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1950-07-19 第8回国会 参議院 法務委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十五年七月十九日(水曜日) 午後一時二十三分開会 ————————————— 本日の
会議
に付した事件 ○小
委員会設置
の件 ○小
委員
の
選任
の件 ○小
委員長
の
選任
の件 ○
罹災都市借地借家臨時処理法
第二十
五條
の二の
災害
及び同條の
規定
を適 用する
地区
を定める
法律案
(
内閣提
出) ○
土地台帳法等
の一部を
改正
する
法律
案(
内閣送付
) —————————————
北村一男
1
○
委員長
(
北村一男
君)
只今
より
委員会
を開きます。先ず最初にお諮り申したいことは、去十七日に本
委員会
の終了しました後で、
委員長
と
理事
が打
合会
を開きまして、検察及び裁判の
運営等
に関する
調査
の方法について協議をいたしました。その結果
従前通り
この
調査
のため
司法制度
に関する小
委員会
、新
刑事訴訟法
の
運用
に関する小
委員会
、及び
青少年犯罪
に関する小
委員会
の三小
委員会
を設けることを決定いたしましたが、この
委員長
及び
理事
の打
合会
の決定の
通り
、この三つの小
委員会
を設けることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
北村一男
2
○
委員長
(
北村一男
君) 御
異議
がないと認めます。よ
つて
本
委員会
に
只今
申上げた
司法制度
に関する小
委員会
、新
刑事訴訟法
の
運用
に関する小
委員会
及び
青少年犯罪
に関する小
委員会
を設けることに決定いたします。 次に
只今
決定いたしました各小
委員会
の小
委員
の
選任
の件でございますが、これはすでに
委員各位
の御希望もお知らせ頂きまして、各小
委員
の数とも併せて考慮いたしまして
委員長
において指名いたしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
北村一男
3
○
委員長
(
北村一男
君) それでは
司法制度
に関する小
委員
に
伊藤修
君、
鬼丸義齊
君、
山田佐一
君、
左藤義詮
君、
長谷山行毅
君、
高橋道男
君、
一松定吉
君をお願い申したいと思います。新
刑事訴訟法
の
運用
に関する小
委員
に、
伊藤修
君、
鈴木安孝
君、
齋武雄
君、
棚橋
小虎君、
岡部常
君、
一松定吉
君、
羽仁五郎
君にお願い申したいと思います。
青少年犯罪
に関する小
委員
に
宮城タマヨ
君、
鬼丸義齊
君、
左藤義詮
君、
長谷山行毅
君、
齋武雄
君、
高橋道男
君、
須藤五郎
君の方々をそれぞれ御指名申上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
ちよ
つと
速記
を止めて下さい。 〔
速記中止
〕
北村一男
4
○
委員長
(
北村一男
君)
速記
を始めて下さい。尚
只今
申上げました小
委員
に加えて、
青少年犯罪
に関する小
委員
に
山田佐一
君を、
司法制度
に関する小
委員
に
棚橋
小虎君を、それぞれ追加御指名申上げます。 次に、先例によりますとこの小
委員会
には小
委員長
を設けることにな
つて
おりますが、各小
委員長
をも
便宜
私よりお願いいたしたいと思いますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
北村一男
5
○
委員長
(
北村一男
君) それでは御
承認
を頂きましたので、私より小
委員長
をお願い申上げたいと思いまするが、従来小
委員長
をなさ
つて
おられました
鬼丸義齊
君を
司法制度
の小
委員長
に
伊藤修
君を新
刑事訴訟法運用
の小
委員長
に、
宮城タマヨ
君を
青少年犯罪
の小
委員長
に御指名申上げます。どうぞよろしくお願いいたします。 —————————————
北村一男
6
○
委員長
(
北村一男
君) これより
法案
の
審議
に入ります。先ず
罹災都市借地借家臨時処理法
第二十
五條
の二の
災害
及び同僚の
規定
を適用する
地区
を定める
