私申上げて置かなければならないことは、官房長官は今朝の十時半になつて初めて分つたというようなことを言つておられましたが、その官房長官所管官庁でありますところの内閣官房から私に対しまして昨日電話を以ちまして、内閣総理大臣に対しまするところの質問演説内容の問合せがあつたのであります。場所を変えまするならば何とでも放言していいもののように考えておらるるようでございまするが、このこと自体正に内閣糾彈に値する問題であろうかと存じまするけれども、私は本論に入りまして、もつと緊急を要しまするところの中小企業の問題に対しまして、各関係大臣所見を質して置きたいと思います。  我が国経済構造の最も顕著な特殊的な事態は、資本主義の一部の高度の発達にも拘わらず、中小企業と言われまするところの広汎な中間層の存在でございます。中小企業者諸君低位生産において、又小規模の経営において、大企業の圧迫を受けて齷齪しておりまするが、この中小企業我が国産業に占めまするところの地位というものは、その工場数におきまして約全工場の九八%、従業員の数におきまして七一・四%、従業員の総数は百九十万人でございます。生産の総量におきまして六〇%、外貨獲得貿易輸出額におきましては、これと同じく六〇%の地位を占めておるのであります。然るにこの問題がこれ程までに広汎な地位を占めておる割合に、政府のこれに対しまするところの貧困もあずかりまして、この中小企業対策というものが行われてないと申上げますると大変に言い過ぎでございましようけれども、甚だ見るべきものが少いのであります。この中小企業対策といたしまして、業界におきましては合理化の問題が進行しておるのでございまするけれども、この合理化の問題というものは首切り人員整理と、この言葉と同意義に解釈をされて、こういう線に沿いまして合理化が強硬に進められつつある実情にあるのであります。合理化というものはかようなものではなくして、企業体におきまするところの無駄の排除であり、生産消費との間を調整をいたしまして、その意味におきまして産業意識的統制でなければなりません。言葉を換えて申上げまするならば、生産消費の全領域に亘りまするところのコントロールでなければならんのであります。然るに企業合理化人員整理首切りと同意義に解釈しておりまするところの誤まれる業者の中には、やたらに労働者のみを首を切りまして摩擦を起し、産業界におきまして徒らなるところの混乱を誘致しておる実情にあるのであります。これに対しまして與党でございまするところの自由党基盤にいたしまする吉田内閣におきましては、産業合理化を如何ような観点に立つてこれを認識把握し、そうして又如何ような立場においてこれを推進されようとするのであるか。指導されようとするのであるか。自由党参議院選挙の資料によりますると、昭和二十五年五月の発行、これは自由党政務調査会責任において発行されておりまするが、経営合理化、組織の再編成を謳つておるのであります。與党政務調査会は、責任を以ちまして、このパンフレット産業合理化と、産業の再編成をやると言うて、国民大衆公約をしておるのでございまするが、吉田内閣におきましては、近くこのパンフレット国民公約しておりまする通り産業合理化を推進指導するだけの意思があるかどうか、所見を承わりたい。更に産業合理化を推進するということになりますると莫大な資金が必要になつて来るわけでございまするが、この資金を如何なる形で産業合理化の方に転用されるつもりであるか。もう一歩進めまして、産業合理化のために、摩擦混乱を避けるために、円満に産業の再編成を行うために、産業合理化金庫みたような、仮称でございますが、こういつたような特殊の金融機関を設置いたしまして、これを指導するの意思はないかどうかお尋ねをいたします。中小企業の問題を論議するに当りまして当然に逢着をいたします問題は、只今申上げました企業合理化でございまするが、更に只今中小企業者諸君が非常に困つておりまするところの問題は、何を申上げましても金融の途でございます。政府機関でございまする通商産業省におきまして、昨年の四月でございましたか、五月でございましたか、中小企業対策資金といたしまして確か五百六十億を想定されたと思います。それに対しまして吉田内閣は昨年八月一日の閣議におきまして百五十億の中小企業対策費というものを決定をされておるのでございまするが、まだこの資金の放出を私達は寡聞にして知つてないのであります。再び選挙パンフレットに移りますが、選挙の二つのパンフレットにおきまして、自由党は、中小企業を育成することが我が党の今後の重大任務である、こういう前提の下に、見返資金預金部資金を動員すると、国民に向いまして公約をされておるのであります。併しながら選挙が済みまして数ヶ月経つておりまする今日、私達は中小企業対策費といたしまして、まだ見返資金増額預金部資金からの転用ということを存じておりません。