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1950-09-20 第8回国会 参議院 農林委員会 閉会後第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年九月二十日(水曜日)    午前十時二十九分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○新農業政策確立に関する調査の件  (農林政策に関する件)  (自作農創設事業に関する件)  (小委員会設置の件及び小委員選任  の件) ○競馬法の一部を改正する法律案(衆  議院提出)   ―――――――――――――
  2. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) それでは昨日に引続きまして農林委員会を開催いたします。  本日は横川農林大臣の御出席を得ましたので、一昨日、昨日農林大臣に対する質疑を留保されておられた方々の御質疑をお願いいたします。
  3. 小林孝平

    小林孝平君 昨日の新聞で拝見いたしますと、今度十一月から消費者に対して一勺の増配をするように報ぜられておるのでございまするけれども、これは今度の食糧一割増産運動とどういう関係があるのでございましようか。全然一割増産運動とは関係がないのでございましようか。
  4. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 食糧事情も非常に農林省貯蔵量その他を勘案してよくなつてつて来ておりまするので、実質的な増配をしたらどうかということを食糧管理局長官に私相談をいたして、数字検討さしておるのであります。ただ粉食等において辞退がありまするので、でき得るならば米を一勺増配をするように一つ見て貰いたいということを話しておるのでありますが、その一勺増配の中に、これからやらんとしておるクーポン制の中で一勺増配をした方がいいんじやないかという説と一つありまするので、まだ決定いたしておりません。それは一割増産とは関係を持つておりません。
  5. 小林孝平

    小林孝平君 この農家に対して今度一割増産運動を要請する、それは予算的の裏付けも、相当大蔵省査定を受けて極めて貧弱な程度になつておりますが、消費者に対して一勺の増配をするならば、この際農家に対して保有量の増加ということをお考えになる御意思はないのでございましようか。
  6. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 池田君に大分鉈をふるわれましたが、予算は一割増産に関しては相当入つておると私は考えております。目算、目の子計算で七億近いものがあると思います。  それから農家保有米については、まだ相談いたしておりませんが、検討いたします。
  7. 小林孝平

    小林孝平君 今後の情勢によつては、保有量を増加されるかもわからんというふうに了解してよろしうございますか。
  8. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) これは現実の話ではありませんが、今我々が見ておる、政府貯蔵しておる貯蔵方法その他を見まするというと、農家保有させる方がよろしいという説が非常にあるのであります。この農家米穀保有さして置くということは決して惡くないということを考えておりまするので、よく検討いたしたいと思います。
  9. 小林孝平

    小林孝平君 今度の一割増産運動を展開されるのに当りまして、国内食糧自給度を高めなければならないということは、私たちも十分それを承知し、そういうことを主張しておるのでございまするけれども、現実政府のおやりになつておること、並びに農林省内部におきましても、果して食糧自給度を高めなければならないというように意見が一致しておるとは思えない点があるのでございます。それは例えば食糧早場米奬励金の六十億を三十億に来年度においては削減されておりますが、この理由食糧長官からお伺いいたしましても、食糧事情が相当好転いたしまして、すでに早場米早期供出を必要としないというふうな情勢にもなつたからというような御説明になつておるのでございます。又超過供出奬励金も今度は事前割当廃止と共になくなつておる。こういうような一連の措置考え合せますと、果して国内における自給度を本当に高めようという御意思政府部内が一致しておるということは考えられないのでございまして、これは非常に敏感に農家にも反映いたしておりますので、そういう点を強力に意見の一致を見なければ、この運動効果收め難いと思うのですけれども、その点について御意見をお伺いいたしたいと思います。
  10. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) これは早場米奬励金並びに超過供出報奬金、これは米価の話、或いは或る程度相当局長から話があつたかとも思いますが、まだ折衝中で公表はしないのが建前かも知れませんが、私はブロークンですから、そこはお話申上げますが、今までの、過去においての報奬金をもアルフアー中に入れたいとも考えておるのであります。でありますから決して農家にさようなものを少くしたからといつて実害はないのでありまして、より高くしたいということで、生産意欲を唆るようにしたい、こう考えております。
  11. 小林孝平

    小林孝平君 今の御説明の外に、農林省内部においても、本当に食糧国内自給度を高めるために全力を挙げなければならないというように意見が一致しておらないように考えるのですけれども、輸入食糧が相当豊富に入つて来るから、そう大した増産の必要がないのではないか。又大蔵省予算査定をするのに、査定状況を見ましてもそういうような考えは非常に強いのではないか、こう思つております。
  12. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 省内の意見が必ずしも一割増産において一致しないじやないかというお話でありますが、これは省議において満場一致決定いたしておりますので、隅々まで志を同じういたしておると考えております。  それから大蔵省が一割増産について必ずしも協力的ではないのじやないかと言うが、これは決してそんなことはとざいません。七億近くのものを増産奬励金の中に入れておるはずであります。
  13. 小林孝平

    小林孝平君 その点を幾ら言つてもあれでございまするからこの程度にいたしまして、事前割当廃止することについて、一つお伺いいたしたいのでございます、来年の三月に失効になります食確法廃止伴つて事前割当がなくなるのでございまするけれども、あの制度が実施されます際には、この事前割当によつて超過供出制度を設け、農家増産意欲を振い興して増産をしようという建前からあの制度が行われたのでございます。このたび一割増産運動をやらなければいかんと、その予算的措置も非常に私たちから見れば極めて貧弱である、こういう際にあの事前割当制度やめるというのは少し逆行しているように考えるのでございます。  もう一つは、事前割当制度はすでに作報組織が完備しましたから、統計の正確な数字が出るから事前割当やめるというような御説明をされておるのでございまするけれども、統計組織が完備すれば初めて事前割当というものが正確になり効果收めるのでございまして、これは逆の考え方であると思うのでございます。従つて無造作にこの事前割当をおやめになることになつたのでありまするが、もう少し愼重にこの制度をお考えなつたらどうか。それからもう一つは、それに関連して、この事前割当廃止して農家自由意思に基く作付けを行わせたい、こういうような御説明があつたのでありまするけれども、事前割当というのは、農家のそういうような意思を汲んで国が計画的に一定方針を以て作付けを行う、こういうことなのでございまして、簡單な今までの御説明では事前割当をおやめになる理由がはつきりしないのでございます。この点如何でございまようか。
  14. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) その細かいところになるとさつぱり私はわからないのですが、要するに農民の自主的な意欲によつて生産目標を立てて貰つて国家が要求する生産目標に達して貰いたい、こういうことでありまして、それによつて国の必要とする最低限の所要量を出して貰いたい、こういうように私は考えております。  それから又正確な統計の上に立つて割当というお話でありますが、それはあなたのおつしやる通りであります。
  15. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 この間の第八国会のときの自作農創設特別措置法は、私共から見れば残念で、あれは不成立に終つた、ところであの中の四十條でありましたか、自作農創設をするに適当でない、又土地利用上から見て適当でないという買上林地等は、これを元の値段で元の所有者に返すという項目がある。あれは誠に実際に合つた点なのであつて、事実各地方を歩きましても、昭和二十二年、二十三年の当初の買上げ時代におきましては、あの中央の精神がひどく曲げられまして、割当というふうに厳格に解釈しましたために、非常に林野というものがあの対象になつてつた。ところが現在各地方はあの買上げの二割に達した開墾の成果はないわけであります。私は今度の一割増産の第二の点に挙げておる耕地造成拡張、これは土地改良と共に誠に結構だと思うのでありますが、この耕地造成拡張を側面から図る意味合いにおきましても、徒らに買上げてそうして待つておるけれども開墾者が入らないという問題については、これは何か一つの單独の法律が出ればこれも結構、そうでなければ行政的な強力な措置でああいつた遊んでおる土地というものを速かに植林に適するものは植林する。開墾に適するものはどしどし開墾の促進を図る、こういうふうに持つて行かなければ狭い日本土地利用からいつても非常に残念だ、かように思うのでありますが、この点についてのお考えは如何ですか。
  16. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) この前あなたからのお話もあり、又特に東北地方からの強い種々な要請がありますので、私は林野庁長官林野行政に対する再検討をして貰いたい、特に一番農村に近い荒廃林道については別個の考えを持つて貰いたい。又強制買上げというか、開放というか、あの問題についても特に検討して貰いたいということを私申入れてあります。今やつておると思つております。
  17. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 これは林野庁の一局の問題でなしに、むしろ一局とするとするならば農地局にこれをやらせるということが、最も適切だと存じます。一つそういうふうにお話を願いたいと思います。
  18. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) よく相談をさしてやらせたいと思つております。
  19. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 それからもう一点でありますが、国土線化に関しての政府の非常な力の入れ方については誠に感謝もしているわけでありますが、その中で残念な点が大分あるが、特に一つある。それはこの林道に対しまして非常に少い。私は造林治山事業と裏腹の関係にあつて林道というものは促進されなければならない、非常に里山の出口が荒れておる。而も日本復興のためには誠に残念であるが、現実生長量の二倍を止むなく伐つておる。その際に当つてすぐ奧に入れば寝ておる山があるが、林道がないために遊ばして置かなければならん。こういう点は折角ああいつたなけなしの金を造林なり治山に出すのに、一点欠けておる、是非これはもつと振興を図つて行かなければならん。更に最近私は八月の末でありましたか、八軍の作戰資料をやつておる者に参考に会いました。そういたしますると相当量木材考えておる。極めて大きな数字考えておる、そこでいろいろな議論をいたしまして、フイリツピンとかその他の点からも合せて考えるべきだということを申しましたが、彼といたしましてはなかなか日本の山に執着を持つておるようであります。近いものでありまするから、可なりそういう憂いがある。このようにして、而も戰局がその後ああいう展開をいたしますとなれば、その需要が比較的早い機会に、出す出さないは別として、或る程度要請されるということが考えられる。そういうことをも併せますというと、私はこの林道という問題は更に大きい意味が出て来る。更に農山村におきましては、働きたくても働く場所がないという、いわゆる顯在が出て参りまして、この問題につきましては是非林道というものを大きく取上げ、国道、県道ということも大きい問題でありまするが、林道ということも是非大きく取上げて頂きたい。災害復旧などを見ましても、国費で被害の復旧をしなければならないものを二年計画にされた、本年度の約一割弱を地方に当てがつておるという状況でございます。又今御奮闘中でありますが、来年度公共事業費から見ましても、うつかりすると昨年度程度にしかならない、こういうことでは折角ああいうふうに国を挙げて治山問題の国土復興に入つておる際に、あの点が欠けておることは非常に残念と思いますが、これにつきましての大臣の御奮闘と共に御意見を承わりたい。
  20. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 林道については、誠にあなたのおつしやる通りでありまして、実は私は普通の一般の道路はこの点が飽和状態に達しておると考えておるのであります。建設大臣をからかつて叱られるのですが、君の方はもう舗装だけにし給えと私よく言つておるんですが、林道は全くこれは放置されておるのであります。特に奧地の開発、或いは又その他について必要なのでありまして、今話合いをしておる最中でございます。
  21. 門田定藏

