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説明員(内藤譽三郎君) それでは平衡交付金のことについて少し
お話申上げたいと思うのですが、その前に産休が前年度あ
つたのを今度創
つたということは全然ございません。新しく結核の分が枠内に入
つたので、産休の分は私共としては或る程度推定をいたしたのでありますけれども、結核の場合には二ヶ年間通じて休まなければならんのですから、枠内の
理由が立つのですけれども、産休の場合はそういう措置が非常に困難だということで一応要求の中に入れたのですが、大蔵省で削
つたのです。
学校に新しく入
つた経費で今まであ
つたものを落したというようなことは毛頭ございませんし、私共は産休が労働
基準法通り実施されるよう
指導して参
つたつもりでございますが、今後ともこの点については各
委員会の工夫によ
つて実施されるよう希望するのであります。
それから今の平衡交付金の話ですが、これは今の小
学校の定員等とも関連するので、非常に重要な問題なので、
文部省といたしましても非常な関心を持
つて努力いたして参
つたのであります。漸く仮
決定ができたのですが、その場合どういうふうな措置を講じたかと申しますと、本年度の税收が千九百億でございますから、その千九百億の七割できめなければならん。これは最低経費ですから七割に抑えなければならん。その收入の七割と平衡交付金の千五十億の九割、その額が二千二百八十億になるのでございますが、この二千二百八十億の中にあらゆる
地方の行政費をぶち込まなければならん。
基準経費としてぶち込まなければならん。そこに問題があるわけです。そこで私共といたしましては勿論この
基準教育費の單位表の枠をきめる場合は、これはあらゆる経費がそうでございますが、寄附金、手数料、授業料、その他の雑收入というものは全部外してあります。その單位表の経費が加わるわけであります。それを更に七割で計算してありますから、三割の分は外して計算した税收を丸々取
つた場合に七割で見ておりますから、この三割の分は外して單位表をきめたのです。そこに問題がまああるわけです。そこで平衡交付金は元え妥当に彈いて教育費とか、その他の
地方費の
基準をきめまして、これを合理的に配分する、というのが狙いなわけで、飽くまでも
地方財政を合理的に調整しようというのが根本の狙いなのです。そこで
基準財政需要というものを
考えた、その
基準財政需要額は、
只今申しましたように大体二千二百八十億の枠内できめた。その場合に教育費として私共は地財と折衝して大体九百十六億程度を確保したわけです。その九百十六億のうち
義務教育の分が七百四十八億、この七百四十八億と申しますのは恩給と共済組合の費用を入れてでございますが、これを恩給と共済組合を除きますと七百三十六億程度になるのであります。これは従来の負担金のあ
つたもの、或いは国庫補助を伴うもの、こういうものは一〇〇%見たのであります。その他の経費についてはこれは三〇%大体落さなければ計算が合わない。ですから現実の予算よりは三〇%程度落して計算したわけであります。そこで
義務教育の経費は国庫予算の補助で見た、同じような比率で、同じような予算の……、
義務教育の経費は割合によく見ておる。併しながら
高等学校とその他の経費は非常に圧縮されておる。これは全体を三〇%落したところに問題があるわけであります。そこでこの平衡交付金を今の
お話のようにその他の教育費の中に全部ぶち込んでやる、
高等学校費は別にして小
学校、中等
学校、
高等学校、その他の教育費、こういうふうな四本建にな
つております。これを成るべく詳しくわけると予算支出の形をとりますので、そこは
地方の財政需要から申しますと、大まかにきめたほうがいいわけなんであります。ただ教育費の点から申しますと、成るべく細かにきめて流用がつかないほうがいいのかも知れませんが、併しながら全体の中で操作するとしますれば或る程度大まかにきめて、そこにかれこれ融通のできるようにするのが望ましいのではないか。それで
高等学校の場合には理論的には
地方財政を調整するという
意味から言えば、人口を基礎にしたほうがむしろ適切なんですが、現実には