果してこれを心底から実行するつもりで国民公約をされたのであるか、されたといたしますならば、何故に速かに見返資金増額預金部資金からの転用をなさないのか、お伺いいたします。国民は、我々野党の公約とは違いまして、正に衆議院におきましては絶対過半数の與党勢力を擁しておりまするところの自由党基盤を持ちます吉田内閣でございますからして、その公約というものは直ぐに実行されるものだというふうな信頼感を持つておるのであります。若し公約を履行する意思なくして、こういつたパンフレット国民に頒布し、更に公務員給與ベースの改訂のごとき、できもしないような、やろうともしないようなことを徒らに公約をいたしまして、若し中小企業者に対しまして欺瞞的の公約をなしたといたしますならば、その政治的な責任は頗る重大でございます。それに対しまするところの政府の御所見を承わりたい。私はもつとお聞きしたいことがあるのでありまするが、時間の関係上端的に質問要点だけお伺いいたします。  地方税法衆議院を通過をいたしまして、参議院の方におきましても通過成立するであろうというひそかな期待を持つておられるに違いありません、政府は‥‥。(笑声)若しこれが成立をいたしまするならば、中小企業者に及ぼしまするところの徴税の強行というものは、相当深刻にこれは影響を持つて来るのであります。それに対しまして政府は何らかの救済の手を打つ意思はないかどうかをお聞きしたい。  更に産業合理化促進首切り促進によりまして、去年の二月から今年の四月までに及びまする一年間におきまして、企業整備によりまして失業いたしておりますところの人口が五十四万七百十三名おるのであります。こういつたような方々は長い間特殊の仕事に関係をいたしておられますところの特殊技能者方々でございまするが、これに対しまして労働大臣は如何なる失業対策の用意を持つておるかどうか、これをお聞きしたい。  更に最後に、朝鮮問題を契機といたしまして客観情勢というものは吉田内閣は好まないでございましようが、自由党は不本意でございましようけれども、情勢自由党吉田内閣が欲しておりましたようなあの手放し自由主義経済の方向には歩みつつあるのではないのであります。それとは反対に統制條件が非常に出て参つておるのであります。新聞紙等によりますると、鉄鋼の統制をしなければならんとか、こういう工合に伝えられておりまするが、近く経済界はかような状態にあると思うのかどうか。若し統制を必要とする段階に客観情勢が進んで参りましたときに、統制を撤廃し自由主義経済を標傍して参りましたるところの吉田内閣は、政治的な責任を如何にその出所進退によつて表明せんとせられるのであるか。衆議院の解散を行なつて、そうして再び国民にその自由主義経済一か、統制主義経済か、計画主義経済か、こういうような政治的な責任をとらんとされるかどうか。この点については特に内閣総理大臣であり自由党の総裁である吉田茂さんにお伺いをいたします。  見返資金につきましてもう一点お伺いをいたしまするが、池田さんは委員会の席上、通産委員会においてでございまするが、中小企業対策といたしまして、大企業の方に資金を廻しまするならば、それが当然に流れて行くものだと、こういうような説明をされましたが、併しながら見返資金融資を受けておりながら、大企業はこれを下請工業者に流していない実情にあるのであります。こういつたような制度に対しまして、いわゆる見返資金に対しまして、嚴重なる紐付き融資、即ち下請工場資金が流れて行くような、嚴重なる紐付き融資をする意思があるかどうかをお聞きしたい。更にもう一点、中小企業の問題に最も法律的な裏付けといいましようか、擁護策といいましようか、講じましたのは中小企業等協同組合法でございます。それによりますると、信用協同組合、その信用協同組合を結成いたしまして融資を受けるというところの機関があるのでありますが、併しながらこれは認可を受ける者に対して、許可をする官僚が任意裁量に基いて許可認可をすることに相成つておりまするので、僅かにこの法律が施行されて以来、全国で十九件しか認可になつていないのであります。埼玉県のごときにおきましては、十三件も認可申請をしておるのでございまするが、まだ今日一件も認可になつておりません。これを法の不備といたしまして、法規裁量に改める意思はないかどうかお伺いをいたします。  もつとお伺いしたい点はあるのでございまするが、時間の関係上この程度で終了いたしまするが、どうぞ一つ暑い折柄、私達は、地方税法を通過させたいという政府の要請に基きまして、議会に参つておるのであります。吉田さんみたいに箱根の強羅あたりにふんぞり返つて避暑をやつておれば文句はないでございましよう。併しながら折角国会議員として、議会が開かれている以上、汗を流してやつております。どうぞ一つ大臣諸公におかれましては、良心的な、誠意溢れるところの良心的な御答弁を煩わしたい。(「御苦労」と呼ぶ者あり、拍手)    〔国務大臣池田勇人登壇
