○
説明員(井上綱雄君) お手許に国営競馬收支調が配付にな
つておるのでございます。これについて
説明をして解説を申上げたいと思います。
この書類に記載してございますように、明治二十三
年度から国営競馬に
なつたわけでございまして、二十三
年度は、八月以降が国営競馬で、それまでは
日本競馬会の競馬であ
つたわけでございます。二十四
年度国営競馬、二十五
年度国営競馬、こういうことになりまして、先ず勝馬投票券の発売金額を申上げますと、二十三
年度は、只今申しましたように、
年度の途中から国営に移りましたために、二つに分けて
計算が出ております。
日本競馬会のやりました成績は十九億九千九百七十万円、国営に移りましてから三十九億四千四百三十二万円、それから二十四
年度のは、発売金額の総額は四十九億五千五百九十三万円、二十五
年度には、これは
予算でございまして、
予算といたしましては五十七億八千四百万円を見て、これに対しまして三十五
年度について申上げます、二十五
年度は金詰り及び主として競馬と競輪との向上率の差が約一割二分くらいございますので、そういう
関係から非常に競馬に影響して参りまして、この
予算数字に対しまして、今までの売上の成績から申しますと、大分減ると
考えております。先ず売上げの総額は一応三十五億くらいに見たらよかろうと
考えております。最近におきまして国営競馬、
地方競馬を通じまして、この売上げで、御覽の
通り、社会諸般の事情から競馬が非常に低調にな
つておりますのは甚だ遺憾に存ずるところでありますが、一方におきましては、競馬は従来成るべく堅実な
方針をとる、これは国営、
地方を通じまして騒動が起りませんように、且つ又余り刺戟しないように、又
法律といたしましても未成年者には売らない、或いはその他相当の制限を加えてございますので、この結果は、競輪が抬頭すればする程こういう結果になるということを
考えております。少くとも率の引下げは、同じ商売でかぐのごとく大きな開きがあることは不適当でございますので、実はその対策について次の議会には必ずお願いしなければならないというふうに
思つております。
それから次に競馬場の数について申上げますと、国営競馬は
法律には十一ケ所ございますが、十一ケ所の中で現在新潟と宮崎は休んでおります。この休んでおります
理由は、僻遠の
地方でございまして、現在の收支
計算からいたしますと、どうも自信は持てないということと、もう
一つは、競走馬の数やその他の
関係から、この辺のところは一応開催ができない事情にな
つておるのであります。
地方競馬の方を申上げますと、競馬場の数は七十五ケ所でございますが、この箇所数に対しまして、開催をする権利を持
つた開催権者が逐次の改正によりまして著しく殖えております。戰後における競馬発足の当時は、国営並びに都道
府県営でございました。その他は開催できなか
つたのでございますが、その後の改正によりまして、戰災を主とした災害を受けた市町村がこれに加わることに相成りましたので、著しく増加をいたしまして、そのために競馬の開催は、洩れなくこれらの開催権者が行うことになりますと、一年が三百六十五日では到底足りないようなところも、そういう県も沢山にできておる事情であります。競馬開催の当事者から申しますと、これは適当に調節することが何より必要だと
考えております。これまで国営競馬の売上げのことを申上げましたが、
地方競馬につきましては
統計がとかく出揃いませんのではつきりしたことは申上げかねますが、大体総売上げは、
地方競馬の総額を申しますと五十億内外と御承知置きを願いたいと思います。これも漸次減る傾向にな
つておることを附加えて申上げて置きます。又最近におきまして、競馬にいろいろ騒動がよくつきものでございましたのですが、この騒動につきましては、最近は殆んど起
つたようなことはございません。
関係者が都道
府県営になりましてからは不馴れの者が段々馴れて来る、又警察の方との連絡がうまくつくようになり、又当時つきものであ
つた暴力団等の介入もいろいろ都道
府県の力によ
つて廃止することができるように
なつたという事情にな
つております。国営におきましては、当初からこれらの暴力団は一切介入させないように
努力しておりますので、ときたま多少の騒動はございましたが、本年の春は一回もございません。この静謐の状態で続けて参りたいかように
考えております。甚だ原稿を持ちませんので順序なく申上げましたが、極く大要は右のような次第であります。