高等学校の生徒を非常に抱えておるところのものは、それでは予算的に非常に困りますので生徒数を單位に取
つた。
お話のように小さい
学校が非常にあるから、その場合どうするかという問題ですが、
高等学校は或る程度の、相当な規模を持
つておりますので、生徒單位でよいのではないかと
考えたわけであります。ただ定時制の
学校あたりは細かい
学校等もございますので、この場合にはやはり
学校というものを單位にと
つたほうがよいのではないかと
考えておりますので、今後平衡交付金法の改正がございますならば、そういう措置を
考えて行きたい、單位費用の中に
学校数というものを入れて見たい。それからその他の教育費ですが、その他の教育費の中に幼稚園から、盲聾唖から、
大学から一切合切入
つておる。それを測定單位は人口を見て、人口一人当り幾らとしましたので、この標準的な団体の中に
大学が入
つていませんと、
大学を背負
つている府県は非常に重荷になるし、幼稚園が発達しておるところは幼稚園が重荷になるであろうし、盲聾唖
学校が普及しておるところは、それが多少重荷になる。盲聾唖のほうは経費の上で極く少いのですから、そう大きなことはなやでしようが、
社会教育で公民館とか図書館の発達しておるところでは経費が足りない。こういうことになりますので、この費用を成るべくその他の教育費を細かにわけて参りますと、
基準財政需要を見るのにはもつと合理的になるわけであります。ただ実際貰
つた府県のほう、或いは市町村では却
つて融通がつがないという結果になるかとも思うのであります。それで本年度は相当無理もございますので、これを調査するために平衡交付金の一割が特別交付金とな
つておりますから、その今までの
基準で捕捉し難い事情がある場合、例えば
高等学校の非常に小さい
高等学校が多いというような場合は、
現行の平衡交付金法で捕捉し難い事情でございますから、その場合には特別な補正を
考える。そのために特別交付金から出してやるということが
考えられるのでございます。それから
先ほどお話の補正係数でございますが、補正係数は人口を基礎としております。人口を
一つとりまして……人口、それは人口高でございます。それから密度を見ております。その外に市町村の規模、この三号補正というのは市町村の規模でございますから、これは大体今までの生活給と、今の勤務地手当を基礎に
考えて補正したのであります。四号補正が、積雪寒冷地でございますから、石炭手当とか寒冷地手当、こういうものが含まれるように補正したのであります。五号補正が行政種別でございますので、これは
高等学校については五号補正を加えております。それで普通の課程を一としますと、定時制も一、定時制は
先ほどお話のように一・四倍かかるという
お話があ
つたけれども普通の
高等学校よりは安上りで済むのじやないか。大部分が兼任教員で済みますので、これはそんなに一・四なんかかかるはずがないと思うのです。私のほうで出たデータなんか見ても遥かに少いのです。併しこの場合に
政策的に定時制は全日制と同様に引上げたのです、と申しますのは授業料が少か
つたり、或いは全然と
つておらない。ただ全日制の單価そのものが低いから困るというよつうなことはありますけれども、全日制と同様な單価に持
つて行
つたということは、今年は
文部省としては成功じやなか
つたかと
考えております。その他の課程別の係数、例えば水産課程を一・七とか、商業課程を一・三としますというふうな課程別の補正係数というものもきめてありますから、この補正係数についても今後十分
研究して改正いたして行きたい。十二月には本
決定をする予定でございますから、十二月までに今の法律の範囲内で改正できることはして行きたいと
考えております。それから非常に小さな
学校の場合でも、例えば
学校当りの経費を多く見たり、前の何では小
学校ですと一
学校五万五千円ぐらいのところを今度は十三万八千円というふうに相当高く見ておりますから、小さなところの府県ではそんなにお困りにな
つていない。むしろ都会地の、大都会のほうがお困りかも知れませんが、大体山間僻地のある府県は小中
学校に関する限りは非常に余裕が出ておるというふうに
考えております。まあ非常に平衡交付金の
お話はむずかしいので、いつか又適当な
機会に細かに御説明申上げたいと思います。