  50. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 政府産業合理化をやる意思があるか、然る場合に資金をどうして出すかという御質問の第一点でありまするが、我々は従来と同様今後におきましても、必要なる産業合理化は極力進めて行きたいと考えておるのであります。このために通産省におきましては各事業別合理化委員会を拵えまして検討を加えておられるのであります。併し合理化に要しまする資金は従来も日銀から斡旋融資をいたしまして相当出ておるのであります。我々は今後国内金融からいいましても、又このために外資を導入する等、あらゆる手を盡しまして金融の便を図りたいと考えております。従いまして只今お話合理化の金庫という特別の金融機関を設けて行く考えはございません。尚、昨年通産省で調べました中小企業のために要する百五十億円の資金でございまするが、これは精選の結果七十億円或いは百億円の中小企業に対する長期資金が必要であることを認めまして、この春以来勧業銀行或いは興業銀行北海道拓殖銀行等を通じまして、この通産省において調査いたしましたるものを必要なる業者に先ず優先的に斡旋をいたしておる次第でございます。  次に中小企業に対する金融措置が非常に貧弱ではないかというお話でございます。併し我々は農業と同様に中小企業に対しましてはあらゆる金融措置を講じて参つております。私は暫らく時間を借りまして、今我々のやつておりますことについて申上げたいと存じます。  先ず第一は昨年来日銀別枠融資中小企業に対しまする別枠融資をいたしております。これは只今は四十一億円の枠になつております。四十億円ばかり出ております。商工中金或いは興業銀行が主でございます。この二行で三十億出しておる。勧銀その他の銀行で十億円ばかり出しております。この枠は必要に応じましてどんどん殖やして行つているのでありますが、只今四十一億のうち一億円ばかりまだ金が残つておるのであります。要求がありますればこれをどんどん殖やして行きます。又見返資金につきましても今年一月から月一億円ぐらいの計画で進んでおります。これは四半期ごとに三億円となつつております。一—三月或いは四—六月におきましては三億円全部出ております。七—九月の現在の四半期におきましては、この七月中に三億円のうち二億数千万円を出す予定で行つておりまするが、二億円を超えると思います。従いましてこの八、九月におきましては、三ヶ月で三億円というのを五億円か或いはもつとそれ以上に出すように只今折衝を進めておりまするが、多分最近のうちにできると思います。即ち見返資金の中から出ます中小企業の三億円の枠は相当拡げられると私は確信いたしておるのであります。次に中小企業に対しましての専門店をこの四月から設けました。この状況を申上げますると、六大都市並びに福岡を入れます七大都市に大銀行が中小企業専門の銀行を設けまして、只今東京の二十五を初めとしまして、福岡の五行を入れて六十四できております。で、四月の二十日から六月までの申込は一万四百件でございまして、六千五百件貸出をいたしております。要求は三十九億円でございましたが十六億円只今貸しておるのであります。六月一杯におきましても相当の貸出が行われておるということは、六月の状況を見ましても確かであるのであります。私はこういう中小企業専門の銀行から月に十億或いは二十億くらい出て行くことを期待して勧奬をいたしておるのであります。  次に見返資金並びに預金部資金融資というお話でございます。私も先般来これを考えまして折衝いたしておりまするが、見返資金からの融資は先程申上げました通りでありまして、預金部の融資につきましては御承知の通り預金部資金は国債、地方債、これだけにしか使えないというスキヤピンが出ておるのであります。然るところ公団関係に特別に融資を認めよというので昨年来認められておるのであります。僅かに国債、地方債、公団への貸付金、これに限られております。これでは併し余り窮窟でありますので、昨年の暮百億円の預金部資金を銀行或いは無盡会社、信用組合に預託いたしまして、この預託の場合におきましても、大銀行よりも無盡、信用組合、或いは地方の小銀行に百億円のうち沢山出るように処置いたしましてやつておるのであります。この預金部からの百億円の融資はこの六月に引上げることになつておつたのでありまするが、私は預金部の折角こういうような融資でございますので、今引上げることを成るべく先に延ばそうというので、引上げることをしない、消極的に援助いたしておるのであります。併し預金部の金は御承知の通り今年度相当殖えておりますので、これを預金部から直接出すことを懇請するか、或いはこの預金部の資金で他の方の債券その他を引受ける、そうして余裕のあつた所から中小企業に出して行くか、いろんな手で只今工交渉いたしておるのであります。  