法律案
を
議題
に供します。本
法案
に対して
質疑
がございましたら御
発言
を願います。 別に御
発言
がなければ
質疑
は終了したものと認めまして直ちに
討論
に入りたいと思いますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
北村一男
7
○
委員長
(
北村一男
君) 御
異議
がないものと認めまして
討論
に入ります。御
意見
のおありの方は賛否を明らかにしてお述べ願いたいと思います。別に御
発言
もない
よう
でありまするから
討論
は終局したものと認めましてこれより採決に入ります。
本案
を原案
通り
可決することに
賛成
の方の
挙手
をお願いいたします。 〔
総員挙手
〕
北村一男
8
○
委員長
(
北村一男
君)
全会一致
でございます。よ
つて本案
は原案
通り
可決すべきものと決定いたしました。 尚本
会議
における
委員長
の
口頭報告
の
内容
は、本
院規則
第百四條によ
つて
予め多数
意見者
の
承認
を得なければならないことにな
つて
おりますが、これは
委員長
におきまして
本案
の
内容
、
審議
の経過、表決の結果を報告することに御
承認
を願うことに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
北村一男
9
○
委員長
(
北村一男
君) 御
異議
がないものと認めます。 それから本
院規則
第七十
二條
によりまして、
委員長
が議院に提出する
報告書
につきまして多数
意見者
の
署名
を附することにな
つて
おりまするから
本案
に御
賛成
の方は順次御
署名
をお願い申上げます。 多数
意見者署名
宮城タマヨ
鈴木
安孝
長谷山行毅
山田
佐一
棚橋
小虎
岡部
常
高橋
道男
須藤
五郎
—————————————
北村一男
10
○
委員長
(
北村一男
君) 次に
土地台帳法等
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
に供します。御
質疑
のおありの方は御
発言
を願います。 尚お
手許
に
土地台帳法等
の一部を
改正
する
法律案
の
逐條説明書
がお配りしてございまするが、これは
政府委員
も出席しておられまするから一々これを
説明
して頂きますか。それとも省略してよろしうございますか、御
意見
を承わりたいと思います。
山田佐一
11
○
山田佐一
君 私
法務
に対してずぶの素人でありますから、こういう
質問
をするということが愚な
質問
かとは思いますが、
余り
どなたも御
発言
がありませんからやはり
逐條御説明
を
願つて
そうして常識的に分らんところだけは又承
わるよう
にして頂きたいと思いますが。(「
賛成
」と呼ぶ者あり)
北村一男
12
○
委員長
(
北村一男
君) それではさ
よう
に進行いたしたいと思います。
村上朝一
13
○
政府委員
(
村上朝一
君) この
法律案
を提出いたしました
理由
及び
内容
の概要につきましては
前回法務総裁
から
説明
があ
つたの
でございますが、尚
逐條
につきまして私から御
説明
申上げます。 第
一條
は
土地台帳法
の
規定
を
改正
するための
條文
であります。 先ず『「
政府
」を「
登記所
」に改める。』とな
つて
おりますが、これは
前回法務総裁
から御
説明
申上げました
通り
、
土地台帳所管庁
を従来
税務署
でありましたのを、
地方税法案
に歩調を合せまして、
税務署
の
所管
から外しまして、
登記所
の
所管
といたすというための
改正
なのであります。従来は
法律
の上には「
政府
」とありまして、
施行規則
にはこれを「
税務署
」或いは「
税務署長
」と具体的に
勅令
に定めてお
つたの
でありますが、この度の移管に伴いまして
土地台帳法
の
法律
の上で「
政府
」とありましたのを「
登記所
」と改めることにいたしまして、
法律自体
において
所管庁
を明らかにするということにいたしたのであります。 次は目次の
修正
でありますので、これは
内容
の
改正
に伴う形式的な
整理
であります。 次に
土地台帳法
の第
一條
であります。お
手許
に配付してあります
土地台帳法
及び
家屋台帳法
の
新旧対照表
というのがございます。
