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1950-11-14 第8回国会 参議院 文部委員会 閉会後第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十一月十四日(火曜日)    午前十時五十五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○連合委員会開会の件 ○教育文化施設及び文化財保護に関す  る一般調査の件  (学校施設に関係ある風紀地区の調  査の件)   —————————————
  2. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それではこれから昨日に引続き文部委員会開会いたします。本日の議事日程は公報に載せて置きましたが、一般教育文化施設教育予算についての御審議を願おうと思つておりまするが、それに先立つて、先日も皆さんにお諮りいたしましたように、最近非常な問題になつております東京都下学校施設に関係ある文教地区、いわゆる特殊飲食物店街の問題について、これは單に東京のみに限らず、全国に及ぼす影響が非常に大きいと思いまするので、教育上、当文部委員会としても十分な調査をいたしたいと思いまするので、幸い文部当局も見えておりまするから、この点に関しまして皆さんの御質疑を承わりたいと思います。  それからちよつとお諮りいたして置きまするが、この問題に関して、当参議院といたしましても、厚生委員会の方でも調査をいたしておるようでありまするが、これは文教に関する問題でありまするので、厚生委員会連合委員会の申出が正式に向うから参つておりますので、その場合には連合委員会を開催したいと思いますが、御異議ございませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) その方法については委員長理事に御一任を願いたいと思います。  それではこれから質疑を行います。御意見のある方は……。
  4. 高良とみ

    高良とみ君 この問題につきましては、今までの教育基本法及び厚生方面からする特殊飲食業者法等がありますけれども、一応文部当局としてのこういう問題に対する基本的な今までの立法経過をお伺いしたいと思うのであります。それは私寡聞でございますけれども、学校を設置する場合に、特殊飲食店等のある地区へ建てることは禁じられておるけれども、すでに学校が設置されておる地区へそういう種類のものが建築されることに対しては法的根拠が薄いかのように仄聞するのであります。更にその方法として文教地区指定ということの立法措置ができるということでありますが、それがどれだけの法的な、又警察的行政の権威を持つかということについてお伺いしたいと思うのであります。全国の問題でありまするので、一、二の都市がそういう文教地区指定をいたしまして、応急膏薬張りをいたしましても、各地で又問題が起ることと思いますので、これについて根本的なはつきりした案を持たなければならないと思うのであります。尤も文部省としても施設局等では十分その点を考えておられると思うのでありますが、やはりこれに関して法的な基礎付けをしないと、今後多くの問題が起るかと思うのであります。更に最近観光運動というようなものも盛んでありまして、その方面からの圧力が大分あるやに考える点があるのでありますが、こういう国策的な観光日本としての立法措置考えられなければなりませんが、一番根本であります人の教育文教確立という面がないがしろにされて観光もないものであろうと私は考えておるのでありまして、その点について文教立法機関として私共も深甚な責任を痛感しておるところであります。やはり国家文化を司りますときに、何が一番大事で、何が次で、その次に何があるというような価値付けはつきりとして置きませんと、今日のようなてんやわんやになりまして、外貨を獲得したいから観光施設をする、或いは国土建設のためにこういうふうにするというわけで、とかく文部なり文教文化的なものが片隅に追いやられる虞れがございまするので、特にその点についての文部省調査方面或いは立法経過を一応お伺いしたいと思います。
  5. 田中徳治

    説明員田中徳治君) 学校環境を保持するための意味からいたしまして、従来は校地内並びに学校施設そのものに対しましては、相当にこれを規制する方法がありましたのですが、校地外に亘る区につきましての好ましからざるものを排除することにおきましては法的措置はありませんのでございます。そのために今度のような問題が持上つたのでありますが、併し今度新らしく建築基準法を制定されることになりまして、この中には特殊用途地域といたしまして、文教地区指定することができるようになつております。この文教地区指定目的は、その地域に亘りまして教育上好ましからざるものを規制するということで、この文教地区を取上げて、この建築基準法に盛り込んだのでありますが、その建築基準法が間もなく公布実施されることになりますが、併しこの文教地区運用は今後の問題でありまして、このことにつきましては、目下建設省とも打合せまして、学校周囲環境が十分保持されるように運用を期するように、地方條例なりに十分この目的を果すことのできるように処置したいというふうに考えております。
  6. 高良とみ

    高良とみ君 そうしますと、建築基準法一本で行かれるという御意思のように只今伺つたのでありますが、教育基本法適用において建築基準法を更に強化して行く方法があるかないか。それから文教地区設定は自治体の問題と私共は思うのでありますが、国として一定の教育基本法から割出した一つの線を引くことができるかどうかという点をお伺いしたい。
  7. 田中徳治

    説明員田中徳治君) 教育基本法からの建前といたしまして、少くとも学校校地内だけの整備では十分な教育目的を達することはできないということは、我々は十分承知しておるのでございますが、併しその周辺のいろいろな権利というようなものが錯綜しております場合に、これまでを排除するというようなことはなかなか困難であるというようなことでありまして、これを総合的にやはり取扱つて、その周辺整備を図るためには、やはり都市計画法によつてこれを実施するのが最も適当であるというような観点からいたしまして、実は建築基準法にこの文教地区を織込みましたのではありますが、尚都市計画法改正も近々あるというようなことを建設省当局からは聞いておるのでありまして、この方面とも連絡をとりまして、この文教地区整備を十分全うし得るような法的措置を講じたいというような実は考えを持つております。
  8. 高良とみ

