○岩間正男君 私は大体四つの問題について
質問いたしたいと思うのであります。その四つと言いますのは、
予算の面と、その次に教育委員の選挙が迫
つておりますが、これに対する最近の問題、それから競輪の問題、それから矢嶋君からさつき問題になりましたレツド・パージの問題、この四つの問題について
大臣の率直な御
意見を承わりたいと思うのであります。
予算の問題でありますが、これは先程からもいろいろ触れられておりますから、その点については省きます。ただここで非常にまあ矢野文相も今度
研究されたと思うのでありますけれども、大体この六三制の
予算の総額はどれだけ要るか、これは少くとも四桁、一千億以上要るわけです。然るに歴代の内閣によ
つて取
つて来たところの
予算を見ますというと、殆んど二桁、或いは場合には一桁と、こういうことでや
つて行きますと、果して六三制の完成はいつになるか、現在の問題であるところの〇・七坪が、大体これが二十五
年度でできるということで、この仏前六十億取られたことを承知しておるのでありますが、併し実際や
つて見るというと、それができていない。そこで今度は二十六
年度において四十五億というような、そういう彌縫的なやり方をや
つて行く、こういうような
段階を繰返してお
つたのでは、当然新制中学の重要な問題であるところの特別教室の問題、更に雨天体操場の問題、更に施設の問題、こういう問題を
考えますと、誠にこれは前途遼遠と言わなければならないのであります。こういう論議は今まで何回もこれは当
委員会においても繰返されて来たのでありますが、そうしますと、大体我々四年間、今まで委員としまして携わ
つて来た者から見ますというと、どういう点に先ず欠階があるかということをやはり指摘せざるを得ない。そうしてこの点について根本的に文相から
考えて貰わなければならん、こういうふうに思います。その第一点は何かというと、結局今までの文部行政の、殊に六三制に関する問題でありますが、その点で実態の把握が非常に貧困であ
つた。つまり統計的にこれを現実にどのような姿が現われるか、どれだけの一体校舎が必要であ
つて、どれだけの
予算化が必要であるかというような問題について
調査が非常に不十分である。
従つてその結果恐らくこれは三回も四回も基本的な線が変更されている。これについてこの六三制発生以来の
経過を見れば、実に明らかだと思うのでありますけれども、こういうふうになると、例えば腐朽防止のために六十億で間に合う、こういうような方針で
関係方面に当られたところが実際にはそうでなか
つた。そのために〇・七坪を
満足させるために、ここに六十二億を取られるために非常に文相は苦労されて、生々しい体験を持
つておる。その体験そのものが語
つておると思うのですが、こういう点でもつと基本的な、無論終戰後の
状態は非常に変りましたから、この実態をそのとき確実に把握するということはむずかしか
つたと思いますけれども併しながら最近の情勢におきまして、又変更を毎年やられるというようなことでは、これは根本的な
地方行政を布くことはできないと思うのでありますから、この点について一体どういうふうに対処されておるか。そうして又今後一体どういうふうに基本的に展開されようとお
考えにな
つておるか、この点がはつきりしないと、私は四十五億、五十億というような公約ばかりを何年繰返しましても、一方においては定期的な台風によ
つて破壊される
状態、又
小学校におけるところの腐朽の
状態、これを
考えますときに、これは恐らくいつに
なつたならば六三制の完成ということができるのであるか、こういうことを心配せざるを得ないのでありまして、こういう点をお伺いしたいと思うのであります。そうして又こういう点についても十分な基礎資料を確実に持たれまして、これによ
つて基本的にもう十分に、これは閣内におきましても、外の閣僚を説得するということで
努力されたい。又国民の輿論がそこに起きておるのでありますから、これをどのように徹底的に反映するかということについても十分に
研究して頂きたい。無論我々も当
委員会といたしましては、それに協力するに吝かでないのであります。同じように統計の実情を把握するのに非常に貧困な例として、今問題になりました講習の
予算においてもそうだと思うのであります。昨日の
説明によりますと、十五キロ以内は四十円、それから四十キロ以内は百二十円の汽車賃がかかる。
従つてそれを折半して大体八十円ということが規定された、こういうようなやり方です。併し各般に亘りまして、第八
国会に実情を視察したのでありますけれども、これは講習費だけでは解決しない、宿泊料の問題は講習費以上に問題にな
つているが、これに対する考慮がない。恐らく実情を把握しないで、今のように机上の空論をして、こういうものは出されておる、こういうふうに
考えるのでありますが、
従つて最初
文部省が当然二分の一は
国庫で、三分の一は府県で、こういうことを希望されてお
つたのでありますが、
只今の文相のお説によると、三者が折半して三つ分けでやるのに不合理でないという
お話は、そのまま我々は受取れない。だからこういう点につきまして……これは非常に問題です。尚、講習の問題について連関して申上げますと、今
年度、二十五
年度予算については、これは
努力したいということを文相は言明されておるのでありますが、これを補正
予算において遡及されるものと我々は了解するのでありますが、そのように了解していいのですか。この点であります。いずれにしましても、もつと
決定的なことを、実体把握ということをや
つて頂きたい。我々の実情を見て来た者から見ますと、こういうような一時的な、申訳的な
予算において
現状は
満足されない、こういうことをはつきり申上げたいのであります。
それから
予算の問題に連関しまして同時にお伺いしたいのですが、
国家の
平衡交付金によ
つて教育予算が非常に動揺する。
従つて標準
教育費法案というものを
文部省としては
努力したいという
お話でありますが、これは事前の策なのです。しばしば繰返したように、これはドツジ
予算、シヤウプ税制、こういうものによ
つて止むを得ず
文部省並びに文政
関係の人がと
つて来たところの基本的な
国家財政によ
つて負担する
国庫負担の建前というものが、こういうところから崩れておる。それにいわば対抗するためにとられるところの手段なのであります。どうした
つてやはり国民大衆の声を聞きますと、やはり日本の経済
状態はアメリカの経済
状態とはこれはまるで違
つておるあだから、そういうような形においてはこれは実現できない。
従つてどうしてもこの点について基本的な
義務教育費におけるところの
国庫負担、この線を強力に打出してそれを展開する。
従つて平衡交付金の中に
教育予算を入れない。そういう建前、独立させる、こういうことが絶対に必要であると私は
考えます。この問題は單に教育の運営だけでなく、教権の確立が絶対に必要であります。こういう面に文相は実際のところそれよりももつと徹底したところの
義務教育費国庫負担という線を
考えておるか、この際明らかにして頂きたいと思います。あとの問題は二つありますけれども、その問題はこの次にやりますが、今の
予算に関連するところの三つの問題についてお伺いします。