    門田定藏君 簡單大臣にお尋ねしたいと思います。本年度一割増産目標は、これは單に一割増産をできればやりたいという目的で立てられたものであるか、日本食糧事情からして、どうしても本年は一割増産しなければいかん、こういう方針で立てられたものであるか、これを一つお聞きしたいのであります。それから増産方法につきましては、大体どういう方法でこの案を立てられたでしようか。我々がこの増産の提案された案を見ますというと、実に一割増産について寒心に堪えない、こういう案で本当に一割増産ができるかどうかということを心配するものであります。当局はどういう方面から研究してこれを立てられましたか、大体私は本当に日本の国情から言つて一割の増産を期するならば、日本の各県の実情をよく調査して、どの県はどういう方法にしてこういう一割増産を図るか、本当に実際の増産に関する各県の実態を調査して、そうしてこれは立案すべきものである。私はこの案を見まして、これは机上の、本当に農林省の役人が机の上でほんのお座なりに立てた案じやないか、こういう案で到底一割増産可能性はないと私は信ずるのであります。大臣はこれについてどうお考えになりますか。それから大体一割増産につきましては、ただ農林当局農林省だけでやる問題ではない。これは私は今度の朝鮮事変等から考えまして、是非これをやるについては各省が、どの省も一致しで相当な犠牲拂つてもこの一割増産についての施設を十分講ずるのでなければこれはむずかしいと思うのです。そこでこの施設に対する経費ですね、百億や二百億の費用各省から何とかして、どうしてもこの増産施設を完備して貰いたいと思います。これについて大臣の御意見が承わりたいと思います。
  22. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 一割増産目的でありますが、これは日本民族の将来を考えてやつたことでありまして、決して目先きのことで考えておるのではないのであります。特に近頃になつて刺戟されて、朝鮮事変を契機として刺戟されてやつたという軽いものではないと、私はこう信じております。  それから一割増産について各地方別に各地方状況を勘案して立てた案ではないと、こういうお話でありますが、これは農林省で立てた案は一つめどでありまして、そのめど基底として各町村の実情を加味して、各府県実情を加味して各府県でやつて貰うようにしたい、こう考えております。  それから予算関係でありますが、これは我々としては、省としてはでき得るだけその方面に、金融関係におきましても或いは協同組合育成に関しましても、その他共済組合資金の問題に関しましても、種子の改良或いはその他についてもでき得る限り、その面に力を注いでおります。  それから又各省が協力せられなければならんということは全くその通りであります。閣議決定はその線に沿うてやつておるのでありまして、建設省でやるダムの建設につきましても、或いは堤防の建設にしましても、やはり農土中心として考えて貰うというようにいたしておるのであります。
  23. 門田定藏

    門田定藏君 もう一つお尋ねしたいのでありますが、今年度米価についてでありますが、とかく五千円余りのところの問題がまだ決定しておらんらしいですが、我々の研究しておるところでは、どうしても六千円以上でないというと農村赤字が出ることになることは確実でありますが、何と言つて農民増産を強いるならば、させるならば、私は農家が働けば働いただけは可なりな報酬をやらなければ本当の目的は達せられないと思つております。そこでこの米価についても生産費を割るような価格で、農家ひとり犠牲拂わして、そして生産せい、或いは供出せいというようなことは、それはすべての点から考えてこれはよくない。こういうことで本当に農民がまじめになるはずがない。そこで私は農民をして真剣に増産をさせる、供出をさせるのには、成るたけ米価をできるだけ、そう余り不当な価格は要求しないけれども、生産に我々が従事したその労賃になるぐらい、可なり農民がやつて行ける最低の生産が保障されるぐらいの費用考える。そうすると私はどうしても生産費を償う価格は出して買い上げんというとまじめにならん、そこでこういう五千五百円とか三百円とかまだ言われておりますが、どうしても六千円以上でこれは買い上げる必要があると思う。思想的から言いましても、経済的から言つても、成るたけ安くて米を農民に出させるというようなことが、これが間違つておるのじやないか。生産費が償うならば……我々は六千円が切れては赤字になるのです。それを日本政府が真剣に取上げて、成るたけ安く米を叩いて取るというようなことをやつて置いて、そうして供出とか増産とかいうことは、これは本末顛倒した話だと私は思うのです。この問題について農林大臣の御意見を承わりたいと思います。
  24. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 米価の問題ですが、これもやはり農民が満足する価格決定しようと思つて非常に苦労をいたしておるのであります。池田君の言われるような国際価格に鞘寄せされるというような意見も実際取上げて、これを生産指数或いはパリティー計算等にあれを合して何とか国際価格に合うような計数を出そうと思つてもなかなかそこまでは出て来ないのであります。又農林省のしておる生産費基底とした米価決定しようと思いましても、なかなかあなたのおつしやる数字にはどうしても合つて来ないのであります。その辺を種々勘案いたしまして、これならば大体農村において満足して貰えるという数を現在目下出して交渉中であります。さようにいたしまして農村が本当に希望する数まで達しないので、我々はそれを他の面から国費農村に注入して農村振興を図るようにせなければならんと考えておるような次第であります。
  25. 門田定藏