    高良とみ君 重ねてお伺いします。その都市計画法改正の時期と、それから何か條文がございましたら、それをちよつとお示し願いたい。
  9. 田中徳治

    説明員田中徳治君) このことにつきましては、昨日実は建設省都市局とも連絡をとりましたのですが、直ぐにこの都市計画法改正はいたしませんが、少くとも通常国会におきまして提出したいというようなことを昨日承わりました。
  10. 高良とみ

    高良とみ君 重ねてお伺いしたいのですが、そうしますと、この都市計画法通常国会でできますれば、それまでに地方自治体警察で以て許可した建物等を移動させる自由があるかどうか。そういう権利が生ずるかどうかという点を伺いたい。
  11. 田中徳治

    説明員田中徳治君) 現在のところでは移動されることはできないようになつております。既存建物に対しましてはこれを排除することはできませんが、今後新たに文教地区内に或いは好ましからざるものがある場合におきましてはこれを排除すると、こういうことになります。
  12. 高良とみ

    高良とみ君 そうしますと、要するに戰後復興都市計画法というものが非常に遅れている。それから国家文化文教確立に対して業者等の手が廻る方が早くて、私共お互いに文教のことを憂えている者のやり方が非常に遅れているというふうに考えられるのでありますね。それに対して現象的には各地方自治体応急のことをいたしましようが、未だ曾て文部省においては、こういう環境整備について教育基本法から考えられたことがあるかないかということを政務次官にお伺いしたいのであります。
  13. 水谷昇

    説明員水谷昇君) 只今お尋ねの点でありますが、文部省といたしましては、今までにそういうことはありませんが、地方自治団体指導をいたしまして、この点は善処している次第であります。
  14. 高良とみ

    高良とみ君 重ねてお伺いいたします。指導をなすつたとおつしやると、教育委員会に対してされたのであるか、それとも或いは地方自治体の古い学務局時代にされたのでありますか。その点をはつきりさして頂きたい。
  15. 水谷昇

    説明員水谷昇君) これは昭和二十五年の七月十四日、建設次官より知事宛通牒したのでありますが、都市計画による学校の設計について、こういう表題で、今回都市計画施設として計画する場合の標準が決定されたが、市街地における学校の適正なる配置とその環境の保持を図るため相互に緊密に連繋を保つて、先ず実施要綱により本制度の活用を図られたい。かように通牒を出しておるのでありますが、只今申しましたように、昭和二十五年七月十四日の日付で通牒を出しております。
  16. 高良とみ

    高良とみ君 重ねてお伺いいたします。そうすると、その地方長官その他は学校を設置する場合には、その環境は十分考慮するということであるのでありますが、今度のように周りから汚濁して来た場合に、これに対して何らの法的根拠がないと解釈してよろしいわけでありますか。
  17. 水谷昇

    説明員水谷昇君) 只今のところはないのでありますが、この建築基準法というのが十一月の十六日に公布せられまして、十一月の二十三日から実施になりますから、これによつて先刻田中部長から御説明申上げました文教地区として善処することができると思います。
  18. 高良とみ

    高良とみ君 お伺いしますが、それは教育を建設して行く場合の基準法を我々は一番根本に立てるのでありますが、そういう点を修正いたしまして教育をする場合には、その環境整備せよというような修正なり、或いはこれの適用を加えて行くことができるかどうかということを、そういう立法的処置をすることをお考えになつておるかどうかということをお伺いいたします。
  19. 水谷昇

    説明員水谷昇君) 校地内のことについてはどういうこともできますが、校地外のことについては非常に困難であろうと考えておるのでありますが、私の方、つまり文部省におきましても、本日午後に省議をやりまして、それに対して善処したいという考えであります。
  20. 高良とみ

    高良とみ君 お伺いしますが、そうすると、その省議といいましても、大体の方向が教育環境整備ということは、文部省教育委員会というような、これは文部当局者権外にあつて警察とか、或いはその他の業者に関する立法とかに委ねなければ、そこまでは手が出ないというふうにお考えになつておられるか、勿論協力は結構でありますが、環境整備に対して何かはつきりした、文教地区ということにしましても地方自治体がしなければできない、或いは警察がしなければできないというふうにお考えになつておられるかどうか伺いたいのであります。
  21. 水谷昇

    説明員水谷昇君) その点につきまして、文部省といたしましては、勧告によつて指導するよりかしようがないと思つております。
  22. 高良とみ

    高良とみ君 その勧告の対象は地方自治体ですか。
  23. 水谷昇

    説明員水谷昇君) さようです。
  24. 高良とみ

    高良とみ君 そうですが、分りました。質問はそれだけで打切ります。
  25. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 私から一つ部長にお伺いしますが、今の文教地区設定の問題ですね、範囲等決定になるのに、こういうことは迅速にできるものですか、手続などで非常に遅れるようなことはないのでありますか。
  26. 田中徳治