新旧対照表
を御覧にな
つて
頂いた方がお分りになるかと存じます。
土地台帳
と申しますのは
課税
のための
台帳
であると同時に、
個々
の
土地
の
内容
、
範囲
を明らかにするという
意味
で
地籍
の
台帳
、
地籍簿
という
意味
と二つの役目を持
つて
おるわけでありますが、従来の
土地台帳
は
課税台帳
であるという点に主たる
意義
を持
つて
おりましたために、
土地台帳
の
登録
も、
土地
の
状況
を明確に把握して
地租
の
課税標準
たる
土地
の
賃貸価格
の均衡適正を図ることをその
目的
としてお
つたの
であります。この度の
改正
によりまして
土地台帳
は
土地
の
状況
を明確にする、
地権
の
客体
であるところの
個々
の
土地
の
状況
を明確にするという
地籍簿
たる性格を主とするものになりますので、その
趣旨
に
従つて本條
を改めることにいたしたのであります。 尚
台帳事務
と
不動産登記事務
とを同じ
登記所
で取扱わせるのが適当でありますので、この
本條
に第二項を新設いたして
当該土地
につきまして
登記
の
事務
を掌る
登記所
が行うということにいたしたのであります。 第
二條
は従来
通り
でありまして、次は第三條で、
地方税法
の
改正
によりまして
課税物件
と
非課税物件
との
範囲
に
異動
を来しましたので、これに対応して第
一種地
及び第二種地の区別に関する
本條
の
規定
を
整理
いたしたのであります。第
一種地
といいますのは
課税物件
であり、第二種地は
非課税物件
なのであります。 次に第四條は
賃貸価格
という文字を
現行法
から削除するわけでありますが、これは前の
総裁
の
説明
にもございました
よう
に、
地方税法
の
改正
によりまして
土地家屋
の
賃貸価格
という
制度
がなくなります。
市町村
が
不動産
の
評価
をして
評価価格
を
土地家屋
の
台帳
の
複本
に記入するということになりましたので、
賃貸価格
の
制度
の
廃止
に伴いまして
整理
いたしたのであります。 次に第
五條
であります。やはりここで
現行法
第五号の
賃貸価格
というのを削除いたしましたのも同じ
理由
であります。尚又この従来の
土地台帳法
の第
五條
第二項には「
土地台帳
に関し必要な
事項
は、命令でこれを定める。」という
規定
がございましたが、これはこれに代るべき
規定
が
土地台帳法
の四十三條の四として新設されておりますので第二項を
整理
いたしたのであります。 次に第九條でありますが、これも先程申しました
賃貸価格
の
廃止
に伴いまして、
土地台帳
には
賃貸価格
を書かないことになるわけでございますが、
市町村
に保管しております
土地台帳
の
複本
に
不動産
の
価格
を書くことにな
つて
おりまして、その
価格
を
市町村長
から
登記所
に
通知
するという
規定
が
地方税法案
の方に四百三十六條として
規定
があるわけであります。この
規定
に基きまして
通知
がありましたならば
土地台帳
の
原本
の方に
土地
の
価格
を記載して置く。これは
登記所
として
土地
の
価格
を記載して置くということは、
課税対象
でなくな
つた建前
から申しまして必ずしも必要ではないのでありますけれども、
土地台帳
の
謄本
を取れば
不動産
の
価格
も同時に分るという
便宜
がありますので、か
よう
な重要な
台帳
でありますので
原本所管庁
である
登記所
、それから
複本所管庁
である
市町村
というふうに
両方
に危険を分散しておるわけなのであります。その
意味
におきましても仮に
市町村
の
台帳
の方が
複本
が燒けましても、この
原本
を見れば再製は容易であるという途を開く必要もありますので、
通知
によ
つて
記載するということにいたしたわけなのであります。 次に十條を
整理
いたしましたのは、先程申しました
賃貸価格
の
廃止
に伴うからであります。 次に十
一條
から十
七條
まで削除ということにな
つて
おります。これもすべて
賃貸価格
に関する
規定
なんでありまして、その
規定
も必要がなくなりますので削除いたしました。
山田佐一
14
○
山田佐一
君
説明
を途中で
切つて質疑
を
ちよ
つ
ちよ
つとや
つた
らどうでし
よう
か。それとも全部
逐條
や
つて
から