    門田定藏君 只今米価について農民の満足する価格を場何とか作るために心配してパリテイ計算をしておるということをおつしやいましたが、我々はパリティ計算がどんなものかまだ完全にわかりませんけれども、凡そ米価であろうと何であろうと計算がどういうようになるか知らんか、現実を無視したものはない。官吏やすべての俸給にしてもパリティ計算がどうなるかということを見ても、現在やつているもののパリテイ計算がこうなるからこれだけというのは、これは現実を無規した話は通らないことと思う。我々現在肥料からすべての資本を計算して見て、やつて行けん農民の立場でありますから、その点をよく大臣は勘案して頂いて、特別のこの問題について御努力を私は願いたいと思います。
  26. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) いずれさような点をよく勘案いたしまして、シヤムプ氏にも意見書を出し、或いは又その他の方面にも農林省独自の意見を提示しておるような次第であります。
  27. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 私も先ず第一点に米価の問題で大臣一つ意見を拝聽したいと思います。昨日の物価庁説明を聞きますと、まあ遺憾ながらという言葉を使つておりますが、従来通りパリテイ方式でやつてそれに或る程度プラスアルファーということでありますが、昨年の米価審議会におきましても、或いはその後の農村の声を聞きましても、殆んど主産費でやるという空気が非常に醸成されておると思います。又日本の工業の回復の工合から行きましても、或いは物価情勢を見て参りましても、本当はその生産費切換わる時期が来ておると思います。特にこれにつきましては、統制が外れますと、マル公がありますればこれはまあ或る程度の信憑するに足るパリテイ計算が出ると思いますが、肥料統制が外れますと、農家の買う価格というものが非常に変動が出て参ります。パリテイ計算の一番ウエイトの高い肥料はどういうことになつて来たか、この機会に、今年は駄目かも知れませんが、少くとも今年の米価議論の際に少くとも来年あたりから真正面から生産費切換をするというような一つ口かがりを付けて貰いたいと思います。これは非常に私率直なことを申上げるのですか、農村団体なり農林省は大体その意見でまとまつたと思います。もう一つ安本当局はどうも私の見るところでは、まだ生産主義を完全にマスターしておらん。これは或いは安易につくというようなことは或いは言つていいと思いますが、どうも依然としてパリテイ方式に殊に拘泥を持つているのじやないかと思います。そこで又肥料統制をこの機会に、今年は駄目であつても、来年からは堂々と一つ生産主義で行くというふうに一つつて貰いたいと思います。これは私から言うのもおかしいことでありますが、食糧管理法法律の規定を見ましても、生産者米価生産費物価その他の経済事情を参酌せしめるということで、生産費中心主義になつておりまして、極端に言えば、法律を無視しておるというようなことにもなると思います。さような議論は別といたしましても、情勢はどうしても生産費で行くべき時期が来ていると思います。今年は駄目でありましても、今年の米価の際にその問題を相当出して貰いたいと思うのであります。いつも米価の際に持つて来ますると、時期が急ぐ関係で向うの意見に負けてしまうということになりますから、今年の米価決定の際からその問題を出して貰いたいということを特にお願いして置きます。  それから第二点は、昨日も一割増産運動の点でいろいろお話を聞いたわけでありますが、私は増産運動を推進するためには、大体三つの点が中心になると思います。先ず第一は米価の問題、それから第二は国家資金をできるだけ増産方面に投入する、この二点につきましては、いろいろ折角今御努力中のようでありますが、もう一つは、さつき小林君の触れました自家保有米が四合だということは、これは私はその点に対する重点が少し足らんのじやないか。従来でも四合では足らんという意見が出ておりまするし、これはもう御承知と思いまするが、私の在管中のあれから申しましても、二合七勺に増配する際に、四合据置きはいかんという意見が出ておりました。四合を据置いて、消費者だけ二合七勺の増配は不均衡だという意見が出ておりました。更に加えて、只今お話を聞きますると、まだ確定はしておらんようでありますが、更に二合七勺を一勺増配するということになれば、当然関連して自家保有米の増量ということを是非ともお考え願いたい。増産しても、四合残して全部取られますると、又そこに増産という点にはマイナスになると思いますから、米価或いは公共事業費その他の点はいろいろ御配慮になるようでありますか、昨日安孫子君に聞きましても、自家保有米の点がどうもピンぼけの感がありますので、この点も至急関係方面に申入れて貰いたいと思います。  それから第三の点は、食糧公団の解体の問題でありまするが、最終の末端を独立の営業としてやるということは、私は体制としては止むを得んと思いまするが、ただ中間の卸段階を自由な営業にするということは、これは自由な営業という銘を打ちましても、殆んど私は自由な操作の余地はないのではなかろうか。又卸段階一般消費者にも直接の関係はないのでありまして、要するに食糧事務所から毎月きまつた数値を小売に單に一定のマージンの下に転売するに過ぎません。産地へ行つて山に買付けて持つて来るというわけではないのであります。どうも卸段階まで急速にやるということは、私はこの際一応の再検討を要するのではないか。これは実は私共の所へ参ります米穀業者の人なり、或いは公団の職員の各位も、さような意見がぽつぽつ出ておるようでありまして、端的に申しますれば、私は公団の切替えが余りせつかちにやつたという感じを持つております。新聞では食糧公社を作るというような構想もあるやに聞いておりますが、私は一応卸段階を急速にやるということについては再検討を要しはせんか、そういうふうに思つておりまするが、その辺のお考えをお伺いしたいと思います。  それからもう一つは、これもいろいろもう大臣のところにも陳情等で沢山見えておるだろうと思いますが、末端の小売商のマージンの問題であります。これはいろいろ御配慮を願つておるようでありますが、私は労働組合の連中が持つて来たような七・八ベースで人件費が幾らというような、私はそういう計算も一応立つと思いますが、もつと昔の米穀商の当時に、自由経済の時代に、大体平均してどの程度の手数料を取つてつたか、そういうようなものも基準にして、大体無理のないところでおきめを願いたい。折角独立とするということになりましても、マージンが非常に苦しくありましては、又不正も起るというような嫌いもあると思いまするので、この辺も一つ愼重な考慮を願いたいと思います。  それから最後に、これは昨日官房長にお聞きをしたわけでありまするが、農林金融公庫の施設が、非常な御努力の結果、現在実現の可能性が強くなつておるようでありまするが、ただ昨日平川君の話を聞きますもと、これを作ることを非常に急いでおられる。その理由はわかりまするが、ただ政府の資本金が例えば三十億とか五十億とかきまつた場合に、法律文面でその年だけの資本金しか書かない。ところが資本金といいましても、それは右から左へ農村へ出てしまうので、そうしますと、翌年度又三十億を六十億にするというように、毎年々々法律改正をするということは、金融公庫の恒久性といいますか、これはやはり数年間はどうしても続かなければならんと思いますので、そういうようなお考え是非欲しいということを私は言つて置きましたが、この点につきましても御意見を承わりたいと思います。
  28. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 米価の問題ですが、これはさような点を我々の方で勘案いたしまして、すでにもうパリティ計算が批判されておることは御存じの通りでありまするので、今まで私たちが戰前にやつてつたような生産費を基礎にした一般価格米価、この点を基底といたしまして、農林省といたしましては、はつきりした資料を沢山作りまして、二進も三進も行かんようにがつちりした資料を作つて関係方面に送り込んでおります。先入主にならんうちに、最初に我々の方の資料を向うに叩き込んであります。安本の方にも私随分これは議論したのでありますが、單に向うが通らないというようなことでそうやつておるのですが、私たちが行つて話をしても、生産費基底とした計算に対しましては、非常に耳を傾けておるのであります。今まで出さなかつたような資料まで收集して出してあります。本年出しましたこのプラス・アルフアーの問題ですが、これについてもなかなか安本の人たちは頭が固いのでありまして、私達はこのプラス・アルフアーについて、あらゆるものを入れて高くしたいということで、現在骨を折つておるような次第であります。  それから一割増産についての第一点、米価の点につきましては、全くその通りであります。これはやはり高くしなければいかんと私達は考えておるのであります。  それからそれにつけて国家資金農村に入れなくちやならんということは、これもお説の通りでありまして、今までのように重工業にのみ国家資本を蓄積するような方向は、これは考え直さなければならん、農村日本の資本を蓄積することが一番経済上安全であるということを、私は深く考えておるような次第でありまして、これを政府部内にも我々は勧めておるようなわけであります。  それから自家保保米につきましては、全くこれは私落度でありまして、この点検討いたさなかつたのでありますが、即刻食糧管理局長官相談いたしまして、検討いたします。  それから公団廃止に伴つて、卸機関の問題でありまするが、これはぽつぽつ世間から批判されて参つておりまするので、愼重に考えたいと思つております。  それから公団の末端のマージンの問題ですが、実はこれは私も米屋をやつて、一日三俵も米屋をやつた経験がありますが、あの人たちの言うことはよくわかつておりまするので、無理のないところできめたいと、こう考えておるような次第であります。  それから公庫の問題でありますが、これは農地改革において一番手抜かりしたことは、金融関係の問題であります。一般市中銀行から除外されたのをそのまま受取つたということが非常に欠点であると考えますので、この公庫を通じて公庫をフルに私は運転したい。單に一般会計から繰入れられた三十億をそのままでなく、これを一つの資本として預金部資金なり、或いは又その他見返資金なりこれを入れてフル運転いたしまして、その間の利子の問題についても適当な方法を私は考えなければならんと、こう思つておるのでありまして、決してあの金によつてのみやるということでなく、あれを基本として十分活動するようにしたいと、こう考えておるような次第であります。
  29. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 よく了解いたしましたが、ただこの生産費農林省でいろいろ計算される場合に、これは又安孫子君にも申上げて置きましたが、我々は説明を聞けばわかるわけでありますが、限界生産費というこの題目ですが、これは私が昨日も申上げましたが、非常に看板倒れの感があるのであります。限界生産費五千五百円ということは、何か非常に一般には通用いたさん、これは看板倒れと私は考えておるのであります。而も供出農家のその肥料の限界の出産費ということが、これはやや看板が勝ち過ぎたような感がいたします。むしろ私は前から申上げておりますが、もう相当な生産費に堂々と利潤を加えて私はいいのじやないかと、それは私が在官当時にも大蔵省方面ではこの理論は一応通つておるのであります。農地価格の評定の際には僅かながら四分の利潤を見ております。さようなことも一つ考えを願いたいと思います。  物価の問題も、昔は御承知のようにむしろ米なり石炭を中心として物価を見て行く、米、石炭の生産費を基準として米価なり石炭の価格をきめる。この主要物資を中心として他の物価を見て行くということが曾ての私は日本経済の例だつたと思うのであります。最近では、外の物価を見て、米価はそれに従属してきめるというやり方はそろそろ脱却してもいいと思いますので、特に安本あたりはそのことがわかつて来てもいい時期だと思いますから、どうぞその点はよろしくお願いいたします。
  30. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) この何と言うか、生産費決定について山を作る場合にどうも崩され易いので、あの山を崩されない方法を何とか考えて欲しいということを申入れてみるのでありますが、どうも山を崩され易い。只今の限界生産費の問題でありますが、崩され易いのであります。これを崩されないようにと思つて努力いたしておる次第であります。その中に一体マージンを入れないということは、これはどうかと思いまして、これがいわゆる封建時代の農村が殿様に奉仕するあの思想が拔け切らんのじやないかと私は考えております。やはり企業体として農村を見ることが適当だろうと私は考えるのであります。この企業体として考える場合には、当然マージンが加味されなければならんのでありまして、それを幾ら説明してもわからない。  それから又物価決定についても、他の重要産業の方を中心として考えることも、これ又今までの日本の伝統にないことでありまして、米価中心にして労働賃金がきまり、それから他の物価がきまつたことは日本の今までの慣例であります。こういうようなことも安本の方に私は言うのでありますが、どういうものかあすこはちよつと違つておるので閉口しておるような次第であります。
  31. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) 片柳さんよろしゆうございますか。それじや岡村さん。
  32. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 昨日、一昨日といろんなことをお聞きをしたのでありますが、前に各委員からいろいろ御質問をせられておりますが、一割増産ということに非常な問題があり、又それに関連をして非常に疑義があるわけでありますが、一体どうも政府考え方は、非常に何でも安易に考えておる、そうして何だか驚いたような手を打つと言いますか、施策を施すような形に見えて非常に遺憾であります。  私共は前から一割増産でなくて、日本食糧自給の問題でやかましくやつてつたのでありますが、朝鮮の動乱を契機に閣議御決定になつて、そうして取りあえず一割増産をしようということにおきまりになつたようであります。そこでその閣議決定事項に附記してありますることを見ますると、全く全部承知をいたしておるわけであります、どうすれば増産できるかということ……。ところがそれをおやりにならないでおられるわけなんですが、予算関係もありましようが、今百姓に一割増産をしてくれということは非常に言いにくいことなんです。そこで全面的に食糧が足らんならば足らんで、立派な管理をいたしているならばまだ言い易いのですが、そうでなくて大分自由になりかけたものもできて参りましたから、考えて見ますると、米、麦と日本の古来の人間が常食としておつたものを目標にして増産をしたいというようにしか見られないのであります。そこでここに書いてありますことが我々の言つておることで、これもやれば一千五百七十万石の増産ができると、取りあえずこれだけやつてやれば四百万石取れる、こう書いてあります。それでこの書いてある書き方もよくわかつておられる、例えば秋落にはこういう施策をするとか、或いは土地改良はこうするとかみんな書いてあります。そこで知つてつてやれないということは非常に遺憾でありますが、そうかと言つて外国輸入をして相当高いものを食つておる。それは現在は拂わなくてもいいやら、そのまま貰つて食うことになるやらわからん金でありまするから、今のところは先ずよいにいたしましても、そうでなくて根本的な方の進み方は、非常に大臣も二十六年度予算にお骨折をして貰つてつたと思う。ところが段々その効果が出かけて、我々が最も直接食糧増産に寄與することができると思うのは非補助費の問題であります。そういうものも顯在しておつたのだか、どうなつたかわかりませんが、一体ここに書いてありますようなことを御存じで、そうして安本、建設、農林、三大臣が非常に御主張をされたようで大分予算も拡充されて来たようでありますが、先ず以てここに書いてありますような方向に進みつつあるような、予算の獲得が国内だけは大体どういう見込がついたか、これはシヤウプさんもおいでになつておるし、やがてドツジさんもおいでになるようで、とても日本政府の言うようにはならんか存じませんが、日本政府としてはどこまでするということに大体見通しがつきそうだか一応お聞きしたい。
  33. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 食糧増産の問題は、これは日本自給度を確立する、こういうことが目標であります。ただ初年度において一割増産言つてつたことは、これは要するに農民一つめどを與えるということに御了承願いたいと思う。要するに日本は自主的に立たなければならん、いつまでも依存することはでき得ないのであります。私たちとしてはどうして食糧の自給を確保しなければならんということから出発いたしておるのであります。これに関連して国内予算はどうなつたかということでありますが、この線に沿うて実は我々はやつておるのであります。先程申上げたように種の改良を進める、或いは又土地改良或いは金融関係或いは協同組合の育成助長、それから共済金の問題、そういつたような幾多の面をこれに現している、それから尚又大きく取上げて、これは池田君らと我々と意見がまだ一致しないのでありますが、この水系整理の問題です。仮に例を挙げるというと石狩川の水系整理、或いは又北上川の水系の整理、利根水系の整理というようなことにいたしまして、そうして單に提防だけ作るというようなことでなく、大きなダムを作つて、これを地水利に使つて高度に土地利用するようにしたいということで、その方面費用を請求いたしておるのですが、まだなかなか行きませんが、昨夜あたり安本の方でどれか一つぐらいできるようになるのじやないかという私はめどをつけておりますが、なかなか巾着を持つておるやつは強くて言うことを聞かんのでありますが、私は十分実はやつておるのです。特に私は高度の災害復旧、又高度の災害防除の点から補正予算等においては單なる提防の決壊の修理でなく、その一歩上のダムの建設をして防災をしろということまで言つておるのですが、予算編成の技術上、なかなか疑義があるようでありますが、そこまで主張いたしたような次第でございます。
  34. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 大体話はわかりましたが、実に残念なことで、敗戰後のことでありまするから、なかなか我々の主張するよう、又日本政府の思うようにはならんのでありますが、私は治水の方面でもドツヂさんでもシヤウプさんでも、あそこの茨城の様子を十分見て貰うことが一番いいと思う。これは予算を使うのには、御承知のように投資的に使う割合がどれだけ一体使えるかということが、政府の一番目を付けなければならんことだと思うのです。そこでああいう状態になつておりまするが、これは天災は防がれるものと防かれないものとがあります。今度の台風のようなものはこれは防がれません。併しながら茨城県あたりは完全に防げると思います。あえて私に言わせますと、これは政府の責任であつて、今の政府というわけじやありませんが、大体政府の責任で、ああいう七ケ町村のものが、実に随分災害も見ましたが、ああいう実に何とも言いようのない災害はないと思います。これはただ日本政府政府部内でお互いに議論をし合つてつてもなかなか話が通らないので、あの利根川の方法などは実に取り易いことであり、必ず取れると思います。こういうことが食糧増産する大きなゆえんでありまして、單なる土地敢良や秋落しの水の方法ではいかんのでありまして、そこまで考えなければいかんのでありまするが、そうしてなかなか大臣も初めにはよくやつてくれたのが、段々どういうものか弱気になつた。で昨日何だか池田をというようなお話を聞きましたが、どうも安本と建設と農林の三大臣がうんと協力して貰うようにお願いしておつたのですが、忠告されて君どうも廣川君弱気になつて駄目だ、しつかり激励しろ、こういう御注文を受けて困るのですが、一つ農林省として、それから、單なる廣川さんのためでなくて、日本の現状の食糧を担当する農林省として、私はこれを間かん人はないと思う。しつこくとも仕方がないから、予算の最高限度まで、随分減税を御心配されておりますが、日本の国民も恐らく馬鹿じやありません、全部が。あの状態を知らしめて、そうしてこれに投資するのだから止むを得ん。減税は公約したができない。それがわからんのじや話にならんので、如何に自由党の党員の人でも、それがわからん人はないと思う。そこでそういう方面に持つて行けば、幾らシヤウプさんが減税せいと言われてもできない、こういうのでして貰わなければ、やがて講和もできましようが、一年の間にああいうふうになられたのでは、これは何ぼ作つても行かないのでありますから、これは一つまだちつと脈があるようでありますから、十分そのつもりで頑張つて貰いたいと思う。  それから次は割当の問題で、昨日もいろいろ御議論があつたようでありますが、大臣はそれは十分御承知ないかも存じませんが、事前割当にしたというそのいわれは門田さんが詳しいのでありますが、なかなかやかましいらしいのです。私は事前割当は、農家意見を聞いて見たが、事前割当にすると、どうしても播き付けの時分からどれだけ取らなければならんという目標があることが一番よろしいと、こう言うのだからというので私共実はきめたのです。やつて見た結果は、その時の説明のように参らなかつたのでありますが、それにしても大体まあ曲りなりにも行つておりますが、今度の事後割当はどうもはつきりしません。今農政局長のお話を聞いて見ても、それから食糧管理庁のお話を承わつてもどうもそこらがはつきりしないので、今度できます農業委員でありますか、ああいうものができて、下の方は役目を持つとえらい誇りを持つたようで百姓のことを忘れてしまつて、そして無理を通す嫌いがあります。で事後割当でありますから大体の目標を示す、そのことが事後割当目標になつてしまつて、そうしてそれを通される気配になると又百姓は困る。だからいろいろ法律はあるのでありますから、それに代る何か方法があるならば当然やらなければならんのでありますが、元に戻すことが、食糧が大事で実際に供出されなければならんということになるならば非常に考えなければならんのじやないかと思うのですが、大臣はどうお考えになつておるか。  それからその次に農林中央金融公庫のことで大臣のおつしやつたことが実現しそうで、まあ廣川農林大臣の施策がここに現われることで誠に我々喜んでおるのでありますが、何かというと融資、こういうのでもう池田さんが專らそれを片付けて私共困るのです。却つて拂うのに力があるなら何も政府に助成を貰わなくてもそれでよろしいのでありますが、それがために作るというのでは非常に困るのでありますから、この点は十分に大蔵大臣も了解をして貰つて、自己負担分は当然拂わなければならんのでありますが、そうでなく何もかも公庫の融資で行く、こういうふうに無論関係方面も今迄もやつたのですから……、そうすると公庫のために国の助成を取られるということになりはせんかという心配がありますから、その点大臣は一体どうお考えになつておりまするか先づ二つだけ……。
  35. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 最初の災害地に関する問題でありますが、この災害によつて国家資本が烏有に帰するということは、実際これは残念至極であります。でありますから我々にはその観念をなくするような方針で実は進んで来ておつたのでありますが、なかなかうまく行かんのであります。又私が減税なんか或る程度よせとまで言つておるのはそこにあるのでありますが、なかなか世間は納得しないようであります。特に通信関係などは我々の意見に反対しておるようであります。併しどうしてもこれはやらなければなりませんので、昨日最後までそれを我々は主張いたしておりました。額は小さくとも、多分その方に芽を出して来ると考えております。利根水系なんかもこれは二つか三つのダムを作ればでき得ることであります。それから北上水系のごときはたつた一つのダムで完全に防げるのであります。そういうことを強力に主張しております。若し仮りに破れたといたしましても、まだ望みはあるのであります。それは見返資金というようなものもあるのでありまして、決して私はこれは捨てておりません。何かの方法で必ずそこに持つて行きたい、こう考えておる次第であります。  それから事前割当、事後割当につきましては十分これは我々の方で検討いたします。  それから金融公庫に関する問題でありますが、金融公庫を利用するのにもおのずと限界があるはずであります。金融公庫を利用する方と、然らずして国家助成をする方途はおのずとして方法があるのでありますから、その限界もはつきりいたします。それから金融金庫と中金の関係もあります。こういうふうなことは限界を嚴にいたしまして、紛更しないように、又今まで国家助成をして来た方面に侵蝕しないように努めたいとこういう考えでおります。
  36. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) よろしうございますか。
  37. 西山龜七