    説明員田中徳治君) この文教地区構想でございますが、これは実は初めのときにおきましては、二つの大きな目的を持つておりまして、戰後の都市復興に際しまして、学園都市というような非常に大きな構想を将来都市に持ちたいというような際におきまして、その周辺部の広い学校地域を選定いたしまして、好ましからざるものを、これを排除する。そういう意味におきましての文教地区と、更にこれを現在ある施設周辺を取上げまして、これは非常に僅かな地域になりますが、その地域から好ましからざるものを排除する。前者は非常に大きな都市計画構想でありますし、それから後の方の文教地区既存建物周辺環境整備、この二つ目的を以ちまして、実は文教地区をこの建築基準法に取入れて貰いましたのでありますが、今の池上のような問題につきましては、むしろこの後者に属するものでありまして、この文教地区設定に当りましては、今後建設省とも十分連絡をとりまして、急速にこれが実施され得るように努力いたしたいというふうに考えております。
  27. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) この問題に関して御質疑がなければ、次の問題に移りますが、如何でございますか……。では私から重ねて政務次官にお伺いしますが、今回非常に問題になつておりまするこの文教地区の問題につきまして、文部省としては、すでに御調査になつておることと思いますが、法規上いろいろ面倒な問題があろうと思いますが、敢然としてこれに対して善処して行かれるかどうか、そういう根本的の文部省としての御方針を承つて置きたいと思います。
  28. 水谷昇

    説明員水谷昇君) 実はこの池上の問題につきましては、私の方へも陳情者が参つておりますので、昨日でありましたか、この田中施設部長の方では都の教育庁、それから都の建築局、それから建設局当局、それから建設省都市局当局、これらの方々に来て頂きまして、実情についていろいろ聽取をいたしまして、懇談をしたのでありますが、本日は又実際の実態も視察をいたしまして、私共はこれに対して善処したい考えでおるのであります。その調査によりますというと、池上の方は丁度問題の家が十一軒ありまして、その中の三軒は喫茶店、それから四軒は飲料店、四軒は旅館、こういう届出をして建築をしておるのであります。その外に三軒だけは無届で建築をしておるようでありますが、これに対しては都の建築局ですでに工事中止命令が発せられて、更にこの三軒に対しては撤去命令が出る筈だということ矛聞いておるのであります。建築様式等に至りますというと、やはりこの申請した目的通り建築様式ではなくて、どうも教育上面白くないような建築らしいのであります。これに対しまして、すでに建築許可を得て建築をしておるのでありますから、今のところその管内の警察署の方で風俗営業取締をやるより途はないというふうに考えておるのであります。従つてこの文部省からといたしましては、教育上これが面白くないということがはつきりいたしますれば、都の知事に対して勧告して善処をさせる、こういうことより只今のところではないかしらんと思つておるのでありますが、尚本日実地視察いたしまして、その上で特に省内において熟議を凝して、これに善処したいという考えを持つております。
  29. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 重ねてお伺いいたしますが、この十一月二十三日から実施される教育委員法文教地区の問題でありますが、それ以外に更にもつと強力な法的措置を講ずる、つまり立法措置をしようというようなお考えはおありですかどうですか、その点を重ねてお伺いいたしたいと思います。
  30. 水谷昇

    説明員水谷昇君) 只今申上げましたように、本日実地視察をいたしまして、その上でこの建築基準法によつて十分善処ができるかどうかということもよく研究いたしまして、お説のような点も一つ十分考慮して見たいと考えております。
  31. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 他に御質疑ございませんですか。
  32. 高田なほ子

    高田なほ子君 ちよつとお伺いいたしますが、環境整備について、文部省地方自治団体勧告をするというような先程のお答えだつたと思いますが、今まで勧告してそれが成功したというような例が幾つかございましようか。
  33. 水谷昇

    説明員水谷昇君) 過去におきましては、勧告という程度にはまあ行つておりませんが、助言をいたしまして、沢山はありませんが、効果を挙げておる点もあるようであります。
  34. 高田なほ子

    高田なほ子君 続いてお伺いいたしますが、勧告助言とはどういうふうに権限に違いを持つておりますか。
  35. 水谷昇

    説明員水谷昇君) 勧告と言いますと、正式の文書で以てこれを行いますし、助言と言いますと、これを言葉で以て連絡をとるこの程度の違いであります。
  36. 高田なほ子

    高田なほ子君 続いて……。そうするとあれですね、勧告というものも助言というものも、まあ大して変りがない、地方自治団体でそれを受けるか受けないかということは、それはそちら様の御自由である、まあそういうふうに解釈できるのですね。何らの権限も持たないものである、こういうふうに解釈してよろしいですか。
  37. 水谷昇

    説明員水谷昇君) 何らの権限を持たぬというわけではないので、地方団体といたしましても、この助言或いは勧告には大いに敬意を拂つて貰えるものと私共は確信しております。
  38. 高田なほ子

    高田なほ子君 それでは重ねてお伺いいたしますが、先頃大垣市のモデル・スクールの約千メートル先に競輪場が設置されるようになりまして、非常に大垣市の教育関心を持たれる方々がこれを阻止するために、文部省の方にも陳情に来られておると思いますが、そのときに勧告をして成功されておるでしようか、どうでしようか。
  39. 水谷昇

    説明員水谷昇君) お話の件につきましては、文部省としては実地について研究をいたしておりますので、その研究によつて大いに考えて見たいと思います。
  40. 高田なほ子