その他商工中金、或いは勧銀等で御承知の長期金融債を発行いたしまして、中小企業金融に出て行くよう努力いたしておりまするが、尚これではやはり十分とは申上げられません。従いまして私は今後におきまして輸出の中小企業金融には特に力を入れますことは勿論でありますが、輸出以外の中小企業に対しましても保險制度を設けたらどうか、即ち貸付金に対しまして、国庫或いは一定の機関が貸倒れの場合の保証の任に当る、こういう制度を作りまして、これは只今関係方面と折衝をいたしまして大体了解を得たと私は心得ておるのであります。併し本国会に出すことができませんことは、補正予算に関係がありますので、本国会にはむずかしいかと思いますが、次の国会には中小企業金融に対しまする保險制度を是非共御審議願うような運びにいたしたいと考えております。従来の各地方公共団体でやつておりまする保証協会、これと私は一応は並行をして行くという考えでおるのであります。  又国民金融公庫は、中小企業のみならず、もつと下の庶民階級の金融として非常に役立つているのでありますので、今年は十二億の出資をいたしておりましたが、私は次の補正予算を組む機会がございましたならば、これに対しまして相当の出資をなすと同時に、これは政府機関でありますので、預金部の金もここに使い得るように国民金融公庫が借入ができるという制度を設けたい。こういう今後の措置といたしましては従来のあらゆる措置を強化拡充いたしますると同時に、中小企業金融の保險制度、或いは国民金融公庫の増資、借入金の設定等を考えたいと思うのであります。  最後に、地方税法案が通過いたしますと八月から納期になつて参ります。国税が滞納があり、又国税の今年度の徴収と地方税が三、四ヶ月ずれて而も年度内に徴収するということになりますと、徴税はなかなか困難なものが加わつて来るのであります。これは徴税機構を十分督励いたしますと同時に、納税者におかれましてもできるだけ金のやりくりが付くように一般の金融措置をやつて見たいと思つております。只今のところ四—六の第一四半期は三百億の引上げ超過でございましたが、七月に至りまして私はこれを取返すべく撒布超過をしたい、政府からどんどん引上げるよりも二百億円ばかりの撒布超過を計画いたしております。而して二百億円の撒布超過のために見返資金から二百億は債務償還をしようと懇請したのでありますが、その後政府の撒布超過は予想以上に出まして昨日現在では債務償還としなくても二百三十億の撒布超過になつているのであります。このために金融もちよつと緩んで参つております。八月におきましては申告納税の金が入つて来ますから普通ならば相当の引上げ超過になるのでありますが、政府の支拂を促進する等あらゆる措置を講じまして、撒布超過をして、第一四半期の引上げ超過を緩和する、そうして納税に便利を與えようと考えておるのであります。地方税の納税につきまして特別の救済手段としてはございません。これは特別に救済手段として、国税と地方税の納期を調節するとか或いは税法上の措置はとりますが、やはり金融を付けて経済を潤おすということが救済の根本であると考えておるのであります。(拍手)    〔国務大臣横尾龍君登壇拍手
  51. 横尾龍

    国務大臣(横尾龍君) 島君にお答え申上げます。  私への御質問信用協同組合設置の件かと思います。現在自由裁量によることになつております。これは組合の健全発達を願うため、その設立について愼重に考慮しておるのであります。併しながら現在の中小企業の相互金融円滑化のためにこの制度の普及を図りたいと思いますので、その設立の認可につきましては、大蔵省とも相談をいたしまして極力迅速に運びたいと思つておるのであります。さよう御了承願います。(拍手)    〔国務大臣周東英雄君登壇拍手
  52. 周東英雄

    国務大臣(周東英雄君) 島さんにお答えいたします。  朝鮮事件の影響についてのお尋ねでありまして、各方面に価格が暴騰するので統制を再びやる意思はないかというお尋ねでありました。成る程朝鮮事件が始まりまして以来、物によりまして価格を上げておるものもありますが、これは二つの理由から来ておると思うのであります。一つは例えば食糧のごとき、朝鮮から輸入を計画しておりますものが影響を受けるがために、或いはというふうで将来のことを考えて高くなるということもありましよう。又その他大きな問題といたしましては、朝鮮事件に関連する特需品の関係が国内から買上げられることによつて値が高くなりやしないか、又そういうことが起ることを予想して仮需要が起つておるということから、今日一部物の値段が上つておることは事実であります。併し私共は、例えば食糧について考えますと、朝鮮からは十万トンの輸入計画をして九万一千トン入つておりまして、残りにつきましては余り影響はございませんし、更に外麦その他で置き換えることもできますので、食糧についての不安もございません。