    ○西山龜七君 事後割当のことは、今大臣の御説明聞きますと、はつきりまだきまつておらんように聞いたのですが、この問題は建前としては收穫を対象にして供出するのでありますので、増産を阻むと、かように巷間言うておるのでありますが、事実そういうようなことになると思う。つきましては、私は事後制当にする場合には、農村保有地を大きくする点、或いは保有量を現在より逆に大きくするか、又はその供出完了したものを自由に処分さすか、何とかせたければ一割増産が逆になる。かように思いますので、この点は特にお考えを願いたい。  それからもう一つは、これは現在の農林省の所管によりまする作報制度、それから食糧事務所の傘下にありまする検査員の制度、全国に沢山な食糧確保のために政府が人員を配置して万全を期しておりますが、この制度を私は府県へ移管いたしまして、府県において昔のように検査制度を励行いたしまして、府県が検査料を取つて府県の財政を補う。こういうことにしましたならば国家のこれに費す費用が非常に軽減されまして、半面において県の財政が豊かになる。一面におきましては県といたしましては、完全にその收穫予想のすべてを把握することができるのであります。そうしますと、今買上価格と配給価格との非常な差額に対しましてこれを縮小することができる。この点につきまして農林大臣としてはどういうお考えを持つておるか。
  38. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) この事前割当、事後割当に関して下手をするというと増産を阻むようになるということを非常に御心配のようでありまするが、これをそういうふうにならんように是非心掛けたいと思つております。  保有量の問題に関しましては、先程農林省の先輩からもお話があつて、この保有量については十分我々考えなければならんと、こういう考えであります。  それから作報並びに農林省の検査員についての地方委譲の問題でありますが、これはたびたび問題になるのでありますが、一貫した供出制度を施行しておる場合において、どうもこれを分断することがよろしくないという意見の方が強いようでおります。現在我々といたしましては、その説を支持いたしておるよう次第であります。   ―――――――――――――
  39. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) では私からちよつと質問いたします。前国会におきまして自作農創設特別措置法の改正案が審議未了になつております。そして土地価格等につきましてポツダム政令を出された。これはいろいろ私遺憾な点があつたとこう思つておりますが、ポツダム政令の出し方を見ておりますと、従来のポツダム政令の出し方と相違しておる点が大分あるようであります。それから内容につきましても、例えばウイリヤムソンからあなた宛に来ておる書面の内容よりも余計なものがあの政令に盛られておるというような点がありまして、これは相当問題があると思います。今日は大臣は所要でお帰りになるようですから、この問題につきましては論議いたしませんが、いずれ来国会におきまして、これらの点につきまして詳しい論議をするということだけを申上げて置きます。
  40. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 その問題は時間がないからあと廻わしにしたのですが、今日の委員会でなくてもいいから質問したいと思います。
  41. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) 農地局長が来られておりますので、自作農創設特別措置法の問題につきまして質疑を行います。  それでは私から伺いますが、農地局長からポツダム政令を出されるに至つた事情を伺います。
  42. 佐野憲次

    説明員(佐野憲次君) すでに御承知のように先の国会に提出いたしました特別措置法の一部を改正する法律案が審議未了になりまして、一方土地台帳法の改正法律案が成立いたしまして、土地台帳法による賃貸価格廃止されたのであります。その関係からいたしまして、自作農創設法の賃貸価格を引用いたしまして農地の価格をきめておるわけでありますが、賃貸価格がなくなりました関係で、農地の価格に関する規定が動かなくなつたのであります。事実上措置関係法律が動かなくなつてつたのであります。こういう事態に対しましてどうするかということで、いろいろ研究をいたしたのであります。我々といたしましては、国内法の運用によりましてやる方法はないかということをいろいろ検討をいたしましたのでありますが、結論といたしまして、国内法ではできないことになつたのであります。この事態につきましは関係方面でもいろいろ心配をせられまして、早急にこの事態を收拾するようにという指示もございましたので、そこで結局動かなくなつた部分を動くようにいたしますための最小限度の措置をポツダム政令による外ないということになつたのでありまして、そういう意味合からいたしましてポツダム政令を出したようなわけでございます。政令の案もお配りいたしてあると思うのでございますが、賃貸価格がなくなりますまでに、すでに当然買收すべきであつた農地につきましては、これは従来の価格でやつて参るということでありますが、その後新たに生じました不在地主の持つております土地であるとかいうものにつきましては、価格はないのでありまするからして、買收、売渡しというようなことができない。それでは価格を作つたらいいじやないかということも考えられるのでありまするが、関係方面の見解といたしましては、それは国会のきめるべき事柄であるのでありまして、或いは国会の意思に任かすべきであろうという考え方でありまして、農地の価格統制をポツダム政令でやることはいけないということでございます。そういうことでありますと、結局買う者と売る者とが相対で価格はきめて参ります。そういう方法をとるより外に方法がないのであります。併し不在地主の土地等は、やはり一定の期間を設けまして、強制的にこれは譲渡をさせるようにしなければならない。併し価格については売り手と買手の間できめて貰う、そういう方式、強制譲渡という方法をとる外にないことになりまして、そういう方法にいたしたわけであります。併しこのために不当に価格が上るということも実は困るのであります。又お互いの間で話がつきません場合の措置といたしまして、話がつかなければそのままにして置くというわけにも参らないのであります。そういう場合には、結局政府に強制譲渡をさせるということにしなければならんので、政府に強制譲渡をさせるということになりますると、自然そこに政府が買う値段というものをきめなければならないことに相成るのでありまして、考え方といたしましては、丁度入札の場合、競売の場合に政府が底値を入れまして、地主、小作人の間で競売をやりまして、競落しなければ政府が底値で買うというような考え方であります。そういう意味の底値と言いますか、政府の買收価格といたしまして大体五千円というものをきめて参る。これも今申しましたような強制譲渡方式でやつて参ります場合の締め括りとして、これも止むを得ない措置であるわけでございます。従いまして形は似ておるのでありまするが、前回国会に出しました強制譲渡とは多少意味合いが違うというふうに私共も考えておるわけであります。  ポツダム政令の関係といたしましては、大体そういうことになりますが、これに関連いたしまして前国会の際にも御説明申上げましたように、地方税法の改正がありまして固定資産税が賦課されるようになつ関係上、並びに農地の価格がさつき申しましたようなことになりました関係からいたしまして、小作料の引上げもいたさなければならないということになりまして、小作料の七倍の値上げということ、これは農地調整法の規定に基きましてやつたのであります。  それから尚前国会でも問題になつたのでありまするが、強制譲渡に伴う融資の問題でございます。この点につきましては、来年度予算の編成を今やつておりますが、来年度予算関係で只今大蔵省のほうと大体話合いがついておるのであります。それは自作農創設特別措置法特別会計がございますが、その会計法を改正いたしまして、余裕金を政府が貸付けて参るということに大蔵省のほうとも大体話合がついておるのであります。来年度からは強制譲渡の場合に買受けをいたします者に、それに必要な資金を融通するということができるようになるはずでございます。  大体簡單でございますが、ポツダム政令並びにそれに関連のあります部分について御説明申上げました。
  43. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) 只今農地局長より自作農特別措置法等の改正案が前国会で審議未了になつたそのあとの措置として、ポツダム政令によつて農地買上げを定めることにした。こういうことについての経緯の説明がございました。これに対しましての質疑をお願いいたします。
  44. 門田定藏