    高田なほ子君 続いてお伺いいたしますが、今日とにかく池上の方は視察をして見て、それで建築基準法によつて、それが措置できるかどうか善処するというような御答弁でございましたけれども、これは地元の東京都であるから、そういうことが言えるのであつて、仮にそれが非常に遠隔の地であつたならば、じきじきに文部当局或いは私共が視察をしつつ、それで善処できるかどうかということはちよつと不可能な問題ではないか。そういうふうな場合にはやはりはつきりした立法措置が講じられなければならないと思いますけれども、それについてもう一度しつつこいようですが、お答え願いたいと思います。
  41. 水谷昇

    説明員水谷昇君) 東京都であるから直ちに視察もできる。遠方であると直ちにできないということもありますが、必要があれば、文部省といたしましては、実地に出張いたしまして視察するぐらいのことはできると思います。尚第二段のお尋ねに対しましては、先刻高良委員の御質問に対してお答えした通りでありまして十分研究して見たいと思います。
  42. 若木勝藏

    若木勝藏君 二つばかり御質問したいと思います。それは今度の都に起つているところの池上の問題或いはその他の問題、地方において現在起つておりますところの問題、もう一つは先程来いろいろお話がありましたが、今後の問題はこの建築基準法において解決するようになるのでしようか。
  43. 水谷昇

    説明員水谷昇君) 寡聞にして私は地方の方にこういう同種類の問題が起つている陳情を受けておりません。それから今後の処置につきましては、只今のところでは、この建築基準法によつてこれが解決できると考えておりますが、本日よく研究をいたしまして、どういうことに方針を決めるかまだ決定をいたしておりません。
  44. 木村守江

    木村守江君 ちよつと文部当局にお伺いいたしますが、この問題はですね、参議院のこの委員会でここで大きく論議される前に、文部当局の方には何らかの陳情があり、又文部当局ではこの問題に関心を持つていなかつたのですか。今になつてから、今日文部委員会実地を見に行くという切羽詰つたところまで行く前に、文部当局では手を打つ方法はなかつたのでしようか。
  45. 水谷昇

    説明員水谷昇君) この問題につきましては陳情を受けたのはほんの最近であります。私の方は……。従つてその陳情を受けてから、私共はこれに対する深い関心を持つているのであります。従つて係りの方は都の方或いは建設省の方とも連絡をとつて熟議をしたような次第であります。でありますから、この参議院文部委員会でこの問題が取上げられるから、どうのこうのというわけでやつたのではありません。陳情によつてそういうふうの処置をしたわけであります。
  46. 木村守江

    木村守江君 今のはちよつと違うのですが…。私はやはり教育行政官がこれは教育支障がある、非常に思わとくないというような線を出してですね。その決定線を出して、それに対して疑義がある場合には参議院文部委員会実地視察してどうこうすべきだと思うのです。ところがですね。教育行政官がどうだかこうだか分らない。まだこれから視察だと、こういうのに、立法府にある我々が乗り出すというのは、ちよつと私は変じやないかと思うのです。やはりもう少し行政官は、我々立法する人間がここまで行かないまでに決定線を出して置いて、その決定線疑義を生じたときに我々が乗出すべきである。それに何ら決定線を見出していないというのでは、ちよつとどうしようもない。
  47. 水谷昇

    説明員水谷昇君) これは都の方と連絡をすでに前からとつておるようでありまして、参議院文部委員会によつて論議されるということによつて調査を始めたり、或いは連絡をとつたのではなくしてすでにそういうことをやつておるので、文部省といたしては、こういう問題は先ず以て都の方で措置すべきであるというのでありますから、これを先ず監視しておるような形でおつたわけであります。
  48. 木村守江

    木村守江君 ちよつと私の言うことと次官の答弁されることと違いがあるのです。私はそうでない。都でも、それから都の教育関係者も、都の理事者の方でもいわゆる行政官の方も、これは思わしくない。教育支障があるという決定線を出して、又文部省の方でもそういう決定線を出され、それに疑義がある場合に、我々がそれを監督して、そうして最後の決定線を出すのが我々の任務だと思う。ところが文部省の方では、これから見て今日見てというようなことでは、誠に心細いと思う。そういう行政官では……。誠に我々が余り先走つておるということは、皆さんから言えば言えるかも知れない。いずれにしても我々として教育行政の面においては、教育行政官を絶対に信頼して、その教育行政官の行過ぎとか、間違いとかいうものに対してこういうふうにこれこそ順次訂正して行くというのでなければならないと思う。どうも今日の話をさつきから聞いておりますと、何か文部省の話では、いいんだか悪いんだか、果して教育上に支障があるのだか、ないのだか、極めてあやふやな形であると思う。それではちよつと心細いと思う。もう少しはつきりした点を出して貰いたい。
  49. 水谷昇

    説明員水谷昇君) この問題はこれからの問題でありまして、建築許可を受けておる、目的只今ちよつと御説明申上げましたように、旅館だとりか、或いは飲料店とか、或いは喫茶店だとかということで許可をとつておるのでありまして、それが教育上面白くないという印象を與えられるについては、やはりその地方から輿論と言いますか、陳情と言いますか、そういうようなものを聞いて、果してそれがその陳情通りであるかどうかということは直接よく調査した上でなければ、一方は正当た建築許可をやつておることでありますから、愼重にやらなければならんと考えております。
  50. 木村守江