又特需関係につきましては、御心配の点は私も同感でありますが、まだ断片的で全体的な確たる数字は分つておりませんが、私共としてはそういう場合も考えまして、今日でき得る限り輸入を増加して置こうと思つております。又特需につきましてはでき得る限り一本に将来の見通しを立てて、政府の方とも連絡して貰いたいという交渉もいたしております。殊に御承知のように輸入につきましては、七月から九月までの第二四半期の分につきましては、第一四半期に比べまして約七千万ドル程の増加をいたしまして、必要な物資の輸入をいたして、そうして苟くも国内において数量の少くならぬように、そうして物価が再び暴騰しないように、又闇を考えておるような人間は損をさしても国民生活の安定に対して処置をしたいと、いろいろ準備中でおりますので、只今のところ再統制をいたす考えは持つておりません。(拍手)    〔国務大臣保利茂君登壇拍手
  53. 保利茂

    国務大臣(保利茂君) 企業整備に伴う失業の問題に対してお答えを申上げます。  大体の趨勢を申上げますと、昨年は相当大企業において企業整備が活溌に行われた。今年に入りまして中小の企業の面におきまして可なり増加をして、今日ではやや減退の傾向に至つているようでありますけれども、御指摘のような大体の数字に達していると私も存じております。但し御指摘の五十数万の数字は大企業の整備による人員整理を含んでおるものと私は了解いたしております。中小企業の整備による離職者に対して特別の対策を持つておるかと言われますと、これは正直に申上げまして、持つていないと言つた方が適切であろうかと存じます。併しながら日本の産業におきまする中小企業の位置から考えて見ましても、この面に従事されておつた方々が非常に優秀な技能と高度な労働素質を持つておられるということは、私もよく了解しておるつもりでございます。従いまして、この優秀な技能者、そうして高度の労働素質を持つておられる方のために、職業安定所を通じまして、できるだけ安定所の機能を最高限に発揮いたしまして求人の開拓に努めておるような次第であります。特に今日までとられて参つておりまする職業補導によりまする労働力の配置転換と申しますか、この面におられる人達には特にこの職業補導の機能の充実に私は期待しておるものが多いのでございます。と申しますることは、職業補導を終了せられた方々の就職率は非常に高くなつておりまして、優秀な技能と高度の労働素質を持つておられる方々のためには、私はますますこの職業補導所の機能を発揮せしめて行くことに上りまして、大きな期待をかけ得るものと信じておるようなわけでございます。(拍手
  54. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 吉田内閣総理大臣の答弁は他日に留保されました。  議事の都合によりこれにて暫時休憩いたします。    午後一時五十五分休憩      ——————————    午後三時一分開議
  55. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。  林国務大臣より発言を求められました。これを許可いたします。    〔国務大臣林讓治君登壇拍手
  56. 林讓治

    国務大臣(林讓治君) 本日午前中の本会議緊急質問に対しまして、主管大臣が議場に出席をすることが遅れましたがために休憩の止むなきに至りすした事柄につきましては、誠に申訳なく、政府といたしましては深甚なる遺憾の意を表します。今後かかることのなきよう十分注意をいたす考えであります。(拍手、「拳々服膺しろ」と呼ぶ者あり)      ——————————
  57. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) この際、日程第七、京都国際文化観光都市建設法案日程第八、奈良国際文化観光都市建設法案(いずれも衆議院提出)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。建設委員長柴田政次君。    〔柴田政次君登壇拍手
  59. 柴田政次