質疑
をやりますか。或る
一條
々々で分らんところを
質疑
して行きますか。
北村一男
15
○
委員長
(
北村一男
君)
政府委員
の御
説明
は
一條ごと
に
終つて
、その條に御
質疑
がございましたならば
質疑
をなさ
つて
差支えありません。
山田佐一
16
○
山田佐一
君 この
賃貸価格
がなくな
つて
、
価格
ということになる
よう
でありますが、この
価格
が現在問題にな
つて
おります
賃貸価格
の八百倍、九百倍というのかそれになるわけでありますね。それとも別に
価格
というものをば、
評価委員
か何かや
つて
評価
するのですか。
価格
の算定を出すというものはどういう
よう
な基準にな
つて
おりますか。
村上朝一
17
○
政府委員
(
村上朝一
君) これは
地方税法
の方の問題でありますが、
価格
は
不動産
の
評価
をいたしまして
価格
をつけるわけでありますが、
評価
を終るまでに
相当期間
を要するわけであります。今問題とな
つて
おります八百倍、九百倍という問題は取敢えず従来の
賃貸価格
で算定いたしまして、正式の
評価
が終るまでの一年間暫定的ということになるのであります。
山田佐一
18
○
山田佐一
君 そうしますと
評価委員
というものができて、毎年々々この
評価
を算定して出すのでありますか。
村上朝一
19
○
政府委員
(
村上朝一
君)
評価委員会
を設けて、
評価委員
の
評価
に基いて
評価
することにな
つて
おる
よう
であります。
山田佐一
20
○
山田佐一
君
評価委員会
の
主催者
は
市町村長
ですか。
村上朝一
21
○
政府委員
(
村上朝一
君) そうであります。
山田佐一
22
○
山田佐一
君 それで了承いたしました。
村上朝一
23
○
政府委員
(
村上朝一
君) 十
七條
のところまでの
説明
を終りましたので次に「第三章を第二章とする。」というところでありますが、これは従来の第二章が
賃貸価格
に関する
規定
でありまして、一章全部なくなりましたので次の第三章が第二章になるわけであります。次の第十九條でありますが、これは「
土地
が
滅失
したとき」というのを
現行法
に加えたのであります。つまり第
一種地
が第二種地と
なつ
た場合の外、
土地
が
滅失
したときに
土地所有者
から
申告
をしなければならないという
規定
に改めたのであります。これは従来
家屋台帳法
には
家屋滅失
の場合の
申告
の
規定
がありますし、
不動産登記法
におきましても
土地
の
滅失
の
登記
という
規定
がありまして、
土地台帳
における
登録
を
前提
としておりますので、従来の
現行法
の
不備
であ
つた
かと思われるのであります。この
不備
を補いまするために
土地
の
滅失
の場合にも
申告
を要することといたしたのであります。
北村一男
24
○
委員長
(
北村一男
君) お諮りいたしますが、
逐條御説明
を頂くといたしましても、この
賃貸価格
という
よう
な字句のあるものを削除するという
よう
な
改正
が多い
よう
でございますから、こういうものも
逐條
的に
説明
を願いますか、どうですか。
政府委員
において特に注意をしなければならん点だけに
限つて説明
を願いますか、どういたしますか。
棚橋小虎
25
○
棚橋
小虎君
余り
長くなりますから特に大事な点だけを
拾つて
御
説明
願いたいと思います。
北村一男
26
○
委員長
(
北村一男
君) それで御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
北村一男
27
○
委員長
(
北村一男
君) それじやそういうふうに特に重要の
事項
に
限つて
どうぞ御着席のまま御
説明
をお願いいたします。
村上朝一
28
○
政府委員
(
村上朝一
君) 形式的な
整理
の
規定
を省きまして
内容
についての
改正
のあります点を……。 次に三十
七條
でありますけれども、
現行法
の第三号によりますと一筆の
土地
の一部が
所有者
を異にするときには
政府
は
職権
でその
土地
を
分筆
するということにな
つて
おります。併し
土地所有権
の
移転
は先ず
不動産登記法
によりまして
登記
をいたしました後に
登記所
から
台帳所管庁
に
通知
が来、その
通知