    木村守江君 どうもこれは結局教育行政官は、文部委員会が乗出す前にもう少し早く決定線を出さなければならない。そうすれば、いろいろな建築者の方でも、事業家の方でも、無駄な建築もしなかつたり何かして解決することができると思う。これは文部委員会が今開かれなかつたら、開かれなくてもあと十日も過ぎて開いたとするならば、それまでに文部当局の方でこれを視察をして、こういうようになつてしまうということでは困る。大体において教育行政官の方で決定線を出して行かなければいけないじやないか、その決定線において異議がある場合に我々が乗出すのだというような話なんです。その点今後の問題もあるでしようから、御努力願います。
  51. 剱木亨弘

    説明員剱木亨弘君) 今の点ちよつと申上げますが、この問題が起りました当時からの事情は、私共よく存じておるのでありますが、その都度この問題は、直接的な行政官といたしましては都の教育委員会がこれを行うべきものでございまして、都の教育委員会から、しばしばその実情から対策なり連絡をとつて来ておるのであります。ただ都の教育委員会といたしましては、今申されましたように、行政官としての態度といたしましては、すでに十月の十九日に教育委員会でその建築許可に対する反対の旨を決定いたしまして、それらのところに申込んでおりました。ただ問題は建築基準法もまだ施行になつていない実情にございますし、尚一応建築許可されたものに対しまして、委員会の反対ということは一応の意思表示に過ぎないので、これを強制的に建築許可を取消させるというような法律的な効力は起つて参らないのでございます。併しこういう問題につきましては、相当世論も又強く起つて参りますし、委員会としても強くこれを主張して参つておるのでございます。ただ教育委員会といたしましては、この私共に申入れといたしましては現在の状況ではこれを法的に処置する方法は全然ないので、何とかその法的な立法措置を講じて貰いたいということは、しばしば申込を受けております。そこで文部省としましては、これを如何なる形において法的にこれを解決して行くかという問題につきましては、今日まで事務的に相当研究を続けて参つております。それで今政務次官からお答えございましたように、現在のところ建築基準法は、この二十三日に施行になることになりますれば、一応その建築基準法によつて、このことが将来避けられ得るかどうかという問題をもう少し検討して見る必要があると思います。それで建築基準法では、あくまで法的の精神といたしましては、こういう條項を都道府県が條例を以て基準を定めるに過ぎないと思いまので、府県がこれを決めない場合は強制ができないので、いわゆる文教地区ということを指定しない場合には強制できないような実情にございます。従つて或いは建築基準法だけでは、この問題は解決できないものがあるんじやないかと考えております。従つてそういう場合におきましては、如何なる法律を以つてこれを解決するか、或いは又その立法措置の内容といたしまして、学校の近くに何メートルかを限りまして、そういう所には風教上の不適当なものは建築してはならない。営業を許可してはならないということを立法でやりますか、若しくはそういう営業許可なり建築許可をいたします場合に、今も申しましたように、恐らく一番欠陷は建築許可と営業許可というものは離れ離れに許可されるというと、それで、建築許可はしましても、実際は宿屋としてやつておれば、後の営業許可は別に都から許可を受けるというような形におきまして、非常に不合理があるとも考えられますので、場合によりましてはこの学校附近においてそういう営業許可をいたします場合には、教育委員会と必ず会議しなければならんというような立法をすることも考えられると思います。如何なる措置をとるかということにつきまして、十分もう少し検討して見たい。最後的な決定をいたしていないという状況でございまして、我々としては事務的に相当期間、この問題が起りましてから、この研究を始めておるのでございます。そういう状況でございますので御了承願います。
  52. 木村守江

    木村守江君 只今の話を聞きますと、これは東京都の教育委員会では教育支障があるからいかんという反対の決議をした、そうしていろいろ手段を講じておりますが、如何とも教育委員会の力や現在の法規の上ではどういう措置できないと言つてだんだん建築が進んで、そうして歓楽街ができ上つてしまうということになると思うのです。それででき上つたことが、本当に教育委員会が言つておるように教育支障があるという場合は、これはやはり教育委員会の力が小さかつたのだから、やはり教育の総元締である文部省が積極的に乗り出して、この教育委員会に、それこそ本当に強力に助言なり、勧告をして解決してやるような方法をとるべきが、やはり教育行政の最高の文部省の任務じやないかと、私は考えるのですが、そういう決定もやらないで、いつもだんだん延びてしまつてでき上つちやつた。でき上つちやつたのでしようがないというのじや、これは一方において教育確立を叫んでも、一方において教育を破壊するというようなことを黙認するというようなことになつてしまうのではないかと思う。そういうふうじやいけないので、やはり確乎たる態度を押進めて、教育支障がある、教育を妨げた者に対しては、行政官としての最善の努力を盡くすべきじやないかというような考え方があるように私共考えるのです。そうしてそれに対して疑義を生じた場合は我々が乗り出す。我々が乗り出すようになつてから、それを研究してどうするのだというのではちよつと心細いと思うのですが、一応私の考えを申述べまして、御参考にいたしたいと思つております。
  53. 剱木亨弘