    門田定藏君 我々の巷間聞くところによりますと、前国会において参議院はこれを審議未了に終つた、否決したことにつきまして、これは現政府と言いますか、関係方面にこれを折衝してこの政令を許可して貰つた。こういう風評を聞いておるのであります。この点につきまして率直なところを、若しそういうことがあつたかないかということを伺いたい。  それから尚もう一つは、前国会において衆議院もこれは大体野党は反対したのであります。多数党によつて政府が、民自党がこれを葬つたのでありまして、参議院においてはこの法案は不当なりとして否決したのであります。それを今度の国会において政府はこの法案の否決になつた実際について、国論に問うて再びこれは出すべきが本当だと思う。ポ政令を出して、臨時国会も要求されておるのに開かずして公布せねばならんというような実態に私は断じて立ち至つてないと、こう思つておるのでありますが、当局としては、まあこれらの現政府がポ政令の申請をしたか、せんかということは第二の問題といたしましても、臨時国会も開かず、今度の国会まで待たずにこれをポ政令に待つて出さねばならんというような実情に達していないのに、これに対して当局はどう考えておりますか。どうしてもポ政令によつてきめなくちやならないという立場になつていないと思うのでありますが、これらについての当局のお考えを伺いたいと思います。
  45. 佐野憲次

    説明員(佐野憲次君) このポツダム政令を出すことにつきましては、先程申しましたように国内的な措置で解決がつきませんので、司令部の方とも御相談いたしました結果、司令部の方からお手許に差上げておるような書簡が出まして、それによつてつておるわけなのであります。で、実態として次の国会まで待てないかどうかということでありますが、この点は私共としましても、次の国会までということになりますと相当期間ここに空白の状態ができるのでありまして、空白の状態ができることは農地改革を今日までやつて参り、又今後もその成果を持続して行かなければならんという事態に対しまして、そう長い期間空白ができることを放置しては置けないというふうに考えたのであります。司令部の方でもそういうような見解でありました。空白期間をそう長く置いておくのは適当ではないということで、こういうふうに書面も出ますし、ポツダム政令を出したような次第であります。まあ次の国会は一体どういうものを出すかということについては、私共今後更に十分研究をいたさなければならんと思つております。
  46. 門田定藏

    門田定藏君 我々はこの国会の休会期間を利用いたしまして殆んど全国に亘つて遊説もし、調査もして見ました結果、今回のこの自作農創設特別措置法の改正については、殆んど全国農民の反対を聞くのであります。全国の現に農業に従事しておる実際の農民が反対しておるこういう法案を、ポ政令が来たからと言つて当局がこれをそのまま引受けてやらせるということは、これは国民の意思に反するものであつて、如何にポ政令が出たからと言つて、国民がこれだけ反対しておることを通すということは、これは間違つた態度と思いますが、当局はもつと全国の農民の輿論をよく調査して、そうして農民の好まない、こういう従来の日本の農業経営上に支障を来すような案をポ政令によつてそのまま引受けるということは私は考えものであると思う。これらについてもつともつと当局農民の希望を、意思をよく調査して、一つ当局に対して日本農民実情を訴えて貰いたいと思いますが、これについてどういうお考えを持つておるか承わりたいと思います。
  47. 佐野憲次

    説明員(佐野憲次君) まあいろいろ御意見ありまして御尤に思う点もあるのでありますが、いずれにいたしましても、この空白の期間を置きますれば、そこに不在地主の土地もできまするし、又在村の地主につきましても全国平均一町歩以上の保有農地を持つ在村地主ができまして、小作地というものが段々殖えて参ることになるのであります。そういう事態をそのままに放置いたして置きますることは、第二次農地改革をやりました趣旨から申しましても許されないことなのでありまして、そういう点につきましては司令部も全く同じ考え方でありまして、それに基きまして向うの書面も出ておるようなわけであります。最小限度の措置といたしまして、これだけのことはやらなければならんという考えでポ政令を出したようなわけであります。御了承頂きたいと思います。
  48. 門田定藏

    門田定藏君 只今の農地局長のお話は、私はこの我々農民考えておることと正反対だ、なぜそういうことが起るかというと、第二次の土地改革が完全なものでない、まだ約一割以上残つておる、それを今の政府がこれを打切つたからそういうことが起るのです。どうしてもこれを、今まだ残つておる分を、第三次の土地改革を断行して、土地と言わず、林野と言わず、我々はどうしてもこれを徹底させねばならんと思つておるのに、現政府がこれを第三次の土地改革だけで打切つたからそういう問題が起つて来るのです。だからして我々は国民の輿論によつてどうしてもこの第三次の土地改革を断行せねば、日本の本当の農業の経営はできないと考えておるのです。第三次農地改革を断行せないからこういうことが起つたのです。空白時間もへちまもない、初めの通りに農地改革を徹底されたならば、理想的なこれは自作農ができるのですよ。これについて大体現政府にこれを今私は迫るというわけじやないけれども、第三次の農地改革をどうしても日本農民は希望しているのですが、これについて一体どうお考えになつておりますか、一つ当局のお考えが私は承わりたいと思うのです。
  49. 佐野憲次

    説明員(佐野憲次君) 今の御質問は私共のお答えする範囲外かとも思うのでありますが、この第三次農地改革ということが、小作地を全部自作化するという意味であるといたしまするならば、我々事務当局といたしましても小作地を全部なくいたしまして自作化いたすということよりも、むしろやはり或る程度の小作地を残して置くということの方が適当であるというふうに考えておるのであります。まあその点はいろいろ理由もあるのでございまするが、例えば農家の労働力が長い間には変つて参るのであります。そういう場合に或る程度小作地を残して置きますることによつて、労働力の移動等にも対応して行くことができるのであります。これを全部自作化いたしますると、そういう点におきましても労働力と耕作面積とが適応して参らないというような不便もございまして、或る程度やはり小作地を残して置くことの方が却つて適当ではないかというふうにも考えているのでございます。
  50. 門田定藏

    門田定藏君 只今の御説明を聞きまして、私は意外に思うのですが、或る程度小作地を残して置く方が労働條件がどうとかこうとかということですね。今の不在地主の所有地は農地調整法から言いますと、みずから耕作せんよそにいる人が土地を引上げて作ることはできんことになつている。そうしてみずから作らないものを、労働條件もへちまもない。そういうものを残して置いて、そうして小作問題を起して、いろいろとまた山間部の方には惡辣な手段を用いて小作地を引上げて、それを不正な売買をしたりするようなことが全国各地にあるということは、当局は御承知のことと思つておりますが、こういうふうに、第二次の土地改革が理想的である、それにもかかわらずそういう惡い思想なり問題を起すようなことを残して置くということが、労働條件がどうとか、小作地がどうとかいう、当局がそういう見解を持つているから日本の農地の改革はできないと私は思うのです。まあ一つこれは見解の相違で、私が今迫るというわけには行きませんが、何が故に、どういうわけでそういう惡い問題を起すような種を残して置くということがいいか、惡いかということについて、私はもう一遍見解を聞きたいと思うのです。
  51. 佐野憲次

    説明員(佐野憲次君) 現在の行き方で行きましても、不在地主の小作地というものは、これは全部解消することになるわけであります。併し在村地主の小作地があるのでありますが、これにつきましては、農地調整法等によりまして、小作関係から生じまする弊害については、これを矯正して行くような処置を講じていることは御承知の通りであります。今の労働力と経営面積の話でありますが、或いは言葉が簡單で御了解願えなかつたのか、或いは意見の相違かとも思いますのですが、我我としましては、やはり農家にも労働力に変遷があるわけであります。現在はこれで適当な耕作面積だと思つておりましても、子供が段々大きくなつて参りますると、もう少し耕作面積が欲しいという場合が起つて参ります。又一方の農家では労働力が減つて参りまして、このまま自分の耕作地を維持して行くと非常な粗放な経営しかできないというようなそういう事態が起つて参る。そうなりますと結局これを小作地によつて調整する方が適当なのでありまして、その都度一方の耕地を削つて他の方へ移して、一々自作化を図つて行くということも容易でないと考えるのであります。そういう意味からも或る程度の小作地を残すほうが却つて適当じやないかというふうに考えておる次第であります。
  52. 門田定藏

    門田定藏君 この問題について当局によくお考えを願いたいと思いますか、我々が第二次の土地改革が済みましてからいろいろな不正行為がやられて、調停その他について弱つているのですが、今農地局長は、例えば今家内が五人なら五人で、一町なら町、一町五反なら一町五反を作るという計画をしておつても、又家内の都合によつて拔き差しがある、こういうことを言われましたが、今たとえその家が五人おつて一町の田を作つておる、それが六人になつて殖やしたい、こういう問題が起つたにしても、片一方の人が、一町作つている人も、又その家内が地主の家族が一人殖えれば同じことですよ。二人殖えたら又小作は殖やさなければならんということになる。だから土地の問題は正しい方法で、そういう場合があつたならば、土地改革を行われている農地委員というものがあるから、不正なことはできんことになつておりますが、その農地委員を買收したりして、又農地委員に本当に立派な農地委員がない所、そういう所に乗じて不正なことが行われるからして、私は耕作しでおらんものはこの際やつたがいいと考えておりますが、これは見解が違うことでありますが、そういう意味で大体自作農の実情というものが当局によくわかつていないと私は考えておる。この点を最後に附加えて、しつかり農村実情当局が調査して、そうして時のどういう政府が政略的にやろうと、どうしようと、政府が断固たる正しい公平な処置をもつて将来の農地改革に参画して貰いたい、関與して貰いたいということを私は御希望申上げて打切ります。
  53. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 この問題は先にも委員長から農林大臣に対してお話がありました際に、次の国会で詳細に言明するということでございまするから、余りくどくどしいことは申上げたくないのでありますが、一つ重要な点がありますので、この点だけは一つ認識を改めて置いて貰いたい。即ち自作農特別措置法の農地価格に関する統制規定が失効いたしまして、農地改革が一時停止するということになつた。これは国会の責任においてそういうことになつたというふうに農林省では見解をはつきり発表しておる。このことは夙に我々が国会終了の数日前において、私はくどくどしく法務庁並びに農林大臣、農林政務次官に質疑を重ねたつもりでありまして、これは国会の責任ではないということをはつきり申上げて置いて、而もこういう事態になつておりながら、それをば国会の責任において価格統制規定が失効した、そこでポ政令を出すのだ、こういうふうに言われておることは、非常に重要な問題であると思う。我々もかようなことでありまするならば、審議に対して一つの疑惑というものが生れて参りまするし、政府におきましてもどうしても通さなきやならんということよりも、どうしても工合が惡いときには政令で出せばいいのだ、こういうふうに国会の審議というものが自主権を失い、又非常に不まじめなものになつて行くということが考えられるのであります。そういうことを恐れまして、我々は二つの相関連する法律が同時に出された場合には、両方成立する場合と、両方不成立に終る場合と、たまたま一方が成立して一方が成立しない場合があるので、そのあらゆる場合についての用意をすべきである、立法措置考えて置くべきであるということをば、四五日前だつたと思うのですが、申上げたにかかわらず、それをそのままにして、自作農特別措置法は審議未了になり、土地台帳法の一部を改正する法律は通過をした、こういうことになつたのでありまして、これは政府の責任であるというふうに見解を改めて貰わないと、非常に将来の考え方において重要な問題が起きて来ると思うのであります。この点につきまして、これは農林省の見解でありまするから、恐らく農地局の見解でもあろうかと思うのですが、局長の一つ意見を承わりたいと思います。
  54. 佐野憲次