に基いて初めて
台帳
に
登録
がなされるということに
現行法
でな
つて
おります。又
土地
の一部の
所有権
の
登記
を
移転
するというためには
前提
として
台帳法
第二十六條による
分筆
を必要とするのでありまして、
通常本條
第三号に
分筆
をする
余地
は生じないわけであります。大体例外といたしまして未
登記
の
土地
が収用された場合には、
起業者
からその旨を
台帳所管庁
に
申告
する
取扱い
に大体な
つて
おりますので、この場合には
台帳法施行規則
によりまして
登記所
からの
通知
を待たないで
所有権
の
移転
を
登録
することに
現行法
でな
つて
おるわけであります。で
現行法
の二十
七條
もその
趣旨
だろうと考えるのでありますが、このことを明らかにするために「一筆の
土地
の一部が
所有者
を異にする」場合ということに改めたのであります。 次に三十
一條
でありますが、
現行法
におきましては
地目
の
変換
というのは第
一種地
即ち
地租
のかかる
土地
の中での
地目
の
変換
だけを指して申してお
つたの
であります。従いまして第二種地の
地目
を
変換
するということは従来なか
つたの
でありますが、
課税
の
便宜
から申しますとそれでよか
つたの
でありまし
よう
けれども、
地権
の
客体
であるところの
土地
の
状況
を明らかにするという
意味
から申しますと、第
一種地
のみならず第二種地につきましても
地目
の
変換
ということを認めることが適当であると、か
よう
に考えまして第二種地についての
地目
の
変換
ということを認めることにいたしたのであります。 次に三十
七條
の三であります。これは従来
土地台帳
の
謄本
は、
施行規則
によりまして交付されることにな
つて
おりますけれども、
閲覧
は許されておらないのであります。
台帳
を
ちよ
つと見せて
貰つて
それを写して置きたいという
よう
な必要がありましても、
閲覧
をするということは許されておらなか
つたの
でありますが、今後ますます
登記
と
台帳
との関係が現在以上に密接とな
つて
参りまして、
閲覧
の必要を生ずる場合が一層増加することが考えられますので、従来の
謄本
の
登記
の
制度
の外に
台帳
の
閲覧
の
制度
を認めることにいたしたのであります。 次に三十八條でありますが、
土地台帳
に
登録
した
事項
に
変更
を生じた場合、例えば第
一種地
から第二種地に変る、或いは反対に第二種地が第
一種地
になる、或いはその
種類
の中で
地目
が変
つた
という場合には、
申告
に基いて
地目
の
修正
、
地籍
の
変換等
が行われまして、
登録事項
の
申請
がなされることになるわけであります。これらのことは従来も二十
一條
、二十
二條
その他で特に明記されておりますが、
台帳
の
登録
及び
申請
は本来、
台帳所管庁
が
職権
を以ても行うべきものでありますので、特に各
本條
で
登録
を
修正
すべき旨を
規定
しておりません場合にでも、
土地台帳
に
登録
した
事項
に
変更
を生じた場合には、その
登録
を
修正
するということを特に明らかにしたのであります。例えば
登録
された者の住所、氏名に
変更
を生じた場合の
申告
に関する
規定
が三十
七條
の二にありますけれども、その
申告
があ
つた
場合の
登録
の
修正
は勿論のこと、或いは
行政区画
の
変更
に伴う字の名称、或いは地番の
変更
に伴う
登録
の
修正
という
よう
なことも
本條
によ
つて
なされることになるわけであります。それから本経の第二項は
台帳
に
誤り
があるということを発見したときの訂正の
規定
であります。従来か
よう
な
規定
がなか
つたの
であります。実際の
取扱い
につきましては誤謬があれば申出でによ
つて
訂正するということをやつでお
つたの
であります。その
趣旨
を
法律
の上に明らかにするという
意味
におきまして、第二項を新設したわけであります。 次に四十
一條
の二であります。
官公署
或いは
土地収用
の場合における
起業者等
が
不動産
の
表示
、
登記名義人
の
表示
の
変更
、或いは相続による
所有権移転
の
登記等
を本人に代
つて
代位
してできるということが、
不動産登記法
或いは
自作農創設特別措置登記令等