    説明員剱木亨弘君) それはもう先にお答えしました。
  54. 岩間正男

    ○岩間正男君 木村君からお話があつたのは非常に重要だと思うのです。今起つておる青少年の不良化の問題と、これは切つても切れない問題なんです。文部省がどのように青少年不良化対策を立てておるか、そうしてそれをどのように教育というものを実践して行くかという問題にかかつておると思うのです。今の次官の言辞では、これは飲食店として一応建てられた。その実行の方法を今後吟味しなければ分らないというような点もあるというようなお話があつたのですけれども、これはそういうお考えを持つたということは明らかだと思うのです。それに対して東京都のやはむ委員会で、一応そういう決定をしておる。併して事務当局なんかの、こういうことを少し我々は聞いているのですが、どうも非常に曖昧だ。そうしてその事務当局がそういうふうなことを強力に決定できない。そういう原因の中には何かそこに背後関係が動いているように推測される点がある。そういう点について東京都がはつきりしない。それを文部省が見過しておるというようなことになつては、今言つたような基本的な日本の教育が、青少年の不良化という形で非常にこれは破壊にさらされて来ます。こういうものを毅然として護るという、そういう一本の線が大きく打出されることが現状では必要だと思うのですが、文部省の態度は果してどうでしようか。これに対して何とも手の付けようがない、こういうことを言つておる。これはどうもあまりに事務的な考えでいつも抽象的なやり方だ。ここで一本はつきり文部省のとるべき青少年不良化対策並びに教育全般のそういう不良化に対する大きな闘い、そのものを打出す意思はないのですか。今からでも遅くはない。とこで強力に一本打出して、そういうものを大きく声明するかどうか。その点伺つて置きたいと思う。それは法的措置というのは何とか後からやらなくちやならないし、後からできますけれども、先ず道義的の面でもこれを大きく打出して、そうしてこれは教育の非常に重要な問題になりて来ておるのです。そういうものに対してはつきり意思表示をする。これはどうですか。
  55. 剱木亨弘

    説明員剱木亨弘君) すでに道義的な面から申しますれば、文部省としんまもうあらゆる機会にこれははつきり学校環境を護るということは申してやつておるのでございまして、何も今度のことが起つてからの問題ではないと考えております。ただ我々が考えておりますのは、道義的ではどうしても解釈できない問題がございますので、これをやはり法的な措置で、はつきりそこで権限に基くこういう問題を解決する方法考えなければならない。こういうふうに考えてやつておる次第でございます。
  56. 岩間正男

    ○岩間正男君 道義的な面でいろいろ今まではこういう態度をとつて来たと言われるが、一片の何と言いますか、そういう意思表示で無論そういうものだけで我々は満足しておるわけではない。そういうことではいけなくなつた。殊に青少年の不良化は二十五年の犯罪の五〇%以上を占めておる。こういうものはもつとひどい。そういうような問題に対して今言つたように、文部省がもつとそういうものに追つてつて、それを解決するという対策はとつておりますが、どうも甚だ貧弱なように思う。法的措置もその中の一環として生まれて来る問題だと思う。どうなんですか、その点を私は聞いておる。もう少し強烈な、こういう道義の頽廃の中で、それを掲げてはつきり打ち出して行くという、そういう痛烈なものを文部省自体がこういう問題を機会にして大きく表現される必要があると思う。こういうように考えるのですが、そういう点はどうですか。
  57. 剱木亨弘

    説明員剱木亨弘君) この青少年の不良化防止につきましては、文部省として極めて重大なる関心を持つておるのでございます。併しながら現在の我我の方の立場から申しますと、社会的な一般の情勢が必ずしも文部省考えるようなふうには行つていないのでございます。例えば文部大臣としましても、しばしば競輪等につきましても、これは青少年に対する影響から望ましくないということは申しておるのでございますが、競輪につきしても、これは法律を以て認めたわけであります。そうしてそれについて学校の近くに建ててはならないという何らの法的な根拠がないわけであります。而も競輪なんかでありますと、或る場所で認可を受けますと、その場所を変更してすることにつきましては、報告だけでよくして、何ら認可を必要としないという状態でありまして、或る場所で認可を受けておりましても、実際のときにはその認可以外の場所に出ることができるというような状態になつております。こういうのは一例に過ぎませんが、そういう社会的ないろいろな情勢から、如何に文部省だけが道徳的にこれを攻撃して見ましても、実際はこれは実効は挙つて来ない問題でございます。従つて私共としましては、あらゆる努力を拂つて青少年の不良化防止に努力するつもりでございますけれども、一般の社会全般から申しましても、やはり皆協力して青少年の不良化を防止するという方向に向うことが望ましいのではないか。それでそれにはそれに支障あるようなすべての障害をこの面からやはり検討して行くということが必要ではないかと考えております。従つて道義的な意味において如何に文部大臣なり、文部省が声を大にして申しましても、実際の面はやはり何とか社会的な一つの構成と申しますか、制度の面で改めて行かなければ非常に困難な実情があるということを私共感じておる次第であります。
  58. 岩間正男