    ○柴田政次君 只今議題となりました京都国際文化観光都市建設法案奈良国際文化観光都市建設法案は、前者の第四條と後者の第七條の條文と小異がありますが、その他は内容が全く同じでありますので、建設委員会における審議の経過及び結果を一括御報告いたします。  両法案は京都市と奈良市が、世界的にも明媚な風光と歴史、文化、美術上にも重要な地位を持つておりますので、両市の文化観光資源とその施設を開発、維持、整備することによつて、両市を国際文化観光都市として建設することを目的とするものであります。  本法案に対して、建設委員会は地方行政委員会と連合委員会を開き、更に本委員会を続行して愼重なる審議をいたした次第であります。審議の詳細は速記録に讓りまして、質疑応答の主なるものは、一、本法のような特別立法と地方自治、二、都市計画法及び国土総合開発法との関係、三、讓與を期待する国の普通財産、四、本建設事業の執行者、文化観光保有地区及び緑地地域の指定、五、この種特別法制定の先後軽重及びこれと戰災復興との関連などであります。  次に、これらに関する提案者又は政府当局の答弁の主なるものを挙げますると、一、本法による都市建設については、国の普通財産の讓與による助成の外、例えば競輪場の設置、起債、見返資金の使用等についても要望し、又市民の負担の増嵩は成るべく避けるため、市歳出の節減を図つて余剰財源をこれに充当する。二、国の普通財産の讓與は、本建設事業の用に供するため必要があると認められる場合で、その要否は具体的な場合によく考究したい。元来普通財産は国庫の財源であり、その減少は延いて国民負担とも関連するので、その処理は十分愼重を期したいとの大蔵省当局の答弁でありました。又これについては提案者も、法案は讓與することができると規定しておるので、必ずしも無償讓與だけを期待しておるものではないとの言がありました。三、文化観光に関するこの種特別法の制定に関連して、戰災復興事業の推進については、建設省都市局長は、戰災復興五ヶ年計画の完遂は最も鋭意努力するところである、この種特別法については、国の財政の許す範囲において処理し、これがために戰災復興を犠牲にするものではない、両都市については、その重要性に鑑み、観光事業については観光事業審議会の答申を尊重して、両市の建設事業を助成するとの答弁でありました。四、本法制定について必要な住民投票は、十一月に行われる府県教育委員選挙と同時に行い、費用の節減を図りたい。  大体以上のような質疑応答がありました後、討論に入りましたところ、條文は讓與とあつても讓渡の趣意を以て処理されたい旨の発言がありまして、いずれも賛意が表されました。次いで採決の結果、全会一致、原案通り可決すべきものと決定した次第でございます。以上御報告申上げます。(拍手
  60. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君起立を求めます。    〔起立者多数〕
  61. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて両案は可決せられました。      ——————————
  62. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 日程第九、日本政府在外事務所設置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。外務委員櫻内辰郎君。    〔櫻内辰郎登壇拍手
  63. 櫻内辰郎

    櫻内辰郎君 只今議題となりました日本政府在外事務所設置法の一部を改正する法律案の外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。  先ず本案提案理由並びに内容について申上げます。本案は日本政府在外事務所勤務職員の給與を適当に定める措置を講ずるための法律案であります。第七国会において日本政府在外事務所設置法が成立いたし、アメリカ合衆国内の五ケ所に在外事務所が設置されたのでありますが、政府側の説明によりますと、総司令部の好意によつて、最近その他の数ケ国、例えばフランス、スエーデン、ブラジル、パキスタン、インド等にも在外事務所の設置が実現する見通しを得ている由であります。若しこれらが実現した曉には、政府は在外事務所設置法第二條第二項の規定に基きまして、政令によつて在外事務所を設置し得るのでありますが、その場合、在外事務所勤務職員に対して所在国の物価水準に応じた適当な手当を支給することを考慮する必要があるのであります。そのために外務大臣は同設置法別表に定める在勤手当と伸展手当とを当分の間九割から十一割の範囲内で増減し得ることとし、以て在勤地の実情に即した適当な手当額を支給したいというのが本法案の趣旨下あります。  本委員会は七月十八日予備審査を行い、政府側と十分なる質疑応答をいたしました。次いで衆議院よりの送付を待つて七月二十七日委員会を開き、討論採決を行いましたところ、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  右御報告申上げます。(拍手
  64. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君起立を求めます。    〔総員起立
  65. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案全会一致を以て可決せられました。      ——————————