に
規定
があるのでありますが、これらの場合には、先ず
前提
として
土地台帳法
の
登録
の
修正
を必要とするのであります。
修正
を要するのが
通常
なのであります。然るに
土地台帳法
には
不動産登記法等
にあります
よう
な
代位申告
の
規定
がありませんために、これらの
不動産登記法等
に設けております
代位
による
登記
の
規定
の
運用
の
余地
が非常に少いので、
取扱い
上極めて不便をされておりましたので、法令によ
つて代位登記
を嘱託し又
申請
し得る場合に、その暫定として
台帳法
による
申告
をも
代位
によりなし得るものといたしまして、この不便を除くことにいたしたわけであります。 次は四十三條でありますが、
地方税法案
の七百三十四條によりますと、
東京
都の区の存する区域及び
特別市
におきましては、都或いは
特別市
が
固定資産税
を課するものとされておりますので、この場合には
台帳
の
副本
の備付の場所、或いは
申告経由機関等
、
通常
の場合
市町村
或いは
市町村長
とな
つて
おります場合を、
東京
都又は
特別市
の場合には
都知事
又は
特別市
の市長とするのが適当であるのであります。 尚一方
地方税法案
によりますと、
東京
都の区即ち特別区でありますが、
東京
都の特別区は、都の
條例
の定めるところによ
つて都
の課することのできる
固定資産税
を、特別区税として課することができるという
規定
が
地方税法案
の中にあるのであります。七百三十六條として入
つて
おるのでありますが、特別区税として区で
固定資産税
をとります場合には、
土地台帳副本
の
備付場所
或いは
申告経由機関等
は、或いは
都知事
だけでなく特別区又は区長とするのが適当でありますので、この但書を設けたのであります。 次は四十
五條
でありましてこれは
罰則
の
申請
でありますが、
現行法
でこの
土地
の検査を妨げ又は忌避した場合の
罰則
として、五百円以下の罰金としておりますのは、
地方税法
の
罰則
との均衡上
余り
にも低過ぎるということで、
地方税法
に釣合をとりましてか
よう
に
改正
することにいたしたのであります。これで大体
土地台帳法改正
の重要な部分についての御
説明
を終ります。
高橋道男
29
○
高橋道男
君 不馴れでございますので、或いは以前に
審議
されたことを繰返してお聞きますることになるかも知れませんが、
地目
の
変換
についてお尋ねしたいと思いますが、これは事実問題として、従来は或いは
宅地
を畑、或いは田畑であ
つた
ものを
宅地等
に
使用
していたものが
相当
あると思うのであります。これは
地目変更
ではなしに
使用変換
であろうと思うのでありまするが、そういうことが
使用
でありましてもその
実情
が
変更
された場合には、一月以内に
申告
しなければならないのがこの
建前
であるかも知れませんが、そういうことをやらずに
便宜
使用
して
使用
の
変換
をしていたものが今までに
相当
あ
つた
と思います。そういうことが先般来の
農地改革
についても、
実情
と
登記
との相違によ
つて
いろいろの齟齬を来してお
つた
ことも聞くのでありますけれども、そういう
使用変換
の場合についての拘束というものはその
所有者
の
自発的意思
による
申告
以外にはないのでありますか。
村上朝一
30
○
政府委員
(
村上朝一
君)
只今お話
のありました
よう
な場合は、第三十
二條
に
規定
がございまして先ず
所有者
が
申告
するわけであります。
所有者
の
申告
のなか
つた
場合におきましても、先程御
説明
申上げました
よう
な三十八條の
規定
によ
つて
、
土地台帳
の
登録
に
誤り
があることを発見した場合には、これを訂正するという
規定
。及び第十條にこれは一般的な総則としてでありますが、
申告
がなくても
申告
がないとき又は
申告
を不
相当
と認めるときは、
登記所
の
調査
によ
つて
なされる、か
よう
な
規定
にな
つて
おりますので、必ずしも
申告
がなくても
地目
の
修正
は行われる場合があるわけであります。
高橋道男
31
○
高橋道男
君 もう一つお尋ねしたいのでございますが、一昨日の
総裁
の
提案理由
の
説明
の中の第三に掲げてありますが、これはこの
條文
のどこに
相当