    ○岩間正男君 今の次官の御答弁が、今の政府の政策が不完全なることをみずから物語つておるような結果になつたわけで、実際この問題は無論文部省だけが闘うべき問題ではないということを我々ははつきり考えておる。今の青少年の不良化の問題は、これは又部省の責任ではなくて、今までの社会政策や経済政策、もろもろの積惡がここにはつきり出て来たということが言えるわけです。併しそれはそうですけれども、この問題についてはやはり先に立つて闘うというのが文部省だと思う。それから闘い方の問題だが、一片の声明や何かでは解決できない。すでにこの問題を契機として下からは輿論が盛んに起つている。そうして非常に重要な問題になつている。日本の民族的な考え方から言つても、ここで本当に闘つて正しいものを守ろうというような輿論が起つている。そういうときに文部省があちこち見ていないて、もつと大きくそういうものを取上げて、そういうものを成長させて正しいものを守る線というものを強力に進めることが必要でないかと思うのですが、そういう点はどうですか。この問題は具体的に一番大きく起つている問題ですが、これに対してもう少ししつかりした態度を先ずとる、こういうことが必要だと思いますが、そういうふうに次官考えておられますか。
  59. 水谷昇

    説明員水谷昇君) 岩間さんのお話でありますが、岩間さんが見える前に私はその点についてお答えしたのですが、実際に実地視察いたしまして、その上で本日省議も開こうという考えでおりました。岩間さんと同様な考えを私は持つておりますので、本日そういう措置をしたい、こういうことをお答え申上げたのであります。
  60. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 学校教育法の第一條だと思いますが、その中に環境保全のことが謳われているのですが、左の語われている趣旨というものですね。それからあの條文だけで言うと、こういつた問題が起つて来るということは予期されておつただろうと思うのです。それに対して文部省はどういうふうな方法で防ぐか、第一條に関連して、保全だけしておいて、次に作つてはいけないものをあとからそういうものを作られる、それに対してどういう態度で行くか、これに対してこういう法律を提案されるときから方針が決まつてつたと思う。その点どんなおつもりですか。
  61. 剱木亨弘

    説明員剱木亨弘君) 勿論学校教育法の立場から申しますと、学校を建てる場合に、そういう環境がいいところに建てなければならんということは規定したのでありますが、その反面において学校が建つたあとに逐次不適当な施設が行われるということについては想像できたのであります。これは何らかの方法立法的に解決する方法はないかということをその当時から考えておりました。併し学校を建てる場合は單なる建てる方の立場としてそれを実施すればいいのでありますが、その学校の外の面に、一般の国民のいわゆる建築とか、そういつた施設をする、自由に建てられる点を制限するということは、学校教育法の立場からは非常に困難であるということで、それを行います場合には何らかの他の法制が必要である。そこでこの建築基準法ができます場合にも、いわゆる文教地区というものを設定して、そこで制限できるということにして貰うように、その立法の当時において文部省としては相当努力した次第であります。結論としては一応それは基準法でできるようになつたのであります。併し先にも申しましたように、尚それを強制して、そういうところには一切の建築を許さない、或いは施設を許さないということになりますれば、これは相当重大な問題だと思います。従つてそれは簡單にできるかどうかということは、筒法律的には研究を要する問題ではないかと考えております。
  62. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 そこで今非常に重要だと、こうおつしやるのですが、文部省の態度というものは私ははつきりその結論が出ていると、こう思うのですが、その点どうでございますか。
  63. 剱木亨弘

    説明員剱木亨弘君) 問題は文教地区という地域にそういうものを建ててはいけないという信念は全くできております。ただ問題は、その文教地区というものをどういうふうな形において考えるか、例えば相当千メートルとか、二千メートルとかいうので限りましても、場合によつてはもつと遠い所でありましても、例えば駅からの交通路になつて学童の最も通る通路に当つておるという場合は距離だけの問題では解決できない。距離をどういうふうに明確に区別するかという問題は、実は技術的には非常にむづかしい問題があると思います。無制限にということは又一般の国民の利益擁護という面からも問題がありますし、その間のこの立法的に、技術的にどういうふうにするかということは困難な問題があると思います。
  64. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私も技術的に非常に困難だということは分るのですが、こういうふうに建築とか、営業とか、何とか一つの利権が付いて来る問題でありますから、片方は道徳的な問題でありますが、とかく一方の利権の方に押流されてしまつて、止むを得ない、止むを得ないといつて、結局学校の近くにそういつたような特殊飲食街ができてしまうというようになり得ると思います。だから私は困難だということは分るのですけれども、これも一つ文部省の方で相当強い要求を建築基準法を設置される方に要望して欲しい、こう思うのです。次にもう一つお尋ねしたいのは、池上や高田馬場の資金関係のことですが、吉原や鳩の街、洲崎というふうにお聞きしたんですが、もつと後ろに資金関係が流れておるような……、そういうことはあり得るかあり得ないか、その点は御調査になつておるのですか。
  65. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 文部当局お尋ねになるのですか。
  66. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 專門員の方に……。前にちよつと調査になられておるのですが。
  67. 吉田隆

    調査員(吉田隆君) それ以上のことはちよつと分り兼ねます。
  68. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 そこが非常に関連して意見があると思いますが、止められるか止められないかということは非常に問題であると思います。悲しいかな、こういう情勢下において第三勢力の資金が流れておるというときに、それをこういう現段階として本当に防ぎ得るものかどうかという見通しですね。
  69. 水谷昇