    説明員(佐野憲次君) 農林省の見解というのは、何に出ておりますのかよく存じませんのでありますが、司令部から来ました手紙にも実はそういうことが書いてあるのでありまして、この書簡の目的を達成することは国会の責任であるというふうに書いておりますが、この責任というのは、日本で普通に言う責任であるというような言葉づかいと多少違うようでありまして、こういう価格をきめるというようなことは、国会のやるべき仕事であつて政府が勝手にやるべき事柄ではない、そういう意味で国会の責任であるという言葉を使つておるのであつて、我々日本人同志で、普通に言う、これは誰の責任だというような意味ではなくて、これは国会においてやるべき仕事であつて政府が勝手にやるべき事柄ではないという、そういう意味で責任という言葉を使つておるようでありまして、若し何か、そういう農林省の見解として出ておりましたらば、それは司令部のそういう意味で責任という言葉を使つておるのを、誰かが、そのまま使つたために起つて来たのであろうと思うのでありまして、決して私共国会の責任というのは、日本の普通で言えば落ち度だという場合に使う場合がありますが、そういう意味で言つておるのではないのであります。
  55. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 私が言うのは、そういう立法措置を、こういう場合を予想してする余地はあつたというふうに我々は考えておるのであります。即ち土地台帳法の一部を改正する法律が通過したといたしまして、賃貸価格がなくなる、自作農特別措置法の改正は行われない、こういう場合には統制価格かなくなるのでありますから、土地台帳法の一部を改正する法律案が、まだ賃貸価格廃止しない以前におけるその賃貸価格によるのだというような立法措置はできるのでありまして、そういうことを我々はたびたび慫慂し、暗示をしたつもりであつたのであります。それを怠られたことは、如何なる意味における責任という言葉のあれは申しませんが、これは明らかに政府の責任であると私ははつきり申上げたように記憶しておるのであります。これは、そのくらいのことは、政府としても一つ将来においてはやつて頂かないと、そういう努力も拂われないで、もうすぐに安易なる統制令によつて処置するということは、この問題に限らず大きな将来における一つの禍根を残すのではないかと考えられますから申上げただけであります。
  56. 佐野憲次

    説明員(佐野憲次君) その点は、御意見もございますが、私共はそうは考えないのでありまして、政府として法律案を出しまするには、その法律案を議会で承認して頂こう、議会の承認を得るために出すのでありまして、その場合に、これが通らなければこれ、これが通らなければこれ、というふうに幾様にも出す、そういうような確信のないことを、どう申しますか、そういう出し方は政府としてはできないのでありまして、出すとすりやこれがいいのだという法律案を一本出すということは、これは当り前のことであろうと思うのであります。政府に幾様にも出して置けということは如何かと思うのであります。
  57. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 それは一方でも同時に出して置けというのじやない、時間的にも余裕があつたのだというので、それを後になつて国会の責任であつた、それで規定は失効したのだということを申すのは、過ちではないかということを申上げたのでありまして、これはくどくどしく討論をしたいと思わないのですが、将来において、そういうことをして貰いたいということを申上げげておるわけでございます。
  58. 岡村文四郎

    ○岡村文四郎君 この問題は局長にお話を申上げてもいかんと思います。これは局長に申上げて置きますが、どういうわけであれが不成立になつたかということを十分に検討して貰わなければならん。これは国会の責任と書いてある、むろん国会の責任である、決議する点は国会の責任ですが、こちらの取りようじやどうにも取れる。司令部でも無理矢理通せということを申しておりません。そういうことになりやしないかということを随分心配した、若しそうなつて審議未了になつて措置に困らんように單行法で行こう、こういうので印刷までできたはずだ。そこでただ單に池田さんが仰しやるように、第三次農地改革は全然関係がありません。それで納得の行く説明ができないものですから、駄目にしてしまつた。それを政府の方の納得する説明ができないことを棚に上げて、国会の責任を言うことは誠にいかんことで、それはいけないが、次の時期まではつきりどういうわけでこれが審議未了になつたかということを政府が知つておるか、知らんか確めて置いて貰つて、今日はなかなかこの問題は駄目だから、局長にいろいろお話を聞いてもいけないと思う。大臣とも十分腹を聞いてやらなければならん。我々の手落ちじやないと思つておりますから、今日はこの程度にいたしましよう。
  59. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) それでは午前中の委員会をこれで以て終えて休憩いたして差支えございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) それでは休憩いたします。    午後零時十六分休憩    ―――――・―――――    午後二時六分開会
  61. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) それではこれより委員会を再会いたします。  先きに理事会におきまして主要食糧供出制度に関する小委員会を設け、その人数、人選をいたしました。各会派から人を選ぶことにいたしまして、自由党、社会党、緑風会それぞれ二名、民主党、第一クラブそれぞれ一名、こういうふうにいたしました。その人選は自由党は白波瀬米吉さん、それから土屋俊三さん、社会党は小林孝平さん、三橋八次郎さん、それから緑風会は片柳直言さん、飯島連次郎さん、第一クラブ岡村文四郎さん、民主党はこれはおいでになりませんが三好始さんにお願いしたい、こういうことにいたしました。さように御承知願いたいと思います。   ―――――――――――――
  62. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) それでは競馬法の一部改正法律案が継続審議になつておりますので、これを本日議題にいたしたいと思います。で井上競馬部長がおいでになつております。それでいろいろ最近の競馬の事情についての御説明を願いまして、この改正法律案についてのいろいろ御質疑を願う、さようにいたします。こういうふうにいたしております。
  63. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) お手許に国営競馬收支調が配付になつておるのでございます。これについて説明をして解説を申上げたいと思います。  この書類に記載してございますように、明治二十三年度から国営競馬になつたわけでございまして、二十三年度は、八月以降が国営競馬で、それまでは日本競馬会の競馬であつたわけでございます。二十四年度国営競馬、二十五年度国営競馬、こういうことになりまして、先ず勝馬投票券の発売金額を申上げますと、二十三年度は、只今申しましたように、年度の途中から国営に移りましたために、二つに分けて計算が出ております。日本競馬会のやりました成績は十九億九千九百七十万円、国営に移りましてから三十九億四千四百三十二万円、それから二十四年度のは、発売金額の総額は四十九億五千五百九十三万円、二十五年度には、これは予算でございまして、予算といたしましては五十七億八千四百万円を見て、これに対しまして三十五年度について申上げます、二十五年度は金詰り及び主として競馬と競輪との向上率の差が約一割二分くらいございますので、そういう関係から非常に競馬に影響して参りまして、この予算数字に対しまして、今までの売上の成績から申しますと、大分減ると考えております。先ず売上げの総額は一応三十五億くらいに見たらよかろうと考えております。最近におきまして国営競馬、地方競馬を通じまして、この売上げで、御覽の通り、社会諸般の事情から競馬が非常に低調になつておりますのは甚だ遺憾に存ずるところでありますが、一方におきましては、競馬は従来成るべく堅実な方針をとる、これは国営、地方を通じまして騒動が起りませんように、且つ又余り刺戟しないように、又法律といたしましても未成年者には売らない、或いはその他相当の制限を加えてございますので、この結果は、競輪が抬頭すればする程こういう結果になるということを考えております。少くとも率の引下げは、同じ商売でかぐのごとく大きな開きがあることは不適当でございますので、実はその対策について次の議会には必ずお願いしなければならないというふうに思つております。  それから次に競馬場の数について申上げますと、国営競馬は法律には十一ケ所ございますが、十一ケ所の中で現在新潟と宮崎は休んでおります。この休んでおります理由は、僻遠の地方でございまして、現在の收支計算からいたしますと、どうも自信は持てないということと、もう一つは、競走馬の数やその他の関係から、この辺のところは一応開催ができない事情になつておるのであります。  地方競馬の方を申上げますと、競馬場の数は七十五ケ所でございますが、この箇所数に対しまして、開催をする権利を持つた開催権者が逐次の改正によりまして著しく殖えております。戰後における競馬発足の当時は、国営並びに都道府県営でございました。その他は開催できなかつたのでございますが、その後の改正によりまして、戰災を主とした災害を受けた市町村がこれに加わることに相成りましたので、著しく増加をいたしまして、そのために競馬の開催は、洩れなくこれらの開催権者が行うことになりますと、一年が三百六十五日では到底足りないようなところも、そういう県も沢山にできておる事情であります。競馬開催の当事者から申しますと、これは適当に調節することが何より必要だと考えております。これまで国営競馬の売上げのことを申上げましたが、地方競馬につきましては統計がとかく出揃いませんのではつきりしたことは申上げかねますが、大体総売上げは、地方競馬の総額を申しますと五十億内外と御承知置きを願いたいと思います。これも漸次減る傾向になつておることを附加えて申上げて置きます。又最近におきまして、競馬にいろいろ騒動がよくつきものでございましたのですが、この騒動につきましては、最近は殆んど起つたようなことはございません。関係者が都道府県営になりましてからは不馴れの者が段々馴れて来る、又警察の方との連絡がうまくつくようになり、又当時つきものであつた暴力団等の介入もいろいろ都道府県の力によつて廃止することができるようになつたという事情になつております。国営におきましては、当初からこれらの暴力団は一切介入させないように努力しておりますので、ときたま多少の騒動はございましたが、本年の春は一回もございません。この静謐の状態で続けて参りたいかように考えております。甚だ原稿を持ちませんので順序なく申上げましたが、極く大要は右のような次第であります。
  64. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) 御質問ございませんか。
  65. 加賀操

    ○加賀操君 二十五年度の予想ですが、大体売上げ五十五億の見通しだと申されるのですが、それで收支の結果、大体の見通しをどういうようにお考えになつておりますか。
  66. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) 予算の支出の方はここに挙げてある総計が八億三千九百万円になるわけでございますが、それを差引きまして、收入といたしましては約六億の收入があるだろうと考えております。尤も競輪が二ケ月ばかり停止になります間には、二、三割の増加か見込まれますので、三十五億も三、三割増すのではないか、かような考えを持つております。
  67. 加賀操

    ○加賀操君 それからいつも問題になります震災地の競馬ですが、大体欠損のないような見通しですか、やつぱり都合が惡いようですか。
  68. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) それは大体のところ都合が惡いようでございます。関東におきまして川崎、大井、今度できました船橋、この三ケ所は大体よかろうと思います。それから関西の、大阪の長井公園の競馬もここ一、二回黒字を出しておりますが、著しく競輪に押されております。尤も地方によりまして非常に堅実にやつているところで、極く僅かな黒字を出しているところは相当あると思いますが、今日はその資料を持つて参りませんので、二十五年度数字はちよつと分りかねますが、二十四年度におきましては三分の一が赤字で、三分の二が黒字になつております。
  69. 加賀操