しているか存じませんけれども、
土地異動
に関して
市町村
を経由してすることにな
つて
いるけれども、直接
登記所
に対してすることもできるということの
意義
は、
登記所
に対してだけすれば
市町村
に対してはしなくてもいいという
意味
なのか。
両方共
やはりしなければならないかという点は如何ですが。
村上朝一
32
○
政府委員
(
村上朝一
君)
両方
にしなければならないという
意味
ではないのでありまして、従来は必ず
市町村
を経由しなければならない。直接
登記所
に
申告
することができなか
つたの
であります。今度は
市町村
を経由しでや
つて
もよろしい。又直接
登記所
に
申告
してもよろしい、そういう
意味
であります。
高橋道男
33
○
高橋道男
君 重ねてお伺いしますが、それはどちらでもよろしいという
意味
なんでし
よう
か。
登記所
へやれば
市町村
の方へは届出をしなくてもいいという
意味
なのですか。
市町村
の方には必ずしなければならないという
意味
ですか。
村上朝一
34
○
政府委員
(
村上朝一
君)
台帳法
による
申告
といたしましては
登記所
だけにすればいいのであります。
登記所
にした場合には
登記所
にした上更に
市町村
にするということは
台帳法
は要求していないのであります。
北村一男
35
○
委員長
(
北村一男
君) 外に
只今政府委員
の御
説明
になりました
土地台帳法
の主なる
事項
について、御
質疑
がございましたならば御継続願いたいと思います。 御
質疑
がございませんければ引続いて
家屋台帳法
の主なる
事項
について
政府委員
の御
説明
を煩わしたいと存じます。
村上朝一
36
○
政府委員
(
村上朝一
君)
家屋台帳法
につきまして申上げますと、先ず実質的な
改正
としましては第
一條
でありますが、これは先程
土地台帳法
の第
一條
について申上げましたのと同じ
趣旨
で改めたのであります。即ち
台帳登録
の
目的
をか
よう
に改めましたのと、それから
登録
の
事務
を
当該家屋
につき
不動産登記
の
事務
を掌る
登記所
で行うことといたしたのであります。 次に第六條でありますが、これも
現行法
にない
規定
でありますけれども、先程
土地台帳法
について申上げましたのと同じ
趣旨
におきまして、
家屋
の
異動
がありました場合に、先ず
所有者
の
申告
により
申告
がないとき又は
申告
を不
相当
と認めるときは、
家屋番号
、
種類
、構造、
床面積
は、
登記所
の
調査
で
登記所
がこれを定めるということにいたしたのであります。 次に第十四條でありますが、これも先程申しました
土地台帳法
の十八條に
相当
する
規定
でありまして、
家屋
の
価格
を記載すべき
家屋
として
登録
することを要する
家屋
の
異動
申告
については、一ケ月内に
申告
をしなければならないということにいたしますと同時に、国有の
家屋
が拂下げによ
つて
私有に
なつ
た場合の
よう
に、
台帳
に
登録
することを要しない
家屋
が新たに
登録
を要する
家屋
と
なつ
た場合の
申告
に関する
規定
が、従来
不備
でありましたのを新たにその
規定
を設けたのであります。 次に第十
五條
でありますが、これも
土地台帳法
の十九條に相応する
規定
でありまして、
家屋
の
価格
を記載しない
家屋
として
登録
することを要する
家屋
、即ち言換えますと税金のかからない
家屋
でありますが、税金のかからない
家屋
として
登録
するを要する
家屋
の
異動
申告
について
本條
に
規定
を置いたのであります。これは
現行法
にもこれに
相当
する
規定
があるのでありますけれども、
現行法
の十四條と十八條を併せて
規定
したわけであります。 次に十九條でありますが、これは
土地台帳法
の四十條と全く同
趣旨
の
規定
でありまして、従来
家屋台帳法
にはこの
規定
がなか
つたの
でありますけれども、その
不備
を補うためにこの十九條を新たに置くことといたしたのでございます。 その外は第二十
二條
におきまして
土地台帳法
の
規定
を多数準用いたしておりますが、大体において
土地
と
家屋
との特殊性に基く差違を除きましては、
土地台帳法
と同じ歩調で
家屋台帳法
を
改正
し
よう
という