    説明員水谷昇君) 我々としてはやはり具体的に教育支障するということがはつきりいたしますれば、これはどうしてもそういうものはできるだけ止めたいと、ただ問題は、建築をいたしておるものを取壊してしまうということは必ずしも至当ではないので、そういう業種の内容が教育的に不適当なものがなければいいのであつて、その点は何とかして我々努力して行きたいと考えております。
  70. 岩間正男

    ○岩間正男君 先刻次官の御答弁があつたのですが、その問題について関係閣僚の会議を開こうということを承つたんですが、そういう中で是非文部関係の政務次官に主張して頂きたいのは、この前天野文相も競輪問題等についてははつきり意思表示された。更に宝籤ももう止めるべきだというように御主張されたように聞いておりますが、それはそうだと思う。今の例えば政策そのものが批判されて来なければ、この問題は文部行政のつまり一番大きな吹出物の原因について追及しないで、どんなに治療を対症療法的にやつても基本的な解決はできない。今言つたように射倖心を煽る賭博、こういうようなものが非常に矛盾していると思うのです。現在の政策では今の問題は、特飲なんかの問題ですね、一方ではこれが非常に財源難の地方財源になつて、こういう料理屋を最近多く開くと、これによつて地方財政が相当賄われておる。この点がやはり最近の政策の上には多く見えて来ておる。こういう点をこの際やはり青少年の不良化の問題、国民の道義の問題と考えて、こういう点をもう少し徹底的に矛盾を、今日でははつきりさせなくちやいかん段階に来ていると思うのです。こういう問題を次官はどう考えているのですか、こういう点まで掴むことなしに根本的な対策は立たないのではないですか、一時的なそういう政策で、基本的には料理屋とか、歓楽街、こういうものを非常にどんどん、むしろ自由に許すと、それが而も地方の大きな財源になる、或いは又その背面にやはり資金関係の問題があるということですが、そういうものとボスが結託して、更にそこに政党的な結託があつたりするような、そういう問題ですね、それについてもつと、一体これは文部関係の閣僚として、大いに出張される考えがあるかどうか、この問題は徹底的に衝かなければ基本的な解決はないと思うのです。次官としてどう考えるのですか、それを次官に承わりたいと思います。ちよつとこの前に、天野文相の競輪反対、宝籤も早い機会に廃止して貰いたいという答弁だと思うのですが、それをもつとやつぱり突つ込みます。と、今の歓楽街のような、特飲というようなものを自由に許すという方針、而もそれが地方財政の財源として非常に大きくなつておる。こういうところは矛盾なんです。どう考えても一方を押え、一方は駄目だ、こういう形になつておりますから、この際徹底した政策をやらなければ私は根本的な解決は全然あり得ない。そういう点まで主張されるお考えがあるかどうか、この点をお伺いしたい。
  71. 水谷昇

    説明員水谷昇君) 今お話の競輪の問題等に関連しての御質問でありますが、文部大臣はこの点について今お話のように主張して見えるのでありますが、競輪の問題は戰災復興のために特にあれは法律ができたものでありまして、こういう点はいろいろの面を考慮する必要があろうと思います。文部当局教育の面から考えたときには天野文部大臣の主張の通りでありますが、いろいろの関係がありますので、文部当局だけの考えでこれを廃止するとか、しないということは、これはいろいろの関係から考えなければならんと思のでありますが、愼重にやつて見たい、こういうふうに考えております。
  72. 岩間正男

    ○岩間正男君 吉田首相が箱根から声明ざれた中に、文教政策の重視の問題があり、その中に又民族の独立ということも言われておつたと思うのですが、最近の川柳ですが、新聞の川柳に、「スイスよりモナコの方に近くなり」というのがあつたのですが、実際日本の態勢はそういう歓楽を追い、賭博的になつて来ておると思う。そういう問題を一体解決することなしに民族の独立もへちまもないと思いますが、これは当然文部大臣としても大きくそういうことを主張して首相に迫るなり、その決意をして貰うなりすることが非常に重要だと思うのです。それから今の競輪についていろいろな関係もある、こういうお話でありますけれども、実際この競輪やその他の賭博的行為で破壊されている社会のいろいろの実情がありますが、ここでこまごま申上げませんけれども、こういう点についてこの際どういうふうに一体日本の道義を維持するかという堅い決心がなくてはできないと思う。それも今言つた経済的ないろいろな繋がりの問題、そういうものに相当鋭くメスを入れなければ解決が付かない、こういうふうに思うので、非常に大きな決意をして欲しいと思うのですが、如何ですか。
  73. 水谷昇

    説明員水谷昇君) 御意見の程十分伺つて置きます。
  74. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後零時六分散会  出席者は左の通り。    委員長     堀越 儀郎君    理事            加納 金助君            成瀬 幡治君            若木 勝藏君            木内キヤウ君    委員            木村 守江君            工藤 鐵男君            高田なほ子君            高良 とみ君            山本 勇造君            岩間 正男君   事務局側    常任委員会調査    員       吉田  隆君   政府委員    文部政務次官  水谷  昇君    文 部 次 官 剱木 亨弘君    文部省管理局教    育施設部長   田中 徳治君