    ○加賀操君 それから競馬法の第二條にありまする競馬の場所ですね、今やつておられない新潟と宮崎ですが、これは初めからやつておられないのですか。
  70. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) さようでございます。
  71. 加賀操

    ○加賀操君 これは何とか、やるとかやらんとか、まあ最後は法律の改正になりますが、そういうことはお考えになつておられませんでしようか。
  72. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) 宮崎を例にとつて申しますと、何分にも競馬場のできた沿革が古いそうでございます。地元のお方の努力ででき上つたような沿革がございまして、時勢が許されるならば開いて貰いたいという切なる御希望がございますが、どうもいろいろ政治問題も起りまして、急に廃止するというようなことも困難な情勢になつております。
  73. 加賀操

    ○加賀操君 そうすると、こういうところは国の経費はそうかからないのですか、存置して置くことについて。
  74. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) 只今では県に貸興いたしまして、地方競馬を開催いたしております。新潟についても同断でございます。県の收入になることでございますので、極く安い金で貸しております。宮崎につきましては確か九万五千円ぐらいでございます。それから新潟につきましては十二万円ぐらいで貸している。尤も正確な数字はあとで申上げます。維持費といたしては、只今はそれを差引きまして、政府の負担は大してございません。
  75. 加賀操

    ○加賀操君 それからその他の現に施存している競馬場の大体收支の見通しですね。札幌から小倉まであります。
  76. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) これを申上げますと、二十四年度ははつきり出ておりますが、二十五年度の見通しを申上げます。只今までで札幌、函館は一度も今年はやりませんが、函館は二百万円ぐらいの赤字になつております。札幌の方は辛うじて黒字になつておりまして、これは赤字でございません。それから中山、東京については、これは全く黒字でございまして、これは弗箱になつております。それから福島は本年は東京において例の場外馬券をやりました。これは相当の黒字になつております。それから、京都、阪神は大体これも黒字でございます。ただ小倉がこれは約四百万円ぐらいの赤字を出しております。次にもう一回やる計画でありますので、若干取返せると思います。
  77. 加賀操

    ○加賀操君 先程部長かもお話がありましたが、国営、地方を併せまして今の馬の数及び場所も関係いたしますが、大体部長の言われるところでは、開催地及び回数が多いので廻り切れないというようなお話がありましたが、私も聞いて見たらそういう意見が大分あるようなのです。これをこのままして置くか或いは何か適当な整理をされるような具体的なお考えを持つておられるか。
  78. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) 只今のところ、国営競馬の出場馬の頭数は大体全国の頭数約七百頭です。それから地方競馬が万二千頭ぐらいあります。これはしよつちゆう移動するのですが、二十四年度のは余り御参考になりませんから申し上げませんが、八日が一番少いわけです。九月に入りましてから、多少景気の見通しとか、そういうようなことから予期に反して殖えております。現在開催しておりますところを見ても、いろいろなコントロールによりまして、その点は余り心配がないのじやないかと考えます。まあ不足といたしましてもレースのいろいろやりくりがございますので、国営競馬開催当初は三頭、五頭のレースもあつたのです。近頃はその辺もいろいろ馴れて参りまして、そう淋しい競馬ではないと考えております。
  79. 加賀操