  66. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 日程第十、主要食糧供出報奨物資の配給に伴う損失の補てんに関する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。農林委員長岡田宗司君。    〔岡田宗司君登壇拍手
  67. 岡田宗司

    ○岡田宗司君 只今議題となりました主要食糧供出報奨物資の配給に伴う損失の補てんに関する法律案の農林委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。  主要食糧供出農家の努力に報いんとする要望に答えまして、政府昭和二十四年度産米及び甘藷の供出に対して、衣料品、自転車、魚肥等の報奨物資の配給を企図し、昨年中にその出荷を大部分完了いたしたのであります。然るところ本年の一月から織物消費税及び取引高税の廃止、公定価格の改訂並びにこれらの物資の供給の増加等によつて価格の低落を来たしまして、旧公定価格で仕入れた報奨物資は却つて割高となり、かてて加えまして農村購買力の減退と相待ちまして、報奨物資の売行きは甚だ不振となり、本年二月末現在、都道府県購買農業協同組合連合会を含む都道府県共同荷受機関及び市町村農業協同組合を含む小売機関におきましては、大約二十六億円に近いこれら報奨物資の滞貨の重圧に悩まされるに至つたのであります。又配給機関と出荷機関との代金の決済が澁滞いたしまして、これをそのまま放置いたしますれば経済界混乱を招くことになり、事態は重大を加えて来たばかりでなく、報奨の趣意からいたしましても看過することのできない問題となつたのであります。ここに鑑みまして、第七回国会において政府を促しましてその対策の確立を急がしめ、政府又主要食糧供出報奨用衣料品に関し荷受機関及び小売機関の振出又は裏書商業手形の取扱に対して応急の手段をとり、或いは都道府県手持ち滞貨を卸売商に売戻し、価格差益金の操作によつて卸売商をして値引せしめる等の措置を講じたのであります。併しながらこれらの措置は衣料品のみに限られておりまして、而も不十分であるばかりでなく、衣料品以外の自転車及び魚肥については問題は未解決のまま残されておつたのであります。ここにおいて政府は本年二月来日現在における都道府県共同荷受機関及び小売機関の手持ちいたしておりまする綿スフ、手拭、タオル、作業衣、自転車、魚雑肥等の滞貨について、これらの配給機関の損失を補填することによつて農家が購入できる価格まで値引して配給せしめ、報奨物資所期の目的を達成せんがために本法律案を提出するに至つたのであります。委員会におきましては、本法施行後予算成立執行に至るまでの間における金融措置等について政府当局との間に質疑が行われましたが、その詳細につきましては会議録によつて御覧願うことにいたしたいのであります。質疑を打切りまして討論に入りましたところ、岡村委員からいたしまして、補填額については満足し難いが、措置としては機宜を得たものであるとの意見を以て御賛成があり、江田委員からは、旧農業会資産の譲受資金に対する長期低利の特別融資に関し、又池田委員及び赤澤委員からは、本法による補填に必要な予算の成立執行に至るまでの期間における繋ぎ資金の融通に対し政府の方全の措置を強く要望して御賛成があつたのであります。続いて採決に入り、全会一致を以て政府原案通り可決すべきものと決定した次第であります。右御報告申上げます。(拍手
  68. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君起立を求めます。    〔総員起立
  69. 佐藤尚武

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案全会一致を以て可決せられました。  本日の議事日程はこれにて終了いたしました。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十一分散会      —————————— ○本日の会議に付した事件  一、国会法等の一部を改正する法律案  一、日程第一 弾劾裁判所裁判員及び予備員辞任の件  一、弾劾裁判所裁判員及び予備員選挙  一、日程第二 皇室会議予備議員選挙  一、日程第三 皇室経済会議予備議員選挙  一、日程第四 最高裁判所裁判官国民審査管理委員選挙  一、日程第五 検察官適格審査会委員及び同予備委員選挙  一、日程第六 北海道開発審議会委員指名  一、中小企業対策に関する緊急質問  一、日程第七 京都国際文化観光都市建設法案  一、日程第八 奈良国際文化観光都市建設法案  一、日程第九 日本政府在外事務所設置法の一部を改正する法律案  一、日程第十 主要食糧供出報奨物資の配給に伴う損失の補てんに関する法律案