趣旨
であります。
北村一男
37
○
委員長
(
北村一男
君)
只今
政府
から御
説明
のありました
家屋台帳法
の主なる
改正
点について、御
質疑
のある方は御
発言
を願います。 〔「
質問
なし」と呼ぶ者あり〕
北村一男
38
○
委員長
(
北村一男
君) それでは
政府
から
不動産登記法
の
改正
について御
説明
を願います。
村上朝一
39
○
政府委員
(
村上朝一
君) それではこの
法案
の第三條にあります
不動産登記法
の
改正
につきまして主な点を申上げますと、先ず
不動産登記法
の第十
一條
を削除することにな
つて
おりますが、これは従来
台帳所管庁
と
登記所
とが別々にやりましたために、相互に
通知
をする
規定
であります。これは
登記所
と同じ所で取扱うことになりますと、その
通知
が不要になりますので削除することになりましたのであります。 次に三十九條の二を新設することにな
つたの
でありますが、これは
土地台帳
及び
家屋
台帳
が
登記所
に移管になりますと、できるだけ
事務
の簡素化と関係人の
便宜
のために、
台帳法
による
申告
と
登記
の
申請
とを兼ねた一個の手続で、一回
登記所
へ出れば
両方
の
申告
と
申請
とができるということにいたしたいという考えから、住所氏名の
変更
等の場合に
登記
に必要な
登記
税を納付すれば、別に
登記
の
申請
をしなくても、
台帳法
による
申告
を同時に
登記
の
申請
とみなして取扱うということにいたしました。同様の
趣旨
で以て第八十條の二、九十
二條
の二或いは百
七條
の二等におきまして、
台帳事務
と
登記
事務
とが同じ
登記所
で扱われることに
なつ
たことによる簡素化を図
つたの
であります。 次に百
五條
と百六條であります。これは
登記所
に
土地台帳
及び
家屋
台帳
を備えることになれば、
所有権
保存
登記
の
申請
の場合に、
申請
書の記載と
台帳
の記載とが符合すればよろしい、特に
台帳
謄本
を提出して
所有権
を証明するという必要はなくなりますので、
現行法
にあります
台帳
謄本
の添附を必要とするという
規定
を止めまして、その
趣旨
において
條文
を
整理
いたしたのであります。
不動産登記法
について主な点は以上の
通り
であります。その外この三つの
法律
を通じまして今申上げませんでした点は、
只今
申上げました点の
改正
に伴う
整理
或いは現在政令にあります
規定
を
法律
の方へ動かしたという
よう
な
趣旨
であります。その他
内容
は
現行法
と大体において同一であります。 最後に附則について
ちよ
つと申上げますが、この附則は
現行法
の附則にあります
規定
の中で、今後も必要と考えられる
規定
を残したのが大部分であります。特に重要な
規定
もないかと思いますが、ただこの附則第一項の施行期日につきまして、これは
地方税法
施行の日から施行することにな
つて
おりますが、御承知のことと存じますけれどもこの
法律
は
地方税法
が
改正
になることを
前提
として、而も同時に施行される見込で立案されております。又
地方税法
の方もこの
法律
が成立して同時に施行されることを
前提
として、この
法律
の
條文
を引用してできておるのであります。いわば
地方税法案
とこの
法案
とは運託生の関係にあるのでありまして、そういう
趣旨
をお含みの上御
審議
をお願いしたいと思います。
北村一男
40
○
委員長
(
北村一男
君)
只今
の御
説明
に対して
質疑
のある方は御
発言
願います……。
本案
につきましては尚次回に
質疑
を続行することといたしまして、本日はこの程度で散会いたしたいと存じますが御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
北村一男
41
○
委員長
(
北村一男
君) では本日はこれで散会いたします。次回は追
つて
公報で御
通知
申上げます。 午後二時二十四分散会 出席者は左の
通り
。
委員長
北村 一男君
理事
宮城タマヨ
君
委員
鈴木
安孝
君
長谷山行毅
君
山田
佐一
君
棚橋
小虎君
岡部
常君
高橋
道男
君
須藤
五郎
君
政府委員
法務
政務次官 高木 松吉君 民事
法務
長官 田中 治彦君
法務
府民事局長 村上 朝一君