    ○加賀操君 それで大体は何ですか、七百頭と一万二十頭ですが、これ国営になつた当初と、只今と比較して馬の質の向上ができているかどうか、こういう点でございますね。
  80. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) 質の向上につきましては、いろいろ批評があると思います。特に外国から種馬を入れてずつとやつて来たのでございまするが、これを国内生産の種馬に大多数置替えられましたので、質が低下したのではないかという意見もございますが、競馬のスピードから申しますと、大体コンデイシヨンによつていろいろありますが、落ちてはおりません。むしろよくなつております。それから見たかつこう等から申しますと、細かに申しますれば、外国の馬のかつこうが少し変つて来たような感じもいたしまして、その点から内容的にどうかということも言えるかも知れませんが、極くざつとした観察では、目だつて惡くなつたというようなことは考えられません。よくなつたということも積極的に申上げられませんが、非常に目だつて惡くなつたということはございません。
  81. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) 私からちよつと伺います。今度中京に一ケ所殖やすということが衆議院の方で通過して来たわけでありますが、中京を殖やした場合には、農林省の方としてこれによつて相当收入がある、こういう見通しですか。
  82. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) 中京地区は、御案内のように東京と大阪方面との中間にありまして、ここに競馬場を設置することが適当であるということについては、関係者の輿論の一致するところであります。然し近頃競馬一般の不振状態から申しまして、どの程度の收入が殖えるかということについては、どうもはつきりしたことは申上げませんが、大観いたしまして損はしない、若干のプラスになるであろうということを申上げて差支えないと、こういうふうに考えております。
  83. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) 次に国営競馬になりますと、競馬場設置のことが問題になるのですが、競馬場設置はこの法律が若し成立するということになると、これは国家でやることになりますか。
  84. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) できますならば経費を要求して国がこしらえるのがよかろうと考えております。
  85. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) 若し国が競馬場として設備の整つたものをこしらえるとしましたならば、これはどのくらいの経費がかりかりますか。
  86. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) 一応只今までいろいろのところでやりました経験から申しますと、二億ぐらいはどうしてもかかると思います。
  87. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) これは全部国庫負担になりますか、それとも例えば地方で或る程度負担するというようなことが行われるのですか。
  88. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) 実はまだ聞いて見たことがございませんが、競馬場を造つてくれという御要求が中京地区で非常に沢山あるようでございますので、敷地ぐらい或いは御寄附になるのではないかということを考えますが、建設はどうでございましようか。
  89. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) 先程ですね、予想よりも勝馬投票券の売上金が減つた、その減つた原因は、無論最近の金詰にもあるが、競輪が大分影響をしておる、こういうお話であつたわけですが、競輪が今ああいう状態で、若し競輪が中止になる、或いは競輪のいろいろ條件が変つて来る、こういうことになると競馬の方が殖える。競馬へ来る人が殖える。こういうふうに見通せますか。
  90. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) これは相当殖えるだろうと思うのです。少くとも現在の五割、或いはそれ以上がちよつとした期間を置けば確実に殖えると思つております。
  91. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) それから今競輪がああいうふうに非常に騒がしいのですが、ああいうようなことをやる人たちは前には競馬にも相当あつたと思いますが、競馬の方から競輪へ移動して行つた、而も競輪によつて更に多くのああいうようなことをやる人間が養われて、それが附加されて来た。若しそれで競輪が非常に制限されたり止められたりすると、ああいう騒ぐ連中が競馬の方へ又戻つて来る。而も前よりも競輪で養成された連中が附加されて戻つて来るということになると、競馬も又、地方競馬にせよ国営競馬にせよ、又ああいう連中の騒ぎの場所に化す虞れはないでしようか、その辺のお見通しはどうでございましようか。
  92. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) これは只今委員長の仰せの通り非常に警戒を要する点だと思います。何とかこの点の防止措置を講じたいと考えまして、実は今日の夕刊にそれが出るつもりでございまするが、今までやつておりましたフオーカス、連勝式の馬券を来る二十三日からの中山の競馬から私共としては中止をいたすことにいたしました。この連勝式が最も興味の中心になつておりますが、賭博性が強いというような見解からこれを排除するつもりで、今川中止の措置をいたしました。尚地方競馬につきましても極力これに倣うように今日通牒を実は出すつもりであります。今仰せの通りその辺のことは十分我々としては警戒をいたさなければならんと思いますが、ただここで私共多少の違う点を考えておりますのは、競輪におきましては御承知の通り自動車に人が乗つてやるのでございまするから、とかく不正レースが行われ易い事情にあるわけでございます。又不正レースであるか不正レースでないかということを判定することが極めて困難でございます。競馬におきましては間間不正レースがないではございませんが、大きな動物に……これは乗馬をおやりになつた方にはお分りかと思いますが、衆人監視の中でこれにコントロールを加えるというようなことは可なりむずかしいのでございます。こしらえたレースを仕組むということは、それはすぐ発見され易いのでございます。こしらえましても処罰を受けまする関係で予防もできまするし、又処罰をすればそれが排除できるわけでございまして、この点競輪とは余程事情が違います。あの騒ぐ連中も決して理由なく騒ぐのではございませんで、八百長である、こういうことによつて騒ぐわけでございますので、八百長であるか八百長でないか明瞭でないようなレースそのものがすでに問題があるのでございます。それで私共といたしましては設備も十分に考えておりまするし、レースそのものの本質上ああいうような騒動が起らないもの、又こしらえてはならんものと、かように考えております。
  93. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) 次に騒動の問題に関連しますが、騒動に警備を必要とするわけですが、ああいう競馬でも競輪でもやる場合に、警察官を呼んで警戒させるあの費用は大体どういうことになつておりますか。
  94. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) これは国営競馬について申上げますれば、土曜、日曜に大体開催をいたしておりまするが、警察官は多いところで五六十人、少なければ三十人くらいの程度の警察官に来て頂いておりますが、お晝の弁当を用意して欲しいという程度のことであります。特別の要求はございません。今のところ大した負担になつていないのでございます。
  95. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) そうすると国家の方はそれで負担にならん、又地方の方もそれで負担にならんのはいいですけれども、こう競馬だの競輪だのがじやんじやん行われて、そのたびに警察官があれに引つ張り出されて弁当だけで追つ拂われるという問題は、これは今の警察にとつて大きな負担だろうと思いますが、一体警察側から見た競馬だの競輪だのの増加によるといろいろな費用、労力の負担というものは、警察の方からそういうものについての資料があるのでしようか、それはお聞きになりませんか。
  96. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) 只今まで実は聞いておりませんが、地方税として入場税が相当県なり或いはその他に入るものと思います。この点がやはり警察側とか或いは当該市町村のちよつとした施設費であるとかに廻つていたとか、相当いい影響を與えておるということだと思います。今税法が改正になる前まで当該地元にそれが落ちたのであります。その税金が東京とか中山などでは一月に百万円以上にもなります。そのためにこの問題は何ら問題にならなかつたのでございます。
  97. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) これは競馬部長としてはなかなか言いにくいことだろうと思いますが、一体中京によらず、どこによらず、今殖やすという方針を、この議員提出法律案が出ないような場合でもお考えになつておりましたか。
  98. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) 実は政府といたしましては、積極的には出しにくい事情にあると思います。併し出されたものを今反対するような理由も発見し難いのであります。
  99. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) もう一つお伺いしますが、競馬場の設置問題については、これは関係方面とはどういうことになりますか。
  100. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) 私共の聞いておる範囲ではOKを取つたということでございます。
  101. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) それは法案の ○Kであつて、いよいよ国会が予算を支出して競馬場を設けるということの ○Kとは別問題になる、行政関係でそれはどういう結果になりますか。
  102. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) 具体的に中京の問題を関係方面お話したことはないのでございます。只今ちよつと何とも申上げようがございません。
  103. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) 外にどなたか……。
  104. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 競馬法の十一條の二ですか、「勝馬投票券の発売による收入金のうち、勝馬投票券の売得金の総額から拂戻金及び返還金の総額を控除した残額の三分の一に相当する金額を、畜産業の振興のために必要な経費に充てなければならない。」、これが解釈について、大蔵省農林省と或る程度解釈に違いがあつたように聞いておりますが、一般財源から、畜産業の振興に必要な予算一般の原則が組まれて、それにプラスして三分の一をやるというような解釈にこれはなるんですか。
  105. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) これはつい先だつて会計検査院の検査が我々の方でございました席で、検査官の非公式な話でございますが、やはりこの法案の通りに読めば、確かに畜産局の予算がきまつて、それにプラス三分の一というのが普通の見方であろうということでございますが、それはどうも予算折衝にはいつも余り明瞭でないような始末になつておるように思います。
  106. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 どうも私もこの規定の文面からすると、多少その点が明確を欠くので、折角競馬をやつて、勿論別途の改良という効果があると思いますが、もう一つここで畜産業の振興にプラスということになれば、これは或る程度国営をやるという一つの根拠が出て来ると思います。そこでこの十一條の二の規定が非常に不明確であるのです。これを何か今お話のように一般予算にプラス三分の一というふうに、はつきりこれを書き替える御意思農林省にあるかどうか。
  107. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) これは実はこれも非公式な話でございますが、関係方面では非常な強い反対があります。こういうふうな書き方については、片柳さん御承知の通りだと思うので彫ります。政府からこれを直して出すということは事実向うのOKが得られんのではないか、こういうふうに考えます。
  108. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 それから先程委員長からもお話がありましたように、今川中京地区ですか、この地区に競馬場を増設いたしたいという衆議院の方からの法案が出ておるわけですが、率直に見て、農林省事務当局の立場で見て、これがどの程度の賛成か不賛成の態度を持つているか。それからもう一つは、私も詳しいことは承知をしておりませんが、過去の経緯を聞きますると、中京といつても非常に広い地区になるのでありまして、具体的な場所について参議院はどうこうということは全然ありませんが、相当地方の政治的な問題にもなつておるように聞いておるのでありますが、この場所の選定は、一つには競馬経済という点から場所を選定しなければなりませんが、もう一つは、やはり農地の改廃というような問題ともぶつかる問題が相当あると思いますが、そこで勿論まだ参議院はこれから審議をやるわけでありまするが、この具体的な個所の選定については専門家である農林省にむしろこれは私はお委せをした方が適当だと思うのですが、その場合にやはり農地局と十分連絡を願つて、競馬経済と農地関係と両方の点から見て、條件のかなつた所でないとこれは非常な問題を起すと思いますが、大体具体的な場所を選定して頂く決心というとおかしいのですが、そういうことをお願いをした場合に、それが大体御準備がありますかどうか伺つて置きたいと思います。
  109. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) 第一の問題につきましては、日本競馬会の当時から中京地区と申しますか、名古屋に競馬場を作りたいという希望で調査せられたものがいろいろ残つております。尚関係者、主に馬主の関係でございますが、関西、関東の中間にあつて然るべき所だから、作りたいという希望が相当今でもございます。我々といたしましても競馬場を作れば、助勢によりまするが、只今でもマイナスにはならんということから賛成をいたしておるような次第でございます。  それからり第二の点は、候補地といたしましてすでに私共の所にいろいろ陳情がございましたのが五ケ所、詳しく申上げますと六ケ所来ておりますが、これは具体的には実査をいたしておりませんが、一応農地に関係のない丘陵地体が主になつているのでございますが、この六ケ所についていろいろ検査をいたし、且つ又その外にも日本競馬会の当時調べたものも一、二ケ所あるようでございますので、調査いたしました上ではお引受できるのではないかと漠然と考えております。
  110. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) 競馬場の候補地の問題につきまして、愛知県知事青柳秀夫氏より農林委員長宛に次の申入れが来ております。    国営競馬場設置に関する申合せ    申達について  去る七月二十五日首題に関する打合会を開催したる結果各候補地代表者に於て別紙の通り申合せられ夫々提出があつたので取纏め申達するからよろしく御取計い願いたい。こういうふうにしまして、次のような申合せができておるのであります。    申合せ  競馬法を改正し新に中京地区に国営競馬場を設置せんとするに当り当市町に設置せられたき旨関係筋に陳情致し置きたるも新設競馬場の競馬経営の責任は政府に存するに鑑み之れが設置場所の選定は農林省当局並衆議院、参議院農林委員長に一任することとし設置に関する運動は今後一切行はかいことを設置方希望の市町代表に於て申合せる。   昭和二十五年七月二十七日    一宮市長    大府町長    春日井市長    守山町長    鳴海町長 こういう各市町村の代表者からお申合わせが来ております。
  111. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 そこでその法律の解釈ですが、私も今卒然とこれを見たんですが、第二條に国営競馬の競馬場は札幌以下何々の十一箇所とする、こういうふうにしてあるのですが、札幌とか函館というのは、これは別段札幌市とか、函館市とも書いてない。札幌競馬場、函館競馬場と、要するに競馬場の同有名詞をここに書いてあるに過ぎない。そうすると中京と書くか何と書くか分りませんが、それは要するにその競馬場の固有名詞なんかを書くに過ぎないんです。ですから国会は法律としては、それ以上のことはこれはできないんで、従つて例えば阪神競馬場を具体的にどこに置くかの問題は、これはむしろ国営競馬をやる当事者の執行行為になるわけです。やはり法律論としては具体的にどこへ置くということは、これは私この規定の性格から見て、そこまでは入り難いんじやないかと思いますが、そういう解釈か正しいかどうか。
  112. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) これは衆議院でも問題になりました点でございますが、御意見通りだと思います。
  113. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 そうすれば我々は法案の可否は別としまして、具体的などの場所に置くかという問題です。これは二條の規定の性質からもやはり競馬の実施当局に委すことが理窟としては当然だと思うんです。そういうようなことで御審議を願つたらどうかと思います。
  114. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) 今片柳さんから御発言がありまして、場所の設置問題は、これはこの委員会で場所を論議すべきではない、このことは執行の問題であるから農林省当局に任かすべきである、こういう意見があつたのですが、大体委員会はそういう見解で進むということでよろしゆうございますか。それをはつきりして置かんと、その場所の問題を持ち込まれて参りますと非常に紛糾いたしますから、そういうふうに委員会としては態度をはつきりさして置くということでよろしゆうございますか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  115. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) ではさようにいたして、今後審議の場合にはその方針で臨むことにいたします。  これは競馬師長に一つお伺いするのですが、この改正法律案が成立して、中京に設けるということになりました際に、例えば次の国会でこれが成立をした場合に、すぐにその競馬場設置の予算化が行われるのであるかどうか。
  116. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) 本年度において国の予算考えることは非常に困難だと思います。いずれにいたしましても、国でやろという、これは勿論政府の態度でございます。それがおきめ願いましたならば、来年度にやるということになると思います。且つ又そういうことに国会でおきめになりました以上は、大臣といたしまして、政府がやるか、或いはでき上つたものを借りるかというふうに方針がきまることでございましよう。
  117. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) でき上つたものを借りると、こういうことを今言われたのですが、そのでき上つたものを借りておる例はあるのですか。
  118. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) 阪神競馬がそういうふうになつております。尤もこれは施設の一部を借りて、あとは国が特つておるのです。
  119. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) 只今何ですか、中京の方でいろいろ競馬場設置のために運動しておられる方々の意見では、向うでそういう競馬場を設置して、それを政府に貸すと、こういうような案があるのですか。
  120. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) 專らそういう御意見のように拝聽しております。
  121. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) そうしますと、今度初めてそういうことが行われるわけですね。
  122. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) 尤も政府で作つてくれればこれに越したことはないという意見もあります。
  123. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) いや、政府が作るのは別として、そうなると初めて借上げてやると、こういうことになるわけですね。
  124. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) 今の阪神競馬場の例がございますので、まあ初めてとも申しにくいのでございますが、阪神競馬場の場合は、厩舎その他の設備は前から政府で持つておりましたものを使いました。それからトラツク、馬券場といつたようなものを新たに設置されたものを借りることになつておるわけでございます。
  125. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 これは改正法案とは離れた問題ですが、競馬場は各競馬場とも相当立派な建物、施設ができておるわけですが、そこでさつき收支のバランスが取れるといつても、例えば二億円なら二億円の資金を固定すると、その固定資金を見ればこれはなかなかむずかしい問題だと思うのですが、そこでまあ現在の競馬は非常に上品にやつておると私は思いますが、ただあれだけの土地を使つて、それだけの施設をして、国営競馬は競馬場ごとに年に三回しか開催せん。あとの大部分はある設備なり或いは相当の周囲の空地が遊んでおるというようなことになりましようか。そこで何かこの本来の競馬をやるに荒されては困ると思いますが、今少しく平たく言えば、商売気を出すと言いますか、何か空いておるときには、或いは国民健康の立場なり、或いはこれは思いつきでありましようが、倉庫の一部に何か使うとか、何かあらかじめ施設なり場所を、競馬を開催せんときにはいま少しく有効に利用するというようなことが考えられないかと思いますが、現在何かそういうことをやつておるかどうかですね、その点を一つお聞きしたいと思う。
  126. 井上綱雄

    説明員(井上綱雄君) 只今の御意見のようなことは、我々も国営になりまして以来相当に考えてやりまして、休閑地につきましては作物を作りまして、関係者の食糧の一端にしておるわけでございます。多少の供出をいたしておる場所もあると考えております。  それから施設その他全体につきましては、今お話のような筋もございますが、実は日本の競馬のこれは特徴でもございますが、厩舍に馬がしよつちゆうおりまして、そうして三歳の時から入るわけで、これを育成をいたしまして競馬に使うような事情がございます。トラツクはしよつちゆう練習のために使うわけでございます。で空いておる箇所もございますが、目ぼしい競馬場でございますと、休んでおるということは、結局殆んどないような事情になります。まあスタンドその他に特殊な建物でございまして、これを他に利用するということもなかなか困難な事情にございますが、併し仰せのようなことは十分今後、建物も少い事情になつておりますので、何かこれを有効に使いたいという考えは十分持つております。又いいお考えでもございますれば、いろいろお教えを頂くと大変我我としては仕合せな次第でございます。
  127. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) 如何でございましようか、この競馬場を殖やす問題は、最近の競輪の事情等に鑑みまして、政府の根本方針がこういう競馬とか競輪とか、或いは小型自動車競走とか、そういうものを一体今後どうしようとするのかということの根本的な方針がはつきりせんと、我々のほうで殖やすということも俄かに賛成し難いというようなことも起りはせんかと思いますので、もう少し情勢が明かになつて政府の競輪その他に対する方針がはつきりいたしました際に、改めて審議を続けるということにしたら如何でございましようか、そうする以外ちよつとないように思うのですが。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  128. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) ではさようにいたしまして、今日はこの程度で審議を打切りたいと思います。
  129. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 そういうことで結構と思いますが、ですから適当の機会に法務総裁とか法務府のそういう立場の意見も忌憚なく聞いて見たらどうかと思います。
  130. 岡田宗司

    ○委員長(岡田宗司君) そうでございますね、ではそういうことにいたしまして、委員会はこれを以て散会いたします。    午後二時五十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡田 宗司君    理事            西山 龜七君            片柳 眞吉君            岡村文四郎君    委員            白波瀬米吉君            土屋 俊三君            平沼彌太郎君            門田 定藏君            小林 孝平君            三橋八次郎君            三輪 貞治君            加賀  操君            溝口 三郎君            三浦 辰雄君   国務大臣    農 林 大 臣 廣川 弘禪君   説明員    農林省農地局長 佐野 憲次君    農林省畜産局競    馬部長     井上 綱雄君